説明

車体前部構造

【課題】車体重量の増加を抑止しつつサスペンションタワーに作用する衝突荷重をカウルに伝達する。
【解決手段】フロントサスペンションタワー24の上部24Aの後壁部24Dと、カウルリヤ32の後壁部32Cとが、車体前後方向に沿って配置された荷重伝達部材40と連結部材42とで連結されており、連結部材42の変形部42Gが荷重伝達部材40に比べて変形し易い構成とされている。また、荷重伝達部材40と、カウルリヤ32に結合された連結部材42の各フランジ42D、42E、42Fと、の間には間隔が形成されている。このため、車両前突時には連結部材42の変形部42Gが圧縮変形して荷重伝達部材40からの荷重がカウルリヤ32に伝達されると共に、悪路走行時のフロントサスペンションタワー24の振動は連結部材42の変形部42Gが弾性変形することで吸収されるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車体前部構造に関し、特に、自動車等の車両のフロントサスペンションタワーとカウルとを連結する車体前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両前突時(車両前面衝突時)に車体前方上部においても衝突荷重を適切に受けることができる車体前部構造を搭載した車両が増加している(特許文献1)。この車体前部構造は、サスペンションタワーとカウルとの間に荷重伝達部材を設けて、サスペンションタワーからの荷重を荷重伝達部材を介してカウルに伝達できるようになっている。
【特許文献1】特開2006−213244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記した従来技術では、車両が悪路を走行した場合に、サスペンションタワーの振動が荷重伝達部材を介してカウルに伝達される。この結果、カウルにおける荷重伝達部材との結合部の耐久性能を確保しつつサスペンションタワーからの荷重を荷重伝達部材を介してカウルに伝達するためには、カウルの板厚を厚くしてカウルの強度アップを図る必要があるが、カウルの板厚を厚くするとカウル重量が大幅に増加し、車体重量が増加する。
【0004】
本発明は、上記事実を考慮して、車体重量の増加を抑止しつつサスペンションタワーに作用する衝突荷重をカウルに伝達できる車体前部構造を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の本発明の車体前部構造は、サスペンションタワーの車体後方側に車幅方向に沿って配置されたカウルと、前記サスペンションタワーから車体前後方向後方側へ向かって延びると共に前記カウルとの間に車体前後方向に沿った間隔を有する荷重伝達部材と、前記荷重伝達部材と前記カウルとを車体前後方向に沿って連結すると共に前記荷重伝達部材に比べて車体前後方向及び車体上下方向へ容易に変形する連結部材と、を有する。
【0006】
従って、衝突荷重がサスペンションタワーから、車体前後方向後方側へ向かって延びると共にカウルとの間に車体前後方向に沿った間隔を有する荷重伝達部材に伝達された場合には、荷重伝達部材とカウルとを車体前後方向に沿って連結すると共に荷重伝達部材に比べて車体前後方向及び車体上下方向へ容易に変形する連結部材が、車体前後方向に圧縮変形する。このため、荷重伝達部材とカウルとの間隔が無くなり、荷重伝達部材の後端部がカウルに当たって、衝突荷重がサスペンションタワーから荷重伝達部材を介してカウルへ伝達される。一方、車両が悪路を走行し、サスペンションタワーが激しく振動した場合には、荷重伝達部材を介して連結部材へ振動が伝達される。この際、荷重伝達部材とカウルとの間に間隔があると共に、連結部材が荷重伝達部材に比べて車体前後方向及び車体上下方向へ容易に弾性変形する。このため、荷重伝達部材からの振動が連結部材の弾性変形によって吸収されることで、連結部材のカウルとの結合部における曲げモーメントが小さくなる。この結果、カウルにおける連結部材との結合部の耐久性能が向上する。よって、カウルの板厚を厚くする必要がなく、車体重量が大幅に増加することがない。
【0007】
請求項2に記載の本発明は、請求項1記載の車体前部構造において、前記連結部材は前記荷重伝達部材との結合部と前記カウルとの結合部との間に車体前後方向及び車体上下方向へ変形するための変形部を備える。
【0008】
従って、連結部材における荷重伝達部材との結合部とカウルとの結合部との間に設けた変形部によって、連結部材は荷重伝達部材に比べて車体前後方向及び車体上下方向へ容易に変形する。このため、連結部材の材料と荷重伝達部材の材料とを剛性の異なる材料とする必要がなく、連結部材と荷重伝達部材とを同じ材料にできる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の本発明は、車体重量の増加を抑止しつつサスペンションタワーに作用する衝突荷重をカウルに伝達できる。
【0010】
請求項2に記載の本発明は、連結部材と荷重伝達部材とを同じ材料にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明における車体前部構造の一実施形態を図1〜図5に従って説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車体前方側を示しており、矢印UPは車体上方側を示しており、矢印INは車幅方向内側を示している。
【0012】
図1には本実施形態に係る車体前部構造が車体斜め前方外側から見た斜視図で示されており、図2には本実施形態に係る車体前部構造の要部が車体斜め前方外側から見た分解斜視図で示されている。また、図3には図1の3−3断面線に沿った拡大断面図で示されている。さらに、図4には本実施形態に係る車体前部構造の悪路走行時の状態が図3に対応する断面図で示されており、図5には本実施形態に係る車体前部構造の車両前突時の状態が図3に対応する断面図で示されている。
【0013】
図1に示すように、本実施形態では、自動車車体10の前部に形成されたエンジンルーム12の車幅方向両端上部にエプロンアッパメンバ14が車体前後方向に沿って配置されている。また、エプロンアッパメンバ14は、エプロンアッパメンバ14の上部を構成するエプロンアッパメンバアッパパネル16と、エプロンアッパメンバ14の下部を構成するエプロンアッパメンバアンダパネル18とで構成されており、車両前後方向へ延びる閉断面構造となっている。
【0014】
エプロンアッパメンバ14の車体後方側にはフロントピラー(Aピラー)20の下部20Aが車体上下方向に沿って配置されており、エプロンアッパメンバ14の後端部14Aがフロントピラー20の下部20Aの上端部20Bに結合されている。より具体的に説明すると、エプロンアッパメンバ14の後端部14Aに形成されたフランジ14B、14C、14Dがフロントピラー20の外壁部にスポット溶接等によって結合されている。
【0015】
エプロンアッパメンバ14における後端部14Aから車体前方側へ所定距離離間した前後方向中間部14Eにはフロントサスペンションタワー24の上部24Aが固定されている。より具体的に説明すると、フロントサスペンションタワー24はエプロンアッパメンバ14の前後方向中間部14Eの車幅方向内側に、車体上下方向に沿って配置されており、フロントサスペンションタワー24の上部24Aの車幅方向外側部24Bが、エプロンアッパメンバ14の車幅方向内側壁部14Fにスポット溶接等によって結合されている。
【0016】
フロントサスペンションタワー24の車体後方側には、フロントサスペンションタワー24と車体前後方向に所定の間隔を開けてカウル30が車幅方向に沿って配設されている。また、カウル30の車体後方側を構成するカウルリヤ32の車幅方向両端部32Aは左右のエプロンアッパメンバ14にそれぞれ結合されている。なお、カウル30の車体前方側はカウルフロント33で構成されている。
【0017】
図3に示すように、カウルリヤ32の車幅方向から見た断面形状は、L字状となっており、底壁部32Bの後端に車体上方へ向かって後壁部32Cが形成されている。また、カウルリヤ32の後壁部32Cの上端縁部32Dは車体斜め後方上側に向かって傾斜しており、上端縁部32Dの上側面32Eには、フロントウインドシールドガラス36の下端縁部36Aが接着剤38によって固定されている。
【0018】
なお、図示を省略したがカウルリヤ32及びフロントウインドシールドガラス36の下端縁部36Aの車体上方から見た平面形状は、車体前方へ凸部を向けた円弧形状となっている。
【0019】
図1に示されるように、フロントサスペンションタワー24の上部24Aの車幅方向内側部24Cとカウルリヤ32の後壁部32Cとの間には、荷重伝達部材40と連結部材42とが配置されている。
【0020】
図2に示すように、荷重伝達部材40は長手方向を車体前後方向に沿って配置されている。荷重伝達部材40の長手方向(車体前後方向)から見た断面形状は、上壁部40A、車幅方向外側壁部40B、車幅方向内側壁部40Cを備え車体下方側が開口したコ字状となっている。また、荷重伝達部材40の後端部40Dにおける上壁部40Aには、連結用の貫通孔44が形成されている。
【0021】
連結部材42は長手方向を車体前後方向に沿って配置されており、荷重伝達部材40に比べて車体前後方向の長さが短くなっている。また、連結部材42の長手方向(車体前後方向)から見た断面形状は、上壁部42A、車幅方向外側壁部42B、車幅方向内側壁部42Cを備え車体下方側が開口したコ字状となっている。
【0022】
連結部材42の車幅方向外側壁部42Bの後端からは車幅方向外側に向かってフランジ42Dが形成されており、連結部材42の車幅方向内側壁部42Cの後端からは車幅方向内側に向かってフランジ42Eが形成されている。また、連結部材42の上壁部42Aの後端からは車体上側に向かってフランジ42Fが形成されている。
【0023】
連結部材42の上壁部42Aの前部には、連結用の貫通孔46が形成されており、上壁部42Aの裏面にはナット48が貫通孔46と同軸位置に固定されている。
【0024】
図1に示されるように、荷重伝達部材40の後端部40Dは、連結部材42に車体上方側から重合されており、荷重伝達部材40の後端部40Dのコ字状内側に連結部材42が挿入されている。また、荷重伝達部材40の後端部40Dは、連結部材42にボルト50とナット48によって連結されている。
【0025】
より具体的に説明すると、図3に示すように、ボルト50が車体上方側から荷重伝達部材40の連結用の貫通孔44と連結部材42の貫通孔46を貫通し、ナット48に螺合しており、ボルト50とナット48とで、荷重伝達部材40と連結部材42とが連結されている。また、荷重伝達部材40の後端部40Dと、カウルリヤ32の後壁部32Cに結合された連結部材42の各フランジ42D、42E、42Fとの間には車体前後方向に沿った略一定の比較的小さい数mm程度の間隔(隙間)S1が形成されている。
【0026】
荷重伝達部材40の前端部40Eは、フロントサスペンションタワー24における車幅方向内側部24Cの後壁部24Dの上部にスポット溶接等によって結合されている。また、荷重伝達部材40の上下高さH1と連結部材42の上下高さH2とは略等しくなっている。なお、荷重伝達部材40の前端部40Eは、フロントサスペンションタワー24における車幅方向内側部24Cの後壁部24Dの上部にカウルフロント33を介して結合された構成としてもよい。
【0027】
図2に示すように、連結部材42のフランジ42D、42E、42Fは、それぞれの先端部S1近傍においてカウルリヤ32の後壁部32Cの前面にスポット溶接等によって結合(結合部P1)されている。また、連結部材42の各フランジ42D、42E、42Fは、それぞれの根元部N1が湾曲している。このため、連結部材42におけるフランジ42D、42E、42Fの結合部P1(結合部P1は含まない)から根元部N1(根元部N1を含む)までの部位が車体前後方向及び車体上下方向へ変形し易い変形部42Gとなっている。
【0028】
また、連結部材42の板厚M2が荷重伝達部材40の板厚M1より薄(M2<M1)くなっており、連結部材42が荷重伝達部材40に比べて車体前後方向へ圧縮変形(塑性変形)し易くなっている。
【0029】
従って、車両が悪路を走行し、フロントサスペンションタワー24の上部24Aが上下や前後に強く且つ大きく振動し、図4の矢印A〜Dに示すように、フロントサスペンションタワー24の上部24Aが上下方向や前後方向へ変位した場合には、これらの変位は荷重伝達部材40を介して連結部材42へ伝達されるが、連結部材42における変形部42Gが容易に弾性変形するようになっている。この時、荷重伝達部材40の後端部40Dと、カウルリヤ32の後壁部32Cに結合された連結部材42の各フランジ42D、42E、42Fとの間に形成された、車体前後方向に沿った略一定の間隔(隙間)S1によって、荷重伝達部材40の後端部40Dが連結部材42の各フランジ42D、42E、42F及びカウルリヤ32の後壁部32Cと干渉しないようになっている。
【0030】
このため、フロントサスペンションタワー24の上部24Aの上下振動や前後振動が連結部材42の変形部42Gの変形によって吸収されることで、連結部材42の後端におけるカウルリヤ32の後壁部32Cとの結合部に作用する上下方向の曲げモーメントが小さくなるようになっている。
【0031】
一方、車両前突時にフロントサスペンションタワー24の上部24Aが車体後方へ移動し、図5に示すように、衝突荷重F1が、フロントサスペンションタワー24の上部24Aから荷重伝達部材40に伝達された場合には、連結部材42の変形部42Gが車体前後方向に圧縮変形するようになっている。このため、荷重伝達部材40と連結部材42の各フランジ42D、42E、42Fとの間隔が無くなり、荷重伝達部材40の後端部が連結部材42の各フランジ42D、42E、42Fに同時に当たって、衝突荷重Fがフロントサスペンションタワー24の上部24Aから荷重伝達部材40と、連結部材42の各フランジ42D、42E、42Fとを介してカウルリヤ32の後壁部32Cへ伝達されるようになっている。
【0032】
なお、図示を省略した車体右側のフロントサスペンションタワー24とカウルリヤ32も車体左側と同様に荷重伝達部材40と連結部材42とで連結されている。
【0033】
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0034】
上記構成の車体前部構造では、フロントサスペンションタワー24の上部24Aの後壁部24Dと、カウルリヤ32の後壁部32Cとが、車体前後方向に沿って配置された荷重伝達部材40と連結部材42とで連結されており、連結部材42の変形部42Gが荷重伝達部材40に比べて車体前後方向及び車体上下方向へ変形し易い構造とされている。また、荷重伝達部材40の後端部40Dと、カウルリヤ32の後壁部32Cの前面にスポット溶接等によって結合された連結部材42の各フランジ42D、42E、42Fと、の間には車体前後方向に沿った一定の間隔(隙間)S1が形成されている。
【0035】
従って、車両前突時、フロントサスペンションタワー24の上部24Aが車体後方へ移動した場合には、図5に示すように、衝突荷重F1が、フロントサスペンションタワー24の上部24Aから荷重伝達部材40に伝達される。さらに、衝突荷重F1が、荷重伝達部材40からボルト50を介して連結部材42に伝達されて、連結部材42の変形部42Gが車体前後方向に圧縮変形する。このため、荷重伝達部材40と連結部材42の各フランジ42D、42E、42Fとの間隔が無くなり、荷重伝達部材40の後端部が連結部材42の各フランジ42D、42E、42Fに同時に当たって、衝突荷重Fがフロントサスペンションタワー24の上部24Aから荷重伝達部材40と、連結部材42の各フランジ42D、42E、42Fとを介してカウルリヤ32の後壁部32Cへ伝達される。この結果、フロントサスペンションタワー24の車体後方への移動を抑制できる。
【0036】
一方、車両が悪路を走行し、フロントサスペンションタワー24の上部24Aが上下や前後に強く且つ大きく振動し、図4に矢印A〜Dで示すように、フロントサスペンションタワー24の上部24Aが上下方向や前後方向へ変位した場合には、これらの変位は荷重伝達部材40を介して連結部材42へ伝達されるが、連結部材42の変形部42Gが車体前後方向及び車体上下方向へ弾性変形する。
【0037】
このため、フロントサスペンションタワー24の上部24Aの上下振動や前後振動が連結部材42の変形部42Gの弾性変形によって吸収されることで、連結部材42の後端におけるカウルリヤ32の後壁部32Cとの結合部に作用する上下方向の曲げモーメントが小さくなる。
【0038】
この結果、本実施形態では、フロントサスペンションタワー24の上部24Aの振動によるカウルリヤ32における荷重伝達部材40との結合部の耐久性を向上し、結合部の剥がれや破断を防止できる。このため、カウルリヤ32の板厚を厚くする必要がない。
【0039】
従って、本実施形態では、車体重量の増加を抑止しつつサスペンションタワー24に作用する衝突荷重をカウルに伝達できる。
【0040】
なお、車両が悪路でない通常の走路を走行する場合には、連結部材42は弾性変形せず荷重伝達部材40の振動を抑制できる。
【0041】
また、本実施形態では、連結部材42における荷重伝達部材40との結合部とカウルリヤ32との結合部との間に設けた変形部42Gによって、連結部材42を荷重伝達部材40に比べて車体前後方向及び車体上下方向へ容易に変形させることができる。このため、荷重伝達部材40の材料と連結部材42の材料とを剛性の異なる材料とする必要がなく、荷重伝達部材40と連結部材42とを同じ材料にできる。この結果、歩留まりが良くなる。
【0042】
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、連結部材42の変形部42Gを、フランジ42D、42E、42Fの結合部P1の位置と、根元部N1の湾曲形状とで構成したが、これに代えて、連結部材42の変形部42Gの各フランジの幅W1を他の部位より狭くすることで変形し易い構成としてもよい。また、連結部材42の変形部42Gにスリット、切欠、孔等の剛性低下手段を設けることで変形し易い構成としてもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、組付性を向上するため荷重伝達部材40と連結部材42をボルト50とナット48とで連結したが、これに代えて、荷重伝達部材40と連結部材42との連結は、リベットや溶接等の他の結合構造としてもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、連結部材42の上壁部42A、車幅方向外側壁部42B、車幅方向内側壁部42Cにそれぞれフランジ42D、42E、42Fを形成したが、これに代えて、上壁部42Aにはフランジを形成せず、車幅方向外側壁部42Bと車幅方向内側壁部42Cとにフランジ42D、42Eを形成した構成としてもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、荷重伝達部材40と連結部材42とを長手方向(車体前後方向)から見た断面形状が車体下方側が開口したコ字状の板材としたが、これに代えて、荷重伝達部材40と連結部材42とを長手方向(車体前後方向)から見た断面形状が車体上方側や車幅方向側の一方が開口したコ字状としてもよい。また、荷重伝達部材40と連結部材42とを板材やパイプ材等の他の構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態に係る車体前部構造を示す車体斜め前方外側から見た斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る車体前部構造の要部を示す車体斜め前方外側から見た分解斜視図で示されている。
【図3】図1の3−3断面線に沿った拡大断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る車体前部構造の悪路走行時の状態を示す図3に対応する断面図でる。
【図5】本発明の一実施形態に係る車体前部構造の車両前突時の状態を示す図3に対応する断面図でる。
【符号の説明】
【0047】
10 自動車車体
14 エプロンアッパメンバ
20 フロントピラー
24 フロントサスペンションタワー
30 カウル
32 カウルリヤ
32C カウルリヤの後壁部
40 荷重伝達部材
42 連結部材
42G 連結部材の変形部
48 ナット
50 ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サスペンションタワーの車体後方側に車幅方向に沿って配置されたカウルと、
前記サスペンションタワーから車体前後方向後方側へ向かって延びると共に前記カウルとの間に車体前後方向に沿った間隔を有する荷重伝達部材と、
前記荷重伝達部材と前記カウルとを車体前後方向に沿って連結すると共に前記荷重伝達部材に比べて車体前後方向及び車体上下方向へ容易に変形する連結部材と、
を有することを特徴とする車体前部構造。
【請求項2】
前記連結部材は前記荷重伝達部材との結合部と前記カウルとの結合部との間に車体前後方向及び車体上下方向へ変形するための変形部を備えることを特徴とする請求項1記載の車体前部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−227048(P2009−227048A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−73710(P2008−73710)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】