説明

車両用光源ユニット、及び車両用光源ユニットを備えた車両用内装材

【課題】光出射部から被照明領域に出射される光の光量を、光出射部の長手方向において、均一にすることが可能な車両用光源ユニットを提供する。
【解決手段】LED51と、LED51から出射される光を導光してスイッチベース16に出射するレンズ部材62と、LED51及びレンズ部材62を収容するカバー部材55と、を備え、カバー部材55は、レンズ部材62から出射される光をスイッチベース16に照射可能とする長手状の下側光出射孔70を有し、下側光出射孔70は、レンズ部材62から出射される光をスイッチベース16に直接照射する光出射孔端部71と、レンズ部材62から出射される光をスイッチベース16に間接照射する光出射孔中央部72と、を有し、光出射孔端部71は、下側光出射孔70の長手方向に沿って少なくとも2つ以上配列され、光出射孔中央部72は、隣り合う2つの光出射孔端部71の間に配されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用光源ユニット及び車両用光源ユニットを備えた車両用内装材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用ドアトリム(車両用内装材)に設けられ、被照明領域(例えば、アームレスト)を照らすための光源ユニットが知られている(例えば、下記特許文献1)。特許文献1のものでは、アームレストの上方に光源ユニットが設置され、アームレストを照らす構成となっている。このようにアームレストを照らすことで、例えば、アームレストに設けられたスイッチ類などの視認性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−86273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えばアームレストのような長手状の被照明領域を照らす場合、光源ユニットに長手状の光出射部を設け、光出射部から長手状の光を出射する場合がある。この場合、光源ユニットから出射される光の光量が、光出射部の長手方向において異なると、被照明領域において輝度ムラが生じ、視認性や意匠性が低下する。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、光出射部から被照明領域に出射される光の光量を、光出射部の長手方向において、均一にすることが可能な車両用光源ユニットを提供することを目的とする。また、このような車両用光源ユニットを備えた車両用内装材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の車両用光源ユニットは、車両における被照明領域と対向する形で、車両用内装材に取り付けられる車両用光源ユニットであって、光源本体と、前記光源本体から出射される光を導光して前記被照明領域側に出射する導光体と、前記光源本体及び前記導光体を収容するカバー部材と、を備え、前記カバー部材は、前記導光体から出射される光を前記被照明領域に照射可能とする長手状の光出射部を有し、前記光出射部は、前記導光体から出射される光を前記被照明領域に直接照射する第1光出射部と、前記導光体から出射される光を前記被照明領域に間接照射する第2光出射部と、を有し、前記第1光出射部は、前記光出射部の長手方向に沿って少なくとも2つ以上配列され、前記第2光出射部は、隣り合う2つの前記第1光出射部の間に配されていることに特徴を有する。
【0007】
本発明によれば、導光体から出射される光が第2光出射部から被照明領域に間接照射される構成とすることで、第2光出射部から被照明領域に出射される光の光量を、第1光出射部から被照明領域に出射される光の光量に比べて低くすることができる。
【0008】
一般的に、被照明領域において、光出射部の長手方向における中央部に対向する箇所には、光出射部の長手方向における中央部からの出射光に加えて、光出射部の長手方向における両端部からの出射光が届き易い。このため、仮に、第1光出射部が、光出射部の長手方向に沿って、3つ連続で配列されている構成の場合、被照明領域において、中央側に配された第1光出射部に対向する箇所では、照射される光の光量が相対的に高くなり、輝度ムラになりやすい。
【0009】
この点、本発明では、隣り合う2つの第1光出射部の間に、光量の低い第2光出射部を配することで、光出射部から被照明領域に対して出射される光の光量を、光出射部の長手方向において、より均一にすることができる。
【0010】
なお、ここで言う「直接照射」とは、導光体から出射される光が直接的に被照明領域に照射されることである。また、「間接照射」とは、導光体から出射される光が他部材を経由して、間接的に被照明領域に照射されることである。
【0011】
また、本発明の車両用光源ユニットは、光源本体及び導光体がカバー部材に収容されており、ユニットとして構成されている。このため、車両用光源ユニットの取り扱いが容易となり、車両用内装材に対して、容易に組み付けることができる。
【0012】
上記構成において、前記導光体と前記第1光出射部とは、前記光出射部から前記被照明領域に照射される光の出射方向に沿った方向について重なり合う形で配されており、前記導光体と前記第2光出射部とは、前記光出射部から前記被照明領域に照射される光の出射方向に沿った方向について重なり合わない形で配されており、前記第2光出射部と前記導光体との間には、前記導光体から前記第2光出射部に直接照射される光を遮光する遮光部が設けられているものとすることができる。
【0013】
導光体と第2光出射部とを、光出射部から被照明領域に照射される光の出射方向に沿った方向について重なり合わない形で配することで、導光体からの出射光が第2光出射部を経て被照明領域に直接的に照射される事態を抑制できる。さらに、導光体と第2光出射部との間には、遮光部が設けられている。このため、導光体からの出射光が第2光出射部に直接的に照射される事態をより確実に抑制でき、第2光出射部から被照明領域に対して光が直接照射される事態をより確実に抑制できる。
【0014】
また、前記カバー部材は、前記光出射部を有する第1カバー部材と、前記第1カバー部材に取り付けられ、前記光出射部に対向する対向面を有する第2カバー部材と、を備え、前記遮光部は、前記第1カバー部材及び前記第2カバー部材のうち、いずれか一方のカバー部材に設けられ、他方のカバー部材に向かって立設される立設壁とされ、前記立設壁には、前記導光体から出射された光を前記第2光出射部側に導通可能な導通部が設けられているものとすることができる。
【0015】
遮光部によって、導光体から出射された光のうち、第2光出射部に直接照射される光を遮光するとともに、導通部によって、導光体からの光のうち、第2光出射部側に向かう光の一部を第2光出射部側に導通させることができる。これにより、導光体から第2光出射部に直接照射される事態を抑制する構成としつつも、第2光出射部側に向かう光を完全に遮光することがないから、第2光出射部から出射される光の光量を確保することができる。なお、ここで言う「第2光出射部側に光を導通する」とは、第2光出射部側に光を導光すること、又は、第2光出射部側に光を通過させることを言う。
【0016】
また、前記立設壁は、前記第1カバー部材に設けられ、前記対向面には、前記導通部によって前記第2光出射部側に導通された光を前記第2光出射部に案内する光案内部が設けられているものとすることができる。
【0017】
導通部から導通された光を光案内部によって、第2光出射部に案内することができる。これにより、導光体から出射される光を第2光出射部から被照明領域に間接照射することができる。
【0018】
次に、上記課題を解決するために、本発明の車両用内装材は、上記車両用光源ユニットと、前記車両用光源ユニットが係止される係止部と、前記被照明領域に対して対向配置され、前記光出射部から出射される光を前記被照明領域に照射可能とする照射部と、を備えることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、車両用光源ユニットの光出射部から出射される光が車両用内装材の照射部に導かれるようにして、車両用光源ユニットを車両用内装材の係止部に係止するだけで、被照明領域において輝度ムラが発生する事態を抑えることができる。よって、車両用ドアトリムに輝度ムラを抑えるための特別な加工を施す必要がなくなる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、光出射部から被照明領域に出射される光の光量を、光出射部の長手方向において、均一にすることが可能な車両用光源ユニットを提供することができる。また、このような車両用光源ユニットを備えた車両用内装材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両用光源ユニットを備える車両用ドアトリムを示す正面図
【図2】図1のインサイドハンドルを示す斜視図
【図3】車両用光源ユニットを示す断面図(図1のA−A線で切断した図)
【図4】車両用光源ユニットを示す断面図(図7のB−B線で切断した図)
【図5】図3の車両用光源ユニットを示す斜視図
【図6】図3の車両用光源ユニットを示す分解斜視図
【図7】車両用光源ユニットを示す断面図(図4のC−C線で切断した図)
【図8】図1のスイッチベース付近を拡大して示す拡大図
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の一実施形態を図1ないし図8によって説明する。図1は、本実施形態の光源ユニット50(車両用光源ユニット)を備える車両用ドアトリム10を示す正面図である。車両用ドアトリム10(車両用内装材)は、図示しないインナパネルの車室内側に取り付けられる内装材であって、インナパネルとともに車両用ドアを構成するものである。
【0023】
車両用ドアトリム10は、車室内の見栄えや居住性を向上させるためのもので、トリムボード10Aと、当該トリムボード10Aに取り付けられるオーナメント10Bと、を備えている。図1に示すように、トリムボード10Aは、その下部を構成するロアボード11、中央部を構成するミドルボード12、上部を構成するアッパボード13から分割構成されている。なお、トリムボード10Aは、各ボード11,12,13から分割構成されず、一体部品として成形されるものであってもよい。
【0024】
ロアボード11、ミドルボード12、アッパボード13は、ポリプロピレン等の合成樹脂材料、あるいは、合成樹脂材料に天然繊維(ケナフなど)を混合した材料等によって形成されている。また、車両用ドアトリム10の車室内側には、表皮材15(図3参照)が一部または全部に貼着されている。
【0025】
各ボード11,12,13同士の結合は、例えば、一方のボードに形成された取付用ボス(図示せず)を他方のボードに形成された貫通孔(図示せず)に挿通した後で、超音波溶着などの溶着手段によって取付用ボスの先端部を溶着することで行われる。なお、各ボード11,12,13同士の結合は、ビス止めや爪嵌合など様々な結合方法によって行うことができる。
【0026】
ミドルボード12には、図1に示すように、乗員の肘掛けとして使用されるアームレスト部14が車室内側に張り出し状に形成されている。このアームレスト部14の上面には、上方へ開口する開口部14Aが形成され、この開口部14Aの内部には、乗員が指を差し入れることによって車両用ドアを開閉操作するためのプルハンドル(図示せず)が設けられている。
【0027】
アッパーボード13においてミドルボード12との接合部付近には、インサイドハンドル収容部30が設けられており、その内部には車両用ドアの開閉操作を行うためのインサイドハンドル31のハンドル部31A(把持部)が収容されている。また、アームレスト部14の上面14Bにおいて、インサイドハンドル収容部30の下方に位置する箇所には、スイッチ操作部を有し、長手状をなすスイッチベース16が設けられている。
【0028】
インサイドハンドル収容部30は、図2に示すように、インサイドハンドルベゼル32と、インサイドハンドルカバー33とを主体に構成されている。なお、以下の説明では、インサイドハンドルベゼル32をベゼル32と言う場合もある。
【0029】
ベゼル32は、図2及び図8に示すように、正面視方形状をなし、車室内側に開口する形で配されている。インサイドハンドルカバー33は、図3に示すように、ベゼル32の奥壁を車室内側から覆う形で取り付けられている。ベゼル32を構成するベゼル下壁部32Aの端部からは、光源ユニット50の側方および下方を覆う形で延びる延設部32B(ベセル32の一部)が形成されている。
【0030】
また、延設部32Bの下端には、図3に示すように、ミドルボード12から突出する取付ボス12Aが挿通された取付孔32Gが形成されている。取付ボス12Aを取付孔32Gに挿通させた後、取付ボス12Aの突出端を超音波溶着などの溶着手段によって溶着することで、ミドルボード12に対して、ベゼル32の延設部32Bが結合される。
【0031】
本実施形態の光源ユニット50は、ベゼル下壁部32A及び延設部32Bによって囲まれた空間(収容部)内に収容されており、インサイドハンドル収容部30及びスイッチベース16をそれぞれ照らす構成となっている。なお、光源ユニット50の構成については、後で詳しく説明を行う。
【0032】
ベゼル下壁部32A(光源ユニット50の上方)には、図2及び図3に示すように、光源ユニット50から出射された光をインサイドハンドル収容部30内に出射可能とするベゼル上側光出射孔32Eが貫通形成されている。また、延設部32Bの下部(光源ユニット50の下方)は、車室内側に向かって上昇傾斜する形状をなす傾斜部32Dとされている。
【0033】
この傾斜部32Dには、ベゼル下側光出射孔32F(照射部)が貫通形成されている。このベゼル下側光出射孔32Fは、スイッチベース16(被照明領域)に対して対向配置され、光源ユニット50から出射される光を下方(スイッチベース16)に通過(照射)可能とするためのものである。また、ベゼル下側光出射孔32Fは、車室内側に向かって上昇傾斜する傾斜部32Dに形成されている。このようにすれば、乗員が上方からベゼル下側光出射孔32Fを視認する事態を抑制できるから、意匠性を損なうことがない。
【0034】
つまり、本実施形態においては、光源ユニット50からベゼル上側光出射孔32Eを通じて光を出射することで、インサイドハンドル収容部30内を照らすことができるとともに、光源ユニット50からベゼル下側光出射孔32Fを通じて光を出射することで、ベゼル下側光出射孔32Fの下方に配されているスイッチベース16を照らすことが可能な構成となっている。
【0035】
また、本実施形態においては、ベゼル上側光出射孔32Eは、図2及び図3に示すように、ベゼル32のベゼル下壁部32Aにおいて、インサイドハンドル31のハンドル部31Aよりも車室外側に配されている。また、インサイドハンドルカバー33には、図2に示すように、車室内側に突き出す突部33Aが形成されている。この突部33Aは、図2に示すように、ベゼル上側光出射孔32Eよりも車両後方(図2の左側)に配されている。これにより、突部33Aは、ベゼル上側光出射孔32Eから車両後方に出射された光を遮光可能となっている。
【0036】
このような構成とすれば、ベゼル上側光出射孔32Eから出射した光のうち、インサイドハンドル収容部30における開口側(車室内側)に向かう光の一部は、インサイドハンドル31のハンドル部31A及び突部33A(遮光部)によって遮光される。言い換えると、乗員から見た場合(図2に乗員からの視線E1を示す)、ベゼル上側光出射孔32Eは、突部33A及びインサイドハンドル31のハンドル部31Aによって隠蔽される。
【0037】
これにより、乗員がベゼル上側光出射孔32E(ひいては、そこから出射される光)を直視する事態を抑制できる。これにより、乗員が眩しさを感じる事態を抑制できるとともに、意匠性を高くすることができる。なお、一般的に着座した状態の乗員の目は、インサイドハンドル収容部30よりも、車両後方に配される。このため、本実施形態では、突部33Aをベゼル上側光出射孔32Eよりも車両後方に形成することにした。なお、乗員が車両後方からベゼル上側光出射孔32Eを、より直視しにくい構成とするためには、突部33Aをベゼル上側光出射孔32Eに対して、より近付けて形成することが好ましい。
【0038】
本実施形態においては、光源ユニット50から上方に出射する光でインサイドハンドル収容部30を照らす構成としている。通常、着座した状態の乗員の目は、インサイドハンドル収容部30より上方に位置するため、光源ユニット50から上方に出射する光は、下方を向く光よりも乗員の目に入りやすくなる。この点、本実施形態では、インサイドハンドル31のハンドル部31A及び突部33Aによって、このような上方に出射する光を遮光できる。言い換えると、本実施形態においては、ベゼル上側光出射孔32Eをインサイドハンドル収容部30のベゼル下壁部32A(下面)に設けた場合であっても、乗員がベゼル上側光出射孔32E(ひいては、そこから出射される光)を直視する事態を抑制できる。
【0039】
また、ベゼル32の上壁32C(インサイドハンドル収容部を構成する上壁)には、図3に示すように、光反射部40が設けられている。光反射部40は、ベゼル上側光出射孔32Eから上方に出射された光のうち、光反射部40に到達した光(図3における矢線L1)をインサイドハンドル31(ハンドル部31A)に向けて反射する機能を担っている。これにより、ハンドル部31Aを上方から照らすことができ、視認性を高くすることができる。
【0040】
光反射部40は、例えば、光の反射性に優れた色(白色など)の部材とされる。このような光反射部40としては、例えば、白色のテープなどを例示することができる。また、光反射部40は、上壁32Cに光反射性に優れた塗料(例えば、白色塗料)を塗布することで形成してもよい。
【0041】
光反射部40は、平面視においては方形状をなし、図8に示すように、例えば、インサイドハンドル31のハンドル部31Aの延設方向(車両前後方向、図8の左右方向)に沿う形で延設されている。また、光反射部40は、平面視において、ハンドル部31Aとベゼル上側光出射孔32Eとの間に配されている。つまり、光反射部40は、インサイドハンドル31に対して、車室外側に配されている。
【0042】
また、本実施形態においては、ベゼル32の上壁32Cは、図3に示すように、車室内側に向かって上昇傾斜する形状をなす傾斜部とされる。このため、光反射部40の反射面40A(表面)も車室内側に向かうにつれて上昇傾斜する傾斜面とされ、光反射部40からの反射光がより確実にハンドル部31Aに向かう構成となっている。
【0043】
また、図2及び図8に示すように、光反射部40は、ベゼル上側光出射孔32Eの車両前方(図8の右側)に配されており、ベゼル上側光出射孔32Eから出射される光を、車両前方に向けて反射させる構成となっている。これにより、インサイドハンドル収容部30よりも、車両後方に配される乗員の目に反射光が到達する事態を抑制できる。なお、図8においては、ベゼル上側光出射孔32E及び光反射部40を2点鎖線で示している。
【0044】
次に、光源ユニット50の構成について説明を行う。本実施形態の光源ユニット50は、図3に示すように、ベゼル32のベゼル下壁部32Aの下方かつ、スイッチベース16(車両における被照明領域)と対向する形で、ベゼル32(車両用内装材の一部)に取り付けられている。光源ユニット50は、図5及び図6に示すように、LED51(光源本体)と、レンズ部材62(導光体)と、LED51及びレンズ部材62を収容するカバー部材55(上側カバー61及び下側カバー63)と、を備えている。
【0045】
LED51は、図6に示すように、基板52に対して実装されている。この基板52には、電線53が接続されており、電線53の一端側には、コネクタ54が取り付けられている。電線53及びコネクタ54を介して、LED51は、電源装置(図示せず)に電気的に接続されている。
【0046】
図7に示すように、LED51は、その光軸LAが、例えば、車両前後方向(図7の左右方向)に沿って配されている。なお、LED51(発光面51A)から発せられる光は、光軸LAを中心にして所定の角度範囲内で三次元的に放射状に広がり、その発光強度は、光軸LAに沿った方向が際立って高く、光軸LAに対する傾き角度が大きくなるにつれて低下するような傾向の分布を示す。
【0047】
レンズ部材62は、平面視略方形状の平板状をなしており、アクリル等の透光性の大きい(透明度の高い)合成樹脂により形成されている。図7に示すように、レンズ部材62におけるLED51側の隅部は、曲面状をなす形で切り欠かれており、光入射面62Aとされる。
【0048】
LED51は、その発光面51Aをレンズ部材62の光入射面62Aに向ける形で配されている。これにより、光入射面62AにLED51からの光が入射される構成となっている。レンズ部材62は、光入射面62Aから入射された光を、インサイドハンドル収容部30側及びスイッチベース16側にそれぞれ導光する機能を担っている。
【0049】
上側カバー61(第2カバー部材)及び下側カバー63(第1カバー部材)は、例えば合成樹脂製とされ、LED51及びレンズ部材62を上下から覆う形で収容可能とされる。図6及び図7に示すように、例えば、下側カバー63に形成された係止片67が、上側カバー61に形成された被係止溝68に係止することで、下側カバー63に対して、上側カバー61が取り付けられる構成となっている。
【0050】
なお、両カバー61、63の内周面には、図6に示すように、LED51を嵌合可能な凹部61B、63Bが形成されており、この凹部61B、63B内にLED51が配される構成となっている。
【0051】
また、図7に示すように、上側カバー61における車両前後方向(図7の左右方向)の両側からは、それぞれ延設部61D、61Eが形成されている。各延設部61D、61Eには、取付孔61D1、61E1がそれぞれ貫通形成されている。ベゼル32の延設部32Bには、車室外側(図7の上側)に延びる取付爪34D、34E(係止部)が形成されている。各取付爪34D,34Eを各取付孔61D1、61E1にそれぞれ嵌合させることで、各取付爪34D(ひいてはベゼル32)に対して光源ユニット50が取り付けられる(係止される)構成となっている。
【0052】
上側カバー61の内周面61R及び下側カバー63の内周面63Rは、それぞれ光を反射可能な光反射面とされる。これにより、LED51から出射された光の利用効率を高くすることができる。このような光反射面を形成する方法としては、例えば、上側カバー61及び下側カバー63を光の反射性に優れた色(白色など)の材質とすればよい。なお、上側カバー61及び下側カバー63の内周面に光反射性に優れた塗料(例えば、白色塗料)を塗布することで光反射面を形成してもよい。
【0053】
LED51から、レンズ部材62の内部に入射された光の一部は、レンズ部材62内で導光され、レンズ部材62の車両後側(図7の左側)に設けられた上側光出射部62Bから上方(インサイドハンドル収容部30側)に出射される。また、図7に示すように、光入射面62Aのうち、上側光出射部62B側の曲面62A2は、曲面62A1と比較して曲率が小さく設定され、LED51からの出射光(図7における矢線L1)が上側光出射部62Bに向かって真っ直ぐ向かう形状をなしている。
【0054】
図7に示すように、下側カバー63においてLED51が配された側と反対側の端部は、車両後方に突き出す突出壁部65とされる。この突出壁部65は、平面視において、LED51の光軸LAと同一直線状となる位置に配されており、突出壁部65に囲まれた箇所には、レンズ部材62の上側光出射部62Bが収容される。
【0055】
また、図6に示すように、突出壁部65の底面65Aは、車両後方(LED51から遠ざかる側)に向かうにつれて上昇傾斜する形状をなしている。これにより、突出壁部65の底面65Aに到達した光は上方に反射される構成となっている。
【0056】
図3及び図5に示すように、上側カバー61において、ベゼル32のベゼル上側光出射孔32Eと対向する箇所には上側貫通孔61Aが形成されている。上側貫通孔61Aは、平面視においてレンズ部材62の上側光出射部62Bと重なる箇所に形成されており、上側貫通孔61Aから、上側光出射部62Bが露出する構成となっている。
【0057】
以上の構成によって、LED51から出射された光のうち、レンズ部材62に入射した光の一部は、上側光出射部62Bに到達し、上側光出射部62Bから上方に出射される。そして、上側光出射部62Bから出射された光(図3における矢線L1)は、図3に示すように、ベゼル上側光出射孔32Eを通過して、インサイドハンドル収容部30内に出射される。これにより、光源ユニット50によって、インサイドハンドル収容部30内を照らすことができる。
【0058】
また、図6に示すように、上側光出射部62Bの上面(光出射面)は、その表面が略三角波形状で形成されている。これは、上側光出射部62Bから、レンズ部材62外部に出射される光を屈折させることで、その光路を調整するためのものである。なお、上側光出射部62Bの表面形状は、略三角波形状に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【0059】
また、LED51から、レンズ部材62の内部に入射された光の一部は、レンズ部材62内で導光され、レンズ部材62における車室内側の側端部から、下方(スイッチベース16側)に出射される。
【0060】
図6に示すように、下側カバー63の底壁75における車室内側の端部は、切り欠かれている。これにより、図3及び図4に示すように、下側カバー63の底壁75における車室内側の端部と、上側カバー61の先端壁部64との間には隙間が形成されている。この隙間は、ベゼル32のベゼル下側光出射孔32Fと対向する箇所に配されており、スイッチベース16に光を照射可能な下側光出射孔70(光出射部)とされる。図7に示すように、下側光出射孔70は、車両前後方向に延びる長手状をなしている。なお、下側光出射孔70は、下側カバー63の底壁75における車室内側の端部を切り欠くことで形成されているため、下側カバー63に設けられていると言うこともできる。
【0061】
また、図7に示すように、光入射面62Aのうち、下側光出射孔70側の曲面62A1は、LED51からの出射光が広範囲に拡散される形状をなしている。これにより、LED51からの出射光のうち、曲面62A1を通過した光は、広範囲に拡散されることで、長手状をなす下側光出射孔70の全長に亘って到達することができる。これにより、光源ユニット50においては、下側光出射孔70から、下方に光を出射することでスイッチベース16をその延設方向(長手方向、車両前後方向)に亘って広範囲に照らすことができる。
【0062】
レンズ部材62の車室内側の側端部において、車両前後方向(図7の左右方向)の中央部は、図7に示すように、車室外側(図7の上側)に向かって凹む凹部66とされる。これにより、レンズ部材62は、平面視において、下側光出射孔70の車両前後方向における各端部とは、それぞれ重なり合うとともに、下側光出射孔70の車両前後方向における中央部とは、重なり合わない形状をなしている。
【0063】
なお、以下の説明では、下側光出射孔70の車両前後方向における端部(平面視において、レンズ部材62と重なり合う部分)を、光出射孔端部71(第1光出射部)と呼び、下側光出射孔70の車両前後方向における中央部(平面視において、レンズ部材62と重なり合わない部分)を、光出射孔中央部72(第2光出射部)と呼ぶものとする。つまり、光出射孔端部71は、下側光出射孔70の長手方向に沿って2つ配列され、光出射孔中央部72は、隣り合う2つの光出射孔端部71の間に配されている。
【0064】
図3及び図7に示すように、レンズ部材62の側端部において、車両前後方向の端部(レンズ部材端部81)の下方には、光出射孔端部71が配されている。言い換えると、レンズ部材62(レンズ部材端部81)と光出射孔端部71とは、図3の上下方向(下側光出射孔70からスイッチベース16に照射される光の出射方向に沿った方向)について重なり合う形で配されている。これにより、光出射孔端部71からは、レンズ部材62のレンズ部材端部81から出射される光(図3及び図8における矢線LB1)が、スイッチベース16に直接照射される。なお、図8においては、ベゼル32の一部が切り欠かれた形で図示されており、下側光出射孔70(より正確には下側光出射孔70を構成する下側カバー63の底壁75における車室内側の端部)が図示されている。
【0065】
一方、レンズ部材62と光出射孔中央部72とは、図4の上下方向(下側光出射孔70からスイッチベース16に照射される光の出射方向に沿った方向)について重なり合わない形で配されている。これにより、光出射孔中央部72からは、レンズ部材62から出射される光(図4及び図8における矢線LB2)がスイッチベース16に間接照射される。なお、ここで言う間接照射とは、図4に示す矢線LB2のように、レンズ部材62から出射された後、他部材(例えば、上側カバー61の内周面)に反射されるなどして、間接的に(他部材を経由して)スイッチベース16に照射されることを言う。
【0066】
また、下側カバー63(第1カバー部材及び第2カバー部材のうち、いずれか一方のカバー部材)の底壁75には、図4及び図6に示すように、立設壁76が上側カバー61に向かって立設されている。立設壁76は、車両前後方向に沿って延び、凹部66の奥面66Aを車室内側から覆う形で設けられている。つまり、立設壁76(遮光部)は、光出射孔中央部72とレンズ部材62との間に配され、レンズ部材62から光出射孔中央部72に直接照射される光を遮光する構成となっている。
【0067】
立設壁76の上端面76Aは、上側カバー61の下面61Fとの間に所定の間隔を空けて対向配置されている。これにより、立設壁76の上端面76Aと上側カバー61の下面61Fとの間には、レンズ部材62からの光を光出射孔中央部72側に導通(通過)可能な導通部77が形成されている。
【0068】
また、図4に示すように、上側カバー61の先端壁部64において、光出射孔中央部72との対向面61Gの一部は、車室内側(レンズ部材62から遠ざかる側)に向かって下降傾斜する傾斜面61Hとされる。上述したように、上側カバー61の内周面61R(傾斜面61Hを含む)は、光を反射可能な光反射面とされている。
【0069】
このため、レンズ部材62から、導通部77によって光出射孔中央部72側に導通された後、傾斜面61Hに達した光(図4の矢線LB2)は、傾斜面61Hによって、光出射孔中央部72に向けて反射される。言い換えると、対向面61Gには、導通部77によって光出射孔中央部72側に導通された光を光出射孔中央部72に案内する光案内部(傾斜面61H)が設けられている。
【0070】
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態においては、レンズ部材62から出射される光が光出射孔中央部72からスイッチベース16に間接照射される構成とすることで、光出射孔中央部72からスイッチベース16に出射される光(図8の矢線LB2)の光量を、光出射孔端部71からスイッチベース16に出射される光(図8の矢線LB1、直接照射される光)の光量に比べて低くすることができる。
【0071】
一般的に、スイッチベース16において、レンズ部材62の車両前後方向における中央部に対向する箇所には、レンズ部材62の車両前後方向における中央部からの出射光に加えて、レンズ部材62の車両前後方向における両端部からの出射光が届き易い。このため、仮に、光出射孔端部71が、下側光出射孔70の長手方向に沿って、3つ連続で配列されている構成、つまり、レンズ部材62に凹部66が形成されていない構成の場合、スイッチベース16において、レンズ部材62の車両前後方向における中央部に対向する箇所では、照射される光の光量が相対的に高くなり、輝度ムラになりやすい。
【0072】
この点、本実施形態では、隣り合う2つの光出射孔端部71の間に、光量の低い光出射孔中央部72を配することで(言い換えるとレンズ部材62に凹部66を形成することで)、下側光出射孔70からスイッチベース16に対して出射される光の光量を、下側光出射孔70の長手方向において、より均一にすることができる。
【0073】
また、本実施形態においては、LED51及びレンズ部材62がカバー部材55内に収容されており、ユニットとして構成されている。このため、光源ユニット50の取り扱いが容易となり、車両用ドアトリム10に対して、容易に組み付けることができる。
【0074】
また、本実施形態において、レンズ部材62(レンズ部材端部81)と光出射孔端部71とは、図3の上下方向(下側光出射孔70からスイッチベース16に照射される光の出射方向に沿った方向)について重なり合う形で配されており、レンズ部材62と光出射孔中央部72とは、図4の上下方向(下側光出射孔70からスイッチベース16に照射される光の出射方向に沿った方向)について重なり合わない形で配されており、光出射孔中央部72とレンズ部材62との間には、レンズ部材62から光出射孔中央部72に直接照射される光を遮光する立設壁76が設けられている。
【0075】
レンズ部材62と光出射孔中央部72とを、下側光出射孔70からスイッチベース16に照射される光の出射方向について重なり合わない形で配することで、レンズ部材62からの出射光が光出射孔中央部72を経て、スイッチベース16に直接的に照射される事態を抑制できる。言い換えると、光出射孔中央部72から、スイッチベース16に対して光が間接照射される構成とすることができる。
【0076】
さらに、レンズ部材62と光出射孔中央部72との間には、立設壁76が設けられている。このため、レンズ部材62からの出射光が光出射孔中央部72に直接照射される事態をより確実に抑制でき、光出射孔中央部72からスイッチベース16に対して光が直接照射される事態をより確実に抑制できる。
【0077】
また、カバー部材55は、下側光出射孔70を有する下側カバー63と、下側カバー63に取り付けられ、下側光出射孔70に対向する対向面61Gを有する上側カバー61と、を備え、立設壁76には、レンズ部材62から出射された光を光出射孔中央部72側に導通可能な導通部77が設けられている。
【0078】
立設壁76によって、レンズ部材62から出射された光のうち、光出射孔中央部72に直接照射される光を遮光するとともに、導通部77によって、レンズ部材62からの光のうち、光出射孔中央部72に向かう光の一部を光出射孔中央部72側に導通させることができる。これにより、レンズ部材62から光出射孔中央部72に直接照射される事態を抑制する構成としつつも、光出射孔中央部72側に向かう光を完全に遮光することがないから、光出射孔中央部72から出射される光の光量を確保することができる。
【0079】
また、本実施形態の構成であれば、設計時において、立設壁76の高さを変更することで、導通部77の幅を調節することができる。これにより、レンズ部材62から、光出射孔中央部72に向かう光の量を容易に調節することができる。
【0080】
また、立設壁76は、下側カバー63に設けられ、上側カバー61の対向面61Gには、導通部77によって光出射孔中央部72側に導通された光を光出射孔中央部72に反射(案内)する傾斜面61H(光案内部)が設けられている。
【0081】
導通部77から導通された光を傾斜面61Hによって、光出射孔中央部72に案内することができる。これにより、レンズ部材62から出射される光を光出射孔中央部72からスイッチベース16に間接照射することができる。
【0082】
また、本実施形態の車両用ドアトリム10は、光源ユニット50と、光源ユニット50が係止される取付爪34D、34E(係止部)と、スイッチベース16(被照明領域)に対して対向配置され、下側光出射孔70から出射される光をスイッチベース16に照射可能とするベゼル下側光出射孔32Fと、を備える。
【0083】
本実施形態によれば、光源ユニット50の下側光出射孔70から出射される光が車両用ドアトリム10のベゼル下側光出射孔32Fに導かれるようにして(言い換えると、スイッチベース16とベゼル下側光出射孔32Fとが対向配置される形で)、光源ユニット50を車両用ドアトリム10の取付爪34D、34Eに係止するだけで、スイッチベース16において輝度ムラが発生する事態を抑えることができる。よって、車両用ドアトリム10に輝度ムラを抑えるための特別な加工を施す必要がなくなる。なお、ここで言う「特別な加工」とは、例えば、ベゼル下側光出射孔32Fを覆う形で、レンズやルーバーなど(光源ユニット50からの出射光の輝度分布を調整する手段)を設けることを例示することができる。
【0084】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0085】
(1)光源ユニット50の設置箇所は、車両用ドアトリム10に限定されず適宜変更可能である。上記実施形態においては、光源ユニット50が設けられる車両用内装材として、車両用ドアトリム10を例示したが、これに限定されない。車両用内装材としては、ピラーガーニッシュ、インストルメントパネル、ラゲージトリム、ルーフヘッドライニングなどを例示することができる。また、車両における被照明領域は、スイッチベース16に限定されず適宜変更可能である。例えば、光源ユニット50が車両用ドアトリム10に設置された場合のスイッチベース16以外の被照明領域としては、ドアポケットやインサイドハンドル(及びインサイドハンドルの収容空間)などを例示することができる。また、光源ユニット50がインストルメントパネルに設置された場合の被照明領域としては、例えば、グローブボックス、各操作パネル、車両フロアなどを例示することができる。また、光源ユニット50がルーフヘッドライニングに設置された場合の被照明領域としては、例えば、ルーフヘッドライニングにおける基材本体、オーバヘッドコンソール、センターフロアコンソール(ひいてはシフトノブ)などを例示することができる。
【0086】
(2)上記実施形態では、光源ユニット50によって、インサイドハンドル収容部30とスイッチベース16の双方を照らす構成としたが、これに限定されない。光源ユニット50は、スイッチベース16のみを照らす構成であってもよい。
【0087】
(3)光源ユニット50から、スイッチベース16に向けて光を出射可能とする光出射部(下側光出射孔70)は上側カバー61に設けられていてもよい。要するに、光出射部は、カバー部材55に設けられていればよい。また、カバー部材55における一部を貫通することで下側光出射孔70を形成する構成としてもよい。
【0088】
(4)上記実施形態においては、レンズ部材62に凹部66を一箇所のみ形成することで、下側光出射孔70が、2つの光出射孔端部71(第1光出射部)と、この間に配される1つの光出射孔中央部72(第2光出射部)とから構成されているものを例示したが、これに限定されない。例えば、レンズ部材62において凹部66が複数個所形成されていてもよい。すなわち、第2光出射部(間接照射可能な部分)は、下側光出射孔70の延設方向に沿って複数設けられていてもよく、第1光出射部(直接照射可能な部分)は、第2光出射部の両側にそれぞれ配されていればよい。
【0089】
(5)第1光出射部として、光出射孔端部71を例示し、第2光出射部として、光出射孔中央部72を例示する構成としたが、第1光出射部及び第2光出射部は、孔形状に限定されず、その態様は適宜変更可能である。例えば、第1光出射部としては、光をスイッチベース16に直接照射可能な透明部材などとしてもよい。
【0090】
(6)上記実施形態では、遮光部として、立設壁76を例示したが、これに限定されない。遮光部は、レンズ部材62から光出射孔中央部72に直接照射される光を遮光可能なものであればよい。例えば、遮光性を有する部材を、レンズ部材62における凹部66の奥面66Aの一部に貼り付けることで、奥面66Aからの出射光の一部を遮光する構成であってもよい。
【0091】
(7)立設壁76は、上側カバー61及び下側カバー63のうち、いずれか一方に設けられていればよい。また、立設壁76のような遮光部を備えていない構成であってもよい。
【0092】
(8)上記実施形態では、立設壁76の上端面76Aと、上側カバー61の下面61Fとの間に所定の間隔を空けることで、導通部77を形成したが、これに限定されない。導通部77は、上記実施形態のように、レンズ部材62からの光を光出射孔中央部72側へ通過させる構成のものであってもよいし、例えば、光ファイバなどのように、レンズ部材62からの光を光出射孔中央部72側へ導光する構成のものであってもよい。また、導通部77は、例えば、立設壁76に貫通孔を形成することで、レンズ部材62からの光を光出射孔中央部72側へ通過させる構成としてもよい。
【0093】
(9)LED51からの光をスイッチベース16側に向けて導光するための導光体としては、レンズ部材62以外のものを例示することもできる。例えば、導光体としては、プリズムなどを例示することもでき、プリズムによってLED51からの光を屈折させることで、スイッチベース16側に向かわせる構成としてもよい。また、導光体としては、例えば、光ファイバや導光板のように、その内部で光の全反射を繰り返すことで、LED51からの光をスイッチベース16側に導光可能とするものを例示することもできる。
【0094】
(10)上記実施形態では、カバー部材55が上側カバー61及び下側カバー63から分割構成されている形態を例示したが、これに限定されない。カバー部材55は、一体部品として構成されていてもよい。
【0095】
(11)上記実施形態では、光源ユニット50が係止される係止部として、取付爪34D、34Eを例示したが、これに限定されない。係止部の構成は適宜変更可能であり、例えば、係止部として、取付ボスやビスなどを例示することもできる。
【0096】
(12)上記実施形態では、照射部として、ベゼル下側光出射孔32Fを例示したが、これに限定されない。照射部は、光出射部から出射される光を被照明領域に照射可能とするものであればよく、例えば、光を透過可能な透明部材などであってもよい。
【符号の説明】
【0097】
10…車両用ドアトリム(車両用内装材)、16…スイッチベース(車両における被照明領域)、32F…ベゼル下側光出射孔(照射部)、34D、34E…取付爪(係止部)、50…光源ユニット(車両用光源ユニット)、51…LED(光源本体)、55…カバー部材、61…上側カバー(第2カバー部材、他方のカバー部材)、61G…上側カバーの対向面(光出射部に対向する対向面)、61H…傾斜面(光案内部)、62…レンズ部材(導光体)、63…下側カバー(第1カバー部材、一方のカバー部材)、70…下側光出射孔(光出射部)、71…光出射孔端部(第1光出射部)、72…光出射孔中央部(第2光出射部)、76…立設壁(遮光部)、77…導通部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両における被照明領域と対向する形で、車両用内装材に取り付けられる車両用光源ユニットであって、
光源本体と、
前記光源本体から出射される光を導光して前記被照明領域側に出射する導光体と、
前記光源本体及び前記導光体を収容するカバー部材と、を備え、
前記カバー部材は、前記導光体から出射される光を前記被照明領域に照射可能とする長手状の光出射部を有し、
前記光出射部は、
前記導光体から出射される光を前記被照明領域に直接照射する第1光出射部と、
前記導光体から出射される光を前記被照明領域に間接照射する第2光出射部と、を有し、
前記第1光出射部は、前記光出射部の長手方向に沿って少なくとも2つ以上配列され、
前記第2光出射部は、隣り合う2つの前記第1光出射部の間に配されていることを特徴とする車両用光源ユニット。
【請求項2】
前記導光体と前記第1光出射部とは、前記光出射部から前記被照明領域に照射される光の出射方向に沿った方向について重なり合う形で配されており、
前記導光体と前記第2光出射部とは、前記光出射部から前記被照明領域に照射される光の出射方向に沿った方向について重なり合わない形で配されており、
前記第2光出射部と前記導光体との間には、前記導光体から前記第2光出射部に直接照射される光を遮光する遮光部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用光源ユニット。
【請求項3】
前記カバー部材は、
前記光出射部を有する第1カバー部材と、
前記第1カバー部材に取り付けられ、前記光出射部に対向する対向面を有する第2カバー部材と、を備え、
前記遮光部は、前記第1カバー部材及び前記第2カバー部材のうち、いずれか一方のカバー部材に設けられ、他方のカバー部材に向かって立設される立設壁とされ、
前記立設壁には、前記導光体から出射された光を前記第2光出射部側に導通可能な導通部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の車両用光源ユニット。
【請求項4】
前記立設壁は、前記第1カバー部材に設けられ、
前記対向面には、前記導通部によって前記第2光出射部側に導通された光を前記第2光出射部に案内する光案内部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の車両用光源ユニット。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用光源ユニットと、
前記車両用光源ユニットが係止される係止部と、
前記被照明領域に対して対向配置され、前記光出射部から出射される光を前記被照明領域に照射可能とする照射部と、を備えることを特徴とする車両用内装材。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−10376(P2013−10376A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142810(P2011−142810)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】