説明

車両用ドアロック装置

【課題】特定ドアのみの開錠を行った場合と、全ドアの開錠を行った場合と、で、開錠状態を確認可能として、使い勝手の向上を図ることができる車両用ドアロック装置を提供すること。
【解決手段】車載機40が、特定ドア開錠指令時に、全ランプ11〜17のうち開錠するドアに設けられたランプを点灯させて点灯したランプが設けられているドアのみの開錠を報せる特定ドア開錠報知処理を行い、全ドア開錠指令時に、全ランプ11〜17を点灯させて前記報知手段により全ドア1〜5の開錠であることを報せる全ドア開錠報知処理を行う報知制御を実行することを特徴とする車両用ドアロック装置とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のドアロックの施錠と開錠とを切り換える車両用ドアロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、施錠と開錠とを行う車両用ドアロック装置において、携帯機からの開錠信号の送信状態に応じ、全ドアの開錠と、運転席ドアのみの開錠と、の2通りの開錠を実行するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この従来技術によれば、携帯機により開錠を行う際に、開錠スイッチを1回押す運転席開錠操作を行った場合には、運転席ドアのみの開錠を行う。また、開錠スイッチを短時間に2回押す全ドア開錠操作を行った場合には、運転席ドアの開錠を行った後に、運転席以外のドアの開錠も実行する。
このように、上記従来技術は、全ドアの開錠と、運転席ドアのみの開錠と、をそれぞれ選択的に実行可能となり、全ドアの開錠のみを行う装置と比較して使い勝手に優れるというものである。
【特許文献1】特開平9−242393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来技術では、開錠操作を行った際に、携帯機からの信号送信状態や、車載機の信号受信状態などにより、開錠操作を2回押しする全ドアの開錠操作を行ったのに、実際には、1回分の信号しか送信されずに、運転席ドアのみしか開錠が成されず、他のドアを開けようとしても開けることができない、という不具合が生じることがあった。
【0005】
本発明は、上述の従来の問題点に着目して成されたもので、特定ドアのみの開錠を行った場合と、全ドアの開錠を行った場合と、で、開錠状態を確認可能として、使い勝手の向上を図ることができる車両用ドアロック装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために本発明は、車両に設けられた複数のドアと、各ドアと車体とに跨って設けられ、ドア閉状態で前記ドアと車体とを係合し、前記ドアに設けられたドアハンドルの操作に連動して前記係合を解除可能な開錠状態と、前記ドアハンドルの操作に連動する前記係合の解除を禁止する施錠状態とに切り換え可能なドアロックと、前記ドアロックの施錠状態と開錠状態とを切り換える駆動を実行するドアロックアクチュエータと、このドアロックアクチュエータの駆動を制御する制御手段と、この制御手段に、施錠および開錠の指令を出力する指令手段と、を備え、前記制御手段が、前記指令手段による全ドアの開錠を指令する全ドア開錠指令時に、全ドアの前記ドアロックアクチュエータを開錠側に駆動する全ドア開錠処理を実行し、前記指令手段による全ドアのうちの特定のドアの開錠を指令する特定ドア開錠指令時に、前記特定ドアのみの前記ドアロックアクチュエータを開錠側に駆動させる特定ドア解除処理を実行する開錠制御を行う車両用ドアロック装置であって、前記車外に向けて報知作動を行う報知手段を備え、前記制御手段が、前記全ドア開錠指令時に、前記報知手段により全ドアの開錠であることを報せる全ドア開錠報知処理を行い、前記特定ドア開錠指令時に、前記報知手段により特定ドアの開錠であることを報せる特定ドア開錠報知処理を行う報知制御を実行することを特徴とする車両用ドアロック装置とした。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用ドアロック装置において、前記報知手段として、前記ドアのそれぞれにおいて、そのドアの車外側近傍位置から目視可能な位置に配置された特定ドアランプと、車両の全方位から目視可能に配置された複数の報知灯と、を備え、前記制御手段は、前記全ドア開錠報知処理の実行時には、前記報知灯を点灯させ、前記特定ドア開錠報知処理の実行時には、開錠される特定ドアに対応する特定ドアランプを点灯させることを特徴とする車両用ドアロック装置とした。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車両用ドアロック装置において、前記報知灯として、車両前部および車両後部に設置された方向指示灯が用いられていることを特徴とする車両用ドアロック装置とした。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の車両用ドアロック装置において、前記運転席ドアおよび助手席ドアの前記特定ドアランプとして、各ドアに取り付けられたサイドミラーに設けられた方向指示灯が含まれていることを特徴とする車両用ドアロック装置とした。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車両用ドアロック装置において、前記指令手段として、使用者が携帯可能であり、開錠指令信号を出力可能な携帯機が含まれ、前記制御手段は、開錠指令信号の出力回数に基づいて特定ドア開錠指令と全ドア開錠指令とを判別することを特徴とする車両用ドアロック装置とした。
【0011】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の車両用ドアロック装置において、前記指令手段として、各ドアに設けられたリクエストスイッチと、このリクエストスイッチが操作された際に、前記制御手段と相互に信号を送受信し、あらかじめ設定された固有の信号であるキーID信号を出力する携帯機と、が含まれ、前記制御手段は、前記リクエストスイッチが押された際には、前記携帯機のキーID信号があらかじめ設定された車両固有のキーIDと一致するか判定し、一致時において、前記リクエストスイッチの操作回数に基づいて前記特定ドア開錠指令と前記全ドア開錠指令とを判別することを特徴とする車両用ドアロック装置とした。
【0012】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の車両用ドアロック装置において、前記報知手段として、音を出力可能なスピーカが含まれていることを特徴とする車両用ドアロック装置とした。
【発明の効果】
【0013】
本発明の車両用ドアロック装置では、全ドアを開錠したい場合には、利用者は、指令手段により全ドア開錠指令を行う。
この場合、制御手段は、開錠制御に基づいて、全ドアのドアロックアクチュエータを開錠側に駆動させる全ドア開錠処理を実行し、かつ、報知制御に基づいて、報知手段により全ドアの開錠であることを報せる全ドア開錠報知処理を実行する。
したがって、利用者は、全ドアの開錠が行われたことを認知できる。
【0014】
一方、運転席などの全ドアのうちの特定のドアを開錠したい場合には、利用者は、指令手段により特定ドア開錠指令を行う。
この場合、制御手段は、開錠制御に基づいて、特定ドアのみのドアロックアクチュエータを開錠側に駆動させる特定ドア開錠処理を実行し、かつ、報知制御に基づいて、報知手段により特定ドアのみの開錠であることを報せる特定ドア開錠報知処理を実行する。
したがって、利用者は、特定ドアのみの開錠が行われたことを認知できる。
【0015】
以上のように、本発明の車両用ドアロック装置では、運転席ドアのみの開錠を行った場合と、運転席以外のドアを含む開錠を行った場合と、で実際の指令状態を確認可能であり、使い勝手の向上を図ることができる。
【0016】
また、請求項2に記載の発明では、利用者が、指令手段により全ドア開錠指令を行った場合、制御手段は、全方位から目視可能に配置された複数の報知灯を点灯させる。
したがって、利用者が、車両に対してどの位置から指令を行っても、複数の報知灯の点灯を目視して、全ドア開錠がなされたことを認知することができる。
【0017】
一方、利用者が、指令手段により特定ドア開錠指令を行った場合、制御手段は、開錠される特定ドアに対応する特定ドアランプを点灯させることで、特定ドアのみの開錠を報せる。
この特定ドアランプは、特定ドアの車外側近傍位置から目視可能な位置に配置されていることから、特定ドアを開錠しようとそのドアの車外側に位置する利用者から確実に目視でき、この特定ドアランプに対応するドアのみの開錠がなされたことを認知することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明では、報知灯として車両前部および車両後部に設置された方向指示灯を用いたため、報知手段として新規な報知灯の追加を回避でき、これらを追加設定する場合と比較して経済的に有利であり、かつ、基本的に方向指示灯は、車両の全方位から目視を考慮して設置されており、認知性に優れる。
【0019】
請求項4に記載の発明では、運転席ドアおよび助手席ドアの特定ドアランプとして、各ドアに取り付けられたサイドミラーに設けられた方向指示灯を含むため、報知手段として新規に特定ドアランプを設置することが不要であり、経済的に有利であり、かつ、運転席ドアおよび助手席ドアの車外側に位置する利用者からの認知性にも優れる。
【0020】
請求項5に記載の発明では、制御手段が、携帯機から出力される指令信号の出力回数に基づいて特定ドア開錠指令と全ドア開錠指令とを判別するようにしたため、それぞれの指令専用のスイッチなどの構成を2つ並設することが不要であり、構成の簡略化を図ることができるとともに、経済的に有利である。
【0021】
請求項6に記載の発明では、制御手段が、各ドアに設けられたリクエストスイッチの操作回数に基づいて特定ドア開錠指令と全ドア開錠指令とを判別するようにしたため、それぞれの指令専用のスイッチなどの構成を2つ並設することが不要であり、構成の簡略化を図ることができるとともに、経済的に有利である。
【0022】
請求項7に記載の発明では、報知手段として音を出力可能なスピーカが含まれているため、利用者は、音により特定ドアの開錠と全ドアの開錠とを認知することができる。
特に、請求項2以下の発明の特定ドアランプおよび報知灯と併用した場合、視覚と聴覚との両方により認知可能であり、いっそう確実な認知が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
この実施の形態の車両用ドアロック装置は、車両に設けられた複数のドア(1〜5)と、各ドア(1〜5)と車体とに跨って設けられ、ドア閉状態で前記ドアと車体とを係合し、前記ドア(1〜5)に設けられたドアハンドル(1h〜5h)の操作に連動して前記係合を解除可能な開錠状態と、前記ドアハンドル(1h〜5h)の操作に連動する前記係合の解除を禁止する施錠状態とに切り換え可能なドアロック(31〜35)と、前記ドアロック(31〜35)の施錠状態と開錠状態とを切り換える駆動を実行するドアロックアクチュエータ(31a〜35a)と、このドアロックアクチュエータ(31a〜35a)の駆動を制御する制御手段(41)と、この制御手段(41)に、施錠および開錠の指令を出力する指令手段(50,61〜65)と、を備え、
前記制御手段(41)が、前記指令手段(50,61〜65)による全ドアの開錠を指令する全ドア開錠指令時に、全ドアの前記ドアロックアクチュエータを開錠側に駆動する全ドア開錠処理を実行し、前記指令手段(50,61〜65)による全ドアのうちの特定のドアの開錠を指令する特定ドア開錠指令時に、前記特定ドアのみの前記ドアロックアクチュエータを開錠側に駆動させる特定ドア解除処理を実行する開錠制御を行う車両用ドアロック装置であって、前記車外に向けて報知作動を行う報知手段(11〜17)を備え、前記制御手段(41)が、前記全ドア開錠指令時に、前記報知手段(11〜17)により全ドアの開錠であることを報せる全ドア開錠報知処理を行い、前記特定ドア開錠指令時に、前記報知手段(12,13,15〜17)により特定ドアの開錠であることを報せる特定ドア開錠報知処理を行う報知制御を実行することを特徴とする車両用ドアロック装置である。
【実施例1】
【0024】
以下に、図1〜図3に基づいて、この発明の最良の実施の形態の実施例1の車両用ドアロック装置Aについて説明する。
【0025】
この実施例1の車両用ドアロック装置Aについて説明するのにあたり、まず、この車両用ドアロック装置Aを適用した車両MBの構成について説明する。
【0026】
この車両MBは、図2に示すように、運転席ドア1、助手席ドア2、右後部ドア3、左後部ドア4、バックドア5の5枚のドアを備えている。なお、運転席ドア1および助手席ドア2には、それぞれ、サイドミラー1a,2aが設けられている。
また、各ドア1〜5は、それぞれ、各ドア1〜5の全閉状態で、各ドア1〜5と車体と係合するドアロック31,32,33,34,35を備えている。
【0027】
なお、ドアロック31〜35は、周知であり図示は省略するが、車体に設けられたストライカと、このストライカに係合したフルラッチ状態となることで、各ドア1〜5を車体に係合させるラッチと、を備えている。
また、ドアロック31〜35は、各ドア1〜5の内外に設けられたドアハンドル1h,2h,3h,4h,5hを備え(車外側のもののみを示す)、これらのドアハンドル1h〜5hを操作することで、ラッチとストライカとの係合を解除して各ドア1〜5を開くことが可能に構成されている。
【0028】
さらに、バックドア5のドアロック35を除くドアロック31〜34は、車室内側に図示を省略したロックノブを備えており、使用者がこのロックノブを手動で操作することで、ドアハンドル1h〜4hを操作してラッチとストライカとの係合を解除可能な開錠状態と、ドアハンドル1h〜4hとラッチとの連携を解除してドアハンドル1h〜4hを操作してもラッチとストライカとの係合を解除できない施錠状態と、に切り換えることが可能に構成されている。
【0029】
さらに、車両MBは、複数の方向指示用のランプ類を備えており、これらのランプ類として方向指示の際に点灯する車両前端左右下部に設けられた一対のフロントターンシグナルランプ(報知手段:報知灯)11,11、左右のサイドミラー1a,2aに設けられた一対のサイドターンシグナルランプ(報知手段:報知灯であり特定ドアランプ)12,13、車両後端左右下部の一対のリヤターンシグナルランプ(報知手段:報知灯)14,14を備えている。
【0030】
加えて、車両MBには、ランプ類として、左右後部ドア3,4のドアハンドル3h,4hの近傍とバックドア5のドアハンドル5hの近傍とに、報知手段および特定ドアランプとして、右後部ドアランプ15、左後部ドアランプ16、バックドアランプ17が設けられている。
【0031】
図1に示すように、車両用ドアロック装置Aは、前述のドアロック31〜35に加え、車載機40と携帯機(指令手段)50とを備えている。
ドアロック31〜35は、それぞれ、前述した施錠状態と開錠状態との切換えを自動で行うドアロックアクチュエータ31a,32a,33a,34a,35aを備えている。
これらドアロックアクチュエータ31a〜35aの駆動は、車載機40により制御される。
【0032】
この車載機40は、車載機制御部41と車載機受信部42と車載機送信部43とを備えている。
車載機受信部42は、携帯機50からの信号を受信し、その信号を車載機制御部41へ出力する。
車載機送信部43は、車載機制御部41の処理に基づいて、携帯機50に向けて信号を出力する。
車載機制御部41は、リクエストスイッチ(指令手段)61,62,63,64,65のON,OFFおよび車載機受信部42の受信状態に基づいて、各ドアロックアクチュエータ31a〜35aの駆動を制御する。
【0033】
なお、リクエストスイッチ61〜65は、各ドア1〜5のドアハンドル1h〜5hの近傍に設けられており、押してON/OFFが切り換わるスイッチや、使用者がドアハンドルに手をかけると出力値が閾値を越える静電容量タイプのスイッチを用いることができる。
【0034】
携帯機50は、携帯機制御部51と携帯機送信部52と携帯機受信部53とを備えている。
携帯機送信部52は、携帯機制御部51の処理に基づいて車載機40に向けて信号を送信する。
携帯機受信部53は、車載機40から送信される信号を受信し、その信号を携帯機制御部51に出力する。
【0035】
携帯機制御部51には、施錠スイッチ55と開錠スイッチ54とが接続されており、両スイッチ54,55が操作された際には、その操作に応じた施錠指令信号と開錠指令信号とのいずれかを携帯機送信部52から送信する処理を実行する。また、携帯機受信部53が、車載機40からのリクエスト信号を受信した場合には、あらかじめ設定された携帯機50の固有のキーID信号を出力する。
【0036】
ここで、車載機制御部41および携帯機制御部51による施錠/開錠制御について説明する。
なお、この施錠/開錠制御は、キーレス処理とリモートコントロール処理を有し、これらは従来から実施されている周知の動作であるので簡単に説明する。
【0037】
まず、キーレス処理について説明すると、このキーレス処理は、携帯機50の両スイッチ54,55の操作を伴わない処理であって、キーレスロック処理とキーレスアンロック処理とが存在する。
【0038】
キーレスアンロック処理は、使用者が携帯機50を所持し、各ドア1〜5の施錠状態で各リクエストスイッチ61〜65のいずれかを操作した場合に、ドアロック31〜35を自動的に開錠する処理である。
【0039】
すなわち、本実施例1では、車載機制御部41に各リクエストスイッチ61〜65のいずれかが操作された信号が入力されると、車載機送信部43からリクエスト信号を携帯機50に送信する。
携帯機50は、リクエスト信号を受信すると、携帯機送信部52からキーID信号を送信する。
車載機40では、キーID信号を受信すると、車両に登録されているキーIDとの照合を行い、一致した場合には、ドアロックアクチュエータ31a〜35aを開錠側に駆動させる。
【0040】
ここで本実施例1では、このドアロックアクチュエータ31a〜35aを開錠側に駆動させる場合に、リクエストスイッチ61〜65の操作に応じ、ドアロックアクチュエータ31a〜35aを選択的に駆動させる特定ドア開錠処理と、全てのドアロックアクチュエータ31a〜35aを駆動させる全ドア開錠処理とを実行する。
【0041】
すなわち、リクエストスイッチ61〜65の操作が1回の場合は、リクエストスイッチ61〜65が操作されたドア1〜5のドアロック31〜35のドアロックアクチュエータ31a〜35aのみを開錠側に駆動させる特定ドア開錠処理を実行する。
一方、リクエストスイッチ61〜65の操作が2回操作の場合は、全ドア1〜5のドアロック31〜35のドアロックアクチュエータ31a〜35aを開錠側に駆動させる全ドア開錠処理を実行する。
【0042】
キーレスロック処理は、各ドア1〜5の開錠状態で携帯機50を所持した使用者が車両から離れる際に、全ドアロックアクチュエータ31a〜35aを駆動させて自動的に施錠する処理である。
すなわち、本実施例1では、携帯機50があらかじめ設定された検知エリア内に存在する状態で各リクエストスイッチ61〜65のいずれかが押された場合と、前記検知エリア内において、あらかじめ設定された範囲の外に出た場合と、のいずれかを作動条件とし、この作動条件が成立した場合に、車載機制御部41が、全ドアロックアクチュエータ31a〜35aを施錠側に駆動させる。
【0043】
次に、リモートコントロール処理について説明する。
リモートコントロール処理は、携帯機50の各スイッチ54,55の操作に応じた処理であって、リモートアンロック処理とリモートロック処理とが存在する。
【0044】
リモートアンロック処理は、使用者が携帯機50の開錠スイッチ54を操作した場合に、自動的に開錠する処理である。
すなわち、車載機制御部41は、携帯機50の開錠スイッチ54が押されたことを示す信号を受信した場合には、その信号に含まれるキーID信号を確認後、各ドアロックアクチュエータ31a〜35aを開錠側に駆動させる。
【0045】
この場合、キーレスアンロック処理の場合と同様に、開錠スイッチ54の1回押しと2回押しとで駆動させるドアロックアクチュエータ31a〜35aを異ならせる特定ドア開処理と、ドア開処理とを実行する。
すなわち、開錠スイッチ54の1回押しが成された場合には、運転席ドア1のドアロックアクチュエータ31aのみを開錠側に駆動させる特定ドア開処理を実行する。
一方、開錠スイッチ54の2回押しが成された場合には、全てのドアロックアクチュエータ31a〜35aを開錠側に駆動させる全ドア開処理を実行する。
【0046】
リモートロック処理は、使用者が携帯機50の施錠スイッチ55を押した場合に、自動的に施錠する処理である。
すなわち、車載機制御部41は、携帯機50の施錠スイッチ55が押されたことを示す信号を受信した場合には、その信号に含まれるキーID信号を確認後、全てのドアロックアクチュエータ31a〜35aを施錠側に駆動させる。
【0047】
次に、本実施例1の特徴とする報知制御における処理の流れを図3のフローチャートに基づいて説明する。なお、この報知制御は、リモートアンロック処理およびキーレスアンロック処理である開錠側の処理を実行する際に、実行が開始されるとともに、この処理と並列に実行される。
【0048】
まず、携帯機50の開錠スイッチ54が押された場合、ステップS1のYES判定により、ステップS2およびステップS3の処理に基づいて、開錠スイッチ54の押し操作が1回であるか2回であるかを判定し、1回押しの場合は、ステップS4に進んで、運転席ドア1のサイドミラー1aのサイドターンシグナルランプ12を2回点灯させる特定ドア開錠報知処理を実行する。
一方、2回押しの場合は、ステップS5に進んで、全ターンシグナルランプ11〜14および報知用の各ランプ15〜17を2回点灯させる全ドア開錠報知処理を実行する。
【0049】
また、運転席ドア1のリクエストスイッチ61が操作された場合、ステップS6のYES判定によりステップS7およびステップS8の処理に基づいて、運転席ドア1のリクエストスイッチ61の操作が1回操作か2回操作か判定し、1回操作の場合は、ステップS9に進んで、運転席ドア1のサイドミラー1aのサイドターンシグナルランプ12を2回点灯させる特定ドア開錠報知処理を実行する。
一方、2回操作の場合は、ステップS10に進んで、全ターンシグナルランプ11〜14および報知用の各ランプ15〜17を2回点灯させる全ドア開錠報知処理を実行する。
【0050】
また、助手席ドア2のリクエストスイッチ62が操作された場合、ステップS11のYES判定によりステップS12およびステップS13の処理に基づいて、助手席ドア2のリクエストスイッチ62の操作が1回操作か2回操作か判定し、1回操作の場合は、ステップS14に進んで、助手席ドア2のサイドミラー2aのサイドターンシグナルランプ13を2回点灯させる特定ドア開錠報知処理を実行する。
一方、2回操作の場合は、ステップS15に進んで、全ターンシグナルランプ11〜14および報知用の各ランプ15〜17を2回点灯させる全ドア開錠報知処理を実行する。
【0051】
また、右後部ドア3のリクエストスイッチ63が操作された場合、ステップS16のYES判定によりステップS17およびステップS18の処理に基づいて、右後部ドア3のリクエストスイッチ63の操作が1回操作か2回操作か判定し、1回操作の場合は、ステップS19に進んで、右後部ドアランプ15を2回点灯させる特定ドア開錠報知処理を実行する。
一方、2回操作の場合は、ステップS20に進んで、全ターンシグナルランプ11〜14および報知用の各ランプ15〜17を2回点灯させる全ドア開錠報知処理を実行する。
【0052】
また、左後部ドア4のリクエストスイッチ64が操作された場合、ステップS21のYES判定によりステップS22およびステップS23の処理に基づいて、左後部ドア4のリクエストスイッチ64の操作が1回操作か2回操作か判定し、1回操作の場合は、ステップS24に進んで、左後部ドアランプ16を2回点灯させる特定ドア開錠報知処理を実行する。
一方、2回操作の場合は、ステップS25に進んで、全ターンシグナルランプ11〜14および報知用の各ランプ15〜17を2回点灯させる全ドア開錠報知処理を実行する。
【0053】
また、バックドア5のリクエストスイッチ65が操作された場合、ステップS26のYES判定によりステップS27およびステップS28の処理に基づいて、バックドア5のリクエストスイッチ65の操作が1回操作か2回操作か判定し、1回操作の場合は、ステップS29に進んで、バックドアランプ17を2回点灯させる特定ドア開錠報知処理を実行する。
一方、2回操作の場合は、ステップS30に進んで、全ターンシグナルランプ11〜14および報知用の各ランプ15〜17を2回点灯させる全ドア開錠報知処理を実行する。
【0054】
なお、本実施例1では、フローチャートは省略するが、車載機制御部41は、施錠時、すなわち、キーレスロック処理およびリモートコントロールロック処理を実行する際には、各ターンシグナルランプ11〜14を1回点灯させる。
【0055】
次に、実施例1の車両用ドアロック装置Aの動作を説明する。
まず、全ドア1〜5を施錠したい場合には、使用者は、携帯機50の施錠スイッチ55を押すか、携帯機50を所持し、車両MBから設定距離以上離れるか、あるいは、各リクエストスイッチ61〜65のいずれかを操作する。
この場合、全ドアロックアクチュエータ31a〜35aが駆動されて全ドアロック31〜35が施錠され、かつ、全ターンシグナルランプ11〜14が1回点灯される。
【0056】
一方、開錠時には、全ドア1〜5のドアロック31〜35の全てを同時に開錠することと、全ドア1〜5のうちの特定のドアのみを選択的に開錠することと、を行うことができる。
まず、全ドア1〜5の同時開錠を行う場合を説明すると、この場合は、携帯機50の開錠スイッチ54を2回押すか、携帯機50を所持し、各リクエストスイッチ61〜65のいずれかを2回操作する。
【0057】
これにより、全ドアロックアクチュエータ31a〜35aが開錠側に駆動されて全ドアロック31〜35が開錠されるとともに、全ターンシグナルランプ11〜14および全ドアランプ15〜17が2回点灯される(ステップS1→S2→S3→S5、ステップS6→S7→S8→S10、ステップS11→S12→S13→S15、ステップS16→S17→S18→S20、ステップS21→S22→S23→S25、ステップS26→S27→S28→S30のいずれかの流れに基づく)。
したがって、使用者は、複数のランプ11〜17の点灯を目視することで、全ドア1〜5の開錠が行われたことを認知できる。
【0058】
次に、特定のドアを開錠する場合を説明する。
運転席ドア1のみの開錠を行う場合は、携帯機50の開錠スイッチ54を1回押すか、あるいは、携帯機50を所持して、運転席ドア1のリクエストスイッチ61を1回操作する。
この場合、運転席ドア1のドアロック31のドアロックアクチュエータ31aが開錠側に駆動され、かつ、運転席ドア1のサイドミラー1aのサイドターンシグナルランプ12が2回点灯される(ステップS1→S2→S4またはステップS6→S7→S9)。
したがって、使用者は、サイドターンシグナルランプ12のみが点灯することで、運転席ドア1のみの開錠が行われたことを認知できる。
【0059】
助手席ドア2のみの開錠を行う場合は、携帯機50を所持して、助手席ドア2のリクエストスイッチ61を1回操作する。
この場合、助手席ドア2のドアロック32のドアロックアクチュエータ32aが開錠側に駆動され、かつ、助手席ドア2のサイドミラー2aのサイドターンシグナルランプ13が2回点灯される(ステップS11→S12→S14)。
したがって、使用者は、サイドターンシグナルランプ13のみが点灯することで、助手席ドア2のみの開錠が行われたことを認知できる。
【0060】
右後部ドア3のみの開錠を行う場合は、携帯機50を所持して、右後部ドア3のリクエストスイッチ63を1回操作する。
この場合、右後部ドア3のドアロック33のドアロックアクチュエータ33aが開錠側に駆動され、かつ、右後部ドア3の右後部ドアランプ15が2回点灯される(ステップS16→S17→S19)。
したがって、使用者は、右後部ドアランプ15のみが点灯することで、右後部ドア3のみの開錠が行われたことを認知できる。
【0061】
左後部ドア4のみの開錠を行う場合は、携帯機50を所持して、左後部ドア4のリクエストスイッチ64を1回操作する。
この場合、左後部ドア4のドアロック34のドアロックアクチュエータ34aが開錠側に駆動され、かつ、左後部ドア4の左後部ドアランプ16が2回点灯される(ステップS21→S22→S24)。
したがって、使用者は、左後部ドアランプ16のみが点灯することで、左後部ドア4のみの開錠が行われたことを認知できる。
【0062】
バックドア5のみの開錠を行う場合は、携帯機50を所持して、バックドア5のリクエストスイッチ65を1回操作する。
この場合、バックドア5のドアロック35のドアロックアクチュエータ35aが開錠側に駆動され、かつ、バックドア5のバックドアランプ17が2回点灯される(ステップS26→S27→S29)。
したがって、使用者は、バックドアランプ17のみが点灯することで、バックドア5のみの開錠が行われたことを認知できる。
【0063】
以上、説明したように、実施例1の車両用ドアロック装置Aでは、車両MBの全ドア1〜5のうちの特定の1枚のドア開錠時と、全ドア1〜5の開錠時とで、各ランプ11〜17の点灯状態が異なり、利用者は、ドア開錠状態を目視により認知することができる。
このように、実際の開錠状態を確認可能であるので、この確認ができない場合と比較して、使い勝手の向上を図ることができる。
しかも、通常、特定のドア開錠時には、利用者は、その特定ドアの車外側に位置しているため、この特定ドアの開場時に、そのドアに設けられた各ランプ12,13,15,16,17を点灯させることで、このような位置の利用者が、確実に上記目視による認知を行うことができ、高い認知性能が得られる。
【0064】
一方、全ドア開錠時には、車両MBの全方位から目視可能に配置されたフロントターンシグナルランプ11,11およびリヤターンシグナルランプ14,14と、各ドア1〜5に設置された各ランプ12,13,15,16,17が点灯するため、利用者は、全ランプ11〜17のうちの複数の点灯を確実に目視でき、実際には複数を点灯させているのに利用者からは1つしか目視できずに、全ドア開錠と認知できない不具合を回避でき、高いに認知性能が得られる。
【0065】
加えて、実施例1では、報知灯として既存のフロントターンシグナルランプ11,11、各サイドターンシグナルランプ12,13、リヤターンシグナルランプ14,14を利用したため、これらを利用しない場合と比較して、新規な報知灯の追加を回避でき、経済的に有利であり、かつ、基本的にこれらのターンシグナルランプ11〜14は、車両の全方位から目視を考慮して設置されており、認知性に優れる。
【0066】
さらに、実施例1では、車載機制御部41が、各スイッチ54,55,61〜65から出力される信号の出力回数が1回か2回かに基づいて特定ドア開錠指令と全ドア開錠指令とを判別するようにしたため、それぞれの指令専用のスイッチなどの構成を2つ並設することが不要であり、構成の簡略化を図ることができるとともに、経済的に有利である。
【実施例2】
【0067】
次に、図4に基づいてこの発明の実施の形態の実施例2の車両用ドアロック装置Bについて説明する。なお、この実施例2は、実施例1の変形例であるため、その相違点についてのみ説明し、実施例1と同様の構成および作用効果については説明を省略する。
【0068】
実施例2では、報知手段として、スピーカ201を加えている。
そして、図3に示すフローチャートにおいて、特定ドア開錠報知処理に対応する特定の1つのランプ12,13,15〜17を点灯させる処理(ステップS4,S9,S14,S19,S24,S29)において、ランプの点灯に加え、スピーカ201により、特定ドアの開錠を報せるため、例えば、長音を出力する。
一方、全ドア開錠報知処理に対応する全ランプ11〜17を同時点灯させる処理(ステップS5,S10,S15,S20,S25,S30)において、ランプの点灯に加え、スピーカ201により、全ドア開錠を報せるため、例えば、断続音を出力する。
【0069】
このように、実施例2では、各ランプ11〜17の点灯とスピーカ201の音の出力とにより、視覚と聴覚とにより、特定ドア開錠と全ドア開錠とを報せるため、いっそう確実な認知が可能となり、使い勝手が向上する。
【0070】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態および実施例1,2を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態および実施例1,2に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0071】
具体的には、実施例1,2では、特定ドア解除処理の場合と、全ドア開錠処理との場合との判別を、各スイッチ54,55,61〜65の1回押しと2回押しとで行うようにしたが、これに限定されず、例えば、これらのスイッチ54,55,61〜65の短時間押しと長時間押しとで判別するようにしてもよい。
【0072】
また、実施例1,2では、5枚のドア1〜5のそれぞれについて特定ドア開錠処理を実行可能としたが、これに限定されず、特定ドアとして、これら複数のドアのうちの、例えば、運転席ドアのみ、あるいは運転席ドアのと助手席ドアの2枚のみを特定ドアとして単独で開錠可能としてもよい。この場合、各ランプ15〜17が不要となり、経済的に有利である。
【0073】
また、実施例1,2では、報知制御の際に、特定ドアの開錠か全ドアの開錠かを、携帯機50および各リクエストスイッチ61〜65の入力に基づいて判定する例を示したが、この判定は、これに限定されず、制御手段からドアロックアクチュエータへの出力信号により判定するようにしてもよい。この場合、実際の出力に基づいて判定するため、報知手段による報知と、実際の施錠および開錠状態と、が異なることの発生を、より防止することができる。
【0074】
また、実施例1,2では、全ドア開錠報知処理の際に、全ランプ11〜17を点灯させるようにしたが、このときの点灯を、各ドアのランプ12,13,15,16,17を除く、ターンシグナルランプ11,11,14,14としてもよい。この場合、ドアのランプ12,13,15,16,17が点灯するか、それ以外のランプ11,14の点灯であるかで、特定ドアの開錠か全ドアの開錠であるかを、より確実に認知することができる。
【0075】
また、実施例1,2では、報知手段として、各ランプ11〜17を用い、実施例2では、これらのランプ11〜17とスピーカ201とを併用するようにしたが、報知手段として、これに限定されるものではなく、例えば、実施例2で示したスピーカ201のみを報知手段としてもよい。また、スピーカ201を用いた場合、報知の手法としては、実施例2で示した長音と断続音とに限らず、音の1回出力と2回出力などの他の出力としてもよく、あるいは、音声による出力としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の最良の実施の形態の実施例1の車両用ドアロック装置Aを示すブロック図である。
【図2】実施例1の車両用ドアロック装置Aを適用した車両MBを示す図であって、(a)は右側面図、(b)は左側面図、(c)は背面図である。
【図3】実施例1の車両用ドアロック装置Aの報知制御の処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】実施例2の車両用ドアロック装置Bを示すブロック図である。
【符号の説明】
【0077】
1 運転席ドア
1a サイドミラー
2 助手席ドア
3 右後部ドア
4 左後部ドア
5 バックドア
11 フロントターンシグナルランプ(報知手段:報知灯)
12 サイドターンシグナルランプ(報知手段:報知灯であり特定ドアランプ)
13 サイドターンシグナルランプ(報知手段:報知灯であり特定ドアランプ)
14 リヤターンシグナルランプ(報知手段:報知灯)
15 右後部ドアランプ(報知手段:特定ドアランプ)
16 左後部ドアランプ(報知手段:特定ドアランプ)
17 バックドアランプ(報知手段:特定ドアランプ)
31 ドアロック
31a ドアロックアクチュエータ
32 ドアロック
32a ドアロックアクチュエータ
33 ドアロック
33a ドアロックアクチュエータ
34 ドアロック
34a ドアロックアクチュエータ
35 ドアロック
35a ドアロックアクチュエータ
41 車載機制御部(制御手段)
50 携帯機(指令手段)
61 リクエストスイッチ(指令手段)
62 リクエストスイッチ(指令手段)
63 リクエストスイッチ(指令手段)
64 リクエストスイッチ(指令手段)
65 リクエストスイッチ(指令手段)
A 車両用ドアロック装置
B 車両用ドアロック装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられた複数のドアと、
各ドアと車体とに跨って設けられ、ドア閉状態で前記ドアと車体とを係合し、前記ドアに設けられたドアハンドルの操作に連動して前記係合を解除可能な開錠状態と、前記ドアハンドルの操作に連動する前記係合の解除を禁止する施錠状態とに切り換え可能なドアロックと、
前記ドアロックの施錠状態と開錠状態とを切り換える駆動を実行するドアロックアクチュエータと、
このドアロックアクチュエータの駆動を制御する制御手段と、
この制御手段に、施錠および開錠の指令を出力する指令手段と、
を備え、
前記制御手段が、前記指令手段による全ドアの開錠を指令する全ドア開錠指令時に、全ドアの前記ドアロックアクチュエータを開錠側に駆動する全ドア開錠処理を実行し、前記指令手段による全ドアのうちの特定のドアの開錠を指令する特定ドア開錠指令時に、前記特定ドアのみの前記ドアロックアクチュエータを開錠側に駆動させる特定ドア解除処理を実行する開錠制御を行う車両用ドアロック装置であって、
前記車外に向けて報知作動を行う報知手段を備え、
前記制御手段が、前記全ドア開錠指令時に、前記報知手段により全ドアの開錠であることを報せる全ドア開錠報知処理を行い、前記特定ドア開錠指令時に、前記報知手段により特定ドアの開錠であることを報せる特定ドア開錠報知処理を行う報知制御を実行することを特徴とする車両用ドアロック装置。
【請求項2】
前記報知手段として、前記ドアのそれぞれにおいて、そのドアの車外側近傍位置から目視可能な位置に配置された特定ドアランプと、車両の全方位から目視可能に配置された複数の報知灯と、を備え、
前記制御手段は、前記全ドア開錠報知処理の実行時には、前記報知灯を点灯させ、前記特定ドア開錠報知処理の実行時には、開錠される特定ドアに対応する特定ドアランプを点灯させることを特徴とする請求項1に記載の車両用ドアロック装置。
【請求項3】
前記報知灯として、車両前部および車両後部に設置された方向指示灯が用いられていることを特徴とする請求項2に記載の車両用ドアロック装置。
【請求項4】
前記運転席ドアおよび助手席ドアの前記特定ドアランプとして、各ドアに取り付けられたサイドミラーに設けられた方向指示灯が含まれていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の車両用ドアロック装置。
【請求項5】
前記指令手段として、使用者が携帯可能であり、開錠指令信号を出力可能な携帯機が含まれ、
前記制御手段は、開錠指令信号の出力回数に基づいて特定ドア開錠指令と全ドア開錠指令とを判別することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車両用ドアロック装置。
【請求項6】
前記指令手段として、各ドアに設けられたリクエストスイッチと、このリクエストスイッチが操作された際に、前記制御手段と相互に信号を送受信し、あらかじめ設定された固有の信号であるキーID信号を出力する携帯機と、が含まれ、
前記制御手段は、前記リクエストスイッチが押された際には、前記携帯機のキーID信号があらかじめ設定された車両固有のキーIDと一致するか判定し、一致時において、前記リクエストスイッチの操作回数に基づいて前記特定ドア開錠指令と前記全ドア開錠指令とを判別することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の車両用ドアロック装置。
【請求項7】
前記報知手段として、音を出力可能なスピーカが含まれていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の車両用ドアロック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−267045(P2008−267045A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−113382(P2007−113382)
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】