説明

車載機器制御システム

【課題】妨害電波等の通信を阻害する要素の影響を受け難くしつつ、応答性の低下を抑えることがきる車載機器制御システムを提供すること。
【解決手段】車両に搭載される車両側ユニット100が送信するリクエスト信号に応答して携帯機200がレスポンス信号を返送する相互通信を行なうことによって携帯機200の照合を実施し、照合の照合結果に応じて車載機器を制御するものであり、照合結果において照合が不成立であった場合には通信周波数を切り替えて相互通信を行い、再度照合を実施する車載機器制御システムにおいて、車両側ユニット100は、ユーザーによってドアロックセンサ140が操作された場合、まず車室外照合を行なって照合が成立すると、照合が成立したときの通信周波数をメモリー112に記憶し(S10〜S13)、次に車室内照合を行なう際に、メモリー112に記憶した通信周波数を携帯機200に指定する通信周波数に設定する(S16)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載機器制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載された制御装置と、その制御装置のユーザーに所持される携帯機とが無線通信を用いて照合を実施して、その照合結果に応じて車載機器を制御する車載機器制御システムの一例として特許文献1に示される車両用電子キーシステム(認証システム)があった。
【0003】
特許文献1に示される車両用電子キーシステムは、車両に搭載されるスマートセキュリティ制御装置(制御装置)と、その制御装置のユーザーに所持される携帯機とを備える。スマートセキュリティ制御装置は、応答周波数を指定した指定要求信号を携帯機に対して送信する。そして指定要求信号が送信されてから予め設定された許容時間以内に何らかの信号が無線受信できない場合に、応答周波数を異なる周波数に変更した指定要求信号を送信させる。一方、携帯機は、指定要求信号により指定された応答周波数を選択し、選択された応答周波数で、受信応答信号をスマートセキュリティ制御装置に対して送信する。従って、応答信号が混信することよって応答信号が受信できなくなることを防止することができる。このようにして、妨害電波等の無線通信を阻害する要素の影響を受け難くすることにより、被制御対象を正常に作動させることができるようにするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−190173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、照合が不成立であると通信周波数を切り替えて再度照合を行なうシステムでは、車両と携帯機とがおかれている電波環境に変化が無い場合であっても、照合する度に照合が成立するまで周波数を切り替えることとなり、通信回数、時間の増加による応答性が低下する可能性がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、妨害電波等の通信を阻害する要素の影響を受け難くしつつ、応答性の低下を抑えることがきる車載機器制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1に記載の車載機器制御システムは、車両に搭載される車両側ユニットが送信するリクエスト信号に応答して携帯機がレスポンス信号を返送する相互通信を行なうことによって携帯機の照合を実施し、その照合の照合結果に応じて車載機器を制御するものであり、照合結果において照合が不成立であった場合には通信周波数を切り替えて相互通信を行い再度照合を実施するものにおいて、
携帯機は、
車両側ユニットとの相互通信を行なうものであり、車両側ユニットが送信するリクエスト信号を受信すると共に、車両側ユニットから指定された通信周波数でIDコードを含むレスポンス信号を返送する携帯機側通信手段を備え、
車両側ユニットは、
照合を開始するためのユーザーによる操作を検知する検知手段と、
携帯機に指定する通信周波数を設定する周波数設定手段と、
携帯機との相互通信を行なうものであり、携帯機に前記リクエスト信号を送信し、携帯機からのレスポンス信号を受信すると共に、周波数設定手段が設定した通信周波数を示す周波数情報を携帯機に送信する車両側通信手段と、
車両側通信手段にて受信した携帯機からのレスポンス信号に含まれるIDコードと予め登録してある登録コードとで照合を行なう照合手段とを備え、
照合手段にて照合が成立した際の通信周波数を記憶する記憶手段と、
周波数設定手段は、照合手段にて照合が不成立であった場合は指定する通信周波数を切り替えるものであり、検知手段にて検知された一回のユーザーによる操作に伴って複数回照合を行なう場合、照合手段にて複数回照合を行なううちの最初に照合が成立したときに記憶手段にて記憶された通信周波数を、複数回照合を行なううちの次回以降の通信周波数に設定することを特徴とするものであ。
【0008】
通常、一回のユーザーによる操作に伴って複数回照合を行なう場合、各照合を行なう際の車両や携帯機のおかれている電波環境の変化は少ないと考えることができる。したがって、一回のユーザーによる操作に伴って複数回照合を行なう場合、一度照合が成立すると、それ以降の照合では、その照合が成立したときの通信周波数を用いれば、携帯機と車両側ユニットとの相互通信を行なえる可能性が高い。
【0009】
上述の請求項1に示す車載機器制御システムでは、一回のユーザーによる操作に伴って複数回照合を行なう場合、最初に照合が成立した後は、その最初に照合が成立したときの通信周波数のみを携帯機に指定することができる。よって、請求項1に示すようにすることによって、妨害電波等の通信を阻害する要素の影響を受け難い通信周波数(照合が成立したときの通信周波数)を選択しつつ、照合のたびに通信周波数を切り替えることを抑制できるので応答性の低下を抑えることがきる。
【0010】
また、一回のユーザーによる操作に伴って行なう複数回の照合が終了すると、車両や携帯機のおかれている電波環境も変化する可能性が高い。したがって、請求項2に示すように、検知手段にて検知された一回のユーザーによる操作に伴って行なう複数回の照合が終了すると、記憶手段の記憶内容をリセットするリセット手段を備えるようにすると好ましい。
【0011】
上記目的を達成するために請求項3に記載の車載機器制御システムは、車両に搭載される車両側ユニットが送信するリクエスト信号に応答して携帯機がレスポンス信号を返送する相互通信を行なうことによって携帯機の照合を実施し、その照合の照合結果に応じて車載機器を制御するものであり、照合結果において照合が不成立であった場合には通信周波数を切り替えて相互通信を行い、再度照合を実施する車載機器制御システムにおいて、
携帯機は、
車両側ユニットとの相互通信を行なうものであり、車両側ユニットが送信するリクエスト信号を受信すると共に、車両側ユニットから指定された通信周波数でIDコードを含むレスポンス信号を返送する携帯機側通信手段を備え、
車両側ユニットは、
照合を開始するためのユーザーによる操作を検知する検知手段と、
携帯機に指定する通信周波数を設定する周波数設定手段と、
携帯機との相互通信を行なうものであり、携帯機に前記リクエスト信号を送信し、携帯機からのレスポンス信号を受信すると共に、周波数設定手段が設定した通信周波数を示す周波数情報を携帯機に送信する車両側通信手段と、
車両側通信手段にて受信した携帯機からのレスポンス信号に含まれるIDコードと予め登録してある登録コードとで照合を行なう照合手段とを備え、
照合手段にて照合が成立した際の通信周波数を記憶する記憶手段と、
照合手段による照合が成立したときから車両と携帯機がおかれている電波環境に変化があるか否かを推測する推測手段と、
周波数設定手段は、照合手段にて照合が不成立であった場合は指定する通信周波数を切り替えるものであり、推測手段にて照合が成立したときから電波環境に変化がないと推測されている場合は、照合が成立したときに記憶手段にて記憶された通信周波数を指定する通信周波数に固定することを特徴とするものであ。
【0012】
このよう、照合が成立したときから電波環境に変化がないと推測されている場合は、照合が成立したときに記憶手段にて記憶された通信周波数を指定する通信周波数に固定することによって、妨害電波等の通信を阻害する要素の影響を受け難い通信周波数(照合が成立したときの通信周波数)を選択しつつ、照合のたびに通信周波数を切り替えることを抑制できるので応答性の低下を抑えることがきる。
【0013】
また、請求項4に示すように、車両側ユニットは、時間を計る計時手段を備え、推測手段は、計時手段による計時で、照合手段による照合が成立したときから一定時間内である場合は、電波環境に変化がないと推測するようにしてもよい。
【0014】
つまり、電波環境に変化がないとみなすことができる時間を予め設定しておき、その一定時間内であれば電波環境に変化がないと推測することができる。
【0015】
また、通常、照合が成立したときから車両のドアが開扉するまでは、車両と携帯機がおかれている電波環境が変化する可能性は低い。
【0016】
したがって、請求項5に示すように、車両側ユニットは、車両のドアの開扉を検知するドア開扉検知手段を備え、推測手段は、照合手段による照合が成立したときからドア開扉検知手段にて車両のドアの開扉が検知されるまでは、電波環境に変化がないと推測するようにしてもよい。
【0017】
また、通常、照合が成立したときから車両のIG又はACCがオンするまでは、車両と携帯機がおかれている電波環境が変化する可能性は低い。
【0018】
したがって、請求項6に示すように、車両側ユニットは、車両の電源状態を検知する電源状態検知手段を備え、推測手段は、照合手段による照合が成立したときから電源状態検知手段にて車両のIG又はACCのオンが検知されるまでは、電波環境に変化がないと推測するようにしてもよい。
【0019】
また、通常、照合が成立したときからエンジンが始動するまでは、車両と携帯機がおかれている電波環境が変化する可能性は低い。
【0020】
したがって、請求項7に示すように、車両側ユニットは、車両のエンジンの始動を検知する始動検知手段を備え、推測手段は、照合手段による照合が成立したときから始動検知手段にてエンジンが始動するまでは、電波環境に変化がないと推測するようにしてもよい。
【0021】
また、通常、照合が成立したときから車速が検知されるまでは、車両と携帯機がおかれている電波環境が変化する可能性は低い。
【0022】
したがって、請求項8に示すように、車両側ユニットは、車両の車速を検知する車速検知手段を備え、推測手段は、照合手段による照合が成立したときから車速検知手段にて車速が検知されるまでは、電波環境に変化がないと推測するようにしてもよい。
【0023】
また、請求項9に示すように、車両側ユニットは、車両の場所を検知する場所検知手段と、照合手段にて照合が成立した場合に照合が成立した場所を記憶する場所記憶手段を備え、推測手段は、照合手段による照合が成立したときの場所が場所記憶手段に記憶されている場合は、電波環境に変化がないと推測するようにしてもよい。
【0024】
車両と携帯機がおかれている電波環境は場所によって変化することがある。したがって、請求項9のようにすることによっても電波環境に変化があるか否かを推測することができる。
【0025】
また、請求項10に示すように、車両側ユニットは、時刻を検出する時刻検知手段と、照合手段にて照合が成立した場合に照合が成立した時間帯を記憶する時間帯記憶手段を備え、推測手段は、照合手段による照合が成立したときの時刻が時間帯記憶手段に記憶されている場合は、電波環境に変化がないと推測するようにしてもよい。
【0026】
車両と携帯機がおかれている電波環境は時間帯(例えば、夜間、昼間など)によって変化することがある。したがって、請求項10のようにすることによっても電波環境に変化があるか否かを推測することができる。
【0027】
また、請求項11に示すように、周波数設定手段は、検知手段にて一定時間内にユーザーによる同一の操作が検知されると、指定する通信周波数の固定を解除するようにしてもよい。
【0028】
このように、一定時間内にユーザーによる同一の操作が行なわれた場合は、照合が成立しておらず、被制御対象である車載機器が正常に作動していないと考えることができる。したがって、このような場合は、指定する通信周波数の固定を解除すると好ましい。
【0029】
さらに、周波数設定手段は、請求項12に示すように、検知手段にて一定時間内にユーザーによる連続した同一の操作が検知されると、指定する通信周波数の固定を解除するようにしてもよい。つまり、ユーザーによる連続していない同一の操作の場合は、指定する通信周波数の固定を解除しないようにする。
【0030】
また、請求項13に示すように、周波数設定手段は、検知手段にてユーザーによる同一の操作が一定回数検知されると、指定する通信周波数の固定を解除するようにしてもよい。
【0031】
このように、ユーザーによる同一の操作が一定回数行なわれた場合は、照合が成立しておらず、被制御対象である車載機器が正常に作動していないと考えることができる。したがって、このような場合は、指定する通信周波数の固定を解除すると好ましい。
【0032】
さらに、請求項14に示すように、周波数設定手段は、検知手段にてユーザーによる連続した同一の操作が一定回数検知されると、指定する通信周波数の固定を解除するようにしてもよい。つまり、ユーザーによる連続していない同一の操作の場合は、指定する通信周波数の固定を解除しないようにする。
【0033】
また、請求項15に示すように、周波数設定手段は、検知手段にてユーザーによる同一の操作が一定時間内に一定回数検知されると、指定する通信周波数の固定を解除するようにしてもよい。
【0034】
このように、ユーザーによる同一の操作が一定時間内に一定回数行なわれた場合は、照合が成立しておらず、被制御対象である車載機器が正常に作動していないと考えることができる。したがって、このような場合は、指定する通信周波数の固定を解除すると好ましい。
【0035】
さらに、請求項16に示すように、周波数設定手段は、検知手段にてユーザーによる連続した同一の操作が一定時間内に一定回数検知されると、指定する通信周波数の固定を解除するようにしてもよい。つまり、ユーザーによる連続していない同一の操作の場合は、指定する通信周波数の固定を解除しないようにする。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態における車載機器制御システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における車載機器制御システムの処理動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施の形態における車載機器制御システムの処理動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施の形態における車載機器制御システムの周波数記憶処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態における車載機器制御システムの周波数消去処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施の形態の変形例1〜4の周波数記憶処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施の形態の変形例1の周波数消去処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施の形態の変形例2の周波数消去処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施の形態の変形例3の周波数消去処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施の形態の変形例4の周波数消去処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第3の実施の形態における車載機器制御システムの処理動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第3の実施の形態における車載機器制御システムの記憶処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第3の実施の形態の変形例の処理動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第3の実施の形態の変形例の記憶処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第4の実施の形態における車載機器制御システムの処理動作を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第4の実施の形態における車載機器制御システムの操作履歴の記憶処理とその消去処理を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第4の実施の形態の変形例1における操作履歴の記憶処理とその消去処理を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第4の実施の形態の変形例2における操作履歴の記憶処理とその消去処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0038】
(第1の実施の形態)
まず、第1の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態における車載機器制御システムの概略構成を示すブロック図である。図2は、本発明の第1の実施の形態における車載機器制御システムの処理動作を示すフローチャートである。
【0039】
図1に示すように、本実施の形態における車載機器制御システムは、車両側ユニット100と携帯機200とを備える。車載機器制御システムは、車両に搭載される車両側ユニット100が送信するリクエスト信号に応答して携帯機200がレスポンス信号を返送する相互通信(無線通信)を行なうことによって携帯機200の照合を実施し、その照合の照合結果に応じて車載機器(例えば、車両ドアのロック機構、エンジンの始動機構など)を制御するものである。さらに、車載機器制御システムは、照合結果において照合が不成立であった場合には通信周波数を切り替えて相互通信を行い、再度照合を実施するものである。
【0040】
車両側ユニット100は、車両に搭載されるものである。この車両側ユニット100は、車両側ユニット100の機能を司るものであり、CPU111、メモリー112などを含むECU(Electronic Control Unit)110を備え、車両外の所定の検知エリアへリクエスト信号(周波数情報を含む)を送信する発信機120(車両側通信手段)と、携帯機200から無線送信されるレスポンス信号を受信するチューナ130(車両側通信手段)と、車両ドアのロック/アンロックの指令をユーザーが入力する(照合を開始するためのユーザーによる操作を検知する)ためのドアロックセンサ140(検知手段)と、車両ドアのロックとアンロックを行うためのドアロックモータを駆動制御するドアロックコントローラ150と、車両に搭載されたエンジンの始動を制御するエンジンコントローラ160とがECU110と電気的に接続されている。なお、ドアロックセンサ140は、車両ドアのアウトサイドハンドル、もしくは、アウトサイドハンドルの近傍に設けられるスイッチやタッチセンサなどを採用することができる。また、車両側ユニット100は、警報を出力するスピーカーなどを備えるようにしてもよい。
【0041】
また、発信機120、ドアロックセンサ140、ドアロックコントローラ150、ドアロックモータ、などは、車両の各車両ドアに設けられるものである。なお、図示は省略するが、車両側ユニット100は、車両ドアのロック/アンロック状態を検出するロック状態検出センサ、車両ドアの開扉を検出するドア開被検出センサなどを各車両ドアに備えるようにしてもよい。
【0042】
ECU110のメモリー112には、照合の際に用いるIDコードや、携帯機200からの無線通信において使用可能な周波数の情報である周波数情報(例えば、周波数1、周波数2、・・・、周波数n)などが記憶されている。さらに、メモリー112は、ECU110のCPU111にて照合が成立した際の通信周波数(周波数情報)が記憶される(記憶手段)。
【0043】
ECU110のCPU111は、ドアロックセンサ140からの信号などに基づいて発信機120に対してリクエスト信号の送信を指示するための制御信号を出力したり、チューナ130からの信号などに基づいて携帯機200からのレスポンス信号に含まれるIDコードと予め登録してある登録コードとで照合を行なう(照合手段)と共にドアロックコントローラ150、エンジンコントローラ160に制御信号を出力したりする。また、ECU110のCPU111は、照合が不成立であった場合に携帯機200に指定する通信周波数を切り替えたり、ユーザーによる一回のドアロックセンサ140の操作に伴って複数回照合を行なう場合、複数回照合を行なううちの最初に照合が成立したときの通信周波数を、複数回照合を行なううちの次回以降の通信周波数に設定したりなど、携帯機200に指定する通信周波数(周波数情報)を設定(周波数設定手段)する。なお、ECU110の処理動作に関しては後ほど詳しく説明する。
【0044】
ここで、発信機120は、例えば、LF帯(low frequency)の電波(例えば134KHz近傍の電波)を搬送波とする電波を、FM変調またはAM変調することにより所定のデータを送信する。また、チューナ130は、予め設定された範囲の例えばUHF帯(ultra high frequency)の電波を受信可能に構成されている。さらに、このチューナ130は、所定周波数の電波を狙って感度よく受信するためのチューニング機能を備えており、後述するドアロック制御にて、指定した通信周波数で携帯機200にレスポンス信号を出力させる際に、携帯機200から送信される通信周波数に合わせて受信周波数をチューニングして応答信号を受信する。
【0045】
一方、携帯機200は、携帯機200の機能を司るマイコン(図示省略)と、車両側ユニット100との相互通信を行なうものであり、送信機7から送信されたリクエスト信号を受信アンテナにより受信して、そのリクエスト信号に含まれているデータをマイコンに入力させる受信部210(携帯機側通信手段)と、マイコンから出力されるデータを含んだレスポンス信号を送信アンテナから送信(返送)させる送信部220(携帯機側通信手段)とを備えている。また、携帯機200には、自身を特定するためのIDコードが記憶されている。
【0046】
ここで、送信部220は、レスポンス信号を送信する際に、複数の応答周波数から指定された通信周波数を選択し、選択した通信周波数を搬送波とする電波を、FM変調またはAM変調することにより所定のデータを送信する。つまり、携帯機200は、車両側ユニット100から送信された指定する通信周波数を示す周波数情報を受信すると、その周波数情報に対応する通信周波数で車両側ユニット100に対してレスポンス信号を送信する。なお、送信部220が選択可能な応答周波数としては、例えば、UHF帯のうち300〜400MHz帯の範囲内の電波が設定されており、この範囲内において複数の周波数情報(例えば、周波数1、周波数2、・・・、周波数n)が設定されている。
【0047】
ところで、上記車載機器制御システムにおいて、携帯機200が送信する際に使用するUHF帯の電波は、車両側ユニット100が使用するLF帯の電波と比較して、通信ケーブルや大型表示装置等から発せられるノイズ(妨害ノイズ)の影響を受け易いため、混信(つまり通信異常)が起こり易い傾向がある。
【0048】
そこで、本実施の形態の車載機器制御システムにおいては、一回のユーザーによる操作に伴って複数回照合を行なう場合、携帯機200からの応答信号が妨害ノイズの影響を受け難いようにすると共に、応答性の低下を抑えることがきるようにするものである。この車載機器制御システムの処理動作に関して、図2を用いて説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態における車載機器制御システムの処理動作を示すフローチャートである。ここでは、車両ドアのロックを行なう場合を一例に採用して説明する。図2に示すフローチャートは、例えば、全ての車両ドアが閉まるとスタートする。
【0049】
まず、ステップS10では、ECU110(CPU111)は、ドアロックセンサ140によるセンサ検知があるか否かを判定する。つまり、ドアロックセンサ140による検出結果に基づいて、ユーザーが車両ドアのロックの指令を入力するためにドアロックセンサ140を操作したか否かを判定する。換言すると、車両ドアのロックのための照合を開始するために、ユーザーがドアロックセンサ140を操作したか否かを判定する。そして、センサ検知があると判定した場合(つまり、ユーザーによるドアロックセンサ140の操作がある場合)は、ステップS11へ進み、センサ検知がないと判定した場合(つまり、ユーザーによるドアロックセンサ140の操作がない場合)は、ステップS10での判定を繰り返し行なう。
【0050】
ステップS11では、ECU110(CPU111)は、車室外に携帯機200があるか否かを判定するために、周波数変動で車室外照合を行なう(照合手段)。これは、車両側ユニット100が照合NGの場合に携帯機200に指定する通信周波数を切り替えて車室外照合を行なうものである(周波数設定手段)。つまり、携帯機200がレスポンス信号を送信する際の通信周波数を切り替えて車室外照合を行なうものである。
【0051】
したがって、ECU110(CPU111)は、携帯機200に指定する通信周波数を示す周波数情報を含むリクエスト信号を携帯機200へ送信する。一方、携帯機200は、リクエスト信号に応答してレスポンス信号を送信する場合は、車両側ユニット100に指定された通信周波数でレスポンス信号を送信する。
【0052】
なお、照合NGとは、照合が不成立となったことを示すものであり、リクエスト信号の送信から所定時間内にレスポンス信号が受信できなかった場合や、受信したレスポンス信号に含まれるIDコードとECU110のメモリー112に記憶されたIDコードとが所定の対応関係(例えば、一致など)を満たさない場合である。一方、照合OKとは、照合が成立したことを示すものであり、リクエスト信号の送信から所定時間内にレスポンス信号が受信でき、受信したレスポンス信号に含まれるIDコードとECU110のメモリー112に記憶されたIDコードとが所定の対応関係(例えば、一致など)を満たす場合である。
【0053】
ステップS12では、ECU110(CPU111)は、照合OKか否かを判定する。つまり、受信したレスポンス信号に含まれるIDコードとメモリー112に記憶されたIDコードとが所定の対応関係(例えば、一致など)を満たすか否かを判定する。そして、ECU110(CPU111)は、照合OKと判定した場合はステップS13へ進み、全ての周波数情報を携帯機200に送信しても(携帯機200が使用可能な全ての通信周波数を指定しても)照合NGの場合はステップS14に進む。
【0054】
ステップS13では、ECU110(CPU111)は、照合OKとなったときに携帯機200が送信したレスポンス信号の通信周波数、つまり、携帯機200に指定していた通信周波数(周波数情報)をメモリー112に記憶する(記憶手段)。つまり、このときの通信周波数は、ドアロックセンサ140にて検知された一回のユーザーによる操作に伴って複数回照合を行なううちの最初に照合が成立したときの通信周波数である。このように通信周波数を記憶するのは、ドアロックセンサ140にて検知された一回のユーザーによる操作に伴って複数回照合を行なう場合、その複数回照合を行なううちの最初に照合が成立したときの通信周波数を次回以降の照合を行なう際の通信周波数として用いるためである。
【0055】
ステップS14では、ECU110(CPU111)は、メモリー112に携帯機200に指定する通信周波数(周波数情報)が記憶されているか否かを判定する。つまり、ステップS11での車室外照合において、照合OKとなった際の通信周波数が記憶されているか否かを判定する。そして、記憶なしと判定した場合はステップS15へ進み、記憶ありと判定した場合はステップS16へ進む。
【0056】
ステップS15では、ECU110(CPU111)は、車室内に携帯機200があるか否かを判定するために、周波数変動で車室内照合を行なう(照合手段)。これは、車両側ユニット100が照合NGの場合に携帯機200に指定する通信周波数を切り替えて車室内照合を行なうものである。つまり、携帯機200がレスポンス信号を送信する際の通信周波数を切り替えて車室内照合を行なうものである。したがって、ECU110(CPU111)は、携帯機200に指定する通信周波数を示す周波数情報を含むリクエスト信号を携帯機200へ送信する。一方、携帯機200は、リクエスト信号に応答してレスポンス信号を送信する場合は、車両側ユニット100に指定された通信周波数でレスポンス信号を送信する。
【0057】
ステップS16では、ECU110(CPU111)は、車室内に携帯機200があるか否かを判定するために、周波数固定で車室内照合を行なう(照合手段)。これは、ステップS13でメモリー112に記憶された通信周波数(周波数情報)を携帯機200に指定して車室内照合を行なうものである(周波数設定手段)。つまり、この携帯機200に指定する通信周波数は、一回のユーザーによる操作に伴って複数回照合を行なう場合の最初に照合OKとなったときの通信周波数である。したがって、ECU110(CPU111)は、ステップS13でメモリー112に記憶された携帯機200に指定する通信周波数を示す周波数情報を含むリクエスト信号を携帯機200へ送信する。一方、携帯機200は、リクエスト信号に応答してレスポンス信号を送信する場合は、車両側ユニット100に指定された通信周波数でレスポンス信号を送信する。
【0058】
ステップS17では、ECU110(CPU111)は、照合OKか否かを判定する。つまり、受信したレスポンス信号に含まれるIDコードとメモリー112に記憶されたIDコードとが所定の対応関係(例えば、一致など)を満たすか否かを判定する。そして、ECU110(CPU111)は、照合OKと判定した場合はステップS18へ進み、全ての周波数情報を携帯機200に送信しても(携帯機200が使用可能な全ての通信周波数を指定しても)照合NGの場合はステップS20に進む。
【0059】
ステップS18では、ECU110(CPU111)は、例えば、スピーカーから音を出力するなどによって、携帯機200が車室内に閉じ込められることを警報する。
【0060】
ステップS19では、ECU110(CPU111)は、メモリー112をリセットする(リセット手段)。なお、ここでメモリー112のリセットとは、最初に照合が成立した際の通信周波数を消去することである。これによって、ドアロックセンサ140にて検知された一回のユーザーによる操作に伴って複数回照合を行なううちの最初に照合が成立したときにメモリー112に記憶しておいた通信周波数(周波数情報)を消去する。
【0061】
一回のユーザーによる操作に伴って行なう複数回の照合が終了すると、車両や携帯機200のおかれている電波環境も変化する可能性が高い。したがって、ステップS19に示すように、ドアロックセンサ140にて検知された一回のユーザーによる操作に伴って行なう複数回の照合(この場合、車室外照合と車室内照合)が終了すると、メモリー112の記憶された最初に照合が成立した際の通信周波数を消去すると好ましい。
【0062】
ステップS20では、ECU110(CPU111)は、照合OKか否かを判定する。つまり、受信したレスポンス信号に含まれるIDコードとメモリー112に記憶されたIDコードとが所定の対応関係(例えば、一致など)を満たすか否かを判定する。そして、ECU110(CPU111)は、照合OKと判定した場合はステップS21へ進み、全ての周波数情報を携帯機200に送信しても(携帯機200が使用可能な全ての通信周波数を指定しても)照合NGの場合は処理を終了する。
【0063】
ステップS21では、ECU110(CPU111)は、ドアロックコントローラ150に対して、車両ドアのロック(施錠)を示す制御信号を出力することによって車両ドアをロックする。
【0064】
ステップS22では、ECU110(CPU111)は、メモリー112をリセットする(リセット手段)。なお、ここでメモリー112のリセットとは、最初に照合が成立した際の通信周波数を消去することである。これによって、ドアロックセンサ140にて検知された一回のユーザーによる操作に伴って複数回照合を行なううちの最初に照合が成立したときにメモリー112に記憶しておいた通信周波数(周波数情報)を消去する。
【0065】
一回のユーザーによる操作に伴って行なう複数回の照合が終了すると、車両や携帯機200のおかれている電波環境も変化する可能性が高い。したがって、ステップS19に示すように、ドアロックセンサ140にて検知された一回のユーザーによる操作に伴って行なう複数回の照合(この場合、車室外照合と車室内照合)が終了すると、メモリー112の記憶された最初に照合が成立した際の通信周波数を消去すると好ましい。
【0066】
通常、一回のユーザーによる操作に伴って複数回照合(この場合、車室外照合と車室内照合)を行なう場合、各照合を行なう際の車両や携帯機200のおかれている電波環境の変化は少ないと考えることができる。したがって、一回のユーザーによる操作に伴って複数回照合を行なう場合、一度照合が成立すると、それ以降の照合では、その照合が成立したときの通信周波数を用いれば、携帯機200と車両側ユニット100との相互通信を行なえる可能性が高い。
【0067】
したがって、本実施の形態における車載機器制御システムでは、一回のユーザーによる操作に伴って複数回照合(この場合、車室外照合と車室内照合)を行なう場合、最初に照合(この場合、車室外照合)が成立した後は、その最初に照合が成立したときの通信周波数のみを携帯機200に指定することができる。つまり、以降の照合(この場合、車室内照合)を行なう際には、携帯機200は、最初に照合が成立したときの通信周波数で車両側ユニットと通信を行なう。このようにすることによって、妨害電波等の通信を阻害する要素の影響を受け難い通信周波数(照合が成立したときの通信周波数)を選択しつつ、照合のたびに通信周波数を切り替えることを抑制できるので応答性の低下を抑えることがきる。
【0068】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。図3は、本発明の第2の実施の形態における車載機器制御システムの処理動作を示すフローチャートである。図4は、本発明の第2の実施の形態における車載機器制御システムの周波数記憶処理を示すフローチャートである。図5は、本発明の第2の実施の形態における車載機器制御システムの周波数消去処理を示すフローチャートである。
【0069】
なお、構成など上述した第1の実施の形態と同様である箇所は説明を省略する。本実施の形態と上述の第1の実施の形態との相違点は、照合が成立したときから車両や携帯機200がおかれている電波環境に変化があるか否かを推測する手段を備える点である。また、本実施の形態の車両側ユニット100はタイマーを備える。
【0070】
まず、本実施の形態の車載機器制御システムにおける、通信周波数の記憶処理とその消去処理に関して図4、図5を用いて説明する。
【0071】
最初に、図4を用いて、通信周波数の記憶処理について説明する。
【0072】
ステップS130では、ECU110(CPU111)は、車室外照合、もしくは車室内照合にて照合OKか否かを判定する。つまり、受信したレスポンス信号に含まれるIDコードとメモリー112に記憶されたIDコードとが所定の対応関係(例えば、一致など)を満たすか否かを判定する。そして、ECU110(CPU111)は、照合OKと判定した場合はステップS131へ進み、全ての周波数情報を携帯機200に送信しても(携帯機200が使用可能な全ての通信周波数を指定しても)照合NGの場合は処理を終了する。
【0073】
ステップS131では、ECU110(CPU111)は、照合OKとなったときに携帯機200が送信したレスポンス信号の通信周波数、つまり、携帯機200に指定していた通信周波数(周波数情報)をメモリー112に記憶する(記憶手段)。このように通信周波数を記憶するのは、照合が成立した際の車両や携帯機200がおかれている電波環境が変化していない間は、照合を行なう際の通信周波数として用いるためである。ステップS132では、ECU110(CPU111)は、タイマーをクリアする。
【0074】
次に、図5を用いて、通信周波数の記憶処理について説明する。
【0075】
ステップS140では、ECU110(CPU111)は、タイマー(計時手段)のクリア(つまり、照合OKで通信周波数を記憶)から一定時間経過したか否かを判定する。この一定時間とは、電波環境に変化がないとみなすことができる時間である。そして、一定時間経過と判定した場合はステップS141へ進み、ステップS141では、ECU110(CPU111)は、記憶処理にてメモリー112に記憶した通信周波数を消去する。一方、一定時間経過していないと判定した場合はステップS140での判定を繰り返す。つまり、照合が成立したときから一定時間内である場合は、電波環境に変化がないと推測できる(推測手段)ので、この間は、メモリー112に記憶した照合OK時の通信周波数は消さない。このように、照合が成立したときから一定時間内であるか否かによって電波環境の変化を推測する(推測手段)ようにしてもよい。
【0076】
次に、図3に示す、本実施の形態における車載機器制御システムの処理動作に関して説明する。
【0077】
ステップS110では、ECU110(CPU111)は、図2のステップS10と同様にセンサ検知があるか否かを判定し、検知ありと判定した場合はステップS111に進み、検知なしと判定した場合はステップS110での判定を繰り返す。
【0078】
ステップS111では、ECU110(CPU111)は、メモリー112に携帯機20に指定する通信周波数(周波数情報)が記憶されているか否かを判定する。つまり、上述の記憶処理において一定時間内に照合OKとなった時の通信周波数がメモリー112に記憶されているか否かを判定する。換言すると、妨害電波等の通信を阻害する要素の影響を受け難い通信周波数がメモリー112に記憶されているか否かを判定する。そして、記憶なしと判定した場合はステップS112へ進み、記憶ありと判定した場合はステップS115へ進む。
【0079】
ステップS112では、ECU110(CPU111)は、図2のステップS11と同様に、車室外に携帯機200があるか否かを判定するために、周波数変動で車室外照合を行なう(照合手段)。
【0080】
ステップS113では、ECU110(CPU111)は、ステップS111と同様にメモリー112に携帯機20に指定する通信周波数(周波数情報)が記憶されているか否かを判定する。そして、記憶なしと判定した場合はステップS114へ進み、記憶ありと判定した場合はステップS116へ進む。
【0081】
ステップS114では、ECU110(CPU111)は、図2のステップS15と同様に、車室内に携帯機200があるか否かを判定するために、周波数変動で車室内照合を行なう(照合手段)。
【0082】
一方、ステップS115では、ECU110(CPU111)は、車室外に携帯機200があるか否かを判定するために、周波数固定で車室外照合を行なう(照合手段)。これは、上述の記憶処理(図4のステップS131)でメモリー112に記憶された通信周波数(周波数情報)を携帯機200に指定して車室外照合を行なうものである(周波数設定手段)。つまり、この携帯機200に指定する通信周波数は、一定時間内に照合OKとなったときの通信周波数である。換言すると、妨害電波等の通信を阻害する要素の影響を受け難い通信周波数である。
【0083】
したがって、ECU110(CPU111)は、図4のステップS131でメモリー112に記憶された携帯機200に指定する通信周波数を示す周波数情報を含むリクエスト信号を携帯機200へ送信する。一方、携帯機200は、リクエスト信号に応答してレスポンス信号を送信する場合は、車両側ユニット100に指定された通信周波数でレスポンス信号を送信する。
【0084】
ステップS116では、ECU110(CPU111)は、車室内に携帯機200があるか否かを判定するために、周波数固定で車室内照合を行なう(照合手段)。これは、上述の記憶処理(図4のステップS131)でメモリー112に記憶された通信周波数(周波数情報)を携帯機200に指定して車室内照合を行なうものである(周波数設定手段)。つまり、この携帯機200に指定する通信周波数は、一定時間内に照合OKとなったときの通信周波数である。換言すると、妨害電波等の通信を阻害する要素の影響を受け難い通信周波数である。
【0085】
したがって、ECU110(CPU111)は、図4のステップS131でメモリー112に記憶された携帯機200に指定する通信周波数を示す周波数情報を含むリクエスト信号を携帯機200へ送信する。一方、携帯機200は、リクエスト信号に応答してレスポンス信号を送信する場合は、車両側ユニット100に指定された通信周波数でレスポンス信号を送信する。
【0086】
なお、ステップS117〜S120は、ステップS17、S18、S20、S21と同様であるため説明を省略する。
【0087】
このように、照合が成立したときから一定時間内の(電波環境に変化がないと推測されている)場合は、照合が成立したときにメモリー112に記憶された通信周波数を携帯機200に指定する通信周波数に固定することによって、妨害電波等の通信を阻害する要素の影響を受け難い通信周波数(照合が成立したときの通信周波数)を選択しつつ、照合のたびに通信周波数を切り替えることを抑制できるので応答性の低下を抑えることがきる。
【0088】
<変形例1>
また、通常、照合が成立したときから車両ドアが開扉するまでは、車両と携帯機200がおかれている電波環境が変化する可能性は低い。そこで、第2の実施の形態における変形例1として、照合が成立したときから車両ドアが開扉したか否かによって電波環境の変化を推測するようにしてもよい。図6は、本発明の第2の実施の形態の変形例1〜4の周波数記憶処理を示すフローチャートである。図7は、本発明の第2の実施の形態の変形例1の周波数消去処理を示すフローチャートである。
【0089】
また、本実施の形態の車両側ユニット100は、ドアの開扉状態を検出するためのドア開被検出センサ(ドア開扉検知手段)を備える。そして、変形例1と第2の実施の形態との相違点は、周波数の記憶処理、消去処理である。つまり、車載機器制御システムにおける周波数の記憶処理、消去処理以外の基本的な処理動作は、上述の第2の実施の形態(図3)と同様である。
【0090】
まず、図6に示す、変形例1における通信周波数の記憶処理について説明する。通信周波数の記憶処理は、上述の図4に示す記憶処理からステップS132を削除したものである。なお、この変形例1における通信周波数の記憶処理に関しては、後ほど説明する変形例2〜4においても同様である。
【0091】
次に、図7に示す、変形例1における通信周波数の消去処理について説明する。
【0092】
ステップS1401では、ECU110(CPU111)は、ドア開扉検出センサの検出結果に基づいて、照合が成立(つまり、通信周波数を記憶)してから、車両ドアがドア開(開扉)であるか否かを判定する。そして、ドア開であると判定した場合はステップS141へ進み、ステップS141では、ECU110(CPU111)は、記憶処理にてメモリー112に記憶した通信周波数を消去する。一方、ドア開でないと判定した場合はステップS1401での判定を繰り返す。つまり、照合が成立したときからドア開(車両ドアが開扉)されるまでは、電波環境に変化がないと推測できる(推測手段)ので、この間は、メモリー112に記憶した照合OK時の通信周波数は消さない。このように、照合が成立したときから車両ドアが開扉したか否かによって電波環境の変化を推測する(推測手段)ようにしてもよい。
【0093】
<変形例2>
また、通常、照合が成立したときから車両のIG又はACCがオンするまでは、車両と携帯機がおかれている電波環境が変化する可能性は低い。そこで、第2の実施の形態における変形例2として、照合が成立したときから車両のIG又はACCがオンするか否かによって電波環境の変化を推測するようにしてもよい。図8は、本発明の第2の実施の形態の変形例2の周波数消去処理を示すフローチャートである。
【0094】
また、本実施の形態の車両側ユニット100は、車両のIG、ACCのオン・オフを検出するためのイグニッションセンサを備える。そして、変形例2と第2の実施の形態、変形例1との相違点は、周波数の消去処理である。つまり、車載機器制御システムにおける周波数の消去処理以外の基本的な処理動作及び記憶処理は、上述の第2の実施の形態(図3)及び上述の変形例1(図6)と同様である。
【0095】
図8に示す、変形例2における通信周波数の消去処理について説明する。
【0096】
ステップS1402では、ECU110(CPU111)は、イグニッションセンサの検出結果に基づいて、照合が成立(つまり、通信周波数を記憶)してから、車両のIG又はACCがオンであるか否かを判定する。そして、車両のIG又はACCがオンであると判定した場合はステップS141へ進み、ステップS141では、ECU110(CPU111)は、記憶処理にてメモリー112に記憶した通信周波数を消去する。一方、車両のIG又はACCがオンでないと判定した場合はステップS1401での判定を繰り返す。つまり、照合が成立したときから車両のIG又はACCがオンされるまでは、電波環境に変化がないと推測できるので、この間は、メモリー112に記憶した照合OK時の通信周波数は消さない。このように、照合が成立したときから車両のIG又はACCがオンするか否かによって電波環境の変化を推測する(推測手段)ようにしてもよい。
【0097】
<変形例3>
また、通常、照合が成立したときからエンジンが始動するまでは、車両と携帯機がおかれている電波環境が変化する可能性は低い。そこで、第2の実施の形態における変形例3として、照合が成立したときからエンジンが始動したか否かによって電波環境の変化を推測するようにしてもよい。図9は、本発明の第2の実施の形態の変形例3の周波数消去処理を示すフローチャートである。
【0098】
また、本実施の形態の車両側ユニット100は、車両のエンジンの始動を検出するための始動センサを備える。そして、変形例2と第2の実施の形態、変形例1との相違点は、周波数の消去処理である。つまり、車載機器制御システムにおける周波数の消去処理以外の基本的な処理動作及び記憶処理は、上述の第2の実施の形態(図3)及び上述の変形例1(図6)と同様である。
【0099】
図9に示す、変形例3における通信周波数の消去処理について説明する。
【0100】
ステップS1403では、ECU110(CPU111)は、始動センサの検出結果に基づいて、照合が成立(つまり、通信周波数を記憶)してから、車両のエンジンが始動したか否かを判定する。そして、車両のエンジンが始動したと判定した場合はステップS141へ進み、ステップS141では、ECU110(CPU111)は、記憶処理にてメモリー112に記憶した通信周波数を消去する。一方、車両のエンジンが始動してないと判定した場合はステップS1401での判定を繰り返す。つまり、照合が成立したときから車両のエンジンが始動されるまでは、電波環境に変化がないと推測できるので、この間は、メモリー112に記憶した照合OK時の通信周波数は消さない。このように、照合が成立したときから車両のエンジンが始動したか否かによって電波環境の変化を推測する(推測手段)ようにしてもよい。
【0101】
<変形例4>
また、通常、照合が成立したときから車速が検出されるまでは、車両と携帯機がおかれている電波環境が変化する可能性は低い。そこで、第2の実施の形態における変形例4として、照合が成立したときからエンジンが始動したか否かによって電波環境の変化を推測するようにしてもよい。図10は、本発明の第2の実施の形態の変形例4の周波数消去処理を示すフローチャートである。
【0102】
また、本実施の形態の車両側ユニット100は、車両の車速を検出するための車速センサを備える。そして、変形例2と第2の実施の形態、変形例1との相違点は、周波数の消去処理である。つまり、車載機器制御システムにおける周波数の消去処理以外の基本的な処理動作及び記憶処理は、上述の第2の実施の形態(図3)及び上述の変形例1(図6)と同様である。
【0103】
図10に示す、変形例4における通信周波数の消去処理について説明する。
【0104】
ステップS1404では、ECU110(CPU111)は、車速センサの検出結果に基づいて、照合が成立(つまり、通信周波数を記憶)してから、車両の車速が検出されたか否かを判定する。そして、車両の車速が検出されたと判定した場合はステップS141へ進み、ステップS141では、ECU110(CPU111)は、記憶処理にてメモリー112に記憶した通信周波数を消去する。一方、車両の車速が検出されてないと判定した場合はステップS1401での判定を繰り返す。つまり、照合が成立したときから車両の車速が検出されるまでは、電波環境に変化がないと推測できるので、この間は、メモリー112に記憶した照合OK時の通信周波数は消さない。このように、照合が成立したときから車両の車速が検出されたか否かによって電波環境の変化を推測する(推測手段)ようにしてもよい。
【0105】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について説明する。図11は、本発明の第3の実施の形態における車載機器制御システムの処理動作を示すフローチャートである。図12は、本発明の第3の実施の形態における車載機器制御システムの記憶処理を示すフローチャートである。
【0106】
なお、構成など上述した第1の実施の形態と同様である箇所は説明を省略する。本実施の形態と上述の第1の実施の形態との相違点は、車両の位置に基づいて照合が成立したときから車両や携帯機200がおかれている電波環境に変化があるか否かを推測する手段を備える点である。また、本実施の形態の車両側ユニット100は、例えばGPSなどの車両の現在位置を検出する位置検出装置を備える。
【0107】
まず、本実施の形態の車載機器制御システムにおける、通信周波数の記憶処理に関して図12を用いて説明する。
【0108】
ステップS230では、ECU110(CPU111)は、車室外照合、もしくは車室内照合にて照合OKか否かを判定する。つまり、受信したレスポンス信号に含まれるIDコードとメモリー112に記憶されたIDコードとが所定の対応関係(例えば、一致など)を満たすか否かを判定する。そして、ECU110(CPU111)は、照合OKと判定した場合はステップS231へ進み、全ての周波数情報を携帯機200に送信しても(携帯機200が使用可能な全ての通信周波数を指定しても)照合NGの場合は処理を終了する。
【0109】
ステップS231では、ECU110(CPU111)は、照合OKとなったときに携帯機200が送信したレスポンス信号の通信周波数、つまり、携帯機200に指定していた通信周波数(周波数情報)をメモリー112に記憶する(記憶手段)。このように通信周波数を記憶するのは、照合が成立した際の車両や携帯機200がおかれている電波環境が変化していない間は、照合を行なう際の通信周波数として用いるためである。
【0110】
ステップS232では、ECU110(CPU111)は、位置検出装置にて検出された車両の現在位置を上述の通信周波数と関連付けてメモリー112に記憶する(場所記憶手段)。つまり、ECU110(CPU111)は、照合が成立した場合に、その照合が成立した場所を上述の通信周波数と関連付けてメモリー112に記憶する(場所記憶手段)。
【0111】
一般的に車両や携帯機200がおかれている電波環境は場所によって変化することがある。よって、一度照合が成立した場所は、次回以降に照合する場合でも電波環境の変化が少なく、照合が成立する可能性が高い。したがって、本実施の形態においては、照合する場所が、以前照合が成立した場所であるか否かによって電波環境の変化を推測する(推測手段)。
【0112】
次に、図11に示す、本実施の形態における車載機器制御システムの処理動作に関して説明する。
【0113】
ステップS210では、ECU110(CPU111)は、図2のステップS10と同様にセンサ検知があるか否かを判定し、検知ありと判定した場合はステップS211に進み、検知なしと判定した場合はステップS210での判定を繰り返す。
【0114】
ステップS211では、ECU110(CPU111)は、メモリー112に携帯機20に指定する通信周波数(周波数情報)が記憶されているか否かを判定する。つまり、上述の記憶処理において照合OKとなった時の通信周波数がメモリー112に記憶されているか否かを判定する。換言すると、妨害電波等の通信を阻害する要素の影響を受け難い通信周波数がメモリー112に記憶されているか否かを判定する。そして、記憶なしと判定した場合はステップS212へ進み、記憶ありと判定した場合はステップS215へ進む。
【0115】
ステップS212では、ECU110(CPU111)は、図2のステップS11と同様に、車室外に携帯機200があるか否かを判定するために、周波数変動で車室外照合を行なう(照合手段)。
【0116】
ステップS213では、ECU110(CPU111)は、ステップS211と同様にメモリー112に携帯機20に指定する通信周波数(周波数情報)が記憶されているか否かを判定する。そして、記憶なしと判定した場合はステップS214へ進み、記憶ありと判定した場合はステップS218へ進む。
【0117】
ステップS214では、ECU110(CPU111)は、図2のステップS15と同様に、車室内に携帯機200があるか否かを判定するために、周波数変動で車室内照合を行なう(照合手段)。
【0118】
一方、ステップS215では、ECU110(CPU111)は、位置検出装置にて車両位置(現在位置)を検出して、その車両位置がメモリー112に記憶されていた通信周波数に関連付けられた位置と同一であるか否かによって車両位置を判定する。
【0119】
ステップS216では、ECU110(CPU111)は、ステップS215での判定において、現在位置とメモリー112に記憶された位置とが同一であると判定した場合はステップS217に進み、同一であると判定してない場合はステップS212へ進む。
【0120】
ステップS217では、ECU110(CPU111)は、車室外に携帯機200があるか否かを判定するために、周波数固定で車室外照合を行なう(照合手段)。これは、上述の記憶処理(図12のステップS231)でメモリー112に記憶された通信周波数(周波数情報)を携帯機200に指定して車室外照合を行なうものである(周波数設定手段)。つまり、この携帯機200に指定する通信周波数は、現在位置において一度照合が成立している通信周波数である。換言すると、妨害電波等の通信を阻害する要素の影響を受け難い通信周波数である。
【0121】
したがって、ECU110(CPU111)は、図12のステップS231でメモリー112に記憶された携帯機200に指定する通信周波数を示す周波数情報を含むリクエスト信号を携帯機200へ送信する。一方、携帯機200は、リクエスト信号に応答してレスポンス信号を送信する場合は、車両側ユニット100に指定された通信周波数でレスポンス信号を送信する。
【0122】
ステップS218では、ECU110(CPU111)は、車室内に携帯機200があるか否かを判定するために、周波数固定で車室内照合を行なう(照合手段)。これは、上述の記憶処理(図12のステップS231)でメモリー112に記憶された通信周波数(周波数情報)を携帯機200に指定して車室内照合を行なうものである(周波数設定手段)。つまり、この携帯機200に指定する通信周波数は、現在位置において一度照合が成立している通信周波数である。換言すると、妨害電波等の通信を阻害する要素の影響を受け難い通信周波数である。
【0123】
したがって、ECU110(CPU111)は、図12のステップS231でメモリー112に記憶された携帯機200に指定する通信周波数を示す周波数情報を含むリクエスト信号を携帯機200へ送信する。一方、携帯機200は、リクエスト信号に応答してレスポンス信号を送信する場合は、車両側ユニット100に指定された通信周波数でレスポンス信号を送信する。
【0124】
なお、ステップS219〜S222は、ステップS17、S18、S20、S21と同様であるため説明を省略する。
【0125】
このように、本実施の形態においては、照合を行なう場所が、以前照合が成立した場所であるか否かによって電波環境の変化を推測する(推測手段)。そして、照合が成立した際の車両の位置と通信周波数を記憶することによって、一度照合が成立した場所と同じ場所で再度照合を行なう際に、妨害電波等の通信を阻害する要素の影響を受け難い通信周波数を携帯機200に指定する通信周波数として選択することができる。
【0126】
つまり、照合を行なう場所が、以前照合が成立した場所である(電波環境に変化がないと推測されている)場合は、その照合が成立したときにメモリー112に記憶された通信周波数を携帯機200に指定する通信周波数に固定することによって、妨害電波等の通信を阻害する要素の影響を受け難い通信周波数(照合が成立したときの通信周波数)を選択しつつ、照合のたびに通信周波数を切り替えることを抑制できるので応答性の低下を抑えることがきる。
【0127】
<変形例1>
また、車両と携帯機200がおかれている電波環境は時間帯(例えば、夜間、昼間など)によって変化することがある。そこで、第3の実施の形態における変形例1として、照合するときの時間帯に基づいて照合が成立したときから車両や携帯機200がおかれている電波環境に変化があるか否かを推測するようにしてもよい。図13は、本発明の第3の実施の形態の変形例の処理動作を示すフローチャートである。図14は、本発明の第3の実施の形態の変形例の記憶処理を示すフローチャートである。また、本実施の形態の車両側ユニット100は、時刻を検出する時刻検知装置を備える。
【0128】
まず、図14に示す、変形例1における通信周波数の記憶処理について説明する。
【0129】
第3の実施の形態(図12)と同様に、ステップS230で照合OKとなった場合は、ステップS231で照合OKとなったときに携帯機200が送信したレスポンス信号の通信周波数、つまり、携帯機200に指定していた通信周波数(周波数情報)をメモリー112に記憶する(記憶手段)。
【0130】
このように通信周波数を記憶するのは、照合が成立した際の車両や携帯機200がおかれている電波環境が変化していない間は、照合を行なう際の通信周波数として用いるためである。
【0131】
そして、ステップS2321では、ECU110(CPU111)は、時刻検知装置にて現在の時刻を検出し、その時刻を含む時間帯と上述の通信周波数とを関連付けてメモリー112に記憶する(時間帯記憶手段)。つまり、ECU110(CPU111)は、照合が成立した場合に、その照合が成立した時間帯を上述の通信周波数と関連付けてメモリー112に記憶する(時間帯記憶手段)。
【0132】
一般的に車両や携帯機200がおかれている電波環境は時間帯(例えば、昼間、夜間など)によって変化することがある。例えば、ネオン管は、夜間のみ点灯されることが多く、電波環境に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、ネオン管が近くにある場所では、同じ場所であっても、昼間と夜間とで電波環境が変化する可能性がある。よって、一度照合が成立した時間帯は、次回以降に照合する場合でも電波環境の変化が少なく、照合が成立する可能性が高い。したがって、本実施の形態においては、照合する時間帯が、以前照合が成立した時間帯であるか否かによって電波環境の変化を推測する(推測手段)。
【0133】
次に、図13に示す、変形例1における車載機器制御システムの処理動作に関して説明する。なお、図13においては、第3の実施の形態(図11)と異なる点のみ示している。つまり、図11におけるステップS211において、メモリー112に携帯機20に指定する通信周波数(周波数情報)が記憶ありと判定した場合はステップS2151へ進む。つまり、上述の記憶処理において照合OKとなった時の通信周波数がメモリー112に記憶されているか否かを判定する。換言すると、妨害電波等の通信を阻害する要素の影響を受け難い通信周波数がメモリー112に記憶されているか否かを判定する。
【0134】
そして、ステップS2151では、図11におけるステップS215のかわりに、ECU110(CPU111)は、時刻検出装置にて現在の時刻を検出して、その時刻を含む時間帯がメモリー112に記憶されていた通信周波数に関連付けられた時間帯と同一であるか否かによって時間帯判定を行なう。
【0135】
ステップS2161では、図11におけるステップS216のかわりに、ECU110(CPU111)は、ステップS215での判定において、現在の時間帯とメモリー112に記憶された時間帯とが同一であると判定した場合は図11におけるステップS217に進み、同一であると判定してない場合は図11におけるステップS212へ進む。
【0136】
このように、本実施の形態においては、照合を行なう時間帯が、以前照合が成立した時間帯であるか否かによって電波環境の変化を推測する(推測手段)。そして、照合が成立した際の時間帯と通信周波数を記憶することによって、一度照合が成立した時間帯と同じ時間帯で再度照合を行なう際に、妨害電波等の通信を阻害する要素の影響を受け難い通信周波数を携帯機200に指定する通信周波数として選択することができる。
【0137】
つまり、照合を行なう時間帯が、以前照合が成立した時間帯である(電波環境に変化がないと推測されている)場合は、その照合が成立したときにメモリー112に記憶された通信周波数を携帯機200に指定する通信周波数に固定することによって、妨害電波等の通信を阻害する要素の影響を受け難い通信周波数(照合が成立したときの通信周波数)を選択しつつ、照合のたびに通信周波数を切り替えることを抑制できるので応答性の低下を抑えることがきる。
【0138】
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態について説明する。図15は、本発明の第4の実施の形態における車載機器制御システムの処理動作を示すフローチャートである。図16は、本発明の第4の実施の形態における車載機器制御システムの操作履歴の記憶処理とその消去処理を示すフローチャートである。
【0139】
なお、構成など上述した第2、第3の実施の形態と同様である箇所は説明を省略する。本実施の形態と上述の第2、第3の実施の形態との相違点は、携帯機200に指定する通信周波数の固定を解除する点である。また、本実施の形態の車両側ユニット100は、タイマーを備える。
【0140】
まず、本実施の形態の車載機器制御システムにおける、操作履歴の記憶処理とその消去処理に関して図16を用いて説明する。
【0141】
ステップS330では、ECU110(CPU111)は、スマート操作があるか否かを判定する。つまり、ECU110(CPU111)は、本実施の形態においては、ドアロックセンサ140からの信号に基づいて、ドアロックセンサ140が操作されたか否かを判定する。そして、ドアロックセンサ140が操作されてスマート操作ありと判定した場合はステップS331へ進み、ドアロックセンサ140が操作されずにスマート操作なしと判定した場合はステップS330での判定を繰り返す。
【0142】
ステップS331では、ECU110(CPU111)は、メモリー112に操作履歴が記憶されているか否かを判定する。そして、操作履歴ありと判定した場合はステップS334へ進み、操作履歴なしと判定した場合はステップS332へ進む。
【0143】
ステップS332では、ECU110(CPU111)は、タイマーをクリアする。そして、ステップS333において、ECU110(CPU111)は、操作履歴をメモリー112に記憶する。
【0144】
一方、ステップS334では、つまり、ステップS331において操作履歴ありと判定した場合、ECU110(CPU111)は、スマート操作から一定時間経過したか否かを判定する。そして、一定時間経過したと判定した場合はステップS335へ進み、一定時間経過してないと判定した場合はステップS337へ進む。
【0145】
ステップS335では、ECU110(CPU111)は、タイマーをクリアする。そして、ステップS336では、ECU110(CPU111)は、メモリー112に記憶された操作履歴を消去する。
【0146】
一方、ステップS337では、ECU110(CPU111)は、ユーザーによる同一操作(同一スマート操作)があるか否かを判定する。そして、同一操作があると判定した場合はステップS338へ進み、同一操作がないと判定した場合はステップS340へ進む。
【0147】
ステップS338では、ECU110(CPU111)は、同一操作をメモリー112に記憶する。そして、ステップS339では、ECU110(CPU111)は、メモリー112に記憶された操作履歴を消去する。
【0148】
ステップS340では、ECU110(CPU111)は、タイマーをクリアする。そして、ステップS341において、ECU110(CPU111)は、メモリー112に記憶された操作履歴を消去する。
【0149】
次に、図15に示す、本実施の形態における車載機器制御システムの処理動作に関して説明する。
【0150】
ステップS310では、ECU110(CPU111)は、図2のステップS10と同様にセンサ検知があるか否かを判定し、検知ありと判定した場合はステップS311に進み、検知なしと判定した場合はステップS310での判定を繰り返す。
【0151】
ステップS311では、ECU110(CPU111)は、メモリー112に携帯機20に指定する通信周波数(周波数情報)が記憶されているか否かを判定する。つまり、照合OKとなった時の通信周波数がメモリー112に記憶されているか否かを判定する。換言すると、妨害電波等の通信を阻害する要素の影響を受け難い通信周波数がメモリー112に記憶されているか否かを判定する。そして、記憶なしと判定した場合はステップS312へ進み、記憶ありと判定した場合はステップS315へ進む。
【0152】
ステップS312では、ECU110(CPU111)は、図2のステップS11と同様に、車室外に携帯機200があるか否かを判定するために、周波数変動で車室外照合を行なう(照合手段)。
【0153】
ステップS313では、ECU110(CPU111)は、ステップS311と同様にメモリー112に携帯機20に指定する通信周波数(周波数情報)が記憶されているか否かを判定する。そして、記憶なしと判定した場合はステップS314へ進み、記憶ありと判定した場合はステップS315へ進む。
【0154】
ステップS314では、ECU110(CPU111)は、図2のステップS15と同様に、車室内に携帯機200があるか否かを判定するために、周波数変動で車室内照合を行なう(照合手段)。
【0155】
一方、ステップS315では、ECU110(CPU111)は、図16のフローチャートでの処理に基づいて、同一操作があるか否かを判定する。そして、同一操作があると判定した場合はステップS316へ進み、同一操作がないと判定した場合はステップS317へ進む。ステップS316では、ECU110(CPU111)は、メモリー112に記憶された同一操作を消去する。
【0156】
また、ステップS317では、ECU110(CPU111)は、車室外に携帯機200があるか否かを判定するために、周波数固定で車室外照合を行なう(照合手段)。これは、上述の第2、第3の実施の形態における記憶処理でメモリー112に記憶された通信周波数(周波数情報)を携帯機200に指定して車室外照合を行なうものである(周波数設定手段)。つまり、この携帯機200に指定する通信周波数は、妨害電波等の通信を阻害する要素の影響を受け難い通信周波数である。
【0157】
したがって、ECU110(CPU111)は、メモリー112に記憶された携帯機200に指定する通信周波数を示す周波数情報を含むリクエスト信号を携帯機200へ送信する。一方、携帯機200は、リクエスト信号に応答してレスポンス信号を送信する場合は、車両側ユニット100に指定された通信周波数でレスポンス信号を送信する。
【0158】
ステップS318では、ECU110(CPU111)は、車室内に携帯機200があるか否かを判定するために、周波数固定で車室内照合を行なう(照合手段)。これは、上述の第2、第3の実施の形態における記憶処理でメモリー112に記憶された通信周波数(周波数情報)を携帯機200に指定して車室内照合を行なうものである(周波数設定手段)。つまり、この携帯機200に指定する通信周波数は、妨害電波等の通信を阻害する要素の影響を受け難い通信周波数である。
【0159】
したがって、ECU110(CPU111)は、メモリー112に記憶された携帯機200に指定する通信周波数を示す周波数情報を含むリクエスト信号を携帯機200へ送信する。一方、携帯機200は、リクエスト信号に応答してレスポンス信号を送信する場合は、車両側ユニット100に指定された通信周波数でレスポンス信号を送信する。
【0160】
なお、ステップS319〜S322は、ステップS17、S18、S20、S21と同様であるため説明を省略する。
【0161】
通常、一定時間内にユーザーによる同一の操作が行なわれた場合は、照合が成立しておらず、被制御対象である車載機器が正常に作動していないと考えることができる。よって、上述のようにすることによって、妨害電波等の通信を阻害する要素の影響を受け難い通信周波数(照合が成立したときの通信周波数)を選択しつつ、照合のたびに通信周波数を切り替えることを抑制できるので応答性の低下を抑えることがきると共に、被制御対象である車載機器が正常に作動していない可能性がある場合、指定する通信周波数の固定を解除することができる。
【0162】
また、ステップS337での判定では、ただ単に同一の操作を判定するのではなく、連続した同一の操作であるか否かを判定するようにしてもよい。つまり、ユーザーによる連続していない同一の操作の場合は、指定する通信周波数の固定を解除しないようにする。
【0163】
<変形例1>
また、第4の実施の形態における変形例1として、ユーザーによる一定回数同一の操作が行なわれた場合に指定する通信周波数の固定を解除してもよい。図17は、本発明の第4の実施の形態の変形例1における操作履歴の記憶処理とその消去処理を示すフローチャートである。
【0164】
また、変形例1と第4の実施の形態との相違点は、ユーザーによる一定回数同一の操作が行なわれた場合に指定する通信周波数の固定を解除してもよい。つまり、車載機器制御システムにおける周波数の消去処理以外の基本的な処理動作は、上述の第4の実施の形態(図15)と同様である。
【0165】
変形例1の車載機器制御システムにおける、操作履歴の記憶処理とその消去処理に関して図17を用いて説明する。
【0166】
ステップS360では、図16のステップS330と同様に、ECU110(CPU111)は、スマート操作があるか否かを判定する。ドアロックセンサ140が操作されてスマート操作ありと判定した場合はステップS361へ進み、ドアロックセンサ140が操作されずにスマート操作なしと判定した場合はステップS360での判定を繰り返す。
【0167】
ステップS361では、図16のステップS331と同様に、ECU110(CPU111)は、メモリー112に操作履歴が記憶されているか否かを判定する。そして、操作履歴ありと判定した場合はステップS364へ進み、操作履歴なしと判定した場合はステップS362へ進む。
【0168】
ステップS362では、ECU110(CPU111)は、メモリー112に記憶されている操作回数をクリアする。また、ステップS363では、図16のステップS333と同様に、ECU110(CPU111)は、操作履歴をメモリー112に記憶する。
【0169】
一方、ステップS364では、つまり、ステップS361において操作履歴ありと判定した場合、図16のステップS337と同様に、ECU110(CPU111)は、ユーザーによる同一操作(同一スマート操作)があるか否かを判定する。そして、同一操作があると判定した場合はステップS365へ進み、同一操作がないと判定した場合はステップS369へ進む。
【0170】
また、ステップS365では、ECU110(CPU111)は、ユーザーによる操作が一定回数されたか否かを判定する。そして、一定回数されたと判定した場合はステップS366へ進み、一定回数されてないと判定した場合はステップS367へ進む。ステップS366では、ECU110(CPU111)は、メモリー112に記憶している操作回数を更新する。
【0171】
また、ステップS367では、ECU110(CPU111)は、同一操作をメモリー112に記憶する。そして、ステップS368では、ECU110(CPU111)は、メモリー112に記憶された操作履歴を消去する。
【0172】
また、ステップS364にて同一操作でないと判定された場合、ステップS369では、ECU110(CPU111)は、メモリー112に記憶している操作回数をクリアする。そして、ステップS370では、ECU110(CPU111)は、メモリー112に記憶された操作履歴を消去する。
【0173】
このようにして、ユーザーによる同一の操作が一定回数行なわれたか否かを判定する。
【0174】
通常、ユーザーによる一定回数同一の操作が行なわれた場合は、照合が成立しておらず、被制御対象である車載機器が正常に作動していないと考えることができる。よって、上述のようにすることによって、妨害電波等の通信を阻害する要素の影響を受け難い通信周波数(照合が成立したときの通信周波数)を選択しつつ、照合のたびに通信周波数を切り替えることを抑制できるので応答性の低下を抑えることがきると共に、被制御対象である車載機器が正常に作動していない可能性がある場合、指定する通信周波数の固定を解除することができる。
【0175】
また、ステップS364での判定では、ただ単に同一の操作を判定するのではなく、連続した同一の操作であるか否かを判定するようにしてもよい。つまり、ユーザーによる連続していない同一の操作の場合は、指定する通信周波数の固定を解除しないようにする。
【0176】
<変形例2>
また、第4の実施の形態における変形例2として、同一の操作が一定時間内に一定回数行なわれた場合に指定する通信周波数の固定を解除してもよい。図18は、本発明の第4の実施の形態の変形例2における操作履歴の記憶処理とその消去処理を示すフローチャートである。
【0177】
また、変形例2と第4の実施の形態との相違点は、ユーザーによる同一の操作が一定時間内に一定回数行なわれた場合に指定する通信周波数の固定を解除する点である。つまり、車載機器制御システムにおける周波数の消去処理以外の基本的な処理動作は、上述の第4の実施の形態(図15)と同様である。
【0178】
変形例2の車載機器制御システムにおける、操作履歴の記憶処理とその消去処理に関して図18を用いて説明する。
【0179】
ステップS380では、図16のステップS330と同様に、ECU110(CPU111)は、スマート操作があるか否かを判定する。ドアロックセンサ140が操作されてスマート操作ありと判定した場合はステップS381へ進み、ドアロックセンサ140が操作されずにスマート操作なしと判定した場合はステップS340での判定を繰り返す。
【0180】
ステップS381では、図16のステップS331と同様に、ECU110(CPU111)は、メモリー112に操作履歴が記憶されているか否かを判定する。そして、操作履歴ありと判定した場合はステップS385へ進み、操作履歴なしと判定した場合はステップS382へ進む。
【0181】
ステップS382では、図16のステップS332と同様に、ECU110(CPU111)は、タイマーをクリアする。そして、ステップS383において、ECU110(CPU111)は、メモリー112に記憶されている操作回数をクリアする。また、ステップS384では、図16のステップS333と同様に、ECU110(CPU111)は、操作履歴をメモリー112に記憶する。
【0182】
一方、ステップS385では、つまり、ステップS381において操作履歴ありと判定した場合、図16のステップS334と同様に、ECU110(CPU111)は、スマート操作から一定時間経過したか否かを判定する。そして、一定時間経過したと判定した場合はステップS386へ進み、一定時間経過してないと判定した場合はステップS389へ進む。
【0183】
ステップS386では、図16のステップS335と同様に、ECU110(CPU111)は、タイマーをクリアする。そして、ステップS387では、ECU110(CPU111)は、メモリー112に記憶されている操作回数をクリアする。さらに、ステップS388では、図16のステップS336と同様に、ECU110(CPU111)は、メモリー112に記憶された操作履歴を消去する。
【0184】
一方、ステップS389では、図17のステップS364と同様に、ECU110(CPU111)は、ユーザーによる同一操作(同一スマート操作)があるか否かを判定する。そして、同一操作があると判定した場合はステップS390へ進み、同一操作がないと判定した場合はステップS394へ進む。
【0185】
また、ステップS390では、ECU110(CPU111)は、ユーザーによる操作が一定回数されたか否かを判定する。そして、一定回数されたと判定した場合はステップS392へ進み、一定回数されてないと判定した場合はステップS391へ進む。ステップS391では、ECU110(CPU111)は、メモリー112に記憶している操作回数を更新する。
【0186】
また、ステップS392では、ECU110(CPU111)は、同一操作をメモリー112に記憶する。そして、ステップS393では、ECU110(CPU111)は、メモリー112に記憶された操作履歴を消去する。
【0187】
また、ステップS394では、ECU110(CPU111)は、メモリー112に記憶している操作回数をクリアする。そして、ステップS395において、ECU110(CPU111)は、メモリー112に記憶されている操作回数をクリアする。ステップS396では、ECU110(CPU111)は、メモリー112に記憶された操作履歴を消去する。
【0188】
このようにして、ユーザーによる同一の操作が一定時間内に一定回数行なわれたか否かを判定する。
【0189】
通常、ユーザーによる同一の操作が一定時間内に一定回数行なわれた場合は、照合が成立しておらず、被制御対象である車載機器が正常に作動していないと考えることができる。よって、上述のようにすることによって、妨害電波等の通信を阻害する要素の影響を受け難い通信周波数(照合が成立したときの通信周波数)を選択しつつ、照合のたびに通信周波数を切り替えることを抑制できるので応答性の低下を抑えることがきると共に、被制御対象である車載機器が正常に作動していない可能性がある場合、指定する通信周波数の固定を解除することができる。
【0190】
また、ステップS389での判定では、ただ単に同一の操作を判定するのではなく、連続した同一の操作であるか否かを判定するようにしてもよい。つまり、ユーザーによる連続していない同一の操作の場合は、指定する通信周波数の固定を解除しないようにする。
【符号の説明】
【0191】
100 車両側ユニット、110 ECU、111 CPU、112 メモリー、120 発信機、130 チューナ、140 ドアロックセンサ、150 ドアロックコントローラ、160 エンジンコントローラ、200 携帯機、210 受信部、220 送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車両側ユニットが送信するリクエスト信号に応答して携帯機がレスポンス信号を返送する相互通信を行なうことによって前記携帯機の照合を実施し、該照合の照合結果に応じて車載機器を制御するものであり、前記照合結果において照合が不成立であった場合には通信周波数を切り替えて相互通信を行い、再度照合を実施する車載機器制御システムにおいて、
前記携帯機は、
前記車両側ユニットとの相互通信を行なうものであり、前記車両側ユニットが送信するリクエスト信号を受信すると共に、前記車両側ユニットから指定された通信周波数でIDコードを含むレスポンス信号を返送する携帯機側通信手段を備え、
前記車両側ユニットは、
前記照合を開始するためのユーザーによる操作を検知する検知手段と、
前記携帯機に指定する通信周波数を設定する周波数設定手段と、
前記携帯機との相互通信を行なうものであり、前記携帯機に前記リクエスト信号を送信し、当該携帯機からのレスポンス信号を受信すると共に、前記周波数設定手段が設定した通信周波数を示す周波数情報を前記携帯機に送信する車両側通信手段と、
前記車両側通信手段にて受信した前記携帯機からのレスポンス信号に含まれるIDコードと予め登録してある登録コードとで照合を行なう照合手段と、
前記照合手段にて照合が成立した際の通信周波数を記憶する記憶手段とを備え、
前記周波数設定手段は、前記照合手段にて照合が不成立であった場合は指定する通信周波数を切り替えるものであり、前記検知手段にて検知された一回のユーザーによる操作に伴って複数回照合を行なう場合、前記照合手段にて複数回照合を行なううちの最初に照合が成立したときに前記記憶手段にて記憶された通信周波数を、複数回照合を行なううちの次回以降の通信周波数に設定することを特徴とする車載機器制御システム。
【請求項2】
前記検知手段にて検知された一回のユーザーによる操作に伴って行なう複数回の照合が終了すると、前記記憶手段の記憶内容をリセットするリセット手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の車載機器制御システム。
【請求項3】
車両に搭載される車両側ユニットが送信するリクエスト信号に応答して携帯機がレスポンス信号を返送する相互通信を行なうことによって前記携帯機の照合を実施し、該照合の照合結果に応じて車載機器を制御するものであり、前記照合結果において照合が不成立であった場合には通信周波数を切り替えて相互通信を行い、再度照合を実施する車載機器制御システムにおいて、
前記携帯機は、
前記車両側ユニットとの相互通信を行なうものであり、前記車両側ユニットが送信するリクエスト信号を受信すると共に、前記車両側ユニットから指定された通信周波数でIDコードを含むレスポンス信号を返送する携帯機側通信手段を備え、
前記車両側ユニットは、
前記照合を開始するためのユーザーによる操作を検知する検知手段と、
前記携帯機に指定する通信周波数を設定する周波数設定手段と、
前記携帯機との相互通信を行なうものであり、前記携帯機に前記リクエスト信号を送信し、当該携帯機からのレスポンス信号を受信すると共に、前記周波数設定手段が設定した通信周波数を示す周波数情報を前記携帯機に送信する車両側通信手段と、
前記車両側通信手段にて受信した前記携帯機からのレスポンス信号に含まれるIDコードと予め登録してある登録コードとで照合を行なう照合手段とを備え、
前記照合手段にて照合が成立した際の通信周波数を記憶する記憶手段と、
前記照合手段による照合が成立したときから前記車両と前記携帯機がおかれている電波環境に変化があるか否かを推測する推測手段と、
前記周波数設定手段は、前記照合手段にて照合が不成立であった場合は指定する通信周波数を切り替えるものであり、前記推測手段にて照合が成立したときから電波環境に変化がないと推測されている場合は、当該照合が成立したときに前記記憶手段にて記憶された通信周波数を指定する通信周波数に固定することを特徴とする車載機器制御システム。
【請求項4】
前記車両側ユニットは、時間を計る計時手段を備え、
前記推測手段は、前記計時手段による計時で、前記照合手段による照合が成立したときから一定時間内である場合は、前記電波環境に変化がないと推測することを特徴とする請求項3に記載の車載機器制御システム。
【請求項5】
前記車両側ユニットは、前記車両のドアの開扉を検知するドア開扉検知手段を備え、
前記推測手段は、前記照合手段による照合が成立したときから前記ドア開扉検知手段にて前記車両のドアの開扉が検知されるまでは、前記電波環境に変化がないと推測することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の車載機器制御システム。
【請求項6】
前記車両側ユニットは、前記車両の電源状態を検知する電源状態検知手段を備え、
前記推測手段は、前記照合手段による照合が成立したときから前記電源状態検知手段にて前記車両のIG又はACCのオンが検知されるまでは、前記電波環境に変化がないと推測することを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか一項に記載の車載機器制御システム。
【請求項7】
前記車両側ユニットは、前記車両のエンジンの始動を検知する始動検知手段を備え、
前記推測手段は、前記照合手段による照合が成立したときから前記始動検知手段にてエンジンが始動するまでは、前記電波環境に変化がないと推測することを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれか一項に記載の車載機器制御システム。
【請求項8】
前記車両側ユニットは、前記車両の車速を検知する車速検知手段を備え、
前記推測手段は、前記照合手段による照合が成立したときから前記車速検知手段にて車速が検知されるまでは、前記電波環境に変化がないと推測することを特徴とする請求項3乃至請求項7のいずれか一項に記載の車載機器制御システム。
【請求項9】
前記車両側ユニットは、前記車両の場所を検知する場所検知手段と、前記照合手段にて照合が成立した場合に該照合が成立した場所を記憶する場所記憶手段を備え、
前記推測手段は、前記照合手段による照合が成立したときの場所が前記場所記憶手段に記憶されている場合は、前記電波環境に変化がないと推測することを特徴とする請求項3乃至請求項8のいずれか一項に記載の車載機器制御システム。
【請求項10】
前記車両側ユニットは、時刻を検出する時刻検知手段と、前記照合手段にて照合が成立した場合に該照合が成立した時間帯を記憶する時間帯記憶手段を備え、
前記推測手段は、前記照合手段による照合が成立したときの時刻が前記時間帯記憶手段に記憶されている場合は、前記電波環境に変化がないと推測することを特徴とする請求項3乃至請求項9のいずれか一項に記載の車載機器制御システム。
【請求項11】
前記周波数設定手段は、前記検知手段にて一定時間内にユーザーによる同一の操作が検知されると、指定する通信周波数の固定を解除することを特徴とする請求項3乃至請求項10のいずれか一項に記載の車載機器制御システム。
【請求項12】
前記周波数設定手段は、前記検知手段にて一定時間内にユーザーによる連続した同一の操作が検知されると、指定する通信周波数の固定を解除することを特徴とする請求項11に記載の車載機器制御システム。
【請求項13】
前記周波数設定手段は、前記検知手段にてユーザーによる同一の操作が一定回数検知されると、指定する通信周波数の固定を解除することを特徴とする請求項3乃至請求項10のいずれか一項に記載の車載機器制御システム。
【請求項14】
前記周波数設定手段は、前記検知手段にてユーザーによる連続した同一の操作が一定回数検知されると、指定する通信周波数の固定を解除することを特徴とする請求項13に記載の車載機器制御システム。
【請求項15】
前記周波数設定手段は、前記検知手段にてユーザーによる同一の操作が一定時間内に一定回数検知されると、指定する通信周波数の固定を解除することを特徴とする請求項3乃至請求項10のいずれか一項に記載の車載機器制御システム。
【請求項16】
前記周波数設定手段は、前記検知手段にてユーザーによる連続した同一の操作が一定時間内に一定回数検知されると、指定する通信周波数の固定を解除することを特徴とする請求項15に記載の車載機器制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−168835(P2010−168835A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−13455(P2009−13455)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】