説明

車両用バッテリケース

【課題】樹脂で構成されたトレイ部材とカバー部材とをボルトとナットで固定する場合において、ボルト間の樹脂変形を抑制できるとともにボルトの締め付けトルクを安定化させることのできるバッテリケースを提供する。
【解決手段】樹脂からなる保持部とトレイ側周縁部(32)とで構成されたトレイ部材(20)と、樹脂からなるカバー部とカバー側周縁部(33)とで構成されたカバー部材(22)と、トレイ側周縁部に接触して一端がトレイ側周縁部から径方向外側へ所定距離延びて設けられる金属製の第1狭持部材(24)と、カバー側周縁部に接触して一端がカバー側周縁部から径方向外側へ所定距離延びて設けられる金属製の第2狭持部材(26)と、トレイ側周縁部及びカバー側周縁部より径方向外側の所定位置で第1及び第2狭持部材を締結する締結部材(28,50)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用バッテリケースに係り、詳しくは電動車両を駆動するバッテリを収納するためのバッテリケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、大容量のバッテリが搭載され、当該バッテリの電力で駆動される駆動モータを動力源の1つとするハイブリッド車や電気自動車が広く開発されている。
このような電動車両に搭載されるバッテリケースは、一例としてバッテリモジュールを収納するトレイ部材と、トレイ部材を覆うカバー部材とから構成される。このように構成されるバッテリケースは、トレイ部材とカバー部材とを固定する必要がある。
【0003】
トレイ部材とカバー部材とを固定する方法として、例えば特許文献1には、トレイ部材とカバー部材の接合部において、トレイ部材に埋め込みボルト及び埋め込みナットを設け、当該埋め込みボルトにナットを嵌め合わせて締結するとともに、カバー部材の上方からボルトを当該埋め込みナットに挿入して締結する構成が開示されている。
そして、リチウムイオン電池は防水性が要求されるため、カバー部材とトレイ部材との接合部の周縁部に防水用のシール部材を設ける構成としている。これにより、接合部からの水の浸入を防いでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−87645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術では、トレイ部材及びカバー部材は樹脂で構成されているため、トレイ部材及びカバー部材を締結しているボルト間の樹脂が冷熱温度の影響により変形してしまい、シール性及び防水性が低下するという問題がある。
また、当該変形を抑えるために、ボルト間の間隔をより短くして締結することもできるが、この場合は締結するボルトの数が多くなるために工数が多くかかり、好ましいことではない。
【0006】
さらに、埋め込みナットにボルトを挿入して締め付ける場合、所定の締め付けトルクより大きいトルクで締結すると埋め込みナットが空回りしてしまい、逆に締め付けトルクが所定の値よりも小さくなるとボルトが緩むため、締め付けトルクの上下限値管理が必要となり、好ましいことではない。
本発明は、上述した課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、樹脂で構成されたトレイ部材とカバー部材とをボルトとナットで固定する場合において、ボルト間の樹脂変形を抑制できるとともにボルトの締め付けトルクを安定化させることのできる車両用バッテリケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するべく、請求項1の車両用バッテリケースは、車両を駆動するバッテリを収納する車両用バッテリケースにおいて、樹脂で構成されるとともに前記バッテリを保持する保持部と、該保持部から径方向外側に延設されるトレイ側周縁部とで構成されたトレイ部材と、樹脂で構成されるとともに前記バッテリを覆うカバー部と、該カバー部から径方向外側に延設され前記トレイ側周縁部と重なり合うカバー側周縁部とから構成されたカバー部材と、前記トレイ側周縁部に接触して配置され、一端が前記トレイ側周縁部から径方向外側へ所定距離延びて設けられる金属製の第1狭持部材と、前記カバー側周縁部に接触して配置され、一端が前記カバー側周縁部から径方向外側へ所定距離延びて設けられる金属製の第2狭持部材と、前記トレイ側周縁部及び前記カバー側周縁部より径方向外側の所定位置で前記第1及び第2狭持部材を締結する締結部材とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2の車両用バッテリケースでは、請求項1において、前記第1及び第2狭持部材の少なくともいずれか一方には、対応する前記トレイ側周縁部または前記カバー側周縁部との接触位置から離反する方向に屈曲する屈曲部が形成されていることを特徴とする。
請求項3の車両用バッテリケースでは、請求項1または2において、前記トレイ側周縁部及び前記カバー側周縁部の少なくともいずれか一方に配設された1つ以上の凸部をさらに備え、該凸部は前記屈曲部により覆われることを特徴とする。
【0009】
請求項4の車両用バッテリケースでは、請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記トレイ側周縁部に、周方向に沿って所定の間隔で形成されるとともに前記トレイ側周縁部と前記保持部とを接合するリブをさらに備えることを特徴とする。
請求項5の車両用バッテリケースでは、請求項1乃至4のいずれかにおいて、前記トレイ側周縁部と前記カバー側周縁部とが重なり合う重合部を密閉するシール部材をさらに備え、該シール部材は前記第1及び第2狭持部材により狭持される前記トレイ側周縁部と前記カバー側周縁部との接触位置に対応して設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の車両用バッテリケースによれば、トレイ側周縁部に金属製の第1狭持部材が、カバー側周縁部に金属製の第2狭持部材がそれぞれ接触して設けられ、第1狭持部材と第2狭持部材との一端は各周縁部から径方向外側へ所定距離延びて設けられており、トレイ側周縁部及びカバー側周縁部から径方向外側の所定位置で締結部材により締結される。
このように、トレイ部材に第1狭持部材、カバー部材に金属製の第2狭持部材をそれぞれ配置して締結することにより、トレイ側周縁部を第1狭持部材、カバー側周縁部を第2持部材でそれぞれ押さえるようにして冷熱温度の影響による樹脂の変形を防止するので、バッテリケースのシール性を向上させることができる。
【0011】
また、金属製の第1及び第2狭持部材をトレイ側周縁部及びカバー側周縁部より径方向外側の所定位置で締結部材により締結することにより、第1及び第2締結部材は樹脂で構成されたカバー部材及びトレイ部材を狭持していないために締結後の第1及び第2狭持部材の剛性は高く、締結部材で締結する間隔をより広くすることができ、コストを低減することができるとともに生産性を向上させることができる。
【0012】
そして、第1及び第2狭持部材を締結部材で締結するため、埋め込みナットを使用しないので締結部材の締め付けトルクが安定化し、締め付けトルクの上下限値を広く取ることができ、トルク管理がより容易になり、生産性を向上させることができる。
請求項2の車両用バッテリケースによれば、第1及び第2狭持部材の少なくともいずれか一方には、第1または第2狭持部材に対応するトレイ側周縁部またはカバー側周縁部との接触位置から離反する方向に屈曲する屈曲部が形成されているので、屈曲部が弾性変形して対応する周縁部を押圧することにより、バッテリケースのシール性を向上させることができる。
【0013】
請求項3の車両用バッテリケースによれば、トレイ側周縁部及びカバー側周縁部の少なくともいずれか一方に1つ以上の凸部が配設されており、屈曲部により凸部が覆われるので、第1または第2狭持部材に周縁部から引き離す方向へ力がかかる場合でも、屈曲部が凸部に引っ掛かることによって凸部が抵抗部材として作用して第1または第2狭持部材がカバー部材及びトレイ部材の周縁部から抜けることを防止することができ、バッテリケースのシール性を向上させることができる。
【0014】
請求項4の車両用バッテリケースによれば、トレイ側周縁部にトレイ側周縁部と保持部とを接合するリブが周方向に沿って所定の間隔で設けられるので、トレイ部材の剛性が高くなり、バッテリケース全体の強度を強くすることができる。
請求項5の車両用バッテリケースによれば、第1及び第2狭持部材により狭持されるトレイ側周縁部及びカバー側周縁部が重なり合う重合部にシール部材が配置して設けられることにより、第1及び第2狭持部材が締結されることにより周縁部を押さえつける力がシール部材に伝わりやすくなり、効果的に接触面をシールすることができ、バッテリケースのシール性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るバッテリケースが載置された電気自動車の斜視図である。
【図2】図1に示したバッテリケースの概略構成図である。
【図3】図2に示したバッテリケースの分解斜視図である。
【図4】図2のA−A線に沿う縦断面の拡大図である。
【図5】図2のB−B線に沿う縦断面の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係るバッテリケースが搭載された電気自動車用の斜視図である。
図1に示すように、電気自動車1は車体2の床下に載置されたバッテリケース10と、図示しないが外部からの充電経路とを備えており、当該充電経路から電力の供給を受けて充電を行う充電器12が車体2の後部に配置され、バッテリケース10は充電器12に接続されて蓄電するように構成されている。
【0017】
図2に示すように、バッテリケース10は樹脂トレイ(トレイ部材)20とカバー(カバー部材)22と、樹脂トレイ20の外周を覆う第1板金プレート(第1狭持部材)24と、カバー22の周縁を覆う第2板金プレート(第2狭持部材)26と、第1及び第2板金プレート24、26を締結するボルト(締結部材)28及びナット(締結部材)50とから構成されている。なお、ナット50は、第1板金プレート24または第2板金プレート26のいずれかに溶接されるウエルドナットでもよい。
【0018】
詳しくは、図3にバッテリケース10の分解斜視図を示すように、樹脂トレイ20の保持部21にはバッテリモジュール30が複数配置されて設けられている。樹脂トレイ20の外周には第1板金プレート24が接触して配置されて設けられており、第1板金プレート24の一端は、樹脂トレイ20の径方向外側にトレイ側周縁部32よりも所定の長さ延びて形成されており、トレイ側周縁部32の径方向外側の所定位置には所定の間隔で貫通孔34が形成されている。
【0019】
樹脂トレイ20の接触面36はカバー22の接触面40と重なり接する。なお、樹脂トレイ20やカバー22は電気絶縁性を有する樹脂により成形されている。
カバー22は、バッテリモジュール30を覆うカバー部23と、トレイ側周縁部32と重なり合わさるカバー側周縁部33とから構成される。カバー側周縁部33には第2板金プレートが接触して配置されて設けられており、第2板金プレート26の一端は、カバー22の径方向外側にカバー側周縁部33よりも所定の長さ延びて形成されており、カバー側周縁部33の径方向外側の所定位置には第1板金プレート24に形成された貫通孔34と重なり合わさる所定の位置に貫通孔48が形成されている。
【0020】
図4に図2のA−A線に沿う縦断面図を示すように、樹脂トレイ20の接触面36の背面52には、背面端から外壁54に向かってリブ56が延びて設けられており、リブ56はトレイ側周縁部32と保持部21とを接合する。リブ56の下端には第1板金プレート24が接するように設けられている。そして、第1板金プレート24の他端は、樹脂トレイ20の底壁58に延びて設けられている。
【0021】
カバー22の接触面40の背面42には背面端に凸部44が突出して形成されており、一方、第2板金プレート26には凸部44を覆う屈曲部46が設けられており、屈曲部46はカバー側周縁部33との接触位置から離反する方向に屈曲して形成されている。第2板金プレート26は凸部44を屈曲部46で覆うように形成されており、第2板金プレート26の他端は、折り曲げられてカバー側周縁部33の背面42に当接して設けられている。
【0022】
トレイ側周縁部32とカバー側周縁部が重なり合わさる重合部37には防水用のシール部材38が配置して設けられており、シール部材38は樹脂トレイ20及びカバー22が第1板金プレート24及び第2板金プレート26により狭持される所定位置に配置される。なお、シール部材38は、例えば樹脂系のシール部材であるが、必要な防水性を得られるものであればこれに限られない。
【0023】
そして、第1板金プレート24及び第2板金プレート26は、貫通孔34、48にボルト28を貫通させ、ボルト28にナット50に嵌め合わせて締結されている。これにより、トレイ側周縁部32とカバー側周縁部33とが第1板金プレート24及び第2板金プレート26によって狭持される。
図5に図2のB−B線に沿う横断面図を示すように、カバー側周縁部33の背面42に形成された凸部44及びトレイ側周縁部32の背面52に形成されたリブ56はそれぞれ所定の間隔で配置されている。そして、第1板金プレート24及び第2板金プレート26は、ボルト28及びナット50により所定の間隔Lを有して締結され、トレイ側周縁部32とカバー側周縁部33とを狭持している。
【0024】
このように、本発明に係る電気自動車用バッテリケースによれば、樹脂トレイ20の外周には第1板金プレート24が、カバー側周縁部33の背面42には第2板金プレート26がそれぞれ配置されて設けられている。そして、第1及び第2板金プレート24、26の一端は、それぞれ樹脂トレイ20、カバー22の径方向外側に周縁部32よりも所定の長さ延びて形成され、トレイ側周縁部32の径方向外側の所定位置の第1板金プレート24に穿設された貫通孔34と合わさる位置に第2板金プレート26の貫通孔48が穿設されており、貫通孔34、48へボルト28を貫通させ、ボルト28にナット50を嵌め合わせる。これにより第1及び第2板金プレート24、26が締結され、トレイ側周縁部32とカバー側周縁部33とがこれら第1板金プレート24及び第2板金プレート26によって狭持される。
【0025】
従って、トレイ側周縁部32及びカバー側周縁部33が重なり合う重合部37方向へ押圧する力が作用することにより、トレイ側周縁部32及びカバー側周縁部33を第1及び第2板金プレート24、26で押さえるので、バッテリケース10を取りまく環境の温度変化により樹脂トレイ20及びカバー22の周縁部32が変形することを防止することができ、バッテリケース10のシール性を向上させることができる。
【0026】
また、第1板金プレート24及び第2板金プレート26の一端は樹脂トレイ20及びカバー22の径方向外側に周縁部32より所定の長さ延びて形成されており、トレイ側周縁部32及びカバー側周縁部33の径方向外側の所定位置でボルト28及びナット50により締結するようにしている。
即ち、ボルト28及びナット50で締結される締結部では樹脂で構成された樹脂トレイ20とカバー22とを狭持していないので、締結後の第1及び第2板金プレート24、26の剛性は高く、ボルト28及びナット50で締結する間隔Lをより長くすることが可能である。これにより、コストを低減することができるとともに生産性を向上させることができる。
【0027】
さらに、第1及び第2板金プレート24、26をボルト28及びナット50により締結しており、埋め込みナットを使用しないため、締め付けトルクが安定化することで締め付けトルクの上下限値を広く取ることができる。これにより、トルク管理が容易になり、生産性をより向上させることができる。
また、第2板金プレート26に形成された屈曲部46はカバー側周縁部との接触位置から離反する方向に屈曲しているので、屈曲部46が弾性変形してカバー側周縁部33を押圧することにより、バッテリケース10のシール性を向上させることができる。
【0028】
また、カバー22の接触面40の背面42には所定の間隔で凸部44が突出して設けられ、凸部44は第2板金プレート26に形成された屈曲部46によって覆われる。
このように構成されることにより、第2板金プレート26に径方向外側への張力が働く場合であっても、屈曲部46の壁が凸部44に引っ掛かり、凸部44が抵抗部材として機能する。これにより、第2板金プレート26及び第2板金プレート26に締結されている第1板金プレート24が周縁部32から抜けてしまうことを防止するので、バッテリケース10のシール性を向上させることができる。
【0029】
また、樹脂トレイ20の接触面36の背面52には、所定の間隔で背面端から外壁54へ向かってリブ56が延びて設けられ、リブ56はトレイ側周縁部32と保持部21とを接合することにより樹脂トレイ20の剛性が高くなるので、バッテリケース10の強度を強くすることができる。
さらに、トレイ側周縁部32及びカバー側周縁部が重なり合う重合部37の接触位置に対応した第1及び第2板金プレート24、26によって狭持される所定の位置にシール部材38が配置されている。
【0030】
即ち、第1及び第2板金プレート24、26によって重合部37方向へ押圧する力が作用する所定の位置にシール部材38が配置されるため、効果的に重合部37をシールすることができ、バッテリケース10のシール性を向上させることができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
【0031】
例えば、上記実施形態では第1板金プレート24の他端は樹脂トレイ20の底壁58に延びて設けられており、第2板金プレート26の他端はカバー22の背面42に接して延びて設けられるが、第1板金プレート24で樹脂トレイ20の外周全体を覆い、第2板金プレート26でカバー22の外周全体を覆うように構成してもよい。
そして、上記実施形態では、第2板金プレート26に屈曲部46を形成してカバー22の接触面40の背面42に形成された凸部44を覆うことにより、第1及び第2板金プレート24、26が樹脂トレイ20及びカバー22の周縁部32から抜けてしまうことを防止しているが、樹脂トレイ20に抜け防止用の凸部を設け、第1板金プレート24に屈曲部を設ける構成にしてもよい。
【0032】
また、上記実施形態では剛性を高くするため樹脂トレイ20の背面52にリブ56を形成しているが、バッテリケース10の剛性を保持することができればこれに限定されるものではない。
また、上記実施形態では電気自動車を例に説明したが、ハイブリッド車にも適用可能である。
【符号の説明】
【0033】
1 電気自動車
10 バッテリケース
20 樹脂トレイ(トレイ部材)
22 カバー(カバー部材)
24 第1板金プレート(第1狭持部材)
26 第2板金プレート(第2狭持部材)
28 ボルト(締結部材)
32 トレイ側周縁部
33 カバー側周縁部
38 シール部材
44 凸部
46 屈曲部
50 ナット(締結部材)
56 リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を駆動するバッテリを収納する車両用バッテリケースにおいて、
樹脂で構成されるとともに前記バッテリを保持する保持部と、該保持部から径方向外側に延設されるトレイ側周縁部とで構成されたトレイ部材と、
樹脂で構成されるとともに前記バッテリを覆うカバー部と、該カバー部から径方向外側に延設され前記トレイ側周縁部と重なり合うカバー側周縁部とから構成されたカバー部材と、
前記トレイ側周縁部に接触して配置され、一端が前記トレイ側周縁部から径方向外側へ所定距離延びて設けられる金属製の第1狭持部材と、
前記カバー側周縁部に接触して配置され、一端が前記カバー側周縁部から径方向外側へ所定距離延びて設けられる金属製の第2狭持部材と、
前記トレイ側周縁部及び前記カバー側周縁部より径方向外側の所定位置で前記第1及び第2狭持部材を締結する締結部材と、
を備えたことを特徴とする車両用バッテリケース。
【請求項2】
前記第1及び第2狭持部材の少なくともいずれか一方には、対応する前記トレイ側周縁部または前記カバー側周縁部との接触位置から離反する方向に屈曲する屈曲部が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の車両用バッテリケース。
【請求項3】
前記トレイ側周縁部及び前記カバー側周縁部の少なくともいずれか一方に配設された1つ以上の凸部をさらに備え、
該凸部は前記屈曲部により覆われることを特徴とする、請求項1または2に記載の車両用バッテリケース。
【請求項4】
前記トレイ側周縁部に、周方向に沿って所定の間隔で形成されるとともに前記トレイ側周縁部と前記保持部とを接合するリブをさらに備えることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用バッテリケース。
【請求項5】
前記トレイ側周縁部と前記カバー側周縁部とが重なり合う重合部を密閉するシール部材をさらに備え、
該シール部材は前記第1及び第2狭持部材により狭持される前記トレイ側周縁部と前記カバー側周縁部との接触位置に対応して設けられることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の車両用バッテリケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−146289(P2011−146289A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−6971(P2010−6971)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】