説明

車両用サスペンション

【課題】サスペンションのバンプストローク量およびバンプ時のネガティブキャンバ角を大きくとれ、操縦安定性を向上させる。
【解決手段】本発明の車両用サスペンション31は、ロアアーム35に一端が車両前後方向周りに回動可能に支持される第1リンク36と、第1リンク36の他端とダンパ34の下端とにそれぞれ回転自在に接続され、車両前後方向周りに回動可能な第2リンク37と、第1リンク36の他端とナックル32nとにそれぞれ回転自在に接続され車両前後方向周りに回動可能であり、ナックル側の取付部が、車両上下方向においてダンパ34の下端とロアアーム35のナックル32nへの取付部との間に設けられる第3リンク38と、を備え、平坦路静止状態で、第1リンク36と第2リンク37とが車幅方向内側に成す角、および、第1リンク36と第3リンク38とが車幅方向内側に成す角が、それぞれ180度未満となるように配置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンプストローク量およびバンプ時のネガティブキャンバ角を充分とれる車両用サスペンションに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乗用車のフロント・サスペンションは、優れた乗り心地やタイヤの接地性を確保するため、左右の前輪が独立して動くことができる独立懸架式が採用されている。独立懸架式の構成としては、ウイッシュボーン式サスペンション、ストラット式サスペンション等がある。
【0003】
ストラット式サスペンションについては、キャンバ角を得るためのスーパーストラット式サスペンションが、特許文献1に開示されている。
特許文献1によれば、片側の前輪を車体に対して回転自在に支持するサスペンションアーム(ロアアーム)と、車体の下部に固定されるショックアブソーバの下端に固定されたコネクティングロッドとを、連結するキャンバコントロールリンクが、それぞれボールジョイントを介して、サスペンションアーム、コネクティングロッドに枢着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−237611号公報(段落0011〜0016、図1、図2等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1では、車体に対して車輪が上方に移動する際には、つまりショックアブソーバがバンプストローク(圧縮動作)する際には、ショックアブソーバは圧縮するため、ショックアブソーバの下端に固定されるコネクティングロッドもともに上方に移動する。また、車輪の取り付け部材のナックルに一方端部が連結されるサスペンションアーム(ロアアーム)は、車輪が上方に移動することから、他方端部が回転自在に連結される車体側端部を旋回中心として上方に揺動する。
このとき、一方端をコネクティングロッドに、他方端をサスペンションアームに連結されるキャンバコントロールリンクは、コネクティングロッド、サスペンションアームの上方への移動に伴い、両者の移動を許容するとともに、コネクティングロッドのキャンバコントロールリンク取り付け側端部を、車幅方向内側に引き込むように揺動する。
【0006】
これにより、バンプストローク時のサスペンションアームのナックル側の取付点の車幅方向内側への移動量よりも、コネクティングロッドのキャンバコントロールリンク側の取付点の車幅方向内側への移動量を大きくすることができ、バンプストローク時に車輪がネガティブキャンバ角をとれるように構成されている。
しかし、バンプストロークが進み、キャンバコントロールリンクが車両水平(上下)方向に略垂直な状態まで揺動すると、それ以降はショックアブソーバを下方に引き込む方向にキャンバコントロールリンクが移動してしまい、すなわち、キャンバコントロールリンクがショックアブソーバを伸張する方向に力を印加することになり、ショックアブソーバの圧縮動作を阻害する。したがって、キャンバコントロールリンクが略垂直な状態以降、サスペンションはストロークできない。
【0007】
したがって、特許文献1の機構では、キャンバコントロールリンクが短いこともあり、サスペンションストロークを大きくとることは不可能である。
このように、従来の通常のストラット式サスペンションに、一端が車輪の取り付け部材のナックルに取り付けられるとともに他端がサスペンションアーム側に取り付けられるキャンバコントロールアームを追加したスーパーストラット式サスペンションのようなキャンバコントロール・ストラットにおいて、サスペンションのストロークが通常のストラット式サスペンションに対して小さいという問題がある。
【0008】
本発明は上記実状に鑑み、サスペンションのバンプストローク量を大きくとることができ、かつバンプ時にネガティブキャンバ角を大きくとれ、操縦安定性を向上させることが可能な車両用サスペンションの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成すべく、本発明の請求項1に関わる車両用サスペンションは、車輪を回転可能に支持するナックルと、このナックルと車体との間に介在され、ナックルを車体に揺動自在に支持するロアアームと、車体とナックルとの間に設けられ、車体の衝撃を和らげるダンパと、を備えた車両用サスペンションであって、ロアアームに一端が車両前後方向周りに回動可能に支持される第1リンクと、第1リンクの他端とダンパの下端とにそれぞれ回転自在に接続され、車両前後方向周りに回動可能な第2リンクと、第1リンクの他端とナックルとにそれぞれ回転自在に接続され車両前後方向周りに回動可能であり、ナックル側の取付部が、車両上下方向においてダンパの下端とロアアームのナックルへの取付部との間に設けられる第3リンクと、を備え、平坦路静止状態で、第1リンクと第2リンクとが車幅方向内側に対して成す角、および、第1リンクと第3リンクとが車幅方向内側に対して成す角が、それぞれ180度未満となるように配置している。
【0010】
本発明の請求項2に関わる車両用サスペンションは、請求項1に記載の車両用サスペンションにおいて、第1リンク及び第2リンクに対し、第3リンクの長さが短くなるように構成されている。
【0011】
本発明の請求項3に関わる車両用サスペンションは、請求項1または請求項2に記載の車両用サスペンションにおいて、第1リンクは、第2リンクまたは第3リンクより長く構成されている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の構成によれば、バンプ時に第1リンクの回動領域を大きく確保することができるため、ダンパのバンプストローク量を大きくとることができるため、バンプ時にネガティブキャンバ角を大きくつけることができ、操縦安定性を向上させることができる。
【0013】
請求項2の構成によれば、さらに、バンプ時に第1リンクの回動領域を大きく確保することができるため、ダンパのバンプストローク量を大きくとることができるため、バンプ時にネガティブキャンバ角を大きくつけることができ、より操縦安定性を向上させることができる。
【0014】
請求項3の構成によれば、第1リンクは、第2リンクまたは第3リンクより長いので、ダンパのバンプストローク量を大きくとれ、バンプ時にネガティブキャンバ角を大きくつけられ、操縦安定性の更なる向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】(a)は、車両が平坦路静止状態での本発明に係る第1実施形態の車両用サスペンションの周りを車両の前方から見た要部概略図であり、(b)は、(a)の車両用サスペンションにおいて、前輪が車体に対して上動しストラットが圧縮動作したダンプ状態を車両の前方から見た要部概略図である。
【図2】(a)は、図1(a)のA方向矢視図であり、(b)は図1(a)のB方向矢視図である。
【図3】(a)は、比較例の車両が平坦路静止状態での比較例の車両用サスペンション周りを車両の前方から見た要部概略図であり、(b)は、(a)の比較例の車両用サスペンションにおいて、前輪が車体に対して上動しストラットが圧縮動作したダンプ状態を車両の前方から見た要部概略図である。
【図4】(a)は、車両が平坦路静止状態での第2実施形態の車両用サスペンション周りを車両の前方から見た要部概略図であり、(b)は、(a)の第2実施形態の車両用サスペンションにおいて、前輪が車体に対して上動しストラットが圧縮動作したダンプ状態を車両の前方から見た要部概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
<<第1実施形態>>
<車両用サスペンション1の全体構成>
図1(a)は、車両が平坦路静止状態での本発明に係る第1実施形態の車両用サスペンション1の周りを乗用車等の車両の前方から見た要部概略図であり、図1(b)は、図1(a)の車両用サスペンション1において、前輪2が路面の凸部等に乗り上げ車体に対して上動しストラット4が圧縮動作(バンプストローク)したダンプ状態を車両の前方から見た要部概略図である。
【0017】
図1(a)に示すように、第1実施形態の車両用サスペンション1は、片側の前輪2を、シャーシ(図示せず)の支持軸S1に一方端5aが回転自在(図1(a)の矢印α1方向)に支持されるロアアーム5によって支持軸S1周りに回動自在に支持するとともに、上下方向にコイルスプリング3aとショックアブソーバ3bを有するストラット4で上下動自在(図1(a)の矢印α2方向)に支持している。
【0018】
また、車両用サスペンション1は、互いに、リンク支持軸J1周りに回転自在に連結された3つの第1リンク6、第2リンク7、および第3リンク8を、それぞれ、ロアアーム5、ストラット4の下部に固定されるストラット取り付けブラケット4b、および、前輪2を回転可能に支持するナックル2nに、回転自在に取り付けている。これにより、図1(b)に示すように、前輪2が路面の凸部に乗り上げ等した際にストラット4のダンプストロークを大きくとれ、ダンプ時の前輪2のネガティブキャンバ角(図1(b)に示す角θ3)を大きくとれるように構成している。
【0019】
以下、車両用サスペンション1の構成について、詳細に説明する。
<車両用サスペンション1の詳細構成>
図1(a)に示すロアアーム5は、一方端5aがシャーシの支持軸S1周りに回動自在に支持されるとともに、他方端5bが前輪2を回転可能に支持するナックル2nに軸j1周りに回転自在に接続されている。このロアアーム5により、前輪2が、軸j1を介して、車体のシャーシの支持軸S1周りに回動自在に支持される。なお、ロアアーム5を回転自在に支持する支持軸S1は、路面に対して略水平であり、かつ、車両の進行方向(図1(a)の紙面に垂直方向)に略平行に延在している。
【0020】
図2(a)は、図1(a)のA方向矢視図であり、図2(b)は、図1(a)のB方向矢視図である。
図1(a)に示すストラット4は、車体への路面の凹凸による衝撃を和らげ乗り心地を良好にするために、車体と前輪2間に弾性力を付与するコイルスプリング3aと、油等の粘性による粘性減衰力を付与するショックアブソーバ3bとを有している。ストラット4は、その上端部が図示しないストラットマウント等を介して、車体に回動自在に支持されている。
【0021】
一方、ストラット4の下端部は、図2(a)、(b)に示すように、ストラット4に固定されたストラット取り付けブラケット4bによって、軸受けB1を介して、前輪2が回転可能に支持されるナックル2nに、回転自在に取り付けられている。このストラット4により、前輪2が、ナックル2nを介して、車体に対して、上下動自在に支持される。
【0022】
図1(a)に示す第1リンク6は、その一端部6aが、ロアアーム5のアーム中央部5cに、軸j2周りに回転自在に接続される一方、他端部6bが一つのリンク支持軸J1周りに第2リンク7、第3リンク8とともに互いに回転自在に支持されている。
第2リンク7は、図1(a)、図2(a)に示すように、その一端部7aが、ストラット4の下端部に固定されたストラット取り付けブラケット4bに、軸j3周りに回転自在に接続される一方、他端部7bが一つのリンク支持軸J1周りに第1リンク6、第3リンク8とともに互いに回転自在に支持されている。
れている。
【0023】
第3リンク8は、図1(a)に示すように、その一端部8aが、前輪2が回転可能に支持されるナックル2nに、軸j4周りに回転自在に接続される一方、他端部8bが一つのリンク支持軸J1周りに第1リンク6、第3リンク8とともに互いに回転自在に支持されている。
ここで、図1(a)に示すように、第2リンク7の長さと第3リンク8の長さは、ほぼ同じ長さであり、第1リンク6の長さは、第2リンク7の長さおよび第3リンク8の長さよりも長く設定されている。
そして、図1(a)に示す平坦路静止状態で第1リンク6と第2リンク7とが車幅方向内側に対して成す角θ1、および、第1リンク6と第3リンク8とが車幅方向内側に対して成す角θ2は、それぞれ180度未満に設定されている。
【0024】
上述の構成の車両用サスペンション1において、図1(b)に示すように、前輪2が路面の凸部等に乗り上げ、上向きの力F1を受けた場合、ストラット4が圧縮するとともにロアアーム5が図1(b)の矢印β0方向に回動し、第1リンク6がシャーシの支持軸S1周りに、図1(b)の矢印β1方向に回動する。この際、第1リンク6、第2リンク7、および第3リンク8の動作により、ストラット4は、図1(b)の矢印β2方向(車両の中央方向)に移動するとともに、前輪2は、鉛直方向に対して、角θ3を有するネガティブキャンバを発生させる。
この構成によれば、ストラット4の圧縮動作時のストロークに対して、前輪2のネガティブキャンバの角θ3を大きくできるという効果を奏する。
【0025】
<<比較例>>
次に、第1実施形態の比較例について、図3を用いて説明する。
図3(a)は、比較例の車両が平坦路静止状態での比較例の車両用サスペンション21周りを車両の前方から見た要部概略図であり、図3(b)は、図3(a)の比較例の車両用サスペンション21において、前輪22が車体に対して上動しストラット24が圧縮動作(バンプストローク)したダンプ状態を車両の前方から見た要部概略図である。
図3(a)に示すように、比較例の車両用サスペンション21は、図1に示す実施形態の車両用サスペンション1に比較して、第2リンク27、第3リンク28を長く、かつ、第2リンク27、第3リンク28に対して第1リンク26を短く構成している。そして、図3(a)に示す平坦路静止状態での第1リンク26と第2リンク27とが車幅方向内側に対して成す角θ4は180度に近く設定したものである。
【0026】
この比較例は、第1リンク26が短く構成された点において、前記特許文献1と似た構成である。その他の構成は、図1に示す第1実施形態と同様であるから、同様な構成には20番台の符号を付して示し、詳細な説明は省略する。
図3(a)に示すように、第1リンク26を第2リンク27、第3リンク28に対して短く構成していることから、平坦路静止状態において、第1リンク26と第2リンク27とが車幅方向内側に対して成す角θ4は既に、180度に近くなっている。
【0027】
そのため、図3(b)に示すように、ストラット24が圧縮動作したダンプ状態においては、ストラット24の圧縮動作のストロークに対して、第1リンク26の揺動角θ5が大きく、第1リンク26の回動によって、リンク支持軸J1を介して、第2リンク27、第3リンク28が車幅方向内側(図3(b)の矢印β3方向)に向けて大きく移動される。これにより、ナックル22nが、軸受けB1、軸j4から力を受け、車幅方向内側(図3(b)の矢印β3方向)に向けて大きく移動されることにより、前輪22のネガティブキャンバの角θ6が大きくとれる。
【0028】
しかしながら、ストラット24が圧縮動作して、第1リンク26と第2リンク27との相対角が180度になると、ストラット24はそれ以上、圧縮動作ができない。何故なら、第1リンク26と第2リンク27との相対角が、180度を超える角度では、相対角が180度のときに比べ、第2リンク27が、軸j3を介して、ストラット24を下方に引く力を印加し、ストラット24の圧縮動作を阻害するからである。
すなわち、図3の比較例は、ネガティブキャンバの角θ6は、大きくとれるが、ストラット24のストロークは大きくできない。
【0029】
<<第2実施形態>>
次に、第2実施形態について、図4を用いて説明する。
図4(a)は、車両が平坦路静止状態での第2実施形態の車両用サスペンション31周りを車両の前方から見た要部概略図であり、図4(b)は、図4(a)の第2実施形態の車両用サスペンション31において、前輪32が路面の凸部等に乗り上げ車体に対して上動しストラット34が圧縮動作したダンプ状態を車両の前方から見た要部概略図である。
【0030】
図4(a)に示すように、第2実施形態の車両用サスペンション31は、第1リンク36、第2リンク37を第3リンク38に対して長く構成し、平坦路静止状態での第1リンク36と第3リンク38とが車幅方向内側に成す角θ7を、図3(a)に示す比較例の180度を超える角度に対して180度未満にしている。また、第1リンク36と第2リンク37とが車幅方向内側に対して成す角θ8を180度未満にしている。その他の構成は、図1に示す第1実施形態と同様であるから、同様な構成には30番台の符号を付して示し、詳細な説明は省略する。
【0031】
図4(a)に示す第2実施形態の車両用サスペンション31は、上述したように、第1リンク36、第2リンク37を第3リンク38に対して長く構成し、かつ、車両が平坦路静止状態において、第1リンク36と第3リンク38とが車幅方向内側に対して成す角θ7を180度未満にする。このことにより、第1リンク36と第2リンク37とが車幅方向内側に対して成す角θ8を180度未満の小さな角度とし、図4(b)に示すように、ストラット34の圧縮ストロークを大きくとれる構成である。
【0032】
また、図4(b)に示すように、ストラット34の圧縮ストロークによる前輪32のネガティブキャンバの角θ9も所望の角度を得ることができる。
以上のことから、前輪32のキャンバ変化量(図4(b)のネガティブキャンバの角θ9)は、第1リンク36の長さが長いと大きく、短いと小さい。すなわち、ネガティブキャンバ角θ9(図4(b)参照)の変化の設定は、第1リンク36の長さでコントロールできる。
【0033】
<<作用効果>>
従って、コントロールリンクの役割を果す第1リンク(6、36)及び第2リンク(7、37)の車幅方向内側に成す角、および、第1リンク(6、36)及び第3リンク(8、38)の車幅方向内側に成す角を、それぞれ180度未満にする。そして、第1リンク、第2リンクを第3リンクより長くすることで、ストラット34のバンプ時(圧縮時)のストロークを大きくとりつつ、ネガティブキャンバ角(図1(b)の角θ3、図4(b)の角θ9)を大きくつけるサスペンション形式を得られる。
【0034】
なお、前記実施形態においては、ストラット式サスペンションを例示して説明したが、その他のダブルウイッシュボーン式サスペンション、トレーリングアーム式サスペンション等においても、本発明の構成を適用することが可能であり、本発明は、ストラット式サスペンションに限定されないのは勿論である。
【符号の説明】
【0035】
1、31 車両用サスペンション
2、32 前輪(車輪)
2n、32n ナックル
4、34 ストラット
5、35 ロアアーム
6、36 第1リンク
7、37 第2リンク
8、38 第3リンク
j1 軸(ロアアームのナックルへの取付部)
j4 軸(第3リンクのナックル側の取付部)
θ1、θ8 角(第1リンクと前記第2リンクとが車幅方向内側に成す角)
θ2、θ7 角(第1リンクと第3リンクとが車幅方向内側に成す角)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪を回転可能に支持するナックルと、
このナックルと前記車体との間に介在され、前記ナックルを前記車体に揺動自在に支持するロアアームと、
前記車体と前記ナックルとの間に設けられ、前記車体の衝撃を和らげるダンパと、を備えた車両用サスペンションであって、
前記ロアアームに一端が車両前後方向周りに回動可能に支持される第1リンクと、
前記第1リンクの他端と前記ダンパの下端とにそれぞれ回転自在に接続され、車両前後方向周りに回動可能な第2リンクと、
前記第1リンクの他端と前記ナックルとにそれぞれ回転自在に接続され車両前後方向周りに回動可能であり、前記ナックル側の取付部が、車両上下方向において前記ダンパの下端と前記ロアアームの前記ナックルへの取付部との間に設けられる第3リンクと、を備え、
平坦路静止状態で、前記第1リンクと前記第2リンクとが車幅方向内側に対して成す角、および、前記第1リンクと前記第3リンクとが車幅方向内側に対して成す角が、それぞれ180度未満となるように配置することを特徴とする車両用サスペンション。
【請求項2】
前記第1リンク及び前記第2リンクに対し、前記第3リンクの長さが短くなるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の車両用サスペンション。
【請求項3】
前記第1リンクは、前記第2リンクまたは前記第3リンクより長く構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用サスペンション。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−20480(P2011−20480A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−165010(P2009−165010)
【出願日】平成21年7月13日(2009.7.13)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】