説明

輸送機器用骨格構造

【課題】加振装置などの大掛かりな装置を用いることなく骨格部材内に粉粒体を充填することができ、かつ、骨格部材の内周面に塗料を塗布することができる輸送機器用骨格構造を提供する。
【解決手段】輸送機器用骨格構造10は、粉粒体23を粗に収納した状態で、骨格部材12に対して所定間隔Sをおいて中空部34に収納可能で、かつ、粗の粉粒体23を密にしたとき内周面12aに接する容器13と、複数個の粉粒体23を粗に収納した状態で、容器13を骨格部材12に対して所定間隔Sをおいて保持可能なクリップ25と、を備える。輸送機器用骨格構造10は、骨格部材12の内周面12aと容器13との間の空間46に、内周面12aを塗布する塗料35を導入可能としたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝撃が作用した際に、圧縮応力が発生する部位と引張応力が発生する部位とを備えた輸送機器用骨格構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両などの輸送機器は、剛性を確保するために、中空状の骨格部材を備えている。この中空状の骨格部材のなかには、例えば、内部(すなわち、中空部)に粉粒体を充填させた輸送機器用骨格構造が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−267260公報
【0003】
特許文献1の輸送機器用骨格構造は、骨格部材の中空部に粉粒体を充填し、両端を平板状の隔壁で閉じたものである。これにより、骨格部材に荷重が作用したときに、粉粒体で吸収エネルギーを高めることができる。
さらに、輸送機器用骨格構造は、骨格部材の中空部に粉粒体を充填することで、衝突時の吸収エネルギーを高めるとともに、骨格部材の強度・剛性を高めることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、骨格部材は防錆のために、骨格部材の内面にも塗装を施す必要がある。しかし、骨格部材の中空部に複数個の粉粒体が充填されている場合、骨格部材の内周面に塗料を塗布することができない。
そこで、骨格部材の中空部に複数個の粉粒体を充填する前に、骨格部材の内周面に塗料を塗布する必要がある。
【0005】
ここで、骨格部材は、例えば、断面略コ字状の2部材をスポット溶接などで接合して中空状の筒体に組み付けられている。このため、骨格部材を組み付けた後に、骨格部材内に複数個の粉粒体を充填させることは困難である。
そこで、骨格部材を2部材で組み立てる前に、2部材のうちの一方の部材に複数個の粉粒体を配置し、その後、一方の部材に他方の部材を接合することで、骨格部材内に複数個の粉粒体を充填させている。
【0006】
一方、輸送機器、例えば自動車は、骨格部材を組み立てた後、骨格部材に塗料を塗布している。
よって、骨格部材の内周面に塗料を塗布した後に粉粒体を充填するためには、筒体に形成された骨格部材内に複数個の粉粒体を充填させる必要がある。
このため、骨格部材内に粉粒体を充填し難くなり、自動車の全体を振動させる加振装置など大掛かりな装置が必要となる。
【0007】
本発明は、加振装置などの大掛かりな装置を用いることなく骨格部材内に粉粒体を充填することができ、かつ、骨格部材の内周面に塗料を塗布することができる輸送機器用骨格構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、輸送機器に用いられる骨格部材内に中空部が形成され、前記中空部の少なくとも一部に複数個の粉粒体が充填され、充填された粉粒体の両端をそれぞれ隔壁で支える輸送機器用骨格構造において、前記複数個の粉粒体を収納可能な容器と、前記容器を前記骨格部材の内周面に対して所定間隔をおいて保持可能な保持部材と、を備え、前記骨格部材の内周面と前記容器との間の空間に、前記内周面を塗布する塗料を導入可能としたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、輸送機器に用いられる骨格部材内に中空部が形成され、前記中空部の少なくとも一部に複数個の粉粒体が密に充填され、密に充填された粉粒体の両端をそれぞれ隔壁で支える輸送機器用骨格構造において、前記複数個の粉粒体を粗に収納した状態で、前記骨格部材の内周面に対して所定間隔をおいて前記中空部に収納可能で、かつ、前記粗の粉粒体を密にしたとき前記内周面に接する容器と、前記複数個の粉粒体を粗に収納した状態で、前記容器を前記骨格部材の内周面に対して所定間隔をおいて保持可能な保持部材と、を備え、前記骨格部材の内周面と前記容器との間の空間に、前記内周面を塗布する塗料を導入可能としたことを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明において、前記保持部材は、クリップであることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、前記容器の両端にそれぞれ隔壁を設け、前記各隔壁に、前記塗料を前記中空部に導く第1透孔が形成されたことを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、前記容器は熱軟化材料で形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明は、前記容器と前記粉粒体との間に発泡材を設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項7に係る発明は、前記容器と対向する前記骨格部材に第2透孔が形成され、この第2透孔と前記容器との間に板材が設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1、請求2に係る発明では、複数個の粉粒体を収納する容器を備えた。そして、この容器を保持部材で保持することで、容器を骨格部材の内周面に対して所定間隔をおいて保持するようにした。
骨格部材の内周面と容器との間の空間に塗料を導入させて、内周面に塗料を塗布することができる。
【0016】
よって、骨格部材の内周面に塗料を塗布する前工程において、粉粒体を骨格部材に収納することが可能になる。これにより、骨格部材を組み付ける前工程において、粉粒体を収納位置に配置し、その後、骨格部材を一体に組み付けることができる。
したがって、従来技術で説明した加振装置などの大掛かりな装置を用いることなく骨格部材内に粉粒体を充填することができ、かつ、骨格部材の内周面に塗料を塗布することができるという利点がある。
【0017】
請求項3に係る発明では、保持部材としてクリップを用いた。クリップは、例えば、自動車などの生産工程で通常用いられる既存の部材である。
これにより、保持部材を容易に入手することができるので、輸送機器用骨格構造のコストを抑えることができるという利点がある。
【0018】
請求項4に係る発明では、容器の両端に隔壁を設けることで、複数個の粉粒体を支えることができる。
よって、骨格部材に荷重が作用したとき、隔壁で粉粒体を密閉状態に保持することができる。これにより、粉粒体内部に発生する圧力により、衝撃を良好に吸収することができ、吸収エネルギーを高めることができるという利点がある。
【0019】
さらに、隔壁に第1透孔を形成したので、第1透孔から塗料を中空部に導くことができる。
これにより、骨格部材の内周面と容器との間の空間に塗料を良好に導入させて、内周面に塗料を良好に塗布することができるという利点がある。
【0020】
請求項5に係る発明では、容器を熱軟化材料で形成することで、例えば、骨格部材の内周面に塗布した塗料を乾燥する際に、乾燥する熱で容器を変形させることができる。
これにより、容器を、中空部に馴染むように変形させて、複数個の粉粒体を中空部全域に良好に充填させることができるという利点がある。
ここで、熱軟化材料とは、熱を加えることにより軟化する材料をいう。一例として、ポリプロピレン(PP)やポリエチレンテレフタレート(PET)などの熱可塑性樹脂が該当する。
【0021】
請求項6に係る発明では、容器と粉粒体との間に発泡材を設けた。よって、発泡材を発泡させることで、骨格部材に荷重が作用する前段階において、発泡材で粉粒体に押付力(すなわち、初期圧)を作用させることができる。
これにより、骨格部材内に充填した粉粒体で、輸送機器用骨格構造の強度・剛性を高めることができるという利点がある。
【0022】
請求項7に係る発明では、容器と対向する骨格部材に第2透孔を形成した。骨格部材に第2透孔を形成したので、第2透孔から塗料を中空部に導くことができる。
これにより、骨格部材の内周面と容器との間の空間に塗料を一層良好に導入させて、内周面に塗料を一層良好に塗布することができるという利点がある。
【0023】
さらに、第2透孔と容器との間に板材を設けることで、第2透孔を板材で塞ぐことができる。よって、骨格部材に荷重が作用した際に、容器内の粉粒体が第2透孔から突出することを防ぐことができる。
このように、容器内の粉粒体が第2透孔から突出することを防いで、複数個の粉粒体の吸収エネルギーを高めることができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は本発明に係る輸送機器用骨格構造(第1実施の形態)を示す斜視図である。
輸送機器用骨格構造10は、輸送機器11としての自動車に用いられる骨格部材12と、骨格部材12内に設けられた容器13と、容器13内の左壁(左端)14(図2参照)に設けられた発泡材としての左発泡材21と、容器13内の右壁(右端)15(図2参照)に設けられた発泡材としての右発泡材22と、容器13内で、かつ左右の発泡材21,22間にブロック状に充填された複数個の粉粒体23と、容器13を骨格部材12に係止する保持部材としてのクリップ25(図2参照)と、容器13の左壁14に対向させて設けられた左隔壁(隔壁)26と、容器13の右壁15に対向させて設けられた右隔壁(隔壁)27とを備える。
【0025】
骨格部材12は、下半分を構成する下側部材31と、上半分を構成する上側部材32とを接合することで矩形状の筒体に形成された部材である。
下側部材31は、断面略コ字状に形成され、左側に張り出した左下フランジ31aと、右側に張り出した右下フランジ31bとを有する。
上側部材32は、断面略コ字状に形成され、左側に張り出した左上フランジ32aと、右側に張り出した右上フランジ32bとを有する。
【0026】
下側部材31の左下フランジ31aと、上側部材32の左上フランジ32aとが、例えば、スポット溶接で接合されている。
同様に、下側部材31の右下フランジ31bと、上側部材32の右上フランジ32bとが、例えば、スポット溶接で接合されている。
【0027】
左下フランジ31aと左上フランジ32aとを接合するとともに、右下フランジ31bと右上フランジ32bとを接合することで、下側部材31および上側部材32が一体に連結されて骨格部材12が形成される。
骨格部材12は、断面略矩形状に形成され、内周面12aで中空部34が形成された筒状の部材である。
骨格部材12の内周面12aには塗料35が塗布されている。
【0028】
図2は第1実施の形態に係る輸送機器用骨格構造を示す断面図、図3は発泡材を膨張させる前の輸送機器用骨格構造を示す断面図である。
容器13は、熱軟化材料で断面略矩形状に形成され、クリップ25で骨格部材12内に係止されている。
熱軟化材料は、熱を加えることにより軟化する材料であり、一例として、ポリプロピレン(PP)やポリエチレンテレフタレート(PET)などの熱可塑性樹脂が該当する。
この容器13の内部には、左壁14に隣接させて左発泡材21が収納され、右壁15に隣接させて右発泡材22が収納され、左右の発泡材21,22間に粉粒体23…が充填されている。
【0029】
容器13は、図3に示すように左右の発泡材21,22が膨張(発泡)する前の状態において、複数個の粉粒体23を粗に収納可能で、かつ、図2に示すように左右の発泡材21,22が膨張されるとともに、容器13を熱軟化させることで、複数個の粉粒体23を密に充填可能に形成されている。
【0030】
さらに、容器13は、図3に示すように複数個の粉粒体23を粗に収納した状態で、骨格部材12の内周面12aに対して所定間隔Sをおいて中空部34に収納可能で、かつ、図2に示すように左右の発泡材21,22を膨張させて粉粒体23…を密にしたとき内周面12aに接触可能に変形するものである。
【0031】
具体的には、左右の発泡材21,22を熱(温度変化)で膨張させるとき、その熱で容器13が軟化して変形する。
容器13が変形することで、容器13を骨格部材12の内周面12aに馴染ませて、複数個の粉粒体23を中空部34の少なくとも一部34aに全域に亘って良好に充填させることができる。
【0032】
複数個の粉粒体23は、中空部34の少なくとも一部34aにブロック状に充填されたものである。
複数個の粉粒体23がブロック状に充填されることで、粉粒体ブロック24が形成される。
【0033】
粉粒体23…は、骨格部材12に荷重が作用して骨格部材12が変形したとき、粉粒体23内部に圧力を発生させて、荷重(衝撃エネルギー)を吸収するものである。
さらに、粉粒体23は、骨格部材12に充填されることで、骨格部材12の強度・剛性を高めるものである。
【0034】
粉粒体23としては、例えば、二酸化けい素(SiO)、酸化アルミニウム(Al:アルミナ)、シリカアルミナ、樹脂、ガラス、陶磁器が好適である。
【0035】
容器13内の左壁14と粉粒体ブロック24の左端(両端のうちの一端)24a間に左発泡材21が設けられている。
左発泡材21は、内部に略球形の独立した多数の気泡が存在する多孔材料である。左発泡材21を加熱(温度変化)することで、気泡が膨張(発泡)して左発泡材21の体積が増加する。
【0036】
容器13内の右壁15と粉粒体ブロック24の右端(両端のうちの他端)24b間に右発泡材22が設けられている。
右発泡材22は、左発泡材21と同様に、内部に略球形の独立した多数の気泡が存在する多孔材料である。右発泡材22を加熱(温度変化)することで、気泡が膨張(発泡)して右発泡材22の体積が増加する。
【0037】
左右の発泡材21,22を発泡させることで、骨格部材12に荷重が作用する前段階において、粉粒体23…に押付力(すなわち、初期圧)を作用させることができる。
これにより、骨格部材内に充填した粉粒体で、輸送機器用骨格構造の強度・剛性を高めることができる。
【0038】
左右の発泡材21,22および粉粒体23…を収納した容器13は、クリップ25で骨格部材12に係止されている。
クリップ25は、骨格部材12の下半分を構成する下側部材31のうち、下壁37に設けられた取付孔37aに係止可能な部材である。クリップ25は、例えば、自動車などの生産工程で通常用いられる既存の樹脂製クリップが用いられる。
既存のクリップを用いることで、保持部材を容易に入手することができ、輸送機器用骨格構造10のコストを抑えることができる。
【0039】
クリップ25は、一例として、容器13の底壁17に設けられた頭部41と、頭部41から下方に延びた係止軸42と、係止軸42の途中に設けられた拡径部43と、係止軸42の先端部に設けられた係止爪44とを有する。
【0040】
下壁37の取付孔37aに係止爪44を係止させることで、係止爪44および拡径部43でクリップ25が下壁37に取り付けられる。この状態で、拡径部43は下壁37の内周面12aに当接している。
ここで、容器13は熱軟化材料で形成されている。よって、左右の発泡材21,22を膨張させるとともに容器13を加熱することで、図2に示すように、容器13の底壁17が拡径部43に倣って変形して下壁37の内周面12aに当接される。
【0041】
一方、図3に示すように、左右の発泡材21,22や容器13が熱で変形する前の状態(すなわち、容器13内に粉粒体23…を粗に収納した状態)においては、容器13の底壁17が拡径部43で支えられる。
これにより、容器13は、下壁37が下壁37の内周面12aに対して拡径部43の厚さ寸法(所定間隔)Sだけ浮かせた状態に保たれる。
さらに、容器13の両側壁(図示せず)および頂壁16が、骨格部材12の内周面12aに対して所定間隔Sだけ離れた状態に保たれる。
【0042】
すなわち、容器13は、周壁全体が骨格部材12の内周面12aに対して所定間隔Sだけ離れた状態に保たれる。
容器13の周壁および骨格部材12の内周面12aで、中空部34の一部34aに矩形筒状の空間(空間)46が形成される。
【0043】
矩形筒状の空間46は、骨格部材12の内周面12aを塗布する塗料35(図2参照)が導入可能な空間である。
容器13の周壁全体を骨格部材12の内周面12aに対して所定間隔Sだけ離した理由は、図5(a)で詳しく説明する。
【0044】
容器13の左壁14に隣接させて左隔壁26が設けられている。
左隔壁26は、左壁14を介して左発泡材21に対向する略矩形状の平坦部51と、平坦部51の周縁52に設けられた上下左右の取付片53〜56(右取付片56は図1参照)とを有する。
【0045】
平坦部51には、周縁52の近傍に第1透孔58…(図1も参照)が形成されている。
第1透孔58…は、図2に示すように、左右の発泡材21,22を膨張させるとともに容器13を加熱させたとき、容器13の左壁14で塞がれた状態に保たれる。
【0046】
一方、図3に示すように、左右の発泡材21,22や容器13が熱で変形する前の状態(すなわち、容器13内に粉粒体23…を粗に収納した状態)において、第1透孔58…は、矩形状の空間46に開口する。
左隔壁26に第1透孔58…を形成することで、骨格部材12の内周面12aを塗布する塗料35を第1透孔58…を介して矩形状の空間46に導くことができる。
第1透孔58…を矩形状の空間46に開口させる理由は、図5(a)で詳しく説明する。
【0047】
左隔壁26の上取付片53は、周縁52の上部から前方に張り出した取付片である。上取付片53は、内周面12aの上部位にボルトなどの締結部材(図示せず)で取り付けられている。
下取付片54は、周縁52の下部から前方に張り出した取付片である。下取付片54は、内周面12aの下部位にスポット溶接で接合されている。
【0048】
左取付片55は、周縁52の左部から前方に張り出した取付片である。左取付片55は、内周面12aの左部位にスポット溶接で接合されている。
図1に示す右取付片56は、周縁52の右部から前方に張り出した取付片である。右取付片56は、内周面12aの右部位にスポット溶接で接合されている。
【0049】
このように、上取付片53を上部位に取り付け、下取付片54を下部位に接合し、左取付片55を左部位に接合し、右取付片56を右部位に接合することで、左隔壁26が骨格部材12に取り付けられる。
【0050】
容器13の右壁15に隣接させて右隔壁27が設けられている。
右隔壁27は、左隔壁26と同じ部材なので、各構成部に左隔壁26と同じ符号を付して説明を省略する。
【0051】
容器13の左壁14に隣接して左隔壁26を設けることで、左隔壁26で左発泡材21を支えることができる。
容器13の右壁15に隣接して右隔壁27を設けることで、右隔壁27で右発泡材22を支えることができる。
【0052】
よって、複数個の粉粒体23を、左右の発泡材21,22を介して左右の隔壁26,27で支えることができる。
これにより、骨格部材12に荷重が作用したとき、粉粒体23…を左右の隔壁26,27で密閉状態に保持することができる。したがって、粉粒体23内部に発生する圧力により吸収エネルギーを高めることができる。
【0053】
以上説明したように、輸送機器用骨格構造10は、輸送機器11に用いられる骨格部材12内に中空部34が形成され、中空部34の少なくとも一部34aに複数個の粉粒体23がブロック状に充填され、粉粒体ブロック24の左端24aを左発泡材21および左隔壁26で支えるとともに、粉粒体ブロック24の右端24bを右発泡材22および右隔壁27で支えるように構成されている。
【0054】
これにより、左右の発泡材21,22を発泡させることで、骨格部材に荷重が作用する前段階において、粉粒体23…に押付力(初期圧)を良好に発生させた状態を保つことが可能である。
したがって、骨格部材12内に充填した粉粒体23…で、輸送機器用骨格構造10の強度・剛性を高めることができる。
【0055】
加えて、左右の発泡材21,22を発泡させることで、例えば、輸送機器用骨格構造10に荷重が矢印(図2参照)の方向に作用した場合、骨格部材12内に充填した粉粒体23…を左右の発泡材21,22で密閉状態に保持することができる。
粉粒体23…を密閉状態に保持することで、粉粒体23内部に発生する圧力により、衝撃を良好に吸収することができる。
【0056】
つぎに、輸送機器用骨格構造10を組み付ける工程を図4〜図5に基づいて説明する。
図4(a),(b)は第1実施の形態に係る骨格部材内に粉粒体を収納する工程を説明する図である。
(a)において、骨格部材12の下半分を構成する下側部材31に一定間隔をおいて左右の隔壁26,27を取り付ける(接合する)。
容器13内に左右の発泡材21,22を収納するとともに、左右の発泡材21,22間に粉粒体23…を粗に収納する。
【0057】
この容器13をクリップ25で下側部材31の下壁37に係止する。容器13の底壁17は、クリップ25(具体的には、拡径部43)の厚さ寸法(所定間隔)Sだけ浮かせた状態に保たれる。
骨格部材12の上半分を構成する上側部材32を矢印Aの如く下側部材31に取り付ける(接合する)。
【0058】
(b)において、骨格部材12内に中空部34が形成され、中空部34の少なくとも一部34aに容器13が収納される。
容器13は、周壁全体が骨格部材12の内周面12aに対して所定間隔Sだけ離れた状態に保持される。
容器13の周壁および骨格部材12の内周面12aで、中空部34の一部34aに矩形筒状の空間46が形成される。
【0059】
矩形筒状の空間46は、左隔壁26の第1透孔58…を介して左隔壁26の外側空間34Cに連通されるとともに、右隔壁27の第1透孔58…を介して右隔壁27の外側空間34Dに連通される。
左隔壁26の外側空間34Cおよび右隔壁27の外側空間34Dは骨格部材12の外部に連通される。
【0060】
図5(a),(b)は第1実施の形態に係る骨格部材の内周面に塗料を塗布する工程を説明する図である。
(a)において、輸送機器用骨格構造10を塗料35内に浸漬することで、塗料35が左隔壁26の第1透孔58…を介して矢印Bの如く矩形筒状の空間46内に導入する。
同様に、塗料35が右隔壁27の第1透孔58…を介して矢印Cの如く矩形筒状の空間46内に導入する。
導入した塗料35を、骨格部材12の内周面12aに塗布することができる。
【0061】
(b)において、内周面12aに塗布した塗料35を乾燥する際に、乾燥熱で容器13を軟化させるとともに、左右の発泡材21,22を膨張させる。
容器13を骨格部材12の内周面12aに馴染ませて、粉粒体23を中空部34の少なくとも一部34a(図5(a)参照)の全域に良好に充填させることができる。
これにより、輸送機器用骨格構造10を組み付ける工程が完了する。
【0062】
以上説明したように、輸送機器用骨格構造10によれば、骨格部材12内に粉粒体23を収納した状態で、骨格部材12の内周面12aに塗料35を塗布することができる。
よって、図4(a)〜(b)に示すように、骨格部材12の内周面12aに塗料35を塗布する前工程において、粉粒体23を骨格部材12に収納することが可能になる。
【0063】
これにより、骨格部材12を組み付ける前工程において、粉粒体23…を収納位置に配置し、その後、骨格部材12を一体に組み付けることができる。
したがって、従来技術で説明した加振装置(図示せず)などの大掛かりな装置を用いることなく骨格部材12内に粉粒体23…を充填することができ、かつ、骨格部材12の内周面12aに塗料35を塗布することができる。
【0064】
以下、第2〜第5の実施の形態の輸送機器用骨格構造を図6〜図10に基づいて説明する。なお、第2〜第5の実施の形態の輸送機器用骨格構造において第1実施の形態の部材と同一類似部材については同じ符号を付して説明を省略する。
【0065】
(第2実施の形態)
図6は本発明に係る輸送機器用骨格構造(第2実施の形態)を示す断面図である。
第2実施の形態の輸送機器用骨格構造60は、骨格部材12に下壁透孔(第2透孔)62が形成され、下壁透孔62と容器13との間に底壁板材(板材)63が設けられたもので、その他の構成は第1実施の形態の輸送機器用骨格構造10と同様である。
【0066】
下壁透孔62は、下側部材31の下壁37のうち、容器13と対向する部位に形成されている。
下側部材31は、骨格部材12の下半分を構成する部材である。
底壁板材63は、容器13の底壁17のうち、下壁透孔62に対向する部位に設けられている。
【0067】
底壁板材63は、左右の発泡材21,22が膨張した状態において、下壁透孔62を塞いだ位置に保持される。
よって、例えば、輸送機器用骨格構造10に荷重が矢印の方向に作用した場合、骨格部材12内に充填した粉粒体23…を密閉状態に保持することができる。
粉粒体23…を密閉状態に保持することで、粉粒体23内部に発生する圧力により、衝撃を良好に吸収することができる。
【0068】
一方、左右の発泡材が膨張する前の状態において、図7(a)に示すように、底壁板材63は、下壁透孔62から離れた位置に保持されている。
よって、矩形筒状の空間46が下壁透孔62を介して骨格部材12の外部に連通された状態に保たれる。
【0069】
つぎに、第2実施の形態の輸送機器用骨格構造60を組み付ける工程を図7に基づいて説明する。
図7(a),(b)は第2実施の形態に係る輸送機器用骨格構造の組付工程を説明する図である。
(a)において、骨格部材12内に中空部34が形成され、中空部34の少なくとも一部34aに容器13が収納される。
容器13は、周壁全体が骨格部材12の内周面12aに対して所定間隔Sだけ離れた状態に保持される。
よって、底壁板材63を下壁透孔62から離れた位置に保持することができる。
【0070】
容器13の周壁および骨格部材12の内周面12aで、中空部34の一部34aに矩形筒状の空間46が形成される。
矩形筒状の空間46は、左隔壁26の第1透孔58…を介して左隔壁26の外側空間34Cに連通されるとともに、右隔壁27の第1透孔58…を介して右隔壁27の外側空間34Dに連通される。
【0071】
左隔壁26の外側空間34Cおよび右隔壁27の外側空間34Dは骨格部材12の外部に連通される。
さらに、矩形筒状の空間46が下壁透孔62を介して骨格部材12の外部に連通される。
【0072】
よって、輸送機器用骨格構造60を塗料35内に浸漬することで、塗料35が左隔壁26の第1透孔58…を介して矢印Bの如く矩形筒状の空間46内に導入する。
同様に、塗料35が右隔壁27の第1透孔58…を介して矢印Cの如く矩形筒状の空間46内に導入する。
【0073】
同時に、下壁透孔62を介して矢印Dの如く矩形筒状の空間46内に導入する。
このように、塗料35を第1透孔58…および下壁透孔62を介して矩形筒状の空間46内に導入することで、矩形筒状の空間46に塗料35を良好に導入させて、内周面12aに塗料を一層良好に塗布することができる。
【0074】
(b)において、塗料を乾燥する際に、乾燥熱で容器13を軟化させるとともに、左右の発泡材21,22を膨張させる。
容器13を骨格部材12の内周面12aに馴染ませて、粉粒体23を中空部34の少なくとも一部34a(図7(a)参照)の全域に良好に充填させることができる。
この際に、容器13の底壁17が、骨格部材12の下壁37に押し付けられる。よって、底壁板材63が下壁透孔62を塞いだ位置に保持される。
これにより、輸送機器用骨格構造60を組み付ける工程が完了する。
【0075】
以上説明したように、第2実施の形態の輸送機器用骨格構造60によれば、第1実施の形態の輸送機器用骨格構造10と同様の効果を得ることができる。
【0076】
さらに、第2実施の形態の輸送機器用骨格構造60によれば、骨格部材12に下壁透孔62を形成することで、塗料35を第1透孔58…および下壁透孔62を介して矩形筒状の空間46内に導入することで、矩形筒状の空間46に塗料35を良好に導入させて、内周面12aに塗料35を一層良好に塗布することができる。
【0077】
加えて、第2実施の形態の輸送機器用骨格構造60によれば、容器13の底壁17に底壁板材63を設けることで、左右の発泡材21,22を膨張させたとき、底壁板材63で下壁透孔62を塞ぐことができる。
よって、骨格部材12に荷重が作用した際に、粉粒体23…が下壁透孔62から突出することを防ぐことができる。
このように、粉粒体23…が下壁透孔62から突出することを防いで、粉粒体23…の吸収エネルギーを確保することができる。
【0078】
(第3実施の形態)
図8は本発明に係る輸送機器用骨格構造(第3実施の形態)を示す断面図である。
第3実施の形態の輸送機器用骨格構造70は、骨格部材12の上壁36に上壁透孔(第2透孔)72が形成され、上壁透孔72と容器13との間に頂壁板材(板材)73が設けられたもので、その他の構成は第2実施の形態の輸送機器用骨格構造60と同様である。
【0079】
上壁透孔72は、上側部材32の上壁36のうち、容器13の頂壁16と対向する部位に形成されている。
上側部材32は、骨格部材12の上半分を構成する部材である。
頂壁板材73は、容器13の頂壁16のうち、上壁透孔72に対向する部位に設けられている。
【0080】
よって、輸送機器用骨格構造70を塗料35内に浸漬することで、塗料35を第1透孔58…および下壁透孔62を介して矩形筒状の空間46内に導入するとともに、上壁透孔72を介して矩形筒状の空間46内に導入することができる。
これにより、矩形筒状の空間46に塗料35を良好に導入させて、内周面12aに塗料35を一層良好に塗布することができる。
【0081】
さらに、容器13の頂壁16に頂壁板材73を設けることで、左右の発泡材21,22を膨張させたとき、頂壁板材73で上壁透孔72を塞ぐことができる。
よって、骨格部材12に荷重が作用した際に、粉粒体23…が上壁透孔72から突出することを防ぐことができる。
このように、粉粒体23…が上壁透孔72から突出することを防いで、粉粒体23…の吸収エネルギーを確保することができる。
【0082】
加えて、第3実施の形態の輸送機器用骨格構造70によれば、第2実施の形態の輸送機器用骨格構造60と同様の効果を得ることができる。
【0083】
(第4実施の形態)
図9は本発明に係る輸送機器用骨格構造(第4実施の形態)を示す断面図である。
第4実施の形態の輸送機器用骨格構造80は、骨格部材12の一方の側壁38に一方の側壁透孔(第2透孔)82,82が形成され、一方の側壁透孔82,82と容器13との間に一方の側壁板材(板材)85が設けられ、骨格部材12の他方の側壁39に他方の側壁透孔(第2透孔)83,83が形成され、他方の側壁透孔83,83と容器13との間に他方の側壁板材(板材)86が設けられたもので、その他の構成は第1実施の形態の輸送機器用骨格構造10と同様である。
【0084】
よって、輸送機器用骨格構造80を塗料35内に浸漬することで、塗料35を一方の側壁透孔82,82および他方の側壁透孔83,83を介して矩形筒状の空間46内に導入することができる。
これにより、矩形筒状の空間46に塗料35を良好に導入させて、内周面12aに塗料35を一層良好に塗布することができる。
【0085】
さらに、容器13の一方の側壁18に一方の側壁板材85を設けることで、図2に示す左右の発泡材21,22を膨張させたとき、一方の側壁板材85で一方の側壁透孔82,82を塞ぐことができる。
同様に、容器13の他方の側壁19に他方の側壁板材86を設けることで、図2に示す左右の発泡材21,22を膨張させたとき、他方の側壁板材86で他方の側壁透孔83,83を塞ぐことができる。
【0086】
(第5実施の形態)
図10は本発明に係る輸送機器用骨格構造(第5実施の形態)を示す断面図である。
第5実施の形態の輸送機器用骨格構造90は、第4実施の形態の一方の壁板材85および他方の壁板材86をそれぞれ一方の壁板材92および他方の壁板材93に代えたもので、その他の構成は第4実施の形態の輸送機器用骨格構造80と同様である。
【0087】
一方の壁板材92および他方の壁板材93は、容器13を成形する際に、頂壁16や底壁17に一体成形されたものである。
容器を成形する際に、一方の壁板材92および他方の壁板材93を一体成形することができるので、一方の壁板材92および他方の壁板材93を取り付ける工程を省くことができる。
これにより、製造工程の簡略化を図ることができ、生産性の向上を図ることができる。
【0088】
なお、前記第1〜第4の実施の形態では、輸送機器用骨格構造10,60,70,80,90を適用する輸送機器11として自動車を例示したが、これに限らないで、輸送機器用骨格構造10,60,70,80,90を鉄道、船舶、航空機、オートバイなどの他の輸送機器に適用することも可能である。
【0089】
また、前記第1〜第4の実施の形態では、左右の発泡材21,22を加熱(温度変化)により膨張(発泡)する部材として説明したが、これに限らないで、マイクロウエーブや化学反応などで膨張(発泡)する発泡材を用いることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、骨格部材内に粉粒体を充填した輸送機器用骨格構造を備えた自動車などへの適用に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明に係る輸送機器用骨格構造(第1実施の形態)を示す斜視図である。
【図2】第1実施の形態に係る輸送機器用骨格構造を示す断面図である。
【図3】発泡材を膨張させる前の輸送機器用骨格構造を示す断面図である。
【図4】第1実施の形態に係る骨格部材内に粉粒体を収納する工程を説明する図である。
【図5】第1実施の形態に係る骨格部材の内周面に塗料を塗布する工程を説明する図である。
【図6】本発明に係る輸送機器用骨格構造(第2実施の形態)を示す断面図である。
【図7】第2実施の形態に係る輸送機器用骨格構造の組付工程を説明する図である。
【図8】本発明に係る輸送機器用骨格構造(第3実施の形態)を示す断面図である。
【図9】本発明に係る輸送機器用骨格構造(第4実施の形態)を示す断面図である。
【図10】本発明に係る輸送機器用骨格構造(第5実施の形態)を示す断面図である。
【符号の説明】
【0092】
10,60,70,80,90…輸送機器用骨格構造、11…輸送機器、12…骨格部材、12a…内周面、13…容器、14…左壁(両端のうちの左端)、15…右壁(両端のうちの右端)、21…左発泡材(発泡材)、22…右発泡材(発泡材)、23…粉粒体、24…粉粒体ブロック、24a,24b…左右端(両端)、25…クリップ(保持部材)、26…左隔壁(隔壁)、27…右隔壁(隔壁)、34…中空部、34a…中空部の少なくとも一部、35…塗料、37…下壁、58…第1透孔、62…下壁透孔(第2透孔)、72…上壁透孔(第2透孔)、63…底壁板材(板材)、73…頂壁板材(板材)、82…一方の側壁透孔(第2透孔)、83…他方の側壁透孔(第2透孔)、85,92…一方の側壁板材(板材)、86,93…他方の側壁板材(板材)、S…所定間隔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送機器に用いられる骨格部材内に中空部が形成され、前記中空部の少なくとも一部に複数個の粉粒体が充填され、充填された粉粒体の両端をそれぞれ隔壁で支える輸送機器用骨格構造において、
前記複数個の粉粒体を収納可能な容器と、
前記容器を前記骨格部材の内周面に対して所定間隔をおいて保持可能な保持部材と、を備え、
前記骨格部材の内周面と前記容器との間の空間に、前記内周面を塗布する塗料を導入可能としたことを特徴とする輸送機器用骨格構造。
【請求項2】
輸送機器に用いられる骨格部材内に中空部が形成され、前記中空部の少なくとも一部に複数個の粉粒体が密に充填され、密に充填された粉粒体の両端をそれぞれ隔壁で支える輸送機器用骨格構造において、
前記複数個の粉粒体を粗に収納した状態で、前記骨格部材の内周面に対して所定間隔をおいて前記中空部に収納可能で、かつ、前記粗の粉粒体を密にしたとき前記内周面に接する容器と、
前記複数個の粉粒体を粗に収納した状態で、前記容器を前記骨格部材の内周面に対して所定間隔をおいて保持可能な保持部材と、を備え、
前記骨格部材の内周面と前記容器との間の空間に、前記内周面を塗布する塗料を導入可能としたことを特徴とする輸送機器用骨格構造。
【請求項3】
前記保持部材は、クリップであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の輸送機器用骨格構造。
【請求項4】
前記容器の両端にそれぞれ隔壁を設け、
前記各隔壁に、前記塗料を前記中空部に導く第1透孔が形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の輸送機器用骨格構造。
【請求項5】
前記容器は熱軟化材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の輸送機器用骨格構造。
【請求項6】
前記容器と前記粉粒体との間に発泡材を設けたことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の輸送機器用骨格構造。
【請求項7】
前記容器と対向する前記骨格部材に第2透孔が形成され、
この第2透孔と前記容器との間に板材が設けられたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の輸送機器用骨格構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−230276(P2008−230276A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−68715(P2007−68715)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】