説明

車両管理装置および車両管理システム

【課題】複数のハイブリッド車両を効率よく運用することができる車両管理装置および車両管理システムを提供する。
【解決手段】家庭や事業所に設置される車両管理装置200は、各々が蓄電装置を搭載する複数の車両に電力を供給する電力供給部203と、複数の車両の各々に搭載された記憶装置のデータを受信するデータ受信部201と、データ受信部201で受信した複数の車両に対応するデータと複数の車両目的地情報とに基づいて複数の車両のスケジューリングを行なうスケジューリング部221と、スケジューリングの結果に基づいて電力供給部203を介して複数の車両に電力を供給する電力供給制御部222とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両管理装置および車両管理システムに関し、特に各々が蓄電装置を搭載する複数の車両を管理する車両管理装置および車両管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境にやさしい車両として、電気自動車、ハイブリッド自動車および燃料電池自動車等が開発され、実用化されている。これらの車両には、モータとそれを駆動するための電源装置が搭載されている。
【0003】
このような車両のうち内燃機関と蓄電池およびモータとを動力源として併用するハイブリッド車両において、外部電源からバッテリに充電することが可能となるように構成することも検討されている。
【0004】
特開平8−37703号公報(特許文献1)は、外部充電可能なバッテリを有したハイブリッド車両を開示する。
【特許文献1】特開平8−37703号公報
【特許文献2】特開2000−285369号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
外部充電可能なハイブリッド車両は、たとえば家庭や事業所においてバッテリを満充電にしておき、バッテリに充電した電力を主として使用して走行し、バッテリに充電された電力を使用し尽くした後や、走行用モータではトルクが不足するときに燃料タンクの燃料を使用してエンジンを使用する走行を行なうことが想定される。
【0006】
しかし、そのようなハイブリッド車両を複数有する事業所や家庭では、常に満充電状態まで充電すればよいわけではなく、充電量をコントロールすればよりコストが低減できる可能性がある。
【0007】
この発明の目的は、複数のハイブリッド車両を効率よく運用することができる車両管理装置および車両管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、要約すると、車両管理装置であって、各々が蓄電装置を搭載する複数の車両に電力を供給する電力供給部と、複数の車両の各々に搭載された記憶装置のデータを受信するデータ受信部と、データ受信部から受信した複数の車両に対応するデータと複数の車両目的地情報とに基づいて複数の車両のスケジューリングを行なうスケジューリング部と、スケジューリングの結果に基づいて電力供給部を介して複数の車両に電力を供給する電力供給制御部とを備える。
【0009】
好ましくは、複数の車両の少なくとも一部は、内燃機関を搭載するハイブリッド車両であり、複数の車両に対応するデータは、対応する車両の蓄電装置の充電状態に関する情報と、燃料タンク内の燃料残量に関する情報とを含む。
【0010】
より好ましくは、車両管理装置は、車両エネルギー源のコスト情報を記憶する記憶部をさらに備える。スケジューリング部は、複数の車両に対応するデータと複数の車両目的地情報に加えてコスト情報に基づいてスケジューリングを行なう。
【0011】
好ましくは、車両管理装置は、スケジューリングの結果を表示する表示装置をさらに備える。
【0012】
好ましくは、電力供給部とデータ受信部とは、複数の車両の各々と車両管理装置とを接続する同一のコネクタを介してそれぞれ電力供給およびデータ受信を行なう。
【0013】
好ましくは、複数の車両の各々は、カーナビゲーション装置を含む。スケジューリング部は、スケジューリングの結果に基づいて複数の車両の各々のカーナビゲーション装置に経路情報を送信する。
【0014】
この発明は、他の局面に従うと、車両管理システムであって、各々が蓄電装置を搭載する複数の車両と、複数の車両を管理する車両管理装置とを備える。車両管理装置は、複数の車両に電力を供給する電力供給部と、複数の車両の各々に搭載された記憶装置のデータを受信するデータ受信部と、データ受信部から受信した複数の車両に対応するデータと複数の車両目的地情報とに基づいて複数の車両のスケジューリングを行なうスケジューリング部と、スケジューリングの結果に基づいて電力供給部を介して複数の車両に電力を供給する電力供給制御部とを含む。
【0015】
好ましくは、複数の車両の少なくとも一部は、内燃機関を搭載するハイブリッド車両であり、複数の車両に対応するデータは、対応する車両の蓄電装置の充電状態に関する情報と、燃料タンク内の燃料残量に関する情報とを含む。
【0016】
より好ましくは、車両管理装置は、車両エネルギー源のコスト情報を記憶する記憶部をさらに備える。スケジューリング部は、複数の車両に対応するデータと複数の車両目的地情報に加えてコスト情報に基づいてスケジューリングを行なう。
【0017】
好ましくは、車両管理装置は、スケジューリングの結果を表示する表示装置をさらに備える。
【0018】
好ましくは、電力供給部とデータ受信部とは、複数の車両の各々と車両管理システムとを接続する同一のコネクタを介してそれぞれ電力供給およびデータ受信を行なう。
【0019】
好ましくは、複数の車両の各々は、カーナビゲーション装置を含む。スケジューリング部は、スケジューリングの結果に基づいて複数の車両の各々のカーナビゲーション装置に経路情報を送信する。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、家庭や事業所において、複数のハイブリッド車両を効率よく運用することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態について説明するための概略ブロック図である。
図1を参照して、家庭や事業所に設置される車両管理装置200は、各々が蓄電装置を搭載する複数の車両100A〜100Nに電力を供給する電力供給部203と、複数の車両100A〜100Nの各々に搭載された記憶装置のデータを受信するデータ受信部201と、データ受信部201で受信した複数の車両100A〜100Nに対応するデータと複数の車両目的地情報とに基づいて複数の車両のスケジューリングを行なうスケジューリング部221と、スケジューリングの結果に基づいて電力供給部203を介して複数の車両100A〜100Nに電力を供給する電力供給制御部222とを備える。
【0023】
図2は、図1に示した車両管理装置と車両とを含む車両管理システムの詳細な構成を示したブロック図である。
【0024】
図2を参照して、車両100Aは、車輪308と、車輪308を駆動するモータ306と、モータ306に三相交流電力を与えるインバータ304と、インバータ304に直流電力を供給するメインバッテリ302とを含む。
【0025】
車両100Aは、さらに、エンジン309と、エンジン309から機械的動力を受けて発電する発電機307と、発電機307から出力される三相交流を直流に変換するインバータ305と、インバータ304,305の制御を行なう主制御部314とを含む。すなわち車両100Aは、駆動用にモータとエンジンとを併用するハイブリッド自動車であるが、電気自動車等にも本発明を適用することができる。
【0026】
車両100Aは、メインバッテリ302に外部から充電可能な構成を有する。すなわち車両100Aは、さらに、外部からたとえば交流100Vなどの商用電源を与える端子が設けられたコネクタ324と、コネクタ324に与えられた交流電力を直流電力に変換してメインバッテリ302に与える充電用AC/DC変換部310と、コネクタ324と充電用AC/DC変換部310とを接続するスイッチ322と、コネクタ324に車両管理装置200の充電プラグ206が接続されたことを検知するコネクタ接続検知部320と、電力線通信部316とを含む。
【0027】
なお、スイッチ322とコネクタ324とは、車両100Aを外部の電源装置と電気的に結合するための結合部としての役割を果たす。スイッチ322を作動させることによって車両と前記外部電源とが電気的に結合される。
【0028】
主制御部314は、メインバッテリ302の充電状態SOC(State Of Charge)を監視し、かつ、コネクタ接続検知部320によってコネクタ接続を検知する。主制御部314は、コネクタ324に充電プラグ206が接続された場合に充電状態SOCが所定値より低いときには、スイッチ322を開放状態から接続状態に遷移させ、充電用AC/DC変換部310を動作させてメインバッテリ302の充電を行なう。
【0029】
車両管理装置200は、各々が蓄電装置を搭載する複数の車両100A〜100Nに電力を供給する電力供給部203と、複数の車両100A〜100Nの各々に搭載された記憶装置のデータを受信するデータ受信部201と、主制御ECU208と、表示装置214と、入力装置212と、メモリ209と、外部通信インタフェース223とを含む。
【0030】
主制御ECU208は、図1で説明したスケジューリング部221および電力供給制御部222として動作する。すなわち、主制御ECU208は、データ受信部201で受信した複数の車両100A〜100Nに対応するデータと複数の車両目的地情報とに基づいて複数の車両のスケジューリングを行なうとともに、スケジューリングの結果に基づいて電力供給部203を介して複数の車両100A〜100Nに電力を供給する制御を行なう。
【0031】
電力供給部203は、交流電源202と、充電ケーブル218,219と、充電ケーブル218,219の端部にそれぞれ設けられた充電プラグ206,207と、充電ケーブル218,219に対して交流電源202をそれぞれ接続するスイッチ204,205とを含む。スイッチ204,205の開閉は、主制御ECU208によって制御される。
【0032】
データ受信部201は、車両100A〜100N側から燃料残量および充電状態SOCや給電要求などの情報を受ける電力線通信部210,211を含む。
【0033】
車両100Aは、カーナビゲーション装置330と、燃料残量検出部332と、メモリ331とをさらに含む。燃料残量検出部332で検出された燃料残量は、バッテリ302の充電状態SOCとともに、主制御部314から電力線通信部316を経由して車両管理装置200側に伝達される。車両管理装置200は、燃料残量と充電状態SOCとに基づいて給電の開始および終了を決定する。
【0034】
車両管理装置200から車両100Aに給電を行なう場合には、主制御ECU208はスイッチ204を閉じて給電を開始し、主制御部314は充電用AC/DC変換部310を動作させてメインバッテリ302に対する充電を行なう。
【0035】
充電が完了するとメインバッテリ302の充電状態SOCが目標値に到達し、これに応じて主制御部314は充電用AC/DC変換部310を停止させスイッチ322を閉状態から開状態に変化させる。そして電力線通信部316を経由して給電停止を車両管理装置200に対して要求する。すると主制御ECU208はスイッチ204を閉状態から開状態に変化させる。
【0036】
充電状態や燃料残量に関する情報送信を実行可能とするために、好ましくは、車両100Aは、コネクタ324と外部の交流電源202との間に接続される充電ケーブル218を介して故障診断に関する情報を車両外部に送信する送信部として動作する電力線通信部316を備える。電力線通信(Power Line Communications)は、PLCとして知られ、近年家庭内通信ネットワークなどにも使用されるようになってきている。
【0037】
図3は、車両管理装置200において実行される充電に関する制御を説明するためのフローチャートである。このフローチャートの処理は、所定のメインルーチンから一定時間毎または所定の条件が成立する毎に呼び出されて実行される。
【0038】
図2、図3を参照して、まず処理が開始されると、ステップS1において主制御ECU208は、外部通信インタフェース223を用いてインターネットなどの外部情報源と通信を行ない、電力情報(単位電力あたりコスト、またはCO2量)の取得を行なう。
【0039】
図4は、ステップS1で取得される電力情報の一例を示した図である。
図4を参照して、時刻6〜8時において、キロワットアワーあたりの電力コストは、K1(円)であり、またCO2排出量はM1(g)である。時刻8〜20時において、キロワットアワーあたりの電力コストは、K2(円)であり、またCO2排出量はM2(g)である。時刻20〜22時において、キロワットアワーあたりの電力コストは、K3(円)であり、またCO2排出量はM3(g)である。時刻22〜6時において、キロワットアワーあたりの電力コストは、K4(円)であり、またCO2排出量はM4(g)である。
【0040】
このように、時間帯によって異なるコストやCO2排出量の情報が外部のデータベースから取得される。または、予め外部のデータベースからインターネット等を経由して取得されたデータがメモリ209に蓄積されており、ステップS1においてメモリ209からこのデータを読み出すようにしても良い。
【0041】
続いて、図3のステップS2において、主制御ECU208は、外部通信インタフェース223を用いてインターネットなどの外部情報源と通信を行ない、燃料情報(単位量あたりコスト、および補給可能場所)の取得を行なう。
【0042】
図5は、ステップS2で取得される燃料情報の一例を示した図である。
図5を参照して、ガソリンスタンドG1において、1リットルあたりの販売価格は、Q1(円)であり、またそのガソリンスタンドの場所はP1である。ガソリンスタンドG2において、1リットルあたりの販売価格は、Q2(円)であり、またそのガソリンスタンドの場所はP2である。ガソリンスタンドG3において、1リットルあたりの販売価格は、Q3(円)であり、またそのガソリンスタンドの場所はP3である。ガソリンスタンドG4において、1リットルあたりの販売価格は、Q4(円)であり、またそのガソリンスタンドの場所はP4である。なお、場所P1〜P4の各々は、たとえば緯度および経度で規定される。
【0043】
次に、図3のステップS3において、主制御ECU208は、ドライバD1,D2,D3・・・のスケジュールを取得する。ドライバD1,D2,D3・・・は、たとえば、家庭では家族であり、事業所では、車両を使用する外回り社員等である。
【0044】
図6は、ステップS3で取得されるスケジュール情報の一例を示した図である。
図6を参照して、ドライバD1の目的地はR1であり、到着予定時刻がT1であることが示され、ドライバD2の目的地はR2であり、到着予定時刻がT2であることが示され、ドライバD3の目的地はR3であり、到着予定時刻がT3であることが示されている。
【0045】
これらドライバのスケジュールは、たとえば、前日の充電開始時までに図2の入力装置212から入力され、メモリ209に保持されている。そしてステップS3においてメモリ209からスケジュールが読み出される。なお、ドライバのスケジュールは複数の目的地を含むものであっても良い。
【0046】
次に図3のステップS4において、主制御ECU208によって、ドライバD1,D2,D3の目的地に対応する走行道順が計画される。走行道順の計画については、カーナビゲーション装置で通常実行されていることであるので、ここでは詳しい説明は行なわない。
【0047】
続いてステップS5において、主制御ECU208は、電力線通信部210、充電ケーブル218および電力線通信部316を経由して主制御部314と通信を確立し、メモリ331に蓄積されている車両情報を取得する。
【0048】
すなわち、好ましくは、複数の車両100A〜100Nの少なくとも一部は、内燃機関であるエンジン309を搭載するハイブリッド車両である。データ受信部201で受信した複数の車両に対応するデータは、対応する車両の蓄電装置であるメインバッテリ302の充電状態SOCに関する情報と、燃料残量検出部332で検出された燃料タンク内の燃料残量に関する情報とを含む。これらの情報がメモリ331に蓄積され、燃料や充電状態の減少に応じて更新されている。
【0049】
図7は、ステップS5で取得される車両情報の一例を示した図である。
図7を参照して、車両100A〜100Nの充電状態は、それぞれSOC(A)〜SOC(N)であり、車両100A〜100Nの燃料残量はそれぞれRF(A)〜RF(N)であることが示されている。
【0050】
続いて、図3のステップS6においては、主制御ECU208はスケジューリング部としての動作を行なう。
【0051】
より好ましくは、車両管理装置200は、車両エネルギー源のコスト情報を記憶する記憶部であるメモリ209をさらに備える。スケジューリング部は、複数の車両に対応するデータと複数の車両目的地情報に加えてコスト情報に基づいてスケジューリングを行なう。
【0052】
たとえば、ドライバD1,D2,D3・・・各々の走行道順計画と、車両100A〜100Nと、充電量(充電せず/フル充電/ハーフ充電)の総組み合わせについて、走行シミュレーションをして、総コストまたはCO2排出量が低減される最適な組み合わせが決定される。
【0053】
そして、ステップS7では、各車両が最適な充電状態となるように、充電が実行される。たとえば、目的地が高速走行を経て到着する場所であれば、エンジンを運転するハイブリッド走行を行なえばよいのでバッテリを満充電にするまでもない。この場合充電状態SOCは20%程度でも十分であるが、燃料は十分搭載しているほうが好ましい。一方、渋滞しがちな市街地を経て到着する場合であれば、エンジンを運転しない電気自動車としての走行(EV走行)が主体となるのでバッテリを満充電にしたほうが効率的である。この場合は、燃料を多く搭載している必要はなく燃料の重量が少ないほうがエネルギ効率が良い場合もある。このような事情を考慮した走行シミュレーションが行なわれ、総コストまたはCO2排出量が低減される最適な組み合わせが決定される。
【0054】
続いてステップS8では、主制御ECU208は、各車両のカーナビゲーション装置に走行道順を設定する。
【0055】
すなわち、複数の車両100A〜100Nの各々は、カーナビゲーション装置330を含む。図1のスケジューリング部221として動作する主制御ECU208は、スケジューリングの結果に基づいて複数の車両の各々のカーナビゲーション装置330に経路情報を送信する。この送信は、電力線通信部210,316を介して行なわれる。
【0056】
さらに、ステップS9では、主制御ECU208は、家庭または事業所内の配車指示表示器にてドライバD1,D2,D3・・・に車両の配車指示を行なう。この配車表示器として、図2の表示装置214が使用される。
【0057】
すなわち、車両管理装置200は、スケジューリングの結果を表示する表示装置214をさらに備える。これによって、各ドライバは、自分がどの車両に乗ればよいのかを知ることができる。
【0058】
ステップS9の処理が終了すれば、ステップS10でこのフローチャートの処理が終了する。
【0059】
図8は、燃料残量が少ない車両に対する給油指示に関する制御を説明するためのフローチャートである。なお、図8のフローチャートの処理は、図3のフローチャートのステップS6において呼び出されて実行される。
【0060】
図3、図8を参照して、ステップS5で車両の情報が車両管理装置200側で受信されると、ステップS21において燃料残量が所定値(たとえば7リットル)以下の車両があるか否かが判断される。ステップS21において、燃料が所定値以下でなければ、給油の必要が無いので処理はステップS24に進み、制御は図3のフローチャートに移される。
【0061】
ステップS21において燃料残量が所定値(たとえば7リットル)以下の車両があった場合、ステップS21からステップS22に処理が進む。
【0062】
ステップS22では、図3のステップS4で仮決定されたドライバD1,D2,D3・・・の走行道順計画よりガソリンスタンド近くを通過するものを選択する。ガソリンスタンドは、ステップS2で取得された燃料情報の中から、燃料単価が安いスタンドが優先される。
【0063】
そして、ステップS23では、車両管理装置200側では、家庭または事業所内に設置された配車指示表示器によって、該当ドライバにガソリンスタンドでの給油が指示される。また、このとき、走行道順にガソリンスタンドを組み込む補正が行なわれる。車両100A〜100N側では、走行開始時にカーナビゲーションの車両モニタ画面によって、ドライバに給油予定を通知しても良い。
【0064】
ステップS23の処理が終了すると、ステップS24に処理が進み、制御は図3のメインルーチンに移される。
【0065】
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、複数の外部充電可能なハイブリッド車両を所有する家庭や事業所などにおいて、効率的な充電が実行できる。
【0066】
好ましくは、電力供給部203とデータ受信部201とは、複数の車両100A〜100Nの各々と車両管理装置200とを接続する同一のコネクタ324を介してそれぞれ電力供給およびデータ受信を行なう。
【0067】
そして、車両管理装置200側で、電力の情報や燃料の情報を集めておき、これに基づいて配車が決定される。本実施の形態の車両管理システムは、車両側で車両走行中に情報を集めるよりも安定して情報をやり取りできる。また、情報のやり取りと電力のやり取りとを併せて行なうことができるので、両操作間にタイミングのずれが少なく、より正確にスケジューリングを行なうことが可能となる。
【0068】
さらに、エネルギーの現在の市況を反映させたコストを反映させることにより、より高度なスケジューリングが可能となる。たとえば、深夜電力を利用して充電することが可能か、ガソリン価格が現在高騰しているのか、等に基づいてスケジューリングを変えて最適化することが可能となる。
【0069】
また、車両側のナビゲーション装置に、車両管理装置でスケジューリングされた結果車両に割り当てられた経路情報を、電力線を通じて充電時に自動的に設定する。このため、ドライバのカーナビゲーション設定に要する手数が削減される。
【0070】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施の形態について説明するための概略ブロック図である。
【図2】図1に示した車両管理装置と車両とを含む車両管理システムの詳細な構成を示したブロック図である。
【図3】車両管理装置200において実行される充電に関する制御を説明するためのフローチャートである。
【図4】ステップS1で取得される電力情報の一例を示した図である。
【図5】ステップS2で取得される燃料情報の一例を示した図である。
【図6】ステップS3で取得されるスケジュール情報の一例を示した図である。
【図7】ステップS5で取得される車両情報の一例を示した図である。
【図8】燃料残量が少ない車両に対する給油指示に関する制御を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0072】
100A〜100N 車両、200 車両管理装置、201 データ受信部、202 交流電源、203 電力供給部、204,205,322 スイッチ、206,207 充電プラグ、208 主制御ECU、209,331 メモリ、210,211,316 電力線通信部、212 入力装置、214 表示装置、218,219 充電ケーブル、221 スケジューリング部、222 電力供給制御部、223 外部通信インタフェース、302 メインバッテリ、304,305 インバータ、306 モータ、307 発電機、308 車輪、309 エンジン、310 充電用AC/DC変換部、314 主制御部、316 電力線通信部、320 コネクタ接続検知部、324 コネクタ、330 カーナビゲーション装置、332 燃料残量検出部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が蓄電装置を搭載する複数の車両に電力を供給する電力供給部と、
前記複数の車両の各々に搭載された記憶装置のデータを受信するデータ受信部と、
前記データ受信部で受信した前記複数の車両に対応するデータと複数の車両目的地情報とに基づいて前記複数の車両のスケジューリングを行なうスケジューリング部と、
前記スケジューリングの結果に基づいて前記電力供給部を介して前記複数の車両に電力を供給する電力供給制御部とを備える、車両管理装置。
【請求項2】
前記複数の車両の少なくとも一部は、内燃機関を搭載するハイブリッド車両であり、
前記複数の車両に対応するデータは、
対応する車両の蓄電装置の充電状態に関する情報と、
燃料タンク内の燃料残量に関する情報とを含む、請求項1に記載の車両管理装置。
【請求項3】
車両エネルギー源のコスト情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記スケジューリング部は、前記複数の車両に対応するデータと複数の車両目的地情報に加えて前記コスト情報に基づいて前記スケジューリングを行なう、請求項2に記載の車両管理装置。
【請求項4】
前記スケジューリングの結果を表示する表示装置をさらに備える、請求項1に記載の車両管理装置。
【請求項5】
前記電力供給部と前記データ受信部とは、前記複数の車両の各々と前記車両管理装置とを接続する同一のコネクタを介してそれぞれ電力供給およびデータ受信を行なう、請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両管理装置。
【請求項6】
前記複数の車両の各々は、
カーナビゲーション装置を含み、
前記スケジューリング部は、前記スケジューリングの結果に基づいて前記複数の車両の各々のカーナビゲーション装置に経路情報を送信する、請求項1に記載の車両管理装置。
【請求項7】
各々が蓄電装置を搭載する複数の車両と、
前記複数の車両を管理する車両管理装置とを備え、
前記車両管理装置は、
前記複数の車両に電力を供給する電力供給部と、
前記複数の車両の各々に搭載された記憶装置のデータを受信するデータ受信部と、
前記データ受信部から受信した前記複数の車両に対応するデータと複数の車両目的地情報とに基づいて前記複数の車両のスケジューリングを行なうスケジューリング部と、
前記スケジューリングの結果に基づいて前記電力供給部を介して前記複数の車両に電力を供給する電力供給制御部とを含む、車両管理システム。
【請求項8】
前記複数の車両の少なくとも一部は、内燃機関を搭載するハイブリッド車両であり、
前記複数の車両に対応するデータは、
対応する車両の蓄電装置の充電状態に関する情報と、
燃料タンク内の燃料残量に関する情報とを含む、請求項7に記載の車両管理システム。
【請求項9】
前記車両管理装置は、
車両エネルギー源のコスト情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記スケジューリング部は、前記複数の車両に対応するデータと複数の車両目的地情報に加えて前記コスト情報に基づいて前記スケジューリングを行なう、請求項8に記載の車両管理システム。
【請求項10】
前記車両管理装置は、
前記スケジューリングの結果を表示する表示装置をさらに備える、請求項7に記載の車両管理システム。
【請求項11】
前記電力供給部と前記データ受信部とは、前記複数の車両の各々と前記車両管理システムとを接続する同一のコネクタを介してそれぞれ電力供給およびデータ受信を行なう、請求項7〜10のいずれか1項に記載の車両管理システム。
【請求項12】
前記複数の車両の各々は、
カーナビゲーション装置を含み、
前記スケジューリング部は、前記スケジューリングの結果に基づいて前記複数の車両の各々のカーナビゲーション装置に経路情報を送信する、請求項7に記載の車両管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−298537(P2008−298537A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−143855(P2007−143855)
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】