説明

車両用運転支援装置

【課題】特別なセンサを装備することなく、自動ブレーキが作動した際の自車両の停止前後に発生するピッチング振動を抑制し、良好な乗り心地性を得ることができるようにする。
【解決手段】始動ブレーキ作動後の減速度Gwに基づいて減圧開始距離Pdを求め(S9)、自車両と前方障害物との間の障害物間距離Lが、前方障害物に対する停止目標距離Lsに減圧開始距離Pdを加算した距離に達したとき、ブレーキ圧の減圧を開始し(S11)、自車両の停止前後で発生するピッチング振動を抑制する。そして、障害物間距離Lが停止目標距離Lsの手前の停止ブレーキ開始距離pに達したとき、ブレーキ圧を加圧させて(S13)、自車両を停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動ブレーキの作動による車両の停止前後におけるピッチング振動の発生を抑制する車両用運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ACC(Adaptive Cruise Control)システムやプリクラッシュ制御システムを代表とする運転支援装置では、自車両前方を監視する手段として車載カメラやレーダ装置が多く採用されている。ここで、ACCシステムは、自車両前方を走行する先行車に追従して車速制御を行うもので、先行車に急接近し、エンジンブレーキでは目標車間距離を維持することができないと判定した場合は、自動ブレーキを作動させて車間距離を目標車間距離に戻すようにするものである。一方、プリクラッシュブレーキシステムは、先行車を含む自車両前方の障害物(以下「前方障害物」と称する)との衝突可能性を判定し、衝突が回避不能と判定された場合、自動ブレーキを作動させて、衝突を回避させるものである。
【0003】
自動ブレーキの作動について、例えば特許文献1(特開2008−120141号公報)には、先行車が略停止状態と判定した場合、自車両と先行車との車間距離に応じて、自車両を設定位置に停止させるための減速度を求め、この減速度に応じたブレーキ圧で自動ブレーキを作動させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−120141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した文献に開示されている技術では、ブレーキ圧を先行車との車間距離に基づいて設定するようにしているため、車両が停止するまでブレーキ圧が減圧されず、停止直前では前部が大きく沈み込む、いわゆるノーズダイブが発生し、停止時にはその反動で揺り戻しが発生する。このようなノーズダイブとその揺り戻しによるピッチング振動は搭乗者に不快感を与えることになる。
【0006】
ピッチング振動を抑制する手段として、車両の停止直前にブレーキ圧を一時的に減圧することも考えられるが、ピッチング振動を効率よく抑制するには、ブレーキ圧を減圧するタイミングを、路面状態(雪路、アイスバーン、ドライ路面)、車重等に基づいて設定する必要がある。
【0007】
しかし、この場合、路面状態や車重等を検出するセンサ類が別途必要となり、制御が煩雑化するばかりでなく、部品点数の増加によりコスト高となる問題がある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、特別なセンサを別途装備することなく、自動ブレーキが作動した際の停止前後に発生するピッチング振動を抑制し、搭乗者に与える不快感を軽減して、良好な乗り心地性を得ることのできる車両用運転支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、車両に搭載されて該車両の進行方向前方の走行環境を監視する前方監視手段と、前記前方監視手段で検出した自車両前方の走行環境に基づいて前方障害物を検出すると共に前記前方障害物と前記車両との間の障害物間距離及び相対車速に基づいて衝突予測時間を求める衝突予測時間演算手段と、前記衝突予測時間演算手段で求めた前記衝突予測時間が予め設定したブレーキアシスト判定時間を下回った場合、自動ブレーキを作動させると共に停止目標位置手前でブレーキ圧を減圧し、停止直前でブレーキ圧を加圧する自動ブレーキ制御手段とを備える車両用運転支援装置において、前記自動ブレーキ制御手段は、自動ブレーキ作動時の減速度に基づき、前記前方障害物との間におけるブレーキ圧の減圧開始距離を求め、前記障害物間距離が該減圧開始距離に到達したときブレーキ圧を減圧し、次いで予め設定した停止直前の停止ブレーキ開始距離に到達したとき前記ブレーキ圧を加圧する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、自動ブレーキ作動時の減速度に基づいてブレーキ圧の減圧開始距離を求めるようにしたので、特別なセンサを別途装備することなく、自動ブレーキが作動した際の停止前後に発生するピッチング振動が効率よく抑制され、搭乗者に与える不快感が軽減されて、良好な乗り心地性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】車両用運転支援装置を搭載する車両の概略構成図
【図2】車両用運転支援装置の構成図
【図3】自動ブレーキ制御ルーチンを示すフローチャート
【図4】減圧開始タイミングテーブルを示す概念図
【図5】自動ブレーキ制御の制御例を示すタイムチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。図1の符号1は車両であり、この車両1に、前方監視手段としての車載カメラ32が搭載されている。この車載カメラ32はメインカメラ32aとサブカメラ32bとを有するステレオカメラであり、この両カメラ32a,32bで撮像した走行方向前方の走行環境の画像が画像処理ユニット(IPU)33にて所定に画像処理されて出力される。
【0013】
一方、符号3は車両用運転支援装置であり、図2に示すように、運転支援制御ユニット21、エンジン制御ユニット(以下「E/G_ECU」と称する)22、ブレーキ制御ユニット(以下「BK_ECU」と称する)23等の各制御ユニットを備え、この各制御ユニットが、CAN(Controller Area Network)等の車内通信回線24を通じて接続されている。尚、各ユニット21〜23はCPU、ROM、RAMなどを備えたマイクロコンピュータにより構成されており、ROMにはシステム毎に設定されている動作を実現するための制御プログラムが記憶されている。
【0014】
又、運転支援制御ユニット21の入力側に、IPU33、車速S[Km/h]を検出する車速センサ36、運転者のアクセルペダルの踏込み量AP[%]を検出するアクセル開度センサ37、車体速度SAVを検出する車体速度センサ38等の各種センサ類が接続されている。尚、本実施形態では、車体速度SAVを、4輪にそれぞれ設けられている車輪速センサで検出した車輪速の平均値で推定している。従って、この場合、車体速度センサ38は、各車輪に設けられている車輪速センサを総合したものとなる。或いはGPS(Global Positioning System)装置を搭載する車両では、GPS衛星から受信したGPS信号に基づき、自車両1の単位時間あたりの移動距離から車体速度SAVを求めるようにしても良い。この場合、GPS装置が車体速度センサ38として機能を有する。
【0015】
更に、運転支援制御ユニット21の出力側に、ブザー、ウォーニングランプ、スピーカ等の警報手段41が接続されている。
【0016】
一方、E/G_ECU22の出力側に、電子制御スロットル31に設けられているスロットルアクチュエータ42が接続されており、更に、BK_ECU23の出力側に、ブレーキを強制的に作動させるブレーキアクチュエータ43が接続されている。
【0017】
図1に示すように、電子制御スロットル31は、エンジン30の吸気通路側に設けられており、この電子制御スロットル31のスロットル弁31aがスロットルアクチュエータ42により開閉動作され、このスロットルアクチュエータ42の動作がE/G_ECU22で制御される。従って、E/G_ECU22がスロットルアクチュエータ42の動作を制御することで、スロットル弁31aの開度が調整されて、所望のエンジン出力が得られる。
【0018】
又、ブレーキアクチュエータ43は、各車輪に設けられているブレーキホイールシリンダ43aに対して供給するブレーキ油圧を調整するもので、BK_ECU23からの駆動信号によりブレーキアクチュエータ43が駆動されると、ブレーキホイールシリンダ43aにより各車輪に対してブレーキ力が発生し、強制的に減速される。
【0019】
一方、図2に示す運転支援制御ユニット21は、IPU33からの画像信号に基づき車載カメラ32で撮像した自車進行方向前方に存在する障害物(前方障害物)を監視する。そして、前方障害物を検出した場合、車載カメラ32で撮像した画像に基づき、衝突予測時間TTC[sec]を求め、この衝突予測時間TTCと予め設定したブレーキアシスト判定時間Toとを比較して、自車両1が前方障害物に衝突する可能性を判定する。そして、衝突の可能性が高いと判定した場合は(TTC≦To)、警報手段41から警報を発すると共に、自動ブレーキ制御を実行させる。
【0020】
上述した運転支援制御ユニット21で実行される自動ブレーキ制御は、具体的には、図3に示す自動ブレーキ制御ルーチンに従って処理される。以下、自動ブレーキ制御ルーチンに従った処理を、図5に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。尚、図5においては、前方障害物を先行車Aとしている。
【0021】
このルーチンは、イグニッションスイッチをONした後、所定演算周期毎に実行され、先ず、ステップS1で、車載カメラ32で撮像した自車両前方の画像データ、車速センサ36で検出した車速S、アクセル開度センサ37で検出したアクセルペダル踏込み量AP、車体速度センサ38で検出した車体速度SAV等、自動ブレーキ制御に必要なパラメータを読込む。
【0022】
続く、ステップS2で、車載カメラ32で撮像した自車両前方の画像データに基づき自車進行方向に前方障害物(停車或いは走行している先行車両や対向車両、道路を横切る歩行者等)が存在するか否かを調べる。そして、前方障害物が検出された場合は、ステップS3へ進み、検出されない場合はそのままルーチンを抜ける。
【0023】
ステップS3へ進むと、両カメラ32a,32bの視差に基づいて、両カメラ32a,32bで撮像した前方障害物と自車両1との間の距離(以下「障害物間距離」と称する)L[m]を算出し、この障害物間距離Lを前方障害物と自車両1との相対車速ΔS[m/sec]で除算して、衝突予測時間TTC[sec]を算出する(TTC←L/ΔS)。尚、ステップS2,3での処理が、本発明の衝突予測時間演算手段に対応している。
【0024】
その後、ステップS4へ進み、衝突予測時間TTC[sec]と予め設定したブレーキアシスト判定時間To[sec]とを比較する。このブレーキアシスト判定時間Toは、前方障害物との衝突を避けることができないと判定される予測時間である。尚、後述するように、本実施形態では、自動ブレーキ作動により自車両1を停止目標位置で停止させる手前で一旦ブレーキ圧を減圧する制御が行われるため、ブレーキアシスト判定時間Toは、ブレーキ圧を減圧することによる停止距離の延びをある程度考慮した値に設定されている。従って、本実施形態では、一般的な自動ブレーキ制御に比し、やや早く動作が開始されるように、ブレーキアシスト判定時間Toが、例えば1.2〜0.8[sec}程度に設定されている。
【0025】
そして、衝突予測時間TTCがブレーキアシスト判定時間Toを下回った場合(TTC≦To)、運転者のブレーキ操作が行われておらず、或いは運転者の操作したブレーキ力が弱いために、自車両1が前方障害物に近接していると判定し、ステップS5へ進む。又、TTC>Toと判定されたときは、運転者のブレーキ操作により停止可能と判定し、そのままルーチンを抜ける。
【0026】
ステップS5へ進むと、警報手段41に対して警報信号を出力し、運転者に対し自車両1が前方障害物に近接している旨を、ブザー音、ウォーニングランプの点灯/点滅、或いは音声等により報知する。
【0027】
次いで、ステップS6へ進み、自動ブレーキを作動させる(図5の経過時間t0)。自動ブレーキは、本実施形態では、スロットル弁31a全閉によるエンジンブレーキとブレーキホイールシリンダ43aの動作による強制ブレーキとの双方を利用している。
【0028】
この自動ブレーキを動作させるに際しては、先ず、E/G_ECU22に対してスロットル全閉信号を出力する。すると、E/G_ECU22は電子制御スロットルのスロットルアクチュエータ42を介してスロットル弁31aを全閉動作させて、エンジンブレーキを作動させる。次いで、BK_ECU23に対してブレーキ動作信号を出力する。すると、BK_ECU23は、ブレーキアクチュエータ43に駆動信号を出力し、ブレーキホイールシリンダ43aを動作させて、各車輪を強制的に制動させる。
【0029】
その後、ステップS7へ進み、自動ブレーキ作動後、設定時間Td[sec]が経過するまで待機する。この設定時間Tdは、強制ブレーキが確実に作動するまでの時間であり(図5の経過時間t0〜t1)、予め実験などから求めて設定されている。
【0030】
そして、設定時間Tdが経過したとき、ステップS8へ進み、減速度Gw[m/s2]を算出する。この減速度Gwは、車体速度センサ38で検出した車体速度SAVの所定区間の変動から求める(図5の経過時間t1〜t2)。尚、前後Gセンサが搭載されている車両では、前後Gセンサの出力から減速度Gwを求めるようにしても良い。
【0031】
次いで、ステップS9へ進み、減速度Gwに基づき減圧開始タイミングテーブルを補間計算付きで参照して、減圧開始距離Pd[m]を設定する。この減圧開始距離Pdは、前方障害物から自車両1までの距離であり、図4に示すように、減圧開始タイミングテーブルに記憶されている減圧開始距離Pdは、減速度Gwが大きくなるに従い長くなるように、ほぼ比例した特性に設定されている。すなわち、自動ブレーキ作動時の制動距離は、空走時の車速及びブレーキ圧を一定とした場合、路面状態(雪路、アイスバーン、ドライ路面等)により変化する路面摩擦係数(路面μ)や、車重に依存される。低μ路や、車重が大きい場合の制動距離は長くなり、必然的に減速度Gwは小さくなる。
【0032】
減圧開始タイミングは、制動車間が確保された状態で設定される必要があり、従って、減速度Gwが小さい場合は制動距離が長くなるため、相対的に減圧開始距離Pdが短く設定され、逆に、減速度Gwが大きい場合は制動距離が短くなるため減圧開始距離Pdが長く設定される。
【0033】
これにより、自動ブレーキ作動時に自車両1が、後述する停止目標位置(前方障害物を基準とした停止目標距離)の手前でブレーキ圧を一旦減圧しても、自車両1を停止目標位置で停止させることが可能となる。又、上述したように、減速度Gwは路面状態、車重、ブレーキ強さに依存するため、減圧開始距離Pdを、路面μや車重を一々計測して設定する必要がなく、演算が容易となる。更に、専用のセンサ類を装備する必要がないため、部品点数の軽減による製品コストの低減を図ることができる。
【0034】
その後、ステップS10へ進み、障害物間距離L[m]が、減圧開始距離(Ls+Pd)[m]に達するまで待機する。ここで、Lsは停止している前方障害物に対して自車両1が保持すべき停止目標位置(停止目標距離)である。この停止目標距離Lsは、固定値であり、本実施形態では、Ls=1.5〜2[m]程度に設定されている。
【0035】
そして、L≦Ls+Pdに達したとき(図5の経過時間t3)、ステップS11へ進み、自動ブレーキ制御中のブレーキ圧を所定に減圧させる。尚、本実施形態では、図5に示すように、このブレーキ圧を所定比率で段階的に減圧させるようにしている。これにより、急減速時に発生する前方への大きな加速度(前G)が急激に解放されることがなくなり、揺り戻しの低減と制動距離の確保との双方を実現することができる。
【0036】
ところで、自動ブレーキ作動により発生する減速度Gwが大きい場合、停止直前の前Gにより自車両1にノーズダイブが発生し、停止時にはその反動で揺り戻しが発生する。このノーズダイブとその揺り戻しによるピッチング振動は減速度Gwが大きいほど大きくなるが、上述したように、本実施形態では、減圧開始距離Pdが減速度Gwの大きさにほぼ比例して設定されるため、減速度Gwが大きいときは、ブレーキ圧を減圧した際の車両の走行距離が長くなり、ピッチング振動を効率よく抑制させることができ、搭乗者に与える不快感が軽減され、良好な乗り心地性を得ることができる。
【0037】
その後、ステップS12へ進むと、障害物間距離Lが停止直前距離(Ls+p)に達したか否かを調べる。ここで、符号pは停止目標距離Ls手前のブレーキを再開する位置(停止ブレーキ開始距離)であり、本実施形態では、0.5[m]程度に設定されている。
【0038】
そして、障害物間距離Lが停止直前距離(Ls+p)に達したとき(図5の経過時間t4)、ステップS13へ進み、ブレーキ圧を加圧して車両を停止させ(図5の経過時間t5)、ステップS14へ進み、警報手段41に対する警報信号の出力を停止して、警報を停止させた後、ルーチンを抜ける。尚、ステップS6〜S13での処理が、本発明の自動ブレーキ制御手段に対応している。
【0039】
このように、本実施形態では、自動ブレーキが作動して自車両1を停止目標位置に停止させるに際し、自車両1の減速度Gwに基づいて減圧開始距離Pdを設定し、障害物間距離Lが減圧開始距離Pdに達したときから停止直前までブレーキ圧を減圧するようにしたので、停止前後の自車両1に発生すピッチング振動が大幅に抑制され、搭乗者に与える不快感が軽減されて、良好な乗り心地性を得ることができる。
【0040】
又、車両1に作用する減速度Gwは、路面状態、車重、ブレーキの強さ等に依存するため、この減圧開始距離Pdを設定するに際し、路面μや車重を計測し、それをバラメータとして設定する必要がなく、演算が容易となり、又、専用のセンサ類を装備する必要がないので、部品点数の削減、製品コストの低減を実現することができる。
【0041】
尚、本発明は、上述した実施形態に限るものではなく、例えば障害物間距離Lは、車載カメラ32で撮像した画像に基づいて計測する以外に、自車両1の進行方向前方を走査するレーザレーダ、ミリ波レーダ、超音波センサに基づいて計測するようにしても良い。
【符号の説明】
【0042】
1…車両、
3…車両用運転支援装置、
21…運転支援制御ユニット、
22…エンジン制御ユニット、
23…ブレーキ制御ユニット、
31a…スロットル弁、
32…車載カメラ、
43…ブレーキアクチュエータ、
43a…ブレーキホイールシリンダ、
Gw…減速度、
L…障害物間距離、
Ls…停止目標距離、
p…停止ブレーキ開始距離、
Pd…減圧開始距離、
Td…設定時間、
To…ブレーキアシスト判定時間、
TTC…衝突予測時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されて該車両の進行方向前方の走行環境を監視する前方監視手段と、
前記前方監視手段で検出した自車両前方の走行環境に基づいて前方障害物を検出すると共に前記前方障害物と前記車両との間の障害物間距離及び相対車速に基づいて衝突予測時間を求める衝突予測時間演算手段と、
前記衝突予測時間演算手段で求めた前記衝突予測時間が予め設定したブレーキアシスト判定時間を下回った場合、自動ブレーキを作動させると共に停止目標位置手前でブレーキ圧を減圧し、停止直前でブレーキ圧を加圧する自動ブレーキ制御手段と
を備える車両用運転支援装置において、
前記自動ブレーキ制御手段は、自動ブレーキ作動時の減速度に基づき、前記前方障害物との間におけるブレーキ圧の減圧開始距離を求め、前記障害物間距離が該減圧開始距離に到達したときブレーキ圧を減圧し、次いで予め設定した停止直前の停止ブレーキ開始距離に到達したとき前記ブレーキ圧を加圧する
ことを特徴とする車両用運転支援装置。
【請求項2】
前記自動ブレーキ制御手段は、自動ブレーキを作動させたときはスロットル弁を全閉にすることを特徴とする請求項1記載の車両用運転支援装置。
【請求項3】
前記自動ブレーキ制御手段は、ブレーキ圧を減圧するに際しては所定比率で段階的に減圧させることを特徴とする請求項1或いは2記載の車両用運転支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−192842(P2012−192842A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58395(P2011−58395)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】