説明

車両用のペダル装置

【課題】 ブレーキペダルとアクセルペダルの前後位置を調整できるペダル装置において、両ペダルの前後調整と同時に両ペダルの相対位置を変化させる。
【解決手段】 ブラケット1にブレーキ側回動リンク2とアクセル側回動リンク3とを側面視で異なる位置に軸21と31とで軸着し、ブレーキ側回動リンク2の下部にはブレーキペダル23を取付け、アクセル側回動リンク3の下部にはアクセルペダル37を保持するアクセルペダル保持部材33を取付け、ブレーキ側回動リンク2の前後方向回動を制御するアクチュエータ4を設ける。ブレーキ側回動リンク2に固着した連結部材5を、アクセル側回動リンク3に設けた長穴3a内に摺動可能に係合させて両回動リンク2と3を連結し、アクチュエータ4の作動で両回動リンク2と3が回動してブレーキペダルとアクセルペダルの前後位置を調整すると同時に、両ペダルの踏面の側面視での相対位置を変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のペダル装置であって、例えばドライバの体格や好みに応じてペダルを前後方向に移動調整できるペダル装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ブレーキペダルやアクセルペダル等の複数の操作ペダルを同時に車両の前後方向に移動調整することができる車両用のペダル装置において、ペダルの踏点を前後方向に移動させる手段として、リンク機構を用いたものが従来より種々開発されている(例えば特許文献1及び2参照)。
【特許文献1】特開2001−278017号公報
【特許文献2】特開2002−59817号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に開示されたペダル装置は、車体に固着されたブラケットに、調節リンクを前後方向に回動可能に軸着し、該調節リンクにブレーキペダルとアクセルペダルとを同軸にて回動可能に軸着し、モータで回転するねじ軸とそれに螺合するナットとの組合せよりなるねじ送り機構にて上記調節リンクを前後に回動調整することにより、ブレーキペダルとアクセルペダルとを同時に前後に移動調整するものである。
【0004】
この特許文献1のものは、簡単な構成によって複数のペダルの前後位置を同時に調整できるという利点を有している。しかし、アクセルペダルとブレーキペダルとが同軸で前後方向回動調整されるので、前後位置を変えてもアクセルペダルとブレーキペダルの踏面の相対位置は不変であり、ドライバの体格の差により2つのペダルの踏み換え操作等に違和感が生じる、という課題を有している。
【0005】
更に具体的に説明すると、アクセルペダルとブレーキペダルとの相対位置は、両ペダルの踏み換え操作を違和感なく行えるように、適切に設定されることが望ましい。アクセルペダルとブレーキペダルの両踏面の相対位置を、例えば、比較的足の小さい人の踏み換え操作に適合するよう設定すると、足の大きい人には両ペダル踏面間の距離が近すぎて踏み換え操作が行いにくくなる。反対に、足の大きな人に適応した相対位置に設定すると、足の小さい人には両ペダル踏面間の距離が遠すぎて踏み換え操作に違和感を生ずる。従って、体格に応じてアクセルペダルとブレーキペダルとを同時に前後調整する場合は、アクセルペダルとブレーキペダルとの両踏面の相対位置も同時に変えることが望ましいが、アクセルペダルとブレーキペダルとを同軸にて前後に回動調整する特許文献1の構成では、両ペダルの踏面間の相対位置は不変であり、両ペダルの踏み変え操作に違和感が生じるという課題を有しているのである。
【0006】
アクセルペダルとブレーキペダルといった複数のペダルの相対位置を前後位置調整と同時に変化させるには、各ペダルに1個づつアクチュエータを設ければ容易に可能であるが、コストアップ及び重量増加をまねく上に設置スペースの面でも問題が生じる。
【0007】
特許文献2に示されているように、アクセルペダルとブレーキペダルの前後回動調整用の回動支点をそれぞれ異なる位置に設定すれば、両ペダル踏面の相対位置を前後位置調整と同時に変化させることが可能である。ところが、特許文献2では回動支点位置の異なる両ペダルを1個のアクチュエータ(ねじ送り機構)で前後調整するために、両ペダル間を平行リンク機構で連結し、該平行リンク機構で両ペダルの前後回動調整量の差を吸収する構成を採っている。このように両ペダル間を平行リンク機構で連結する構成のものは、構成部品が多く構造が複雑となり、コストが高くなる上にペダル装置全体が大型になるという課題を有している。
【0008】
また、両ペダル間に平行リンク機構を介在させる構成であるから、両ペダルの回動支点が側面視で近い位置にある場合は、平行リンク機構を適用することが困難である、いう課題をも有している。
【0009】
本発明は上記のような従来の課題を解決することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1の発明は、車体側部材に取付けられるブラケットに上部を前後方向回動可能に軸着されたブレーキ側回動リンクと、該ブレーキ側回動リンクの側方にて上部を上記ブラケットの上記ブレーキ側回動リンクとは側面視で異なる位置に前後方向回動可能に軸着されたアクセル側回動リンクとを有し、上記ブレーキ側回動リンクの下部にはブレーキペダルを回動操作可能なるよう取付け、アクセル側回動リンクの下部にはアクセルペダルを回動操作可能に保持するアクセルペダル保持部材を取付けたペダル装置であって、上記ブレーキ側回動リンクと上記アクセル側回動リンクのうちの何れか一方の回動リンクの前後方向回動を制御するアクチュエータを設けると共に、他方の回動リンクに上下方向の長穴を設け、上記一方の回動リンクに一端部を固定した連結部材の他端部を上記他方の回動リンクに設けた長穴内に摺動可能に嵌装係合させて両回動リンクを連結し、上記アクチュエータの作動にてブレーキ側回動リンクとアクセル側回動リンクが回動してブレーキペダルとアクセルペダルの前後位置が変更調整されると同時に、ブレーキペダルとアクセルペダルの側面視での相対位置が変化する構成としたことを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項2の発明は、上記請求項1において、アクチュエータは、ブラケットに取付けられるモータと、該モータにて減速回転し軸方向には動かないようモータケース等の固定側部材に支持されているねじ軸と、該ねじ軸に螺合されるナット部材とからなり、該ナット部材はブレーキ側回動リンク又はアクセル側回動リンクの何れか一方の回動リンクに固定されており、モータによるねじ軸の回転によってナット部材が前後方向にねじ送りされ、上記一方の回動リンクを前後方向に回動させる構成となっていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、上記請求項1及び2に記載したように、ブレーキペダルを前後方向調整可能に支持するブレーキ側回動リンクと、アクセルペダルを前後方向調整可能に支持するアクセル側回動リンクとの、両回動リンクのブラケットへの軸着位置を側面視で上下前後にずらせた位置に設定すると共に、両回動リンクを連結する連結部材を、一方の回動リンクには固定で他方の回動リンクには長穴への嵌装係合としたことにより、両回動リンクの回動中心のずれによる回動軌跡の差は連結部材の長穴内での摺動によって吸収され、1つのアクチュエータで両回動リンクを同時に前後方向に回動移動させ、ブレーキペダルとアクセルペダルとの両ペダルの前後位置調整を同時に行うことができると共に、両回動リンクの回動中心のずれによって両ペダルの前後位置の調整と同時に両ペダルの踏面間の側面視での相対位置も変化し、ドライバの体格の差によって生じる両ペダルの踏み換え操作等の違和感をなくすることができる。
【0013】
また、このような両ペダルの前後位置の調整と同時に両ペダルの踏面間の相対位置を変化させるという作動を、両回動リンクの回動中心位置のずれと、例えば単純なパイプ材等よりなる連結部材の長穴への嵌装係合という極めて簡単な構成によって達成することができ、大幅なコストの低廉化、全体構成の小型コンパクト化、及び軽量化をはかることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態につき、付図の実施例を参照して説明する。
【0015】
図1において、1は車体側部材(車体又は車体に固着された部材)に固定されるブラケットであり、該ブラケット1には、ブレーキ側回動リンク2とアクセル側回動リンク3が取付けられると共に、これらブレーキ側リンク2とアクセル側リンク3を前後方向に回動させるアクチュエータ4が取付けられる。
【0016】
ブレーキ側回動リンク2は、上端部をブラケット1に軸21にて回動可能に取付けられ、その下端部にブレーキペダル23の上部前端部が軸22にて回動可能に結合される。該ブレーキペダル23の上部後端部には連結リンク25の下端部が軸24にて回動可能に結合される。
【0017】
前記軸21には、ほぼL字状をなすブレーキ操作レバー26の中間部が回動可能に取付けられ、該ブレーキ操作レバー26の一端部が前記連結リンク25の上端部に軸27にて回動可能に結合され、該ブレーキ操作レバー26の他端部はマスタシリンダを直接又は倍力装置を介して作動させるプッシュロッド28(図1では中心線のみを示している)に結合される。
【0018】
アクセル側回動リンク3は、前記ブレーキ側回動リンク2の側方位置において、上端部をブラケット1に軸31にて回動可能に取付けられるが、該軸31による取付点、即ちアクセル側回動リンク3の回動支点は、前記軸21によるブレーキ側回動リンク2の取付点、即ちブレーキ側回動リンク2の回動支点とは側面視で異なる位置、例えば図示実施例のように、軸31が軸21より上方でやや前方となる位置に設定される。また、アクセル側回動リンク3の長さは前記ブレーキ側回動リンク2より長く、軸21より上方位置の軸31にて上端部をブラケット1に軸着したアクセル側回動リンク3の下端部はブレーキ側回動リンク2の下端部より下方に位置する設定となっている。そして、該アクセル側回動リンク3の下端部にはアクセルペダル保持部材33の上部前端部が軸32にて回動可能に支持され、該アクセルペダル保持部材33の上部後端部には補助リンク35の下端部が軸34にて回動可能に結合され、該補助リンク35の上端部は前記ブラケット1に軸36にて回動可能に支持されている。
【0019】
アクセルペダル保持部材33には、アクセルペダル37が回動可能に支持されると共に、該アクセルペダル37の回動角度(踏込み量)に応じて電気的信号を発する操作量センサ38が内部に組み込まれている。
【0020】
アクチュエータ4は、モータ41と、該モータ41にて減速機構を介して回転駆動されるねじ軸42と、該ねじ軸に螺合されるナット部材43とからなり、上記ねじ軸42は軸方向には動かないようにモータケース等の固定側に支持され、ナット部材43は回転しないようブレーキ側回動リンク2の上下の軸21と22の中間部に取付けられ、モータ41の駆動によりねじ軸42が回転し、該ねじ軸42に螺合しているナット部材43が前後方向にねじ送りされ、それによってブレーキ側回動リンク2を上端部の軸21による軸着部を中心として前後方向に回動させるものである。
【0021】
5は上記ブレーキ側回動リンク2とアクセル側回動リンク3とを連結する連結部材であり、例えば単純なパイプ材又は棒状部材よりなる。該連結部材5は一端部分をブレーキ側回動リンク2に固定され、他端部分は側方に延出してアクセル側回動リンク3に設けた長手方向(上下方向)の長穴3a内に摺動可能に嵌装されている。
【0022】
上記連結部材5によるブレーキ側回動リンク2とアクセル側回動リンク3の連結位置は、上下の軸21と22との間の任意の位置を選定できるが、両回動リンク2と3の上端部の軸21と31を中心とした前後方向回動によって生じる下端部の軸22と32との相対位置の変化を大きくするためには、図示実施例のように両回動リンク2,3の中間部より軸21,31に近い位置にて両回動リンク2と3を連結するのが好ましい。
【0023】
上記において、ブレーキ側回動リンク2はアクチュエータ4のねじ軸42とナット部材43との螺合により固定状態となっており、該ブレーキ側回動リンク2と連結部材5で連結されているアクセル側回動リンク3も固定状態となっている。この状態でブレーキペダル23を踏み込むと、該ブレーキペダル23は軸22を中心として図示で時計方向に回動し、軸24,連結リンク25,軸27を介してブレーキ操作レバー26を軸21まわりに図示で時計方向に回動させ、プッシュロッド28を介して図示しないブレーキ装置のマスタシリンダを作動させる。ブレーキペダル23から足を離すとブレーキペダル23及び連結リンク25,プッシュロッド28等は、図示しないリターンスプリングにて元の状態に戻る。
【0024】
また、アクセルペダル37を踏み込むと、操作量センサが踏込み量に応じた電気的信号を発し、その電気的信号にてエンジンへの供給燃料制御が行われる。
【0025】
ここで、図1の状態(イニシャル状態)からモータ41を一方向に回転させ、ねじ軸42の回転でナット部材43が後方へねじ送りされると、ブレーキ側回動リンク2は軸21を中心として図示で反時計方向に回動し、下端部の軸22は後方へ変位する。軸22の後方変位に伴ってブレーキペダル23も後方に変位するが、この場合ブレーキ操作レバー26は動かないから、連結リンク25はブレーキ側回動リンク2とほぼ平行な平行リンク機構を形成した状態となり、該連結リンク25は軸27まわりに図示で反時計方向に回動し、ブレーキペダル23は後方に平行移動し、踏面23aの角度は変化しない。
【0026】
ブレーキ側回動リンク2とアクセル側回動リンク3とは連結部材5によって連結されているから、上記ブレーキ側回動リンク2の回動に伴ってアクセル側回動リンク3も上端部の軸31を中心として図示で反時計方向に回動し、下端部の軸32は後方へ変位する。すると、該アクセル側回動リンク3と補助リンク35とで平行リンク機構が形成されているので、該補助リンク35も軸36まわりに図示で反時計方向に回動し、アクセルペダル保持部材33は後方へ平行移動し、アクセルペダル37の踏面37aの角度変化は生じない。
【0027】
ブレーキ側回動リンク2とアクセル側回動リンク3は、それぞれの回動中心となる軸21と31の位置が違っているので、連結部材5による連結部位の回動軌跡に差が生じる。その回動軌跡の差は、アクセル側回動リンク3の連結部材係合穴をリンク長手方向(上下方向)の長穴3aとし、ブレーキ側回動リンク2に一端部を固定した連結部材5の他端部が長穴3a内に係合した状態で摺動移動することで吸収することができる。
【0028】
モータ41を前記とは逆方向に回転させると、ナット部材43は前方へねじ送りされて、ブレーキ側回動リンク2とアクセル側回動リンク3を同時に図で時計方向に回動させ、下端部の軸22と32を介してブレーキペダル23及びアクセルペダル保持部材33を前方へ平行移動させ、図1に示すイニシャル状態に戻すことができる。
【0029】
ブレーキ側回動リンク2とアクセル側回動リンク3の回動作動の詳細を、以下図2を参照して説明する。
【0030】
図2(A)はペダル装置が最も車体前方に位置した状態(イニシャル状態)、即ち図1と同じ状態を示している。この状態で、両回動リンク2と3の下端部の軸22と32との上下方向の距離Dと前後方向の距離Lが、ブレーキぺダル23の踏面23aとアクセルペダル37の踏面37aとのイニシャル状態での側面視の位置関係に相当する。
【0031】
このイニシャル状態からアクチュエータ4を一方向に回転させ、図2(B)に示す最後方位置にすると、下端部の軸22と32の上下方向距離はD′となり、前後方向距離はL′となる。これをイニシャル状態と比較すると、D′はDより小となり、L′はLより小であるから、ブレーキペダル23の踏面23aとアクセルペダル37の踏面37aとの相対距離はペダル装置の後方変位に伴って小さくなったことになる。
【0032】
このようにして、極めて簡単な構成によって、両ペダルの前後位置の調整と同時に両ペダル踏面間の相対位置関係を変化させ、体格の差異によるペダル踏み換え操作の違和感が生じないようにする、という目的を達成することができるものである。
【0033】
尚、上記両ペダル踏面間の相対位置変化の大きさは、ブレーキ側回動リンク2とアクセル側回動リンク3の長さ及び又は形状、両リンク2と3のブラケットへの軸着点(軸21と31)の位置関係、連結部材5による両リンク2と3の連結位置等を変えることにより、任意に設定することができる。
【0034】
また、本発明は図示の具体的構造例に限らず、本発明の目的の範囲内で任意の構成のものに適用可能である。例えば、アクチュエータ4でアクセル側回動リンク3を回動させるようにし、アクセル側回動リンク3に一端部を固定した連結部材5に他端部をブレーキ側回動リンク2に設けた長手方向(上下方向)の長穴内に摺動可能に嵌装係合させてアクセル側回動リンク3の回動をブレーキ側回動リンク2に伝えるように構成しても良い。また、ブレーキペダル23とプッシュロッド28との連繋機構は、図示に限らず任意の構成を採用し得るし、アクチュエータ4も図示のものに限らず、両回動リンク2,3のうちの一方を上端部の軸まわりに前後方向に回動させ得る任意のものを採用できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施例を示すもので、ペダル装置の側面図である。
【図2】図1に示すブレーキ側回動リンクとアクセル側回動リンクの作動態様を説明する側面図で、(A)はペダル装置を最前方位置(イニシャル位置)とした状態、(B)はペダル装置を最後方位置とした状態をそれぞれ示す。
【図3】図2に示すブレーキ側回動リンクとアクセル側回動リンクを後方からみた正面図で、要部を断面にて示している。
【符号の説明】
【0036】
1 ブラケット
2 ブレーキ側回動リンク
3 アクセル側回動リンク
4 アクチュエータ
5 連結部材
21、22、24、27 軸
23 ブレーキペダル
25 連結リンク
26 ブレーキ操作レバー
28 プッシュロッド
31、32、34、36 軸
33 アクセルペダル保持部材
35 補助リンク
37 アクセルペダル
38 操作量センサ
41 モータ
42 ねじ軸
43 ナット部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体側部材に取付けられるブラケットに上部を前後方向回動可能に軸着されたブレーキ側回動リンクと、該ブレーキ側回動リンクの側方にて上部を上記ブラケットの上記ブレーキ側回動リンクとは側面視で異なる位置に前後方向回動可能に軸着されたアクセル側回動リンクとを有し、上記ブレーキ側回動リンクの下部にはブレーキペダルを回動操作可能なるよう取付け、アクセル側回動リンクの下部にはアクセルペダルを回動操作可能に保持するアクセルペダル保持部材を取付けたペダル装置であって、上記ブレーキ側回動リンクと上記アクセル側回動リンクのうちの何れか一方の回動リンクの前後方向回動を制御するアクチュエータを設けると共に、他方の回動リンクに上下方向の長穴を設け、上記一方の回動リンクに一端部を固定した連結部材の他端部を上記他方の回動リンクに設けた長穴内に摺動可能に嵌装係合させて両回動リンクを連結し、上記アクチュエータの作動にてブレーキ側回動リンクとアクセル側回動リンクが回動してブレーキペダルとアクセルペダルの前後位置が変更調整されると同時に、ブレーキペダルとアクセルペダルの側面視での相対位置が変化する構成としたことを特徴とする車両用のペダル装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用のペダル装置において、アクチュエータは、ブラケットに取付けられるモータと、該モータにて減速回転し軸方向には動かないようモータケース等の固定側部材に支持されているねじ軸と、該ねじ軸に螺合されるナット部材とからなり、該ナット部材はブレーキ側回動リンク又はアクセル側回動リンクの何れか一方の回動リンクに固定されており、モータによるねじ軸の回転によってナット部材が前後方向にねじ送りされ、上記一方の回動リンクを前後方向に回動させる構成となっていることを特徴とする車両用のペダル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−22188(P2007−22188A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−204175(P2005−204175)
【出願日】平成17年7月13日(2005.7.13)
【出願人】(591185423)千代田工業株式会社 (10)
【Fターム(参考)】