説明

車両

【課題】車両を駆動するために用いられる種々の機器を搭載するための機器搭載部を車両の床面部に備える車両において、車両が他の物体と衝突したときの、機器搭載部を構成する部材の変形や、破損を抑制する。
【解決手段】搭載部100は、車両のフロアパネル12と、フロアパネル12の下方に締結されるカバー14とを備えており、これらによって、燃料電池スタック110の収納空間が形成される。そして、燃料電池スタック110の収納空間において、フロアパネル12は、車両10の床面(水平面)とのなす角度が鋭角であって、収納空間の幅が鉛直上方ほど狭くなるように傾斜が設けられた内壁を構成するように形成される。そして、搭載部100の上記傾斜が設けられた内壁と燃料電池スタック110とは、少なくとも一部において、面で接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関し、詳しくは、車両を駆動するために用いられる所定の機器を、車両の床面部に搭載する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電源として燃料電池を含む燃料電池システムを搭載した電気車両が開発されている。そして、従来、このような電気車両に、燃料電池システムを構成する各種機器(例えば、燃料電池等)を搭載するための種々の技術が提案されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、燃料電池搭載型電気自動車において、燃料電池システムを構成する燃料電池を含む各種機器の一部を、所定の順序で車両の床下に配設することによって、車両の挙動安定性を向上させるとともに、車両が正面衝突したり、後方から追突されたりした場合でも、燃料電池が破損しにくいようにする技術が記載されている。この技術では、燃料電池システムボックス内に、燃料電池を収容するとともに、燃料電池システムボックス内における燃料電池の車両前方側と車両後方側に、温調手段、および、加湿手段を配置する。そして、この燃料電池システムボックスを、車両の前後方向の中央の位置に配設する。
【0004】
【特許文献1】特開2003−182379号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載された技術では、車両が衝突したときの衝撃力が、想定外に強い場合には、燃料電池システムボックス内に固定されていた燃料電池等が、固定位置から離脱して燃料電池システムボックスの内壁に激突し、燃料電池システムボックスを変形させ、さらには、破損させることが考えられる。このような課題は、上記特許文献1に記載された技術のように、燃料電池搭載型電気自動車の床下(床面部)に、燃料電池システムボックスを搭載する場合に限られず、車両(燃料電池搭載型電気自動車以外の車両を含む)を駆動するために用いられる種々の機器(燃料電池以外の機器を含む)を車両の床面部に搭載する場合についても共通する。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、車両を駆動するために用いられる種々の機器を搭載するための機器搭載部を車両の床面部に備える車両において、車両が他の物体と衝突したときの、機器搭載部を構成する部材の変形や、破損を抑制することを目的とする。なお、「車両の床面部」とは、車両の床面の直上、あるいは、床面の直下、あるいは、床面と同じ高さにおける所定の部位を意味している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するために以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]車両を駆動するために用いられる所定の機器を搭載するための機器搭載部を前記車両の床面部に備える車両であって、前記機器搭載部は、前記機器を収納する収納空間を構成する収納空間構成部材を備え、前記収納空間構成部材は、前記収納空間内において、前記車両の床面とのなす角度が鋭角となるように傾斜が設けられた内壁を有しており、前記機器は、前記収納空間構成部材の前記傾斜が設けられた内壁の少なくとも一部と、面で当接する形状を有していることを要旨とする。
【0009】
上記機器を収納する収納空間を構成する収納空間構成部材の変形や、破損は、収納空間構成部材の内壁面に対して垂直に作用する力によるものである。本適用例では、収納空間構成部材の内壁と所定の機器とが面で当接しているので、例えば、車両の他の物体との衝突によって、車両に対して略水平方向に外力が作用したとき、上記内壁面と上記機器との当接部において、機器から収納空間構成部材には、車両に対して略水平方向(上記外力と逆方向)の慣性力が作用する。そして、本適用例では、収納空間構成部材が、収納空間内において、車両の床面とのなす角度が鋭角となるように傾斜が設けられた内壁を有しているので、この内壁面に作用した上記慣性力は、上記内壁面に対して垂直な分力と、上記内壁面に対して水平な分力とに分解される。したがって、上記内壁面に対して垂直な分力の大きさは、上記慣性力の大きさよりも小さくなる。また、本適用例では、上記内壁面と上記機器とが面で当接しているので、上記内壁面に作用する単位面積当たりの力を小さくすることができる。この結果、収納空間構成部材の変形や、破損を抑制することができる。なお、本適用例において、「所定の機器」として、種々の機器を適用可能であり、例えば、車両を電気自動車とした場合には、燃料電池や、バッテリや、燃料タンク等が挙げられる。また、本適用例は、「所定の機器」として、比較的重量が重い機器を適用する場合に効果が高い。上記慣性力は、上記機器の重量に比例するからである。
【0010】
[適用例2]適用例1の車両において、前記傾斜は、前記車両の少なくとも前方側に設けられているようにしてもよい。車両が衝突するのは、前方からの衝突が多いからである。なお、上記車両において、前記傾斜は、さらに、前記車両の後方や、側方や、斜め方向に設けられているようにしてもよい。こうすることによって、あらゆる方向からの衝突に対応することができる。
【0011】
[適用例3]適用例1または適用例2の車両において、前記収納空間構成部材は、前記車両のフロアパネルと、前記フロアパネルに締結されるカバーと、を含み、前記フロアパネル、および、前記カバーのうちの少なくとも一方が、前記傾斜が設けられた内壁を有しているようにしてもよい。こうすることによって、車両の床面部に、上記機器搭載部を容易に形成することができる。なお、車両のフロアパネルには、従前から、比較的剛性が高い部材が適用されているため、このフロアパネルを上記傾斜が設けられた内壁を有する収納空間構成部材として適用することによって、上記カバーを上記傾斜が設けられた内壁を有する収納空間構成部材として適用するよりも、収納空間構成部材の変形や、破損を抑制することができる。
【0012】
[適用例4]適用例1または適用例2の車両において、前記収納空間構成部材は、前記傾斜が設けられた内壁を有する前記車両のフロアパネルと、前記フロアパネルの下方に締結されるカバーと、を含み、前記フロアパネルと前記カバーとの締結力は、前記カバーに対して、鉛直下方に所定値以上の力が作用したときに、前記フロアパネルと前記カバーとが離脱するように設定されているようにしてもよい。
【0013】
上述したいずれかの適用例の車両では、先に説明したように、例えば、車両の他の物体との衝突によって、車両に対して略水平方向に外力が作用したとき、機器から収納空間構成部材には慣性力が作用する。そして、上記内壁面と上記機器との当接部において、上記機器には、この慣性力の上記内壁面に対して垂直な分力の抗力が作用する。そして、上記内壁面に、車両の床面とのなす角度が鋭角となるように傾斜が設けられているので、この抗力は、上記慣性力と逆方向の水平分力と、鉛直下方向きの垂直分力とに分解される。そして、本適用例では、フロアパネルとカバーとの締結力が、カバーに対して、鉛直下方に所定値以上の力が作用したときに、フロアパネルとカバーとが離脱するように設定されているので、車両の衝突時等に、カバーに対して、鉛直下方に所定値以上の力が作用したとき、すなわち、上記抗力の鉛直下方向きの垂直分力が所定値以上になったときに、上記機器、および、カバーを車両本体から落下させることできる。したがって、車両の搭乗者の安全性を向上させることができる。
【0014】
[適用例5]適用例1ないし適用例4のいずれかの車両において、前記車両に対して略水平方向に外力が作用したときに、前記内壁、および、前記機器に対して作用する力を吸収するための緩衝材が、前記機器と前記内壁との間に介装されているようにすることが好ましい。こうすることによって、緩衝材によって、先に説明した慣性力を吸収し、上記収納空間構成部材の変形や、破損を、さらに抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき説明する。
A.第1実施例:
A1.車両の構成:
図1は、本発明の第1実施例としての車両の概略構成を示す説明図である。この車両10は、燃料電池(後述する燃料電池スタック110)によって発電される電力や、バッテリから出力される電力によって、モータを駆動し、その動力によって、車輪を回転させて走行する電気自動車である。なお、燃料電池スタック110によって発電された電力は、バッテリに蓄電することも可能である。
【0016】
この車両10は、燃料電池スタック110を搭載するための搭載部100を、車両10の床面部に備えている。図示するように、本実施例では、搭載部100は、車両10に備えられた座席シートの下部に配置されているものとした。なお、図示は省略しているが、車両10の床下部や、居室の前部や後部の居室以外の空間には、燃料電池スタック110を含む燃料電池システムを構成する構成部品、すなわち、水素タンクや、エアコンプレッサや、ラジエータや、希釈器や、気液分離器や、各種配管等や、燃料電池システムを制御するための制御ユニットや、バッテリや、モータや、その他の電装部品等が配置されている。燃料電池スタック110は、本発明における所定の機器に相当し、搭載部100は、本発明における機器搭載部に相当する。搭載部100の詳細については、後述する。
【0017】
A2.燃料電池スタック:
図2は、第1実施例における燃料電池スタック110の外観を示す斜視図である。この燃料電池スタック110は、図示するように、複数の単セル112を積層して形成される。単セル112の積層数は、燃料電池スタック110に要求される出力に応じて任意に設定可能である。
【0018】
この燃料電池スタック110において、複数の単セル112の積層体の積層方向の両端には、図示しない集電板、および、絶縁板が、それぞれこの順に配置されており、さらに、これらの両端には、エンドプレート114a,114bが配置されている。なお、エンドプレート114a、114bは、剛性を確保するため、鋼等の金属によって形成されている。また、集電板は、緻密質カーボンや銅板などガス不透過な導電性部材によって形成されている。この集電板には、それぞれ図示しない出力端子が設けられており、燃料電池スタック110で発電した電力を出力可能となっている。また、絶縁板は、ゴムや樹脂等の絶縁性部材によって形成されている。
【0019】
そして、本実施例の燃料電池スタック110では、エンドプレート114aは、図示するように、辺S1〜S6を有する六角形の平面形状を有している。本実施例では、この六角形において、辺S1と辺S2とは、互いに平行であり、上側の辺S1の長さは、下側の辺S2の長さよりも短い。また、左右の辺S3と辺S4とは、互いに平行、かつ、同じ長さであって、それぞれ辺S2と垂直に交わる。また、辺S1と辺S5とのなす角度は、辺S1と辺S6とのなす角度と同じ角度であり、鈍角である。エンドプレート114bの形状は、エンドプレート114aの形状と同一である。また、本実施例では、各単セル112は、エンドプレート114a,114bと相似であって、エンドプレート114a,114bよりも小さい平面形状を有している。したがって、エンドプレート114a,114bは、複数の112単セル112の積層体の外周面から突出している。そして、後述するように、エンドプレート114a,114bの外周部には、外部からの衝撃を吸収する緩衝材としての機能を有するマウントゴムがそれぞれ設置される。
【0020】
なお、図示、および、詳細な説明は省略するが、エンドプレート114aには、図示しない燃料ガス供給口や、燃料ガス排出口や、酸化剤ガス供給口や、酸化剤ガス排出口や、冷却水供給口や、冷却水排出口が設けられている。また、燃料電池スタック110内部には、燃料ガスとしての水素や、酸化剤ガスとしての空気や、冷却水を、それぞれ各単セル112に分配して供給するための複数の供給マニホールドや、各単セル112のアノードおよびカソードからそれぞれ排出されるアノードオフガスおよびカソードオフガスや、冷却水を集合させて燃料電池スタック110の外部に排出するための複数の排出マニホールドが形成されている。
【0021】
また、燃料電池スタック110は、スタック構造のいずれかの箇所における接触抵抗の増加等による電池性能の低下を抑制したり、燃料電池スタック110の内部を流れるガスや、冷却水の漏洩を防止したりするために、スタック構造の積層方向に締結荷重が加えられ、図示しない締結部材によって締結されている。
【0022】
A3.搭載部の構造:
図3は、第1実施例における搭載部100の概略構造を示す説明図である。図3(a)に、搭載部100を車両10の左側から見たときの断面図(図3(b)におけるA−A断面図)を示した。図3(a)において、左側が車両10の前方であり、右側が車両10の後方であり、上側が車両10の上方であり、下側が車両10の下方である。また、図3(b)に、搭載部100を車両10の上方から見たときの断面図(図3(a)におけるB−B断面図)を示した。図3(b)において、左側が車両10の前方であり、右側が車両10の後方であり、上側が車両10の右側であり、下側が車両10の左側である。
【0023】
なお、ここでは、搭載部100の内部空間(収納空間)に、エンドプレート114a,114bの外周部にそれぞれマウントゴム116a,116bが設置された燃料電池スタック110が収納されている様子を示した。また、本実施例では、車両10の左右方向を、燃料電池スタック110における複数の単セル112の積層方向として配置して、搭載部100の内部の収納空間に、燃料電池スタック110を収納するものとした。燃料電池スタック110において、単セル112は、数百層積層され、積層方向の長さが比較的長くなる場合があるので、燃料電池スタック110をこのように配置することによって、座席シートの下部の比較的狭い空間を有効利用して、車両10に燃料電池スタック110を搭載することができる。
【0024】
図3(a)に示したように、本実施例の搭載部100は、車両10のフロアパネル12と、フロアパネル12の下方に締結されるカバー14とを備えており、これらによって、燃料電池スタック110の収納空間が形成されている。そして、フロアパネル12とカバー14とは、複数のボルト16、および、ナット18によって締結されている。フロアパネル12、および、14カバー14は、本発明における収納空間構成部材に相当する。なお、本実施例では、フロアパネル12とカバー14との締結力は、後述するように、カバー14に対して、鉛直下方に所定値以上の力が作用したときに、複数のボルト16、および、ナット18、あるいは、カバー14が破損して、フロアパネル12とカバー14とが離脱するように設定されているものとした。
【0025】
図3(a)から分かるように、搭載部100において、フロアパネル12は、先に示した燃料電池スタック110のエンドプレート114a,114bにおける辺S1、辺S5、辺S6(図2参照)に対応し、マウントゴム116a,116bの外周面と当接する形状を有している。つまり、フロアパネル12、および、カバー14によって構成される収納空間において、フロアパネル12は、車両10の床面(水平面)とのなす角度が鋭角であって、収納空間の幅が鉛直上方ほど狭くなるように傾斜が設けられた内壁を構成している。また、カバー14には、燃料電池スタック110のエンドプレート114a,114bにおける辺S2、辺S3、辺S4(図2参照)に対応し、燃料電池スタック110(マウントゴム116a,116bを含む)が嵌合される凹部14cが形成されている。
【0026】
また、図3(b)に示したように、搭載部100において、フロアパネル12には、燃料電池スタック110における複数の単セル112の積層体の外周面から突出したエンドプレート114a、および、マウントゴム116aが嵌合されるリブ部12Raと、エンドプレート114b、および、マウントゴム116bが嵌合されるリブ部12Rbとが形成されている。そして、リブ部12Raの内壁面とマウントゴム116aとは当接する。また、リブ部12Rbの内壁面とマウントゴム116bとは当接する。こうすることによって、車両10における燃料電池スタック110の設置位置の位置決めを容易に行うことができる。また、燃料電池スタック110の、車両の左右方向への横ズレを防止することもできる。
【0027】
なお、フロアパネル12は、燃料電池スタック110を設置したときに、フロアパネル12と単セル112との間に空隙ができるように形成されている。こうすることによって、燃料電池スタック110の単セル112との絶縁を確保することができる。本実施例では、燃料電池スタック110において、エンドプレート114a,114bの外周部にそれぞれマウントゴム116a,116bを設置するものとしたが、さらに、複数の単セル112の積層体の少なくとも一部の外周部にもマウントゴムを設置するようにしてもよい。
【0028】
A4.作用、および、効果:
図4は、車両10が搭載部100を備えることによる作用、および、効果を示す説明図である。ここでは、車両10が前方から衝突した場合について説明する。図4(a)に示したように、車両10が前方から衝突した場合には、フロアパネル12における先述した傾斜が設けられた前方の内壁面上の任意の点Pには、衝突時の車両10の加速度や、燃料電池スタック110の重量に応じた慣性力Fが、衝突方向と逆方向、すなわち、車両前方に作用する。なお、この慣性力Fは、緩衝材としてのマウントゴム116a,116bによって、一部、吸収されている。また、実際には、フロアパネル12と燃料電池スタック110(マウントゴム116a,116b)との間には、摩擦力が作用するが、ここでは、図示、および、理解を容易にするために、この摩擦力については、説明を省略する。
【0029】
そして、この慣性力Fは、搭載部100におけるフロアパネル12の内壁面に対して垂直な分力Fpと、フロアパネル12の内壁面に対して平行な分力Fsとに分解される。したがって、フロアパネル12を変形させる力として作用する分力Fpの大きさは、慣性力Fの大きさよりも小さくなる。先に説明したように、本実施例の搭載部100では、フロアパネル12における先述した傾斜が設けられた内壁が、車両10の前方と後方との双方に形成されているので、上述した作用は、車両10が後方から追突された場合にも、前方から衝突した場合と同様に生じる。したがって、本実施例の車両10によれば、車両10の前方、あるいは、後方からの衝突時に、搭載部100を構成するフロアパネル12の変形や破損を抑制することができる。
【0030】
第1実施例の搭載部100では、さらに、以下に説明する効果も奏する。すなわち、図4(a)に示したように、燃料電池スタック110上の点Pには、先述した慣性力Fの分力Fpと向きが逆であって、同じ大きさの抗力fpが作用する。この抗力fpは、車両10の後方向きの水平分力fpxと、車両10の鉛直下方向きの垂直分力fpyとに分解される。本実施例の搭載部100では、先に説明したように、フロアパネル12とカバー14との締結力が、カバー14に対して、鉛直下方に所定値以上の力が作用したときに、複数のボルト16、および、ナット18、あるいは、カバー14が破損して、フロアパネル12とカバー14とが離脱するように設定されている。したがって、図4(a)に示した鉛直下方向きの垂直分力fpy(fpyの総和)と燃料電池スタック110の重力Gとの和が、車両10の衝突等によって、フロアパネル12とカバー14との締結力よりも大きくなると、図4(b)に示したように、フロアパネル12と14カバー14とが離脱して、カバー14、および、燃料電池スタック110が落下する。したがって、本実施例の車両10によれば、このような作用によって、燃料電池スタック110が車両10の室内で移動することがないので、車両10の搭乗者の安全性を向上させることができる。
【0031】
B.第2実施例:
第2実施例の車両10は、燃料電池スタックの搭載部の構造、および、燃料電池スタックの形状等が、第1実施例の車両10と異なること以外は、第1実施例の車両10と同じである。以下、第2実施例の車両10において、第1実施例の車両10と異なる部分について説明する。
【0032】
図5は、第2実施例における搭載部100Aの概略構造を示す説明図である。図5(a)に、搭載部100Aを車両10の左側から見たときの断面図(図5(b)におけるA−A断面図)を示した。図5(a)において、左側が車両10の前方であり、右側が車両10の後方であり、上側が車両10の上方であり、下側が車両10の下方である。また、図5(b)に、搭載部100Aを車両10の上方から見たときの断面図(図5(a)におけるB−B断面図)を示した。図5(b)において、左側が車両10の前方であり、右側が車両10の後方であり、上側が車両10の右側であり、下側が車両10の左側である。
【0033】
図から分かるように、本実施例では、燃料電池スタック110Aの外形形状は、ほぼ直方体である。そして、この燃料電池スタック110Aは、第1実施例の燃料電池スタック110の外形形状とほぼ同じ六角柱状の形状を有するスタックケース120内に収納されている。ただし、スタックケース120は、第1実施例における燃料電池スタック110におけるエンドプレート114a,114bの形状に相当する突出する部分は有していない。そして、燃料電池スタック110Aは、絶縁性材料からなる複数のマウント部材130を介して、スタックケース120内に固定されている。本実施例では、燃料電池スタック110Aが収納されたスタックケース120が、本発明における所定の機器に相当する。
【0034】
また、本実施例の燃料電池スタック110Aは、第1実施例の搭載部100と同様に、車両10のフロアパネル12Aと、フロアパネル12Aの下方に締結されるカバー14Aとを備えており、これらによって、燃料電池スタック110Aの収納空間が形成されている。そして、フロアパネル12Aとカバー14Aとは、複数のボルト16、および、ナット18によって締結されている。なお、本実施例においても、フロアパネル12Aとカバー14Aとの締結力は、第1実施例と同様に、カバー14Aに対して、鉛直下方に所定値以上の力が作用したときに、複数のボルト16、および、ナット18、あるいは、カバー14Aが破損して、フロアパネル12Aとカバー14Aとが離脱するように設定されている。
【0035】
図5(a)から分かるように、搭載部100Aにおいて、フロアパネル12A、および、カバー14Aは、スタックケース120と当接する形状を有している。つまり、第1実施例と同様に、フロアパネル12A、および、カバー14Aによって構成される収納空間において、フロアパネル12Aは、車両10の床面(水平面)とのなす角度が鋭角であって、収納空間の幅が鉛直上方ほど狭くなるように傾斜が設けられた内壁を構成している。また、カバー14Aには、第1実施例の搭載部100におけるカバー14に形成された凹部14cに対応し、スタックケース120が嵌合される凹部14Acが形成されている。
【0036】
また、図5(b)に示したように、搭載部100Aにおいて、フロアパネル12Aには、スタックケース120の上側の面、および、側面の一部(斜面)が嵌合される凹部12Acが形成されている。こうすることによって、車両10におけるスタックケース120の設置位置の位置決めを容易に行うことができる。また、スタックケース120の、車両の左右方向への横ズレを防止することもできる。
【0037】
なお、本実施例では、スタックケース120は、フロアパネル12A、および、カバー14Aによって構成される収納空間に、緩衝材を介装せずに設置されるものとしたが、フロアパネル12A、および、カバー14Aと、スタックケース120との間に、ゴムやウレタン等からなる緩衝材を介装するようにしてもよい。
【0038】
以上説明した第2実施例の車両10によっても、搭載部100Aが、第1実施例における搭載部100とほぼ同様の構造を有しているので、車両10の前方、あるいは、後方からの衝突時に、フロアパネル12Aを変形させる力として作用する力(図4における慣性力Fの分力Fp)を、慣性力F(図4参照)よりも小さくすることができる。したがって、搭載部100Aを構成するフロアパネル12Aの変形や、破損を抑制することができる。
【0039】
また、第2実施例の車両10においても、フロアパネル12Aとカバー14Aとの締結力が、カバー14Aに対して、鉛直下方に所定値以上の力が作用したときに、複数のボルト16、および、ナット18、あるいは、カバー14Aが破損して、フロアパネル12Aとカバー14Aとが離脱するように設定されている。したがって、第1実施例と同様に、車両10の衝突時等に、スタックケース120が車両10の室内で移動することがないので、車両10の搭乗者の安全性を向上させることができる。
【0040】
C.変形例:
以上、本発明のいくつかの実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、以下のような変形が可能である。
【0041】
C1.変形例1:
図6は、第1実施例の変形例としての搭載部100Bの概略構造を示す説明図である。
図6(a)に、搭載部100Bを車両10の前方から見たときの断面図(図6(b)におけるA−A断面図)を示した。図6(a)において、左側が車両10の右側であり、右側が車両10の左側であり、上側が車両10の上方であり、下側が車両10の下方である。また、図6(b)に、搭載部100Bを車両10の上方から見たときの断面図(図6(a)におけるB−B断面図)を示した。図6(b)において、左側が車両10の右側であり、右側が車両10の左側であり、上側が車両10の後方であり、下側が車両10の前方である。
【0042】
搭載部100Bに収納される燃料電池スタック110は、第1実施例における110と同じである。ただし、本変形例では、第1実施例と、燃料電池スタック110の配置方向が異なっている。すなわち、車両10の前後方向を、燃料電池スタック110における複数の単セル112の積層方向として配置して、搭載部100Bの内部の収納空間に、燃料電池スタック110を収納するものとした。このため、本変形例の搭載部100Bは、以下に説明する構造を有している。
【0043】
図6(a)に示したように、本変形例の搭載部100Bは、車両10のフロアパネル12Bと、フロアパネル12Bの下方に締結されるカバー14Bとを備えており、これらによって、燃料電池スタック110の収納空間が形成されている。そして、第1実施例における搭載部100と同様に、フロアパネル12Bとカバー14Bとは、複数のボルト16、および、ナット18によって締結されている。なお、本変形例においても、フロアパネル12Bとカバー14Bとの締結力は、第1実施例と同様に、カバー14Bに対して、鉛直下方に所定値以上の力が作用したときに、複数のボルト16、および、ナット18、あるいは、カバー14Bが破損して、フロアパネル12Bとカバー14Bとが離脱するように設定されている。
【0044】
また、図6(a)から分かるように、搭載部100Bにおいて、フロアパネル12Bは、先に示した燃料電池スタック110のエンドプレート114a,114bにおける辺S1、辺S5、辺S6(図2参照)に対応し、マウントゴム116a,116bの外周面と当接する形状を有している。つまり、フロアパネル12B、および、カバー14Bによって構成される収納空間において、フロアパネル12Bは、車両10の床面(水平面)とのなす角度が鋭角であって、収納空間の幅が鉛直上方ほど狭くなるように傾斜が設けられた内壁を構成している。また、カバー14Bには、燃料電池スタック110のエンドプレート114a,114bにおける辺S2、辺S3、辺S4(図2参照)に対応し、燃料電池スタック110(マウントゴム116a,116bを含む)が嵌合される凹部14Bcが形成されている。
【0045】
また、図6(b)に示したように、搭載部100Bにおいて、フロアパネル12Bには、燃料電池スタック110における複数の単セル112の積層体の外周面から突出したエンドプレート114a、および、マウントゴム116aが嵌合されるリブ部12BRaと、エンドプレート114b、および、マウントゴム116bが嵌合されるリブ部12BRbとが形成されている。そして、リブ部12BRaの内壁面とマウントゴム116aとは当接する。また、リブ部12BRbの内壁面とマウントゴム116bとは当接する。こうすることによって、車両10における燃料電池スタック110の設置位置の位置決めを容易に行うことができる。
【0046】
以上説明した本変形例の搭載部100Bを備える車両10によれば、搭載部100Bが、第1実施例における搭載部100とほぼ同様の構造を有しているので、車両10の側面からの衝突時に、フロアパネル12Bを変形させる力として作用する力(図4における慣性力Fの分力Fp)を、慣性力F(図4参照)よりも小さくすることができる。したがって、搭載部100Bを構成するフロアパネル12Bの変形や、破損を抑制することができる。
【0047】
また、本変形例の車両10においても、フロアパネル12Bとカバー14Bとの締結力が、カバー14Bに対して、鉛直下方に所定値以上の力が作用したときに、複数のボルト16、および、ナット18、あるいは、カバー14Bが破損して、フロアパネル12Bとカバー14Bとが離脱するように設定されている。したがって、第1実施例と同様に、車両10の衝突時等に、燃料電池スタック110が車両10の室内で移動することがないので、車両10の搭乗者の安全性を向上させることができる。
【0048】
C2.変形例2:
上記第1実施例では、搭載部100において、フロアパネル12が、車両10の床面(水平面)とのなす角度が鋭角であって、燃料電池スタック110の収納空間の幅が鉛直上方ほど狭くなるように傾斜が設けられた内壁を構成しているものとしたが、本発明は、これに限られない。
【0049】
図7は、第1実施例の他の変形例としての搭載部100Cの概略構造を示す説明図である。図3と同様に、搭載部100Cを車両10の左側から見たときの断面図を示した。図7において、左側が車両10の前方であり、右側が車両10の後方であり、上側が車両10の上方であり、下側が車両10の下方である。
【0050】
図示するように、本変形例の搭載部100Cは、車両10のフロアパネル12Cと、フロアパネル12Cの上方に締結されるカバー14Cとを備えており、これらによって、燃料電池スタック110の収納空間が形成されている。搭載部100Cに収納される燃料電池スタック110は、第1実施例における110と同じである。そして、フロアパネル12Cとカバー14Cとは、複数のボルト16、および、ナット18によって締結されている。
【0051】
図3(a)との比較から分かるように、搭載部100において、カバー14Cは、先に示した燃料電池スタック110のエンドプレート114a,114bにおける辺S1、辺S5、辺S6(図2参照)に対応し、マウントゴム116a,116bの外周面と当接する形状を有している。つまり、フロアパネル12C、および、カバー14Cによって構成される収納空間において、カバー14Cは、車両10の床面(水平面)とのなす角度が鋭角であって、収納空間の幅が鉛直上方ほど狭くなるように傾斜が設けられた内壁を構成している。また、カバー14Cには、燃料電池スタック110のエンドプレート114a,114bにおける辺S2、辺S3、辺S4(図2参照)に対応し、燃料電池スタック110(マウントゴム116a,116bを含む)が嵌合される凹部12Ccが形成されている。
【0052】
以上説明した搭載部100Cを備える車両10によっても、搭載部100Cが、第1実施例における搭載部100とほぼ同様の構造を有しているので、車両10の前方、あるいは、後方からの衝突時に、カバー14Cを変形させる力として作用する力(図4における慣性力Fの分力Fpに相当)を、慣性力F(図4参照)よりも小さくすることができる。したがって、搭載部100Aを構成するカバー14Cの変形や、破損を抑制することができる。
【0053】
なお、カバー14Cの形状は、図7に示した形状に限られない。図8は、第1実施例の他の変形例としての搭載部100Dの概略構造を示す説明図である。図7と同様に、搭載部100Dを車両10の左側から見たときの断面図を示した。図8において、左側が車両10の前方であり、右側が車両10の後方であり、上側が車両10の上方であり、下側が車両10の下方である。
【0054】
図7と図8との比較から分かるように、図7に示した搭載部100Cと、図8に示した搭載部100Dとでは、カバー14C,14Dの形状が互いに異なっている。すなわち、図8に示したように、搭載部100Dにおけるカバー14Dは、搭載部100Cにおけるカバー14Cと同様に、フロアパネル12C、および、カバー14Dによって構成される収納空間において、カバー14Dは、車両10の床面(水平面)とのなす角度が鋭角であって、収納空間の幅が鉛直上方ほど狭くなるように傾斜が設けられた内壁を有しているが、カバー14Cよりも厚さが厚い部分を有している。搭載部100C、および、搭載部100Dにおいて、この他については同じである。こうすることによっても、図7に示した搭載部100Cと同じ効果を得ることができる。
【0055】
つまり、搭載部100C,100Dにおいて、燃料電池スタック110の収納空間を構成するカバー14C,14Dは、車両10の床面(水平面)とのなす角度が鋭角であって、収納空間の幅が鉛直上方ほど狭くなるように傾斜が設けられた内壁を有するようにすればよい。これらは、先に説明した搭載部100,100A、100Bにおけるフロアパネル12,12A,12Bについても同様である。
【0056】
C3.変形例3:
先に説明した第1実施例、および、第2実施例における搭載部100,100A、変形例における搭載部100B,100C,100Dは、燃料電池スタック110、あるいは、スタックケース120に対して、車両10の前後方向、あるいは、左右方向からの衝突に対応する構造を備えるものとしたが、本発明は、これに限られない。搭載部が、燃料電池スタック110、あるいは、スタックケース120に対して、車両10の前後方向、および、左右方向、さらには、斜め方向からの衝突に対応可能な構造としてもよい。したがって、搭載部の内壁の一部を、車両10の床面(水平面)とのなす角度が鋭角であって、収納空間の幅が鉛直上方ほど狭くなるような形状、例えば、多角錐台や、円錐台の側面の形状にするようにしてもよい。この場合、燃料電池スタックや、スタックケースの形状を、上述した搭載部の内壁の形状に対応し、内壁面と面で当接するように形成することが好ましい。
【0057】
C4.変形例4:
上記第1実施例等における燃料電池スタック110では、図2に示したように、六角形の平面形状を有する114a,114bと、六角形の平面形状を有す単セル112とを積層するものとしたが、燃料電池スタックを、他の形状としてもよい。
【0058】
図9は、変形例としての燃料電池スタック110Bの外観を示す斜視図である。この燃料電池スタック110Bは、図示するように、矩形の平面形状を有する複数の単セル112Aを積層して形成される。そして、複数の単セル112Aの積層体の両端には、集電板、および、絶縁板が、それぞれこの順に配置されており、さらに、これらの両端に、第1実施例におけるエンドプレート114a,114bと同じ六角形の平面形状を有するエンドプレート114a,114bが配置される。そして、エンドプレート114a,114bの外周部には、第1実施例と同様に、マウントゴム116a,116bが、それぞれ設置される。このような燃料電池スタック110Aによっても、第1実施例における燃料電池スタック110と同様の効果を得ることができる。
【0059】
また、図10は、他の変形例としての燃料電池スタック110Cの外観を示す斜視図である。この燃料電池スタック110Cは、図示するように、第2実施例における直方体の外形形状を有する燃料電池スタック110Aにおけるエンドプレートの外周部に、第1実施例の燃料電池スタック110における六角形の平面形状を有するエンドプレート114a,114bとほぼ同じ外形形状を有するマウントゴム116Ca,116Cbが設置されている。このような燃料電池スタック110Cによっても、第1実施例における燃料電池スタック110と同様の効果を得ることができる。
【0060】
C5.変形例5:
上記第1実施例、および、第2実施例では、搭載部100,100Aにおいて、カバー14,14Aに、凹部14c,14Acを設けるものとしたが、これを省略してもよい。この場合、燃料電池スタック110や、スタックケース120の形状を、搭載部100,100Aの内部形状に対応して、略台形柱とすればよい。
【0061】
C6.変形例6:
上記実施例、および、変形例では、車両10の搭載部に、燃料電池スタックを搭載する場合について説明したが、本発明は、これに限られない。本発明は、バッテリや、燃料タンク、モータ等、車両10を駆動するための他の機器を搭載するための搭載部に適用可能である。
【0062】
C7.変形例7:
上記実施例では、車両10において、搭載部は、座席シートの下部に配置されているものとしたが、本発明は、これに限られない。10における搭載部の配置位置は、任意に設定可能である。ただし、車両10の走行安定性の観点から、搭載部は、車両10の重量バランスを考慮して配置されるようにすることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第1実施例としての車両の概略構成を示す説明図である。
【図2】第1実施例における燃料電池スタック110の外観を示す斜視図である。
【図3】第1実施例における搭載部100の概略構造を示す説明図である。
【図4】車両10が搭載部100を備えることによる作用および効果を示す説明図である。
【図5】第2実施例における搭載部100Aの概略構造を示す説明図である。
【図6】第1実施例の変形例としての搭載部100Bの概略構造を示す説明図である。
【図7】第1実施例の他の変形例としての搭載部100Cの概略構造を示す説明図である。
【図8】第1実施例の他の変形例としての搭載部100Dの概略構造を示す説明図である。
【図9】変形例としての燃料電池スタック110Bの外観を示す斜視図である。
【図10】他の変形例としての燃料電池スタック110Cの外観を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0064】
10…車両
12,12A,12B,12C…フロアパネル
12Ra,12Rb,12BRa,12BRb…リブ部
12Ac,12Cc…凹部
14,14A,14B,14C,14D…カバー
14c,14Ac,14Bc…凹部
16…ボルト
18…ナット
100,100A,100B,100C,100D…搭載部
110,110A,110B,110C…燃料電池スタック
112,112A…単セル
114a,114b…エンドプレート
116a,116b,116Ca,116Cb…マウントゴム
120…スタックケース
130…マウント部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を駆動するために用いられる所定の機器を搭載するための機器搭載部を前記車両の床面部に備える車両であって、
前記機器搭載部は、前記機器を収納する収納空間を構成する収納空間構成部材を備え、
前記収納空間構成部材は、前記収納空間内において、前記車両の床面とのなす角度が鋭角となるように傾斜が設けられた内壁を有しており、
前記機器は、前記収納空間構成部材の前記傾斜が設けられた内壁の少なくとも一部と、面で当接する形状を有している、車両。
【請求項2】
請求項1記載の車両であって、
前記傾斜は、前記車両の少なくとも前方側に設けられている、車両。
【請求項3】
請求項1または2記載の車両であって、
前記収納空間構成部材は、
前記車両のフロアパネルと、
前記フロアパネルに締結されるカバーと、を含み、
前記フロアパネル、および、前記カバーのうちの少なくとも一方が、前記傾斜が設けられた内壁を有している、車両。
【請求項4】
請求項1または2記載の車両であって、
前記収納空間構成部材は、
前記傾斜が設けられた内壁を有する前記車両のフロアパネルと、
前記フロアパネルの下方に締結されるカバーと、を含み、
前記フロアパネルと前記カバーとの締結力は、前記カバーに対して、鉛直下方に所定値以上の力が作用したときに、前記フロアパネルと前記カバーとが離脱するように設定されている、車両。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の車両であって、
前記車両に対して略水平方向に外力が作用したときに、前記内壁、および、前記機器に対して作用する力を吸収するための緩衝材が、前記機器と前記内壁との間に介装されている、車両。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の車両であって、
前記機器は、燃料電池、バッテリ、燃料タンクのうちの少なくとも1つを含む、車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−260382(P2008−260382A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−104051(P2007−104051)
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】