説明

車体前部構造

【課題】車体前部が傾斜した衝突体に衝突した時に、エプロンアッパメンバの後端部に発生する車幅内側方向の曲げモーメントを抑制する。
【解決手段】エプロンアッパメンバ16の車幅方向外側に、前後方向中間部が車幅方向外方へ凸の屈曲部30Aとされたモーメント発生アーム30が配設されている。モーメント発生アーム30の後端部30Dはエプロンアッパメンバ16の後端部16Aに結合されており、前端部30Fは前壁部36Dにフェンダブラケット34を介して連結されている。このため、車体前部が傾斜した衝突体に衝突し、衝突した側のフロントサイドメンバ12とともにエプロンアッパメンバ16が車幅方向内側に引き込まれる方向に変形する場合には、エプロンアッパメンバ16の後端部16Aに発生する車幅内側方向の曲げモーメントを、モーメント発生アーム30によって発生する逆方向のモーメントによって抑制できるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車体前部構造に係り、特に、フロントサイドメンバの上方に車体前後方向に沿って配設された左右一対のエプロンアッパメンバを備えた自動車等の車両の車体前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、フロントサイドメンバの上方に車体前後方向に沿って配設された左右一対のエプロンアッパメンバを備えた自動車等の車両の車体前部構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、ダッシュクロスメンバとダッシュパネルとで形成され車幅方向に沿って延在する閉断面構造によって、左右のフロントサイドメンバにおけるキック部の上部後端を連結すると共に、この閉断面構造をサスペンションタワーの後方において上方に延設し、エプロンアッパメンバに結合している。
【特許文献1】特開2004−90818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この車体前部構造では、車体前部が車体の前後方向に対して傾斜した壁等の衝突体に衝突し、衝突した側のフロントサイドメンバが車幅方向内側に引き込まれるように変形する場合には、フロントサイドメンバにサスペンションタワーで連結されたエプロンアッパメンバも車幅方向内側に引き込まれる。このため、エプロンアッパメンバの後端部(根元部)に、車幅内側方向の曲げモーメントが発生する。また、この車幅内側方向の曲げモーメントがエプロンアッパメンバの後端部に発生すると、エプロンアッパメンバの後端部が結合されているフロントピラーが変形するため、フロントピラーの下部が連結されたロッカ等の車体の骨格を構成する部材に衝突荷重を効率的に伝達し難くなる。
【0004】
本発明は上記事実を考慮し、車体前部が傾斜した衝突体に衝突した時に、エプロンアッパメンバの後端部に発生する車幅内側方向の曲げモーメントを抑制できる車体前部構造を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の本発明は、車体前部の車幅方向両端下部に車体前後方向に沿って配設された左右一対のフロントサイドメンバと、該フロントサイドメンバの上方に車体前後方向に沿って配設された左右一対のエプロンアッパメンバと、前記フロントサイドメンバと前記エプロンアッパメンバとの間に配設され、前記フロントサイドメンバと前記エプロンアッパメンバとを連結している左右一対のサスペンションタワーと、車室前部の車幅方向両端部に車体上下方向に沿って配設され、前記エプロンアッパメンバの後端部が結合された左右一対のフロントピラーと、前記エプロンアッパメンバの車幅方向外側に前記エプロンアッパメンバに沿って配設され、前端部が前記エプロンアッパメンバの前端部に連結され、且つ、後端部が前記エプロンアッパメンバの後端部に結合され、前後方向中間部が車幅方向外方へ凸の屈曲部とされており、車体前方から車体後方へ向かって作用する圧縮荷重により、前記屈曲部を起点に折れ変形することで前記エプロンアッパメンバの後端部に車幅方向外側に向かうモーメントを発生させるモーメント発生手段と、を有する。
【0006】
従って、車両が衝突した際に、フロントサイドメンバの上方に車体前後方向に沿って配設された左右一対のエプロンアッパメンバが車体前方から車体後方へ向かって圧縮変形すると、エプロンアッパメンバの車幅方向外側にエプロンアッパメンバに沿って配設され、前端部がエプロンアッパメンバの前端部に連結され、且つ、後端部がエプロンアッパメンバの後端部に結合され、前後方向中間部が車幅方向外方へ凸の屈曲部とされたモーメント発生手段が、車体前方から車体後方へ向かって作用する圧縮荷重により、屈曲部を起点に折れ変形する。これにより、エプロンアッパメンバの後端部に車幅方向外側に向かうモーメントが発生する。このため、車体前部が車体の前後方向に対して傾斜した壁等の衝突体に衝突し、衝突した側のフロントサイドメンバとともに、衝突した側のエプロンアッパメンバが車幅方向内側に引き込まれる方向に変形する場合には、エプロンアッパメンバの後端部に発生する車幅内側方向の曲げモーメントを、モーメント発生手段によって発生した逆方向のモーメントによって抑制できる。この結果、エプロンアッパメンバの後端部が結合されているフロントピラーの変形が抑制され、フロントピラーの下部が連結されたロッカ等の車体の骨格を形成する部材に衝突荷重を効率的に伝達することができる。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の本発明の車体前部構造は、車体前部が傾斜した衝突体に衝突した時に、エプロンアッパメンバの後端部に発生する車幅内側方向の曲げモーメントを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明における車体前部構造の第1実施形態を図1〜図4に従って説明する。
【0009】
なお、図中矢印UPは車体上方方向を示し、図中矢印FRは車体前方方向を示し、図中矢印INは車幅内側方向を示している。
【0010】
図1には本実施形態に係る車体前部構造が車体斜め前方から見た斜視図で示されており、図2には平面図で示されている。
【0011】
図1に示すように、本実施形態の車体前部10には、左右一対のフロントサイドメンバ12(車両右側のフロントサイドメンバは図示省略)が、車幅方向両端下部に車体前後方向に沿って配設されている。また、これらのフロントサイドメンバ12は車体前後方向に沿って延在する閉断面構造とされている。なお、図示を省略したが、フロントサイドメンバ12の前端にはフロントバンパが取付けられており、フロントサイドメンバ12の車体後方側の部位には下方斜め後方へ屈曲するキック部が形成されている。
【0012】
左右一対の各フロントサイドメンバ12の車体上方で且つ、車幅方向外側の部位には、左右一対のエプロンアッパメンバ16(車両左側のエプロンアッパメンバは図示省略)がそれぞれ車体前後方向に沿って配設されている。また、これらのエプロンアッパメンバ16は車体前後方向に沿って延在する閉断面構造とされている。なお、これらのエプロンアッパメンバ16の前端はフロントサイドメンバ12の前端より車体後方側にある。また、左右一対のフロントサイドメンバ12とエプロンアッパメンバ16との間には左右一対のサスペンションタワー18がそれぞれ配設されており、サスペンションタワー18はフロントサイドメンバ12とエプロンアッパメンバ16とを連結している。
【0013】
車室19における前部の車幅方向両端部には、左右一対のフロントピラー20が車体上下方向に沿って配設されており、フロントピラー20の上下方向中間部にはドアベルトラインの前方に位置する屈曲部20Aが形成されている。また、フロントピラー20の屈曲部20Aには、エプロンアッパメンバ16の後端部16Aが車体前方側から結合されている。より具体的に説明すると、エプロンアッパメンバ16の後端部16Aに形成された接合フランジ16Fが、フロントピラー20の屈曲部20Aに溶接されている。
【0014】
車室19における車幅方向両端下部には、左右一対のロッカ22が車体上下方向に沿って配設されており、これらのロッカ22は車体前後方向に沿って延在する閉断面構造とされている。また、フロントピラー20の下部20Bはロッカ22の前端部22Aに結合されている。一方、左右のフロントピラー20における屈曲部20Aの間には、カウル24が車幅方向に沿って配設されており、カウル24の車幅方向両端部24Aが、フロントピラー20の屈曲部20Aに結合されている。
【0015】
左右のエプロンアッパメンバ16の車幅方向外側には、それぞれモーメント発生手段としてのモーメント発生アーム30が、エプロンアッパメンバ16に沿って配設されている。これらのモーメント発生アーム30は、長手方向から見た断面形状が開口部を車幅方向外側に向けたコ字状の棒材で構成されている。
【0016】
図2に示すように、モーメント発生アーム30は、前後方向中間部が車幅方向外方へ凸の屈曲部30Aとされており、前部30Bが車体前方の車幅方向内側から車体後方の車幅方向外側に向かって傾斜している。また、モーメント発生アーム30の後部30Cは車体前方の車幅方向外側から車体後方の車幅方向内側に向かって傾斜しており、モーメント発生アーム30の平面視形状は、く字形状となっている。
【0017】
モーメント発生アーム30の後端部30Dは車体後方に向かって延設されており、後端部30Dにおける断面コ字状の底部30Eが、エプロンアッパメンバ16の後端部16Aにおける車幅方向外側壁部16Bに、ボルト等の締結部材32によって車幅方向外側から固定されている。一方、エプロンアッパメンバ16の前端部16Cには、前壁部16Dが設けられており、前壁部16Dにはフェンダブラケット34が取付けられている。
【0018】
図3に示すように、フェンダブラケット34は車幅方向に沿って配設された長尺状の板材で構成されており、車幅方向内側端部34Aが、エプロンアッパメンバ16の前壁部16Dの中心部にボルト等の締結部材36によって車体前方側から固定されている。
【0019】
図2に示すように、フェンダブラケット34の車幅方向外側端部には、車体前方で且つ車幅内側へ傾斜した折曲部34Bが形成されており、この折曲部34Bには、車体前部10の側面を構成するフェンダパネル40が取付けられている。また、モーメント発生アーム30の前端部30Fは、車幅方向内側に向かって延設されており、前端部30Fにおける断面コ字状の底部30Gが、フェンダブラケット34の車幅方向中間部34Cに、ボルト等の締結部材42によって車体前方側から固定されている。
【0020】
従って、図4に示すように、車体前部が衝突体に衝突し、モーメント発生アーム30に車体前方から車体後方へ向かって圧縮荷重(図4の矢印F1)が作用した場合には、モーメント発生アーム30は車幅方向外方へ凸の屈曲部30Aを起点に折れ変形するようになっている。また、モーメント発生アーム30が図4に示すように折れ変形し、屈曲部30Aと後部30Cとが車体後方(図4の矢印A方向)へ回転することによって、エプロンアッパメンバ16の後端部16Aには、後端部16Aを中心P0とする車幅方向外側に向かうモーメントM1が発生するようになっている。
【0021】
一方、車体前部10が車体の前後方向に対して傾斜した壁等の衝突体Kに衝突し、衝突した側のフロントサイドメンバ12が車幅方向内側に引き込まれる方向(図4の矢印B方向)に変形すると、サスペンションタワー18を介して衝突した側のエプロンアッパメンバ16が車幅方向内側に引き込まれる方向(図4の矢印B方向)に変形する。この際、エプロンアッパメンバ16の後端部16Aに発生する車幅内側方向の曲げモーメントM2を、モーメント発生アーム30によって発生する逆方向のモーメントM1によって抑制できるようになっている。
【0022】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0023】
図1に示すように、本実施形態では、車体前部10における左右一対の各フロントサイドメンバ12の車体上方で且つ、車幅方向外側の部位に、左右一対のエプロンアッパメンバ16)がそれぞれ車体前後方向に沿って配設されている。このため、図4に示すように、車体前部10が、車体の前後方向に対して傾斜した壁等の衝突体Kに衝突した場合には、衝突した側のフロントサイドメンバ12が車幅方向内側に引き込まれる方向(図4の矢印B方向)に変形すると共に、サスペンションタワー18を介して衝突した側のエプロンアッパメンバ16が車幅方向内側に引き込まれる方向(図4の矢印B方向)に変形する。このため、エプロンアッパメンバ16の後端部16Aには、車幅内側方向の曲げモーメントM2が発生する。
【0024】
この際、本実施形態では、エプロンアッパメンバ16の車幅方向外側にモーメント発生アーム30がエプロンアッパメンバ16に沿って配設されており、モーメント発生アーム30は、前後方向中間部が車幅方向外方へ凸の屈曲部30Aとされた平面視形状においてく字形状となっている。このため、図4に示すように、車体前部が傾斜した壁等の衝突体Kに衝突した時に、モーメント発生アーム30に車体前方から車体後方へ向かって圧縮荷重(図4の矢印F1)が作用すると、モーメント発生アーム30は屈曲部30Aを起点に折れ変形する。また、モーメント発生アーム30が図4に示すように折れ変形し、屈曲部30Aと後部30Cとが車体後方(図4の矢印A方向)へ回転することによって、エプロンアッパメンバ16の後端部16Aには、後端部16Aを中心P0とする車幅方向外側に向かうモーメントM1が発生する。
【0025】
この結果、車体前部10が、車体の前後方向に対して傾斜した壁等の衝突体Kに衝突したことによって、エプロンアッパメンバ16の後端部16Aに発生した車幅内側方向の曲げモーメントM2を、衝突により圧縮変形するモーメント発生アーム30によって、エプロンアッパメンバ16の後端部16Aに発生する逆方向のモーメントM1によって抑制できる。このため、エプロンアッパメンバ16の後端部16Aが結合されているフロントピラー20の屈曲部20Aが、モーメントM2によって捩れ変形するのを抑制できる。従って、エプロンアッパメンバ16からフロントピラー20を介してフロントピラー20の下部20Bが連結されたロッカ22や、フロントピラー20の上部が連結されルーフサイドレール(図示省略)等の車体の骨格を構成する部材に衝突荷重を効率的に伝達することができる。
【0026】
また、本実施形態では、モーメント発生アーム30の前端部30Fをフェンダブラケット34を介して、エプロンアッパメンバ16の前壁部16Dにボルト等の締結部材36によって結合したため、エプロンアッパメンバ16における締結点数を減らすことができる。
【0027】
なお、モーメント発生アーム30によって発生するモーメントM1の大きさは、モーメント発生アーム30における後部30Cの長さL1によって調整できる。このため、車体構造等を考慮し、発生させたいモーメントM1の大きさに応じて、モーメント発生アーム30における後部30Cの長さL1を決定する。
【0028】
次に、本発明における車体前部構造の第2実施形態を図5に従って説明する。
【0029】
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。
【0030】
図5に示すように、本実施形態では、モーメント発生アーム30の前端部30Hが、車体前方に向かって延設されており、前端部30Hにおける断面コ字状の底部30Jが、エプロンアッパメンバ16の前端部16Cの車幅方向外側壁部16Eに、ボルト等の締結部材50によって直接固定されている。
【0031】
従って、本実施形態においても第1実施形態と同様に、車体前部が傾斜した壁等の衝突体に衝突した時に、エプロンアッパメンバ16の後端部16Aが結合されているフロントピラー20の屈曲部20Aが、モーメントM2によって捩れ変形するのを抑制できる。このため、エプロンアッパメンバ16からフロントピラー20を介してフロントピラー20の下部20Bが連結されたロッカ22や、フロントピラー20の上部が連結されルーフサイドレール(図示省略)等の車体の骨格を構成する部材に衝突荷重を効率的に伝達することができる。
【0032】
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、本発明におけるモーメント発生手段としてのモーメント発生アーム30の平面視形状は、図2に示される形状に限定されず、モーメント発生アーム30における後部30Cの長さL1、前部30Bの長さL2、及び屈曲部30Aの角度θ1を変えてもよい。また、屈曲部30Aを丸みも持った湾曲形状としても良い。
【0033】
また、モーメント発生手段は、図3に示される、断面コ字状の棒材で構成されたモーメント発生アーム30に限定されず、エプロンアッパメンバ16の車幅方向外側にエプロンアッパメンバ16沿って配設され、前端部がエプロンアッパメンバ16の前端部16Cに連結され、且つ、後端部がエプロンアッパメンバ16の後端部16Aに結合され、前後方向中間部が車幅方向外方へ凸の屈曲部とされており、車体前方から車体後方へ向かって作用する圧縮荷重により、屈曲部を起点に折れ変形することでエプロンアッパメンバ16の後端部16Aに車幅方向外側に向かうモーメントを発生させる構成であれば、ハット断面形状の棒材、パイプ材、板材等の他の構成としてもよい。
【0034】
また、モーメント発生アーム30のエプロンアッパメンバ16への固定は、ボルト等の締結部材による結合に限定されず、溶接等の他の固定方法であってもよい。
【0035】
また、本発明の車体前部構造を適用する車両におけるフロントサイドメンバ、エプロンアッパメンバの断面形状は上記各実施形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車体前部構造の左側を示す車両斜め前方外側から見た斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る車体前部構造の左側を示す平面図である。
【図3】図2の3−3線に沿った部位の断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る車体前部構造の変形状態を示す図2に対応する断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る車体前部構造の左側を示す平面図である。
【符号の説明】
【0037】
10 車体前部
12 フロントサイドメンバ
16 エプロンアッパメンバ
16A エプロンアッパメンバの後端部
16C エプロンアッパメンバの前端部
16D エプロンアッパメンバの前壁部
18 サスペンションタワー
20 フロントピラー
22 ロッカ
24 カウル
30 モーメント発生アーム(モーメント発生手段)
30A モーメント発生アームの屈曲部
30B モーメント発生アームの前部
30C モーメント発生アームの後部
30D モーメント発生アームの後端部
30F モーメント発生アームの前端部
30H モーメント発生アームの前端部
34 フェンダブラケット
40 フェンダパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体前部の車幅方向両端下部に車体前後方向に沿って配設された左右一対のフロントサイドメンバと、
該フロントサイドメンバの上方に車体前後方向に沿って配設された左右一対のエプロンアッパメンバと、
前記フロントサイドメンバと前記エプロンアッパメンバとの間に配設され、前記フロントサイドメンバと前記エプロンアッパメンバとを連結している左右一対のサスペンションタワーと、
車室前部の車幅方向両端部に車体上下方向に沿って配設され、前記エプロンアッパメンバの後端部が結合された左右一対のフロントピラーと、
前記エプロンアッパメンバの車幅方向外側に前記エプロンアッパメンバに沿って配設され、前端部が前記エプロンアッパメンバの前端部に連結され、且つ、後端部が前記エプロンアッパメンバの後端部に結合され、前後方向中間部が車幅方向外方へ凸の屈曲部とされており、車体前方から車体後方へ向かって作用する圧縮荷重により、前記屈曲部を起点に折れ変形することで前記エプロンアッパメンバの後端部に車幅方向外側に向かうモーメントを発生させるモーメント発生手段と、
を有する車体前部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−100199(P2010−100199A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−274362(P2008−274362)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】