車両用携帯機
【課題】 車両用携帯機において、部品点数及び加工工数を削減することである。
【解決手段】 携帯機101を構成する浅い容器状のケース本体1に、基板6の電子部品3を収容する第1空間部12と、基板本体2を収容する第2空間部13を収容する。そして、第1空間部12と第2空間部13との第1段差面18より突出する固定片21の先端部を熱カシメすることにより、基板本体2の裏面(電子部品3が実装されていない面)の外周縁部を押え付ける。
【解決手段】 携帯機101を構成する浅い容器状のケース本体1に、基板6の電子部品3を収容する第1空間部12と、基板本体2を収容する第2空間部13を収容する。そして、第1空間部12と第2空間部13との第1段差面18より突出する固定片21の先端部を熱カシメすることにより、基板本体2の裏面(電子部品3が実装されていない面)の外周縁部を押え付ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者が所持可能で、対象物(例えば車両のドア)との間で電波の送受信を行うための車両用携帯機(以下、単に「携帯機」という。)に関するものである。なお、携帯機との間で通信を行うことによって車両のドアを解錠及び/又は施錠するシステムは、「スマートエントリーシステム」、「キーレスエントリーシステム」等と称されている。
【背景技術】
【0002】
車両から離れた位置において、電波を送受信することにより車両のドアの解錠及び/又は施錠を行うシステムが公知である。このシステムでは、使用者(例えば運転者)は小型の携帯機を所持し、無線通信によるその携帯機とのIDコードの照合結果に基づいてドアの解錠又は施錠が行われる。本出願人も、携帯機についての出願を行っている(特許文献1を参照)。携帯機は、使用者が所持するものであるため、軽量で、かつ小型であることが望ましい。
【0003】
この種の携帯機は国内特定小電力対応となっているため、電波法の規定により、基板に実装された電子部品を容易に開閉できない筐体で覆うことが必要である。このため、図10に示される従来の携帯機100では、基板51の上側の面(電子部品が実装されている面)においてスイッチ部を除く部分を素子保護カバー52で覆い、かつ下側の面(電池ホルダが設けられている面)を電池ホルダ形成カバー53で覆い、素子保護カバー52から延設された固定片54を熱カシメすることによって両者を一体化している。そして、図11に示されるように、その状態(一体化することによって容易に開閉できない状態)となった基板アッシー55を上下のケース体56,57に収容している。
【0004】
このため、部品点数が多くなるとともに、加工工数も多くなり、コストアップの要因となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−215739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記した不具合に鑑み、車両用携帯機において部品点数及び加工工数を削減することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための本発明は、
車両側の通信対象との間で無線通信が可能であり、車両を使用する際に必要となる、利用者が所持して携帯するための車両用携帯機であって、
前記無線通信のための電子部品が表面に実装された基板と、
その基板を内部に保持するケースとを含み、
そのケースは、前記基板を直接内包するように分離可能に組み付けられた、少なくとも一方は浅い容器状をなす樹脂製の第1及び第2のケース部を備え、
前記基板は、第1及び第2のケース部のいずれか一方であって浅い容器状をなすケース部に形成された装着部に、前記電子部品が該ケース部の底面に対向し、前記分離時に該基板の電子部品が実装されない裏面が露出するように取り付けられ、かつ、該一方のケース部の装着部の周縁部位から一体的に突出してその基板の前記裏面の外周縁部に変形された固定片により該一方のケース部と一体化され、
その基板と一体化されたケース部に対し、他方のケース部が該基板の裏面を覆うように分離可能に結合されることにより、該基板が前記ケースに内蔵されたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る車両用携帯機は上記のように構成され、電子部品が実装された基板がケースを構成する第1及び第2のケース部のいずれかに形成された装着部に装着される。そして、装着部の周縁から突出した固定片が、そのケース部から露出された基板の裏面(電子部品が実装されていない面)の外周縁部で変形されることにより、ケース部と基板とが一体化される。これにより、基板がケース部に、容易に分離できない状態で一体に装着される。
【0009】
従来の携帯機では、電波法の規定を遵守するために、ケース部とは別に基板を覆うカバー体を使用していた。このため、部品点数が多くなるとともに、加工工数も多く必要としていた。しかし、本発明では、ケース部に直接に基板を装着し、かつケース部に設けられた固定片でケース部と基板とを一体化している。この結果、部品点数が削減され、かつ加工工数も少なくなるという作用効果が奏される。
【0010】
前記ケースは、前記基板を直接内包するように分離可能に組み付けられた、互いに浅い容器状をなしてそれぞれの開口部で結合される樹脂製の第1及び第2のケース部を備えている。
【0011】
そして、前記ケース部の装着部は、前記基板の電子部品が配置される第1空間部と、前記基板の基板本体が配置される第2空間部とが段付き状態で設けられ、
前記基板は、その基板本体の外周縁部が前記第1及び第2の空間部の段差面に当接することによって位置決め状態で装着されるようにすることができる。
【0012】
ケース部の装着部に基板が取り付けられるとき、基板の基板本体が第1及び第2の空間部の段差面に当接する。これによって、基板が位置決めされるため、その取付け作業が容易である。
【0013】
そして、前記固定片は、前記ケース部の段差面における前記基板と干渉しない位置から前記基板本体の厚み方向に沿って突出して設けられ、その先端部が前記基板の裏面を超えて配置され、
前記固定片の先端部が熱カシメされて折り曲げることによって前記ケース部と前記基板とを一体化してもよい。
【0014】
即ち、固定片の先端部を変形させるために、熱カシメをすることができる。この熱カシメは、固定片の先端部に加熱した治具を押し当てることによって容易に行うことができる。なお、固定片の先端部を変形させるために、熱カシメ以外の手段(例えば、プレス成形)を行ってもよい。
【0015】
そして、前記固定片の外周面と前記段差面との接続部には、前記固定片の外周面を前記基板本体の厚み方向に沿って延長する形態で溝部が穿設されていて、
前記固定片は、前記溝部の底面部と対応する位置を支点として折り曲げられることができる。
【0016】
これにより、溝部の深さ分だけ固定片の変形量が多くなり、ケース部と基板とを確実に一体化することができる。
【0017】
そして、固定片は、前記一方のケース部の周縁における全周部分に亘って突出していても、周縁の複数部位から一体的に突出していてもよい。
【0018】
そして、前記第1及び第2のケース部の結合面に、ゴムリングが介装されていることが望ましい。
【0019】
これにより、第1及び第2のケース部を結合したときに、ゴムリングによって水密が図られ、生活防水が確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施例の携帯機101の分解状態の斜視図である。
【図2】(a)は携帯機101の正面断面図、(b)は要部の拡大図である。
【図3】同じく分解状態の正面断面図である。
【図4】ケース本体1の底面図である。
【図5】固定片21を折り曲げる工程を示す図である。
【図6】複数の固定片21が設けられたケース本体1の底面図である。
【図7】第2実施例の携帯機102の斜視図である。
【図8】(a)は第2実施例の携帯機102の正面断面図、(b)は作用説明図である。
【図9】携帯機101を携帯電話機36のストラップに取り付けられた状態の斜視図である。
【図10】(a)は従来の携帯機100の斜視図、(b)は同じく分解斜視図である。
【図11】基板アッシー55を上下のケース体56,57に組み付ける状態の作用説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は第1実施例の携帯機101の分解状態の斜視図、図2の(a)は携帯機101の正面断面図、同じく(b)は要部の拡大図、図3は同じく分解状態の正面断面図、図4はケース本体1の底面図である。
【実施例1】
【0022】
第1実施例の携帯機101について説明する。図1ないし図3に示されるように、第1実施例の携帯機101は、上面が閉塞し、下面が開口する略短円筒形状(浅い容器状)で、内部に空間部(後述)が設けられたケース本体1(第1のケース部)と、基板本体2の一方側の面(上面)に電子部品3が実装され、他方側の面(下面)に、携帯機101を作動するための電源を供給する電池4を収容する電池収容部5が設けられた基板6と、ケース本体1の開口を閉塞するための蓋体7(第2のケース部)と、ケース本体1と蓋体7との接合部に介装され、携帯機101を水密状態で保持するゴムリング8とを備えている。本実施例の携帯機101の場合、電池収容部5が基板6に設けられているが、これを蓋体7に設けてもよい。以下、各部材について説明する。
【0023】
最初に、ケース本体1について説明する。ケース本体1は、樹脂材(例えば、ポリカーボネート)よりなる。ケース本体1は、下面が開口した短円筒形状で、意匠性を高めるためにその周壁部9の外周面は湾曲形状となっている。ケース本体1の内側部には、天井面11の近傍に設けられ、基板6の電子部品3を収容するための第1空間部12と、円板形状の基板6の基板本体2を収容するための第2空間部13と、開口の近傍に設けられ、蓋体7を嵌合させるための第3空間部14とが、段付き状態(それらの断面積が順次大きくなる形態)で設けられている。また、第1空間部12において、天井面11と第1空間部12の内周面15とは、軸線16に対して斜めとなる(下方に向かうほど、第1空間部2の断面積が大きくなる)接続面17によって接続されている。
【0024】
第1空間部12と第2空間部13との接合部には、第1段差面18が設けられている。そして、第2空間部13と第3空間部14との接合部には、第2段差面19が設けられている。第2空間部13の内周縁部(第1空間部12の内周面15との接合部)には、全周に亘って薄肉(厚さt)の固定片21が、軸線16に沿って下方に延設されている。また、第2段差面19と固定片21の外周面21bとの接合部には、全周に亘って幅Wの溝部23が設けられている。溝部23の幅Wは、固定片21の厚みtよりも少し小さい。ここで、固定片21における第2段差面19からの突出長をH1と記載し、溝部23における第2段差面19からの穿孔長をH2と記載する。
【0025】
ケース本体1に基板6が収容されるとき、基板6は、電子部品3の側を先にケース本体1の開口に入り込ませる。そして、基板6の基板本体2の大きさは、ケース本体1の第1空間部12の断面積よりも大きい。これにより、基板6の電子部品3はケース本体1の第1空間部12に配置され、基板6の基板本体2は、ケース本体1の第1段差面18に押し当てられてケース本体1の第2空間部13に配置される。この状態で、固定片21の先端部(下端部)は、基板6の下面よりも下方に配置される。換言すれば、固定片21の突出長H1は、基板本体2の厚みTよりも大きい。この状態で、固定片21が内側(軸線16の側)に向かって折り曲げられる(後述)ことにより、固定片21が基板本体2の下面の周縁部を押圧する。基板6は、基板本体2が第1段差面18と固定片21とで挟持されることにより、軸方向及び半径方向に移動不能に保持される。
【0026】
ケース本体1における第3空間部14の内周面24の下部には、断面略三角形状で、内周面24から半径方向に沿って(即ち、軸線16に向かって)突出する突起部25が全周に亘って設けられている。この突起部25は、蓋体7をケース本体1の第3空間部14に嵌合させるとき、外側に撓んで(弾性変形して)蓋体7を導き入れるとともに、蓋体7の嵌合状態で弾性復元して、蓋体7が第3空間部14から抜け出ることを防止するという機能を有する。
【0027】
次に、蓋体7について説明する。蓋体7は、ケース本体1と同様に樹脂材(例えば、ポリカーボネート)よりなる。蓋体7は、上面が開口し、下面が閉塞した短円筒形状で、その周壁部26がケース本体1の第3空間部14に嵌合される。蓋体7の底面部は僅かに湾曲し、電池3を支持する支持部材27が突設されている。また、蓋体7の周壁部26の上端部には、断面略三角形状で、半径方向の外側に向かって張り出す突起部28が設けられている。蓋体7がケース本体1に嵌合されるとき、最初に、ケース本体1の突起部25の下傾斜面25aと蓋体7の突起部28の上傾斜面28aとが当接する。ケース本体1と蓋体7を相対的に押し込むと、少なくとも一方の周壁部9,26が撓む(弾性変形)。
【0028】
さらに、ケース本体1と蓋体7を相対的に押し込むと、それらの突起部25,28の頂部どうしが通過する。すると、弾性変形していた周壁部9,26が弾性復元し、ケース本体1の突起部25の上傾斜面25bと蓋体7の突起部28の下傾斜面28bとが当接する。これにより、蓋体7の抜け止めが図られる。
【0029】
ケース本体1の第2段差面19と、蓋体7の周壁部26の上面との間にはゴムリング8が介装される。これにより、携帯機101の水密が図られ、ケース本体1と蓋体7との隙間から浸入した水が、基板6が配置されている部分(第1及び第2空間部12,13)に入り込むことはない。
【0030】
次に、ケース本体1に基板6を配置した状態で、固定片21を折り曲げる方法について説明する。図5の(a)に示されるように、ケース本体1に基板6が配置された状態で、上方から成形型29が下降する。成形型29の先端部(下端部)には、固定片21に対応して湾曲する成形部29aが設けられている。成形型29の成形部29aの最大内径D1は、ケース本体1の固定片21の外径d1よりも僅かに大きい。また、成形部29aの外径D2は、ケース本体1の溝部23の内径d2よりも僅かに小さい。図示しない加熱手段によって成形部29aが加熱された成形型29が下降する。そして、成形部29aが固定片21の先端部(上端部)に当接する。さらに成形型29が下降すると、図5の(b)に示されるように、固定片21の先端部は、成形型29の押圧力によって内側(軸線16の側)に折り曲げられる。そして、成形部29aの先端部が溝部23に入り込む。このとき、固定片21の先端部は、成形部29aの湾曲面になじみながら徐々に折り曲げられるため、固定片21は湾曲(カーリング)する。このとき、固定片21は成形型29の熱によって軟化するため、いっそう容易に折り曲げられる。これにより、湾曲状態の固定片21の先端部が、基板6の基板本体2の周縁部を押圧する。基板6は、固定片21と第2段差面18との間で挟持され、移動不能に保持される。
【0031】
なお、本明細書では、ケース本体1をひっくり返して、上方から成形型29を下降する場合について説明した。しかし、ケース本体1の下方から成形型29を上昇させる場合であってもよい。
【0032】
本実施例のケース本体1の場合、固定片21の外周部分には、固定片21の外周面21bに連続して溝部23が穿設されている。この溝部23により、固定片21が折り曲げられるときの支点31は、溝部23の第2段差面19からの深さH2だけ下方(ケース本体1の天井面11の側)にずれて設けられている。このため、固定片21は第2段差面19よりも深さH2だけ深い部分に存する支点31を中心に折り曲げられる。これにより、固定片21の長さ(第2段差面19からの突出長H1。図2の(b)を参照)をそれほど大きくしなくても、折り曲げられたときの固定片21の先端部と基板本体2の周縁部との架かり(重なり長さL)が大きくなるという効果が奏される。
【0033】
本明細書では、固定片21を折り曲げる方法として、固定片21を加熱しながら押圧(プレス)する場合について説明した。これにより、固定片21を確実に変形させることができる。しかし、固定片21が変形しやすい材質である場合には、押圧だけで折り曲げてもよい。
【0034】
また、固定片21は、全周に亘って設けられていなくてもよい。即ち、図6に示されるように、複数の固定片21が周方向に所定の角度をおいて(例えば、8個の固定片21が周方向に45度の角度をおいて)設けられていてもよい。
【実施例2】
【0035】
次に、第2実施例の携帯機102について説明する。図7及び図8の(a)に示されるように、第2実施例の携帯機102のケース本体1には押ボタン孔32が設けられ、この押ボタン孔32に押ボタン33が取り付けられている。この押ボタン33は、例えば車両のドアを解錠又は施錠するためのボタンである。押ボタン33の下端部には、押ボタン孔32の内径よりも大きいフランジ部33aが設けられ、押ボタン33の抜止めが図られている。また、基板6の上面(押ボタン33と対向する面)で、押ボタン33の直下には、スイッチ部34を有する電子部品3が実装されている。スイッチ部34を押すと、電子部品3から電波が送信される。さらに、押ボタン33とスイッチ部34との間には、薄いゴム等の弾性部材よりなるカバー体35が取り付けられている。カバー体35は、その周縁部のみが、ケース本体1の第1空間部12の内周面15と接続面17に接着剤等の手段で固着されている。通常の状態(携帯機102の不使用状態)で、押ボタン33はカバー体35によって押し上げられていて、押ボタン33とスイッチ部34との間には僅かな隙間が設けられている。このカバー体35は、押ボタン孔32から水等が浸入することを防止し、基板6を水密状態に保持するという機能を有している。
【0036】
図8の(b)に示されるように、携帯機102の使用者が押ボタン33を押すと、カバー体35を介してスイッチ部34が押し込まれる。これにより、ドアを解錠又は施錠するための電波が送信され、確実にドアの解錠又は施錠がなされる。
【0037】
本実施例の携帯機101,102はコンパクトなものであるため、図9に示されるように、例えば携帯電話機36のストラップ37に取り付けることができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、車両のドアの解錠及び/又は施錠を行うために使用者が所持する携帯機として利用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 ケース本体(第1のケース部)
2 基板本体(基板)
3 電子部品
6 基板
7 蓋体(第2のケース部)
8 ゴムリング
11 天井面(底面)
12 第1空間部(装着部)
13 第2空間部(装着部)
18 第1段差面(周縁)
19 第2段差面(周縁)
21 固定片
21b 固定片の外周面
23 溝部
34 スイッチ部(電子部品)
101,102 携帯機
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者が所持可能で、対象物(例えば車両のドア)との間で電波の送受信を行うための車両用携帯機(以下、単に「携帯機」という。)に関するものである。なお、携帯機との間で通信を行うことによって車両のドアを解錠及び/又は施錠するシステムは、「スマートエントリーシステム」、「キーレスエントリーシステム」等と称されている。
【背景技術】
【0002】
車両から離れた位置において、電波を送受信することにより車両のドアの解錠及び/又は施錠を行うシステムが公知である。このシステムでは、使用者(例えば運転者)は小型の携帯機を所持し、無線通信によるその携帯機とのIDコードの照合結果に基づいてドアの解錠又は施錠が行われる。本出願人も、携帯機についての出願を行っている(特許文献1を参照)。携帯機は、使用者が所持するものであるため、軽量で、かつ小型であることが望ましい。
【0003】
この種の携帯機は国内特定小電力対応となっているため、電波法の規定により、基板に実装された電子部品を容易に開閉できない筐体で覆うことが必要である。このため、図10に示される従来の携帯機100では、基板51の上側の面(電子部品が実装されている面)においてスイッチ部を除く部分を素子保護カバー52で覆い、かつ下側の面(電池ホルダが設けられている面)を電池ホルダ形成カバー53で覆い、素子保護カバー52から延設された固定片54を熱カシメすることによって両者を一体化している。そして、図11に示されるように、その状態(一体化することによって容易に開閉できない状態)となった基板アッシー55を上下のケース体56,57に収容している。
【0004】
このため、部品点数が多くなるとともに、加工工数も多くなり、コストアップの要因となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−215739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記した不具合に鑑み、車両用携帯機において部品点数及び加工工数を削減することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための本発明は、
車両側の通信対象との間で無線通信が可能であり、車両を使用する際に必要となる、利用者が所持して携帯するための車両用携帯機であって、
前記無線通信のための電子部品が表面に実装された基板と、
その基板を内部に保持するケースとを含み、
そのケースは、前記基板を直接内包するように分離可能に組み付けられた、少なくとも一方は浅い容器状をなす樹脂製の第1及び第2のケース部を備え、
前記基板は、第1及び第2のケース部のいずれか一方であって浅い容器状をなすケース部に形成された装着部に、前記電子部品が該ケース部の底面に対向し、前記分離時に該基板の電子部品が実装されない裏面が露出するように取り付けられ、かつ、該一方のケース部の装着部の周縁部位から一体的に突出してその基板の前記裏面の外周縁部に変形された固定片により該一方のケース部と一体化され、
その基板と一体化されたケース部に対し、他方のケース部が該基板の裏面を覆うように分離可能に結合されることにより、該基板が前記ケースに内蔵されたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る車両用携帯機は上記のように構成され、電子部品が実装された基板がケースを構成する第1及び第2のケース部のいずれかに形成された装着部に装着される。そして、装着部の周縁から突出した固定片が、そのケース部から露出された基板の裏面(電子部品が実装されていない面)の外周縁部で変形されることにより、ケース部と基板とが一体化される。これにより、基板がケース部に、容易に分離できない状態で一体に装着される。
【0009】
従来の携帯機では、電波法の規定を遵守するために、ケース部とは別に基板を覆うカバー体を使用していた。このため、部品点数が多くなるとともに、加工工数も多く必要としていた。しかし、本発明では、ケース部に直接に基板を装着し、かつケース部に設けられた固定片でケース部と基板とを一体化している。この結果、部品点数が削減され、かつ加工工数も少なくなるという作用効果が奏される。
【0010】
前記ケースは、前記基板を直接内包するように分離可能に組み付けられた、互いに浅い容器状をなしてそれぞれの開口部で結合される樹脂製の第1及び第2のケース部を備えている。
【0011】
そして、前記ケース部の装着部は、前記基板の電子部品が配置される第1空間部と、前記基板の基板本体が配置される第2空間部とが段付き状態で設けられ、
前記基板は、その基板本体の外周縁部が前記第1及び第2の空間部の段差面に当接することによって位置決め状態で装着されるようにすることができる。
【0012】
ケース部の装着部に基板が取り付けられるとき、基板の基板本体が第1及び第2の空間部の段差面に当接する。これによって、基板が位置決めされるため、その取付け作業が容易である。
【0013】
そして、前記固定片は、前記ケース部の段差面における前記基板と干渉しない位置から前記基板本体の厚み方向に沿って突出して設けられ、その先端部が前記基板の裏面を超えて配置され、
前記固定片の先端部が熱カシメされて折り曲げることによって前記ケース部と前記基板とを一体化してもよい。
【0014】
即ち、固定片の先端部を変形させるために、熱カシメをすることができる。この熱カシメは、固定片の先端部に加熱した治具を押し当てることによって容易に行うことができる。なお、固定片の先端部を変形させるために、熱カシメ以外の手段(例えば、プレス成形)を行ってもよい。
【0015】
そして、前記固定片の外周面と前記段差面との接続部には、前記固定片の外周面を前記基板本体の厚み方向に沿って延長する形態で溝部が穿設されていて、
前記固定片は、前記溝部の底面部と対応する位置を支点として折り曲げられることができる。
【0016】
これにより、溝部の深さ分だけ固定片の変形量が多くなり、ケース部と基板とを確実に一体化することができる。
【0017】
そして、固定片は、前記一方のケース部の周縁における全周部分に亘って突出していても、周縁の複数部位から一体的に突出していてもよい。
【0018】
そして、前記第1及び第2のケース部の結合面に、ゴムリングが介装されていることが望ましい。
【0019】
これにより、第1及び第2のケース部を結合したときに、ゴムリングによって水密が図られ、生活防水が確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施例の携帯機101の分解状態の斜視図である。
【図2】(a)は携帯機101の正面断面図、(b)は要部の拡大図である。
【図3】同じく分解状態の正面断面図である。
【図4】ケース本体1の底面図である。
【図5】固定片21を折り曲げる工程を示す図である。
【図6】複数の固定片21が設けられたケース本体1の底面図である。
【図7】第2実施例の携帯機102の斜視図である。
【図8】(a)は第2実施例の携帯機102の正面断面図、(b)は作用説明図である。
【図9】携帯機101を携帯電話機36のストラップに取り付けられた状態の斜視図である。
【図10】(a)は従来の携帯機100の斜視図、(b)は同じく分解斜視図である。
【図11】基板アッシー55を上下のケース体56,57に組み付ける状態の作用説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は第1実施例の携帯機101の分解状態の斜視図、図2の(a)は携帯機101の正面断面図、同じく(b)は要部の拡大図、図3は同じく分解状態の正面断面図、図4はケース本体1の底面図である。
【実施例1】
【0022】
第1実施例の携帯機101について説明する。図1ないし図3に示されるように、第1実施例の携帯機101は、上面が閉塞し、下面が開口する略短円筒形状(浅い容器状)で、内部に空間部(後述)が設けられたケース本体1(第1のケース部)と、基板本体2の一方側の面(上面)に電子部品3が実装され、他方側の面(下面)に、携帯機101を作動するための電源を供給する電池4を収容する電池収容部5が設けられた基板6と、ケース本体1の開口を閉塞するための蓋体7(第2のケース部)と、ケース本体1と蓋体7との接合部に介装され、携帯機101を水密状態で保持するゴムリング8とを備えている。本実施例の携帯機101の場合、電池収容部5が基板6に設けられているが、これを蓋体7に設けてもよい。以下、各部材について説明する。
【0023】
最初に、ケース本体1について説明する。ケース本体1は、樹脂材(例えば、ポリカーボネート)よりなる。ケース本体1は、下面が開口した短円筒形状で、意匠性を高めるためにその周壁部9の外周面は湾曲形状となっている。ケース本体1の内側部には、天井面11の近傍に設けられ、基板6の電子部品3を収容するための第1空間部12と、円板形状の基板6の基板本体2を収容するための第2空間部13と、開口の近傍に設けられ、蓋体7を嵌合させるための第3空間部14とが、段付き状態(それらの断面積が順次大きくなる形態)で設けられている。また、第1空間部12において、天井面11と第1空間部12の内周面15とは、軸線16に対して斜めとなる(下方に向かうほど、第1空間部2の断面積が大きくなる)接続面17によって接続されている。
【0024】
第1空間部12と第2空間部13との接合部には、第1段差面18が設けられている。そして、第2空間部13と第3空間部14との接合部には、第2段差面19が設けられている。第2空間部13の内周縁部(第1空間部12の内周面15との接合部)には、全周に亘って薄肉(厚さt)の固定片21が、軸線16に沿って下方に延設されている。また、第2段差面19と固定片21の外周面21bとの接合部には、全周に亘って幅Wの溝部23が設けられている。溝部23の幅Wは、固定片21の厚みtよりも少し小さい。ここで、固定片21における第2段差面19からの突出長をH1と記載し、溝部23における第2段差面19からの穿孔長をH2と記載する。
【0025】
ケース本体1に基板6が収容されるとき、基板6は、電子部品3の側を先にケース本体1の開口に入り込ませる。そして、基板6の基板本体2の大きさは、ケース本体1の第1空間部12の断面積よりも大きい。これにより、基板6の電子部品3はケース本体1の第1空間部12に配置され、基板6の基板本体2は、ケース本体1の第1段差面18に押し当てられてケース本体1の第2空間部13に配置される。この状態で、固定片21の先端部(下端部)は、基板6の下面よりも下方に配置される。換言すれば、固定片21の突出長H1は、基板本体2の厚みTよりも大きい。この状態で、固定片21が内側(軸線16の側)に向かって折り曲げられる(後述)ことにより、固定片21が基板本体2の下面の周縁部を押圧する。基板6は、基板本体2が第1段差面18と固定片21とで挟持されることにより、軸方向及び半径方向に移動不能に保持される。
【0026】
ケース本体1における第3空間部14の内周面24の下部には、断面略三角形状で、内周面24から半径方向に沿って(即ち、軸線16に向かって)突出する突起部25が全周に亘って設けられている。この突起部25は、蓋体7をケース本体1の第3空間部14に嵌合させるとき、外側に撓んで(弾性変形して)蓋体7を導き入れるとともに、蓋体7の嵌合状態で弾性復元して、蓋体7が第3空間部14から抜け出ることを防止するという機能を有する。
【0027】
次に、蓋体7について説明する。蓋体7は、ケース本体1と同様に樹脂材(例えば、ポリカーボネート)よりなる。蓋体7は、上面が開口し、下面が閉塞した短円筒形状で、その周壁部26がケース本体1の第3空間部14に嵌合される。蓋体7の底面部は僅かに湾曲し、電池3を支持する支持部材27が突設されている。また、蓋体7の周壁部26の上端部には、断面略三角形状で、半径方向の外側に向かって張り出す突起部28が設けられている。蓋体7がケース本体1に嵌合されるとき、最初に、ケース本体1の突起部25の下傾斜面25aと蓋体7の突起部28の上傾斜面28aとが当接する。ケース本体1と蓋体7を相対的に押し込むと、少なくとも一方の周壁部9,26が撓む(弾性変形)。
【0028】
さらに、ケース本体1と蓋体7を相対的に押し込むと、それらの突起部25,28の頂部どうしが通過する。すると、弾性変形していた周壁部9,26が弾性復元し、ケース本体1の突起部25の上傾斜面25bと蓋体7の突起部28の下傾斜面28bとが当接する。これにより、蓋体7の抜け止めが図られる。
【0029】
ケース本体1の第2段差面19と、蓋体7の周壁部26の上面との間にはゴムリング8が介装される。これにより、携帯機101の水密が図られ、ケース本体1と蓋体7との隙間から浸入した水が、基板6が配置されている部分(第1及び第2空間部12,13)に入り込むことはない。
【0030】
次に、ケース本体1に基板6を配置した状態で、固定片21を折り曲げる方法について説明する。図5の(a)に示されるように、ケース本体1に基板6が配置された状態で、上方から成形型29が下降する。成形型29の先端部(下端部)には、固定片21に対応して湾曲する成形部29aが設けられている。成形型29の成形部29aの最大内径D1は、ケース本体1の固定片21の外径d1よりも僅かに大きい。また、成形部29aの外径D2は、ケース本体1の溝部23の内径d2よりも僅かに小さい。図示しない加熱手段によって成形部29aが加熱された成形型29が下降する。そして、成形部29aが固定片21の先端部(上端部)に当接する。さらに成形型29が下降すると、図5の(b)に示されるように、固定片21の先端部は、成形型29の押圧力によって内側(軸線16の側)に折り曲げられる。そして、成形部29aの先端部が溝部23に入り込む。このとき、固定片21の先端部は、成形部29aの湾曲面になじみながら徐々に折り曲げられるため、固定片21は湾曲(カーリング)する。このとき、固定片21は成形型29の熱によって軟化するため、いっそう容易に折り曲げられる。これにより、湾曲状態の固定片21の先端部が、基板6の基板本体2の周縁部を押圧する。基板6は、固定片21と第2段差面18との間で挟持され、移動不能に保持される。
【0031】
なお、本明細書では、ケース本体1をひっくり返して、上方から成形型29を下降する場合について説明した。しかし、ケース本体1の下方から成形型29を上昇させる場合であってもよい。
【0032】
本実施例のケース本体1の場合、固定片21の外周部分には、固定片21の外周面21bに連続して溝部23が穿設されている。この溝部23により、固定片21が折り曲げられるときの支点31は、溝部23の第2段差面19からの深さH2だけ下方(ケース本体1の天井面11の側)にずれて設けられている。このため、固定片21は第2段差面19よりも深さH2だけ深い部分に存する支点31を中心に折り曲げられる。これにより、固定片21の長さ(第2段差面19からの突出長H1。図2の(b)を参照)をそれほど大きくしなくても、折り曲げられたときの固定片21の先端部と基板本体2の周縁部との架かり(重なり長さL)が大きくなるという効果が奏される。
【0033】
本明細書では、固定片21を折り曲げる方法として、固定片21を加熱しながら押圧(プレス)する場合について説明した。これにより、固定片21を確実に変形させることができる。しかし、固定片21が変形しやすい材質である場合には、押圧だけで折り曲げてもよい。
【0034】
また、固定片21は、全周に亘って設けられていなくてもよい。即ち、図6に示されるように、複数の固定片21が周方向に所定の角度をおいて(例えば、8個の固定片21が周方向に45度の角度をおいて)設けられていてもよい。
【実施例2】
【0035】
次に、第2実施例の携帯機102について説明する。図7及び図8の(a)に示されるように、第2実施例の携帯機102のケース本体1には押ボタン孔32が設けられ、この押ボタン孔32に押ボタン33が取り付けられている。この押ボタン33は、例えば車両のドアを解錠又は施錠するためのボタンである。押ボタン33の下端部には、押ボタン孔32の内径よりも大きいフランジ部33aが設けられ、押ボタン33の抜止めが図られている。また、基板6の上面(押ボタン33と対向する面)で、押ボタン33の直下には、スイッチ部34を有する電子部品3が実装されている。スイッチ部34を押すと、電子部品3から電波が送信される。さらに、押ボタン33とスイッチ部34との間には、薄いゴム等の弾性部材よりなるカバー体35が取り付けられている。カバー体35は、その周縁部のみが、ケース本体1の第1空間部12の内周面15と接続面17に接着剤等の手段で固着されている。通常の状態(携帯機102の不使用状態)で、押ボタン33はカバー体35によって押し上げられていて、押ボタン33とスイッチ部34との間には僅かな隙間が設けられている。このカバー体35は、押ボタン孔32から水等が浸入することを防止し、基板6を水密状態に保持するという機能を有している。
【0036】
図8の(b)に示されるように、携帯機102の使用者が押ボタン33を押すと、カバー体35を介してスイッチ部34が押し込まれる。これにより、ドアを解錠又は施錠するための電波が送信され、確実にドアの解錠又は施錠がなされる。
【0037】
本実施例の携帯機101,102はコンパクトなものであるため、図9に示されるように、例えば携帯電話機36のストラップ37に取り付けることができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、車両のドアの解錠及び/又は施錠を行うために使用者が所持する携帯機として利用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 ケース本体(第1のケース部)
2 基板本体(基板)
3 電子部品
6 基板
7 蓋体(第2のケース部)
8 ゴムリング
11 天井面(底面)
12 第1空間部(装着部)
13 第2空間部(装着部)
18 第1段差面(周縁)
19 第2段差面(周縁)
21 固定片
21b 固定片の外周面
23 溝部
34 スイッチ部(電子部品)
101,102 携帯機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両側の通信対象との間で無線通信が可能であり、車両を使用する際に必要となる、利用者が所持して携帯するための車両用携帯機であって、
前記無線通信のための電子部品が表面に実装された基板と、
その基板を内部に保持するケースとを含み、
そのケースは、前記基板を直接内包するように分離可能に組み付けられた、少なくとも一方は浅い容器状をなす樹脂製の第1及び第2のケース部を備え、
前記基板は、第1及び第2のケース部のいずれか一方であって浅い容器状をなすケース部に形成された装着部に、前記電子部品が該ケース部の底面に対向し、前記分離時に該基板の電子部品が実装されない裏面が露出するように取り付けられ、かつ、該一方のケース部の装着部の周縁部位から一体的に突出してその基板の前記裏面の外周縁部に変形された固定片により該一方のケース部と一体化され、
その基板と一体化されたケース部に対し、他方のケース部が該基板の裏面を覆うように分離可能に結合されることにより、該基板が前記ケースに内蔵されたことを特徴とする車両用携帯機。
【請求項2】
前記ケースは、前記基板を直接内包するように分離可能に組み付けられた、互いに浅い容器状をなしてそれぞれの開口部で結合される樹脂製の第1及び第2のケース部を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用携帯機。
【請求項3】
前記ケース部の装着部は、前記基板の電子部品が配置される第1空間部と、前記基板の基板本体が配置される第2空間部とが段付き状態で設けられ、
前記基板は、その基板本体の外周縁部が前記第1及び第2の空間部の段差面に当接することによって位置決め状態で装着されることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用携帯機。
【請求項4】
前記固定片は、前記ケース部の段差面における前記基板と干渉しない位置から前記基板本体の厚み方向に沿って突出して設けられ、その先端部が前記基板の裏面を超えて配置され、
前記固定片の先端部が熱カシメされて折り曲げられることによって前記ケース部と前記基板とが一体化されることを特徴とする請求項3に記載の車両用携帯機。
【請求項5】
前記固定片の外周面と前記段差面との接続部には、前記固定片の外周面を前記基板本体の厚み方向に沿って延長する形態で溝部が穿設されていて、
前記固定片は、前記溝部の底面部と対応する位置を支点として折り曲げられることを特徴とする請求項3又は4に記載の車両用携帯機。
【請求項6】
前記固定片は、前記一方のケース部の周縁における複数部位から一体的に突出していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の車両用携帯機。
【請求項7】
前記第1及び第2のケース部の結合面に、ゴムリングが介装されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の車両用携帯機。
【請求項1】
車両側の通信対象との間で無線通信が可能であり、車両を使用する際に必要となる、利用者が所持して携帯するための車両用携帯機であって、
前記無線通信のための電子部品が表面に実装された基板と、
その基板を内部に保持するケースとを含み、
そのケースは、前記基板を直接内包するように分離可能に組み付けられた、少なくとも一方は浅い容器状をなす樹脂製の第1及び第2のケース部を備え、
前記基板は、第1及び第2のケース部のいずれか一方であって浅い容器状をなすケース部に形成された装着部に、前記電子部品が該ケース部の底面に対向し、前記分離時に該基板の電子部品が実装されない裏面が露出するように取り付けられ、かつ、該一方のケース部の装着部の周縁部位から一体的に突出してその基板の前記裏面の外周縁部に変形された固定片により該一方のケース部と一体化され、
その基板と一体化されたケース部に対し、他方のケース部が該基板の裏面を覆うように分離可能に結合されることにより、該基板が前記ケースに内蔵されたことを特徴とする車両用携帯機。
【請求項2】
前記ケースは、前記基板を直接内包するように分離可能に組み付けられた、互いに浅い容器状をなしてそれぞれの開口部で結合される樹脂製の第1及び第2のケース部を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用携帯機。
【請求項3】
前記ケース部の装着部は、前記基板の電子部品が配置される第1空間部と、前記基板の基板本体が配置される第2空間部とが段付き状態で設けられ、
前記基板は、その基板本体の外周縁部が前記第1及び第2の空間部の段差面に当接することによって位置決め状態で装着されることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用携帯機。
【請求項4】
前記固定片は、前記ケース部の段差面における前記基板と干渉しない位置から前記基板本体の厚み方向に沿って突出して設けられ、その先端部が前記基板の裏面を超えて配置され、
前記固定片の先端部が熱カシメされて折り曲げられることによって前記ケース部と前記基板とが一体化されることを特徴とする請求項3に記載の車両用携帯機。
【請求項5】
前記固定片の外周面と前記段差面との接続部には、前記固定片の外周面を前記基板本体の厚み方向に沿って延長する形態で溝部が穿設されていて、
前記固定片は、前記溝部の底面部と対応する位置を支点として折り曲げられることを特徴とする請求項3又は4に記載の車両用携帯機。
【請求項6】
前記固定片は、前記一方のケース部の周縁における複数部位から一体的に突出していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の車両用携帯機。
【請求項7】
前記第1及び第2のケース部の結合面に、ゴムリングが介装されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の車両用携帯機。
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図1】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図1】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−31634(P2012−31634A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−171811(P2010−171811)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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