説明

転がり軸受の特性測定用支持装置と転がり軸受の特性測定装置

【課題】外輪3を内輪5に対し傾斜させた状態で転がり軸受1の特性を測定できる構造で、より大きなアキシアル荷重を負荷する事が可能で、上記外輪3の傾きを直接的に測定可能な構造を実現する。
【解決手段】内側ハウジング12に上記外輪3を内嵌固定する。この内側ハウジング12の外周面でこの外輪3の幅方向中央部に突出部28を形成する。そして、この突出部28に外側ハウジング13を外嵌して上記内側ハウジング12をこの外側ハウジング13に対して傾斜可能とする。この外側ハウジング13には、荷重付与機構9によりアキシアル荷重を付与する。この荷重付与機構9を構成する加圧部材34は、荷重負荷ロッド33に対して、1対のアンギュラ型の玉軸受35a、35bにより回転自在に支持されている。これにより、上記課題を解決できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、加温用のヒータや、ボックス内に充填したガスを攪拌する装置に組み込まれる等、各種用途で使用される汎用的な転がり軸受で、外輪が内輪に対して傾斜した場合に、この転がり軸受に組み込まれる保持器の挙動等の特性を測定する為に使用する転がり軸受の特性測定用支持装置、及び、これを組み込んだ転がり軸受の特性測定装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
各種機械装置の設計を行なう場合には、当該機械装置の回転支持部分に組み込む転がり軸受の特性を調べる必要がある。例えば、実際の使用状態では、組み付け誤差等に起因して、転がり軸受を構成する外輪が同じく内輪に対して傾斜する場合がある。更に、外輪が内輪に対し傾斜した状態で、転がり軸受にアキシアル荷重が負荷される場合もある。そして、この様に外輪が内輪に対して傾斜した状態、或は、更にアキシアル荷重が負荷された状態で、これら外輪と内輪とが互いに相対回転した場合、これら外輪と内輪との間に配置された複数の転動体を保持する保持器の挙動が不安定になる。又、上記転がり軸受の寿命が低下する。従って、転がり軸受の特性を調べる際に、上述の様な状態を再現できれば、この状態での保持器の挙動等を把握でき、この保持器の強度が適正であるか否かを確認できる。又、上記状態を再現して、様々なデータを得られれば、この保持器を含め、上記転がり軸受を構成する各部材の改良に役立つ。更には、上記状態でのこの転がり軸受の寿命を調べる事も可能である。
【0003】
例えば、特許文献1〜3には、転がり軸受の性能向上を図る為に、転がり軸受の動トルクを測定する技術が記載されている。これら各特許文献1〜3に記載された発明の場合、転がり軸受を正常な状態で設置して、動トルク等の特性を測定するものである。即ち、測定装置に転がり軸受を複数個組み込んだ状態で、この転がり軸受を構成する内輪と外輪との中心軸同士をほぼ一致させる。そして、この様な状態でこの転がり軸受の動トルク等を測定する。これに対して、特許文献4には、外輪を内輪に対し傾斜させた状態で、転がり軸受の動トルクを測定可能な装置に関する技術が記載されている。従って、この装置を利用する事により、外輪を内輪に対して傾斜した状態を再現して、上述した様な保持器の挙動等を調べる事は可能である。
【0004】
但し、上記特許文献4に記載された構造は、例えば空調機のファンモータに組み込む転がり軸受の様に、比較的小径の転がり軸受を対象としている。この様な小径の玉軸受の場合、実際の使用状態で作用するアキシアル荷重は、それ程大きくならない。言い換えれば、大きなアキシアル荷重が負荷される状況で使用される場合は、殆どない。従って、上記特許文献4に記載された構造の場合には、ばね材等の伸縮力によりアキシアル荷重を負荷する構造としている。この様なばね材等の伸縮力により発生する力の絶対値は限られたものである為、より大きなアキシアル荷重を負荷したい場合には、上記特許文献4に記載された構造では、対応する事が難しい(更なる設計変更が必要となる)。又、この特許文献4に記載された構造の場合、外輪の実際の傾きを、高価なレーザ微小変位計により、間接的に測定している。
【0005】
【特許文献1】特開2000−155073号公報
【特許文献2】特開2000−162092号公報
【特許文献3】特開2001−194270号公報
【特許文献4】特開2005−69884号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の様な事情に鑑み、外輪を内輪に対し傾斜させた状態で転がり軸受の特性を測定できる構造で、より大きなアキシアル荷重を負荷する事が可能で、この外輪の傾きを直接的に測定可能な構造を実現すべく発明したものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の転がり軸受の特性測定用支持装置及び転がり軸受の特性測定装置のうち、請求項1に記載した転がり軸受の特性測定用支持装置は、内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪軌道を有する内輪と、これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、これら各転動体を保持する保持器とを備えた転がり軸受の特性を測定すべく、この転がり軸受を支持するものである。
特に、請求項1に記載した転がり軸受の特性測定用支持装置の場合には、上記外輪を保持すると共に、この外輪に対して回転力を伝達自在なハウジングと、このハウジングと同心に配置され上記内輪を支持固定する支持軸とを備える。このうちのハウジングは、上記外輪を内嵌固定する円環状の内側ハウジングと、この内側ハウジングの外周面に外嵌した円環状の外側ハウジングとから成る。そして、これら内側ハウジングと外側ハウジングとを、上記外輪の幅方向中央部のみで嵌合させ、この内側ハウジングがこの外輪と共に、この外側ハウジングに対し傾斜可能としている。
尚、上記嵌合部を外輪の幅方向中央部に位置させる為の具体的な構造として、例えば、請求項2に記載した様に、内側ハウジングの外周面の一部或は外側ハウジングの内周面の一部を全周に亙り突出させて、この突出した一部と相手面とを嵌合させる。或は、内側ハウジングの外周面及び外側ハウジングの内周面をそれぞれ円筒面とし、これら両周面のうちの何れかの周面に、帯状の円筒部材を嵌合し、この円筒部材を介して、上記両周面を嵌合させる。これにより、上記内側ハウジングと外側ハウジングとの嵌合部を、外輪の幅方向中央部とする。
【0008】
又、請求項3に記載した転がり軸受の特性装置は、傾斜保持機構と、荷重付与機構と、回転伝達機構とを備える。
このうちの傾斜保持機構は、外輪を内輪に対して定量的に傾斜させた状態を保持可能なものである。
又、荷重付与機構は、上記外輪に対してアキシアル荷重を付与するものである。
又、回転伝達機構は、この外輪に回転力を伝達するものである。
そして、この外輪を上記内輪に対して傾斜させると共に、この外輪に対してアキシアル荷重を付与した状態で、この外輪を回転させた場合の、転がり軸受に生じる特性を測定する。
特に、請求項3に記載した転がり軸受の特性測定装置の場合、上記傾斜保持機構が、請求項1又は請求項2に記載した転がり軸受の特性測定用支持装置である。上記外輪を傾斜させる為には、内側ハウジングを外側ハウジングに対して傾斜させる事により、上記外輪を傾斜させる。又、上記荷重付与機構は、上記外側ハウジングに対してアキシアル荷重を付与する事により、この外側ハウジングと上記内側ハウジングとを介して、上記外輪にこのアキシアル荷重を付与するものである。又、上記回転伝達機構は、上記内側ハウジング及び外側ハウジングと共に、上記外輪を回転させるものである。
【0009】
又、請求項3に記載した転がり軸受の特性測定装置により測定する場合に、例えば、請求項4に記載した様に、外輪を内輪に対して傾斜させると共に、この外輪に対してアキシアル荷重を付与した状態で、この外輪を回転させた場合の、この外輪の端面或は内側ハウジングの端面の軸方向に関する振れを測定する。そして、この振れを測定する事により、上記外輪の実際の傾きを測定可能とする。
更に、上述の転がり軸受の特性測定装置の荷重付与機構として、請求項5に記載した荷重付与機構を使用する。この荷重付与機構は、アキシアル荷重を負荷される荷重負荷ロッドと、この荷重負荷ロッドの外径側に配置され、外側ハウジングに当接してこの外側ハウジングに上記アキシアル荷重を付与する加圧部材とを備える。このうちの加圧部材は、上記荷重負荷ロッドに対し、1対のアンギュラ型の玉軸受を介して、回転自在に支持されている。尚、これら両玉軸受として、寸法精度の高い精密玉軸受を使用する事が好ましい。又、上記荷重負荷ロッドに負荷されたアキシアル荷重を、上記両玉軸受及び加圧部材を介して、上記外側ハウジングに付与可能としている。更に、回転伝達機構により外輪を回転させた場合に、上記外側ハウジング及び内側ハウジングと共に、上記加圧部材も回転可能である。
【発明の効果】
【0010】
上述の様に構成する本発明のうち、請求項1に記載した発明の場合、内側ハウジングと外側ハウジングとの嵌合部が、外輪の幅方向中央部のみに位置する為、この内側ハウジングをこの外側ハウジングに対して傾斜させ易くなる。この為、この内側ハウジングをこの外側ハウジングに対して、偏心させる事なく容易に傾斜させる事ができる。この結果、この内側ハウジングに内嵌固定された上記外輪が内輪に対して傾斜した状態を、容易に再現できる。尚、請求項2に記載した様に、内側ハウジングの外周面或は外側ハウジングの内周面の一部を突出させれば、上記嵌合部を外輪の幅方向中央部のみとする構造を容易に得られる。
【0011】
又、請求項3に記載した発明は、上述の請求項1又は請求項2に記載した構造により、外輪を内輪に対し傾斜させた状態で、転がり軸受の特性を測定する事が可能である。又、請求項4に記載した様に、外輪の端面或は内側ハウジングの端面の振れを測定する事により、この外輪の傾きを直接的に測定可能である。例えば、上記外輪の端面或は内側ハウジングの端面に、ダイヤルゲージ等のインジケータを設置して、この端面の振れを測定し、この振れの絶対値と軸受中心から測定位置までの距離とから、上記外輪の実際の傾きを容易に調べる事ができる。更に、請求項5に記載した様に、アキシアル荷重を付与する加圧部材を荷重負荷ロッドに対して1対のアンギュラ型の玉軸受により支持すれば、外輪にアキシアル荷重を付与した状態で、この外輪を回転させる事が可能である。又、上記加圧部材と荷重負荷ロッドとの支持部の剛性を高くできる為、転がり軸受に付与できるアキシアル荷重を大きくする事が可能である。又、上記アンギュラ型の玉軸受を精密玉軸受とした場合には、上記加圧部材が回転により振れたりする事を防止して、この加圧部材が転がり軸受の特性測定に影響を及ぼす事を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1〜3は、本発明の実施の形態の1例を示している。本実施例の被測定物である、転がり軸受1は、内周面に外輪軌道2を有する外輪3と、外周面に内輪軌道4を有する内輪5と、これら外輪軌道2と内輪軌道4との間に転動自在に設けられた複数個の転動体6、6とを備える。本実施例の場合、上記転がり軸受1として、呼び番号6202(内径15mm、外径35mm、幅11mm)の玉軸受を使用した場合に就いて説明する。
【0013】
本例の転がり軸受1の特性測定装置7は、この転がり軸受1の特性を、上記外輪3に所定の傾斜角度を付与した状態で測定する。この特性測定装置7は、傾斜保持機構8と、荷重付与機構9と、図示しない回転伝達機構とを備える。このうちの傾斜保持機構8は、ハウジング10と、支持軸11とを備え、特許請求の範囲に記載した転がり軸受の特性測定用支持装置を構成する。このうちのハウジング10は、上記外輪3を内嵌固定する円環状の内側ハウジング12と、この内側ハウジング12の外周面に外嵌した円環状の外側ハウジング13とから構成される。これら内側ハウジング12と外側ハウジング13とは、円周方向複数個所(図示の例の場合8個所)で、結合ボルト14により結合されている。
【0014】
即ち、図2に示す様に、上記外側ハウジング13の内径寄り部分の円周方向複数個所にねじ孔15、15を形成している。これと共に、上記内側ハウジング12の基端部(図1の右端部)に形成したフランジ部16の、これら各ねじ孔15、15と整合する位置に、軸方向{図1、図2(A)の左右方向、図2(B)の表裏方向}に貫通する通孔17を、それぞれ形成している。そして、図1に示す様に、上記各結合ボルト14をこれら各通孔17に挿通し、上記各ねじ孔15に螺合緊締する事により、上記内側ハウジング12と外側ハウジング13とを結合している。
【0015】
又、上記内側ハウジング12の内周面には上記外輪3を、締り嵌めで内嵌固定している。そして、この外輪3の一端面(図1の左端面)に、円輪状の突き当て板18の内径寄り部分を突き当てた状態で、この突き当て板18の外径寄り部分を上記内側ハウジング12に、複数の固定ボルト19、19により固定している。これにより、上記外輪3をこの内側ハウジング12の内周面に内嵌固定すると共に、この外輪3の軸方向の位置決めを図っている。この様に構成する事により、外輪3を前記ハウジング10に保持すると共に、この外輪3に対して回転力を伝達自在としている。尚、このハウジング10は、図示しない、例えばベルト伝達機構等を介して駆動され、上記外輪3に回転力を伝達する。
【0016】
一方、前記支持軸11は、上記ハウジング10(後述する様に、内側ハウジング12が傾斜した場合には、外側ハウジング13のみ)と同心に配置され、段付円柱状で、先端部に形成した小径部20に前記内輪5を、間座21とキャップ22との間に挟持した状態で外嵌固定している。即ち、この間座21は、断面L字型の円環状に形成され、軸方向他端側半部(図1の左半部)の外径を上記外輪3の他端部(図1の右端部)の内径よりも小さくすると共に、軸方向一端側半部(図1の右半部)の外径を、上記小径部20と上記支持軸11の中間部の大径部23との段差24の外径よりも大きくしている。そして、この段差24に、上記間座21の他端面(図1の右端面)を突き当てた状態で、この間座21の一端面に上記内輪5の他端面を当接させている。
【0017】
又、上記キャップ22は、断面L字型の円環状に形成され、一端面中央部に貫通孔25を形成している。又、このキャップ22の外径を上記外輪3の一端部の内径よりも小さくして、このキャップ22の先端面を上記内輪5の一端面に当接させている。そして、上記貫通孔25に内輪固定用ボルト26を挿通すると共に、この内輪固定用ボルト26の先端部乃至中間部を、上記支持軸11の先端部中央に軸方向に亙って形成したねじ孔27に螺合緊締している。この結果、上記内輪5が、上記段差24と上記キャップ22との間に、上記間座21を介して挟持固定される。
【0018】
又、本例の場合、前記内側ハウジング12を前記外側ハウジング13に対して傾斜させる事により、この内側ハウジング12に内嵌固定した前記外輪3に傾きを付与できる構造としている。この為に、この内側ハウジング12の前記フランジ部16を除く外周面の中間部に、この外周面の他の部分よりも外径が大きい突出部28を、全周に亙って形成している。この突出部28の軸方向に関する位置は、図1に鎖線イで示す様に、上記内側ハウジング12に上記外輪3を内嵌固定した状態で、この外輪3の幅方向中央と上記突出部28の幅方向中央とが一致する部分としている。又、上記外側ハウジング13は、この突出部28に嵌合している。即ち、この外側ハウジング13の内周面は、一端部を除き単一の円筒面としている。そして、この円筒面部分を上記突出部28に外嵌している。尚、この突出部28の外径と上記外側ハウジング13の円筒面の内径とをほぼ同一とし、これら突出部28と円筒面との嵌合部を中間嵌めとする事が好ましい。
【0019】
又、上記外側ハウジング13の一端部内周面に、上記円筒面部分よりも内径側に突出し、上記内側ハウジング12の一端部の外径よりも小さい内径を有する鍔部29を形成している。これにより、上記外側ハウジング13の上記内側ハウジング12に対する嵌合方向を規制している。尚、これら外側ハウジング13と内側ハウジング12とを結合した状態で、上記鍔部29をこの内側ハウジング12の一端面に当接させず、これら鍔部29と一端面との間に隙間を設ける。これにより、後述する様に、内側ハウジング12を外側ハウジング13に対して傾斜させる場合に、この内側ハウジング12の端面が上記鍔部29と干渉しない様にしている。
【0020】
前述した様に、突出部28の幅方向中央と上記外輪3の幅方向中央とが一致している為、上記内側ハウジング12と外側ハウジング13との嵌合部は、上記外輪3の幅方向中央部に位置する。尚、上記突出部28の軸方向に関する幅は、好ましくは、被測定物である転がり軸受1の幅寸法の1/4以下、より好ましくは1/5以下とする。又、上記嵌合部の外径(突出部28の外径)は、好ましくは、上記転がり軸受1の外径の1.5倍以上、より好ましくは2倍以上とする。又、上記突出部28の突出量{(突出部28の外径−外周面の他の部分の外径)/2}は、好ましくは、0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上とする。これにより、上記内側ハウジング12の内周面と上記外側ハウジング13の外周面とが対向する部分のうち、嵌合部を除く部分(軸方向に関して嵌合部の両側部分)に、0.5mm(或は1.0mm)以上の隙間を確保できる。又、上述した様に、突出部28の幅、外径、突出量を規制すれば、内側ハウジング12を外側ハウジングに対してより傾斜させ易くなる。
【0021】
尚、内側ハウジング12の外周面(フランジ部16を除く)を単一の円筒面とし、外側ハウジング13の内周面で外輪3の幅方向中央部に径方向内方に突出する突出部を全周に亙り形成して、上記嵌合部を構成する事もできる。又、上記内側ハウジング12の外周面及び外側ハウジング13の内周面をそれぞれ円筒面とし(突出部を形成しないで)、これら両周面のうちの何れかの周面に帯状の円筒部材を嵌合して、この円筒部材により上述の突出部を構成する事もできる。
【0022】
又、本例の場合、上記内側ハウジング12を上記外側ハウジング13に対して傾斜させる為に、この外側ハウジング13の前記ねじ孔15、15と同一ピッチ円P上で、これら各ねじ孔15、15から円周方向に外れた複数個所に、第二のねじ孔30、30を形成している。図示の例の場合、これら各第二のねじ孔30、30を、図1、2の上端部と図2(B)の水平方向両端部との3個所に形成し、図1、2の下端部には形成していない。図1、図2(A)の時計回りに上記内側ハウジング12を傾斜させる場合には、上記各第二のねじ孔30、30のうち、図1、2の上端部に位置する第二のねじ孔30にスタッド31を螺合し、このスタッド31の先端を上記内側ハウジング12のフランジ部16に突き当てる。
【0023】
そして、上記スタッド31の先端部の上記第二のねじ孔30からの突出量を調整する事により、上記外側ハウジング13の他端面と上記フランジ部16との距離を変化させて、上記内側ハウジング12をこの外側ハウジング13に対して傾斜させると共に、その傾きを調整可能としている。尚、上記スタッド31の突出量の調整は、このスタッド31の基端面に形成した切り欠きにドライバー等の工具を係止して、このスタッド31を回転させる事により行なう。そして、調整後は、上記第二のねじ孔30に螺合したスタッド31のうちで、この第二のねじ孔30から上記フランジ部16と反対側に突出した部分に螺合したロックナット32を緊締して、上記スタッド31を固定する。
【0024】
上記内側ハウジング12及び外輪3を上記外側ハウジング13に対して傾斜させる場合には、これら内側ハウジング12と外側ハウジング13とを結合する各結合ボルト14を緩めておく。又、この外側ハウジング13の外周面の一部に回り止め用ねじ48を螺合して、上記内側ハウジング12及び外側ハウジング13が回転する事を阻止する。そして、上記スタッド31の先端部の突出量を調整する。上記内側ハウジング12を、図1、図2(A)の時計回りに傾斜させる場合、図1、2の上端部に存在する第二のねじ孔30に螺合したスタッド31の先端部の突出量を調節する。これにより、上記内側ハウジング12が上記外輪3と共に、前記転がり軸受1の軸受中心を中心として、図1、図2(A)の時計回りに傾斜する。尚、傾斜の中心は、軸受の内部隙間によって多少軸受中心からずれる場合はあるが、ほぼ軸受中心となる。従って、上記軸受中心は、この様な内部隙間によるずれも含むものとする。以下も同様とする。
【0025】
上記内側ハウジング12及び外輪3を所望角度傾斜させたならば、上記各結合ボルト14を螺合緊締する。この結果、上記内側ハウジング12及び外輪3が、上記外側ハウジング13に対して、所望角度傾斜した状態で保持される。この外側ハウジング13と前記支持軸11とは、互いに同心に配置されている為、上記外輪3は、この支持軸11に外嵌した内輪5に対して、上記所定角度傾斜した状態で保持される。
【0026】
尚、上記各結合ボルト14を螺合緊締する前に、図2(B)の水平方向両端部に存在する両第二のねじ孔30、30に螺合した1対のスタッドの先端部の突出量を調節して、これら両スタッドの先端を前記フランジ部16に突き当てておけば、上記内側ハウジング12を所望角度傾斜した状態で保持すべく、上記各結合ボルト14を螺合緊締する際に、上記内側ハウジング12が上記外輪3と共に、転がり軸受1の幅方向中央を通る鎖線イを中心に回転する方向に振れる事を防止できる。これにより、上記内側ハウジング12の傾斜角度の調整を、より正確に行なえる。
尚、上記外側ハウジング13からの上記1対のスタッドの先端部の突出量は、それぞれ図1の上端部のスタッド31の突出量の1/2となる。
【0027】
一方、前記荷重付与機構9は、転がり軸受1に対してアキシアル荷重を付与するものであり、荷重負荷ロッド33と、加圧部材34と、1対のアンギュラ型の玉軸受35a、35bとから構成される。このうちの荷重負荷ロッド33は、図示しないエアシリンダ等の負荷装置により、軸方向に変位可能としている。又、この負荷装置により負荷される荷重はロードセル等の荷重計測装置により計測する。上記荷重負荷ロッド33の先端部周囲には、上記両玉軸受35a、35bを介して上記加圧部材34を、この荷重負荷ロッド33と同心に配置している。この加圧部材34は、加圧リング36と、ハウジング37と、ハウジングカバー38とから成る。このうちの加圧リング36は、図3に示す様に、円輪部39と、この円輪部39の外径寄り片端面{図1、図3(A)の右端面}から軸方向に突出した加圧部40とから成る。この加圧部40は、図3(B)に示す様に、上記円輪部39と同心で、円周方向複数個所(図示の例の場合は5箇所)に切り欠き41、41を有する、櫛歯状(環状柵状)に形成されている。又、上記円輪部39のこれら各切り欠き41、41部分には、軸方向に貫通する取付孔42、42を形成している。
【0028】
上記加圧リング36は、上記両玉軸受35a、35bに外嵌した上記ハウジング37の片端面に、上記取付孔42、42をそれぞれ挿通した取付ボルト43により固定している。この為に、上記加圧リング36の上記片端面とは反対側端面{図1、図3(A)の左端面}のうちの内径部を軸方向に突出させて、円筒部44としている。そして、この円筒部44の先端面を、上記両玉軸受35a、35bのうちの一方(図1の右方)の玉軸受35aの片端面外径寄り部分に当接させると共に、上記円筒部44に上記ハウジング37の片端部を外嵌している。この状態で、上記各取付ボルト43により、このハウジング37と上記加圧リング36とを結合している。
【0029】
又、前記ハウジングカバー38は、円輪状で、上記ハウジング37の反対側端面に複数の取付ボルト49、49により固定され、内径寄り部分を上記両玉軸受35a、35bのうちの他方(図1の左方)の玉軸受35bの、反対側端面外径寄り部分に当接させている。この結果、上記ハウジングカバー38と上記加圧リング36とで、上記両玉軸受35a、35bを挟持した状態となる。そして、これら両玉軸受35a、35bの外径側に、上記加圧リング36と、ハウジング37と、ハウジングカバー38とから成る、前記加圧部材34が固定される。
【0030】
又、上記両玉軸受35a、35bは、互いに逆方向の接触角を付与した、背面組み合わせのアンギュラ型(又は深溝型)の玉軸受である。又、これら両玉軸受35a、35bは、寸法精度を高くした精密玉軸受としている。尚、これら両玉軸受35a、35bとして、例えば、内径30mm、外径62mm、幅15mmのものを使用する。上記両玉軸受35a、35bは、前記荷重負荷ロッド33の先端部外周面に外嵌固定されている。又、この荷重負荷ロッド33の中間部外周面に形成した外向鍔部45に、他方の玉軸受35bの上記反対側端面の内径寄り部分を当接させている。この状態で、一方の玉軸受35aの片端面が、上記荷重負荷ロッド33の先端面と面一、若しくはこの先端面よりも僅かに突出する。そして、上記一方の玉軸受35aの片端面内径寄り部分には、円板状の固定板46の外径寄り部分を当接させている。この固定板46は、固定ボルト47により上記荷重負荷ロッド33の先端面に固定している。従って、この固定ボルト47を螺合緊締する事により、上記両玉軸受35a、35bが上記固定板46と上記外向鍔部45との間で、軸方向の変位不能に固定される。
【0031】
上述の様に構成される荷重付与機構9は、前記傾斜保持機構8と対向する位置に、この傾斜保持機構8と同心に配置される。そして、前記加圧部材34を構成する加圧リング36の加圧部40の先端面を、上記傾斜保持機構8を構成するハウジング10の外側ハウジング13の一端面内径寄り部分に当接させる。尚、この様に当接させる径方向に関する位置は、図示の様に、内側ハウジング12のフランジ部16と外側ハウジング13の内径寄り部分とが、軸方向に重畳する部分とする事が好ましい。即ち、これら内側ハウジング12と外側ハウジング13との結合部とする事が好ましい。これにより、後述する様に、加圧部40により負荷されるアキシアル荷重を外輪3に対し、より円滑に伝達できる。この際、上記加圧部材34を回転させて、上記加圧リング36の円周方向複数個所に形成した前記切り欠き41、41を、上記内側ハウジング12を傾斜させる為の調節ねじ31が存在する部分と整合させる。これにより、この調節ねじ31と干渉する事なく、上記加圧部40の先端面を上記外側ハウジング13の一端面に当接させる事ができる。
【0032】
被測定物である転がり軸受1の特性を測定する際には、前述した様にして、傾斜保持機構8により、この転がり軸受1を構成する外輪3を同じく内輪5に対して所定角度傾斜させる。この状態で、上記荷重付与機構9のエアシリンダ等の負荷装置を駆動して、荷重負荷ロッド33を軸方向に押し出す事により、前記両玉軸受35a、35bと上記加圧部材34とを介して、上記外輪3を内嵌固定する上記ハウジング10にアキシアル荷重を付与する。このアキシアル荷重は、上記荷重付与機構9に組み込んだロードセル等の荷重計測装置により計測し、所定の大きさに調整する。又、上記加圧部材34の加圧部40の先端面を上記外側ハウジング13の一端面に当接させている為、上述の様に負荷されるアキシアル荷重は、この外側ハウジング13及び上記内側ハウジング12を介して、上記外輪3に付与される。
【0033】
上述の様に、外輪3を上記内輪5に対して傾斜させると共に、この外輪3に対してアキシアル荷重を付与した状態で、この外輪3を、図示しない回転伝達機構により回転させる。即ち、上記ハウジング10を、この回転伝達機構を構成する、例えばベルト伝達機構等を介して回転駆動する。この際、上記ハウジング10を構成する外側ハウジング13の外周面の一部に螺合した回り止め用ねじ48は外しておく。この結果、上記ハウジング10と共にこのハウジング10に内嵌固定された上記外輪3が回転駆動される。又、このハウジング10を構成する上記外側ハウジング13と上記荷重付与機構9を構成する加圧部材34の加圧部40とは、上記アキシアル荷重の負荷により強く当接している為、上記ハウジング10の回転により上記加圧部材34も回転する。この加圧部材34は、前述した様に、1対の玉軸受35a、35bにより回転自在に支持されている為、上記ハウジング10と共に円滑に回転する。
【0034】
上述の様に、加圧部材34及びハウジング10と共に回転する外輪3は、上述の様に、内輪5に対し傾斜している為、この回転により軸方向に振れる。この軸方向の振れは、上記外輪3の端面或は内側ハウジング12の端面に、ダイヤルゲージ等の測定装置の測定部を接触させて、この外輪3の軸方向に関する振れを測定する。例えば、上記内側ハウジング12の片側(図1の右側)に上記測定装置を設置し、この内側ハウジング12の片側面の何れかの部分に、この測定装置の測定部を当接させる。この状態で、上記ハウジング10を回転させれば、上記外輪3の振れを測定できる。そして、この振れの絶対値と、前記転がり軸受1の軸受中心から測定位置までの距離とから、上記外輪3の実際の傾きを容易に調べる事ができる。従って、この外輪3の傾きの測定を、高価なレーザ微小変位計により間接的に行なう必要がない。
【0035】
上述の様に外輪3の傾きを測定した後は、例えば、外輪3が傾斜した状態で運転した場合の、上記転がり軸受1に組み込まれる保持器(図示省略)の挙動や、この転がり軸受1の寿命等の各種特性を調べる事が可能である。
【0036】
上述の様に構成する本例の場合、前記内側ハウジング12と外側ハウジング13との嵌合部が、上記外輪3の幅方向中央部のみに位置する為、この内側ハウジング12をこの外側ハウジング13に対して傾斜させ易くなる。即ち、この外側ハウジング13の第二のねじ孔30に螺合したスタッド31の、上記内側ハウジング12への突出量を調整して、この内側ハウジング12を傾斜させると、この内側ハウジング12及び上記外輪3が、上記転がり軸受1の軸受中心を中心として傾斜する。この内側ハウジング12を図1の時計方向に傾斜させる場合、この軸受中心を通りこの転がり軸受1の軸方向に直交する線のうち、図1の表裏方向の線(回転中心線)を中心に上記内側ハウジング12が傾斜する。この場合、この内側ハウジング12と上記外側ハウジング13との嵌合部のうち、上記回転中心線上に存在する嵌合部を中心として上記内側ハウジング12が傾斜する。言い換えれば、上記嵌合部が上記外輪3の幅方向中央部のみに存在する為、この嵌合部の何れかの部分が必ず、傾斜する際の回転中心線上に存在する。
【0037】
又、上記回転中心線上以外の部分に存在する嵌合部は、それぞれ、上記外輪3の幅方向中央部から軸方向にずれる傾向となる。この場合、この嵌合部を構成する突出部28と外側ハウジング13の内周面との少なくとも一方が弾性変形して、上記内側ハウジング12がこの外側ハウジング13に対して傾斜する事を許容する。本例の場合、上記嵌合部が上記外輪3の幅方向中央部にのみ存在する為、この様に生じる弾性変形量が小さい。以上により、内側ハウジング12と外側ハウジング13との嵌合部を外輪3の幅方向中央部にのみ存在させた場合、この内側ハウジング12をこの外側ハウジング13に対して傾斜させ易くなる。又、上述の様な回転中心線を中心として傾斜する為、軸受中心に対して対称位置で、嵌合部に生じる弾性変形量がほぼ等しくなる。この為、上記内側ハウジング12と外側ハウジング13とが偏心する事はない(偏心してもその量は極めて小さい)。
【0038】
上述の様に作用する結果、内側ハウジング12に内嵌固定された上記外輪3が内輪5に対して傾斜した状態を、容易に、且つ、安定して再現できる。又、荷重付与機構9を構成する加圧部材34を荷重負荷ロッド33に対して、1対のアンギュラ型又は深溝型の玉軸受35a、35bにより支持している為、外輪3にアキシアル荷重を付与した状態で、この外輪3を回転させる事が可能である。又、上記加圧部材34と荷重負荷ロッド33との支持部の剛性を十分に高くできる。この為、転がり軸受1に付与できるアキシアル荷重を大きくする事が可能である。又、本例の場合、上記両玉軸受35a、35bを精密玉軸受としている為、上記加圧部材34が回転により振れたりする事を防止して、この加圧部材34が上記転がり軸受1の特性測定に影響を及ぼす事を防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
上述した実施の形態の1例では、外輪3を回転させた場合の転がり軸受1の特性を調べる構造に就いて説明したが、上述した構造で、内輪5を回転させた場合の上記転がり軸受1の特性を調べる事も可能である。即ち、この内輪5を支持する支持軸11を回転させ、ハウジング10を固定する。そして、この内輪5を回転させた状態で、保持器の挙動等の上記転がり軸受1の特性を調べる。又、上述の説明では、被測定物である転がり軸受1を、所定の玉軸受に限定して説明したが、本発明の測定対象となる転がり軸受は、加温用のヒータや、ボックス内に充填したガスを攪拌する装置に組み込まれる等、各種用途で使用される汎用的な玉軸受が含まれる。又、玉軸受に限らず、転動体としてころを使用したころ軸受等も本発明の測定対象となる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の形態の1例の転がり軸受の特性測定装置を示す断面図。
【図2】外側ハウジングのみ取り出して示す、(A)は断面図、(B)は一部を省略して(A)の右方から見た図。
【図3】加圧リングのみを取り出して示す、(A)は断面図、(B)は(A)の右方から見た図。
【符号の説明】
【0041】
1 転がり軸受
2 外輪軌道
3 外輪
4 内輪軌道
5 内輪
6 転動体
7 特性測定装置
8 傾斜保持機構
9 荷重付与機構
10 ハウジング
11 支持軸
12 内側ハウジング
13 外側ハウジング
14 結合ボルト
15 ねじ孔
16 フランジ部
17 通孔
18 突き当て板
19 固定ボルト
20 小径部
21 間座
22 キャップ
23 大径部
24 段差
25 貫通孔
26 内輪固定ボルト
27 ねじ孔
28 突出部
29 鍔部
30 第二のねじ孔
31 スタッド
32 ロックナット
33 荷重負荷ロッド
34 加圧部材
35a、35b 玉軸受
36 加圧リング
37 ハウジング
38 ハウジングカバー
39 円輪部
40 加圧部
41 切り欠き
42 取付孔
43 取付ボルト
44 円筒部
45 外向鍔部
46 固定板
47 固定ボルト
48 回り止め用ねじ
49 取付ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪軌道を有する内輪と、これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、これら各転動体を保持する保持器とを備えた転がり軸受の特性を測定すべく、この転がり軸受を支持する、転がり軸受の特性測定用支持装置であって、上記外輪を保持すると共に、この外輪に対して回転力を伝達自在なハウジングと、このハウジングと同心に配置され上記内輪を支持固定する支持軸とを備え、このうちのハウジングは、上記外輪を内嵌固定した円環状の内側ハウジングと、この内側ハウジングの外周面に外嵌した円環状の外側ハウジングとから成り、これら内側ハウジングと外側ハウジングとが上記外輪の幅方向中央部のみで嵌合し、この内側ハウジングがこの外輪と共に、この外側ハウジングに対して傾斜可能とした転がり軸受の特性測定用支持装置。
【請求項2】
内側ハウジングの外周面の一部或は外側ハウジングの内周面の一部を全周に亙り突出させ、この突出した一部と相手面とを嵌合させる事により、これら内側ハウジングと外側ハウジングとの嵌合部を外輪の幅方向中央部とした、請求項1に記載した転がり軸受の特性測定用支持装置。
【請求項3】
外輪を内輪に対して定量的に傾斜させた状態を保持可能な傾斜保持機構と、この外輪に対してアキシアル荷重を付与する荷重付与機構と、この外輪に回転力を伝達する回転伝達機構とを備え、この外輪を上記内輪に対して傾斜させると共に、この外輪に対してアキシアル荷重を付与した状態で、この外輪を回転させた場合の、転がり軸受に生じる特性を測定する転がり軸受の特性測定装置であって、上記傾斜保持機構が、請求項1又は請求項2に記載した転がり軸受の特性測定用支持装置であって、内側ハウジングを外側ハウジングに対して傾斜させる事により、上記外輪を傾斜させるものであり、上記荷重付与機構は、上記外側ハウジングに対してアキシアル荷重を付与する事により、この外側ハウジングと上記内側ハウジングとを介して上記外輪にこのアキシアル荷重を付与するものであり、上記回転伝達機構は、上記内側ハウジング及び外側ハウジングと共に上記外輪を回転させるものである転がり軸受の特性測定装置。
【請求項4】
外輪を内輪に対して傾斜させると共に、この外輪に対してアキシアル荷重を付与した状態で、この外輪を回転させた場合の、この外輪の端面或は内側ハウジングの端面の軸方向に関する振れを測定する事により、この外輪の実際の傾きを測定可能とした、請求項3に記載した転がり軸受の特性測定装置。
【請求項5】
荷重付与機構が、アキシアル荷重を負荷される荷重負荷ロッドと、この荷重負荷ロッドの外径側に配置され、外側ハウジングに当接してこの外側ハウジングに上記アキシアル荷重を付与する加圧部材とを備え、このうちの加圧部材は、この荷重負荷ロッドに対して、1対のアンギュラ型又は深溝型の玉軸受を介して回転自在に支持されており、この荷重負荷ロッドに負荷されたアキシアル荷重を、上記両玉軸受及び加圧部材を介して上記外側ハウジングに付与可能としており、回転伝達機構により外輪を回転させた場合に、上記外側ハウジング及び内側ハウジングと共に上記加圧部材も回転可能である、請求項3又は請求項4に記載した転がり軸受の特性測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−212179(P2007−212179A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−29844(P2006−29844)
【出願日】平成18年2月7日(2006.2.7)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】