説明

車載カメラシステム

【課題】車両の運転者が、その停車中に、信号機の発色に赤信号色から青信号色への変化があった場合にも、その発色変化の見落としを確実に防止することができ、車両運転時の操作不足を効率よく補助支援することができる車載カメラシステムを提供する。
【解決手段】前方の信号機104に赤信号色から青信号色への発色変化があった場合には、この発色変化があったことを自動的に判断して、車両101の運転者に対して、前方における信号機104の赤信号色から青信号色への発色変化を、早期にかつ正確に警告報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路を走行する車両に搭載され前方の信号機の発色情報を判断する車載カメラシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、車載カメラシステム(例えば、特許文献1を参照)は、車両に搭載した車載カメラにて前方の信号機を認識してその発色情報を取得し、信号機で表示される発色に対応させてシステム内に予め格納しておいた赤信号色情報や青信号色情報などの発色情報と比較することによって、信号機の発色情報を認識させ、その認識結果を車両にフィードバックすることにより、運転走行における危険を回避するための運転支援装置として開発されている。
【0003】
また、車載カメラシステムの他の従来技術(例えば、特許文献2を参照)における信号機情報認識手段としては、例えば、信号機の現在の輝度値を、システム内に予め格納しておいた灯火時の輝度値または消灯時の輝度値と比較判別することにより、信号機の発色情報を認識させ、その認識結果を車両にフィードバックする方法が示されている。
【特許文献1】特開平11−306498号公報
【特許文献2】特開2000−353292号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記のような従来の車載カメラシステムの構成では、下記のような問題点を有していた。
例えば第1の問題点として、信号機が赤信号色となって車両を停止したとき、その停車中に運転者が、例えばカーナビゲーションの設定等を行ったりCDを入れ替えたりしていると、信号機が既に青信号色に変わっていても気付かずに見落としてしまい、後方の車両にクラクションを鳴らされ不快感を受けることや、また、クラクションを鳴らされたことにより焦ってしまい、急発進した場合には事故を起こしたりしかねないということが挙げられる。
【0005】
また、第2の問題点として、例えば夜間などに、信号機が赤信号色となって車両を停止したとき、その停車中、向かい側で信号待ちをしている対向車両にとっては、当該車両が点灯しているライトが眩しいため不快感を受けることや、その眩しさに目が慣れない状態が続いて発車時の運転に支障をきたしかねないということが挙げられる。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、信号機の赤信号色で停止した車両の運転者が、その停車中に、信号機に赤信号色から青信号色への発色変化があった場合にも、その発色変化の見落としを確実に防止するとともに、信号機が赤信号色となって車両を停止したときにも、対向車両が点灯しているライトによる眩しさによって不快感を受けることや、その眩しさに目が慣れない状態が続いて発車時の運転に支障をきたすことを、確実に防止することができ、車両運転時の操作不足を効率よく補助支援することができる車載カメラシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の車載カメラシステムは、道路を走行する車両に搭載され前方の信号機の発色情報を判断する車載カメラシステムであって、前記車両の前方を撮像し画像データを取り込む撮像手段と、前記撮像手段により撮像して得られた前記画像データを色変換する画像処理手段と、前記画像処理手段により色変換して得られた前記画像データの色情報から前記信号機の発色情報を認識する色情報認識手段と、前記色情報認識手段により認識した前記信号機の発色情報を赤信号色情報または青信号色情報と比較判断する色情報判断手段と、前記色情報判断手段により判断した比較結果に応じて警告を示す音声を出力する音声出力手段とを備え、前記色情報判断手段により前記信号機の発色情報が前記赤信号色情報から前記青信号色情報に変化したと判断したとき、前記音声出力手段により警告音を用いて警告出力するよう構成したことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2に記載の車載カメラシステムは、道路を走行する車両に搭載され前方の信号機の発色情報を判断する車載カメラシステムであって、前記車両の前方を撮像し画像データを取り込む撮像手段と、前記撮像手段により撮像して得られた前記画像データを色変換する画像処理手段と、前記画像処理手段により色変換して得られた前記画像データの色情報から前記信号機の発色情報を認識する色情報認識手段と、前記色情報認識手段により認識した前記信号機の発色情報を赤信号色情報または青信号色情報と比較判断する色情報判断手段と、前記色情報判断手段により判断した比較結果に応じて警告を示すメッセージ表示を出力する表示出力手段とを備え、前記色情報判断手段により前記信号機の発色情報が前記赤信号色情報から前記青信号色情報に変化したと判断したとき、前記表示出力手段により警告メッセージ表示を用いて警告出力するよう構成したことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3に記載の車載カメラシステムは、道路を走行する車両に搭載され前方の信号機の発色情報を判断する車載カメラシステムであって、前記車両の前方を撮像し画像データを取り込む撮像手段と、前記撮像手段により撮像して得られた前記画像データを色変換する画像処理手段と、前記画像処理手段により色変換して得られた前記画像データの色情報から前記信号機の発色情報を認識する色情報認識手段と、前記色情報認識手段により認識した前記信号機の発色情報を赤信号色情報または青信号色情報と比較判断する色情報判断手段と、前記車両の運転走行を案内補助するとともに、前記色情報判断手段により判断した比較結果に応じて、警告を示す音声またはメッセージ表示またはそれらの両方を出力するカーナビゲーションシステム部とを備え、前記色情報判断手段により前記信号機の発色情報が前記赤信号色情報から前記青信号色情報に変化したと判断したとき、前記カーナビゲーションシステム部により警告音または警告メッセージ表示またはそれらの両方を用いて警告出力するよう構成したことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4に記載の車載カメラシステムは、道路を走行する車両に搭載され前方の信号機の発色情報を判断する車載カメラシステムであって、前記車両の前方を撮像し画像データを取り込む撮像手段と、前記撮像手段により撮像して得られた前記画像データを色変換する画像処理手段と、前記画像処理手段により色変換して得られた前記画像データの色情報から前記信号機の発色情報を認識する色情報認識手段と、前記色情報認識手段により認識した前記信号機の発色情報を赤信号色情報または青信号色情報と比較判断する色情報判断手段と、前記色情報判断手段により判断した比較結果に応じて警告を示す音声を出力する音声出力手段と、前記色情報判断手段により判断した比較結果に応じて警告を示すメッセージ表示を出力する表示出力手段と、前記車両の運転走行を案内補助するとともに、前記色情報判断手段により判断した比較結果に応じて、警告を示す音声またはメッセージ表示またはそれらの両方を出力するカーナビゲーションシステム部とを備え、前記色情報判断手段により前記信号機の発色情報が前記赤信号色情報から前記青信号色情報に変化したと判断したとき、前記音声出力手段により警告音を用いて警告出力するか、前記表示出力手段により警告メッセージ表示を用いて警告出力するか、それらの両方を用いて警告出力するか、前記カーナビゲーションシステム部により警告音または警告メッセージ表示またはそれらの両方を用いて警告出力するよう構成したことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項5に記載の車載カメラシステムは、請求項1から請求項4のいずれかに記載の車載カメラシステムであって、前記車両の速度を認識する車両速度認識手段を備え、前記車両速度認識手段により前記車両が停止状態または予め設定された所定の速度以下であると認識した場合に、前記警告出力を実行するよう構成したことを特徴とする。
【0012】
以上により、前方の信号機に赤信号色から青信号色への発色変化があった場合には、この発色変化があったことを自動的に判断して、車両の運転者に対して、前方における信号機の赤信号色から青信号色への発色変化を、早期にかつ正確に警告報知することができる。
【0013】
また、本発明の請求項6に記載の車載カメラシステムは、請求項5記載の車載カメラシステムであって、前記車両のライトの動作を制御する車両ライト制御手段を備え、前記車両ライト制御手段は、前記色情報判断手段により前記信号機の発色情報が前記赤信号色情報と判断し、かつ前記車両速度認識手段により前記車両が停止状態になったと認識した場合に、前記車両のヘッドライトを消す機能、または前記車両のヘッドライトの点灯光量を下げる機能、または前記車両のヘッドライトの照射角度を変化させる機能を有するよう構成したことを特徴とする。
【0014】
以上により、信号機が赤信号色となって車両が停止した場合には、車両のヘッドライトを消す機能、またはヘッドライトの点灯光量を下げる機能、またはヘッドライトの照射角度を変化させる機能が働いて、対向車両の運転者へのヘッドライト照射が発生しないように、自動的に車両のヘッドライトを制御することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように本発明によれば、前方の信号機に赤信号色から青信号色への発色変化があった場合には、この発色変化があったことを自動的に判断して、車両の運転者に対して、前方における信号機の赤信号色から青信号色への発色変化を、早期にかつ正確に警告報知することができる。
【0016】
そのため、信号機の赤信号色で停止した車両の運転者が、その停車中に、例えばカーナビゲーションの設定を行ったりCDの入れ替えを行ったりしていて、信号機の赤信号色から青信号色への発色変化に気付かなかった場合にも、確実に信号機における赤信号色から青信号色への発色変化の見落としを防止することができ、車両運転時の操作不足を効率よく補助支援することができる。
【0017】
また、信号機が赤信号色となって車両が停止した場合には、車両のヘッドライトを消す機能、またはヘッドライトの点灯光量を下げる機能、またはヘッドライトの照射角度を変化させる機能が働いて、対向車両の運転者へのヘッドライト照射が発生しないように、自動的に車両のヘッドライトを制御することができる。
【0018】
そのため、対向車両が点灯しているライトによる眩しさによって不快感を受けることや、その眩しさに目が慣れない状態が続いて発車時の運転に支障をきたすことを、確実に防止することができ、車両運転時の操作不足を効率よく補助支援することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を示す車載カメラシステムについて、図面を参照しながら具体的に説明する。本実施の形態の車載カメラシステムは、基本的に、道路を走行する車両に搭載され前方の信号機の発色情報を判断するものである。
【0020】
図1は本実施の形態の車載カメラシステムの概略構成を示す模式図である。図1において、車両101は、例えば乗用車、バスあるいはトラックであり道路を走行するものとする。車両101は、車載カメラ102を搭載し、車両101が車両停止線103で停止した時、信号機104を含めた前方の情景を撮像し、その情景に対応する画像データを取り込み、以下に示す車両内のネットワークを介して各処理を行う車載カメラシステムを備えている。
【0021】
なお、図1では、車載カメラ102が車両101内で少なくとも前方の信号機104が撮像可能な位置に載置された場合を示したが、車載カメラ102は、少なくとも前方の信号機104が撮像可能な位置であれば、車両101外さらには車両101外のどこに配置してもよい。
【0022】
図2は本実施の形態の車載カメラシステムの一構成例を示すブロック図である。本実施の形態の車載カメラシステムは、図2に示すように、車両101に搭載された車載カメラ部201(図1では、車載カメラ102に相当)、警告を示す音声を出力する音声出力部207、警告を示すメッセージ表示を出力する表示出力部208、車両の速度を認識する車両速度認識部209、車両の運転走行を案内補助するとともに、警告を示す音声またはメッセージ表示またはそれらの両方を出力するカーナビゲーションシステム部210、車両ヘッドライトの点灯光量や照射方向(ビーム方向)等の変更動作を制御する車両ライト制御部211、各種信号が伝送される車両内ネットワーク212で構成される。
【0023】
また、車載カメラ部201は、車両の前方の情景を撮像し、その情景に対応する画像データを取り込む撮像部202、撮像部202により撮像して得られた画像データを色変換する画像処理部203、画像処理部203により色変換して得られた画像データの色情報から信号機の発色情報を認識する色情報認識部204、色情報認識部204により認識した信号機の発色情報を赤信号色情報または青信号色情報と比較判断する色情報判断部205、各種データを記憶して格納するメモリ部206で構成される。
【0024】
上記の構成により、車載カメラ部201では、まず撮像部202により、車両101の前方の信号機104を含めた情景に基づいて入射される光信号情報を撮像し(少なくとも前方の信号機104が撮像できればよい)、この撮像データを画像処理部203へ出力する。画像処理部203に入力された撮像データは、画像処理部203によって画像データに変換される。また、メモリ部206には予め信号機の輪郭データとして、国内外に設置されている信号機の輪郭、及びそのうちの発光部分の輪郭が複数記憶されている。
【0025】
画像処理部203は、記憶されている信号機の輪郭データに対して、得られた全画像データの拡大・縮小を行いながら、撮像された画像データとのパターン一致検索を行い、信号機の輪郭を認識する。信号機の輪郭が認識されると発光部分の輪郭については一意に決定されるので、画像データのうちその発光部の箇所について、色情報認識部204によって、発光部の内部に存在する赤信号色もしくは青信号色の画素数が事前に設定されたスレッシュ値(所定の割合)以上であるとき赤色信号もしくは青色信号と認識し、色情報に変換する。変換した色情報に基づいて信号機104の発色情報を認識し、メモリ部206に記録して格納する。
【0026】
メモリ部206に記録された発色情報は、色情報判断部205によって、車載カメラシステムごとに予め設定された(メモリ部206あるいは色情報判断部205のどちらに設定格納してもよい)赤信号色情報または青信号色情報と比較(必要であれば赤信号色情報と青信号色情報の両方を比較)することで、赤信号色情報識別処理または青信号色情報識別処理(必要であれば赤信号色情報識別処理と青信号色情報識別処理の両処理)を行う。このとき、画像処理部203から出力された発色情報は、メモリ部206を介さずに直接色情報判断部205によって赤信号色情報識別処理または青信号色情報識別処理(必要であれば赤信号色情報識別処理と青信号色情報識別処理の両処理)を行っても良い。
【0027】
上記のような信号色情報識別処理により得られた識別情報に基づいて、色情報判断部205によって、信号機の発色情報が赤信号色情報から青信号色情報に変化したと判断したとき、車両内に設けられた車両内ネットワーク部212を介して、音声出力部207により警告音を出力するか、または表示出力部208により警告メッセージ表示を出力するか、またはそれらの両方を出力するかの少なくともどれか一つを行うことで、信号機の発色変化を目視していないあるいは目視できない状態にある車両運転者に対して、信号機の発色が赤信号色から青信号色に変化したことを警告することができ、車両のスムーズな効率のよい発車を促すことができる。
【0028】
図4は本実施の形態の車載カメラシステムの制御手順を示すシーケンス図である。本実施の形態の車載カメラシステムでは、図4に示すように、信号認識処理401で、車両の前方の信号機を含めた情景に基づいて入射される光信号情報から、R、G、B情報を取得し、赤信号色判定処理402で信号機の発色情報を赤信号色情報と比較判断する。信号機の発色情報が赤信号色と判断されるまで前記動作を繰り返し、赤信号色と判断したとき赤信号色判定フラグをたて、信号認識処理403によって再びR、G、B情報を取得する。なお、信号認識処理403は、図4では別途記載しているが信号認識処理401と同一のものである。
【0029】
青信号色判定処理405で信号機の発色情報が青信号色と判断されるまで前記動作を繰り返し、青信号色と判断したとき警告出力処理406にて、音声出力部207により警告音を出力するか、または表示出力部208により警告メッセージ表示を出力するか、またはそれらの両方を出力するかの少なくともどれか一つを行う。
【0030】
赤信号色判定によって信号機の発色が赤信号色と判定されてから、所定の時間が経過しても青信号色判定されないときは、時間判定処理404により前記信号認識処理401へ戻る。また警告出力処理406の完了後は、再び信号認識処理401へ戻り処理を繰り返す。
【0031】
また、上記に説明した車載カメラシステムにおいて、図2に示すように、カーナビゲーションシステム部210と接続することによって、前述のように、音声出力部207により警告音を出力するか、または表示出力部208により警告メッセージ表示を出力するか、またはそれらの両方を出力するかの少なくともどれか一つを行う代わりに、カーナビゲーションシステム部210により、警告音の出力またはナビゲーション画面への警告メッセージ表示の出力またはそれらの両方の出力を行うように構成してもよい。
【0032】
また、上記に説明した車載カメラシステムのそれぞれにおいて、車両の速度を認識する車両速度認識部209を備え、車両速度認識部209により認識した車両速度に基づいて、車両101が停車中かもしくは車載カメラシステムごとに設定された所定の速度以下であると判断し、かつ信号色情報識別処理により得られた識別情報に基づいて、色情報判断部205により信号機の発色が赤信号色から青信号色に変化したと判断したときに、車両内に設けられた車両内ネットワーク部212を介して、音声出力部207により警告音を出力するか、または表示出力部208により警告メッセージ表示を出力するか、またはそれらの両方を出力するか、またはカーナビゲーションシステム部210により、警告音の出力または警告メッセージ表示の出力またはそれらの両方の出力を行うかの少なくともどれか一つを行うように構成してもよい。
【0033】
このように構成することにより、もし、何等かの理由(例えばカーナビゲーションの設定を行っていたりCDの入れ替えを行っていたり)で、車両運転者が信号機の発色変化を目視していないあるいはできない場合にも、その車両運転者に対して、信号機の発色が赤信号色から青信号色に変化したことを遅滞なく警告報知することができ、スムーズな車両の発車を促すことができる。
【0034】
また、上記に説明した車載カメラシステムのそれぞれにおいて、車両速度認識部209により認識した車両速度に基づいて、車両101が停車中かもしくは車載カメラシステムごとに設定された所定の速度以下であると判断し、かつ信号色情報識別処理により得られた識別情報に基づいて、色情報判断部205により信号機の発色が赤信号色になっていると判断したときに、それらの判断情報を、車両内に設けられた車両内ネットワーク部212を介して、車両ライト制御部211に接続することにより、車両のヘッドライトを消すか、または車両のヘッドライトの点灯光量を下げるか、または車両のヘッドライトの照射方向(ビーム方向)の角度を変化させるかのうち少なくともいずれか1つを行うように構成してもよい。
【0035】
このように構成することにより、例えば夜間走行中に、信号機が赤信号色になっていて車両運転者が車両101を停止した場合には、その車両運転者が意識することなく、自動的に、車両のヘッドライトを消すか、または車両のヘッドライトの点灯光量を下げるか、または車両のヘッドライトの照射方向(ビーム方向)の角度を変化させることができる。
【0036】
その結果、対向車両が点灯しているライトによる眩しさによって不快感を受けることや、その眩しさに目が慣れない状態が続いて発車時の運転に支障をきたすことを、確実に防止することができ、車両運転時の操作不足を効率よく補助支援することができる。なお、上記は運転者への警告と組み合わせずとも単独でその効果を奏し得る。
【0037】
また、上記の各実施の形態の車載カメラシステムにおいて、図3に示すように、色情報認識部204と色情報判断部205の構成要素について、それらの動作を、マイクロコンピュータ等のコンピュータシステムの構成要素であるCPUと同様の機能を有するCPU部301で実行するように、構成することもできる。なお、図3において、その他の構成要素については、図2の場合と同一であるので、ここでの説明は省略する。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の車載カメラシステムは、信号機の赤信号色で停止した車両の運転者が、その停車中に、例えばカーナビゲーションの設定を行ったりCDの入れ替えを行ったりしていて、信号機の赤信号色から青信号色への発色変化に気付かなかった場合にも、確実に信号機における赤信号色から青信号色への発色変化の見落としを防止することができ、車両運転時の操作不足を効率よく補助支援することができるもので、道路を走行する車両に搭載される車載カメラシステム等に適応できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施の形態の車載カメラシステムの概略構成を示す模式図
【図2】同実施の形態の車載カメラシステムの構成を示すブロック図
【図3】同実施の形態の車載カメラシステムの他の構成を示すブロック図
【図4】同実施の形態の車載カメラシステムの制御を示すシーケンス図
【符号の説明】
【0040】
101 車両
102 車載カメラ
103 車両停止線
104 信号機
201 車載カメラ部
202 撮像部
203 画像処理部
204 色情報認識部
205 色情報判断部
206 メモリ部
207 音声出力部
208 表示出力部
209 車両速度認識部
210 カーナビゲーションシステム部
211 車両ライト制御部
212 車両内ネットワーク
301 CPU部
401 信号認識処理
402 赤信号色判定処理
403 信号認識処理
404 時間判定処理
405 青信号色判定処理
406 警告出力処理

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路を走行する車両に搭載され前方の信号機の発色情報を判断する車載カメラシステムであって、
前記車両の前方を撮像し画像データを取り込む撮像手段と、
前記撮像手段により撮像して得られた前記画像データを色変換する画像処理手段と、
前記画像処理手段により色変換して得られた前記画像データの色情報から前記信号機の発色情報を認識する色情報認識手段と、
前記色情報認識手段により認識した前記信号機の発色情報を赤信号色情報または青信号色情報と比較判断する色情報判断手段と、
前記色情報判断手段により判断した比較結果に応じて警告を示す音声を出力する音声出力手段とを備え、
前記色情報判断手段により前記信号機の発色情報が前記赤信号色情報から前記青信号色情報に変化したと判断したとき、前記音声出力手段により警告音を用いて警告出力するよう構成した
ことを特徴とする車載カメラシステム。
【請求項2】
道路を走行する車両に搭載され前方の信号機の発色情報を判断する車載カメラシステムであって、
前記車両の前方を撮像し画像データを取り込む撮像手段と、
前記撮像手段により撮像して得られた前記画像データを色変換する画像処理手段と、
前記画像処理手段により色変換して得られた前記画像データの色情報から前記信号機の発色情報を認識する色情報認識手段と、
前記色情報認識手段により認識した前記信号機の発色情報を赤信号色情報または青信号色情報と比較判断する色情報判断手段と、
前記色情報判断手段により判断した比較結果に応じて警告を示すメッセージ表示を出力する表示出力手段とを備え、
前記色情報判断手段により前記信号機の発色情報が前記赤信号色情報から前記青信号色情報に変化したと判断したとき、前記表示出力手段により警告メッセージ表示を用いて警告出力するよう構成した
ことを特徴とする車載カメラシステム。
【請求項3】
道路を走行する車両に搭載され前方の信号機の発色情報を判断する車載カメラシステムであって、
前記車両の前方を撮像し画像データを取り込む撮像手段と、
前記撮像手段により撮像して得られた前記画像データを色変換する画像処理手段と、
前記画像処理手段により色変換して得られた前記画像データの色情報から前記信号機の発色情報を認識する色情報認識手段と、
前記色情報認識手段により認識した前記信号機の発色情報を赤信号色情報または青信号色情報と比較判断する色情報判断手段と、
前記車両の運転走行を案内補助するとともに、前記色情報判断手段により判断した比較結果に応じて、警告を示す音声またはメッセージ表示またはそれらの両方を出力するカーナビゲーションシステム部とを備え、
前記色情報判断手段により前記信号機の発色情報が前記赤信号色情報から前記青信号色情報に変化したと判断したとき、前記カーナビゲーションシステム部により警告音または警告メッセージ表示またはそれらの両方を用いて警告出力するよう構成した
ことを特徴とする車載カメラシステム。
【請求項4】
道路を走行する車両に搭載され前方の信号機の発色情報を判断する車載カメラシステムであって、
前記車両の前方を撮像し画像データを取り込む撮像手段と、
前記撮像手段により撮像して得られた前記画像データを色変換する画像処理手段と、
前記画像処理手段により色変換して得られた前記画像データの色情報から前記信号機の発色情報を認識する色情報認識手段と、
前記色情報認識手段により認識した前記信号機の発色情報を赤信号色情報または青信号色情報と比較判断する色情報判断手段と、
前記色情報判断手段により判断した比較結果に応じて警告を示す音声を出力する音声出力手段と、
前記色情報判断手段により判断した比較結果に応じて警告を示すメッセージ表示を出力する表示出力手段と、
前記車両の運転走行を案内補助するとともに、前記色情報判断手段により判断した比較結果に応じて、警告を示す音声またはメッセージ表示またはそれらの両方を出力するカーナビゲーションシステム部とを備え、
前記色情報判断手段により前記信号機の発色情報が前記赤信号色情報から前記青信号色情報に変化したと判断したとき、前記音声出力手段により警告音を用いて警告出力するか、前記表示出力手段により警告メッセージ表示を用いて警告出力するか、それらの両方を用いて警告出力するか、前記カーナビゲーションシステム部により警告音または警告メッセージ表示またはそれらの両方を用いて警告出力するよう構成した
ことを特徴とする車載カメラシステム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の車載カメラシステムであって、
前記車両の速度を認識する車両速度認識手段を備え、
前記車両速度認識手段により前記車両が停止状態または予め設定された所定の速度以下であると認識した場合に、前記警告出力を実行するよう構成した
ことを特徴とする車載カメラシステム。
【請求項6】
請求項5記載の車載カメラシステムであって、
前記車両のライトの動作を制御する車両ライト制御手段を備え、
前記車両ライト制御手段は、前記色情報判断手段により前記信号機の発色情報が前記赤信号色情報と判断し、かつ前記車両速度認識手段により前記車両が停止状態になったと認識した場合に、
前記車両のヘッドライトを消す機能、または前記車両のヘッドライトの点灯光量を下げる機能、または前記車両のヘッドライトの照射角度を変化させる機能を有するよう構成した
ことを特徴とする車載カメラシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−188271(P2007−188271A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−5453(P2006−5453)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】