説明

車両用空調装置の故障診断装置

【課題】圧縮機の故障診断精度を向上させる。
【解決手段】本発明は、冷媒ガスの吐出量が変更可能な圧縮機21と、凝縮器22と、蒸発器23と、を備える車両用空調装置の故障診断装置であって、蒸発器の目標温度を設定する目標温度設定手段(S4)と、蒸発器23の実温度よりも低く、目標温度よりも高い判定温度を設定する判定温度設定手段(S6)と、蒸発器23の温度が判定温度に到達したときに、蒸発器23の温度を所定時間が経過するまでその判定温度に維持するように圧縮機21の冷媒ガス吐出量を制御する判定温度維持手段(S10)と、蒸発器23の温度を所定時間が経過するまで判定温度に維持できないときは、圧縮機21が故障していると判定する故障判定手段(S12)と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用空調装置の故障診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用空調装置の故障診断装置として、圧縮機を作動させてから所定時間が経過しても蒸発器の温度が目標温度まで下がらないときに、空調装置が故障していると診断するものがある(特許文献1参照)。
【特許文献1】実開昭61−201919号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、夏場などの外気温が高い条件の場合には、圧縮機が正常に作動していても蒸発器の温度が目標温度まで下がらないこともあるため、前述した従来の車両用空調装置の故障診断装置では、そのような場合に誤診断してしまうという問題点があった。また、圧縮機が冷媒ガスの吐出量を変更できる可変容量型である場合には、圧縮機の容量が変更できなくなったとしても、蒸発器の温度を目標温度まで下げられることもあるため、圧縮機の容量が変更できなくなったという故障を診断できないという問題点があった。
【0004】
本発明はこのような従来の問題点に着目してなされたものであり、車両用空調装置の故障診断精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
【0006】
本発明は、冷媒ガスの吐出量が変更可能な圧縮機(21)と、前記圧縮機(21)によって圧縮された冷媒ガスを冷却し、凝縮液化する凝縮器(22)と、前記凝縮器(22)によって液化された冷媒ガスを蒸発させて空気を冷却する蒸発器(23)と、を備える車両用空調装置の故障診断装置であって、前記蒸発器(23)の目標温度を設定する目標温度設定手段(S4)と、前記蒸発器(23)の実温度よりも低く、前記目標温度よりも高い前記圧縮機(21)の故障を判定するための判定温度を設定する判定温度設定手段(S6)と、前記蒸発器(23)の温度が前記判定温度に到達したときに、前記蒸発器(23)の温度を所定時間が経過するまでその判定温度に維持するように前記圧縮機(21)の冷媒ガス吐出量を制御する判定温度維持手段(S10)と、前記蒸発器(23)の温度を所定時間が経過するまで前記判定温度に維持できないときは、前記圧縮機(21)が故障していると判定する故障判定手段(S12)と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、蒸発器の実温度と目標温度との間に判定温度を設け、判定温度に到達した時点でいったん蒸発器の温度を所定時間その判定温度に維持する。これにより、所定時間その判定温度に維持できなかったときは、圧縮機の容量を調節することができなくなっていると故障判定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、本発明の第1実施形態による車両用空調装置の故障診断装置のシステム概略図である。
【0009】
図1に示すように、本実施形態による車両は、エンジン1と、空調装置2と、コントローラ3と、を備える。
【0010】
エンジン1は、車輪13を回転させるための駆動力を発生する。エンジン1のクランクシャフト11の一端部には、クランクシャフト11と一体に回転するクランクプーリ12が取り付けられる。
【0011】
空調装置2は、コンプレッサ21と、コンデンサ22と、エバポレータ23とを備え、これらにより冷媒ガスを循環させる冷凍サイクルを形成し、空調ダクト24の内部に配置されたエバポレータ23によって空気を冷却する。
【0012】
コンプレッサ21は冷媒ガスを吸入圧縮し、高温・高圧になった冷媒ガスをコンデンサ22に送り込む。コンプレッサ21は、冷媒ガスの吐出量が変更可能な斜板形の可変容量コンプレッサ21である。コンプレッサ21には、斜板制御用電磁弁21aが設けられる。斜板制御用電磁弁21aの通電量を制御することで内部の斜板角度が変化し、コンプレッサ容量(冷媒ガス吐出量)が変化する。コンプレッサ21は、回転軸25の一端部に設けられたコンプレッサプーリ26を介して、ベルト41でエンジン1のクランクプーリ12と機械的に連結される。回転軸25とコンプレッサプーリ26との間には、電磁クラッチ27が介装される。
【0013】
電磁クラッチ27は、コントローラ3からの出力信号によってオン−オフ駆動(デューティ制御)される。電磁クラッチ27を締結すると、コンプレッサ21の回転軸25がエンジン1のクランクシャフト11に同期して回転する。
【0014】
コンデンサ22は、コンプレッサ21から送り込まれてきた高温・高圧の冷媒ガスを冷却して液化する。コンデンサ22は、ラジエータ(図示せず)の前面に配置され、外気で冷却される。
【0015】
空調ダクト24は、一方の開口端24aの側に車室外の空気(外気)又は車内の空気(内気)を導入する空気取入口を備え、他方の開口端24bの側に車内に連通する吹き出し口を備える。空調ダクト24の内部には、ブロワファン28と、エバポレータ23とが設けられる。
【0016】
ブロワファン28は、モータによって駆動されて空気取入口から吸入した空気をエバポレータ23の周囲に吹き付ける。
【0017】
エバポレータ23は、コンデンサ22で液化されて低温・低圧になった液冷媒を蒸発させることによって、ブロワファン28によって吹き付けられたエバポレータ23の周囲を通過する空気から熱を奪い、冷たい空気にする。
【0018】
コントローラ3は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。
【0019】
コントローラ3には、エバポレータ23の温度を検出するエバポレータ温度センサ31、車内の温度を検出する内気温センサ32、外気の温度を検出する外気温センサ33、及び日射量を検出する日射センサ34などの種々のセンサ類からの信号が入力される。
【0020】
コントローラ3は、空調性能を確保するため、冷媒ガスの供給によって冷却されるエバポレータ23の温度が目標エバポレータ温度となるように、コンプレッサ21の容量、すなわち冷媒ガスの吐出量をフィードバック制御する。
【0021】
目標エバポレータ温度は、基本的にエバポレータ温度、車内温度、外気温度及び日射量などに基づいて設定され、運転状態に応じて燃費がよくなるように適宜変更される。例えば、燃料カット運転時などには減速加速度が大きくなりすぎない程度に目標エバポレータ温度を下げて惰性走行時のエネルギを回生する。これにより、エンジンの駆動力によって車両を駆動しているときの目標エバポレータ温度を上げることができ、エンジン負荷を少なくすることができるので、燃費の向上が図れる。また、次回の燃料カット運転時にエバポレータ温度が目標エバポレータ温度を下回っていれば、惰性走行エネルギを回生する必要がないので、燃料カット運転を長く維持することができる。
【0022】
このように、本実施形態では、コンプレッサ21の容量を運転状態に応じて適宜変更するので、固着等によってコンプレッサ21の容量を変更できなくなったときには、以下のような問題が発生する。例えば、コンプレッサ21の容量を最大にしたまま変更できなくなったときは、減速加速度が大きくなって運転性能が悪化したり、エンストを起こす可能性がある。また、エバポレータ温度が低下しすぎて、エバポレータ23が凍結する可能性がある。
【0023】
そのため、このようなコンプレッサ21の故障を診断する必要がある。
【0024】
以下では、図2を参照して、本実施形態によるコンプレッサ21の故障診断制御について説明する。
【0025】
図2は、コントローラ3が実施するコンプレッサ21の故障診断制御について説明するフローチャートである。コントローラ3は、本ルーチンをエンジン運転中に所定の演算周期(例えば10ms)で実行する。
【0026】
ステップS1において、コントローラ3は、判定温度到達フラグが1にセットされているか否かを判定する。判定温度到達フラグは、エバポレータ温度が後述する判定温度(S6参照)に到達したか否かを判定するためのフラグであり、エバポレータ温度が判定温度に到達したときに1にセットされる。コントローラ3は、判定温度到達フラグが1にセットされていれば、ステップS10に処理を移行する。一方で、判定温度到達フラグが0にセットされていれば、ステップS2に処理を移行する。
【0027】
ステップS2において、コントローラ3は、故障診断実施フラグが1にセットされているか否かを判定する。故障診断実施フラグは、コンプレッサ21の故障診断を実施するか否かを判定するためのフラグであり、故障診断を実施する場合に1にセットされる。コントローラ3は、故障診断フラグが1にセットされていれば、ステップS8に処理を移行する。一方で故障診断フラグが0にセットされていれば、ステップS3に処理を移行する。
【0028】
ステップS3において、コントローラ3は、エアコンスイッチがオンされているか否かを判定する。コントローラ3は、エアコンスイッチがオンされていればステップS4に処理を移行する。一方で、エアコンスイッチがオフされていれば今回の処理を終了する。
【0029】
ステップS4において、コントローラ3は、エバポレータ温度、日射量、外気温及び車内温度などに基づいて、目標エバポレータ温度を算出する。
【0030】
ステップS5において、コントローラ3は、エバポレータ温度が目標エバポレータ温度に所定温度を加算した温度(以下「故障診断許可温度という」)よりも高いか否かを判定する。本実施形態では、故障診断許可温度を目標エバポレータ温度+2℃に設定している。これは、本実施形態による故障診断は、エバポレータ温度を目標エバポレータ温度まで低下させる途中で、エバポレータ温度を所定時間後述する判定温度に維持できるかどうかを判定するものなので、少なくともエバポレータ温度が目標エバポレータ温度より2℃以上高くないと故障診断を実施することができないためである。コントローラ3は、エバポレータ温度が故障診断許可温度よりも高ければ、ステップS6に処理を移行する。一方で、エバポレータ温度が故障診断許可温度よりも低ければ、今回の処理を終了する。
【0031】
ステップS6において、コントローラ3は、コンプレッサ21の故障診断を実施するための判定温度を設定する。判定温度は、エバポレータ温度よりも低く、目標エバポレータ温度よりも高い温度に設定される。また、判定温度は、外気温が高いときほど高い温度に設定される。これは、外気温が高いときは、エバポレータ温度を目標エバポレータ温度まで下げられない場合があることを考慮したものである。
【0032】
ステップS7において、コントローラ3は、故障診断実施フラグを1にセットする。
【0033】
ステップS8において、コントローラ3は、エバポレータ温度が判定温度に到達したか否かを判定する。コントローラ3は、エバポレータ温度が判定温度に到達していれば、ステップS9に処理を移行する。一方で、エバポレータ温度が判定温度に到達していなければ今回の処理を終了する。
【0034】
ステップS9において、コントローラ3は、判定温度到達フラグを1にセットする。
【0035】
ステップS10において、コントローラ3は、斜板制御用電磁弁21aの通電量を制御してコンプレッサ容量を調整し、エバポレータ温度を判定温度に維持する。
【0036】
ステップS11において、コントローラ3は、エバポレータ温度が判定温度のプラスマイナス1℃の範囲内に収まっているか否かを判定する。コントローラ3は、エバポレータ温度がその範囲内に収まっていれば、ステップS14に処理を移行する。一方で、エバポレータ温度がその範囲内に収まっていなければ、ステップS12に処理を移行する。
【0037】
ステップS12において、コントローラ3は、コンプレッサ21が故障していると判定する。なお、コンプレッサ21が故障していると判定したときは、コントローラ3は運転状態に応じてコンプレッサ容量を変更するのを禁止する。
【0038】
ステップS13において、コントローラ3は、故障診断実施フラグ及び判定温度到達フラグをそれぞれに0にセットする。
【0039】
ステップS14において、コントローラ3は、判定温度到達フラグが1にセットされてから所定時間が経過したか否かを判定する。コントローラ3は、所定時間が経過していればステップS15に処理を移行する。一方で、所定時間が経過していなければ今回の処理を終了する。
【0040】
ステップS15において、コントローラ3は、コンプレッサ21が正常に作動していると判定する。
【0041】
図3は、本実施形態によるコンプレッサ21の故障診断制御の動作について説明するタイムチャートである。フローチャートとの対応を明確にするため、フローチャートのステップ番号を併記して説明する。
【0042】
時刻t1でエアコンスイッチがオンされると(S3でYes)、目標エバポレータ温度が設定され(S4)、エバポレータ温度が故障診断許可温度よりも高いか否かが判定される(S5)。本タイムチャートでは、エバポレータ温度が故障診断許可温度よりも高いので(図3(A))、判定温度が設定されるとともに(S6)、故障診断実施フラグが1にセットされる(図3(B);S7)。
【0043】
時刻t2でエバポレータ温度が判定温度に到達すると(図3(A);S8でYes)、判定温度到達フラグが1にセットされて(図3(C);S9)、エバポレータ温度を所定時間その判定温度に維持するようにコンプレッサ21の容量を制御する(S10)。そして、時刻t2から所定時間の間、エバポレータ温度を判定温度からプラスマイナス1℃の範囲内に維持できるか否かを判定する(S11、S14)。本タイムチャートでは、時刻t2から所定時間経過した時刻t3までの間、エバポレータ温度を判定温度からプラスマイナス1℃の範囲内に維持できているので(図3(A))、コントローラ3はコンプレッサ21が正常に作動していると判定する(S15)。その後、故障診断実施フラグと判定温度到達フラグをそれぞれ0にセットする(図3(B)(C);S13)。
【0044】
以上説明した本実施形態によれば、エバポレータ温度と目標エバポレータ温度との間に判定温度を設け、判定温度に到達した時点で所定時間エバポレータ温度をその判定温度に維持する。そして、所定時間エバポレータ温度を判定温度に維持できなかったときは、コンプレッサ容量を調節することができなくなっていると判定する。これにより、車内の冷房を実施している最中に、冷房性能への影響を抑えつつ、また、既存の空調装置をそのまま利用してコンプレッサ21の故障診断を実施することができる。
【0045】
また、コンプレッサ容量の変更ができなくなっていると判定したときは、運転状態に応じてコンプレッサ容量を変更する制御を禁止する。これにより、減速加速度の調整ができずに運転性能が悪化するのを抑制できる。また、アイドル運転時などにおけるエンストを抑制できる。さらに、エバポレータ23を冷やし過ぎて、エバポレータ23を凍結させてしまうのを抑制できる。
【0046】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図4を参照して説明する。本実施形態は、外気温が低温のときに空調装置を外気循環から内気循環に変更する点で第1実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。なお、以下に示す各実施形態では前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を用いて重複する説明を適宜省略する。
【0047】
空調装置2の空調モードには、空調ダクト24に外気を導入して空調する外気循環モードと、空調ダクト24に内気を導入して空調する内気循環モードと、の2種類がある。ここで、外気温度が比較的低いときに外気循環モードが選択されていると、エバポレータ温度も外気温相当の温度となり、エバポレータ温度が診断許可温度よりも低くなっている場合がある。
【0048】
そこで、このような場合には、いったん内気循環モードに変更して冷房が効く前の車内の温かい空気を空調ダクト24に導入することで、エバポレータ温度が診断許可温度よりも高くなるようにする。
【0049】
図4は、本実施形態によるコンプレッサ21の故障診断制御について説明するフローチャートである。コントローラ3は、本ルーチンをエンジン運転中に所定の演算周期(例えば10ms)で実行する。
【0050】
ステップS1からステップS15までの処理は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
【0051】
ステップS21において、コントローラ3は、空調モードが外気循環モードか否かを判定する。コントローラ3は、空調モードが外気循環モードであれば、ステップS22に処理を移行する。一方で、空調モードが内気循環モードであれば、今回の処理を終了する。
【0052】
ステップS22において、コントローラ3は、空調モードを内気循環モードに切り替える。
【0053】
以上説明した本実施形態によれば、外気循環モードの場合にエバポレータ温度が診断許可温度よりも低いときは、いったん内気循環モードに切り替える。これにより、冷房が効く前の車内の比較的暖かい空気が空調ダクト24に導入され、エバポレータ温度を診断許可温度よりも高くできる場合がある。そのため、第1実施形態の効果に加えて、コンプレッサ21の故障診断の頻度を上げることができる。
【0054】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【0055】
例えば、図5のタイムチャートに示すように、第1判定温度と、第1判定温度より高い第2判定温度と、を設定する。そして、エバポレータ23をまず第1判定温度に所定時間(時刻t1からt2まで)維持した後、第2判定温度に所定時間(時刻t3からt4まで)維持する。これにより、コンプレッサ容量を変更できるかどうかをより正確に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】車両用空調装置の故障診断装置のシステム概略図である。
【図2】第1実施形態によるコンプレッサの故障診断制御について説明するフローチャートである。
【図3】第1実施形態によるコンプレッサの故障診断制御の動作について説明するタイムチャートである。
【図4】第2実施形態によるコンプレッサの故障診断制御について説明するフローチャートである。
【図5】判定温度を複数設定した場合のコンプレッサの故障診断制御の動作について説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
【0057】
21 コンプレッサ(圧縮機)
22 コンデンサ(凝縮器)
23 エバポレータ(蒸発器)
S4 目標温度設定手段
S6 設定温度設定手段
S10 判定温度維持手段
S12 故障判定手段
S22 空調モード切替手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒ガスの吐出量が変更可能な圧縮機と、
前記圧縮機によって圧縮された冷媒ガスを冷却し、凝縮液化する凝縮器と、
前記凝縮器によって液化された冷媒ガスを蒸発させて空気を冷却する蒸発器と、
を備える車両用空調装置の故障診断装置であって、
前記蒸発器の目標温度を設定する目標温度設定手段と、
前記蒸発器の実温度よりも低く、前記目標温度よりも高い前記圧縮機の故障を判定するための判定温度を設定する判定温度設定手段と、
前記蒸発器の温度が前記判定温度に到達したときに、前記蒸発器の温度を所定時間が経過するまでその判定温度に維持するように前記圧縮機の冷媒ガス吐出量を制御する判定温度維持手段と、
前記蒸発器の温度を所定時間が経過するまで前記判定温度に維持できないときは、前記圧縮機が故障していると判定する故障判定手段と、
を備えることを特徴とする車両用空調装置の故障診断装置。
【請求項2】
前記判定温度設定手段は、外気温が高いときほど前記判定温度を高くする
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置の故障診断装置。
【請求項3】
前記判定温度設定手段は、前記判定温度を複数設定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用空調装置の故障診断装置。
【請求項4】
前記蒸発器の温度が所定の故障診断許可温度よりも低い場合に、前記蒸発器によって冷却させる空気を車室外から取り込んでいるときは、前記蒸発器によって冷却させる空気を車室内から取り込むように切り替える空調モード切替手段を備える
ことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1つに記載の車両用空調装置の故障診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−111343(P2010−111343A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−287496(P2008−287496)
【出願日】平成20年11月10日(2008.11.10)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】