説明

軟骨形成前駆細胞の分化を改良する方法

本発明者らは、軟骨、骨または靭帯修復を促進するかまたは軟骨性組織の修復または再生を誘導する方法を開示し、該方法は、軟骨形成前駆細胞、例えば間葉系幹細胞においてZNF145またはその断片、相同体、変異体もしくは誘導体の発現または活性を増強させるステップを含む。本発明者らはまた、ZNF145またはその断片、相同体、変異体もしくは誘導体の発現または活性を増大させるように改変された軟骨形成前駆細胞、例えば間葉系幹細胞(MSC)を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ZNF145、またはその断片、相同体、変異体もしくは誘導体の発現または活性を増大させるよう改変された、間葉系幹細胞(MSC)などの軟骨形成前駆細胞。
【請求項2】
請求項1に記載の軟骨形成前駆細胞、例えば間葉系幹細胞であって、
改変されていない軟骨形成前駆細胞、例えば間葉系幹細胞と比較して、
(a)2型コラーゲン(COL2A1)、アグリカン、col10A1またはSox9などの軟骨形成マーカーの発現の増強、
(b)例えばアルシアンブルー染色により検出される、軟骨プロテオグリカンの分泌の増強、または
(c)例えばWakitani et al(1994)により記載されるような組織学的類別により検出される、例えば細胞形態の任意の1以上の組織学的類別、マトリックス染色、表面規則性、軟骨の厚さおよびホスト隣接軟骨へのドナーの組込みにより検出される、軟骨、骨または靭帯欠損を修復する能力の増強、
あるいはそれらの任意の組合せを提示する、細胞。
【請求項3】
前記軟骨形成前駆細胞、例えば間葉系幹細胞、またはその祖先が、前記ZNF145またはその断片、相同体、変異体もしくは誘導体の発現または活性を増加させる発現構築物、例えばレンチウイルス発現構築物などでトランスフェクトされている、請求項1または2に記載の軟骨形成前駆細胞、例えば間葉系幹細胞。
【請求項4】
例えば、Liu et al.,2007に記載されるようなペレット培養系により、すなわち軟骨形成前駆細胞、例えば間葉系幹細胞をペレット化し、10ng/mlトランスフォーミング増殖因子(TGF)−β3、10−7Mデキサメタゾン、50μg/mlアスコルビン酸−2−リン酸、40μg/mlプロリン、100μg/mlピルビン酸、および50mg/mlITS+プレミックス(Becton Dickinson;6.25μg/mlインスリン、6.25μg/mlトランスフェリン、6.25μg/ml亜セレン酸、1.25mg/mlBSA、および5.35mg/mlリノール酸)を含有する軟骨形成培地で培養することにより軟骨細胞分化が誘導されている、請求項1、2または3に記載の軟骨形成前駆細胞、例えば間葉系幹細胞。
【請求項5】
Nanog、Oct4、テロメラーゼ、SV40ラージT抗原、HPV E6、HPV E7およびBmi−1のいずれか1以上の発現または活性を増大させるように改変された、請求項1〜4のいずれか一項に記載の軟骨形成前駆細胞、例えば間葉系幹細胞。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の軟骨形成前駆細胞、例えば間葉系幹細胞を含むかまたはそれに由来する細胞株、例えば不死または不死化細胞株。
【請求項7】
疾患の治療、例えば軟骨性組織、軟骨、骨または靭帯欠損に関連する疾患、損傷、障害または傷害、外傷性疾患、加齢性変性疾患または変性関節疾患の修復または再生の方法で使用するための、軟骨形成活性を含むポリペプチドをコードする能力のあるZNF145配列、またはその断片、相同体、変異体もしくは誘導体を含む核酸、例えば発現ベクター。
【請求項8】
疾患の治療、例えば軟骨性組織、軟骨、骨または靭帯欠損に関連する疾患、損傷、障害または傷害、外傷性疾患、加齢性変性疾患または変性関節疾患の修復または再生の方法で使用するための、軟骨形成活性を含む、ZNF145配列、またはその断片、相同体、変異体もしくは誘導体を含むポリペプチド。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の軟骨形成前駆細胞、例えば間葉系幹細胞、請求項6に記載の細胞株、請求項7に記載の核酸または請求項8に記載のポリペプチドを含む、それらの請求項で特定された使用のための医薬組成物。
【請求項10】
軟骨形成前駆細胞、例えば間葉系幹細胞において、ZNF145またはその断片、相同体、変異体もしくは誘導体の該発現または活性を調節するステップと、例えばZNF145またはその断片、相同体、変異体もしくは誘導体の発現または活性を増大させて軟骨形成前駆細胞、例えば間葉系幹細胞の軟骨形成を促進するステップと、またはZNF145またはその断片、相同体、変異体もしくは誘導体の発現または活性をダウンレギュレートして、軟骨形成前駆細胞、例えば間葉系幹細胞の軟骨形成を低下させるステップとを含む、方法。
【請求項11】
軟骨、骨または靭帯修復を促進するか、あるいは軟骨性組織の修復または再生を誘導する方法であって、該方法が、軟骨形成前駆細胞、例えば間葉系幹細胞において、ZNF145またはその断片、相同体、変異体もしくは誘導体の前記発現または活性を増強させるステップを含む、方法。
【請求項12】
軟骨性組織、軟骨、骨または靭帯欠損に関連する疾患、損傷、障害または傷害、外傷性疾患、加齢性変性疾患または変性関節疾患の修復または再生、のいずれか1つの該治療のための、請求項1〜5のいずれか一項に記載の改変された軟骨形成前駆細胞、例えば間葉系幹細胞、請求項6に記載の細胞株、請求項7に記載の核酸、請求項8に記載のポリペプチドまたは請求項9に記載の医薬組成物の使用。
【請求項13】
例えば軟骨性組織、軟骨、骨または靭帯欠損に関連する疾患、損傷、障害または傷害、外傷性疾患、加齢性変性疾患または変性関節疾患を修復または再生する、個体において疾患を治療する方法であって、該個体においてまたは該個体の軟骨形成前駆細胞、例えば間葉系幹細胞において、ZNF145またはその断片、相同体、変異体もしくは誘導体の該発現または活性をアップレギュレートするステップ、あるいは、ZNF145またはその断片、相同体、変異体もしくは誘導体の発現または活性の増加を提示する軟骨形成前駆細胞、例えば間葉系幹細胞を、そのような治療を必要とする個体に投与するステップを含む、方法。
【請求項14】
軟骨形成前駆細胞、例えば間葉系幹細胞の軟骨細胞分化のマーカーとしての、ZNF145またはその断片、相同体、変異体もしくは誘導体の使用。
【請求項15】
Sox9の該発現または活性を調節する方法であって、該方法が、ZNF145またはその断片、相同体、変異体もしくは誘導体の前記発現または活性を調節するステップを含む、方法。
【請求項16】
軟骨形成前駆細胞、例えば間葉系幹細胞の軟骨形成を可能にするかまたは促進する能力のある薬剤を同定する方法であって、該方法が、ZNF145またはその断片、相同体、変異体もしくは誘導体を候補薬剤に接触させるステップと、該候補薬剤がZNF145またはその断片、相同体、変異体もしくは誘導体に結合するかどうかを決定するステップと、任意選択的に、ZNF145またはその断片、相同体、変異体もしくは誘導体の該発現または活性がそれによって調節されるかどうかを決定するステップとを含む、方法。

【公表番号】特表2012−502655(P2012−502655A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−527783(P2011−527783)
【出願日】平成21年9月22日(2009.9.22)
【国際出願番号】PCT/SG2009/000351
【国際公開番号】WO2010/033088
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(510095020)エイジェンシー・フォー・サイエンス,テクノロジー・アンド・リサーチ(エイ・スター) (4)
【Fターム(参考)】