説明

車体前部構造

【課題】エアインテークをアッパサイドメンバー下方からバンパーフェースの近傍まで延ばし、かつエアインテークの吸込口に水溜まりの水や雨水が侵入することを防ぐことができる車体前部構造を提供する。
【解決手段】車体前部構造10のバンパーフェース支持ブラケット25は、左アッパサイドメンバー21に沿って車体幅方向に延びる水平部45と、水平部45の車体内側端部から斜め下方に延びる傾斜部46と、斜面部46に沿って上昇した水を車体の前後側に案内するガイド壁68と、水平部45の前壁62に形成された前壁排水路71と、水平部45の後壁63に形成された後壁排水路75とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロントバルクヘッドのアッパサイドメンバー下方からエアインテークを車体前方へ延出し、エアインテークの吸込口を上方に向け、吸込口の上方にバンパーフェース支持ブラケットを備えた車体前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、バスなどの車体前部構造のなかには、前輪の後方にエアクリーナを備え、このエアクリーナの前方にエアインテークが設けられ、このエアインテークを前輪の後方から車体の前端部まで延ばし、車体の前端部に吸込口を臨ませ、この吸込口から空気を取り入れるように構成したものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】実開平5−52254号公報
【0003】
バスは大型車両なので、車体前部構造にエアインテークを前輪の後方から車体の前端部まで延ばすための空間を比較的容易に確保することが可能である。
しかし、例えば、小型車両の場合には、車体前部構造内(すなわち、エンジンルーム)にエアインテークを設ける空間を確保することは難しい。
そこで、エアクリーナに連結したエアインテークをフロントバルクヘッドのアッパサイドメンバー下方を経てバンパーフェースの近傍まで延ばすことが考えられる。
【0004】
エアインテークをバンパーフェースの近傍まで延ばした場合、車両が水溜まりを走行した際に、前輪で跳ね上げられた水がフロントグリルを経て吸込口からエアインテーク内に侵入する虞がある。
この対策として、エアインテークの吸込口を上方に向けて開口することが考えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、エアインテークの吸込口を上方に向けて開口させた場合、例えば雨水がヘッドライトに沿って下方に流れ、ヘッドライトの下端から滴下した雨水が吸込口内に侵入することが考えられる。
このため、エアインテークをアッパサイドメンバー下方からバンパーフェースの近傍まで延ばした場合には、エアインテークの吸込口に水溜まりの水や雨水が侵入することを防ぐ工夫が要求される。
【0006】
本発明は、エアインテークをアッパサイドメンバー下方からバンパーフェースの近傍まで延ばし、かつエアインテークの吸込口に水溜まりの水や雨水が侵入することを防ぐことができる車体前部構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、フロントバルクヘッドのアッパサイドメンバー下方からエアインテークを車体前方へ延出し、このエアインテークの吸込口を上方に向け、この吸込口の上方にバンパーフェース支持ブラケットを備え、このバンパーフェース支持ブラケットでバンパーフェースを支える車体前部構造であって、前記バンパーフェース支持ブラケットは、前記アッパサイドメンバーに沿って車体幅方向に延びる水平部と、この水平部の車体内側端部から斜め下方に延びる傾斜部と、この斜面部近傍の前記水平部に設けられ、斜面部に沿って上昇した水を車体の前後側に案内するガイド壁と、このガイド壁に案内された水、および前記水平部の上面から車体前側に流下した水を斜面部まで案内するために前記水平部の前壁に形成された前壁排水路と、このガイド壁で車体後側に案内された水、および前記水平部の上面から車体後側に流下した水を斜面部まで案内するために前記水平部の後壁に形成された後壁排水路と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明では、アッパサイドメンバーに沿って水平部を延ばすことで、水平部が吸込口の上方に配置される。この水平部の車体内側端部から傾斜部を斜め下方に延ばした。この斜面部近傍の水平部にガイド壁を設けた。
そして、水平部の前壁に前壁排水路を形成するとともに、水平部の後壁に後壁排水路を形成した。
【0009】
この構成によれば、水溜まりの水が斜面部の上面に沿って上昇した場合、上昇した水をガイド壁で車体の前後側に案内することができる。
そして、ガイド壁で車体の前後側に案内された水を前壁排水路および後壁排水路で斜面部まで案内することができる。
これにより、斜面部の上面に沿って上昇した水溜まりの水が、エアインテークの吸込口に侵入することを防ぐことができる。
【0010】
加えて、雨水が水平部の上面に滴下し、滴下した雨水が上面から車体の前後側に流下した場合、車体の前後側に流下した水を前壁排水路および後壁排水路で斜面部まで案内することができる。
これにより、水平部の上面に滴下した雨水が、エアインテークの吸込口に侵入することを防ぐことができる。
【0011】
したがって、エアインテークをアッパサイドメンバー下方からバンパーフェースの近傍まで延ばし、エアインテークの吸込口を上方に向けた状態において、水溜まりの水や雨水が吸込口に侵入することを防ぐことができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」は作業者から見た方向に従い、前側をFr、後側をRr、左側をL、右側をRとして示す。
図1は本発明に係る車体前部構造からバンパーフェースやヘッドライトを外した状態を示す斜視図である。
車体前部構造10は、車体前部の左右側に前後方向に延びる左右のフロントサイドフレーム11,12を備え、左右のフロントサイドフレーム11,12のそれぞれの前端部11a,12aにフロントバルクヘッド14を備え、フロントバルクヘッド14にラジエータ15およびコンデンサ16を取り付け、コンデンサ16の前方にフロントバンパービーム18が車幅方向を向いて配置され、フロントバンパービーム18が左右のフロントサイドフレーム11,12のそれぞれの前端部11a,12aに架け渡されている。
コンデンサ16は、例えば、エアコン用の冷媒ガスを冷却して液化するものである。
【0013】
この車体前部構造10は、フロントバルクヘッド14の左アッパサイドメンバー(アッパサイドメンバー)21および左取付部材22に左バンパーフェース支持ブラケット(バンパーフェース支持ブラケット)25がボルト止めされ、フロントバルクヘッド14の右アッパサイドメンバー26および右取付部材27に右バンパーフェース支持ブラケット28がボルト止めされ、左アッパサイドメンバー21の下方から前方へエアインテーク31を延出し、このエアインテーク31の吸込口32を上方に向けたものである。
【0014】
エアインテーク31の吸込口32の上方に左バンパーフェース支持ブラケット25が位置する。
なお、エアインテーク31は、図示しないエアクリーナに連結されている。このエアクリーナは、車体前部構造10の内部空間(すなわち、エンジンルーム)33に設けられている。
【0015】
左取付部材22は、フロントバルクヘッド14の左支柱34にボルト止めされた部材である。
左取付部材22には、左バンパーフェース支持ブラケット25とともにアッパビーム35の左端部35aがボルト36で共締めされている。
【0016】
右取付部材27は、フロントバルクヘッド14の右支柱(図示せず)にボルト止めされた部材である。
右取付部材27には、右バンパーフェース支持ブラケット28とともにアッパビーム35の右端部35bがボルト36で共締めされている。
【0017】
右バンパーフェース支持ブラケット28は、バンパーフェース38の右端部38bを支えるとともに、フロントグリル41の右端部41bを支える部材である。
右バンパーフェース支持ブラケット28の上方には右ヘッドライト43が設けられる。
【0018】
左バンパーフェース支持ブラケット25は、バンパーフェース38の左端部38aを支えるとともに、フロントグリル41の左端部41aを支える部材である。
左バンパーフェース支持ブラケット25の上方には左ヘッドライト42が設けられる。
【0019】
この左バンパーフェース支持ブラケット25は、エアインテーク31の吸込口32の上方に配置され、エアインテーク31の吸込口32に水溜まりの水や雨水が侵入することを防ぐように構成されている。
以下、図2〜図5において、左バンパーフェース支持ブラケット25について説明する。
【0020】
図2は本発明に係る車体前部構造の左バンパーフェース支持ブラケットを示す斜視図、図3は本発明に係る車体前部構造の左バンパーフェース支持ブラケットを外した状態を示す分解斜視図である。
エアインテーク31は、フロントバルクヘッド14の左アッパサイドメンバー21下方から車体前方へ延出され、このエアインテーク31の吸込口32が上方に向けて開口されている。
吸込口32の上方には、左バンパーフェース支持ブラケット25が配置されている。
【0021】
左バンパーフェース支持ブラケット25は、左アッパサイドメンバー21に沿って車体幅方向に延びる水平部45と、水平部45の車体内側端部45aから斜め下方に延びる傾斜部46と、傾斜部46から下方に延びる鉛直部47とを備える。
水平部45は、車体外側端部45bが左アッパサイドメンバー21の上面21aに取り付けられるとともに、車体内側端部45aが左アッパサイドメンバー21の前方に突出した状態に配置され、車体外側端部45bから車体内側端部45aまで僅かに下り勾配に形成されている。
【0022】
具体的には、水平部45は、車体外側端部45bに取付片47(図4、図5も参照)が設けられている。
この取付片47を、左アッパサイドメンバー21の取付ブラケット48にボルト51・ナット52で取り付けることで、車体外側端部45bが左アッパサイドメンバー21の上面21aに取り付けられる。
【0023】
また、水平部45は、車体内側端部45aのうち、車体後側に上取付片53および前取付片54がそれぞれ設けられている。
上取付片53は、左アッパサイドメンバー21の上面21aにボルト56・ナット(図示せず)で取り付けられている。
前取付片54は、左支柱34にボルト57・ナット59で取り付けられている。
【0024】
これにより、車体内側端部45aが左アッパサイドメンバー21の前方に突出した状態に配置される。そして、水平部45のうち、車体内側端部45a側の略半分の部位58(以下、「内側水平部58」という)が、エアインテーク31の吸込口32の上方に配置される。
水平部45は、上面61が左ヘッドライト42の下部42aに臨み、上面61の車体前側に前壁62が形成され、上面61の車体後側に後壁63(図4参照)が形成されている。
【0025】
水平部45の上面61は、全体に略水平に形成された面である。
詳しくは、上面61は、車体外側端部45bから内側水平部58の中央58aまで僅かに直線状の下り勾配に形成され、内側水平部58の中央58aから車体内側端部45aまで僅かに湾曲状の下り勾配に形成されている。
上面61が左ヘッドライト42の下部42aに臨む位置に配置されているので、左ヘッドライト42の表面42bから下部42aに流下した雨水が、上面61に滴下することが考えられる。
【0026】
この上面61は、水平部45の車体外側端部45b近傍および略中央部にそれぞれバンパー係止爪65,65を備える。
バンパー係止爪65,65に、図1に示すバンパーフェース38の左係止部(図示せず)を係止することで、バンパー係止爪65,65にバンパーフェース38の左端部38aを係止する。
【0027】
さらに、上面61は、水平部45の車体内側端部45a近傍にグリル係止爪66を備える。
グリル係止爪66に、図1に示すフロントグリル41の左係止部(図示せず)を係止することで、グリル係止爪66にフロントグリル41の左端部41aを係止する。
【0028】
加えて、上面61は、内側水平部58の中央58aにガイド壁68を備える。ガイド壁68は、内側水平部58の中央58aに車体前後方向に向けて上面61から立設されている。
換言すれば、ガイド壁68は、斜面部46近傍の上面61に設けられている。
ガイド壁68を斜面部46近傍の上面61に設けることで、上面61のうち、中央58aから車体内側端部45aまでの傾斜面58b(以下、「湾曲傾斜面58b」という)に沿って上昇した水を、ガイド壁68で車体前側や車体後側にそれぞれ案内することができる。
【0029】
このガイド壁68は、一例として、略矩形状に形成され、リブで補強されている。ガイド壁68の形状は略矩形状に限定するものではなく、湾曲状などの他の形状に形成することも可能である。
ガイド壁68を補強するリブは除去することも可能である。
【0030】
前壁62は、上面61の車体前側において下方に略鉛直に向けて形成されている。
この前壁62は、内側水平部58に相当する部位が、車体後方に段差状に凹んだ壁部62aに形成されている。凹んだ壁部62aに前壁排水路71が形成されている。
【0031】
前壁排水路71は、凹んだ壁部62aと、この凹んだ壁部62aの下辺に沿って車体内側に向けて下り勾配に形成された湾曲状の底部72と、底部72から立ち上げた前側壁73で凹状に形成された溝部である。
前壁排水路71は、吸込口32の上方に位置する。この前壁排水路71は、左ヘッドライト42の下部42aから雨水が上面61に滴下した際に、上面61から流下した雨水を受けて、吸込口32から離れた位置(傾斜部46)まで案内することができる。
【0032】
図4は本発明に係る車体前部構造の左バンパーフェース支持ブラケットを車体後方から見た状態を示す斜視図である。
後壁63は、上面61の車体後側において下方に略鉛直に向けて形成されている。
この後壁63は、水平部45の車体外側端部45b近傍から車体内側端部45aまで後壁排水路75が形成されている。
後壁排水路75は、後壁63と、後壁63の下辺に沿って車体内側に向けて下り勾配に形成された湾曲状の底部76と、底部76から立ち上げた後側壁77で凹状の形成された溝部である。
【0033】
後壁排水路75は、吸込口32の上方に位置する。この後壁排水路75は、左ヘッドライト42の下部42a(図2参照)から雨水が上面61に滴下した際に、上面61から流下した雨水を受けて、吸込口32から離れた位置(傾斜部46)まで案内することができる。
【0034】
図5は本発明に係る車体前部構造の左バンパーフェース支持ブラケットを示す平面図である。
上面61の車体前側に前壁排水路71が設けられ、かつ、上面61の車体後側に後壁排水路75が設けられている。
よって、上面61から流下した雨水を前後の壁排水路71,75で受けて、吸込口32から離れた位置(傾斜部46)まで案内することができる。
これにより、雨水が吸込口32に侵入することを防ぐことができる。
【0035】
さらに、上面61のうち、内側水平部58の中央58aにガイド壁68を備える。
ガイド壁68は、傾斜部46および湾曲傾斜面58bに沿って上昇した水を、車体前側や車体後側にそれぞれ案内する。
よって、車体前側や車体後側に案内された水を、前後の壁排水路71,75で受けて、吸込口32から離れた位置(傾斜部46)まで案内することができる。
傾斜部46および湾曲傾斜面58bに沿って上昇した水が、吸込口32に侵入することを防ぐことができる。
【0036】
図2、図3に戻って、水平部45の車体内側端部45aから傾斜部46が斜め下方に延びている。傾斜部46は、水平部45の車体内側端部45aから車体中央に向けて斜め下方に延びる部位である。
傾斜部46は、水平部45の湾曲傾斜面58bに連続する上面81を備える。この傾斜部46は、エアインテーク31の吸込口32に対して車体中央側に離れた個所に設けられている。
【0037】
傾斜部46から鉛直部47がエアインテーク31の車体内側壁面31aに沿って下方に延びている。
鉛直部47は、下端部に車体中央側に延びる取付片83が形成されている。取付片83は、左取付部材22にボルト36・ナット37(図3参照)でアッパビーム35の左端部35aとともに共締めされている。
左取付部材22は、フロントバルクヘッド14の左支柱34にボルト止めされた部材である。
【0038】
つぎに、左バンパーフェース支持ブラケットの前後の壁排水路71,75で水を案内する例を図6〜図7に基づいて説明する。
図6(a),(b)は本発明に係る左バンパーフェース支持ブラケットに雨水が滴下した例を示す説明図である。
(a)において、左ヘッドライト42の下部42aから雨水が矢印Aの如く上面61に滴下することが考えられる。滴下した雨水の一部は、上面61から矢印Bの如く前壁排水路71に流下する。
流下した雨水は、前壁排水路71に案内されて吸込口32から離れた位置(傾斜部46)まで案内され、前壁排水路71の出口71aから矢印Cの如く流出する。
【0039】
(b)において、滴下した雨水のうち、残りの雨水は、上面61から矢印Dの如く後壁排水路75に流下する。
流下した雨水は、後壁排水路75に案内されて吸込口32から離れた位置(傾斜部46)まで案内され、後壁排水路75の出口75aから矢印Eの如く流出する。
【0040】
図6(a),(b)で説明したように、上面61から流下した雨水を前後の壁排水路71,75で受けて、吸込口32から離れた位置(傾斜部46)まで案内することができる。
これにより、雨水がインテーク31の吸込口32に侵入することを防ぐことができる。
【0041】
図7(a),(b)は本発明に係る左バンパーフェース支持ブラケットの傾斜部に沿って水溜まりの水が上昇した例を示す説明図である。
(a)において、車両が水溜まりを走行した際に、前輪で跳ね上げられた水が、フロントグリル41(図1参照)を経て左バンパーフェース支持ブラケット25の傾斜部46に到達することが考えられる。
【0042】
傾斜部46に到達した水は、傾斜部46(上面81)から湾曲傾斜面58bに沿って矢印Fの如く上昇し、ガイド壁68に到達する。
ガイド壁68に到達した水の一部は、ガイド壁68に案内されて上面61から矢印Gの如く前壁排水路71に流下する。
流下した水は、前壁排水路71に案内されて吸込口32から離れた位置(傾斜部46)まで案内され、前壁排水路71の出口71aから矢印Hの如く流出する。
【0043】
(b)において、ガイド壁68に到達した水のうち、残りの水は、ガイド壁68に案内されて上面61から矢印Iの如く後壁排水路75に流下する。
流下した水は、後壁排水路75に案内されて吸込口32から離れた位置(傾斜部46)まで案内され、後壁排水路75の出口75aから矢印Jの如く流出する。
【0044】
図7(a),(b)で説明したように、傾斜部46(上面81)から湾曲傾斜面58bに沿って上昇した水を、ガイド壁68で前後の壁排水路71,75に案内する。
案内された水を前後の壁排水路71,75で受けて、吸込口32から離れた位置(傾斜部46)まで案内することができる。
これにより、前輪で跳ね上げた水溜まりの水がインテーク31の吸込口32に侵入することを防ぐことができる。
【0045】
以上説明したように、車体前部構造10によれば、図2に示すように、エアインテーク31を左アッパサイドメンバー21下方からバンパーフェース38(図1参照)の近傍まで延ばし、延ばしたエアインテーク31の吸込口32を上方に向けた状態において、雨水や、前輪で跳ね上げた水溜まりの水が吸込口32に侵入することを防ぐことができる。
【0046】
なお、前記実施の形態で示した左バンパーフェース支持ブラケット25、エアインテーク31、吸込口32、バンパーフェース38、水平部45、傾斜部46、上面61、前壁62、後壁63、ガイド壁68、前壁排水路71、および後壁排水路75の形状は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の車体前部構造は、フロントバルクヘッドのアッパサイドメンバー下方からエアインテークを車体前方へ延出し、エアインテークの吸込口を上方に向け、吸込口の上方にバンパーフェース支持ブラケットを備えた自動車への適用に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る車体前部構造からバンパーフェースやヘッドライトを外した状態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る車体前部構造の左バンパーフェース支持ブラケットを示す斜視図である。
【図3】本発明に係る車体前部構造の左バンパーフェース支持ブラケットを外した状態を示す分解斜視図である。
【図4】本発明に係る車体前部構造の左バンパーフェース支持ブラケットを車体後方から見た状態を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る車体前部構造の左バンパーフェース支持ブラケットを示す平面図である。
【図6】本発明に係る左バンパーフェース支持ブラケットに雨水が滴下した例を示す説明図である。
【図7】本発明に係る左バンパーフェース支持ブラケットの傾斜部に沿って水溜まりの水が上昇した例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0049】
10…車体前部構造、14…フロントバルクヘッド、21…左アッパサイドメンバー(アッパサイドメンバー)、25…左バンパーフェース支持ブラケット(バンパーフェース支持ブラケット)、31…エアインテーク、32…吸込口、38…バンパーフェース、45…水平部、46…傾斜部、61…上面、62…前壁、63…後壁、68…ガイド壁、71…前壁排水路、75…後壁排水路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントバルクヘッドのアッパサイドメンバー下方からエアインテークを車体前方へ延出し、このエアインテークの吸込口を上方に向け、この吸込口の上方にバンパーフェース支持ブラケットを備え、このバンパーフェース支持ブラケットでバンパーフェースを支える車体前部構造であって、
前記バンパーフェース支持ブラケットは、
前記アッパサイドメンバーに沿って車体幅方向に延びる水平部と、
この水平部の車体内側端部から斜め下方に延びる傾斜部と、
この斜面部近傍の前記水平部に設けられ、斜面部に沿って上昇した水を車体の前後側に案内するガイド壁と、
このガイド壁に案内された水、および前記水平部の上面から車体前側に流下した水を斜面部まで案内するために前記水平部の前壁に形成された前壁排水路と、
このガイド壁で車体後側に案内された水、および前記水平部の上面から車体後側に流下した水を斜面部まで案内するために前記水平部の後壁に形成された後壁排水路と、
を備えたことを特徴とする車体前部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−283994(P2007−283994A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−116379(P2006−116379)
【出願日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】