説明

輸送機器におけるエネルギー吸収構造

【課題】鉄道車両等の輸送機器について、大型の障害物と衝突時には衝突エネルギーを吸収しつつ運転手の空間を確保し、飛来物との衝突時には強固な構造により飛来物が運転台に侵入することを防御する。
【解決手段】運端台25の先端部に設けられている飛来物防御板50に窓40,40を開け、エネルギー吸収部材100,100を窓40,40に貫通させて運転台25内から飛来物防御板50の先まで延びる形態に配置されている。高吸収容量のエネルギー吸収部材100,100を、車体に設けられる運転台25のスペースを利用して効率良く配置することができる。また、飛来物防御板50を含むクラッシャブルゾーン11aの梁部材を強固に設置し、サバイバルゾーン10に連結させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,鉄道車両やモノレール車両のような軌条車両の輸送機器に適用されるエネルギー吸収構造に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両で代表される輸送機器では、運行中に予期しない物体との衝突が生じる可能性がある。鉄道車両を例として過去の衝突事例を挙げると、予期せず衝突する物体としては、道路車両、樹木や鉄道車両などの大型のものから、石、雪塊や対向車両の部品といった小型のものまでその種類はさまざまである。
【0003】
ここで、鉄道車両が大きな物体と衝突した場合を考える。大きな物体と衝突した場合、この物体との衝突により鉄道車両には大きな衝撃が作用することになる。この衝撃から、輸送機器に搭乗している乗員・乗客を保護するために、輸送機器の構造物の一部を積極的に変形させることにより衝突のエネルギーを吸収する概念が存在する。即ち、輸送機器の構造物に、乗員・乗客が搭乗しており物体との衝突時に輸送機器の構造物が潰れないことを目的とした空間(以後、「サバイバルゾーン」と呼ぶ)と、物体との衝突時に輸送機器の構造物を積極的に変形させて衝突のエネルギーを吸収する空間(以後、「クラッシャブルゾーン」と呼ぶ)とを分離して設けるという概念である。
【0004】
続いて、鉄道車両が小さな物体と衝突した場合を考える。すなわち、対向列車が走行風により巻上げた石や雪塊、対向車両の部品などが先頭部前面に衝突する場合などである。このような小型の飛来物と衝突した場合、飛来物に対して車両のほうが圧倒的に大きな質量を持つので、車体には大きな衝撃は作用しない。しかし、飛来物が車体構造を貫通し、搭乗している運転手や乗客に被害を与える可能性が考えられる。そこで、小さな飛来物との衝突に関しては、上述したようにエネルギーを吸収するのではなく、運転手が搭乗する空間の車両端部側に強固な構造物を配し、飛来物の侵入を防ぐ構造が用いられる。搭乗する運転手の生命を守ることを目的として、飛来物が運転室内に侵入しないように配置する防御板を飛来物防御板と呼ぶ。
【0005】
以上のように、鉄道車両において運転手が搭乗する車両の端部では、クラッシャブルゾーンを設けつつ、飛来物が運転室内に侵入しないように飛来物防御板を配置する必要がある。
【0006】
非特許文献1は、飛来物防御板をレール方向である車体長手方向に対して最も先端に配置し、それに隣接してエネルギーを吸収する部材を配置した構造の例である。
非特許文献2は、エネルギーを吸収する部材をレール方向である車体長手方向に対して最も先端に配置し、それに隣接して飛来物防御板を配置した構造の例である。
特許文献1は、四辺にアルミ合金製中空押出形材を用いたエネルギー吸収構造が効率よくエネルギーを吸収することを示している。
【0007】
まず、上記において非特許文献により述べた従来技術のうち、エネルギーを吸収する部材をレール方向である車体長手方向に対して最も先端に配置し、それに隣接して飛来物防御板を配置した場合を考慮する。このような構造で吸収エネルギー量を増加させるために吸収部材の長さを長くした場合には、エネルギー吸収部材が圧壊する際に、全体的に2つに折れ曲がる形状に座屈する(以下、全体座屈という。)する恐れがある。また、運行中の振動によりエネルギー吸収部材が振動し、強度や乗り心地の観点から好ましくない。
【0008】
次に、飛来物防御板をレール方向である車体長手方向に対して最も先端に配置し、それに隣接してエネルギーを吸収する部材を配置した場合について考慮する。このような構造では、鉄道車両が大きな障害物と衝突する際に、運転室の床に配置されるエネルギー吸収部材が変形するので、運転台の空間が侵されてしまい、乗務員の安全を確保することが困難である。
【特許文献1】特開2004−168218号公報
【非特許文献1】Amar Ainoussa, A crashworthy high speed aluminium train: the west coast main line class 390 tilting train, Proc. ImechE Conf. "What can we realistically expect from crashworthiness?", (2001).
【非特許文献2】John Benedict Doyle, Crash design of steel bodyshells for virgin, Proc. ImechE Conf. "What can we realistically expect from crashworthiness?", (2001).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、車体に設けられる運転台のスペースを利用し、乗務員の安全を確保するとともにエネルギー吸収量の大きなエネルギー材を有効に機能させる点で解決すべき課題がある。
【0010】
本発明の目的は、鉄道車両などの輸送機器において、大きな障害物と衝突した場合であってもエネルギー吸収部材は全体座屈せず、運行中の振動を提言しない上に乗務員のための生存空間を運転台に確保し、かつ小型の飛来物が衝突した場合でも飛来物を運転台の中に侵入させない輸送機器におけるエネルギー吸収構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、この発明による輸送機器におけるエネルギー吸収構造は、車体の前方位置に運転台を備えた輸送機器において、前記運転台の進行方向端部に配置され且つ面内の向きを進行方向直角方向とした平板状の飛来物防御板と、前記車体に当該飛来物防御板に形成された窓を通して配置され、前記飛来物防御板よりも突出しているエネルギー吸収部材とを備えたこと、を特徴としている。
【0012】
この発明によれば、飛来物防御板に窓を開け、エネルギー吸収部材をその窓に貫通させて運転台内から飛来物防御板の先まで延びる形態に配置することにより、高吸収容量のエネルギー吸収部材を、車体に設けられる運転台のスペースを利用して効率良く配置することができる。また、飛来物防御板を含むクラッシャブルゾーンの梁部材を強固に設置し、サバイバルゾーンに連結させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、輸送機器の先頭部の長さを可及的に短くすることができるとともに、エネルギーの吸収、飛来物衝突時の防御や、通常運用時の荷重の支持について、満足できる輸送機器におけるエネルギー吸収構造を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
輸送機器を鉄道車両としたときに、本発明を鉄道車両構体に対して適用した場合の第一実施例について、図1から図4を参照して説明する。
【0015】
まず、図1を参照して鉄道車両構体の構造を説明する。鉄道車両構体1は、屋根を形成する屋根構体2、車体長手方向に対して両端を閉鎖する面を形成する妻構体3、車体長手方向に対して左右の面を形成する側構体4、及び床面を形成する台枠5から構成されている。台枠5は長手方向の圧縮荷重に対して剛性が大きい。側構体4には窓や出入口の開口が形成されている。このような基本構造を持つ鉄道車両構体1は、衝突時に乗員・乗客の生命を保護するサバイバルゾーン10と、衝突時に生じるエネルギーを吸収するクラッシャブルゾーン11とによって構成されている。サバイバルゾーン10のクラッシャブルゾーン11寄りの端部には、屋根構体2、側構体4及び台枠5の各端部で囲まれる開口部20が形成されている。また、クラッシャブルゾーン11には、列車を運転するために運転士等の乗務員が搭乗する運転台25が配置されている。
【0016】
クラッシャブルゾーン11は、車両の長手方向の両端部に設置され、サバイバルゾーン10を車両の長手方向に挟み込むように配置されている。本図では運転台25を有する車両を用いて構造を説明したが、運転台25を有さない車両でも、クラッシャブルゾーン11とサバイバルゾーン10の相対的な配置は変わらない。
【0017】
クラッシャブルゾーン11aには、運転台25の進行方向端部に、面内の向きを進行方向直角方向とした平板状の飛来物防御板50が配置されている。クラッシャブルゾーン11aには、また、2つのエネルギー吸収部材100,100が飛来物防御板50を貫通して且つ車幅方向に隔置して配置されている。
【0018】
図2において、クラッシャブルゾーン11を構成する主な部材は、飛来物防御板50、梁部材60、及びエネルギー吸収部材100,100である。各エネルギー吸収部材100はサバイバルゾーン10と強固に連結されており、レール方向(車体長手方向)に沿って車体の先端に向けて配置されている。エネルギー吸収部材100,100は、車体幅方向の両端側にある。飛来物防御板50は、梁部材60によりサバイバルゾーン10の端部の垂直な柱20に強固に連結されている。梁部材60は、床側の水平梁部分60aと、水平梁部分60aに平行で中間高さに配置された水平梁部分60bとを含んでおり、水平梁部分60a,60bの根元側がサバイバルゾーン10の開口部25において強固に連結され、先端部が飛来物防御板50に連結されている。水平梁部分60bと飛来物防御板50の連結部分と、サバイバルゾーン10の開口部25上端との間が、梁部材60の傾斜梁部分60cによって連結されている。
【0019】
サバイバルゾーン10の最もクラッシャブル構造寄りの端部を基準にすると、飛来物防御板50先端までの距離はL1であり、サバイバルゾーン10からエネルギー吸収部材100先端までの距離はL2である。ここで、L1<L2である。このため、エネルギー吸収部材100は、構体から飛来物防御板50に形成された窓40を通り抜けて配置されている。エネルギー吸収部材100と飛来物防御板50の接続は、エネルギー吸収部材100が変形してエネルギーを吸収する際の挙動(圧潰)を拘束しない程度に実施されている。前記圧潰とは、衝撃荷重によって、全体座屈することなく、エネルギー吸収部材100の軸方向に徐々に蛇腹状に小さくつぶれることを言う。前記実施とは、接続しないことを含む。
【0020】
エネルギー吸収部材100は、外形が異なる二つの構造体100a,100bを車体長手方向に連結して配置して構成されている。すなわち、最も先端部に配置されているエネルギー吸収部材100aの外形は、構体側に隣接して設置されたエネルギー吸収部材100bと比較して小さい。エネルギー吸収部材100bは、連結部材80を介してサバイバルゾーン10に連結されている。
【0021】
図3に、運転台を配置したクラッシャブルゾーン11aを車両長手方向端部から見た図を示す。エネルギー吸収部材100,100は飛来物防御板50を貫通して突出しており、両者の間にはシール材30が塗られており、隙間からの水の侵入を阻止する。シール材30は、エネルギー吸収部材100が衝突時に変形してエネルギーを吸収する際にその挙動を拘束しない程度の強度を持つ。
【0022】
図4に、以上の第一実施例を従来の実施例と比較して示す。(a)に示す従来の実施例1では、エネルギー吸収部材91は、飛来物防御板50の先端に装着されている。(b)に示す従来の実施例2では、エネルギー吸収部材92は、飛来物防御板50とサバイバルゾーンの間に設置されている。一方、(c)に示す本発明の第一実施例では、エネルギー吸収部材100は、サバイバルゾーンから飛来物防御板50を突き抜けて車両長手方向の先端に至るまで装着されている。
【0023】
かかる構成において、本発明を適用したクラッシャブルゾーンが衝突した場合のエネルギー吸収部材と飛来物防御板の相対関係を図5に示す。(a)状態1は、衝突前の状態を示す。(b)状態2は、衝突が始まってまもなくの状態を示す。車体構造として最初に接触を開始するのは、先頭に存在するエネルギー吸収部材100aである。シール材30は、先端側のエネルギー吸収部材100aと飛来物防御板50との間にある。このとき、先端側のエネルギー吸収部材100aの断面積は、根元側のエネルギー吸収部材100bの断面積と比較して小さいので、先端側のエネルギー吸収部材100aが局部変形を開始する。(c)状態3は、状態2から更に衝突が進んだ状態を示す。状態2から更に衝突が進みエネルギー吸収部材100aが変形を進めると、飛来物防御板50とエネルギー吸収部材100aを接続しているシール材30が破断する。これにより、飛来物防御板50に衝突に起因した直接の荷重はまったく作用なく、衝突に起因した荷重はエネルギー吸収部材100のみに作用する。このため、エネルギー吸収部材100aの変形が進み、エネルギー吸収部材100aは変形する余地がなくなるまで変形する。その後、エネルギー吸収部材100bが変形を開始する。(d)状態4は、これ以上変形の余地がなくなるまで変形が進んだ状態を示す。このとき、エネルギー吸収部材100の潰れ残り量L3は、L2と比較して長いので、エネルギー吸収部材100の変形が終了した後にもエネルギー吸収部材100の先端は飛来物防御板50よりも先端に突出しており、エネルギー吸収部材100に衝突した障害物によって飛来物防御板50が変形するのを回避することができる。
【0024】
以上のように、飛来物防御板50よりも先端に配置されたエネルギー吸収部材100aと、運転台25の空間に配置されたエネルギー吸収部材100bとの双方が変形するように、変形はエネルギー吸収部材100にのみに生じるので、乗務員が搭乗する運転台25の空間は潰れずに残る。また、シール材30により、エネルギー吸収部材100と飛来物防御板50が接続されているので、エネルギー吸収部材100については、車両運行中の振動が低減されると同時に、全体座屈することを防止することができる。このため、エネルギー吸収部材100は小さく蛇腹状に座屈し、大きな荷重を吸収できる。
【0025】
先端の妻構体3の前方には妻構体3、及びエネルギー吸収部材100を覆うカバーがある。このカバーは見かけ上のカバーである。飛来物防御板50、部材60a、60b、60cからなるものは強度カバーと言える。
【0026】
本発明について、鉄道車両構体に対して適用した場合の第二実施例を、図6を参照して説明する。飛来物防御板50及び梁部材60の構造は第一実施例の場合と同じである。ここでは、第一実施例と異なるエネルギー吸収部材200について述べる。飛来物防御板50より先端に配置したエネルギー吸収部材200は上下二段に構成されている。上下二段に構成された部分は、上段側にはエネルギー吸収部材部分200c、200dが配置されており、下段側にはエネルギー吸収部材部分200e、200fが配置されている。エネルギー吸収部材部分200c,200dは車体長手方向に並んで接続されている。また、エネルギー吸収部材部分200e,200fも車体長手方向に並んで接続されている。エネルギー吸収部材部分200d,200fは、ともにエネルギー吸収部材200gに接続している。また、エネルギー吸収部材200gはエネルギー吸収部材200hに接続しており、エネルギー吸収部材200hは連結部材80を介してサバイバルゾーン10に強固に連結されている。ここで、サバイバルゾーン10の最もクラッシャブル構造寄りの端部を基準にすると、飛来物防御板50先端までの距離はL10であり、サバイバルゾーン10からエネルギー吸収部材部分200eの先端までの距離はL11であり、エネルギー吸収部材部分200cの先端までの距離はL12である。ここで、L10<L11<L12である。
【0027】
更に、エネルギー吸収部材が変形し終わったときのサバイバルゾーン10の最もクラッシャブル構造寄りの端部からの距離は、エネルギー吸収部材部分200cについてはL120、エネルギー吸収部材200dについてはL110とする。この場合、L10<L110<L120である。
【0028】
かかる構成において、障害物と衝突する際には、サバイバルゾーン10の最もクラッシャブル構造寄りの端部からの距離がもっとも長い上段側のエネルギー吸収部材部分200cが最初に変形を開始する。更に変形が進むと、下段側のエネルギー吸収部材部分200eが変形を開始する。このような変形モードとなることから、第一実施例に述べたのと同様の効果を得ることができると同時に、圧壊開始する際に生じるピーク荷重を低減することができる。すなわち、上段側のエネルギー吸収部材部分200cと下段側のエネルギー吸収部材部分200eが変形を開始するタイミングが異なることにより、ピーク荷重が生じるタイミングが異なるので、トータルとしてピーク荷重が低減される。
【0029】
本発明を鉄道車両構体に対して適用した場合の第三実施例を図7によって説明する。飛来物防御板50及び梁部材60の構造は第二実施例と同じである。ここでは、先の各実施例と区別するために、エネルギー吸収部材に関して300台の符号を用いているが、第二実施例と比較してエネルギー吸収部材の配置高さが異なる以外に相違するところはないので、それ以外の点についての説明を省略する。エネルギー吸収部材300の配置高さについては、上段側に配置されたエネルギー吸収部材部分300c、300dは、床面高さよりも高い位置に配置され、下段側に配置されたエネルギー吸収部材部分300e、300fは床面よりも低い位置に配置されている。
【0030】
かかる構成において、障害物に衝突した場合、エネルギー吸収部材300c,300eの荷重は、台枠5に伝達される。エネルギー吸収部材300c,300eは台枠5の上下方向の中心にあるので、台枠5を曲げることはない。
【0031】
本発明を鉄道車両構体に対して適用した場合の第四実施例を図8を参照して説明する。飛来物防御板50及び梁部材60の構造は第一実施例と同じである。ここでは、第一実施例と異なる梁部材460について述べる。飛来物防御板50とサバイバルゾーンを連結する梁部材460は、460a,460b,460cが存在する。これら梁部材460とサバイバルゾーン10の高さ方向の連結位置は、サバイバルゾーン10の最もクラッシャブルゾーン11a寄りに設けられた開口部400である出入り口が存在する中間高さには存在しない。
【0032】
かかる構成において、飛来物防止板50に荷重が作用しても、荷重はサバイバルゾーン10の最もクラッシャブルゾーン寄りに設けられた開口部25の中間高さには伝わることがない。台枠5に伝達される。このため、高い荷重が作用した場合でも、開口部25が変形することはなくなり、容易な脱出を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】鉄道車両の斜視図である。
【図2】本発明を適用した鉄道車両の側面図である。
【図3】本発明を適用した鉄道車両の正面図である。
【図4】本発明を適用した鉄道車両を従来の実施例を適用した鉄道車両と比較して示した側面図である。
【図5】本発明を適用した鉄道車両が衝突した際の変形の概要を示す側面図である。
【図6】本発明を適用した鉄道車両の側面図である。
【図7】本発明を適用した鉄道車両の側面図である。
【図8】本発明を適用した鉄道車両の側面図である。
【符号の説明】
【0034】
1…鉄道車両構体
2…屋根構体
3…妻構体
4…側構体
5…台枠
6…側梁
10…サバイバルゾーン
11…クラッシャブルゾーン
20…開口部
25…運転台
30…シール部材
40…窓
50…飛来物防御板
60,460…梁部材
80…連結部材
100,200,300…エネルギー吸収部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の前方位置に運転台を備えた輸送機器において、前記運転台の進行方向端部に配置され且つ面内の向きを進行方向直角方向とした平板状の飛来物防御板と、前記車体に当該飛来物防御板に形成された窓を通して配置され、前記飛来物防御板よりも突出しているエネルギー吸収材とを備えたこと、
を特徴とする輸送機器におけるエネルギー吸収構造。
【請求項2】
請求項1に記載の輸送機器におけるエネルギー吸収構造において、
前記エネルギー吸収材は、前記飛来物防御板に対して、前記窓に設けられている接続シール材によって接続されていること、
を特徴とする輸送機器におけるエネルギー吸収構造。
【請求項3】
請求項1に記載の輸送機器におけるエネルギー吸収構造において、
前記エネルギー吸収材がその最大圧潰時に占める先端位置は前記飛来物防御板よりも前方の位置に設定されていること、
を特徴とする輸送機器におけるエネルギー吸収構造。
【請求項4】
請求項1に記載の輸送機器におけるエネルギー吸収構造において、
前記エネルギー吸収材の少なくとも前記飛来物防御板より先端に突出している部分は、上下二段のエネルギー吸収部材部分に分割されており、
両者の先端側は一方が他方より突出していること、
を特徴とする輸送機器におけるエネルギー吸収構造。
【請求項5】
請求項1に記載の輸送機器におけるエネルギー吸収構造において、
前記エネルギー吸収部材の少なくとも前記飛来物防御板よりも突出している部分は、上下二段のエネルギー吸収部材部分に分割されており、
前記上下二段の前記エネルギー吸収部材部分は前記車体の台枠の垂直方向の中心位置を中心として上下に配置されていること、
を特徴とする輸送機器におけるエネルギー吸収構造。
【請求項6】
請求項1に記載の輸送機器において、
前記飛来物防御板の前方に輸送機を覆うカバーがあること、
を特徴とする輸送機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2007−302081(P2007−302081A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−131260(P2006−131260)
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】