説明

車高調整装置

【課題】モータの負荷を軽減し、モータの小型化とエネルギ消費の軽減が可能な車高調整装置を提供することである。
【解決手段】上記した目的を解決するために、本発明の課題解決手段は、ジャッキ室Jへ作動流体を給排するポンプPのピストン11を駆動するための送り螺子機構を構成するナット13の雌螺子部13aと螺子軸14の雄螺子部14aのうち、いずれか一方の螺子山数をポンプ室L内の圧力によって作用するせん断力に対抗するうえで必要となる強度を満足する最小数に設定したので、ピストン駆動時の摩擦抵抗を低減でき、モータの負荷を軽減し、モータの小型化とエネルギ消費の軽減が可能となった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車高調整装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
この種車高調整装置としては、たとえば、車両の車軸と車体との間に介装される油圧緩衝器の外周に装着されて懸架バネの一端を支持するバネ受と、同じく油圧緩衝器の外周に形成されてバネ受に対向するジャッキ室と、油圧緩衝器の側方に設置されてジャッキ室へ油圧を給排するポンプとを備えて構成されたものがある。
【0003】
ポンプは、具体的には、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンで区画されるとともにジャッキ室へ連通される油室と、シリンダに対し回転不能且つ軸方向移動自在に挿入されてピストンの反ポンプ室側に当接する筒状のナットと、シリンダ内に回転自在に挿入されてナットに螺合するとともにモータによって回転駆動される螺子軸とを備えて構成されている。
【0004】
このポンプにあっては、油室には作動油が充満されており、モータのトルクによって螺子軸を回転駆動すると、ナットがシリンダに対して軸方向に進退し、ナットに当接するピストンをシリンダに対して軸方向に移動させることができる。このようにピストンをシリンダに対して移動させるとポンプ室容積が増減するので、上記の如くの作動によって、ポンプは、ポンプ室に連通されるジャッキ室へ作動油を給排することができる。
【0005】
そして、ポンプ内のポンプ室から作動油が押し出されジャッキ室へ作動油が供給されるとジャッキ室は拡大してバネ受を油圧緩衝器に対して下方へ押し下げ、車高を上昇せしめることができ、反対に、ポンプのポンプ室の容積が拡大されると、懸架バネのバネ力によってバネ受を介してジャッキ室が圧縮されて作動油がポンプ室へと排出されるとともにバネ受が油圧緩衝器に対して上昇し、車高を下降させることができる(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−88528号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の車高調整装置は、ピストンの駆動に際して螺子軸とナットとでなる送り螺子機構を採用しており、また、ポンプ室にはジャッキ室を介して懸架バネの圧縮に対する反力によって殆ど常時圧縮力が作用し、この圧縮力がピストンをポンプ室を拡大する方向へ附勢するので、螺子軸とナットとの螺子山に軸方向の大きなせん断力が作用している。
【0007】
その結果、上記の如くピストンを駆動するべくモータで螺子軸を回転駆動する際には、螺子軸とナットとの螺合部分で螺子軸の回転に対して大きな摩擦抵抗が生じるため、モータの負荷とエネルギ消費が大きく、また、摩擦抵抗に打ち勝つ大きなトルクを出力できる大型のモータを採用する必要が生じるといった不都合がある。
【0008】
そこで、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、モータの負荷を軽減し、モータの小型化とエネルギ消費の軽減が可能な車高調整装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を解決するために、本発明の課題解決手段は、車両の車軸と車体との間に介装される懸架バネの一端を支持するバネ受と、バネ受に対向するジャッキ室と、ジャッキ室へ作動流体を給排するポンプとを備え、ジャッキ室への作動流体の給排によりバネ受を懸架バネの伸縮方向に一致する方向に駆動して車高調整を行う車高調整装置において、ポンプは、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンで区画されるとともにジャッキ室へ連通されるポンプ室と、ピストンをシリンダに対して軸方向に駆動する駆動手段とを備え、駆動手段は、ピストンの反ポンプ室側に配置されてピストンを反ポンプ室側から支持し内周に雌螺子部を備えるとともにシリンダに対して回り止めされる筒状のナットと、シリンダに対して回転自在に設けられて先端にナットの雌螺子部に螺合される雄螺子部を備えた螺子軸とでなる送り螺子機構を備え、雄螺子部或いは雌螺子部のいずれか一方の螺子山数は、ポンプ室内圧力によって作用するせん断力に対抗するうえで必要となる強度を満足する最小数に設定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の車高調整装置によれば、螺子軸の雄螺子部或いはナットの雌螺子部の螺子山数が必要最小限に設定されるため、摩擦抵抗を最小限に留めることができ、モータの負荷を軽減でき、モータでピストンを駆動する際のエネルギ消費を低減することができ、さらには、モータが出力することを要求されるトルクを低減できるので、モータを小型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1は、本発明の一実施の形態における車高調整装置の縦断面図である。図2は、ポンプ室容積が最小となった状態における本発明の一実施の形態における車高調整装置のポンプの縦断面図である。
【0012】
車高調整装置1は、自動二輪車の後輪軸を軸支するスイングアームと車体との間への適用に向くようになっており、図1に示すように、図示しないスイングアームと車体との間に介装される懸架バネSの一端を支持するバネ受2と、バネ受2に対向するジャッキ室Jと、ジャッキ室Jへ作動流体を給排するポンプPとを備えて構成されており、ジャッキ室Jへの作動流体の給排によりバネ受2を懸架バネSの伸縮方向に一致する方向に駆動して車高調整を行うようになっている。
【0013】
そして、この場合、バネ受2およびジャッキ室Jは、スイングアームと車体との間へ介装された油圧緩衝器Dの外周に設けられている。油圧緩衝器Dは、アウターシェル3と、アウターシェル3内に挿通されるロッド4とを備え、アウターシェル3内にロッド4が出入りする際に、所定の減衰力を発生するようになっている。
【0014】
そして、ジャッキ室Jは、アウターシェル3の外周に装着した筒状のハウジング5と、上記アウターシェル3の外周に摺動自在に装着される環状のバネ受2で画成されている。
【0015】
詳しくは、ハウジング5は、アウターシェル3の外周に対して所定の間隔を空けて対向する筒体5aと、筒体5aの上端から内周側に突出してアウターシェル3の外周に固定されるフランジ5bとを備えて構成されている。また、バネ受2は、アウターシェル3の外周に摺動自在に装着される筒部2aと、筒部2aの下端に設けられて懸架バネSの上端を支承する環状の受部2bとを備え、アウターシェル3に対して図1中上下動可能とされている。
【0016】
そして、バネ受2の筒部2aをハウジング5の筒体5aとアウターシェル3との間の環状隙間内に摺動自在に挿入することで、バネ受2とハウジング5との間にバネ受2に対向するジャッキ室Jが形成されるようになっており、ジャッキ室Jは、バネ受2に内部の圧力を作用させている。
【0017】
なお、懸架バネSは、上記したバネ受2と、ロッド4の下端に取付けたバネ受6とによって挟持され、緩衝器本体Dに一体とされて取付けられており、バネ受2を上方へ附勢し、ジャッキ室Jには懸架バネSの附勢力がこれを圧縮するように作用している。
【0018】
したがって、ジャッキ室Jに作動流体を供給すると、ジャッキ室Jの容積が増大するのでバネ受2が図1中下方へ移動して車高を高くすることができ、反対に、ジャッキ室Jから作動流体を排出すると、ジャッキ室Jを圧縮する懸架バネSの附勢力によってバネ受2を図1中上方へ移動させジャッキ室Jの容積が減少し、車高が低くなるようになっている。
【0019】
他方、ポンプPは、有頂筒状のシリンダ10と、シリンダ10内に摺動自在に挿入されるピストン11で区画されるとともにジャッキ室Jへ管路12を介して連通されるポンプ室Lと、ピストン11をシリンダ10に対して軸方向に駆動する駆動手段とを備えて構成されている。
【0020】
駆動手段は、ピストン11の反ポンプ室側に設けられてピストン11を反ポンプ室側から支持し内周に雌螺子部13aを備えるとともにシリンダ10に対して回り止めされる筒状のナット13と、シリンダ10に対して回転自在に設けられて先端にナット13の雌螺子部13aに螺合される雄螺子部14aを備えた螺子軸14とでなる送り螺子機構と、螺子軸14を回転駆動させてナット13を軸方向移動せしめてピストン11を軸方向に駆動するモータMとを備えて構成されている。
【0021】
以下、ポンプPについて詳細に説明すると、シリンダ10は、有頂筒状のシリンダ本体10aと、シリンダ本体10aの開口端から外方へ広がる鍔10bと、鍔10bの一端から伸びる腕10dとを備え、シリンダ本体10aは、開口端側が拡径されて拡径部10cを備えており、拡径部10cの内周には全長に亘って雌螺子が形成されている。
【0022】
ピストン11は、シリンダ本体10a内に摺動自在に挿入されて、シリンダ10内であってピストン11より図1中上方側にポンプ室Lを画成しており、ポンプ室Lは、シリンダ本体10aの頂部に接続される管路12を介してジャッキ室Jへ連通されている。また、ピストン11の外周には、シールリング15が装着されており、このシールリング15は、シリンダ本体10aの内周に摺接して、ポンプ室Lからの作動流体の漏洩を防止している。
【0023】
そして、ピストン11の反ポンプ室側には、筒状のナット13が一体化されており、このナット13は、内周に全長に亘って雌螺子部13aを備えている。また、ナット13の外周の二箇所が二面幅状に面取りされて、全長に亘って互いに平行となる面が形成されている。なお、ナット13はピストン11に一体とされているが、ピストン11はポンプ室Lから常に圧力を受けて図1中下方側へ押付けられているため、ナット13をピストン11から切り離して独立させるようにしてもよい。
【0024】
このナット13は、同じくシリンダ10内に挿入されて拡径部10cの内周に螺合される筒状のガイド部材16に挿入されている。ガイド部材16は、拡径部10cの内周に螺合する大径筒16aと、大径筒16aの上方から立ち上がる筒状の中間筒16cと、中間筒16cの上方に連なる筒状のガイド部16bとを備えて構成され、ガイド部材16の大径筒16aの内側形状は、円形以外の形状とされ、大径筒16aの内側形状に符合する工具を用いて、ガイド部材16をシリンダ10の拡径部10cに容易に螺合することができるよう配慮されている。
【0025】
そして、ガイド部16bにおける内側形状は、二面幅を備えたナット13の外側形状に一致する形状とされており、ナット13がガイド部16によってシリンダ10に対して回り止めされて、ナット13はシリンダ10に対して軸方向となる図1中上下方向への移動のみが許容されている。なお、ナット13はガイド部材16によって回り止めされればよいので、ナット13の外周にキー或いはキー溝の一方を設けてガイド部材16にキー或いはキー溝の他方を設けるようにしてもよく、ガイド部16bをナット13の全周に摺接させなくともよいが、ガイド部16bをナット13の全周に摺接させることでナット13が径方向に位置決めされて、ナット13が軸ぶれしたりガタついたりすることなく、スムーズにナット13をシリンダ10に対して軸方向へ移動させることができる。なお、ガイド部16bをナット13の全周に摺接させることで回り止めする場合には、ナット13の外側形状は円形以外の形状に設定されればよく、ガイド部16bの内側形状もナット13の外側形状に一致する形状に設定されればよい。また、ナット13の外側形状に一致するガイド部16b以外の内径は、すなわち、中間筒16cおよび大径筒16aにおける内径は、ナット13の外周に接触しないようにナット13の外径より大径に設定され、ピストン11の駆動時にナット13に作用するトルクによって、ナット13がガイド部材16に対して軸方向へ移動する際に、無用に摩擦抵抗が生じることを防止している。
【0026】
また、螺子軸14は、基部14bと、基部14bから立ち上がる軸部14cと、軸部14cの先端に形成した雄螺子部14aと、基部14bの外周から広がるフランジ14dと、基部14bの下端から垂下されて内側形状が円形以外の形状に設定され外側形状が円形に設定される筒状のソケット14eとを備えて構成されており、雄螺子部14aをナット13の雌螺子部13aに螺合させて軸部14cをナット13内に挿入していくと、フランジ14dがガイド部材16の大径筒16aとガイド部16bとの境に形成される段部16dに当接して、螺子軸14のそれ以上のナット13への侵入が規制され、螺子軸14が軸方向に位置決めされている。
【0027】
上述のように、シリンダ10に、ピストン11、ナット13、ガイド部材16および螺子軸14を組付けた後、螺子軸14のフランジ14dにスラスト軸受17を積層し、環状の蓋18をシリンダ10の拡径部10cの内周に螺合すると、螺子軸14がスラスト軸受17を介して蓋18とシリンダ10とで挟持されて、シリンダ10に回転自在に固定される。また、蓋18の内周には、筒状のブッシュ19が装着されており、このブッシュ19は螺子軸14の基部14bおよびソケット14eの外周に摺接して、螺子軸14が径方向に軸ぶれすることなくシリンダ10に回転自在に固定されるようになっている。なお、蓋18をシリンダ10の拡径部10cの内周に螺合すると、蓋18の図1中上端の外周に設けた段部18aが同じく拡径部10cに螺合されるガイド部材16の下端に当接して、ダブルナットの要領でガイド部材16と蓋18の弛みが防止され、ガイド部材16がナット13とともに供回りしてしまうことがない。
【0028】
さらに、螺子軸14のソケット14e内には、ウォームホイール20のシャフト20aの一端が挿入され、シャフト20aの一端の外側形状は、円形以外の形状であってソケット14eの内側形状に一致させており、ウォームホイール20と螺子軸14とは一体にシリンダ10に対して回転するようになっている。
【0029】
シャフト20aの他端は、シリンダ10の鍔10bに固定される歯車抑え21に設けた孔21a内に挿入されており、ウォームホイール20は、歯車抑え21によってシリンダ10へ回転自在に固定されている。さらに、このウォームホイール20には、ウォーム22が歯合しており、ウォーム22はシリンダ10の腕10dに固定されるモータMに連結され、モータMによってウォーム22を回転駆動することができるようになっている。なお、モータMの回転を減速して螺子軸14へ伝達する必要が無い場合には、ウォームギアを省略してもよく、また、減速機構としてはウォームギア以外の歯車機構を採用することもできる。
【0030】
そして、モータMを駆動すると、ウォーム22とウォームホイール20でなるウォームギアによって、モータMの回転が減速されて螺子軸14に伝達され、螺子軸14が回転すると、雌螺子部13aと雄螺子部14aでなる送り螺子機構によって、シリンダ10に対して回り止めされたナット13がピストン11を伴って図1中上下方向となる軸方向に移動する。
【0031】
このように、モータMを駆動することで、ピストン11をシリンダ10に対して軸方向に移動させることができ、ポンプ室L内の容積を増減することができるようになっている。
【0032】
ここで、ピストン11を図1中上方へ移動せしめると、ポンプ室Lの容積が減じられ、ポンプ室L内の減少容積に見合った量の作動流体をポンプPから排出してジャッキ室Jへ供給して車高を上昇させることができ、反対に、ピストン11を図1中下方へ移動せしめると、ポンプ室Lの容積が増大して、懸架バネSによって圧縮方向に附勢されているジャッキ室Jの容積がポンプ室Lの増大容積に見合って減少して、ジャッキ室Jから量の作動流体が排出されてポンプ室Lでこれを吸収して車高を下降させることができる。
【0033】
ところで、この実施の形態の場合、雄螺子部14aの螺子山の数は、ポンプ室L内圧力によって作用するせん断力に対抗するうえで必要となる強度を満足する最小数に設定されている。すなわち、ポンプ室Lは、自動二輪車の車体を支持する懸架バネSによって圧縮されるジャッキ室Jに連通されており、ポンプ室Lの圧力によりピストン11にはポンプ室Lを拡大する方向の力が作用し、この力がせん断力として雌螺子部13aと雄螺子部14aの互いに噛みあっている螺子山に作用することになるが、雄螺子部14aの螺子山数が当該せん断力によっても破断することがない必要最低限の数に設定されているのである。なお、雄螺子部14aおよび雌螺子部13aの条数は、任意に設定することができる。
【0034】
そして、螺子軸14を回転駆動する際に、雄螺子部14aとナット13の雌螺子部13aの噛みあいによって摩擦抵抗が生じ、この摩擦抵抗がモータの負荷を高めて、エネルギ消費を増大せしめることになるが、上述のように、雄螺子部14aの螺子山数が必要最小限に設定されるため、摩擦抵抗を最小限に留めることができ、モータMの負荷を軽減でき、モータMでピストン11を駆動する際のエネルギ消費を低減することができ、さらには、モータMが出力することを要求されるトルクを低減できるので、モータMを小型化することができる。
【0035】
また、この実施の形態の場合、雄螺子部14aの軸方向長さは、図2に示すように、ポンプ室Lの容積が最小となる状態でナット13と螺子軸14とが嵌合する嵌合長に等しくなるようになっている。したがって、ナット13および螺子軸14の全長のうち、ピストン11のストローク長に寄与しない無駄部分がなく、車高調整装置1のコストを低減することができる。
【0036】
なお、ジャッキ室Jおよびバネ受2は、この実施の形態の場合、油圧緩衝器Dのアウターシェル3の外周に設けられているが、油圧緩衝器Dとは別個独立して設置するようにしてよい。
【0037】
さらに、この実施の形態の場合、螺子軸14の雄螺子部14aの螺子山数を必要最小限にしているが、螺子軸14の軸部14cの全長に亘って雄螺子部を形成しナット13の雌螺子部13aの螺子山数を必要最小限に設定するようにしても、上記したところと同様に、モータMの負荷の軽減といった種々の作用効果を得ることができる。
【0038】
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
【0039】
また、上記したところでは、車高調整装置1が特に自動二輪車に適用されることを想定しているが、本発明の車高調整装置1は他の車両に適用することも可能であって、上記した作用効果を発揮できることは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施の形態における車高調整装置の縦断面図である。
【図2】ポンプ室容積が最小となった状態における本発明の一実施の形態における車高調整装置のポンプの縦断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 車高調整装置
2,6 バネ受
2a バネ受における筒部
2b バネ受における受部
3 アウターシェル
4 ロッド
5 ハウジング
5a ハウジングにおける筒体
5b ハウジングにおけるフランジ
10 シリンダ
10a シリンダ本体
10b 鍔
10c 拡径部
10d 腕
11 ピストン
12 管路
13 ナット
13a 雌螺子部
14 螺子軸
14a 雄螺子部
14b 螺子軸における基部
14c 螺子軸における軸部
14d 螺子軸におけるフランジ
14e 螺子軸におけるソケット
15 シールリング
16 ガイド部材
16a ガイド部材における大径筒
16b ガイド部材におけるガイド部
16c ガイド部材における中間筒
16d ガイド部材における段部
17 スラスト軸受
18 蓋
18a 蓋における段部
19 ブッシュ
20 ウォームホイール
20a ウォームホイールにおけるシャフト
21 歯車抑え
21a 歯車抑えにおける孔
22 ウォーム
D 油圧緩衝器
J ジャッキ室
L ポンプ室
M モータ
P ポンプ
S 懸架バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車軸と車体との間に介装される懸架バネの一端を支持するバネ受と、バネ受に対向するジャッキ室と、ジャッキ室へ作動流体を給排するポンプとを備え、ジャッキ室への作動流体の給排によりバネ受を懸架バネの伸縮方向に一致する方向に駆動して車高調整を行う車高調整装置において、ポンプは、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンで区画されるとともにジャッキ室へ連通されるポンプ室と、ピストンをシリンダに対して軸方向に駆動する駆動手段とを備え、駆動手段は、ピストンの反ポンプ室側に配置されてピストンを反ポンプ室側から支持し内周に雌螺子部を備えるとともにシリンダに対して回り止めされる筒状のナットと、シリンダに対して回転自在に設けられて先端にナットの雌螺子部に螺合される雄螺子部を備えた螺子軸とでなる送り螺子機構を備え、雄螺子部或いは雌螺子部のいずれか一方の螺子山数は、ポンプ室内圧力によって作用するせん断力に対抗するうえで必要となる強度を満足する最小数に設定されることを特徴とする車高調整装置。
【請求項2】
雄螺子部或いは雌螺子部のいずれか一方の軸方向長さをポンプ室容積が最小となる状態でナットと螺子軸とが嵌合する嵌合長に等しくしたことを特徴とする請求項1に記載の車高調整装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−149548(P2010−149548A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−326955(P2008−326955)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】