説明

車両用運転支援システム

【課題】退避支援が継続されることによりドライバの判断ミスを誘発したり煩わしさを感じさせることなく、適切な状況で緊急車両に対する退避支援を実行できる運転支援システムの実現。
【解決手段】運転支援システムを実現するECU5は、車車間通信装置2を介して取得した他車情報やナビ情報、走行状態情報等を利用して緊急車両位置を特定し、自車に接近しているか判定する緊急車両位置・接近判定ブロック5A、自車に接近している緊急車両との通信を安定化するための通信制御ブロック5B、自車が緊急車両に対して退避行動を実施したか判断する退避行動判断ブロック5C、自車の退避行動の有無に応じて支援内容を変更して情報提供(警報)を行う情報提供ブロック5Dを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車に接近する緊急車両からの退避支援を行う運転支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、救急車両や警察車両等の緊急車両が接近中であることを車車間通信を用いて一般車両のドライバに報知するシステム(例えば、特許文献1)や、緊急車両の走行が予定される車線上に位置する一般車両に対して退避行動を支援するシステム(例えば、特許文献2)が存在する。
【特許文献1】特開2002−056495号公報
【特許文献2】特開2005−228111号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記従来技術では、退避行動を実施した後でも退避支援が継続されるため、ドライバの判断ミスを誘発し、或いは煩わしさを感じさせる場合がある。
【0004】
また、緊急車両が通信圏外に存在する状況、通信が不安定な状況、通信トラフィック過多により緊急車両との通信が阻害された状況等であって、緊急車両から情報がほとんど受信できない場合には、緊急車両の位置を特定できないため、緊急車両の接近の有無を判断できない。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされ、その目的は、退避行動の有無に応じて支援内容を変更するので、同様の退避支援が継続されることによりドライバの判断ミスを誘発したり煩わしさを感じさせることなく、適切な状況で緊急車両に対する退避支援を実行できる運転支援システムを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る第1の形態は、他車の間で車両情報を送受信する車車間通信手段と、前記車車間通信手段により取得した他車情報から緊急車両を特定する緊急車両特定手段と、前記緊急車両から受信した車両情報に基づき退避行動を支援する退避行動支援手段と、自車が退避行動を実施したか判定する退避行動判定手段と、を有し、前記退避行動支援手段は、前記退避行動の有無に応じて、前記退避行動の支援内容を変更する。
【0007】
第1の形態によれば、退避行動の有無に応じて支援内容を変更するので、同様の退避支援が継続されることによりドライバの判断ミスを誘発したり煩わしさを感じさせることなく、適切な状況で緊急車両に対する退避支援を実行できる。
【0008】
また、第2の形態では、前記退避行動判定手段は、前記自車の側方に前記緊急車両が通過できるスペースが存在する場合、前記退避行動を実施したと判定する。
【0009】
また、第3の形態では、前記退避行動判定手段は、前記自車が他車と同調した運転行動及び走行軌跡をとった場合、前記退避行動を実施したと判定する。
【0010】
また、第4の形態では、前記退避行動判定手段は、前記自車の運転行動が変化した場合、前記退避行動を実施したと判定する。
【0011】
また、第5の形態では、前記退避行動判定手段は、前記自車の走行軌跡が変化した場合、前記退避行動を実施したと判定する。
【0012】
また、第6の形態では、前記退避行動判定手段は、前記自車が走行する道路情報から退避位置を推定し、前記自車が前記退避位置にある場合、前記退避行動を実施したと判定する。
【0013】
これらの形態によれば、退避行動の有無を簡便且つ確実に判定することができる。
【0014】
また、第7の形態では、前記退避行動判定手段は、前記他車情報から他車が退避行動を実施したか判定し、前記緊急車両特定手段は、現在時刻に最も近い時刻に退避行動を実施した他車の近傍に緊急車両が存在するとして、前記緊急車両が前記自車に接近しているか判定する。
【0015】
また、第8の形態では、前記退避行動判定手段は、前記他車情報から退避行動を実施した車両と退避行動を実施していない車両とを特定し、前記緊急車両特定手段は、前記退避行動を実施した車両前方であって退避行動を実施していない車両後方に前記緊急車両が存在するとして、前記緊急車両が前記自車に接近しているか判定する。
【0016】
これらの形態によれば、緊急車両から情報が受信できない場合であっても緊急車両の位置を推定して、自車に接近しているか判定することができる。
【0017】
また、第9の形態では、前記緊急車両から車両情報を受信した後、前記緊急車両との通信状態を判定する通信状態判定手段と、前記通信状態に応じて自車情報のデータ量又は送信を制限する送信制限手段と、を有する。
【0018】
また、第10の形態では、前記送信制限手段により前記自車情報の送信が停止される場合であっても、前記緊急車両から受信した車両情報に通信継続を指示する情報が含まれていた場合、前記自車情報の送信を継続する。
【0019】
また、第11の形態では、前記送信制限手段により前記自車情報の送信が停止される場合であっても、前記自車が前記緊急車両の進路を阻害するか判定し、進路を阻害する可能性があると判定された場合、前記自車情報の送信を継続する。
【0020】
これらの形態によれば、緊急車両からの情報の受信状態を安定化しつつ、緊急車両では自車位置や運転行動を把握することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、退避行動の有無に応じて支援内容を変更するので、同様の退避支援が継続されることによりドライバの判断ミスを誘発したり煩わしさを感じさせることなく、適切な状況で緊急車両に対する退避支援を実行できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で下記実施形態を修正又は変形したものに適用可能である。
【0024】
[システム構成]
図1は、本発明に係る実施形態の運転支援システムの構成を示すブロック図である。
【0025】
図1において、車両に搭載される運転支援システム1は、同システムを搭載する1台又は複数台の他車(相手車両や対向車両ともいう。)との間で各種情報を送受する車車間通信装置2と、カーナビゲーション装置3と、自車の走行状態に関する情報を出力する走行状態検出装置4と、これら装置2,3,4から取得した各種情報に基づいて自車に接近する緊急車両を特定し、ドライバに緊急車両からの退避行動を促すための情報提供(警報)を行う運転支援制御を行うECU5と、を備える。
【0026】
車車間通信装置2は送受信アンテナ21を備え、例えば自車位置の周囲数百mの範囲に存在する他車との間で無線通信により自車情報の配信及び他車情報の受信を行う。なお、他車との距離が数十m程度であれば、DSRC(狭域無線通信方式)等の路車間通信を利用してもよい。
【0027】
カーナビゲーション装置3はGPSアンテナ31及びGPS受信機32を備え、例えば自車の位置情報(緯度、経度、方位等に関する情報)をECU5に出力する。また、カーナビゲーション装置3は地図情報等の画像を表示するディスプレイ33及び経路誘導等で音声メッセージ等を発するスピーカ34を備え、上記ECU5は、これらディスプレイ33及びスピーカ34を利用して、自車に接近する緊急車両の存在や退避行動を促す情報を画像や音声等でドライバに情報提供(警報)する。
【0028】
更に、カーナビゲーション装置3は、地図データベース(以下、地図DB)35を備え、ECU5は、この地図DB35から、例えばマップマッチング後の自車の位置座標、前方交差点座標(列)、各交差点までの距離、各交差点の信号機の有無、各交差点での分岐路の交差角度(道路接続角度)、各分岐路の道路情報(道路種別(国道や県道等)、路線番号、道路幅員、車線数等)、自車の走行路情報(道路種別、路線番号、道路幅員、車線数等)を得る(以下、これらの情報をナビ情報という。)。なお、カーナビゲーション装置3にDGPS(デファレンシャルGPS)を内蔵することで、FM多重放送の補正データを受信してGPSの位置情報を補正し、測位精度を高めることもできる。
【0029】
走行状態検出装置4は、例えば自車の車速を検出する車速センサ、加速度を検出する加速度センサ、ヨーレートを検出するヨーレートセンサ、自車の進行方向(方位)を検出するジャイロメータ等からなる自律航法装置等のセンサ類や、オン/オフ信号を出力するイグニッションスイッチやハザードスイッチ、ブレーキスイッチ、ウインカースイッチ等のスイッチ類を含み、ECU5は、これらセンサ類やスイッチ類から自車の走行状態情報を得る。
【0030】
ECU5は、CPU51、RAM52、ROM53を基本構成とするコンピュータである。ROM53には、車車間通信装置2により異なる車両間で情報の授受を行う通信プログラム、上記車車間通信装置2を介して取得した他車情報やナビ情報、走行状態情報等を利用して自車に接近する緊急車両を特定するプログラム、自車に接近する緊急車両の存在や退避行動を促す情報を画像や音声等でドライバに情報提供(警報)するプログラムが夫々格納されている。
【0031】
ECU5は、自車の位置や速度、進行方向(方位)等に関するナビ情報や走行状態情報に加えて、自車の車両サイズ(全長や全幅等)や車両の種別(大型車、乗用車、緊急車等)を含む固有の識別(ID)情報(送信元情報)、他車のID情報(送信先情報)を、所定の車車間通信可能な範囲内に存在する他車に対して車車間通信装置2を介して配信する(以下、これらの情報を自車情報という。)。同様に、ECU5は他車に関する配信情報(以下、他車情報という。)を他車から受信する。
【0032】
なお、本実施形態の車車間通信は、原則的として複数車両への配信を同時に行う同報通信方式(ブロードキャスト方式)を適用するが、図12で後述するように緊急車両から送信継続指示情報を送信する場合は送信元及び送信先の車両をID情報により特定するマルチキャスト方式で行われる。
【0033】
また、本実施形態の車車間通信は通信間隔が約0.1秒であり、車両のイグニッションスイッチがオフであっても、駐車車両としての把握のために情報が配信されるようになっている。
【0034】
また、路面の交差点や交差点付近等にインフラ装置(例えば、路車間通信で利用されるビーコン等)が設けられている場合には、自車近くに設けられたインフラ装置を利用して、自車は周辺の他車に対して自車情報を配信することもできる。
【0035】
なお、本実施形態では、ナビゲーション装置3のディスプレイ33やスピーカ34を用いて情報提供(警報)を行っているが、例えば、ヘッドアップディスプレイを用いたり、警報音を発するブザーや、ドライバが着座しているシートを振動させるシートバイブレータ等を用いても良い。
【0036】
また、車両に、例えば、自車の周囲を監視する自車の走行路前方を撮像するCCDカメラ、前方車両との車間距離を測定するレーザや赤外線等のレーダや、超音波を利用したクリアランスソナー等を設け、ECU5が、これらカメラやレーダ類から得た情報を用いて、自車に接近する緊急車両を特定してもよい。
【0037】
図2は、本実施形態の運転支援システムを実現するECUの機能ブロック図である。
【0038】
図2において、5Aは、車車間通信装置2を介して取得した他車情報やナビ情報、走行状態情報等を利用して緊急車両位置を特定し、自車に接近しているか判定する緊急車両位置・接近判定ブロックである。5Bは、自車に接近している緊急車両との通信を安定化するための通信制御ブロックである。5Cは、自車が緊急車両に対して退避行動を実施したか判断する退避行動判断ブロックである。5Dは、自車の退避行動の有無に応じて支援内容を変更して情報提供(警報)を行う情報提供ブロックである。
【0039】
[緊急車両の退避支援処理]
次に、本実施形態の車両用運転支援システムによる緊急車両の退避支援処理について説明する。
【0040】
図3(a)は本実施形態の車両用運転支援システムによる緊急車両の退避支援処理を示すフローチャート、図3(b)は本実施形態の車両用運転支援システムによる緊急車両の退避支援処理の具体例を示す図である。
【0041】
図3(a)において、ECU5は、初期設定を行い、各種パラメータやフラグをリセットする(S1)。
【0042】
次に、ECU5は、車車間通信により取得した他車情報から緊急車両の位置と自車への接近を判定する緊急車両位置・接近判定処理を実行する(S3)。詳細は後述する。
【0043】
次に、ECU5は、S3で緊急車両が接近していると判定された場合(接近フラグ=1)(S5)、緊急車両との通信を安定化するための通信制御処理を実行する(S7)。詳細は後述する。
【0044】
次に、ECU5は、自車が緊急車両に対して退避行動を実施していない場合(退避フラグ=0)(S9)、緊急車両の通行を阻害しないように退避前警報処理を実行する(S11)。後述するが、自車が緊急車両に対して退避行動を実施している場合には退避行動判断処理(S13〜S21)において退避フラグが1にセットされ、実施されていない場合には0にセットされる。
【0045】
また、上記退避前警報処理(S11)では、図3(a)にも示すように、自車が緊急車両の通行を阻害する可能性があるので、緊急車両の接近と退避行動を促すため緊急度(支援レベル)の高い警報を出力する。例えば、「緊急車両接近中。退避してください!!」というメッセージを画像や音声等で出力する。
【0046】
次に、ECU5は、自車が緊急車両に対して退避行動を実施したか否か判断する退避行動判断処理を実行する(S13〜S21)。詳細は後述する。
【0047】
次に、ECU5は、自車が退避行動を実施していると判定された場合(退避フラグ=1)(S9)、緊急車両の通行を阻害する可能性が低いので緊急度(支援レベル)の低い退避後警報処理を実行する(S23)。ここで、自車が緊急車両に対して退避行動を実施している場合には退避行動判断処理(S13〜S21)において退避フラグが1にセットされ、実施されていない場合には0にセットされる。
【0048】
また、上記退避後警報処理(S23)では、図3(a)にも示すように、自車が緊急車両の通行を阻害する可能性が低いので、緊急度の低い警報として、例えば「緊急車両接近中。注意してください。」というメッセージを画像や音声等で出力する。
【0049】
以上の退避支援処理では、自車の緊急車両に対する退避行動の有無を判断して、緊急車両接近時の警報内容を切り替えるので、同様の退避支援が継続されることによりドライバの判断ミスを誘発したり煩わしさを感じさせることなく、適切な状況で緊急車両に対する退避支援を実行できる。
【0050】
<退避行動判断処理1>
次に、図3(a)のS13における退避行動判断処理1について説明する。
【0051】
図4(a)は図3(a)のS13における退避行動判断処理1の詳細を示すフローチャート、図4(b)は1車線の場合の退避行動判断処理1の具体例を示す図、図4(c)は2車線以上の場合の退避行動判断処理1の具体例を示す図である。
【0052】
図4(a)において、先ず、ECU5は、退避行動が既に実施されている(退避フラグ=1)か判断し(S13−1)、既に実施されている場合には、本処理は実行せずにリターンする。
【0053】
次に、ECU5は、自車走行中の道路が1車線か2車線以上か判断し(S13−3)、1車線ならばS13−5、2車線以上ならばS13−11に移行する。
【0054】
そして、1車線の場合、図4(b)に示すように、ECU5は、地図DB35から自車走行中の道路幅を検出し(S13−5)、自車の車線における路側からの横位置を算出し(S13−7)、自車の車幅と、道路幅と、横位置とから通過可能幅を算出する(S13−9)。
【0055】
また、2車線以上の場合、ECU5は、先ず、自車位置に対して所定の検出範囲における、自車と隣接する車線に他車(緊急車両以外)が存在するか判定する(S13−11)。そして、他車が存在する場合、図4(c)に示すように、自車の他車に対する横位置を算出し(S13−13)、自車及び他車の車幅と横位置とから通過可能幅を算出する(S13−15)。
【0056】
次に、ECU5は、上記S13−9又はS13−15で算出された通過可能幅が緊急車両の車幅より大きいか判定し(S13−17)、通過可能幅が緊急車両の車幅より大きい場合、自車走行中の道路に緊急車両が通過できるスペースが確保されているので、自車が退避行動を実施していると判断し、退避フラグを1にセットする(S13−19)。
【0057】
また、ECU5は、通過可能幅が緊急車両の車幅以下の場合、緊急車両が通過できるスペースが確保されていないので、自車が退避行動を実施していないと判断し、退避フラグを0にセット(リセット)する(S13−21)。
【0058】
なお、自車と隣接する車線に他車が存在しない場合(S13−11)、隣接車線に緊急車両が通過できるスペースが確保されているので、自車が退避行動を実施していると判断し、退避フラグを1にセットする(S13−19)。
【0059】
以上の退避行動判断処理1では、退避前警告処理を行った後に、緊急車両が通過できるスペースが確保されている場合、退避行動が実施されたと判断できる。
【0060】
<退避行動判断処理2>
次に、図3(a)のS15における退避行動判断処理2について説明する。
【0061】
図5(a)は図3(a)のS15における退避行動判断処理2の詳細を示すフローチャート、図5(b)は退避行動判断処理2の具体例を示す図である。
【0062】
図5(a)において、先ず、ECU5は、退避行動が既に実施されている(退避フラグ=1)か判断し(S15−1)、既に実施されている場合には、本処理は実行せずにリターンする。一方、退避行動が実施されていない場合には(退避フラグ=0)、S15−3に移行する。
【0063】
次に、ECU5は、自車と緊急車両との間に他車が存在するか判断し(S15−3)、他車が存在するならばS15−5、他車が存在しないならば本処理は実行せずにリターンする。
【0064】
次に、ECU5は、他車から取得した他車情報又は自車のデータベースやデータレコーダ(不図示)に蓄積された他車情報から、他車の運転行動データ又は走行軌跡データを取得する(S15−5)。なお、運転行動データは、例えば所定時刻毎に記録されたステアリングの操舵角、且つステアリング操舵方向のウインカースイッチがオン、且つブレーキスイッチがオンなどの情報の集合体からなる。また、走行軌跡データは、例えば所定時刻毎に記録した複数の位置情報と、これらの位置情報を時系列に並べて各観測点を結んだリンク情報とからなる。
【0065】
次に、ECU5は、自車の運転履歴データ又は走行軌跡データの位相(データ取得時刻)を他車のデータに合わせてずらすことにより、自車と他車の各データを比較し(S15−7)、一致していると判定されたならば、他車と同調した運転行動又は走行軌跡をとったことから、自車が退避行動を実施していると判断し、退避フラグを1にセットする(S15−9)。
【0066】
また、ECU5は、自車と他車の各データが不一致の場合、自車が退避行動を実施していないと判断し、退避フラグを0にセットする(S15−11)。
【0067】
以上の退避行動判断処理2では、図5(b)に示すように、自車と緊急車両との間に他車が存在する場合に、自車が、自車より先に退避行動を実施すると予測される他車と同調した運転行動や走行軌跡をとった場合に、退避行動を実施したと判断できる。
【0068】
<退避行動判断処理3>
次に、図3(a)のS17における退避行動判断処理3について説明する。
【0069】
図6(a)は図3(a)のS17における退避行動判断処理3の詳細を示すフローチャート、図6(b)は退避行動判断処理3の具体例を示す図である。
【0070】
図6(a)において、先ず、ECU5は、退避行動が既に実施されている(退避フラグ=1)か判断し(S17−1)、既に実施されている場合には、本処理は実行せずにリターンする。一方、退避行動が実施されていない場合には(退避フラグ=0)、S17−3に移行する。
【0071】
次に、ECU5は、車速センサで現在の車速を検出すると共に、自車のデータベースやデータレコーダ(不図示)に所定時刻毎に記録された過去の車速データを読み出す(S17−3)。
【0072】
次に、ECU5は、ウインカースイッチ又はハザードスイッチがオンされているか判定する(S17−5)。そして、ウインカースイッチ又はハザードスイッチがオンされていれば、自車が退避行動を実施していると判断し、退避フラグを1にセットする(S17−15)。また、ウインカースイッチ及びハザードスイッチのいずれもオフであれば、S17−7に移行する。
【0073】
次に、ECU5は、図3(a)のS11での退避前警報処理後に進行方向が変化したか判定する(S17−7)。そして、退避前警告処理後に進行方向が変化してしていれば、自車が退避行動を実施していると判断し、退避フラグを1にセットする(S17−15)。また、進行方向が変化していなければ、S17−9に移行する。
【0074】
次に、ECU5は、現在の車速及び過去の車速データに基づき車速が低下している(又はゼロとなった)か判定する(S17−9)。そして、車速が低下している場合、自車が減速又は停止し退避行動を実施したと判断できるので、退避フラグを1にセットする(S17−15)。また、車速が低下していない場合、S17−11に移行する。
【0075】
次に、ECU5は、ブレーキペダルが所定閾値以上の踏力で操作されたか判定する(S17−11)。そして、所定閾値以上の踏力でブレーキ操作がされたならば、自車が減速又は停止し退避行動を実施したと判断できるので、退避フラグを1にセットする(S17−15)。
【0076】
なお、S17−11で、ブレーキ操作がされないか、所定閾値未満の踏力でブレーキ操作がされた場合には、退避行動を実施していないと判断できるので、退避フラグを0にセットする(S17−13)。
【0077】
以上の退避行動判断処理3では、図6(b)に示すように、退避前警告処理後に自車の運転行動が変化した場合、退避行動が実施されたと判断できる。
【0078】
<退避行動判断処理4>
次に、図3(a)のS19における退避行動判断処理4について説明する。
【0079】
図7(a)は図3(a)のS19における退避行動判断処理4の詳細を示すフローチャート、図7(b)は退避行動判断処理4の具体例を示す図である。
【0080】
図7(a)において、先ず、ECU5は、退避行動が既に実施されている(退避フラグ=1)か判断し(S19−1)、既に実施されている場合には、本処理は実行せずにリターンする。一方、退避行動が実施されていない場合には(退避フラグ=0)、S19−3に移行する。
【0081】
次に、ECU5は、車速センサで現在の車速を検出すると共に、自車のデータベースやデータレコーダ(不図示)に所定時刻毎に記録された過去の車速データと走行軌跡データを読み出す(S13−3)。
【0082】
次に、ECU5は、図3(a)のS11での退避前警報処理前の走行軌跡の延長線(直線)上を走行しているか判定する(S19−5)。そして、走行軌跡が退避前警告処理前の走行軌跡の延長線とは異なる経路(例えば、延長線から離間した平行な直線)であったならば、自車が進行方向を変更し退避行動を実施していると判断し、退避フラグを1にセットする(S19−11)。また、延長線上を走行していれば、S19−7に移行する。
【0083】
次に、ECU5は、走行軌跡の各観測点の間隔が短くなっているか判定する(S19−7)。そして、各観測点の間隔が短くなっているならば、自車が減速し退避行動を実施していると判断できるので、退避フラグを1にセットする(S19−11)。また、観測点の間隔が変化しない又は長くなっているならば、退避行動を実施していないと判断できるので、退避フラグを0にセットする(S19−9)。
【0084】
以上の退避行動判断処理4では、図7(b)に示すように、退避前警告処理後に自車の走行軌跡が変化した場合、退避行動が実施されていると判断できる。
【0085】
<退避行動判断処理5>
次に、図3(a)のS21における退避行動判断処理5について説明する。
【0086】
図8(a)は図3(a)のS21における退避行動判断処理5の詳細を示すフローチャート、図8(b)は退避行動判断処理5の具体例を示す図である。
【0087】
図8(a)において、先ず、ECU5は、退避行動が既に実施されている(退避フラグ=1)か判断し(S21−1)、既に実施されている場合には、本処理は実行せずにリターンする。一方、退避行動が実施されていない場合には(退避フラグ=0)、S21−3に移行する。
【0088】
次に、ECU5は、自車のデータベースやデータレコーダ(不図示)に記録された走行軌跡データを読み出す(S21−3)。
【0089】
次に、ECU5は、地図DB35から自車が走行している道路情報を取得する(S21−5)。
【0090】
次に、ECU5は、上記道路情報に基づき自車位置が退避場所にいるか判定する(S21−7)。そして、自車が退避場所にいれば、退避行動を実施していると判断し、退避フラグを1にセットする(S21−9)。また、退避場所にいなければ、退避行動を実施していないと判断し、退避フラグを0にセットする(S21−11)。
【0091】
以上の退避行動判断処理5では、図8(b)に示すように、自車の走行軌跡データと道路形状情報に基づき退避場所を特定し、自車が退避場所にいる場合、退避行動が実施されたと判断できる。
【0092】
なお、地図DB35から取得できる退避場所としては、例えば路肩、駐車場、駐停車禁止区域(ゼブラゾーン)、バス停、チェーン脱着所等が挙げられる。
【0093】
なお、上述した退避行動判断処理1〜5のうち、少なくとも1つの処理を実行するだけでも十分に効果を発揮することができる。
【0094】
<緊急車両位置・接近判定処理1>
次に、図3(a)のS3における緊急車両位置・接近判定処理1について説明する。
【0095】
図9(a)は図3(a)のS3における緊急車両位置・接近判定処理1の詳細を示すフローチャート、図9(b)は緊急車両位置・接近判定処理1の具体例を示す図、図9(c)は車車間通信により車両間でやり取りされるデータ構造を例示する図である。
【0096】
図9(a)において、先ず、ECU5は、他車情報が緊急車両から受信したものか判定する(S3−1)。ここでは、図9(c)に示す他車情報に含まれる緊急車両フラグが1にセットされている場合、緊急車両から受信した情報であると判定する。そして、他車情報が緊急車両情報ならば、その車両情報から緊急車両の位置を特定し(S3−9)、自車と緊急車両との距離から緊急車両が接近しているか判定する(S3−11)。そして、緊急車両が接近していると判定された場合、接近フラグを1にセットし(S3−13)、接近していないと判定された場合、接近フラグを0にセットする(S3−15)。
【0097】
一方、ECU5は、他車情報が緊急車両から受信したものでない場合、自車の所定範囲内に存在する他車(緊急車両以外)から他車情報を取得する(S3−3)。
【0098】
次に、ECU5は、他車情報に含まれる位置情報や進行方向(方位)情報を用いて、他車が緊急車両に対して退避行動を実施しているか判定する(S3−5)。そして、退避行動を実施している場合、現在時刻に最も近い時刻(他車情報の送信時刻又は受信時刻)に退避行動を実施した車両(送信元ID)を特定する(S3−7)。
【0099】
次に、ECU5は、緊急車両の位置を、現在時刻に最も近い時刻に退避行動を実施した他車の近傍と推定し(S3−9)、その後、上記S3−11,S3−13,S3−15と同様に緊急車両の接近を判定する。
【0100】
以上の緊急車両位置・接近判定処理1では、緊急車両が通信圏外にいる場合や、通信トラフィック過多により通信が阻害されるなどの理由により緊急車両から車両情報が受信されない状況であっても、図9(b)に示すように、他車情報から自車周辺に存在する他車が退避行動をとったか判定し、退避行動をとったと判定される最も現在時刻に近い車両の近傍に緊急車両が位置していると推定して、緊急車両の接近を判定できる。
【0101】
<緊急車両位置・接近判定処理2>
次に、図3(a)のS3における緊急車両位置・接近判定処理2について説明する。
【0102】
図10(a)は図3(a)のS3における緊急車両位置・接近判定処理2の詳細を示すフローチャート、図10(b)は緊急車両位置・接近判定処理2の具体例を示す図である。なお、図9(a)と同様の処理ステップには同一の符号を付して説明を省略する。
【0103】
図10(a)において、ECU5は、図9(c)に示した緊急車両フラグから他車情報が緊急車両から受信したものならば(S3−1)、図9(a)のS3−9〜S3−15と同様の処理を実行する一方、他車情報が緊急車両情報でないならば、S3−3〜S3−7と同様の処理を実行する。
【0104】
次に、ECU5は、退避行動を実施している車両の前後に退避行動を実施していない車両が存在するか判定し(S3−17)、退避行動を実施していない車両が存在する場合、その車両を特定する(S3−19)。
【0105】
そして、ECU5は、退避行動を実施している車両の前後に退避行動を実施していない車両が存在する場合、退避行動を実施している車両の前方であって、退避行動を実施していない車両の後方近傍を、緊急車両の位置として推定し(S3−9)、その後、S3−11〜S3−15と同様の処理を実行する。
【0106】
一方、ECU5は、退避行動を実施している車両の前後に退避行動を実施していない車両が存在しない場合、退避行動を実施している車両の前方近傍を、緊急車両の位置として推定し(S3−9)、その後、S3−11〜S3−15と同様の処理を実行する。
【0107】
以上の緊急車両位置・接近判定処理2では、緊急車両が通信圏外にいる場合や、通信トラフィック過多により通信が阻害されるなどの理由により緊急車両から車両情報が受信されない状況であっても、図10(b)に示すように、自車周辺の他車から受信した他車情報を用いて退避行動をとった車両と退避行動をとっていない車両とを特定し、退避行動をとった車両の前方で、退避行動をとっていない車両の後方近傍に緊急車両が位置していると推定して、緊急車両の接近を判定できる。
【0108】
<通信制御処理>
次に、図3(a)のS7における通信制御処理について説明する。
【0109】
図11は図3(a)のS7における通信制御処理の詳細を示すフローチャートである。
【0110】
図11において、先ず、ECU5は、緊急車両から受信した情報から通信状態をチェックする(S7−1,S7−3)。そして、通信トラフィックが過多であった場合(S7−5)、通信トラフィック量により決定される優先度に応じて、先ず送信データ量の削減を行い(S7−7)、次にホッピング回数を制限し(S7−9)、更に低い優先度として送信を停止する(S7−11)。なお、ホッピングとは、他車を経由した緊急車両情報の送信、つまり緊急車両情報を他車から送信することである。
【0111】
以上の通信制御処理では、通信トラフィック過多により緊急車両から車両情報が安定して受信できない状況であっても、緊急車両情報の受信状態を安定化することができる。
【0112】
<送信継続判定処理1>
次に、図11のS7−11で送信を停止する前に行う送信継続判定処理1について説明する。
【0113】
図12(a)は自車での送信継続判定処理1を示すフローチャート、図12(b)は緊急車両での送信継続指示処理を示すフローチャート、図12(c)は送信継続判定処理1の具体例を示す図、図12(d)は車車間通信により緊急車両から送信を継続させる車両に送信されるデータ構造を例示する図である。
【0114】
本処理は、上記S7−11のように送信を停止した場合、緊急車両が他の車両から車両情報を受信できなくなるため他の車両位置や運転行動を検出できなくなってしまう。このため、緊急車両の進路を阻害する可能性のある車両は送信を継続するように制御するものである。
【0115】
即ち、図11のS7−11で送信を停止する前に、ECU5は、緊急車両情報に送信継続の指示があるか判定する(S7−13)。ここでは、図12(d)に示す緊急車両情報に含まれる送信継続フラグが1にセットされている場合、緊急車両から送信継続の指示があると判定する。
【0116】
そして、送信継続フラグが1ならば送信を継続し(S7−15)、送信を停止する(S7−17)。
【0117】
また、緊急車両側では、図12(b)に示すように、他車情報から緊急車両の進路を阻害する可能性のある車両を特定し、送信継続フラグを1、送信元の車両IDを緊急車両、送信先の車両IDを特定車両にセットした情報を送信する(S7−21〜S7−25)。
【0118】
以上の送信継続判定処理1では、緊急車両からの受信状態を安定化するため他車への情報の送信を停止する場合であっても、図12(c)に示すように、緊急車両の進路を阻害する可能性のある車両については送信を継続するので、緊急車両情報の受信状態を安定化しつつ、緊急車両では送信を継続する特定の車両についてその位置や運転行動を把握することができる。
【0119】
<送信継続判定処理2>
次に、図11のS7−11で送信を停止する前に行う送信継続判定処理2について説明する。
【0120】
図13(a)は自車での送信継続判定処理2を示すフローチャート、図13(b)は送信継続判定処理2の具体例を示す図である。なお、緊急車両と自車又は他車との間でやり取りされるデータ構造は、図9(c)と同様である。
【0121】
本処理は、送信継続フラグにより判定する上記処理1とは異なり、自車で緊急車両の進路を阻害する可能性のある車両を特定するものである。
【0122】
即ち、図11のS7−11で送信を停止する前に、ECU5は、緊急車両情報から緊急車両の進路を特定し(S7−31)、自車の走行状態から自車が緊急車両の進路を阻害する可能性があるか判定する(S7−33)。
【0123】
そして、緊急車両の進路を阻害する可能性があれば送信を継続し(S7−15)、なければ送信を停止する(S7−17)。
【0124】
以上の送信継続判定処理2では、緊急車両からの受信状態を安定化するため自車情報の送信を停止する場合であっても、図13(b)に示すように、自車が緊急車両の進路を阻害する可能性があると判断された場合には送信を継続するので、緊急車両情報の受信状態を安定化しつつ、緊急車両では送信を継続する自車についてその位置や運転行動を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明に係る実施形態の運転支援システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の運転支援システムを実現するECUの機能ブロック図である。
【図3】(a)は本実施形態の車両用運転支援システムによる緊急車両の退避支援処理を示すフローチャート、(b)は本実施形態の車両用運転支援システムによる緊急車両の退避支援処理の具体例を示す図である。
【図4】(a)は図3(a)のS13における退避行動判断処理1の詳細を示すフローチャート、(b)は1車線の場合の退避行動判断処理1の具体例を示す図、(c)は2車線以上の場合の退避行動判断処理1の具体例を示す図である。
【図5】(a)は図3(a)のS15における退避行動判断処理2の詳細を示すフローチャート、(b)は退避行動判断処理2の具体例を示す図である。
【図6】(a)は図3(a)のS17における退避行動判断処理3の詳細を示すフローチャート、(b)は退避行動判断処理3の具体例を示す図である。
【図7】(a)は図3(a)のS19における退避行動判断処理4の詳細を示すフローチャート、(b)は退避行動判断処理4の具体例を示す図である。
【図8】(a)は図3(a)のS21における退避行動判断処理5の詳細を示すフローチャート、(b)は退避行動判断処理5の具体例を示す図である。
【図9】(a)は図3(a)のS3における緊急車両位置・接近判定処理1の詳細を示すフローチャート、(b)は緊急車両位置・接近判定処理1の具体例を示す図、(c)は車車間通信により車両間でやり取りされるデータ構造を例示する図である。
【図10】(a)は図3(a)のS3における緊急車両位置・接近判定処理2の詳細を示すフローチャート、(b)は緊急車両位置・接近判定処理2の具体例を示す図である。
【図11】図3(a)のS7における通信制御処理の詳細を示すフローチャートである。
【図12】(a)は自車での送信継続判定処理1を示すフローチャート、(b)は緊急車両での送信継続指示処理を示すフローチャート、(c)は送信継続判定処理1の具体例を示す図、(d)は車車間通信により緊急車両から送信を継続させる車両に送信されるデータ構造を例示する図である。
【図13】(a)は自車での送信継続判定処理2を示すフローチャート、(b)は送信継続判定処理2の具体例を示す図である。
【符号の説明】
【0126】
1 運転支援システム
2 車車間通信装置
3 カーナビゲーション装置
4 走行状態検出装置
5 ECU
21 送受信アンテナ
31 GPSアンテナ
32 GPS受信機
33 ディスプレイ
34 スピーカ
35 地図DB
51 CPU
52 RAM
53 ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他車の間で車両情報を送受信する車車間通信手段と、
前記車車間通信手段により取得した他車情報から緊急車両を特定する緊急車両特定手段と、
前記緊急車両から受信した車両情報に基づき退避行動を支援する退避行動支援手段と、
自車が退避行動を実施したか判定する退避行動判定手段と、を有し、
前記退避行動支援手段は、前記退避行動の有無に応じて、前記退避行動の支援内容を変更することを特徴とする車両用運転支援システム。
【請求項2】
前記退避行動判定手段は、前記自車の側方に前記緊急車両が通過できるスペースが存在する場合、前記退避行動を実施したと判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用運転支援システム。
【請求項3】
前記退避行動判定手段は、前記自車が他車と同調した運転行動及び走行軌跡をとった場合、前記退避行動を実施したと判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用運転支援システム。
【請求項4】
前記退避行動判定手段は、前記自車の運転行動が変化した場合、前記退避行動を実施したと判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用運転支援システム。
【請求項5】
前記退避行動判定手段は、前記自車の走行軌跡が変化した場合、前記退避行動を実施したと判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用運転支援システム。
【請求項6】
前記退避行動判定手段は、前記自車が走行する道路情報から退避位置を推定し、前記自車が前記退避位置にある場合、前記退避行動を実施したと判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用運転支援システム。
【請求項7】
前記退避行動判定手段は、前記他車情報から他車が退避行動を実施したか判定し、
前記緊急車両特定手段は、現在時刻に最も近い時刻に退避行動を実施した他車の近傍に緊急車両が存在するとして、前記緊急車両が前記自車に接近しているか判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用運転支援システム。
【請求項8】
前記退避行動判定手段は、前記他車情報から退避行動を実施した車両と退避行動を実施していない車両とを特定し、
前記緊急車両特定手段は、前記退避行動を実施した車両前方であって退避行動を実施していない車両後方に前記緊急車両が存在するとして、前記緊急車両が前記自車に接近しているか判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用運転支援システム。
【請求項9】
前記緊急車両から車両情報を受信した後、前記緊急車両との通信状態を判定する通信状態判定手段と、
前記通信状態に応じて自車情報のデータ量又は送信を制限する送信制限手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用運転支援システム。
【請求項10】
前記送信制限手段により前記自車情報の送信が停止される場合であっても、前記緊急車両から受信した車両情報に通信継続を指示する情報が含まれていた場合、前記自車情報の送信を継続することを特徴とする請求項9に記載の車両用運転支援システム。
【請求項11】
前記送信制限手段により前記自車情報の送信が停止される場合であっても、前記自車が前記緊急車両の進路を阻害するか判定し、進路を阻害する可能性があると判定された場合、前記自車情報の送信を継続することを特徴とする請求項9に記載の車両用運転支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−84004(P2008−84004A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−263235(P2006−263235)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】