説明

車両遠隔測定データを送信するのに使用される車両タグ、車両遠隔測定データを送信するシステムおよび方法

車両タグ(20)に、車両OBD(on−board diagnostic)システムの診断ジャックに接続するためのハウジング(22)によって支持されたハウジング(22、28)およびタグコネクタ(24)が含まれる。タグ送信器(34)が、ハウジング(22、28)によって担持され、OBDシステムから遠隔測定データを受け取り、遠隔測定データをRFパルスで送信するためにタグコネクタ(24)と共に動作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2003年5月28日出願の同時係属の米国予備出願第60/473805号に基づくものである。
本発明は、通信の分野に関し、具体的には、車両遠隔測定データの送受信および関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レンタカー代理店でなど、車両遠隔測定データを収集し送信する、さまざまな提案が行われてきた。これは、レンタカーのチェックインをはかどらせるはずである。たとえば、車両走行距離は、車載コンピュータを介して走行距離計を読み取り、燃料残量を確かめることによって入手することができる。レンタカー返却を、レンタカー代理店で自動化し、基地局に送信することができる。
【0003】
一部の従来技術の提案では、車載コンピュータに接続されたトランスポンダに質問する質問ビーコンが使用され、この車載コンピュータは、トランスポンダの送信器をアクティブ化し、燃料残量、走行距離、および他の車両データに関するデータを送信する。これらのシステムは、トランスポンダのアクティブ化について質問ビーコンに頼る。また、一部のシステムは、洗練されたインターフェースを介して車載コンピュータに直接に接続される。このインターフェースが、システム全体にコストを追加する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、上で示したように質問され、車両データを送信する車両トランスポンダの短所を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、車両タグが、ハウジングと、車両OBD(on−board diagnostic)システムの診断ジャックへの接続のためにハウジングによって支持されたタグコネクタとを有する。タグ送信器が、ハウジングによって担持され、OBDシステムから遠隔測定データを受け取り、RFパルスで遠隔測定データを送信するようにタグコネクタと共に動作する。タグコネクタは、J1962互換コネクタを含むことが好ましい。
【0006】
本発明の1態様では、RFパルスに、遠隔測定データを符号化された擬似ランダムスペクトル拡散(pseudorandom spread spectrum)RF信号が含まれる。タイマ回路を、RFパルスの送信のタイミングを指定するのに使用することができ、このタイミング指定は、判定されたアイドルモード、車両オフモード、車両移動中モード、または車両オンモードに基づくものとすることができる。タグ送信器は、OBDシステムから受け取られた車両識別番号(vehicle identification number、VIN)を送信するようにも動作する。タグ送信器は、受け取ったVINに基づいて、異なる車両バスプロトコルと共に動作することができる。これらのバスプロトコルは、J1850DPWネットワーク標準規格、PWMネットワーク標準規格、CAN(controlled area network)ネットワーク標準規格、SCPネットワーク標準規格、またはISOネットワーク標準規格のうちの1つに準拠するものとすることができる。
【0007】
本発明のもう1つの態様では、OBDシステムに、OBD−II(on−board diagnostic system generation II)が含まれる。タグ送信器は、車両診断コードを送信するように動作することもできる。タグ送信器は、タグコネクタを介してOBDシステムから受け取られる電流から電力を与えられることが好ましい。タグ送信器を、OBDシステムの診断ジャックへのタグコネクタの最初の接続時にオンにトリガすることができる。遠隔測定データに、走行距離計データおよび燃料残量データも含めることができる。
【0008】
本発明のもう1つの態様では、マイクロコントローラが、タグコネクタに接続され、車両識別番号(VIN)および遠隔測定データをOBDシステムから受け取り、VINに基づいて、どの車両バスプロトコルを使用するかを決定する。メモリが、マイクロコントローラと共に、異なる車両バスプロトコルに関するデータを保管するように動作して、マイクロコントローラと、異なる車両バスプロトコルを有する車両のOBDシステムとの間の通信を可能にすることができる。
【0009】
本発明によれば、システムが、受信された遠隔測定データのさらなる処理のために車両タグから送信されたRFパルスを受信するように位置決めされた受信器に、車両タグを使用して車両遠隔測定データを送信する。この受信器は、1つの非制限的な例のみとして、レンタカー代理店でRFパルスを受信するように位置決めすることができる。
【0010】
方法も示す。
本発明の他の目的、特徴、および利益は、添付図面に鑑みて検討される時の、次の本発明の詳細な説明から明白になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
これから、本発明を、本発明の好ましい実施形態を示す添付図面を参照して、より完全に説明する。しかし、本発明は、多数の異なる形で実施することができ、本明細書に示された実施形態に制限されると解釈してはならない。そうではなく、これらの実施形態は、この開示が完全になり、本発明の範囲を当業者に完全に伝えるようにするために提供されるものである。同一の符号は、同一の要素を指し、プライム表記法が、代替実施形態の類似する要素を示すのに使用される。
【0012】
図1から3は、本発明の車両タグ20の透視図である。図4は、基本構成要素を示す、車両タグ20の分解透視図である。車両タグ20には、米国カリフォルニア州サンタクララのWhereNet Corporation社が製造するWhereNetタグ送信器に見られる標準的なテクノロジが組み込まれている。例が、本願の譲受人に譲渡された、参照によって組み込まれている、米国特許第5920287号明細書、米国特許第5995046号明細書、米国特許第6121926号明細書、米国特許第6127976号明細書、米国特許第6268723号明細書、米国特許第6317082号明細書、米国特許第6380894号明細書、米国特許第6434194号明細書、米国特許第6502005号明細書、米国特許第6593885号明細書、米国特許出願第2002/0094012号明細書、米国特許出願第2002/0104879号明細書、および米国特許出願第2002/0135479号明細書に開示されている。
【0013】
車両タグ20は、上で識別された発行された特許および公告された特許出願に記載のタグに似た形で動作する。車両タグ20は、OBD(on−board diagnostic)システム、具体的にはOBD−IIと称する第2世代システムから受け取った情報を符号化されたRF信号の短い持続時間の広帯域(スペクトル拡散)パルスを送信または「ブリンク」することができる。車両タグは、特に、レンタカー代理店または類似する位置、たとえばフリートアプリケーションで動作する。車両タグに、発振器を含めることができ、この発振器の出力が、参照によって組み込まれた特許に記載のように、第1の「低速」擬似ランダムパルスジェネレータおよびストローブパルスジェネレータまたは他の回路に供給される。これには、タイマおよび遅延回路と受信器回路を含めることができる。高速PN拡散シーケンスジェネレータを、水晶発振器と共に含めることができ、この水晶発振器は、位相ロックループ(PLL)に基準周波数を供給して、指定された出力周波数、たとえば2.4GHzの出力周波数を確立する。ミキサおよび出力を、車両タグメモリと共に含めることができ、この車両タグメモリには、下で詳細に説明するように、車両バスパラメータを含むデータベースを含めることができる。
【0014】
本発明では、車両タグに、WhereNet社に譲渡された特許の一部に開示された磁気受信器を含める必要がないが、マイクロコントローラ、車載診断コネクタ(タグコネクタ)、およびさまざまな車両プロトコルと共に動作する少なくとも1つのトランシーバが含まれる。本発明の車両タグ20の基本構成要素は、図4の分解透視図に示されており、この図には、ハウジング基部22、プリント回路基板26にはんだ付けされ、ハウジング基部22内に含まれるタグコネクタ24、およびハウジングカバー28が含まれる。タグコネクタ24は、通常、OBD−IIシステムへの接続用のJ1962OBD−II互換コネクタであるが、使用される車両および/またはOBDの設計に応じて、他のタグコネクタを使用することができる。LED 30が、車両タグを示し、カバー28動作内のLED開口を介して可視であり、プリント回路基板26に取り付けられている。プリント回路基板26に、マイクロコントローラ32と、必要なトランシーバおよび関連構成要素34が含まれる。マイクロコントローラ32は、車両OBD−IIシステムへのコネクタ24を介して車両と通信して、走行距離、燃料、速度、エンジン状態、および遠隔測定データを構成する他のパラメータなどの遠隔測定情報を収集する。このシステムは、この情報を車両タグのCMOS特定用途向け集積回路(ASIC)に直接に送り、このASICは、車両タグに、上で識別された特許に記載のブリンクに似た形で、遠隔測定をブリンクさせる。
【0015】
車両タグは、米国カリフォルニア州サンタクララのWhereNet Corporation社が製造する現在のWhereNet Wheretag IIIアーキテクチャの派生物である。車両タグ30は、前に説明したように、コネクタとしての車両バスインターフェース、コントローラ、およびトランシーバを含む、動作に必要な電子構成要素を含む単一のアセンブリである。車両タグ20は、識別情報および診断情報に関する車両バスデータの照会をサポートする。本発明の車両タグは、通常、J1850仕様に準拠するバスに使用されるが、新たに開発されるCANまたは他の車両バス仕様と互換とすることもできる。
【0016】
タグコネクタ24は、通常は車両ダッシュの下に配置されるJ−1962車両診断ジャックと互換であることが好ましい。車両タグ20に使用されるソフトウェアは、データパケットを受け入れ、処理し、転送するように動作する、WhereNet Corporation社が製造し販売するVisibility Server Software Suiteと互換とすることもできる。プログラミングモジュールを、ポータブルデータ端末(PDT)に取り付けて、車両パラメータおよびファームウェアアップグレードを車両タグにロードすることができる。
【0017】
本発明の車両タグ20は、現在のWheretag IIIアーキテクチャのすべての機能(可能な場合に磁気受信器がないことを除く)を含み、OBD診断ジャックを介して、J−1850、ISO−K、CAN、およびすべての変形形態を含む車両バスにインターフェースすることができる。車両タグ20は、車両識別番号(VIN)、走行距離計、燃料残量、エンジン動作、および/または診断コード(DTC)を読み取ることができる。車両タグ20は、範囲外で切断された場合であっても、システムに通知するために切断を検出することができる。車両タグ20は、高速送信モードで動作する走行距離計または他の回路に対する車両移動を検出することができる。車両タグは、診断ジャックを介するOBD−IIへの車両電気系統によって電力を与えられることが好ましい。車両タグは、通常、下で詳細に説明するように、車両への「接続」によってトリガされる非ブリンク状態で向上から出荷される。有線または無線の方法および回路が、プログラミングモジュールを有するハンドヘルド端末を使用することによって、マイクロコントローラ用のフラッシュメモリを再プログラムすることができる。ハードウェア内およびファームウェア内などの車両番号を、メッセージ内で適度な速度で送信することができる。キーオンおよび移動を検出することが可能である。
【0018】
図1〜4からわかるように、本発明の車両タグは、タグコネクタ24、タグハウジング基部23、およびカバー28を1つのモジュラユニットとして含む単一のアセンブリである。追加のケーブル延長を使用して、ジャックの突飛な配置を有する車両に接続することができる。車両タグは、J−1962コネクタに接続されることが好ましい。入力電圧をパススルーして、車両タグに電力を供給することができる。公称電圧、たとえばSAE J1211は、14.2Vであり、24Vジャンプスタートで動作し、コールドクランキング(cold cranking)中に4.5Vである。車両タグは、ヒューズを使用するバッテリへの直接接続であることが好ましい。SAEJ 1211、Section 14.11に、それに対してタグを設計できる過渡性が定義されている。車両タグは、通常、ほこりおよび雨に対して密封され(IP 54)、5%から99%までの湿度レベルで動作する。車両タグは、振動仕様に関してSAEに合わせて設計される。車両タグは、の300からの2.0K抵抗を介して15キロボルトを有し、「動作異常(operating anomaly)」を許容する。車両タグは、−30℃から+70℃までの動作温度範囲について設計され、約−35℃から約+85℃までの保存温度範囲を含むことが好ましい。車両タグは、CE認証の要件に準拠し、EU諸国での使用に関して「e」マークされる。本発明の1態様では、ハウジング基部22およびカバーが、1例で、約61.21×41.91×1.83mm(2.410×1.64×0.720インチ)である。
【0019】
機能性に関して、本発明の車両タグ20のRF構成要素は、引用によって組み込まれた特許で説明されているWhereNet Real−Time Locating System(RTLS)の一部であるWhereTag IIIデバイスと同一の機能性を有する。タグ20は、全世界で受け入れられている2.4GHz周波数帯で動作し、2mW未満で、戸外で300mを超えてスペクトル拡散信号を送信することができる。タグ20は、資産およびリソースの管理を可能にする統合ソフトウェアパッケージとしてWhereNet Corporationが提供するVisibility Service SoftwareならびにWhereNet Real−Time Locating Systemと共に動作する。
【0020】
Visibility Service Softwareは、構成ツール、診断、システムアラートツール、インターフェースマネージャツール、およびインストールツールを含めることができる分散Windows(登録商標)サービスである。このソフトウェアパッケージは、電子メール通知およびポケットベル通知を可能にする。SNMP MIB定義拡張を含めることができ、RTLSシステムをエンタープライズ標準ITインフラストラクチャの一部として管理できるようになる。ソフトウェアランチャが、動作、管理、診断、インストール、およびドキュメンテーションの単一エントリ点およびソフトウェアモジュールを提供することができる。どの管理モジュールも、テスト環境に合わせたRTLSシステムの構成を可能にするツールを提供することができる。車両タグ20は、もちろん、RTLSシステムなしで動作し、レンタカー代理店で、非常に近接して、および類似する応用例で使用することができる。
【0021】
ユーザは、特定のアラートによって誰がどのように通知されるかを構成することができる。診断モジュールに、RTSLのヘルスおよび状況の監視とデータ獲得モジュールのモニタ動作を可能にするツールならびに物理ハードウェアのヘルスおよび状況を監視するツールを含めることができる。インストールモジュールおよびドキュメンテーションモジュールのすべてが、RTLSシステムのインストールおよび最初の構成中に使用されるツールである。インストール、動作、およびトラブルシューティングが含まれる。
【0022】
近接通信デバイスを、本発明の車両タグに関連して使用することができ、この近接通信デバイスは、WhereNet Corporation社が製造するものなどのWherePortデバイスとすることができる。このデバイスは、車両タグをトリガし、異なる「ブリンク」パターンを送信するか他の機能を創作するのに使用される。
【0023】
本発明の車両タグは、問題が存在するかどうかを判定するOBD−II(On−Board Diagnostic System, Generation II)と共に動作する。OBD−IIは、車両コンピュータのメモリに保管された対応する「診断トラブルコード」と、問題が検出された時に点灯するダッシュボード上の特殊なランプ(MIL(malfunction indicator lamp)と称する)を有する。より新しい車両のエンジンは、電子制御され、センサおよびアクチュエータが、酸素センサなどの特定の構成要素の動作を感知し、燃料インジェクタなどの他の構成要素を作動させて、最適エンジン制御を維持する。「PCM(power train control module)」または「ECM(engine control module)」が、車載コンピュータとしてシステムを制御し、この車載コンピュータは、センサおよびアクチュエータを監視し、それらが意図された通りに働いているかどうかを判定する。車載コンピュータは、さまざまなセンサおよびアクチュエータの誤動作および劣化を検出し、本発明の車両タグが接続されるジャックを介してアドレッシングされることができる。
【0024】
本発明の車両タグ20は、異なる車両タグエレクトロニクスおよびOBD−IIシステムと共に動作する。OBD−II(On−Board Diagnostics Phase II)は、以前の世代のシステムと比較して、高められた処理能力、機能強化されたアルゴリズム、および改善された制御を有する。異なるネットワーク標準規格が使用される。これには、GM(Class II)およびChrysler(J1850)によって使用されるJ1850VPWが含まれる。VPW(variable pulse width)モードが、時々、トヨタおよびホンダと共に使用され、単一のワイヤを介して10.4Kbpsで動作する。J1850PWMは、Ford(Standard Corporate Protocol、SCP)によって使用され、時々マツダおよび三菱によって使用される。SCPは、2ワイヤ平衡信号を介して41.6Kbpsである。ISO 9141およびISO 9141−2(ISO 9141 CARB)が、時々Chrysler製品およびマツダ製品に使用され、欧州でより一般的に使用される。これは、単一ワイヤを介して10.4Kbpsで動作する。
【0025】
ネットワークプロトコルは、非互換であり、特定のメッセージに使用されるアプリケーション層と共に物理層およびデータリンク層を記述する。本発明の車両タグ20に、異なるプロトコルと共に動作するのに必要なマイクロコントローラ22と車両タグメモリに保管された車両データベースおよびアルゴリズムが含まれる。CAN(controller area network)は、データリンク層およびアプリケーション層に対処することができるが、物理層または速度パラメータに対処しない。CANは、高速(ISO 1898)および低速(ISO 11519)として動作する。J1850VPW実施形態および単一ワイヤCANを使用するClass II GM実施形態とSCPが使用されてきた。本発明の車両タグは、device net、J1939、J1708、TTP(time triggered protocol)、ITSデータバス、およびPCタイプのネットワークと共に使用するために適合させることができる。J1850VPW(variable pulse width)モードは、J1850仕様に見られるシンボルを有し、公称10.4Kbpsで動作する。これは、グラウンド基準およびグラウンド電位としてのバスアイドル「ロウ」を有する単一ワイヤである。バス「ハイ」は、1例で、+7Vであり、判断閾値として+3.5Vで動作する。バス「ハイ」は、支配的であり、0のビットを有する。通常、メッセージは、巡回冗長検査(CRC)バイトおよびIFRバイトを含めて12バイトまでに制限される。CSMA/NDA(carrier sense multiple access with non−destructive arbitration)を使用することができる。J1850PWM(Pulse Width Modulation)は、J1850仕様で定義されたシンボルを有し、41.6Kbpsを使用する。これは、参照されるグラウンド基準であり、支配的状態として+5Vのバス「ハイ」を有する2ワイヤ差動信号を使用することができる。
【0026】
本発明の車両タグは、ISO 9141−2標準規格と共に動作することもでき、この規格は、UARTベースであり、10.4Kbpsで動作する。K線が、グラウンド基準として必要であり、普通の通信に使用される。L線は、参照されるグラウンドとすることができる。
【0027】
本発明の車両タグは、インストールおよびデインストールが簡単であるように設計され、車両識別、燃料、および走行距離に関するデータを送信することによって、燃料費回復および走行距離計検証用の802.11遠隔測定アプリケーションおよび802.11位置アプリケーションを使用することができる。レンタカー応用例で、これによって、より素早いチェックインに関する顧客経験が改善され、人件費が減り、資産使用が改善される。車両タグ20は、ウェブ対応とすることができる。
【0028】
図5〜12は、本発明の車両タグ20の高水準動作を示し、車両タグが最初に接続された時、車両タグが動作している時、車両がオンモード、オフモード、移動中モード、またはアイドルモードあるいは他の動作モードである時の車両タグの機能およびそのブリンク動作を示す流れ図である。
【0029】
図5は、車両タグが車両に最初に接続された時(ブロック200)の車両タグの動作および「ブリンク」状態を示す第1の流れ図である。この時に、3つのスイッチブリンクが発生する(ブロック202)。タグIDが赤であり(ブロック204)、有効なIDが判定される(ブロック206)。IDが有効でない場合には、タグIDをもう一度読み取る(ブロック204)。有効なIDが発生した場合には、タグを構成し(ブロック208)、J1850VPW車両識別(VIN)要求を1秒ごとに送信して、VINを判定する(ブロック210)。有効な応答が受信されない場合に(ブロック212)、10秒を時間期間として使用し、この非制限的な例では、それが満了した場合に(ブロック214)、ISO−Kで、車両識別番号要求を1秒ごとに送信する(ブロック216)。10秒が満了していない場合には、J1850VPW VIN要求を1秒ごとに送信する(ブロック210)。ISO−K要求が送信され、有効な応答が受信されていない場合に(ブロック218)、10秒をセットし(ブロック220)、これが満了していない場合には、ISO−Kをもう一度送信する(ブロック216)。10秒が満了した場合には、J1850VPWを送信する(ブロック210)。J1850VPWまたはISO−Kのどちらが送信された場合でも、有効な応答がある場合に(ブロック212および218)、車両プロトコルをデータベースから選択する(ブロック222)。車両識別番号を車両タグに書き込み、2つのVINブリンクが発生する(ブロック224)。20秒タグタスクタイマを開始する(ブロック226)。10分スリープタイマを開始する(ブロック228)。遠隔測定要求を1秒ごとに送信する(ブロック230)。
【0030】
この時点で、車両が走っているかどうかの判定を行う(ブロック232)。車両が走っている場合には、車両オン状況を維持する(ブロック234)。車両が走っていない場合には、10分をセットする(ブロック236)。この時間期間が満了していない場合には、遠隔測定要求を1秒ごとに送信する(ブロック230)。10分が満了した場合には、車両タグはスリープモードに入る(ブロック238)。
【0031】
たとえば車両タグが切り離された時の、車両タグの切離し動作を図11に示す。車両タグが始めて切り離された時に(ブロック240)、3つのスイッチブリンクが発生し(ブロック242)、サイクルが終了する(ブロック244)。
【0032】
図7は、車両がオンである時(ブロック234)の車両タグの機能を示す流れ図である。車両タグが、車両がオンであると判定したならば、遠隔測定要求を1秒ごとに送信する(ブロック250)。20秒タイマが満了したかどうかの判定を行う(ブロック252)。満了していない場合には、遠隔測定要求を1秒ごとに送信する(ブロック250)。20秒タイマが満了した場合には、車両が移動しているかどうかの判定を行う(ブロック254)。車両が移動している場合には、車両タグは、車両移動中状況に入る(ブロック256)。
【0033】
車両が移動していない場合には、車両がオフであるかどうかの判定を行う(ブロック258)。車両がオフである場合には、車両タグは、車両オフ状況モードに入る(ブロック260)。車両がオフでない場合には、WhereNetによって製造されたWherePortポートデバイスなどの近接通信デバイスがアクティブをブリンクしたかどうかの判定を行う(ブロック262)。そうである場合には、このサイクルを繰り返す。そうでない場合には、2つの遠隔測定ブリンクと共に、遠隔測定をタグに書き込む(S=1)(ブロック264)。20秒タグタスクタイマを開始する(ブロック266)。遠隔測定要求を1秒ごとに送信する(ブロック268)。20秒タイマが満了したかどうかの判定を行う(ブロック270)。満了していない場合には、遠隔測定要求を1秒ごとに送信する(ブロック268)。
【0034】
車両が移動しているかどうかの判定を行い(ブロック272)、そうである場合には、車両移動中状況モードに入る(ブロック256)。そうでない場合には、車両がオフであるかどうかの判定を行う(ブロック274)。そうである場合には、車両オフモードに入る(ブロック260)。そうでない場合には、近接通信デバイスがアクションをブリンクするかどうかの判定を行い(ブロック276)、そうである場合には、このサイクルを繰り返す。そうでない場合には、車両識別番号を、2つのVINブリンクを示すものとしてタグに書き込む(ブロック278)。
【0035】
20秒タイマを、タグタスクタイマとして開始する(ブロック280)。この時に、遠隔測定要求を1秒ごとに送信する(ブロック282)。20秒タイマが満了したかどうかの判定を行い(ブロック284)、そうでない場合には、このサイクルを繰り返す。そうである場合には、車両が移動しているかどうかの判定を行い(ブロック286)、そうである場合には、車両移動中モードに入る(ブロック256)。そうでない場合には、車両がオフであるかどうかの判定を行い(ブロック288)、そうである場合には、車両オフモードに入る(ブロック260)。
【0036】
近接通信デバイスがアクティブをブリンクするかどうかの判定を行い(ブロック290)、そうである場合には、このサイクルを繰り返す。そうでない場合には、遠隔測定をタグに書き込み(S=1)、2つの遠隔測定ブリンクを開始する(ブロック292)。20秒タスクタイマを開始し(ブロック294)、遠隔測定要求を1秒ごとに送信する(ブロック296)。20秒タイマが満了したかどうかの判定を行い(ブロック298)、そうでない場合には、このサイクルを繰り返す。そうである場合には、車両が移動しているかどうかの判定を行い(ブロック300)、そうである場合には、車両移動中モードに入る(ブロック256)。そうでない場合には、車両がオフであるかどうかの判定を行い(ブロック302)、そうである場合には、車両オフモードに入る(ブロック260)。そうでない場合には、近接通信デバイスがアクションをブリンクしたかどうかの判定を行い(ブロック304)、そうである場合には、このサイクルを繰り返す。そうでない場合には、車両識別番号をタグに書き込み、2つのVINブリンクを行う(ブロック306)。20秒タスクタイマを開始し(ブロック308)、アイドルモードに入る(ブロック310)。
【0037】
図8は、車両オフモードに入る時(ブロック260)の自動車タグの機能を示す流れ図である。この時に、遠隔測定要求を1秒ごとに送信する(ブロック320)。20秒タイマが満了したかどうかの判定を行う(ブロック322)。そうでない場合には、このサイクルを繰り返す。そうである場合には、車両が移動しているかどうかの判定を行い(ブロック324)、そうである場合には、車両移動中モードに入る(ブロック326)。そうでない場合には、車両がオンであるかどうかの判定を行い(ブロック328)、そうである場合には、車両オンモードに入る(ブロック330)。そうでない場合には、近接通信デバイスがアクティブをブリンクしたかどうかの判定を行う(ブロック332)。そうである場合には、このサイクルを繰り返し、そうでない場合には、2つの遠隔測定ブリンクと共に、遠隔測定をタグに書き込む(S=2)(ブロック334)。
【0038】
20秒タグタスクタイマを開始し(ブロック336)、遠隔測定要求を1秒ごとに送信する(ブロック338)。20秒タイマが満了したかどうかの判定を行い(ブロック340)、そうでない場合には、このサイクルを繰り返す。そうである場合には、車両が移動しているかどうかの判定を行い(ブロック342)、そうである場合には、車両移動中モードに入る(ブロック326)。もちろん、車両が移動していなかった場合には、車両がオンであるかどうかの判定を行い(ブロック344)、そうである場合には、車両オンモードに入る(ブロック330)。そうでない場合には、近接通信デバイスがアクティブをブリンクするかどうかの判定を行い(ブロック346)、そうである場合には、このサイクルを繰り返す。そうでない場合には、車両識別番号を、2つの車両識別番号ブリンクとしてタグに書き込む(ブロック348)。
【0039】
20秒タグタスクタイマを開始し(ブロック350)、遠隔測定要求を1秒ごとに送信する(ブロック352)。20秒タグタスクタイマが満了したかどうかの判定を行い(ブロック354)、そうでない場合には、遠隔測定要求を1秒ごとに送信する。そうである場合には、車両が移動しているかどうかの判定を行い(ブロック356)、そうである場合には、車両移動中状況に入る(ブロック326)。そうでない場合には、車両がオンであるかどうかの判定を行い(ブロック358)、そうである場合には、車両オンモードに入る(ブロック358)。車両がオンでなかった場合には、近接通信デバイスがアクティブをブリンクするかどうかの判定を行い(ブロック360)、そうである場合には、このサイクルを繰り返す。そうでない場合には、遠隔測定を、2つの遠隔測定ブリンクとしてタグに書き込む(S=2)(ブロック362)。
【0040】
20秒タグタスクタイマを開始し(ブロック364)、遠隔測定要求を1秒ごとに送信する(ブロック366)。20秒タグタスクタイマが満了したかどうかの判定を行い(ブロック368)、そうでない場合には、このサイクルを繰り返す。そうである場合には、車両が移動しているかどうかの判定を行い(ブロック370)、そうである場合には、車両移動中モードに入る(ブロック326)。そうでない場合には、車両がオンであるかどうかの判定を行い(ブロック372)、そうである場合には、車両オンモードに入る(ブロック330)。そうでない場合には、近接通信デバイスがアクティブをブリンクするかどうかの判定を行い(ブロック374)、そうである場合には、このサイクルを繰り返す。そうでない場合には、車両識別番号を、2つのVINブリンクとしてタグに書き込み(ブロック376)、20秒タグタスクタイマを開始する(ブロック378)。スリープモードに入る(ブロック380)。
【0041】
図9は、車両移動中状況に入る時(ブロック326)の自動車タグの機能を示す流れ図である。その時に、遠隔測定要求を1秒ごとに送信する(ブロック482)。20秒タイマが満了したかどうかの判定を行い(ブロック484)、そうでない場合には、このサイクルを繰り返し、遠隔測定要求を1秒ごとに送信する。そうである場合には、車両がオフであるかどうかの判定を行い(ブロック486)、そうである場合には、車両オフモードに入る(ブロック488)。そうでない場合には、車両が移動しているかどうかの判定を行い(ブロック489)、そうである場合には、10分タイマを開始する(ブロック490)。この時に、近接通信デバイスがアクティブをブリンクするかどうかの判定を行い(ブロック492)、そうである場合には、このサイクルを繰り返す。ブロック489で車両が移動していないと判定された場合には、ブロック492での近接通信デバイスに関する判定を行う。この時に、遠隔測定を、2つの遠隔測定ブリンクと共に、タグに書き込む(S=4)(ブロック494)。20秒タグタスクタイマを開始し(ブロック496)、10分タイマが満了したかどうかの判定を行う(ブロック498)。そうでない場合には、このサイクルを先頭から繰り返し、そうである場合には、アイドルモードに入る(ブロック500)。
【0042】
図10に、スリープモードに入る時(ブロック380)の車両タグの機能を示す。この時に、30分タイマを開始し(ブロック502)、車両バスでアクティビティが発生したかどうかの判定を行う(ブロック504)。そうである場合には、遠隔測定要求を1秒ごとに送信する(ブロック506)。車両が走っているかどうかの判定を行い(ブロック508)、そうである場合には、車両オン状況に入る(ブロック510)。そうでない場合には、このサイクルを繰り返して、車両バスでアクティビティが発生したかどうかの判定を行う(ブロック504)。その時に、バスにアクティビティがない場合には、30分タイマが満了したかどうかの判定を行い(ブロック512)、そうでない場合には、このサイクルを繰り返して、車両バスにアクティビティがあるかどうかを判定する。そうである場合には、近接通信デバイスがアクションをブリンクするかどうかの判定を行い(ブロック514)、そうである場合には、このサイクルを繰り返す。そうでない場合には、遠隔測定を、2つの遠隔測定ブリンクとして車両タグに書き込む(S=10)(ブロック516)。この時に、30分タイマを開始する(ブロック518)。
【0043】
車両バスにアクティビティがあるかどうかの判定を行い(ブロック520)、そうである場合には、遠隔測定要求を1秒ごとに送信する(ブロック522)。車両が走っているかどうかの判定を行い(ブロック524)、そうである場合には、車両オン状況が表示である(ブロック510)。車両バスにアクティビティがない場合には、30分タイマが満了したかどうかの判定を行い(ブロック526)、そうでない場合には、このサイクルを繰り返す。そうである場合には、近接通信デバイスがアクションをブリンクするかどうかの判定を行い(ブロック528)、そうである場合には、このサイクルを繰り返す。そうでない場合には、ファームウェアバージョンを、ファームウェアを表す2つのFWブリンクと共に、タグに書き込む(ブロック530)。
【0044】
30分タイマを開始し(ブロック532)、車両バスでアクティビティが発生したかどうかの判定を行う(ブロック534)。そうである場合には、遠隔測定要求を1秒ごとに送信し(ブロック536)、車両が走っているかどうかの判定を行う(ブロック538)。そうである場合には、車両オン状況が示される(ブロック510)。そうでない場合には、このサイクルを繰り返す。車両バスにアクティビティがない場合には、30分タイマが満了したかどうかの判定を行う(ブロック540)。そうである場合には、近接通信デバイスがアクティブをブリンクするかどうかの判定を行い(ブロック542)、そうである場合には、このサイクルを繰り返す。そうでない場合には、車両識別番号を、2つの車両識別番号ブリンクとして車両タグに書き込み(ブロック544)、ブロック502からこのサイクルを繰り返す。
【0045】
図11は、アイドルモード(ブロック500)の車両タグの機能を示す流れ図である。10分タイマを開始し(ブロック550)、遠隔測定要求を1秒ごとに送信する(ブロック552)。車両が移動しているかどうかの判定を行い(ブロック554)、そうである場合には、車両タグは、車両移動中モードに入る(ブロック556)。そうでない場合には、10分タイマが満了したかどうかの判定を行い(ブロック558)、そうでない場合には、遠隔測定要求を1秒ごとに送信する。10分タイマが満了している場合には、近接通信デバイスがアクティブをブリンクするかどうかの判定を行う(ブロック560)。そうである場合には、このサイクルを繰り返し、そうでない場合には、遠隔測定を、2つの遠隔測定ブリンクとしてタグに書き込む(S=0)(ブロック562)。
【0046】
車両バスにアクティビティがあるかどうかの判定を行い(ブロック564)、そうでない場合には、車両タグは、スリープモードに入る(ブロック566)。そうである場合には、10分タイマを開始し、このサイクルを繰り返す。
【0047】
図12に、近接通信デバイス、たとえばWherePortデバイス(ブロック600)と、スリープモード(ブロック602)、オンモード(ブロック604)、オフモード(ブロック606)、移動中モード(ブロック608)、アイドルモード(ブロック610)、および接続モード(ブロック612)との間の相互関係を示す。
【0048】
本発明の車両タグ20に、OBD−IIシステムに変形を有する異なる車両と共に車両タグが働けるようにするランタイムファームウェアおよび車両データテーブルが含まれる。ファームウェアおよび車両データテーブルは、互いと共に動作する。車両識別番号(VIN)が判定され、車両タグ20に書き込まれる時に、車両タグ20内のファームウェアが、車両タグ内の車両データテーブルから車両およびその動作に関する情報を自動的に入手し、車両タグがその車両と共に動作するようになる。
【0049】
本発明の車両タグは、車両が、モデルの間でシステムおよび回路の挙動およびプロトコルの極端な変動を示す時であっても、広範囲の車両と通信することができる。本発明の車両タグは、コアファームウェアに対する変更を必要とせずに、新しい車両および新しい応用例に拡張することもできる。すべての組み込まれたファームウェアが、限られた読み書きメモリを有するマイクロコントローラ32のプロセッサで動作する。さまざまなエンドタグ構成要素に、「現場での」テーブルおよびランタイムフラッシュの更新を可能にするローダを含めることができる。すべての車両データテーブルが、本発明の車両タグを特定の応用例に合わせて調整する。ランタイム構成要素は、汎用パケット交換状態機械として働くことができる。
【0050】
本発明の車両タグは、車両タグを更新し、構成するためにファイルおよび情報を提供するハンドヘルドデバイスおよび「現場」フラッシュ更新を駆動できるプログラマを含む、さまざまな外部構成要素と共に動作することができる。テーブルビルダは、CSVテーブルをST9バイナリイメージにコンパイルすることができ、テーブルブラウザまたは保守ユーティリティが、テーブルの表示と/または更新および拡張を可能にすることができる。ST9は、複数レジスタベースのマイクロコンピュータコア、A/C変換器、シリアル通信インターフェースユニット(SCI)、16ビットマルチファクションタイマ、および入力取込/出力比較機能を含めることができるマイクロプロセッサ設計である。
【0051】
ST9マイクロコントローラシリーズは、STMicroelectronics社によって製造され、8ビットマイクロコントローラと16ビットマイクロコントローラの間のギャップに橋を渡し、高速プログラム実行、メモリの効率的な使用、高速データ処理、ならびに入出力柔軟性およびシステム拡張を有するコンテキスト切替を提供する高性能MCUファミリである。ST9マイクロコントローラシリーズには、単一電圧のフラッシュEEPROMおよびエミュレートされたEEPROMと、完全にプログラマブルな256Kb単一電圧フラッシュおよびPLLクロック生成を含めることができる。異なるプログラマブル入出力、アナログ−ディジタル変換器、線形メモリ、8ビットレジスタ、および機能強化されたフィルタリングを有するCAN 2.0B activeを設けることができる。他の構成要素は、STMicroelectronicsによって製造されるマイクロコントローラのST9ファミリのさまざまなデータシートで見つけることができる。
【0052】
図13に、本発明の車両タグの1例として動作することができるランタイムメッセージフローを示す。入力が、左側の入力によって示されるように読み取られ、出力が、右側の出力によって示されるように書き込まれる。
【0053】
図からわかるように、さまざまな入力に、RS232シリアル50、WhereTag入力52、ISO11898(CAN)54、ISO9141(5ボーINIT)56、ISO14230(fast INIT)58、J1850PWM 60、およびJ1850VPW 62が含まれる。これらは、選択された「読取」回路64によって読み取られ、「書込」回路66を介して書き込まれる。「書込」出力での対応する機能に、「読取」入力の符号50〜62に対応する符号70〜82を与えた。
【0054】
抽出テンプレート内のパターンに対するメッセージの突合せ90、一致が発生した場合の判定92、および選択されたバッファへのテストによる抽出物の選択94を含む、他の機能もこのメッセージフロー内で発生する。メッセージを回答/応答リストに送ることができ96、システム状態を抽出部に基づいて更新することができる98。値バッファに、ブロック100に示されているように、抽出されたバイトの以前の値および現在の値と、スケーリングファクタおよび/または値識別子と、前のサンプル期間および現在のサンプル期間のサンプル数と、前のサンプル期間および現在のサンプル期間に保存された時間サンプルが含まれる。イベントを、バッファ内のデータの変化に基づいて評価することができ102、システム状態を、イベントに基づいて更新することができる104。メッセージを、状態変化に応答して送ることができ106、メッセージを、要求/回答テンプレートから作ることができ108、選択されたバッファからのテストによる選択物を挿入することができ、これが、その後、読み取られる66。また、時間メッセージリストおよび状態変化に対する応答での変更を行うことができ112、次のメッセージが、タイマ116によって決定される通りにタイムドメッセージシーケンスで発行される114。入力をデバッグコマンドとして解釈することができ、これによって、メッセージが、テンプレートから生成されるか、異なる形で作成され、書き込まれる118。あるチャネルから別のチャネルへのゲートウェイが、読取と書込の間に存在する。
【0055】
すべての入力チャネルが、一様である。すべてのチャネルが、遠隔測定情報、デバッグ情報、またはゲートウェイ情報を搬送することができる。読取機能は、メッセージを正しい宛先にルーティングする責任を負う。すべての出力チャネルが、一様である。タイムベースドテンプレートによって生成されたメッセージ、応答メッセージ、デビューメッセージ、およびゲートウェイメッセージのすべてを、任意のチャネルで送ることができ、このチャネルは、EEPROM内のビットをセットすることによって、遠隔測定入、遠隔測定出、デビュー入、デバッグ出、またはゲートウェイとして指定される。
【0056】
遠隔測定入力として指定されたチャネルから来るメッセージは、抽出テンプレートを使用して処理される。抽出テンプレートは、データをバッファに保存し、システム状態を変更し、あるいは複数の応答メッセージ(複数のチャネルで送り出すことができる)を引き起こすことができる。抽出テンプレートは、パターンマッチングに基づき、したがって、車両メッセージに制限されない。
【0057】
遠隔測定出力は、テンプレートから作られる。これは、時間の経過、特定のメッセージの受け取り、またはシステム状態の変化に基づいてあるいはデバッグコマンドによってトリガすることができる。この出力に、スケールファクタ、メッセージ数、VINデータ、および他のメタデータを含む、バッファからの定数および値を含めることができる。要求/応答テンプレートは、車両タグに保管されたデータから1バイトずつメッセージを作り、したがって、使用される特定の抽出テンプレートより車両依存ではない。
【0058】
デバッグ入力として指定されたチャネルから来るメッセージを、デバッグコマンドプロセッサによって処理することができる。これらは、さまざまな開発機能およびテスト機能を実行することができる。出てゆくデバッグメッセージは、テンプレートから作成するか、直接に作成することができる。デバッグ出力の大多数が、実行トレースメッセージである。
【0059】
すべてのチャネルが一様なので、2つのチャネルを一緒にゲートウェイ化することができ、一方のチャネルに来るすべてのメッセージを他方のチャネルに送り出すことができる。これによって、1例として、RS232を有するラップトップ機が、車両のJ1850VPWバスと直接に話すことが可能になる。
【0060】
抽出テンプレートおよび要求/回答テンプレートの選択は、古典的な状態機械によって制御される。これには、次の形のエントリが含まれる。
状態SでイベントEが発生する場合に、状態Nに移動し、テーブルTをアクティブ化し、アクションAを実行する。使用される状態機械の選択は、ファミリコードによって制御され、このファミリコードは、VINによって決定される。
【0061】
本発明の車両タグを、特定の応用例に合わせて調整することができる。システムが燃料および走行距離を判定する車両がある場合に、たとえばエンジン冷却水温度(ECT)を盗聴する機能を追加することができる。車両タグは、240未満から240超への温度上昇を見、新しい状態に入ることができる。車両タグは、警告メッセージをブリンクすることもできる。
【0062】
車両タグとして動作するシステムは、アクティブテーブルを識別し、抽出セットを更新し、抽出テンプレートを作成し、分析方法を作成し、値バッファを定義し、イベントを定義し、主状態機械を更新し、遠隔測定状態機械を更新し、応答リストを更新し、応答テンプレートを作成することができる。これらの機能を、下で説明する。
【0063】
アクティブテーブルを識別することができる。テーブル開発ユーティリティを使用すると、どのファミリ、状態機械、方言、シーケンス、セット、チェックリスト、および他のテーブルが、このVINファミリの車両についてアクティブであるかを判定することができる。
【0064】
抽出セットを更新することができる。現在のSetToExtractionテーブルで、車両タグシステムは、テンプレート「EXTRACT_ECT」をテンプレートのリストに追加して、入ってくるメッセージに適用することができる。システムは、このテンプレートについて「NULL」回答リストを指定する。ExtractionNumToBaseテーブルで、システムは、次に使用可能な抽出テンプレートスロットにシンボリック名「EXTRACT_ECT」を割り当てる。
【0065】
抽出テンプレートを作成することができる。システムは、「EXTRACT_ECT」という名前の新しいExtractionテンプレートテーブルをExtractionsディレクトリに作成する。このテンプレートの「一致」部分に、一致メッセージがセットされ、最初の5バイトは、0x48、0x6B、0x10、0x41、および0x05である。システムは、このテンプレートの「分析」部分をセットして、メッセージの第6バイトおよび第7バイトに「ECT_ANALYSIS」分析方法を適用する。このテンプレートの「状態変化」部分は、空のまま残される。
【0066】
分析方法を作成することができる。AnalysisNumToBaseで、システムは、次に使用可能な分析スロットにシンボリック名「ECT_ANALYSIS」を割り当てる。システムは、次のように、単一のメソッドを有する新しい分析テーブルを「Analyses」サブディレクトリに作成する。
【0067】
バッファに「ECT_BUFFER」をセットし
保存フラグに「SAVE_CURRENT」をセットし
スケールファクタに1をセットする。
【0068】
値バッファを定義することができる。BufferToNameで、システムは、次のように、次に使用可能なバッファにシンボリック定数「ECT_BUFFER」を割り当てる。
【0069】
平均に「なし」をセットし
サイズに2バイトをセットし
フラグに「なし」をセットする。
【0070】
イベントを定義することができる。EventToNameで、システムは、次に使用可能なイベントスロットにシンボリック定数「OVERTEMP_EVENT」を割り当てる。適当なChecklistToEventテーブルに、システムは、次のようにこのイベントをトリガするエントリを追加する。
【0071】
バッファに「ECT_BUFFER」をセットし
フィールドに「CURRENT_VAL」をセットし
比較に「RISING_PAST THRESHOLD」をセットし
閾値に240をセットし
イベントに「OVERTEMP_EVENTをセットする。
【0072】
主状態機械を更新することができる。StatePrimaryToNameで、システムは、次に使用可能な主状態スロットにシンボリック定数「OVERTEMP_STATE」を割り当てる。適当なStateNextsテーブルに、システムは、次のように、イベントに応答するエントリを追加する。
【0073】
前の状態に「ENGINE_ON」をセットし
比較および副状態にすべての副状態でのトリガのトリガイネーブルをセットし
イベントに「OVERTEMP_EVENT」をセットし
次の主状態に「OVERTEMP_STATE」をセットする。
【0074】
遠隔測定状態機械を更新することができる。適当なStateTelemetriesテーブルに、システムは、この状態に入った時にメッセージを送るためにエントリを追加する。システムは、次のように、主状態に「OVERTEMP_STATE」をセットする。
【0075】
1)比較および副状態に主状態への進入時にトリガをセットし
2)応答リストに「OVERTEMP_LIST」をセットする。
応答リストを更新することができる。ListNumToBaseで、システムは、次に使用可能な回答/応答リストスロットにシンボリック定数「OVERTEMP_LIST」を割り当てる。システムは、次のように、単一の応答を含む新しい応答リストテーブルをListsサブディレクトリに作成する。
【0076】
応答テンプレートに「OVERTEMP_BLINK」をセットする。
システムは、応答テンプレートを作成することができる。RequestNumToBaseで、システムは、次に使用可能な応答/回答テンプレートスロットにシンボリック定数「OVERTEMP_BLINK」を割り当てる。システムは、次のように、新しい応答テンプレートテーブルをRequestsディレクトリに作成する。
【0077】
チャネルに「TAG」をセットし
テンプレートの定数部分に0x41、…、…、0x00、0x00、0x00、…をセットし
「ECT_BUFFER」の内容をメッセージバイト1および2に挿入するようにテンプレートの挿入部分をセットする。
【0078】
抽出テンプレートは、分析方法を使用して、ECTを値バッファに取り込む。イベントおよびチェックリストが、ECTが閾値をまたぐ時に主状態機械を更新する。状態が推移する時に、遠隔測定状態機械が、応答テンプレートを含む応答リストをアクティブ化し、これによって、タグからブリンクされるメッセージが作成される。
【0079】
本発明の車両タグは、テーブルも作成する。タグには、さまざまなアクションと共に非常にポータブルなコマンドラインユーティリティが含まれ、このアクションには、(a)ローダファイルおよびランタイムファイルの読取、(b)メモリへのCSVテーブルファイルの読取、(c)シンボルテーブルの作成、(d)テーブル内のシンボルおよびテーブル間のリンクの解決、(e)注釈付きCSVテーブルファイルの書出、(f)テーブル情報とファームウェアのマージ、および(g)
ローダのみ、テーブルのみ、ランタイムのみ、フルメモリイメージ
のパックされアラインされたST9 16進イメージファイルの書出が含まれる。
【0080】
このシステムは、テーブルメインテナ機能(またはモジュール)を介してテーブルを維持することができる。これは、テーブルビルダモジュールと似た形で実行可能であるが、ウェブサーバおよびウェブサービスとして動作する。これには、(a)既存テーブルをブラウズする能力、(b)既存テーブルに対する照会を実行する能力、(c)テーブル内のフィールドを変更し、更新する能力、(d)新しいテーブルを開発する能力、および(e)新しいテーブルの開発を支援する能力が含まれる。
【0081】
しかし、いくつかの制限が存在する可能性がある。ランタイムは、パケット指向である。通信チャネル上のデータは、小さい別個のパケットとして編成されなければならない。ランタイムは、バイト指向でもある。データを処理できる最も微細な粒度は、バイトレベルである。ランタイムは、パターンマッチング、バイト抽出、およびバイト挿入に基づく。車両タグは、データに対する最も単純な計算だけを実行することができる。
【0082】
異なるハードウェア機能およびソフトウェア機能が、本発明の車両タグ内でおよびこれと共に動作する。ハンドヘルド機を使用して、VIN番号、タグID、タグ構成、および他の情報をダウンロードすることによって、特定の車両に合わせてタグを構成することができる。ハンドヘルド機を使用して、フラッシュメモリだけに含まれるテーブルデータおよびランタイムファームウェアを更新することもできる。
【0083】
車両タグのプログラマモジュールは、ハンドヘルド機とインターフェースすることができる。これは、RS232インターフェースから車両タグのISO14230インターフェースへの堅牢な通信を提供する。すべての車両タグ構成および更新が、このプログラマモジュールによって調停され、このプログラマモジュールは、生産時の自動テストシステムの一部の基礎としても働く。
【0084】
車両タグ内のリーダーが、ハンドヘルド機に接続されたプログラマとインターフェースする。リーダーモジュールは、この構成を用いてエミュレートされたEEPROMの実際のプログラミングおよび更新によるフラッシュメモリの実際のプログラミングを実行する。ローダは、システム内の車両タグの初期化の責任も負う。
【0085】
タグテーブルは、特定の応用例に合わせて車両タグを調整する。たとえば、車両データテーブルの組が、車両タグに、車両に遠隔測定データを要求し、収集し、車両タグ内のトランシーバ回路を使用してその遠隔測定をブリンクするように指示する。将来に、他のテーブルセットを開発して、完全に異なる応用例に合わせて車両タグを調整することができる。
【0086】
車両タグランタイムは、汎用パケット交換状態機械として動作する。これは、テーブルの組を使用して、入ってくるメッセージからデータをどのように抽出するかと、そのデータを使用して、出てゆくメッセージをどのように作成するかを示す。データの変化が、イベントをトリガすることができ、このイベントが、車両タグの動作を変更する状態機械推移を引き起こすことができる。現在のランタイムは、図13に示されているように、RS232を介する通信、WhereNet Corporation社によって開発されたWhereTag通信標準規格、ISO11898(CAN)、ISO9141(5ボーinit)、ISO14230(fast init)、J1850PWM、およびJ1850VPWをサポートする。
【0087】
非常にポータブルなコマンドラインユーティリティが、テーブルビルダユーティリティ内で動作する。このユーティリティは、ローダファイルおよびランタイムファイルを読み取り、CSVテーブルファイルをメモリに読み取り、シンボルテーブルを作成し、テーブル内のシンボルおよびテーブル間のリンクを解決し、注釈付きCSVテーブルファイルを書き出し、テーブル情報とファームウェアをマージし、
ローダのみ、テーブルのみ、ランタイムのみ、フルメモリイメージ
のパックされアラインされたST9 16進イメージファイルを書き出すことができる。
【0088】
テーブルメインテナ機能は、テーブルビルダとして実行することができるが、ウェブサーバおよびウェブサービスとして動作する。これは、既存テーブルをブラウズし、既存テーブルに対する照会を実行し、テーブル内のフィールドを変更し、更新し、新しいテーブルを開発し、新しいアプリケーションの開発を支援することができる。タグ定数テーブルは、ランタイムファームウェア内のシンボリック定数とテーブル内のシンボリック定数の間の橋を提供することができる。
【0089】
すべての車両が、一意の車両識別番号(VIN)を有する。車両タグは、その動作を制御するために調整文字列(tailoring string)を利用することができる。この調整文字列は、実際の構成パラメータを含むのではなく、テーブル内の「実際の」構成情報をルックアップするのに使用されるパターンに対応する。したがって、適当なテーブルエントリがあれば、任意の識別文字列を調整文字列として使用することができる。これには、部品番号、通し番号、製品名、および関連データを含めることができる。車両タグ応用例について、VINが、調整文字列として働く。多数の「擬似」VINを、さまざまな開発モード、テストモード、およびシミュレーションモードの制御に使用することもできる。
【0090】
VinToDesriptionテーブルに、ハンドヘルド機でなど、VINを復号するのに使用される詳細な情報を含めることができる。これには、ランタイムが実際に必要とするものより詳細な情報を含めることができる。他のVINテーブルと異なって、VinToDescriptionは、VINを任意の文字列として扱うのではなく、特定の文字位置の意味を実際に理解する。VinToDescriptionは、通常は、車両タグにダウンロードされない。
【0091】
VinToWmiテーブルに、タグが必要とするVIN情報2つのサブセットのうちの1つを含めることができる。このテーブルには、Worldwide Manufacturer Identifierごとに1つのレコードがある。
【0092】
VinToFamilyテーブルに、特定のタグを構成するのに必要な、調整文字列に関する情報のリセットが含まれる。車両タグについて、VinToFamilyテーブル内のレコードは、VIN部分文字列を構成パラメータに関連付ける。複数のテーブルを使用して、車両の年度、メーカー、およびラインを開発者に表示することができる。これらは、タグの動作に必須ではないので、フラッシュの他にはあまり使用されないセクションに保管される。
【0093】
2つのファミリテーブルによって、この構成についてアクティブな主状態機械、方言状態機械、遠隔測定状態機械、およびイベントチェックリストが選択される。主(または次状態)状態機械車両は、車両タグの長い時間枠(複数秒)の状態を制御する。車両応用例では、主状態機械が、車両の始動、移動、および停止の記憶に関する。メッセージ(または遠隔測定)状態機械は、主状態変化および副状態変化に基づいてメッセージの送出を制御する。方言状態機械は、送られ、解釈されるメッセージのシーケンスおよび組が経時的にどのように変化するかを決定する。
【0094】
DialectToSequenceテーブルは、通信チャネルの特定の組をイネーブルし、(a)メッセージを送信するためのタイムド要求メッセージシーケンス、(b)メッセージを解釈するためのデフォルト抽出セット、および(c)両方を変更するためのメッセージバイトオーバーライドテーブルを指定する。
【0095】
OverrideToValueテーブルは、アドレスまたはスケジューリングバイトの変更など、小さい形で要求テンプレートおよび抽出テンプレートを変更する。これによって、類似するが完全に同一ではないメッセージがメッセージテンプレートを共有することが可能になる。
【0096】
要求シーケンステーブルは、時間を指定された基礎で送り出されるメッセージの順序およびタイミングを定義する。要求シーケンステーブルは、各メッセージに対する応答を解釈するのに使用される抽出テンプレートの組も決定する。
【0097】
要求テンプレートテーブルは、出て行くメッセージに含まれる実際のバイトを定義する。メッセージバイトは、定数、オーバーライド値、バッファからの値、スケールファクタ、圧縮されたVIN、状態番号、および多数の他のデータからなるものとすることができる。
【0098】
SimulatorToConstantsテーブルは、定数値だけからなり、オーバーライドできず、デバッグコマンドによってトリガすることのできない、出てゆくメッセージを定義する。これは、主に、タグに作り込まれた5つの車両シミュレータによって使用される。
【0099】
抽出セットテーブルは、入ってくるメッセージを解釈し、これからデータを抽出するのに使用されるテンプレートの組を決定する。抽出テンプレートは、入ってくるメッセージをどのように処理するかを決定するのに使用することができる。抽出テンプレートは、メッセージがテンプレートによって認識されるために発生しなければならないパターン一致と、メッセージからデータを抽出するために適用される分析方法の組を定義する。
【0100】
分析方法テーブルは、メッセージから抽出されたバイトをどのように処理するかを決定する。分析方法テーブルは、最新、最古、最大、最小、および非ゼロの値のどの組合せをバッファのどの組に保管しなければならないかを決定する。
【0101】
BufferToNameテーブルは、バッファ内のデータのサイズと、平均化アルゴリズムがある場合に、どの平均化アルゴリズムをバッファに適用するかを決定する。BufferToNameテーブルは、欠けている値、期待されない0の値、および累算された値をどのように扱うかも決定する。回答リストは、入ってくるメッセージに直接に応答して送り出されるメッセージを定義する。
【0102】
イベントチェックリストは、どのイベントが値バッファ内の変化のどの組合せによってトリガされるかを決定するのに使用することができる。イベントは、判断基準の別個の選択、たとえば、値が閾値を超えて増えること、スケールファクタの変化、サンプリング期間中のメッセージ数が高すぎる割合で減ること、または異なる順序での2つの異なるサンプルアルファソーティングに基づいてトリガすることができる。VersionBuildテーブルに、ソフトウェアのバージョン番号およびビルド日付が含まれる。さらにVersionBuildテーブルは、このテーブルセットが互換であるランタイムのバージョンを指定する。
【0103】
ランタイムプログラムは、すべてのハードウェアを初期化することができ、ソフトウェアモジュールを構成し、始動し、スケジューラを始動することができる。スケジューラ機能は、5ms最小時間量子を有するが、タスクに単一の固定されたスケジュールを課すのではなく、タスクがすべての呼出し時にそのスケジューリングを変更することを可能にする。
【0104】
異なるスケジューリングされたタスクが使用可能である。これらの機能は、さまざまな通信チャネルキューからメッセージを収集し、適当な宛先にルーティングすることができる。これらの機能は、値バッファ内のデータを分析し、結果の方言、メッセージシーケンス、および抽出セットに応じて状態を更新することができる。これらの機能は、タイムベースドメッセージの作成および送出を開始し、すべての出てゆくメッセージのルーティングを処理することができる。
【0105】
他のメッセージ処理機能が、さまざまな開発、テスト、およびデバッグのコマンドおよびサポートを提供することができる。これらの機能は、抽出テンプレートに基づいて、入ってくるメッセージからデータを抽出し、要求/応答テンプレートに基づいて、出てゆくメッセージを作成することができる。これらの機能は、VIN番号妥当性を検査し、VIN番号を縮めることができる。
【0106】
メッセージキューイングと、プロトコル固有状態機械を含むチャネルプロトコルと、割り込みサービスルーチンが、本発明の車両タグ内で動作する。機能は、EEPROMと、割込みベクトルテーブルと、未使用I/Oポートと、リセットおよびクロック制御ユニットと、ウォッチドッグタイマの初期化を指示することができる。タイマ機能は、スケジューラのタイムベースを提供する5msタイマを提供する。バッテリ機能は、車両バッテリ電圧の読取を制御する。
【0107】
ハードウェア固有インターフェースが、(a)CAN(controller area network)、(b)J1850バイトレベルプロトコルデコーダ、(c)非同期シリアル通信インターフェース、(d)マルチプロトコルシリアル通信インターフェース、(e)シリアル周辺インターフェース、および(f)WhereTag x−wireインターフェースについて存在する。
【0108】
ハードウェア固有インターフェースが、(a)アナログ−ディジタル変換、(b)エミュレートされたEEPROM、(c)割込み処理、(d)I/Oポート;メモリ管理ユニット、(e)リセットおよびクロック制御ユニット、(f)標準タイマ、および(g)ウォッチドッグタイマについて存在する。
【0109】
デバッグ機能は、他のすべてのモジュールから使用可能な、実行トレースを含むデバッグメッセージサポートを提供する。メモリ機能は、メッセージパケット構造の動的メモリ管理を提供し、共通プールからメモリを割り振る。
【0110】
チャネル交換可能性は、過度な量のコードを追加しない。元々、各チャネルは、それ自体のアーキテクチャを有する。チャネルソフトウェアは、すべてのチャネルが同一のアーキテクチャを使用することを強制するように記述することができる。これによって、システムが多数のサポートするルーチンを共有するので、コードの全体的なサイズが減る。メッセージのゲートウェイおよび任意のチャネルをデバッグ解析されるかテンプレート解析されるのいずれかとして定義することの可能化などの特徴を、維持することができる。
【0111】
車両ごとに、通信の挙動およびプロトコルにかなりの変動があることを理解されたい。バスを盗聴することは実用的でない。したがって、時間を指定された基礎で車両をつつく必要がある。一部のシステムでは、手の込んだプロンプト−応答シーケンスを実行する必要がある。J1850VPW上だけで、7ビットのヘッダ、8ビットのヘッダ、3バイトの論理アドレスを有する合併されたヘッダ、3バイトの物理アドレスを有する合併されたヘッダ、3バイトの合併されないヘッダ、などがある。タグの各特徴が、ある車両または別の車両によって使用される。各特徴が、車両だけで働き、他所で働かないように人工的に制限されていないので、本発明は有利である。
【0112】
ポケットPCアプリケーションを使用することも可能である。異なる車が、その遠隔測定データを異なる形で符号化する。これらの符号化は、公開されておらず、経時的に入手可能になる。その結果、符号化を、車両タグファームウェアにハードコードすることはできない。解決策として、車両タグファームウェアが、構成ファイル内で、各車の復号スキームをルックアップしなければならない。ポケットPCアプリケーションは、この構成ファイルを更新し、各車の車両識別番号を書き込むことができる。たとえば、車両タグアダプタを、通信信号線によって車両タグに接続することができる。車両タグアダプタを、Symbol PDT 8100デバイスなどのハンドヘルドユニットに接続する。これには、ハードウェアへの電力通信およびシリアル通信と、WhereNetサーバへのHTTP通信と、車両識別番号のスキャニングインターフェースと、構成ファイルおよびソフトウェアアップグレードが含まれる。ハードウェアパイプが動作することができ、タグファームウェアが、車両識別番号を使用して、タグテーブルにキーイングし、車両からの遠隔測定データをどのように復号するかを判定することができる。これに、シリアル通信を使用することができる。車両タグアダプタは、タグファームウェアおよびタグテーブルを保持することができ、ハンドヘルドユニットが、アダプタのバージョンとのポケットPC上のデータモジュールのバージョンの相違を検査することができる。異なる場合に、モジュールを車両タグアダプタに書き込むことができる。
【0113】
前述の説明および関連図面で提示された教示の利益を有する当業者は、本発明の多数の修正形態および他の実施形態を思い浮かべるであろう。したがって、本発明が、開示された特定の実施形態に制限されず、修正形態および実施形態が、請求の範囲に含まれることを意図されていることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の車両タグを示す正面透視図である。
【図2】タグコネクタを見せる、図1の車両タグを示す背面透視図である。
【図3】本発明の車両タグを示す上面透視図である。
【図4】タグ送信器およびマイクロコントローラを含む、ハウジング、プリント配線基板、タグコネクタ、およびプリント配線基板に取り付けられた関連する構成要素を示す、車両タグを示す分解透視図である。
【図5】車両OBD(on−board diagnostic)システムの診断ジャックに最初に接続された時の車両タグ機能の例を示す高水準流れ図である。
【図6】車両タグが診断ジャックから切り離された時の切離し動作の例を示す高水準流れ図である。
【図7】車両がオンであり、車両タグが車両オンモードである時の車両タグ機能の例を示す高水準流れ図である。
【図8】車両がオフであり、車両タグが車両オフモードである時の車両タグ機能の例を示す高水準流れ図である。
【図9】車両が移動しており、車両タグが車両移動中モードである時の車両タグ機能の例を示す高水準流れ図である。
【図10】車両タグがスリープモードである時の車両タグの例を示す流れ図である。
【図11】アイドルモードである時の車両タグの機能を示す高水準流れ図である。
【図12】車両タグの動作の異なるモードの間の相互接続を示す状態図である。
【図13】車両タグと共に使用される論理の異なる機能を示すブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングによって支持された、車両オンボード診断OBDシステムの診断ジャックに接続されるタグコネクタと、
前記ハウジングによって担持された、前記OBDシステムから遠隔測定データを受け取り、前記遠隔測定データをRFパルスで送信するために前記タグコネクタと共に動作するタグ送信器と
を含む車両タグ。
【請求項2】
前記タグコネクタは、J1962互換コネクタを含む、請求項1に記載の車両タグ。
【請求項3】
前記RFパルスは、前記遠隔測定データで符号化された擬似ランダムスペクトル拡散RF信号を含む、請求項1に記載の車両タグ。
【請求項4】
RFパルスの送信のタイミングを指定するタイマ回路をさらに含む、請求項1に記載の車両タグ。
【請求項5】
前記RFパルスは、判定されたアイドルモード、車両オフモード、車両移動中モード、または車両オンモードに基づいてタイミングを指定される、請求項4に記載の車両タグ。
【請求項6】
前記タグ送信器は、前記OBDシステムから受け取られた車両識別番号VINを送信するように動作する、請求項1に記載の車両タグ。
【請求項7】
前記タグ送信器は、受け取られたVINに基づいて、異なる車両バスプロトコルと共に動作する、請求項6に記載の車両タグ。
【請求項8】
前記異なる車両バスプロトコルは、J1850VPWネットワーク標準規格、PWMネットワーク標準規格、制御域ネットワークCAN標準規格、SCPネットワーク標準規格、またはISOネットワーク標準規格のうちの1つに準拠する、請求項7に記載の車両タグ。
【請求項9】
OBDシステムは、オンボード診断システムジェネレーションOBD−IIを含む、請求項1に記載の車両タグ。
【請求項10】
前記タグ送信器は、車両診断コードを送信するように動作する、請求項1に記載の車両タグ。
【請求項11】
前記タグ送信器は、前記タグコネクタを介して前記OBDシステムから受け取られる電流から電力を与えられる、請求項1に記載の車両タグ。
【請求項12】
前記タグ送信器は、前記OBDシステムの診断ジャックへの前記タグコネクタの最初の接続時にオンにトリガされる、請求項11に記載の車両タグ。
【請求項13】
前記遠隔測定データは、走行距離計データおよび燃料残量データを含む、請求項1に記載の車両タグ。
【請求項14】
ハウジングと、
前記ハウジングによって支持された、車両オンボード診断OBDシステムの診断ジャックに接続されるタグコネクタと、
前記タグコネクタに接続された、車両識別番号VINおよび遠隔測定データを前記OBDシステムから受け取り、前記VINに基づいてどの車両バスプロトコルを使用すべきかを判定するマイクロコントローラと、
前記ハウジングによって担持され、前記マイクロコントローラに接続された、前記VINおよび遠隔測定データを受け取り、前記VINおよび遠隔測定データをRFパルスで送信するタグ送信器と
を含む車両タグ。
【請求項15】
前記マイクロコントローラ、及び異なる車両バスプロトコルを有する車両のOBDシステム間の通信を可能にするために、異なる車両バスプロトコルに関するデータを保管する、前記マイクロコントローラと共に動作するメモリをさらに含む、請求項14に記載の車両タグ。
【請求項16】
前記異なる車両バスプロトコルは、J1850VPWネットワーク標準規格、PWMネットワーク標準規格、制御域ネットワークCAN標準規格、SCPネットワーク標準規格、またはISOネットワーク標準規格のうちの1つに準拠する、請求項15に記載の車両タグ。
【請求項17】
前記マイクロコントローラは、識別データおよび遠隔測定データについて前記OBDシステムに照会するように動作する、請求項14に記載の車両タグ。
【請求項18】
前記マイクロコントローラは、車両タグを更新し、構成するデータを受け取るようにプログラム可能である、請求項14に記載の車両タグ。
【請求項19】
前記マイクロコントローラは、前記タグ送信器を介して車両診断コードを送信するために、前記車両診断コードを受け取り、処理するように動作する、請求項14に記載の車両タグ。
【請求項20】
前記タグコネクタは、J1962互換コネクタを含む、請求項14に記載の車両タグ。
【請求項21】
前記RFパルスは、前記遠隔測定データを符号化された擬似ランダムスペクトル拡散RF信号を含む、請求項14に記載の車両タグ。
【請求項22】
RFパルスの送信のタイミングを指定するタイマ回路をさらに含む、請求項14に記載の車両タグ。
【請求項23】
前記RFパルスは、判定されたアイドルモード、車両オフモード、車両移動中モード、または車両オンモードに基づいてタイミングを指定される、請求項22に記載の車両タグ。
【請求項24】
OBDシステムは、オンボード診断システムジェネレーションOBD−IIを含む、請求項14に記載の車両タグ。
【請求項25】
前記マイクロコントローラおよびタグ送信器は、前記タグコネクタを介して前記OBDシステムから受け取られる電流から電力を与えられる、請求項14に記載の車両タグ。
【請求項26】
前記マイクロコントローラおよびタグ送信器は、前記OBDシステムの診断ジャックへの前記タグコネクタの最初の接続時にオンにトリガされる、請求項25に記載の車両タグ。
【請求項27】
前記遠隔測定データは、走行距離計データおよび燃料残量データを含む、請求項14に記載の車両タグ。
【請求項28】
ハウジングと、
前記ハウジングによって支持された、車両オンボード診断OBDシステムの診断ジャックに接続されるタグコネクタと、
前記ハウジングによって担持された、前記OBDシステムから遠隔測定データを受け取り、前記遠隔測定データをRFパルスで送信するために前記コネクタと共に動作するタグ送信器と
を含む、前記OBDシステムから遠隔測定データを受け取る、前記OBDシステムに接続された車両タグと、
受信された遠隔測定データのさらなる処理のために、前記車両タグから送信されたRFパルスを受信するように位置決めされた受信器と、
を含む、車両遠隔測定データを送信するシステム。
【請求項29】
前記受信器は、レンタカー代理店でRFパルスを受信するように位置決めされる、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記車両タグは、前記タグコネクタに接続された、車両識別番号VINおよび遠隔測定データを前記OBDシステムから受け取り、前記VINに基づいてどの車両バスプロトコルを使用すべきかを判定するマイクロコントローラをさらに含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
前記マイクロコントローラ、及び異なる車両バスプロトコルを有する車両のOBDシステム間の通信を可能にするために、異なる車両バスプロトコルに関するデータを保管する、前記マイクロコントローラと共に動作するメモリをさらに含む、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記異なる車両バスプロトコルは、J1850VPWネットワーク標準規格、PWMネットワーク標準規格、制御域ネットワークCAN標準規格、SCPネットワーク標準規格、またはISOネットワーク標準規格のうちの1つに準拠する、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記マイクロコントローラは、識別データおよび遠隔測定データについて前記OBDシステムに照会するように動作する、請求項30に記載のシステム。
【請求項34】
前記マイクロコントローラは、車両タグを更新し、構成するデータを受け取るようにプログラム可能である、請求項30に記載のシステム。
【請求項35】
前記マイクロコントローラは、前記タグ送信器を介して車両診断コードを送信するために、前記車両診断コードを受け取り、処理するように動作する、請求項30に記載のシステム。
【請求項36】
前記タグコネクタは、J1962互換コネクタを含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項37】
前記RFパルスは、前記遠隔測定データで符号化された擬似ランダムスペクトル拡散RF信号を含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項38】
RFパルスの送信のタイミングを指定するタイマ回路をさらに含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項39】
前記RFパルスは、判定されたアイドルモード、車両オフモード、車両移動中モード、または車両オンモードに基づいてタイミングを指定される、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記OBDシステムは、オンボード診断システムジェネレーションOBD−IIを含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項41】
前記マイクロコントローラおよびタグ送信器は、前記タグコネクタを介して前記OBDシステムから受け取られる電流から電力を与えられる、請求項28に記載のシステム。
【請求項42】
前記マイクロコントローラおよびタグ送信器は、前記OBDシステムの診断ジャックへの前記タグコネクタの最初の接続時にオンにトリガされる、請求項28に記載のシステム。
【請求項43】
前記遠隔測定データは、走行距離計データおよび燃料残量データを含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項44】
車両オンボード診断OBDシステムの診断ジャックを介して車両タグ内の車両遠隔測定データを受け取るステップと、
前記車両タグ内に含まれるタグ送信器から前記遠隔測定データをRFパルスとして送信するステップと
を含む、車両遠隔測定データを送信する方法。
【請求項45】
前記車両タグによって担持されたタグコネクタを前記OBDシステムの前記診断ジャックに接続するステップをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記RF信号を、前記遠隔測定データで符号化された擬似ランダムスペクトル拡散RF信号として送信するステップをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記車両遠隔測定データを、J1962互換コネクタを含むタグコネクタを介して受け取るステップをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記OBDシステムから車両識別番号(VIN)を受け取り、受け取られたVINに基づいて通信の車両バスプロトコルを判定するステップをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項49】
異なるバスプロトコルを有する異なる車両との車両タグの通信を可能にするために、異なる車両バスプロトコルに関するデータを前記車両タグ内で保管するステップをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項50】
前記診断ジャックを介して前記OBDシステムから前記タグ送信器用の電力を引き出すステップをさらに含む、請求項44に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2007−518148(P2007−518148A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533537(P2006−533537)
【出願日】平成16年5月28日(2004.5.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/017214
【国際公開番号】WO2004/106883
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(505438915)
【Fターム(参考)】