説明

車両用キーレスエントリ装置

【課題】 全ドア閉でない場合であっても、予めキーレスエントリのための施錠を予約することで、全ドア閉まで待つことなくキーレスエントリのための操作を行うことができる車両用キーレスエントリ装置を提供する。
【解決手段】 例えばキーに一体的に組み込まれたキーレスエントリ送信機1からの施錠信号がキーレスエントリ受信機2を介してドアロック制御装置4に入力され、且つ運転席のドアスイッチ7が開であることが検出されたとき、この状態を表す予約信号を出力し、この予約信号により所定時間(例えば30秒)の経過後にドアロックモータ5を駆動して車両のドアの施錠を行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用キーレスエントリ装置に関し、特にドアの施錠又は解錠を遠隔で行う場合に適用して有用なものである。
【0002】
【従来の技術】運転者がキーを使用せずに、また車両に直接触れずに、ドアを施錠又は解錠する車両用キーレスエントリ装置が普及している。この種の車両用キーレスエントリ装置は、例えば車両のキーに一体的に組み込んだ送信機を操作して車両側の受信機に電波で所定の信号を送り、遠隔でドアを施錠又は解錠することができるようにしたものであるが、ドアを施錠又は解錠する場合に、何れかのドアが開いているときは、送信機からの施錠又は解錠の信号が受信機に送信された場合であってもドアの施錠、解錠ともできないようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の如き車両用キーレスエントリ装置では、何れかのドアが開いているときは、ドアの施錠ができないので、車両を停めて運転者が車外へ出た際であって、運転者が同乗者よりも先に車外へ出たような場合、同乗者が車外へ出るとともに全てのドアが閉まるのを待ってから、当該車両用キーレスエントリ装置の送信機を操作しなければならない。このように同乗者が車外へ出るのを待って所定の操作を行うことに煩わしさを感じる場合は少なくない。
【0004】本発明は、上記従来技術に鑑み、全ドア閉でない場合であっても、予めキーレスエントリのための施錠を予約することで、全ドア閉まで待つことなくキーレスエントリのための操作を行うことができる車両用キーレスエントリ装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発明の請求項1に記載する発明は、車両から分離され同車両のドアの施錠信号を送信する送信機と、同送信機からの施錠信号が入力されたとき上記ドアの施錠を行うドアロック制御手段とを有する車両用キーレスエントリ装置において、上記ドアロック制御手段に、予約信号を出力する予約施錠モード判定手段をさらに備え、上記ドアロック制御手段は、上記施錠信号の入力に伴う上記予約施錠モード判定手段からの予約信号により所定時間の経過後に上記ドアの施錠を行うように構成したことを特徴とする。
【0006】請求項2に記載する発明は、請求項1に記載する車両用キーレスエントリ装置において、上記予約施錠モード判定手段が車両のドアの開閉を検出するドア開閉検出手段であり、同ドア開閉検出手段が運転席ドア開を検出したとき予約信号を出力するように構成したことを特徴とする。
【0007】請求項3に記載する発明は、請求項1に記載する車両用キーレスエントリ装置において、上記ドアロック制御手段が、上記所定時間経過後に上記ドア開閉検出手段からの信号が全ドア閉のとき上記ドアの施錠を行うように構成したことを特徴とする。
【0008】請求項4に記載する発明は、請求項1〜3に記載する車両用キーレスエントリ装置において、上記ドアロック制御手段が、上記所定時間経過後に上記ドア開閉検出手段からの信号がいずれかのドア開のとき、上記所定時間を延長するように構成したことを特徴とする。
【0009】請求項5に記載する発明は、請求項4に記載する車両用キーレスエントリ装置において、上記ドアロック制御手段が、上記所定時間延長後に上記ドア開閉検出手段から全ドア閉の信号が入力されたとき上記ドアの施錠を行うように構成したことを特徴とする。
【0010】請求項6に記載する発明は、請求項4又は5に記載する車両用キーレスエントリ装置において、上記ドアロック制御手段は、上記所定時間又は上記所定時間延長中に上記送信機から上記ドアの解錠信号が入力されたとき上記ドアの解錠を保持するように構成したことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0012】図1は本発明の実施の形態に係る車両用キーレスエントリ装置の全体を示すブロック線図である。同図に示すように、キーレスエントリ送信機1は、施錠信号及び解錠信号等を含む制御信号S1 を車両側のキーレスエントリ受信機2に無線で送出する。キーレスエントリ送信機1は、車両に対し遠隔から制御信号S1 を送出することができるものであれば、その構成に特別の制限はないが、例えば図2に示すように、車両のキー3に送信機を一体的に組み込んだものが携帯に便利であり、好適である。このキー3には、ロック釦3a及びアンロック釦3bが設けてあり、ロック釦3a又はアンロック釦3bを操作することにより内蔵する送信機が動作して施錠モード又は解錠モードを表す所定の制御信号S1 を送出する。
【0013】図1に示すドアロック制御装置4は、キーレスエントリ受信機2が受信した制御信号S1 、各種センサからの出力信号を入力して所定の処理を行い、ドアロックモータ5を駆動してドアの施錠(ロック)又は解錠(アンロック)を行うとともに、予約信号を出力する予約施錠モード判定手段15をさらに備え、施錠信号の入力に伴う上記予約施錠モード判定手段15からの予約信号により所定時間の経過後に上記ドアの施錠を行うように構成してある。かかる予約モードにおけるドアロック制御装置4の制御手順はその全体の制御手順とともに図3及び図4のフローチャートに基づき後述する。また、上記センサには、閉検出手段として、運転席ドアロックスイッチ6及び各種ドアスイッチ7、8、9、10が考えられる。運転席ドアロックスイッチ6は運転席のドアの施錠又は解錠状態を検出する。ドアスイッチ7は運転席のドアの状態、ドアスイッチ8は助手席のドアの状態、ドアスイッチ9は後席の一方のドアの状態及びドアスイッチ10はリヤゲートを含む後席の他方のドアの状態をそれぞれ検出する。なお、各ドアスイッチ7〜10はドアが開時にON状態となる。
【0014】さらに、ドアロック制御装置4は、アンサバック部4aを内蔵しており、このアンサバック部4aが出力する制御信号により施錠完了又は解錠完了を告知するようになっている。施錠完了又は解錠完了はアンサバック部4aの出力信号により格納ミラーモータ11、ハザードランプ12、ブザー13又はホーン14の動作を制御することにより行う。その制御の詳細は、図4のフローチャートに基づき後述する。
【0015】図3及び図4は、上記ドアロック制御装置の制御手順を示すフローチャートである。両図に基づき、本発明の予約施錠に伴う制御を中心にその制御手順を詳細に説明する。なお、以下の説明で使用する部材名及びその番号は図1及び図2に準拠している。
【0016】初期状態にあるドアロック制御装置4において、施錠・解錠動作の有無を判定(ステップS1参照。)することにより施錠又は解錠動作モードであることが検出された場合、すなわちキー3のロック釦3a又はアンロック釦3bの操作によりキーレスエントリ受信機2を介してドアロック制御装置4に制御信号S1 が入力された場合、その制御信号S1 の内容が施錠又は解錠の何れの操作であるかを判定する(ステップS2参照。)。この結果、施錠操作である場合は、ドアスイッチ7乃至10の状態の検出により全ドアが閉まっているか否かを判定する(ステップS3参照。)。
【0017】ステップS3の判定の結果、全ドアが閉ではないことが検出された場合には、運針席のドアが開状態であるか否かを判定する(ステップS4参照。)。この結果、運転席のドアが開状態であることが検出された場合に本発明に係る予約施錠モードとなる。すなわち、ステップS4における運転席のドアが開状態であることを表す信号がトリガとなって以降の予約施錠モードが開始される。したがって、このときのトリガ信号が本形態における予約施錠モード判定手段(運転席ドアの開状態検出手段)の出力信号である「予約信号」ということになる。ここで、「予約信号」は、運転席ドアが開状態で施錠操作信号が送信されたことを検出して出力される信号であれば特に制限はない。何らかの手段により運転席ドアの開状態を検出し、この検出に伴うトリガ信号であれば良い。
【0018】ステップS4の判定の結果、運転席ドアが開状態であることが検出された場合には予約施錠モードとなるが、この予約施錠モードとなったことをハザードランプ12の点滅(例えば4回)及びブザー13の間欠吹鳴により告知するとともに、所定の遅延時間(本例では30秒)を確保するためのタイマをスタートさせる(ステップS5参照。)。なお、「予約施錠モード」となったこと、すなわち予約施錠の受付が完了したことは、例えば車両のイグニッションキーイルミネーションや専用のインジケータの点滅等により告知することもできる。
【0019】その後、ステップS6、7、8(詳細は後述する。)の処理を経て、ステップS5の処理に伴うタイマのスタートから所定時間(30秒)が経過したか否かを判定する(ステップS9参照。)。この結果、所定時間の経過が検出された場合は、全ドアの開閉状態を判定し(ステップS10参照。)、全ドアが閉状態であることが検出された場合にロック通電を行い(ステップS11参照。)、ドアロックモータ5を駆動して全ドアの施錠を行う。ここで、ステップS5からステップS6乃至ステップSて8を経てステップS9に至るには、ステップS6の判定処理でキーレス解除操作がなされていないこと、ステップS7の判定処理でキーレス施錠操作がなされていないこと、ステップS8の判定操作で運転者が当該車両から所定の距離以上離れたことがそれぞれ検出されていないことが条件となる。
【0020】ステップS11の処理の後、運転席ドアロック状態を判定する(ステップS12参照。)。これは、運転席ドアロックスイッチ6の状態を検出することにより行う。この結果、施錠(ロック)状態であることが検出されれば、ハザードランプを点滅(例えば2回)するとともにブザー13の吹鳴を停止して施錠完了を告知して(ステップS13参照。)制御を終了する。ここで、ハザードランプを点滅の代わりに、又はハザードランプの点滅とともにホーン14を吹鳴させても良い。ハザードランプは他の用途、例えば停車中であることを告知するためにも使用されるため、施錠完了の告知であるか、又は他の所定の状態の告知であるかを判断しにくい場合があるが、かかる場合にホーン14を吹鳴し、施錠完了を告知することは、特に有用である。また、格納ミラーモータ11の駆動によりミラーを格納することによっても施錠完了の告知をすることができる。さらに、本形態では、運転席ドアロック状態の判定で、全ドアのロック状態の判定を代表させているが、勿論これに限るものではない。例えば、全ドアのロック状態を判定するようにしても良い。
【0021】ステップS12の判定の結果、施錠されていないことが検出された場合には、ブザー13の吹鳴を停止して施錠操作が不調に終わったことを告知して((ステップS14参照。)制御を終了する。
【0022】本形態では、上述の如き予約施錠処理に伴うオプションの処理として次のような処理を追加し、当該車両用キーレスエントリ装置の利便性をさらに向上させている。それは、第1に、ステップS6乃至ステップS8の処理であり、第2に、ステップS15乃至ステップS18の処理である。次に、これらの処理について詳述する。
【0023】ステップS6では、予約施錠モードが成立した後の所定時間(30秒)の経過以前に、キー3のアンロック釦3bを操作することによるキーレス解除操作がなされたか否かを判定している。この判定によりキーレス解除操作がなされたことが検出された場合には、ステップS7乃至ステップS11の判定又は処理を行うことなくステップS12及びステップS14の処理を行って、制御を終了する。
【0024】このことにより、予約施錠のためキー3のロック釦3aを操作した後、これを解除したい場合、予約施錠モードが成立した後所定時間(30秒)が経過する前にアンロック釦3bを操作することにより施錠操作を解除することができる。
【0025】ステップS7では、予約施錠モードが成立した後の所定時間(30秒)の経過以前に、キー3のロック釦3bを操作することによる再度のキーレス施錠操作がなされたか否かを判定している。この判定によりキーレス解除操作がなされたことが検出された場合には、ステップS8及びステップS9の判定を行うことなくステップS10の判定処理を行う。
【0026】このことにより、予約施錠モードの成立から所定時間(30秒)の経過を待つことなく、ただちに施錠処理を行うことができる。
【0027】ステップS8では、予約施錠モードが成立した後の所定時間(30秒)の経過以前に、運転者が当該車両から所定の距離以上離れたか否かを判定している。本例の場合、予約施錠モードの成立からの所定時間(30秒)が一時的に固定されることから、当該所定時間内に運転者が車両から十分に離れてしまうと、施錠完了告知を確認することができないことがある。本ステップS8はかかる不都合を解消するため判定を行うものであり、運転者が当該車両から所定の距離以上離れたことが検出された場合には、上記ステップS7と同様に、ステップS9の判定を行うことなくステップS10の判定処理を行う。このことにより、予約施錠モードの成立から所定時間(30秒)の経過を待つことなく、ただちに施錠処理を行う。
【0028】運転者(施錠操作者)が車両から所定の距離以上離れたか否かは、例えば次の様な手段により判定することができる。すなわち、キー3のロック釦3aの操作後の一定時間、一定間隔(例えば、10秒間、1秒間隔(10回分))でキーレスエントリ送信器1から暗号コードを送信するようにしておき、この暗号コードをキーレスエントリ受信機2が複数回連続して受信できなかったとき、車両から所定の距離以上離れたと判断する。このように、「複数回連続して受信できなかったこと」を条件とすることにより、例えば運転者が建物の陰に入った等、何らかの原因で偶発的に受信できなかった場合との峻別が可能となる。偶発的に受信できなかった場合には、一端途切れた暗号コードの受信を、前記条件の成立前に再開することができる場合があるからである。
【0029】ステップS10の判定において、何れかのドアが開状態であることが検出された場合には、所定時間(例えば30秒)が設定されている延長タイマをスタートさせる(ステップS15参照。)。そして、延長タイマの設定時間の経過後、ステップS10と同様に、全ドアの開閉状態を判定し(ステップS16参照。)、全ドアが閉状態であることが検出された場合にロック通電を行い(ステップS11参照。)、ドアロックモータ5を駆動して全ドアの施錠を行う。
【0030】このことにより、最初に設定した所定時間(30秒)以内に同乗者が降車できなかった場合でも時間を延長して十分な降車時間を確保した上で、所定の施錠処理を行うことができる。
【0031】一方、ステップS16の判定で何れかのドアの開状態が検出された場合には、ステップS6と同様のキーレス解除操作の有無を判定し(ステップS17参照。)、これが無い場合に延長タイマの設定時間(30秒)の経過を待って(ステップS18参照。)運転席ロック状態の判断を行う(ステップS12参照。)。この結果、施錠されていないことが検出された場合には、ブザー13の吹鳴を停止し、施錠操作が不調に終わったことを告知して(ステップS14参照。)制御を終了する。
【0032】延長タイマの設定時間中にキー3のアンロック釦3bを操作することによるキーレス解除操作がなされた場合には、ステップS17でこのことが検知され、延長タイマの設定時間中の経過を待つことなく、すなわちステップS18の処理を行うことなく、ステップS12及びステップS14の処理を行って、制御を終了する。これは、延長タイマの設定時間の経過前に、キーレス施錠を解除するためであり、ステップS6の処理と全く同様の技術的意義を有するものである。
【0033】ステップS2の判定の結果、解錠操作である場合は、ドアスイッチ7乃至10の状態の検出により全ドアが閉まっているか否かを判定する(ステップS19参照。)。この結果、全ドアが閉状態ではない(少なくとも一つのドアが開状態である)ことが検出されれば制御を終了する。一方、全ドアが閉状態であることが検出されればアンロック通電を行い(ステップS20参照。)、ドアロックモータ5を駆動して解錠操作を行う。
【0034】ステップS20の処理の後、運転席ドアのアンロック状態を判定する(ステップS21参照。)。これは運転席ドアロックスイッチ6の状態を検出することにより行う。この結果、解錠(アンロック)状態であることが検出されれば、ハザードランプを点滅(例えば1回)点滅させ、解錠完了を告知して(ステップS22参照。)、制御を終了する。ここで、本形態では、運転席ドアロックスイッチ6の状態の判定で、全ドアのアンロック状態の判定を代表させているが、ステップS12の判定処理と同様、勿論これに限るものではない。例えば、全ドアのアンロック状態を判定するようにしても良い。
【0035】ステップS21の判定の結果、運転席ドアのアンロック状態が検出されない場合には、そこで制御を終了する。
【0036】ステップS3の判定の結果、全ドアの閉状態が検出された場合は、ロック通電を行い(ステップS23参照。)、ドアロックモータ5を駆動して施錠操作を行う。
【0037】ステップS23の処理の後、運転席ドアのロック状態を判定する(ステップS24参照。)。これは運転席ドアロックスイッチ6の状態を検出することにより行う。この結果、施錠(ロック)状態であることが検出されれば、ハザードランプを点滅(例えば2回)点滅させ、施錠完了を告知して(ステップS25参照。)、制御を終了する。ここで、本形態では、運転席ドアロックスイッチ6の状態の判定で、全ドアのアンロック状態の判定を代表させているが、ステップS12の判定処理と同様、勿論これに限るものではない。例えば、全ドアのロック状態を判定するようにしても良い。
【0038】ステップS24の判定の結果、運転席ドアのロック状態が検出されない場合には、そこで制御を終了する。
【0039】上述の如く、本形態では、予約施錠モードの完了、通常の施錠モードの完了、解錠モードの完了をそれぞれハザードランプ12の点滅回数及びこれと他の告知手段の動作との組み合わせでそれぞれ行っており、これらのモードの不成立はハザードランプ12が点滅しないことで告知しているが、これらに限定されるものではない。各モードの成立を他の告知手段により告知することは勿論、各モードの不成立を音、光等により告知するようにしても勿論、良い。例えば、予約施錠処理を行ったにもかかわらず、半ドア等により施錠がなされなかった場合には、すなわちステップS12の判断でロック状態であることが検出されなかった場合には、予約施錠の所定時間(30秒)が経過してもハザードランプ12の点滅を継続させることにより、かかる状態を告知するようにしても良い。
【0040】一旦運転者が降車し、後席の子供を降ろす場合など、あらかじめ設定された予約施錠モードの所定時間(30秒)が不十分な場合、同乗者が降車動作を始める前に施錠されてしまう虞がある。そこで、ロック釦3a→アンロック釦3b→ロック釦3aのように特殊な操作を行うことにより、一時的に遅延時間を延長する(例えば3分)機能を持たせることも可能である。これは、例えば、ステップS4とステップS5との判定・処理の間で、上記特殊な操作がなされたか否かを判定することにより実現し得る。ここで、特殊な操作の具体的な内容は種々考えられる例えば、通常よりも長時間、ロック釦3aを押す等、通常と異なる全ての操作がこれに含まれる。また、予約施錠モードにおける遅延時間の設定は、車室内の表示器、操作スイッチ、ダイアグテスタ等を介して変更するように構成することもできる。
【0041】さらに、上記実施の形態においては、運転席ドアの開状態が検出されたことを条件として予約信号を送出するように構成したが(ステップS4参照。)、運転者が所定のスイッチ等を操作することにより上記予約信号を送出し、これにより予約施錠モードになるように構成することもできる。
【0042】
【発明の効果】以上実施の形態とともに具体的に説明した通り、請求項1に記載する発明は、車両用キーレスエントリ装置におけるドアロック制御手段に、予約信号を出力する予約施錠モード判定手段を備え、施錠信号の入力に伴う上記予約施錠モード判定手段からの予約信号により所定時間の経過後に上記ドアの施錠を行うようにしたので、車両を停車させて運転者が同乗者より先に車外へ出たような場合、同乗者が車外へ出るまで待たずに、運転者が予めキーレスエントリの施錠を予約でき、全ドアが閉じられるまでキーレスエントリの操作を待つ煩わしさを解消することができるという効果を奏する。
【0043】請求項2に記載する発明では、請求項1における予約施錠モード判定手段を車両のドアの開閉を検出するドア開閉検出手段で構成したので、予約施錠許可手段を新たに設ける必要が無く、既存のドアスイッチを使用でき。したがって、構造が簡単であるばかりでなく、コストの高騰も抑制し得る。
【0044】請求項3に記載する発明では、所定時間経過後に上記ドア開閉検出手段からの信号が全ドア閉のとき上記ドアの施錠を行うように構成したので、所定時間を経過しても乗員が降車し終わったことを確認してドアの施錠が行うことができる。同時に、予約施錠でない場合の通常のキーレスエントリと同様、全ドア閉を条件として、施錠されるので、操作する際に違和感がない。
【0045】請求項4に記載する発明では、上記所定時間経過後に上記ドア開閉検出手段からの信号がいずれかのドア開のとき、上記所定時間を延長するように構成したので、所定時間経過後に乗員が降車中であっても施錠の予約状態を有効に継続できる。
【0046】請求項5に記載する発明では、上記所定時間延長後に上記ドア開閉検出手段から全ドア閉の信号が入力されたとき上記ドアの施錠を行うように構成したので、乗員が降車し終わったことを確認してドアの施錠が行うことができる。
【0047】請求項6に記載する発明では、上記所定時間又は上記所定時間延長中に上記送信機から上記ドアの解錠信号が入力されたとき上記ドアの解錠を保持するように構成したので、所定時間又は所定時間延長の終了をまたずに、いわゆる予約施錠を中止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両用キーレスエントリ装置の全体を示すブロック線図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る車両用キーレスエントリ装置に用いる送信機を一体化したキーを示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る車両用キーレスエントリ装置のドアロック制御手段の制御手順を示すフローチャート(その1)である。
【図4】本発明の実施の形態に係る車両用キーレスエントリ装置のドアロック制御手段の制御手順を示すフローチャート(その2)である。
【符号の説明】
1 キーレスエントリ送信機
2 キーレスエントリ受信機
3 キー
3a ロック釦
3b アンロック釦
4 ドアロック制御装置
5 ドアロックモータ
6 運転席ドアロックスイッチ
7、8、9、10 ドアスイッチ
12 ハサードランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両から分離され同車両のドアの施錠信号を送信する送信機と、同送信機からの施錠信号が入力されたとき上記ドアの施錠を行うドアロック制御手段とを有する車両用キーレスエントリ装置において、上記ドアロック制御手段に、予約信号を出力する予約施錠モード判定手段をさらに備え、上記ドアロック制御手段は、上記施錠信号の入力に伴う上記予約施錠モード判定手段からの予約信号により所定時間の経過後に上記ドアの施錠を行うように構成したことを特徴とする車間用キーレスエントリ装置。
【請求項2】 請求項1に記載する車両用キーレスエントリ装置において、上記予約施錠モード判定手段が車両のドアの開閉を検出するドア開閉検出手段であり、同ドア開閉検出手段が運転席ドア開を検出したとき予約信号を出力するように構成したことを特徴とする車両用キーレスエントリ装置。
【請求項3】 請求項1に記載する車両用キーレスエントリ装置において、上記ドアロック制御手段は、上記所定時間経過後に上記ドア開閉検出手段からの信号が全ドア閉のとき上記ドアの施錠を行うように構成したことを特徴とする車両用キーレスエントリ装置。
【請求項4】 請求項1〜3に記載する車両用キーレスエントリ装置において、上記ドアロック制御手段は、上記所定時間経過後に上記ドア開閉検出手段からの信号がいずれかのドア開のとき、上記所定時間を延長するように構成したことを特徴とする車両用キーレスエントリ装置。
【請求項5】 請求項4に記載する車両用キーレスエントリ装置において、上記ドアロック制御手段は、上記所定時間延長後に上記ドア開閉検出手段から全ドア閉の信号が入力されたとき上記ドアの施錠を行うように構成したことを特徴とする車両用キーレスエントリ装置。
【請求項6】 請求項4又は5に記載する車両用キーレスエントリ装置において、上記ドアロック制御手段は、上記所定時間又は上記所定時間延長中に上記送信機から上記ドアの解錠信号が入力されたとき上記ドアの解錠を保持するように構成したことを特徴とする車両用キーレスエントリ装置。

【図2】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2003−138810(P2003−138810A)
【公開日】平成15年5月14日(2003.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−336001(P2001−336001)
【出願日】平成13年11月1日(2001.11.1)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】