説明

車載レーダ装置

【課題】精度良く他車の検出を行う「車載レーダ装置」を提供する。
【解決手段】画像監視部2の車種識別部22は、カメラ21で撮影した画像より、追尾中の他車の車両のタイプを識別する。他車識別部3のフィルタ特性制御部33は、識別された車両のタイプに応じたフィルタ特性をフィルタ31に設定する。フィルタ31は、設定されたフィルタ特性に従って、レーダ測位部1で計測された計測値をフィルタリングして、追尾中の他車のものとして許容できる計測値のみを抽出し、物標追尾部32は抽出された計測値を用いて他車の追尾を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車周辺の物体を検出する車載のレーダ装置において、物体検出精度を向上する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自車周辺の物体を検出する車載のレーダ装置において物体検出の精度を向上する技術としては、レレーダ計測で求めた計測値の内から、検出の目的とする物体を計測したものではない計測値を除外するためのフィルタの特性を、自車速度に応じて切り替える技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2000-298173号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
さて、自車周辺の物体を検出する車載のレーダ装置に、目的とする物体を計測したものではない計測値を除外するためのフィルタを備える場合、当該フィルタの特性は、物体検出精度を高める上で重要な要素となる。しかしながら、目的とする物体を計測したものではない計測値を除外するために最適なフィルタ特性は、目的とする物体の挙動の特性に応じて異なったものとなる。したがって、目的とする物体の挙動の特性によらずフィルタ特性を定める従来の技術によれば、必ずしも精度よく、目的とする物体の検出を行うことができない。
【0004】
そこで、本発明は、自車周辺の物体を検出する車載のレーダ装置において、レーダ計測で求めた計測値の内から目的とする物体を計測したものではない計測値を除外するためのフィルタを用いて行う物体検出の精度を、より向上することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題達成のために、本発明は、自動車に搭載される車載レーダ装置を、車周辺の1または複数の他車を追尾する追尾手段と、前記追尾手段が追尾中の各他車について、当該他車の車両のタイプを識別する他車タイプ識別手段と、前記追尾手段が追尾中の各他車に対するフィルタ特性として、当該他車について前記他車タイプ識別手段が検出した当該他車の車両のタイプに応じたフィルタ特性を選定するフィルタ特性選定手段と、前記追尾手段が追尾中の各他車について、当該他車に対して前記フィルタ特性選定手段が選定したフィルタ特性で、前記レーダ計測手段が計測した計測値をフィルタリングし、前記レーダ計測手段が計測した計測値のうちの前記フィルタ特性に従って定まる条件を満たす計測値を抽出するフィルタ手段とより構成し、前記追尾手段において、当該追尾手段が追尾中の各他車の追尾を、当該他車について前記フィルタ手段が抽出した計測値に基づいて行うようにしたものである。
【0006】
このような車載レーダ装置によれば、追尾中の他車の車両のタイプに応じたフィルタ特性を、前記レーダ計測手段が計測した計測値のうちの追尾中の他車を計測したものではない計測値を除外するためのフィルタ手段に設定することができる。ここで、車両の挙動の特性と、車両タイプとの間には、強い相関が存在する。したがって、本発明によれば、追尾中の他車の挙動の特性に応じたフィルタ特性をフィルタ手段に設定することができ、これにより、より精度よく他車を検出、追尾することができるようになる。
【0007】
ここで、以上のような車載レーダ装置において、前記他車タイプ識別手段は、たとえば、車両周辺を撮影するカメラと、前記カメラが撮影した画像中の、前記追尾手段が追尾中の他車の位置に対応する領域に写り込んでいる車両のタイプを、当該追尾中の他車の車両のタイプとして識別する画像認識手段とより構成することができる。
【0008】
また、以上のような車載レーダ装置において、前記車両のタイプとしては、たとえば、自動二輪車のタイプや、自動四輪車のタイプを含むように設定する。そして、この場合には、前記自動二輪車と自動四輪車の挙動の特性の差を考慮して、前記自動二輪車のタイプに応じたフィルタ特性に従って定まる条件は、自動四輪車のタイプに応じたフィルタ特性に従って定まる条件よりも、前記フィルタ手段で抽出される計測値と、前記追尾中の他車の過去直近の追尾により求めた計測値との差としてより大きな差が許容される条件とするようにする。または、前記自動二輪車のタイプに応じたフィルタ特性に従って定まる条件は、自動四輪車のタイプに応じたフィルタ特性に従って定まる条件よりも、前記フィルタ手段で抽出される計測値と、前記追尾中の他車の過去の追尾により求めた複数の計測値から所定の算出式に従って得られる値との差としてより大きな差が許容される条件としてもよい。また、この前記追尾中の他車の過去の追尾により求めた複数の計測値から所定の算出式に従って得られる値は、当該複数の計測値により示される他車の状態の傾向を表す値として良い。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明によれば、自車周辺の物体を検出する車載のレーダ装置において、レーダ計測で求めた計測値の内から目的とする物体を計測したものではない計測値を除外するためのフィルタを用いて行う物体検出の精度を、より向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1aに、本実施形態に係る車載レーダ装置の構成を示す。
本車載レーダ装置は自動車に搭載される装置であり、図示するように、レーダ測位部1、画像監視部2、他車識別部3、物標管理テーブル4、周辺状況表示部5、表示装置6とを含んで構成される。
また、レーダ測位部1は、アンテナ11と送受信機12とレーダ計測信号処理部13とよりなる。また、画像監視部2は、カメラ21と車種識別部22とよりなる。また、他車識別部3は、フィルタ31、物標追尾部32、フィルタ特性制御部33とを有する。
ここで、レーダ測位部1は、レーダを用いて自車周辺のスキャン範囲内に存在する物体の相対距離や相対方向や相対速度を検出するものであり、本実施形態では、図1bに示すように、車両後部にアンテナ11を配置し、車両の後方向がスキャン範囲となるようにしている。また、画像監視部2は、自車周辺の画像を撮影し、撮影した画像に含まれる他車の車両としての種類を識別するものであり、本実施形態では、図1bに示すように、車両後部にカメラ21を配置し、車両の後方向を撮影するようにしている。
【0011】
さて、このような構成において、レーダ測位部1のレーダ計測信号処理部13は、送受信機12を介してアンテナ11を駆動し、定期的に、スキャン範囲内に存在する物標(他車両等)をスキャンし、スキャンの各回毎に、スキャンによって検出された各物標の自身に対する相対距離、相対方向、相対速度を計測し物標情報として物標追尾部32に出力する。
【0012】
一方、レーダ計測信号処理部13が行うスキャンの各回毎に、他車識別部3は、レーダ測位部1から入力する各物標の物標情報に基づいて、スキャン範囲内に存在する各物標の追尾を行い、追尾している各物標について、当該物標についてレーダ測位部1が計測した物標情報をスキャン算出情報として物標管理テーブル4に登録する。
【0013】
ここで、図2aに、この物標管理テーブル4の内容を示す。
図示するように、物標管理テーブル4は他車識別部3が追尾している物標である追尾中物標毎に設けたエントリ(図の各行)を有する。そして、各エントリには、追尾中物標の識別子であるラベルが登録される。また、各エントリには、最終回のスキャン(t)から、n回前のスキャン(t-n)までの、各回のスキャンのそれぞれについて設けられたスキャン算出情報が登録される。そして、各スキャン算出情報には、当該回のスキャンに対して算出された追尾中物標の物標情報(相対距離D、相対方向角θ、相対速度V)と、当該物標の車両のタイプTが登録される。ここで、車両タイプTの登録については後述する。
【0014】
さて、次に、以上のように、他車識別部3のスキャン算出情報を物標管理テーブル4に登録する動作の詳細について説明する。
すなわち、他車識別部3は、スキャンの各回毎に、追尾処理と新規物標抽出処理を行う。
そして、他車識別部3は、追尾処理において、物標管理テーブル4にエントリが登録されている各追尾中物標を順次、対象追尾中物標として次の処理を行う。
すなわち、物標管理テーブル4から、対象追尾中物標の最近のスキャン算出情報を読み出す。そして、フィルタ特性制御部33で、読み出したスキャン算出情報に応じて、フィルタ31のフィルタ特性を設定する。このフィルタ特性の設定の詳細については後述する。フィルタ31は、レーダ測位部1から入力する各物標の物標情報のうち、物標情報が示す相対距離、相対方位角、相対速度と、読み出したスキャン算出情報が示す相対距離D、相対方向角θ、相対速度Vとの差分の各々の全てが、設定されたフィルタ特性に従って定まる透過条件を満たす物標情報のみを抽出して物標追尾部32に出力する。一方、物標追尾部32は、物標管理テーブル4に対象追尾中物標のエントリに登録されている、前回以前の回のスキャン算出情報より、今回の対象追尾中物標の相対距離と相対方向角と相対速度を予測して予測物標情報とする。また、物標追尾部32は、フィルタ31から入力された物標情報のうちの、予測物標情報に最も近似する物標情報を、対象追尾中物標と同一の物標の物標情報であるとして、当該フィルタ31から入力された物標情報を、物標管理テーブル4の対象追尾中物標のエントリの今回tのスキャン算出情報として登録する。また、この対象追尾中物標のエントリの今回tのスキャン算出情報に、車両タイプTとして、この対象追尾中物標のエントリの前回t-1のスキャン算出情報に登録されている車両タイプTを初期値として設定する。
【0015】
また、物標追尾部32は、フィルタ31から一つの物標情報も入力されなかった場合には、物標管理テーブル4の対象追尾中物標のエントリを削除する。
ただし、物標追尾部32は、以上の追尾処理において、レーダ測位部1から入力する一つの物標情報は、当該物標情報と最も近似する予測物標情報が予測された追尾中物標のエントリにのみ登録されるように調停する処理も行う。
次に、新規物標抽出処理では、レーダ測位部1から入力する物標情報のうち、以上の追尾処理によって、追尾中物標と同じ物標の物標情報とされなかった各物標情報の物標は新たなに検出されるようになった物標であるとして、物標管理テーブル4に新たなエントリを生成し、生成したエントリに一意なラベルを生成して登録すると共に、生成したエントリの今回tのスキャン算出情報として、当該レーダ測位部1から入力した物標情報を登録する。また、この今回tのスキャン算出情報に、車両タイプTとして不明を初期値として登録する。
【0016】
次に、前述した物標管理テーブル4の各エントリのスキャン算出情報の車両タイプTの登録動作について説明する。
この車両タイプTの登録は、画像監視部2の車種識別部22が行う。
すなわち、車種識別部22は、以上のようにして他車識別部3によって、物標管理テーブル4のエントリに新たなスキャン算出情報が登録されると、当該新たに登録されたスキャン算出情報が示す相対距離D、相対方向θに対応する、カメラ21で撮影した画像中の位置周辺の領域に画像認識処理を施して、当該領域に移り込んでいる車両の種類の認識を行う。そして、認識に失敗した場合には、スキャン算出情報の車両タイプTに不明を登録する。一方、車両の種類の認識に成功した場合には、認識した車両の種類を、スキャン算出情報の車両タイプTに登録する。
【0017】
ここで、このように認識する車両の種類としては、一般乗用車、自動二輪車、スポーツカー、大型車などを用いる。また、これらの車両の種類の認識は、相対距離D、相対方向θと、当該車両の画像中のサイズより求まる当該車両の大きさや、当該車両の画像より求まる当該車両の形状上の特徴などに基づいて行う。
次に、周辺状況表示部5は、物標管理テーブル4の各エントリに登録された各追尾中物標のスキャン算出情報に基づいて、自車周辺の他車の存在状況その他の、自車周辺の各種状況を表す情報を表示装置6に表示する処理を行う。
【0018】
ここで、前述したフィルタ特性制御部33が、対象追尾中物標の最近のスキャン算出情報に応じて行うフィルタ31のフィルタ特性の設定動作について説明する。
図3に、フィルタ特性制御部33が、このフィルタ特性の設定のために行うフィルタ特性制御処理の手順を示す。
図示するように、この処理では、まず、フィルタ31のフィルタ特性を所定の初期フィルタ特性に設定する(ステップ302)。そして、対象追尾中物標の最近のスキャン算出情報が読み出されたならば(ステップ304)、読み出されたスキャン算出情報に登録されている車両タイプTを取得し(ステップ306)、予め定めた車両タイプTとフィルタ特性との対応に従って、取得した車両タイプTに応じたフィルタ特性を選定し、フィルタ31に設定する(ステップ308)。
【0019】
そして、ステップ304に戻って、次回の対象追尾中物標の最近のスキャン算出情報の読み出しを待つ。
ここで、ステップ308でフィルタ特性の設定に用いる、車両タイプTとフィルタ特性との対応は、予め、フィルタ特性定義テーブルとしてフィルタ特性制御部33に設定する。
ここで、図2bに、このようなフィルタ特性定義テーブルの例を示す。
図示した例は、車両タイプTと、その車両タイプTに対応するフィルタ特性の対応を、車両タイプTとフィルタ特性が示す透過条件との対応によって示すものである。
図示するように、この例では、速度変化、横方向位置変化、進行方向位置変化についての透過条件が、各車両タイプTに対して規定されている。
そして、各フィルタ特性が設定されたフィルタ31は、そのフィルタ特性が示す透過条件の全てを満たす物標情報のみを透過的に物標追尾部32に出力するものである。
すなわち、たとえば、速度変化透過条件が大以下、横方向位置変化透過条件が中以下、進行方向位置変化透過条件が小以下となるフィルタ特性が設定されたフィルタ31は、レーダ測位部1から入力する物標情報の相対速度と、読み出したスキャン算出情報が示す相対速度Vの差分のレベルが大以下であり、かつ、レーダ測位部1から入力する物標情報の相対距離、相対方位角が示す位置と、読み出したスキャン算出情報が示す相対距離D、相対方向角θが示す位置の、自車の左右方向についての差分のレベルが中以下であり、かつ、レーダ測位部1から入力する物標情報の相対距離、相対方位角が示す位置と、読み出したスキャン算出情報が示す相対距離D、相対方向角θが示す位置の、自車の進行方向についての差分のレベルが小以下である場合にのみ、当該レーダ測位部1から入力する物標情報を物標追尾に出力することになる。なお、速度変化、横方向位置変化、進行方向位置変化各々の大中小のレベルに対応する速度変化量の値や位置変化量の値は予め定めておく。
【0020】
さて、図2bに示すように、本実施形態では、自動二輪車やスポーツカーなどの運動性能に優れ挙動の変化が大きいことが多い車両タイプTについては、速度や位置の、より大きい変化が許容される条件が透過条件となるフィルタ特性を設定するようにしている。また、特に自動二輪車の車両タイプTについては、横方向の大きな移動が行われる場合が特に多いことを考慮して、横方向位置変化透過条件が、最も大きい変化が許容される条件となるフィルタ特性を設定するようにしている。
【0021】
また、車両タイプTが不明の場合には、透過条件として、速度や位置の、中程度の変化が許容される条件が設定されるフィルタ特性を設定するようにしている。なお、初期フィルタ特性は、車両タイプTが不明の場合のフィルタ特性と同じとする。
以上、本発明の実施形態について説明した。
以上のように、本実施形態によれば、レーダ測位部1が計測した物標情報のうちの追尾中の他車を計測したものではない物標情報を除外するためのフィルタ31に、追尾中の他車の車両タイプTに応じたフィルタ特性を設定することができる。ここで、車両の挙動の特性と、車両タイプとの間には、強い相関が存在する。したがって、本発明によれば、追尾中の他車の挙動の特性に応じたフィルタ特性をフィルタ31に設定することができ、これにより、より精度よく他車を検出、追尾することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係る車載レーダ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る物標管理テーブルとフィルタ特性定義テーブルを示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るフィルタ特性制御処理を示すフローチャートである。を示す図である。
【符号の説明】
【0023】
1…レーダ測位部、2…画像監視部、3…他車識別部、4…物標管理テーブル、5…周辺状況表示部、6…表示装置、11…アンテナ、12…送受信機、13…レーダ計測信号処理部、21…カメラ、22…車種識別部、31…フィルタ、32…物標追尾部、33…フィルタ特性制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車に搭載される車載レーダ装置であって、
レーダを用いて自車周辺の物体を計測するレーダ計測手段と、
自車周辺の1または複数の他車を追尾する追尾手段と、
前記追尾手段が追尾中の各他車について、当該他車の車両のタイプを識別する他車タイプ識別手段と、
前記追尾手段が追尾中の各他車に対するフィルタ特性として、当該他車について前記他車タイプ識別手段が検出した当該他車の車両のタイプに応じたフィルタ特性を選定するフィルタ特性選定手段と、
前記追尾手段が追尾中の各他車について、当該他車に対して前記フィルタ特性選定手段が選定したフィルタ特性で、前記レーダ計測手段が計測した計測値をフィルタリングし、前記レーダ計測手段が計測した計測値のうちの前記フィルタ特性に従って定まる条件を満たす計測値を抽出するフィルタ手段とを有し、
前記追尾手段は、当該追尾手段が追尾中の各他車の追尾を、当該他車について前記フィルタ手段が抽出した計測値に基づいて行うことを特徴とする車載レーダ装置。
【請求項2】
請求項1記載の車載レーダ装置であって、
前記他車タイプ識別手段は、
車両周辺を撮影するカメラと、
前記カメラが撮影した画像中の、前記追尾手段が追尾中の他車の位置に対応する領域に写り込んでいる車両のタイプを、当該追尾中の他車の車両のタイプとして識別する画像認識手段とを有することを特徴とする車載レーダ装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の車載レーダ装置であって、
前記車両のタイプは、自動二輪車のタイプと、自動四輪車のタイプとを含み、
前記自動二輪車のタイプに応じたフィルタ特性に従って定まる条件は、自動四輪車のタイプに応じたフィルタ特性に従って定まる条件よりも、前記フィルタ手段で抽出される計測値と、前記追尾中の他車の過去直近の追尾により求めた計測値との差としてより大きな差が許容される条件であることを特徴とする車載レーダ装置。
【請求項4】
請求項1または2記載の車載レーダ装置であって、
前記車両のタイプは、自動二輪車のタイプと、自動四輪車のタイプとを含み、
前記自動二輪車のタイプに応じたフィルタ特性に従って定まる条件は、自動四輪車のタイプに応じたフィルタ特性に従って定まる条件よりも、前記フィルタ手段で抽出される計測値と、前記追尾中の他車の過去の追尾により求めた複数の計測値から所定の算出式に従って得られる値との差としてより大きな差が許容される条件であることを特徴とする車載レーダ装置。
【請求項5】
請求項4記載の車載レーダ装置であって、
前記追尾中の他車の過去の追尾により求めた複数の計測値から所定の算出式に従って得られる値とは、当該複数の計測値により示される他車の状態の傾向を表す値であることを特徴とする車載レーダ装置。
【請求項6】
レーダを用いて自車周辺の物体を計測するレーダ計測手段と、設定されたフィルタ特性で、前記レーダ計測手段が計測した計測値をフィルタリングし、前記レーダ計測手段が計測した計測値のうちの前記フィルタ特性に従って定まる条件を満たす計測値のみを抽出するフィルタ手段と、前記フィルタ手段が抽出した計測値に基づいて、自車周辺の他車を追尾する追尾手段とを備えた、自動車に搭載される車載レーダ装置において、前記フィルタ手段のフィルタ特性を制御するフィルタ特性制御方法であって、
前記追尾手段が追尾中の他車の車両のタイプを識別するステップと、
識別した前記追尾中の他車の車両のタイプに応じたフィルタ特性を選定し、当該他車の追尾に用いる計測値をフィルタリングするためのフィルタ特性として前記フィルタ手段に設定するステップとを有することを特徴とする車載レーダ装置のフィルタ特性制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−232653(P2007−232653A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−56996(P2006−56996)
【出願日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】