説明

軽量気泡コンクリートパネルの製造方法

【課題】半硬化体の内部に空洞(空隙)を発生することがなく、その結果ALCパネルの沈下亀裂を効果的に防止して外観商品性(製品品位)に優れたALCパネルを製造する方法の提供。
【解決手段】型枠内壁面に粘度5〜1000mPa・sの離型剤を塗布量55〜300ml/m2の条件で塗布し、この型枠内に複数枚の補強鉄筋をロッドピンで吊り下げ配置してから、珪酸質原料、石灰質原料、水、アルミニウム粉末および界面活性剤を混合した原料スラリーを打設し、この原料スラリーを半硬化状態とした後、前記ロッドピンを抜き取ると共に脱型させた半硬化体を、前記補強鉄筋と対応させて切断し、これをオートクレーブ養生することにより軽量気泡コンクリートパネルを製造するに際し、前記型枠10として、その少なくとも一つの側壁12内壁面14に、高さ方向の中央部から上方へ向かい3〜12°傾斜した傾斜面16を備えた型枠を使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に建築物の内外壁や天井などの構造体として使用する軽量気泡コンクリートパネル(以下、ALCパネルと呼ぶ)の製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、半硬化体の内部に空洞(空隙)を発生することがなく、その結果ALCパネルの沈下亀裂を効果的に防止して外観商品性(製品品位)に優れたALCパネルを製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ALCパネルは、コンクリートに比べて多孔質であるため、軽量性および断熱性が優れており、これらの特性を活かして建築材料、例えば建物の内外壁などの用途に広く使用されている。
【0003】
そして、従来のALCパネルは、図7(a)に示した方法により製造されていた。まず、型枠10における側壁12の内壁面14に離型剤を塗布し、この型枠10内に複数枚の補強鉄筋22をロッドピン21で着脱自在に吊り下げて配置すると共に、珪酸質原料、石灰質原料およびアルミニウム粉末などを主材とする水性原料スラリー(以下、原料スラリーと呼ぶ)を打設し、この原料スラリーを半硬化体15となす。次いで、補強鉄筋22と分離したロッドピン21を抜き取ると共に、脱型させた半硬化体15を、補強鉄筋22と対応させてピアノ線などで切断した後、これを高温・高圧でオートクレーブ養生することによりALCパネルを製造していた(例えば、特許文献1および2参照)。
【0004】
ここで、型枠10内に打設された原料スラリーは、このスラリー中に含まれるアルミニウム粉末とアルカリ成分とが接触して起こる発泡反応と、石灰質原料がスラリー中の水と接触して起こる水和反応とによって半硬化体15となるが、これらの反応中には、図7に示したように、半硬化体15の上部に空隙17を生じてしまう。
【0005】
このよう空隙17の発生は次の理由に起因するものと考えられる。すなわち、図8に示したように、発泡反応が完了した後も進行する水和反応の発熱による原料スラリーの膨張に伴い、型枠10内に打設された原料スラリーの上面高さは徐々に上昇してやがて最大高さ(SH)に至る。しかし、原料スラリーが収縮に転じた後には降下して、一定高さ(SS)に安定するが、このときにも原料スラリーの硬度は図示したように上昇し続ける。
【0006】
一方、型枠10の内壁面14には、原料スラリーから得られた半硬化体15がスムースに離型できるように離型剤が塗布されているが、体積収縮に転じた後の原料スラリーが型枠10の内壁面14に接触している部分が、離型剤の作用により滑りやすくなっている。このため、図7(b)に示すように、他の部分の沈降量に比べて、内壁面14に接触している部分の沈降量が大きくなる傾向が招かれるのである。
【0007】
そして、このような原料スラリーの大きな沈降が、内壁面14の接触部位において、原料スラリーの上面高さ位置よりも下部で発生すると、図7に示したように滑った下部の原料スラリーの沈降量(D2)が、その上方の原料スラリーの沈降量(D1)に比べて大きくなってしまう。すると、この沈降量の差により型枠10の内壁面14と接触している部分に、水平方向へ延びる空隙17が発生してしまう。つまり、原料スラリーの上面は通常に沈降し、その下部だけが通常の沈降量を超えて大きく沈降してしまうのである。
【0008】
このような空隙17を生じた半硬化体15から得られるALCパネルにおいては、図9に示したように、この沈下亀裂Sが発生してしまい、この沈下亀裂SがALCパネルの外観商品性(製品品位)を著しく低下させるばかりか、場合によってはこの製品を不良品として廃棄処分しなければならないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−226932号公報
【特許文献2】特開2004−9525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
【0011】
したがって、本発明の目的は、半硬化体の内部に空洞(空隙)を発生することがなく、その結果ALCパネルの沈下亀裂を効果的に防止して外観商品性(製品品位)に優れたALCパネルを製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために本発明によれば、型枠内壁面に粘度5〜1000mPa・sの離型剤を塗布量55〜300ml/m2の条件で塗布し、この型枠内に複数枚の補強鉄筋をロッドピンで吊り下げ配置してから、珪酸質原料、石灰質原料、水、アルミニウム粉末および界面活性剤を混合した原料スラリーを打設し、この原料スラリーを半硬化状態とした後、前記ロッドピンを抜き取ると共に脱型させた半硬化体を、前記補強鉄筋と対応させて切断し、これをオートクレーブ養生することによりALCパネルを製造するに際し、前記型枠として、その少なくとも一つの側壁内壁面に、高さ方向の中央部から上方へ向かい3〜12°傾斜した傾斜面を備えた型枠を使用することを特徴とするALCパネルの製造方法が提供される。
【0013】
なお、本発明のALCパネルの製造方法においては、前記型枠における傾斜面の傾斜角度が、側壁内壁面高さ方向の中央部から上方へ向かい連続的または段階的に大きくなるように形成されていることが、好ましい条件として挙げられる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、以下に説明するとおり、半硬化体の内部に空洞(空隙)を発生することがなく、その結果ALCパネルの沈下亀裂を効果的に防止して外観商品性(製品品位)に優れたALCパネルを製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態について具体的に説明する。
【0016】
本発明のALCパネルの製造方法は、型枠内壁面に粘度5〜1000mPa・sの離型剤を塗布量55〜300ml/m2の条件で塗布し、この型枠内に複数枚の補強鉄筋をロッドピンで吊り下げ配置してから、珪酸質原料、石灰質原料、水、アルミニウム粉末および界面活性剤を混合した原料スラリーを打設し、この原料スラリーを半硬化状態とした後、前記ロッドピンを抜き取ると共に脱型させた半硬化体を、前記補強鉄筋と対応させて切断し、これをオートクレーブ養生することによりALCパネルを製造するに際し、前記型枠として、その少なくとも一つの側壁内壁面に、高さ方向の中央部から上方へ向かい3〜12°傾斜した傾斜面を備えた型枠を使用することを特徴としている。
【0017】
ここではまず、本発明で使用する型枠の一例について図1(a)および(b)に基づき説明する。
【0018】
本発明で使用する型枠10は、図示したように、その少なくとも一つの側壁12の内壁面14に、高さ方向の中央部から上方へ向かい3〜12°、好ましくは4〜7°傾斜した傾斜面16が形成されていることが重要である。
【0019】
なお、図1(a)および(b)では、一つの側壁12の内壁面にのみ傾斜面16を形成しているが、例えば対面する二つまたは四つの側壁内壁面に傾斜面を形成することもでき、総ての側壁内壁面に傾斜部が形成されていることが最も好ましい。
【0020】
この傾斜面16の傾斜角度は、図4に示したように、側壁12の内壁面14に沿う垂線と、傾斜面16とがおりなす角度θであり、このθが3°未満では空隙17(沈下亀裂S)の防止効果が不十分となり、逆に12°を超える場合には側壁12上部の肉厚が不足して、型枠10自体の強度が低下する傾向となるため好ましくない。
【0021】
また、傾斜面16は、側壁12の内壁面14の高さ方向の中央部から上方へ向かい形成されていれば十分であり、高さ方向の中央部から下の部分については、半硬化体の内部に空洞(空隙)を発生する怖れがないため、通常の側壁12の肉厚を保持していても不都合はない。
【0022】
なお、傾斜面16は、通常の型枠10の側壁12における内壁面14の高さ方向の中央部から上方へ向けた部分を研削或いは研磨して側壁12の肉厚を減少させるか、または型枠10を製造するに際し、組立前の側壁12の所望部分を予め削っておくことにより、容易に形成することが可能である。
【0023】
このように、型枠10の少なくとも一つの側壁12の内壁面14に、高さ方向の中央部から上方へ向かい3〜12°傾斜した傾斜面16を形成することによって、図4および5に示したように、型枠10の内壁面14が傾斜しているため、型枠10の高さ方向の下方に向かって、原料スラリーが存在する水平断面積が小さくなる。そして、この水平断面積の変化によって、全体的に原料スラリーが沈降し難くなるとともに、体積収縮に転じた後の原料スラリーが滑りにくくなる。その結果として、内壁面14の接触部位において、原料スラリーの上面高さ位置よりも下部で沈降量が大きくなる滑りが発生しなくなり、半硬化体15に空隙17が生じなくなるため、沈下亀裂Sの発生がなく外観商品性(製品品位)に優れたALCパネルの製造が可能となるのである。
【0024】
なお、図1〜図5では傾斜面16の態様を連続的かつ直線的な面として示したが、この傾斜面16は、図6(a)のように型枠10における内壁面14の傾斜角度が、高さ方向の中央部から上方へ向かい連続的に徐々に大きくなるか、或いは図6(b)のように同じく高さ方向の中央部から上方へ向かい段階的に徐々に大きくなるように形成することもできる。なお、この場合の傾斜面16は、その平均傾斜角度が3〜12°の範囲内にあれば特に問題はない。
【0025】
次ぎに、本発明のALCパネルの製造方法について、図1〜図3にしたがって説明する。
【0026】
本発明のALCパネルの製造方法においては、図2に示したように、まず塗布ローラ32を備えた塗布装置30を使用して、型枠10の内壁面14全体に粘度5〜1000mPa・sの離型剤を塗布量55〜300ml/m2の条件で塗布する。ここで離型剤は、塗布ローラ32を内壁面14に押圧して塗布されるため、内壁面14が傾いていたり、小さな凹凸があっても均質かつムラなく塗布可能となっている。
【0027】
本発明で使用する離型剤としては、当該技術分野において型枠内壁用として市販されている離型剤を使用することができるが、その粘度は5〜1000mPa・sの範囲に、また塗布量は55〜300ml/m2の範囲に制限される。なお、取り扱い性の観点から、粘度および塗布量については、それぞれ40〜250mPa・sおよび70〜100ml/m2の範囲が好ましい。
【0028】
すなわち、離型剤の粘度が5mPa・s未満では、粘度が低く過ぎて塗布された内壁面から垂れてしまうため、半硬化体の型枠からの脱型が困難となり、逆に1000mPa・sを超えると、粘度が高過ぎて離型剤の塗布が困難となるばかりか、塗布状態にムラを生じることから、半硬化体の型枠からの脱型が部分的に困難となるため好ましくない。また、離型剤の塗布量が55ml/m2未満では、半硬化体の脱型が困難となり、逆に300ml/m2を超えると、離型剤が型枠の内壁面から垂れて原料スラリーに混ざってしまい、この原料スラリーが半硬化体になる反応に時間がかかる等の不具合が生じるため好ましくない。
【0029】
なお、離型剤の粘度は、温度調整や、溶媒の使用により、所望の程度に調整することができ、離型剤の塗布量は、塗布装置30の塗布ローラ32に対する離型剤の含浸量や内壁面14に対するローラの押圧力を適宜コントロールすることにより所望の範囲に調整することができる。
【0030】
次に、図3に示したように、この型枠10内に複数枚の補強鉄筋22をロッドピン21で吊り下げ、このロッドピン21を型枠10の上枠20に固定することにより配置する。ここで使用する補強鉄筋22は、通常直径が3〜8mm程度の金属線材を格子状に溶接して籠状に組み合わせたものや、網状のラス網などであり、これはALCパネルの強度を増すための補強材として機能する。そして、この補強鉄筋22は、一般に離型剤を塗布したロッドピン21により、型枠10内に着脱自在かつ吊り下げられた状態で配置されるのである。
【0031】
次いで、補強鉄筋22を内部に配置された型枠内へ、珪酸質原料、石灰質原料、水、アルミニウム粉末および界面活性剤を混合した原料スラリーを打設する。この原料スラリーの主成分は、珪酸質原料および石灰質原料であり、ここでいう珪酸質原料の具体例としては、石英、クリストバライト、珪砂・珪石粉、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカフュームなどの二酸化珪素含有化合物の一種または二種以上が挙げられる。この珪酸質原料の主成分中に占める割合は、40〜80重量%、特に50〜70重量%であることが好ましい。
【0032】
また、ここでいう石灰質原料の具体例としては、生石灰、セメント、消石灰、炭酸カルシウムなどが挙げられ、なかでも生石灰およびセメントのいずれか一種または両者が好ましく使用される。これら石灰質原料が主成分中に占める割合は、20〜60重量%、特に30〜50重量%であることが好ましい。
【0033】
なお、本発明の原料スラリーにおいては、上記主成分の少なくとも一部または全部を、ALC半硬化体の回収物や、ALCパネルのリサイクル粉と置き換えることが可能である。ここでいうALC半硬化体の回収物とは、ALCパネルの製造から排出されるものであって、一般にクラストと呼ばれているALC半硬化体の切断屑であり、ALCパネルの製造原料とほぼ同じ構成成分からなるものである。そして、このALC半硬化体の回収物を使用することにより、切断屑の再利用を図ることが可能となり、ALCパネル製造のコストダウンが可能となる。
【0034】
本発明で使用する原料スラリーは、完成品であるALCパネルが所定の密度を確保するために、さらにアルミニウム粉末、水および界面活性剤を必須成分として含有する。アルミニウム粉末としては、当該技術分野で通常使用されているものを適用することができ、その添加量は、上記主原料100重量部に対して0.04〜0.08重量部、特に0.05〜0.07重量部の範囲が好ましい。また、界面活性剤についても、当該技術分野で使用されている、例えばメチルセルロースなどを適用することができ、その添加量は、上記主原料100重量部に対して0.002〜0.01重量部、特に0.004〜0.007重量部の範囲が好ましい。
【0035】
本発明で使用する原料スラリーが含有する水の量は、スラリーの粘性および凝固速度などによって決められるが、主原料100重量部に対して50〜70重量部、特に55〜65重量部の範囲が好ましい。
【0036】
そして、型枠10内へ上記原料スラリーを打設し、この原料スラリーを半硬化状態としてからロッドピン21を抜き取ると共に、脱型させた半硬化体15を、補強鉄筋22と対応させてピアノ線などにより切断した後、これをオートクレーブ養生することにより、沈下亀裂の発生を効果的に防止して外観商品性(製品品位)に優れたALCパネルが製造されるのである。
【実施例】
【0037】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳述する。
【0038】
なお、実施例における沈下亀裂の評価は、得られたALCパネルの上部を目視チェックし、沈下亀裂が全く発生していないものを○、同じく発生していたものを×と判定することにより行った。
【0039】
[実施例1〜32、比較例1〜13]
A.生石灰、B.セメント、C.アルミニウム粉末、D.界面活性剤、E.水、F.珪石、およびG.半硬化体の回収物+ALCパネルのリサイクル粉を、(A:16重量%+B:10重量%+F:44重量%+G:30重量%)100重量部/C:0.065重量部/D:0.006重量部/E:60重量部の割合で混合することにより、原料スラリーを調製した。なお、A〜C、EおよびFは、ALCパネルの製造に通常使用される汎用品を用い、D.界面活性剤としては、商品名ティーポール、ジョンソンディバーシー株式会社製を用いた。
【0040】
一方、離型剤として、商品名パネロール、製造会社名ダイセキを使用し、(離型剤や、離型剤が塗布される内壁面)の温度を変えて表1に示した粘度に調整して使用した。
【0041】
また、対面する一対の側壁内壁面に、高さ方向の中央部から上方へ向かう傾斜角度が表1のように相違する傾斜面を備えた型枠を準備して、これら各型枠の内壁面に、上記各離型剤を表1に示した塗布量となるように塗布した。
【0042】
そして、上記各型枠内に複数枚の補強鉄筋をロッドピンで吊り下げた状態で、上記の組成からなる原料スラリーを打設し、半硬化体となった50分後に、ロッドピンを半硬化体から抜き取った。ロッドピンを抜き取った後、脱型した半硬化体を、補強鉄筋に沿ってピアノ線により切断し、この切断した半硬化体を釜内でオートクレーブ養生(条件:約180℃の飽和水蒸気雰囲気で4〜10時間程度)してALCパネル(幅600mm×長さ1800mm×厚み80mm)を得た。
【0043】
得られたALCパネルについて沈下亀裂の発生状況を評価した結果を表1に併せて示した。
【0044】
【表1】

【0045】
表1の結果から明らかなように、本発明の方法により得られたALCパネル(実施例1〜32)は、いずれも沈下亀裂の発生が全くなく、外観商品性(製品品位)に優れたものである。これに対し、傾斜面を有さない型枠を使用して得られたALCパネル(比較例1〜4)、および傾斜面の傾斜角度が3°未満の型枠を使用して得られたALCパネル(比較例5〜12)は、いずれも沈下亀裂の発生が著しく、外観商品性(製品品位)に劣るものであった。また、傾斜面の傾斜角度を13°にしようとする場合(比較例13)には、型枠の内壁面に当該角度の傾斜面を設定することができなかった。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明によれば、半硬化体の内部に空洞(空隙)を発生することがなく、その結果ALCパネルの沈下亀裂を効果的に防止して外観商品性(製品品位)に優れたALCパネルを製造することができるため、ALCパネルを用いる建築分野へ貢献するところが極めて大きいといえる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】(a)は本発明で使用する型枠の一例を示す斜視説明図、(b)は(a)の型枠内に補強鉄筋を配置した例を示す斜視説明図。
【図2】本発明で使用する型枠の内壁面に離型剤を塗布している模様を示す説明図。
【図3】同じく型枠内部に補強鉄筋を配置した模様を示す説明図。
【図4】型枠内壁面の傾斜部を示す拡大断面図。
【図5】型枠の一部を上方から見た平面図。
【図6】(a)、(b)は型枠内壁面における傾斜面の他の態様を示す拡大断面図。
【図7】(a)は型枠内上部に空隙が発生している模様を示す断面図、(b)は型枠内上部に空隙が発生している模様を示す拡大断面図。
【図8】原料スラリーの硬化時間と高さ位置および硬度の関係を説明するグラフ。
【図9】従来法で得られたALCパネルの斜視図。
【符号の説明】
【0048】
10 型枠
12 側壁
14 内壁面
16 傾斜面
17 空隙
20 上枠
21 ロッドピン
22 補強鉄筋
30 塗布装置
32 塗布ローラ
S 沈下亀裂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
型枠内壁面に粘度5〜1000mPa・sの離型剤を塗布量55〜300ml/m2の条件で塗布し、この型枠内に複数枚の補強鉄筋をロッドピンで吊り下げ配置してから、珪酸質原料、石灰質原料、水、アルミニウム粉末および界面活性剤を混合した原料スラリーを打設し、この原料スラリーを半硬化状態とした後、前記ロッドピンを抜き取ると共に脱型させた半硬化体を、前記補強鉄筋と対応させて切断し、これをオートクレーブ養生することにより軽量気泡コンクリートパネルを製造するに際し、前記型枠として、その少なくとも一つの側壁内壁面に、高さ方向の中央部から上方へ向かい3〜12°傾斜した傾斜面を備えた型枠を使用することを特徴とする軽量気泡コンクリートパネルの製造方法。
【請求項2】
前記型枠における傾斜面の傾斜角度が、側壁内壁面高さ方向の中央部から上方へ向かい連続的または段階的に大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の軽量気泡コンクリートパネルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−51200(P2011−51200A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−201393(P2009−201393)
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【出願人】(000185949)クリオン株式会社 (105)
【Fターム(参考)】