説明

車体前部構造

【課題】前照灯の回転軌跡内にセンサが配置されていても、衝突初期に前照灯がセンサに干渉することを抑制できる車体前部構造を得る。
【解決手段】前面衝突時にヘッドランプ30が支軸32周りに車体に対して後側へ相対回転されると、ヘッドランプ30の車幅方向内側端部がラジエータサポート14のサイドフレームに接近する。このヘッドランプ30の車幅方向内側端部の回転軌跡内には、サイドフレームのセンサ取付部34に取り付けられたサテライトセンサ36が配置されているが、本車体前部構造では、ヘッドランプ30の車幅方向内側端部がサテライトセンサ36に干渉する前に、ヘッドランプ30に設けられたランプストッパ38が、フロントサイドメンバ22の前端結合部22Aに設けられた干渉部42に当接し、ヘッドランプ30の車体に対する相対回転が制限される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のラジエータサポートのサイドフレームに、エアバック装置を作動させるための閾値を決定するエアバックセンサを取り付けた構成の車体前部構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−213185号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、自動車の前照灯において、車幅方向外側端部よりも車体前側に配置される車幅方向内側端部が、車両の前面衝突時に車幅方向外側端部付近を回転中心として車体に対し後側へ相対回転される構成のものでは、低速衝突時における損傷を抑制することができる。しかしながら、このような前照灯は、車体に対する後側への相対回転に伴って、車幅方向内側端部が車幅方向内側へと変位し、ラジエータサポートに接近する。このため、このような前照灯を備えた自動車において、ラジエータサポートにエアバックセンサを取り付ける場合には、前照灯がエアバックセンサに干渉しないように、各部材の配置や寸法などを設定する必要があり、設計の自由度が低下する。
【0004】
本発明は上記事実を考慮し、前照灯の回転軌跡内にセンサが配置されていても、衝突初期に前照灯がセンサに干渉することを防止できる車体前部構造を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明に係る車体前部構造は、車体前部に設けられ、車幅方向外側端部よりも車体前側に配置される車幅方向内側端部が車両の前面衝突時に車幅方向外側端部付近を回転中心として車体に対し後側へ相対回転される前照灯と、前記前照灯の車幅方向内側近傍に設けられ、少なくとも一部が前記前照灯の車幅方向内側端部の回転軌跡内に配置されるセンサと、車体前部に設けられ、前記前照灯が前記相対回転した際には前記前照灯の車幅方向内側端部が前記センサに干渉する前に前記前照灯の一部に干渉して前記前照灯の前記相対回転を制限する干渉部と、を有することを特徴としている。
【0006】
請求項1に記載の車体前部構造では、車両の前面衝突時には、前照灯が車幅方向外側端部付近を回転中心として車体に対し後側へ相対回転される。この前照灯の車幅方向内側近傍にはセンサが設けられており、このセンサの少なくとも一部は、前照灯の車幅方向内側端部の回転軌跡内に配置されているが、この車体前部構造では、前照灯の車幅方向内側端部がセンサに干渉する前に、前照灯の一部が車体前部に設けられた干渉部に干渉し、前照灯の前記相対回転が制限される。したがって、衝突初期に前記相対回転によって前照灯がセンサに干渉することを防止できる。
【0007】
請求項2に記載の発明に係る車体前部構造は、請求項1に記載の車体前部構造において、前記センサは、車体前後方向の減速度を検知すると共に、ラジエータサポートのサイドフレームに取り付けられることを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の車体前部構造では、車体前後方向の減速度を検知するセンサが、車両の前面衝突時に座屈・変形しやすいラジエータサポートのサイドフレームに取り付けられている。したがって、センサによる減速度の検知感度を向上させることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明に係る車体前部構造は、請求項1又は請求項2に記載の車体前部構造において、前記干渉部に干渉する前記前照灯の一部には、前記前照灯の本体部よりも剛性が高い制限部が設けられることを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の車体前部構造では、前照灯が本体部よりも剛性が高い制限部を有しており、前照灯の車体に対する相対回転時には、この制限部が車体前部の干渉部に干渉する。したがって、前照灯の車体に対する相対回転を良好に制限することができる。
【0011】
請求項4に記載の発明に係る車体前部構造は、請求項3に記載の車体前部構造において、前記前照灯は、前記制限部の車体前側に脆弱部を有し、前記脆弱部は、前記制限部と前記干渉部との干渉状態で前記前照灯に車体前側から所定値以上の荷重が作用すると変形することを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の車体前部構造では、前照灯の制限部と車体前部の干渉部とが干渉した状態で、前照灯に車体前側から所定値以上の荷重が作用すると、制限部の車体前側で前照灯に設けられた脆弱部が変形する。このように、前照灯を予め決められた部位(脆弱部)で変形させることができるので、前照灯の変形を安定させることができる。
【0013】
請求項5に記載の発明に係る車体前部構造は、請求項3又は請求項4に記載の車体前部構造において、前記制限部は、前記前照灯の車幅方向内側端部に設けられることを特徴としている。
【0014】
請求項5に記載の車体前部構造では、制限部が前照灯の車幅方向内側端部に設けられているので、制限部と干渉部との干渉によって、前照灯の車幅方向内側端部の車体に対する相対回転をダイレクトに制限することができる。したがって、衝突初期に前照灯がセンサに干渉することを一層良好に防止することができる。
【0015】
請求項6に記載の発明に係る車体前部構造は、請求項5に記載の車体前部構造において、前記干渉部は、フロントサイドメンバの前端部に設けられることを特徴としている。
【0016】
請求項6に記載の発明に係る車体前部構造では、干渉部が剛性の高いフロントサイドメンバの前端部に設けられているので、干渉部と制限部との干渉によって前照灯の車体に対する相対回転を良好に制限することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明の請求項1に係る車体前部構造では、前照灯の回転軌跡内にセンサが配置されていても、衝突初期に前照灯がセンサに干渉することを防止できる。
【0018】
本発明の請求項2に係る車体前部構造では、センサによる減速度の検知感度を向上させることができる。
【0019】
本発明の請求項3に係る車体前部構造では、前照灯の車体に対する相対回転を良好に制限することができる。
【0020】
本発明の請求項4に係る車体前部構造では、前照灯の変形を安定させることができる。
【0021】
本発明の請求項5に係る車体前部構造では、衝突初期に前照灯がセンサに干渉することを一層良好に防止できる。
【0022】
本発明の請求項6に係る車体前部構造では、前照灯の車体に対する相対回転を良好に制限することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の実施形態に係る車体前部構造について、図1〜図9に基づいて説明する。なお、図中矢印FRは車体前方向を示し、矢印UPは車体上方向を示し、矢印INは車幅内側方向を示している。
【0024】
図1〜図3に示されるように、本発明の実施形態に係る車体前部構造が適用されて構成された自動車12の車体前部には、図示しないラジエータが取り付けられるラジエータサポート14が設けられている。図4に示されるように、ラジエータサポート14は、上下に車幅方向に沿って平行に配置されたフロントクロスメンバアッパ16及びフロントクロスメンバロア18と、両者の車幅方向両端部を上下方向に繋ぐ左右一対のサイドフレーム20とを有しており、枠状に形成されている。
【0025】
各サイドフレーム20の車幅方向外側端部には、それぞれフロントサイドメンバ22の前端部が結合されている。また、各フロントサイドメンバ22の前端には、それぞれフロントバンパーリインフォースメント24が結合される結合部22Aが設けられている。
【0026】
図1〜図3に示されるように、ラジエータサポート14のフロントクロスメンバアッパ16とフロントフェンダ26との間には、ラジエータサポートアッパサイド28が設けられており、ラジエータサポートアッパサイド28の車体下側には、前照灯としてのヘッドランプ30が配置されている。ヘッドランプ30は、本体部としてのランプハウジング31と、ランプハウジング31の車体前側に取り付けられるランプアウターレンズ33とを有している。
【0027】
このヘッドランプ30は、車幅方向に沿って長尺な形状に形成されており、図2に示されるように、車幅方向内側端部が車幅方向外側端部よりも車体前側に配置されている(すなわち、ヘッドランプ30は車幅方向内側端部が最前部とされている)。また、図5に示されるように、ヘッドランプ30の車幅方向外側には、回転軸32が設けられており、この回転軸32は、フロントフェンダ26に回転可能に支持されている。
【0028】
このため、この自動車12では、前面衝突時にヘッドランプ30に衝突物が衝突して、ヘッドランプ30に車体後側へ向いた所定値以上の衝撃荷重が作用すると、ヘッドランプ30が車幅方向外側端部の回転軸32を回転中心(図1、3、5の回転軸線A参照)として、車体に対し後側へ相対回転されるようになっている。これにより、自動車12の低速での前面衝突時におけるヘッドランプ30の損傷が抑制される。
【0029】
しかも、前述したように、ヘッドランプ30は車幅方向内側端部が車幅方向外側端部(回転軸32)よりも車体前側に配置されているので、ヘッドランプ30が回転軸32を回転中心として車体に対し後側へ相対回転すると、ヘッドランプ30の車幅方向内側端部は、車幅方向内側へと変位しながらラジエータサポート14のサイドフレーム20へ接近する(車体に対し斜め後側へ回転する)。
【0030】
ラジエータサポート14の車体右側のサイドフレーム20には、車体前方へ向けて突出する板状のセンサ取付部34が設けられている。センサ取付部34は、板厚方向が車幅方向に沿うように配置されており、このセンサ取付部34の車幅方向外側面には、図示しないエアバック装置を作動させるために車体前後方向の減速度を検知するエアバックセンサ(衝突検知センサ)としてのサテライトセンサ36が取り付けられている。
【0031】
このサテライトセンサ36は、ヘッドランプ30の車幅方向内側近傍に配置されると共に、ヘッドランプ30の車幅方向内側端部の回転軸32周りの回転軌跡内に配置されている。このため、ヘッドランプ30が車体に対して回転軸32周りに後側へ相対回転すると、ヘッドランプ30の車幅方向内側端部がサテライトセンサ36に接近する構成になっている。
【0032】
ここで、本実施形態では、図5及び図6に示されるように、ヘッドランプ30のランプハウジング31の車幅方向内側端部には、制限部としてのランプストッパ38が設けられている。ランプストッパ38は、軸線方向が車体前後方向に沿った角筒状に形成され、車体後側へ向けて突出している。ランプストッパ38の内側には、リブ40が設けられており、ランプストッパ38は、ヘッドランプ30のランプハウジング31の他の部位に比べて剛性が高く形成されている(特に車体前後方向に沿った荷重に対して変形しにくく形成されている)。
【0033】
また、ランプストッパ38の車体後側には、フロントサイドメンバ22の結合部22Aの上端部に設けられた干渉部42が対向かつ接近して配置されている。干渉部42は、ヘッドランプ30が車体に対し回転軸32周りに後側へ相対回転した際のランプストッパ38の回転軌跡内に配置されており、ヘッドランプ30の上記相対回転によって、ランプストッパ38の先端部(車体後側端部)と干渉部42とが干渉(当接)するようになっている。このように、ランプストッパ38と干渉部42とが当接した状態では、ヘッドランプ30の上記相対回転が制限される。しかも、この当接状態では、ヘッドランプ30の車幅方向内側端部と前述したサテライトセンサ36との間に、所定の間隙が確保される構成になっている。
【0034】
このため、本実施形態では、図7に示されるように、ヘッドランプ30に車体前側から衝突物44が衝突してヘッドランプ30に衝撃荷重が作用し(図7の矢印F参照)、ヘッドランプ30が図7に示される通常位置から車体に対して回転軸32周りに後側へ相対回転されると(図8の矢印T参照)、図8に示されるように、ヘッドランプ30の車幅方向内側端部がサテライトセンサ36に干渉する前に、ヘッドランプ30のランプストッパ38がフロントサイドメンバ22の干渉部42に当接して、ヘッドランプ30の車体に対する後側への相対回転が制限される。
【0035】
また、本実施形態では、ヘッドランプ30の車幅方向内側端部には、ランプストッパ38の車体前方部分に、脆弱部46が設けられている。この脆弱部46は、車体前後方向に沿った荷重によって変形しやすく形成されている。このため、図8に示されるように、ランプストッパ38が干渉部42に当接して、ヘッドランプ30の車体に対する後側への相対回転が制限された状態で、さらにヘッドランプ30に対して衝突物44から車体後側へ向いた所定値以上の荷重が作用すると(図9の矢印G参照)、図9に示されるように脆弱部46が変形するようになっている。
【0036】
なお、脆弱部46が変形する際には、脆弱部46を起点としてヘッドランプ30の他の部位も変形する。このため、脆弱部46が変形する際には、ヘッドランプ30の車幅方向内側端部が、図9に示されるように、回転軸32よりも車体前方のB点を回転中心として、車体に対し略前後方向に沿って後側へ相対回転(変位)するようになっている。また、脆弱部46のみならず、ランプストッパ38も変形するほどの衝突時には、ヘッドランプ30がサテライトセンサ36に干渉するが、この場合、ヘッドランプ30がサテライトセンサ36に干渉する前に、サテライトセンサ36が図示しないエアバック装置へ所定の電気信号を出力してエアバックが展開する。
【0037】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0038】
上記構成の自動車12では、前面衝突時にヘッドランプ30が回転軸32周りに車体に対して後側へ相対回転されると、ヘッドランプ30の車幅方向内側端部がラジエータサポート14のサイドフレーム20に接近する。このヘッドランプ30の車幅方向内側端部の回転軌跡内には、サイドフレーム20のセンサ取付部34に取り付けられたエアバック用のサテライトセンサ36が配置されているが、この自動車12では、ヘッドランプ30の車幅方向内側端部がサテライトセンサ36に干渉する前に、ヘッドランプ30に設けられたランプストッパ38が、フロントサイドメンバ22の前端結合部22Aに設けられた干渉部42に干渉(当接)し、ヘッドランプ30の車体に対する相対回転が制限される。したがって、上述の如き相対回転によってヘッドランプ30が衝突初期にセンサに干渉することを防止できると共に、衝突時のヘッドランプ30の動きを安定させることができる。
【0039】
なお、本実施形態において、ランプストッパ38と干渉部42とが省略された場合、すなわちヘッドランプ30の一部と干渉部42とが干渉しない場合には、上述のようなヘッドランプ30の回転軸32周りの回転によって、ヘッドランプ30の車幅方向内側端部がサテライトセンサ36の車幅方向外側部分に干渉(当接)する。この場合、サテライトセンサ36がヘッドランプ30によって車幅方向内側へ押圧されることになるため、センサ取付部34が車幅方向内側へ変形するなどして、サテライトセンサ36が車体に対し横倒しになる可能性があるが、本実施形態では、上述のようにランプストッパ38と干渉部42との干渉によって、ヘッドランプ30の回転が制限されるので、上述のようなサテライトセンサ36の横倒しを抑制することができる。
【0040】
しかも、本実施形態では、車体前後方向の減速度を検知するサテライトセンサ36が、車両の前面衝突によって座屈・変形しやすいラジエータサポート14のサイドフレーム20に取り付けられている。したがって、サテライトセンサ36による減速度の検知感度を向上させることができる。
【0041】
また、本実施形態では、ヘッドランプ30のランプハウジング31が剛性の高い制限部38を有しており、ヘッドランプ30の車体に対する相対回転時には、この制限部38がフロントサイドメンバ22の干渉部42(前端部)に干渉する。したがって、ヘッドランプ30の車体に対する相対回転を良好に制限することができる。
【0042】
さらに、本実施形態では、ヘッドランプ30の車幅方向内側端部には、ランプストッパ38の車体前方部分に脆弱部46が設けられており、ランプストッパ38と干渉部42とが干渉した状態で、ヘッドランプ30に車体前側から所定値以上の荷重が作用すると、脆弱部46が変形する。このように、ヘッドランプ30が予め決められた部位(脆弱部46)を起点として変形されるので、ヘッドランプ30の変形を安定させることができる。
【0043】
また、本実施形態では、ランプストッパ38がヘッドランプ30の車幅方向内側端部に設けられている。したがって、ランプストッパ38と干渉部42との干渉によって、ヘッドランプ30の車幅方向内側端部の車体に対する相対回転をダイレクトに制限することができる。したがって、衝突初期にヘッドランプ30の車幅方向内側端部がサテライトセンサ36に干渉することを一層良好に防止できる。
【0044】
さらに、本実施形態では、干渉部42が剛性の高いフロントサイドメンバ22の前端部に設けられている。したがって、干渉部42とランプストッパ38との干渉によって、ヘッドランプ30の車体に対する相対回転を良好に制限することができる。
【0045】
以上説明したように、本実施形態では、ヘッドランプ30や車体前部に新たに部品を追加することなく、単にヘッドランプ30の形状を変更するだけの簡素な構成であるため、自動車12の重量を不要に増加させずに軽量かつ低コストで上述の如き優れた効果を奏することができる。
【0046】
なお、上記実施形態では、サテライトセンサ36がラジエータサポート14のサイドフレーム20に取り付けられた構成としたが、本発明はこれに限らず、サテライトセンサ36が車体前部においてラジエータサポート14のサイドフレーム20以外に取り付けられた構成としてもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、ヘッドランプ30のランプハウジング31の一部に、ランプハウジング31自体よりも剛性が高いランプストッパ38が設けられ、このランプストッパ38が干渉部42に干渉する構成としたが、本発明はこれに限らず、ランプストッパ38が省略されると共に、ランプハウジング31の一部が直接干渉部42に干渉する構成としてもよい。
【0048】
さらに、上記実施形態では、ヘッドランプ30が脆弱部46を備えた構成としたが、本発明はこれに限らず、脆弱部46が省略された構成としてもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、制限部としてのランプストッパ38がヘッドランプ30の車幅方向内側端部に設けられ、干渉部42がフロントサイドメンバ22の前端部に設けられた構成としたが、本発明はこれに限らず、制限部がヘッドランプ30の車幅方向中間部に設けられると共に、この制限部に対応して干渉部が車体前部に設けられる構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施形態に係る車体前部構造が適用されて構成された自動車の車体前部の部分的な構成を示す概略的な斜視図である。
【図2】図1に示される自動車の車体前部の部分的な構成を示す概略的な平面図である。
【図3】図1に示される自動車の車体前部の部分的な構成を示す概略的な正面図である。
【図4】図1に示される自動車の車体前部の部分的な構成を示す分解斜視図である。
【図5】図1に示される自動車のヘッドランプの構成を裏側から見た状態で示す斜視図である。
【図6】図5に示されるヘッドランプの部分的な構成を示す斜視図である。
【図7】図1に示される自動車のヘッドランプが所定の取付位置に配置された状態を示す平面図である。
【図8】図1に示されるヘッドランプのランプストッパがフロントサイドメンバ前端部の干渉部に当接した状態を示す平面図である。
【図9】図1に示されるヘッドランプの脆弱部が変形した状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0051】
12 自動車
14 ラジエータサポート
20 サイドフレーム
22 フロントサイドメンバ
30 ヘッドランプ(前照灯)
31 ランプハウジング(本体部)
32 回転軸(回転中心)
36 サテライトセンサ
38 ランプストッパ(制限部)
42 干渉部
46 脆弱部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体前部に設けられ、車幅方向外側端部よりも車体前側に配置される車幅方向内側端部が車両の前面衝突時に車幅方向外側端部付近を回転中心として車体に対し後側へ相対回転される前照灯と、
前記前照灯の車幅方向内側近傍に設けられ、少なくとも一部が前記前照灯の車幅方向内側端部の回転軌跡内に配置されるセンサと、
車体前部に設けられ、前記前照灯が前記相対回転した際には前記前照灯の車幅方向内側端部が前記センサに干渉する前に前記前照灯の一部に干渉して前記前照灯の前記相対回転を制限する干渉部と、
を有する車体前部構造。
【請求項2】
前記センサは、車体前後方向の減速度を検知すると共に、ラジエータサポートのサイドフレームに取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
【請求項3】
前記干渉部に干渉する前記前照灯の一部には、前記前照灯の本体部よりも剛性が高い制限部が設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車体前部構造。
【請求項4】
前記前照灯は、前記制限部の車体前方部分に脆弱部を有し、前記脆弱部は、前記制限部と前記干渉部との干渉状態で前記前照灯に車体前側から所定値以上の荷重が作用すると変形することを特徴とする請求項3に記載の車体前部構造。
【請求項5】
前記制限部は、前記前照灯の車幅方向内側端部に設けられることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の車体前部構造。
【請求項6】
前記干渉部は、フロントサイドメンバの前端部に設けられることを特徴とする請求項5に記載の車体前部構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2008−80929(P2008−80929A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−262278(P2006−262278)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】