説明

農産物の選別装置

【課題】農産物を仕分排出位置に向けて搬送する際、農産物を一定位置あるいはランダムに載置するという載置態様によって仕分排出位置での排出方式を選択できるようにする。
【解決手段】個々に傾倒可能な複数の支持片により構成したバケット単位を無端回動可能に多数連結したPKコンベア10搬送手段に対し、バケット単位を農産物の搬送の1単位として使用する場合にはバケット単位でその複数の支持片を傾倒させて農産物を排出させ、無端回動する多数の支持片に農産物をランダムに載置して搬送する場合には農産物が載置されている支持片を傾倒させて農産物を排出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農産物の選別包装出荷施設で好ましく用いられる農産物の選別装置に係り、農産物を仕分排出位置に向けて搬送する選別搬送手段に対する農産物の載置態様によって農産物の重量計測を可能とする選別の選択ができ、あるいは等階級といった評価結果に応じて仕分排出位置での排出方式を選択できるというように、一つの搬送手段で複数の選別形態を実現できる農産物の選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
農産物の選別包装出荷施設において、選別対象となる農産物の品目(種類)が異なると、選別のための計測項目が異なることが多く、このため農産物の種類に応じた選別装置を個々に採用することが一般に行われている。
【0003】
しかしながら、農産物の収穫期間は短いため、農産物の特定品目毎に対応して選別装置を設置することは、費用対効果を考慮すれば慎重にならざるを得ない。
【0004】
そこで、品目の異なる農産物を1台の選別装置で選別できるようにした提案がなされている(特許文献1)。
【0005】
この農産物の選別装置は、荷受した青果物について洗浄・ワックス等の前処理工程,重量選別工程を要するネーブルなどの高級柑橘類である高級柑と、荷受した青果物について前処理工程,形状選別工程を要する一般的柑橘類である普通柑とを選別対象とし、これらの各工程を行うステーションに対し、正逆転コンベアを用いて高級柑と普通柑との搬送経路を適宜に選択するようにしている。
【0006】
高級柑を選別する場合には、正逆転コンベアを例えば正転して、前処理工程を行う搬送経路である前処理ラインから排出された青果物をこの正逆転コンベアにより重量選別工程を行う重量式選果ラインに供給する。また、普通柑を選別する場合には、正逆転コンベアを例えば逆転して、形状選別工程を行う形状式選果ラインから排出された青果物を同じ正逆転コンベアにより搬出コンベアにより搬出する。
【0007】
このように、単一の正逆転コンベアを正転・逆転することにより、重量式選果ラインへの供給と形状式選果ラインからの搬出とに共用することができ、搬送経路の単純化による設置面積の縮小、設置費用の節減を図るようにしている。
【特許文献1】特開平5−228445号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記した特許文献1に記載された農産物の選別装置は、重量計測を行う重量式選別ラインと、形状計測を行う形状式選別ラインとを別々に設置し、これら2系統の選別ラインを正逆転コンベアにより連係する構成としている。このため、選別のための搬送ラインが2系統必要となり、装置全体のコンパクト化、設備コストの削減化、設置面積コストの低減が十分に図れていない。
【0009】
すなわち、従来の農産物の選別装置にあっては、農産物を選別のために搬送する選別搬送手段について選別すべき農産物の品目(種類)が変わってもこれに対応するという仕様にはなっていない。
【0010】
また、同じ品目の農産物であっても、等階級などの評価結果によって、高い等級の農産物と低い等級の農産物も同じ排出方法により排出されるため、高等級の農産物では丁寧な排出形態を選択できるという排出形態を選択することができない。
【0011】
本発明は、このような問題を解決するために為されたもので、農産物を仕分排出位置に向けて搬送する選別搬送手段に対する農産物の載置態様によって農産物の重量計測を可能とする選別の選択ができ、あるいは等階級といった評価結果に応じて仕分排出位置での排出方式を選択できるというように、一つの搬送手段で複数の選別形態を実現できる農産物の選別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の目的を実現する農産物の選別装置の第1の構成は、請求項1に記載のように、個々に傾倒可能な複数の農産物支持片を搬送方向に沿って並設した搬送体を搬送体駆動手段に無端回動可能に多数連結した搬送手段と、前記搬送手段の搬送下流側に設けた排出部に配置され、排出信号が入力されると水平姿勢の前記農産物支持片を傾倒させる支持片傾倒手段と、前記支持片傾倒手段に排出信号を出力する処理手段と、を有し、前記処理手段は、前記搬送体を農産物の搬送の1単位として使用する場合には該搬送体の複数の支持片を傾倒させるタイミングで前記支持片傾倒手段に排出信号を出力する第1選別モードと、無端回動する多数の支持片に農産物をランダムに載置して搬送する場合には農産物が載置されている前記支持片を傾倒させるタイミングで前記支持片傾倒手段に排出信号を出力する第2選別モードと、を有することを特徴とする。
【0013】
本発明の目的を実現する農産物の選別装置の第2の構成は、請求項2に記載のように、個々に傾倒可能な複数の農産物支持片を搬送方向に沿って並設した搬送体を搬送体駆動手段に無端回動可能に多数連結した搬送手段と、前記搬送手段の搬送下流側に設けた排出部に配置され、排出信号が入力されると水平姿勢の前記農産物支持片を傾倒させる支持片傾倒手段と、前記排出部に配置され、排出信号が入力されると、水平姿勢の前記農産物支持片上に載置されている農産物を取り上げて前記搬送手段の側方に移載する移載手段と、前記排出信号を前記支持片傾倒手段または前記移載手段のいずれかに出力する処理手段と、を有し、前記処理手段は、前記搬送体を農産物の搬送の1単位として使用する場合において、前記搬送体上を搬送される農産物の評価結果に応じて、前記搬送体の複数の支持片を傾倒させるタイミングで前記支持片傾倒手段に前記排出信号を出力する第1排出モードと、前記移載手段に前記排出信号を出力する第2排出モードと、を有することを特徴とする。
【0014】
本発明の目的を実現する農産物の選別装置の第3の構成は、請求項3に記載のように、上記いずれかの構成において、前記搬送手段は、前記搬送体が前記搬送体駆動手段に対し、上下方向に自由度を有して連結されていることを特徴とする。
【0015】
本発明の目的を実現する農産物の選別装置の第4の構成は、請求項4に記載のように、上記いずれかの構成において、前記搬送手段の搬送路の途中に、移動する前記搬送体の重量を計測する重量計測装置を設け、計測して重量情報を前記処理装置に入力することを特徴とする。
【0016】
本発明の目的を実現する農産物の選別装置の第5の構成は、請求項5に記載のように、上記1〜3のいずれかの構成で、前記搬送手段の搬送路の途中に、農産物の内部品質を計測するための内部品質センサーと、農産物の外観を計測するための外観センサーの少なくともいずれかを設け、検出情報を前記処理装置に入力することを特徴とする。
【0017】
本発明の目的を実現する農産物の選別装置の第6の構成は、請求項6に記載のように、上記5の構成で、前記処理手段は、前記搬送体を農産物の搬送の1単位として使用する場合に、前記重量計測装置の情報も含めた検出情報に基づいて評価結果を判定することを特徴とする。
【0018】
本発明の目的を実現する農産物の選別装置の第7の構成は、請求項7に記載のように、上記いずれかの構成で、多数の農産物を一列で前記搬送手段の始端部に供給する供給コンベアを有することを特徴とする。
【0019】
本発明の目的を実現する農産物の選別装置の第8の構成は、請求項8に記載のように、上記いずれかの構成で、前記搬送手段の搬送始端部には、農産物を該搬送手段上に手作業により載せるための手作業用作業エリアを設けていることを特徴とする。
【0020】
本発明の目的を実現する農産物の選別装置の第9の構成は、請求項9に記載のように、上記いずれかの構成で、前記搬送手段を構成する搬送体同士を上方から目視により識別できる目印を該搬送体を構成する支持片に設けたことを特徴とする。
【0021】
本発明の目的を実現する農産物の選別装置の第10の構成は、請求項10に記載のように、上記9の構成で、前記目印は、隣接する前記搬送体を構成する複数の支持片の中で、最先端および最後尾の支持片を着色あるいは他の支持片と長さを異ならせ、また傾倒させた態様にて構成していることを特徴とする。
【0022】
本発明の目的を実現する農産物の選別装置の第11の構成は、請求項11に記載のように、上記9の構成で、前記目印は、前記搬送手段の側方に、該搬送手段の搬送方向に沿って配列された複数の光源からなり、前記搬送体の移動に並走するように点滅する点滅手段であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に係る発明によれば、搬送手段の取り扱い方法として、多数の農産物支持片を無端回動可能とする使用方法と、搬送体をバケットのように取り扱う使用方法とを選択することができ、ミカンなどのように多数個の農産物がランダムに供給される場合には、第1の選別モードにより農産物を排出すればよく、デコポンなどのように重量計測を要する場合には、デコポンを搬送体を搬送の一単位として搬送体単位毎に載置されるため、重量計測の取り扱いが容易となる。
【0024】
請求項2に係る発明によれば、搬送体単位で農産物を搬送する場合、農産物の評価結果が高い農産物では移載手段により落下等させずに移載手段により例えば吸着保持して例えば製品箱などに直接移載させるという丁寧な取り扱いが可能となる。また、評価結果が低い場合あるいは規格外の場合には、支持片の傾倒により農産物を落下排出させるので、移載手段側での箱詰には箱詰に供する農産物のみを排出することができ、箱詰の効率が向上する。
【0025】
請求項3に係る発明によれば、搬送手段を構成する各搬送体は、無端回動するチェーンなどの搬送体駆動手段に引っ張られて無端回動するが、上下方向には該無端チェーンと縁が切れた状態となるので、このような縁が切れた状態を作り出せば農産物が載置されている搬送体の重量を測定することができる。
【0026】
請求項4に係る発明によれば、前記搬送手段の搬送路の途中において、移動する搬送体の重量を計測することができる。
【0027】
請求項5に係る発明によれば、前記搬送手段の搬送路の途中において、内部品質情報、農産物の外観キズ、大きさなどの外観情報を得ることができる。
【0028】
請求項6に係る発明によれば、前記搬送体を農産物の搬送の1単位として使用する場合に、前記重量計測装置の情報も含めた検出情報に基づいて評価結果を判定することができる。
【0029】
請求項7に係る発明によれば、ミカンなどの重量計測を不要とする農産物をランダムに一列で搬送手段に供給することができる。
【0030】
請求項8に係る発明によれば、搬送手段にデコポンなどの農産物を手作業で載せる作業を容易に行える。
【0031】
請求項9、10、11に係る発明によれば、搬送体上に農産物を正確に載置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
第1実施形態
図1〜図4は本発明の第1実施形態を示す。
【0033】
図1は農産物の選別装置の概略構成を示す上面図で、選別のための計測項目の一つに重量計測を取り入れている品目の農産物としてデコポンを選別している状態を示す。図2は図1に示すデコポンの選別に代えて、選別のための計測項目に重量計測を取り入れていない品目の農産物としてミカンを選別している状態を示す図。図2は図1のA−A矢視断面図、図3は図2の上面図、図4は図1のB−B矢視図である。
【0034】
本実施形態では、選別のための計測項目として、糖度などの内部品質を計測する内部品質計測、外部の傷等といった外観を計測する外観計測を要するミカン等の農産物と、さらに重量計測を要するデコポン等の農産物とを共通の農産物選別用搬送手段により搬送し、仕分区分に応じて排出するようにしたもので、以下ミカン1とデコポン2を例にして説明する。
【0035】
図1〜図4において、選別搬送手段として鍵盤式コンベア(以下PK(Piano Key)コンベアと称す)10を用いている。なお、PKコンベア10の説明は後述する。
【0036】
PKコンベア10に対して選別のための計測項目として重量計測を不要とするミカンなどの農産物を供給対象とする第1の農産物供給部11と、選別のための計測項目として重量計測を必要とする第2の農産物供給部12が配置されている。
【0037】
第1の農産物供給部11は、ミカン1をPKコンベア10の搬送始端に供給するもので、例えば不図示のダンパー内に多数収容されているミカンを少量ずつ不図示の洗浄・ワックス機に供給するベルトコンベアからなる農産物供給コンベア13と、この農産物供給コンベア13から送出された洗浄・ワックス処理済のミカン1を整列させてPKコンベア10の搬送始端に供給する整列装置14とにより構成されている。また、前記ダンパーには、多量のミカン1が収容されているコンテナが不図示の荷受コンベアにより送られる。
【0038】
この整列装置14は、左右対称に複数本のローラコンベアを逆ハ字型に配列した構造で、農産物供給コンベア13にてランダムに搬送されたミカン1が供給されると、左右のローラコンベア14aがミカン1を幅方向の中央に向けながら前方に搬送して一列に整列させる。そして、一列の整列状態でミカン1をPKコンベア10に供給する。
【0039】
第2の農産物供給部12は、デコポン2をPKコンベア10に供給するもので、PKコンベア10の搬送始端側の側方に、搬送方向に沿って設置された複数の農産物供給ステーション12aを有し、農産物供給ステーション12aにはローラコンベアなどからなるコンテナ用コンベア12bから分岐されている分岐コンベア12cが配置され、多数個のデコポン2が入ったコンテナ12dがコンテナ用コンベア12bから各分岐コンベア12cに送られるようになっている。そして、各農産物供給ステーション12aにおいて作業者Wがデコポン2を手作業でPKコンベア10上に手載せするようにしている。その際、PKコンベア10上の所定範囲内にデコポン2を載せるように、目印10aを設けている。
【0040】
なお、ミカン1のように重量計測を不要とする農産物の選別の際には、この目印10aは無視し、PKコンベア10上の任意の位置に載せればよい。
【0041】
PKコンベア10には、第2の農産物供給部12より搬送方向の下流側に向かって、農産物の糖度等の内部品質を計測する内部品質センサー15、農産物の重量を計測する重量計測装置16、農産物の外形状等の外観を計測するカメラ等からなる外観センサー17を順に配置している。
【0042】
また、外観センサー17の下流側に、PKコンベア10上に載置された農産物を仕分区分毎に排出するための排出部18が配置されている。
【0043】
PKコンベア10は、図3及び図4に示すように、複数の支持片101を一つの搬送体としてのバケット単位100とし、このバケット単位100を搬送方向に無端回動可能に多数個連結した構成としたものである。
【0044】
PKコンベア10は、搬送方向と直交する幅方向に対向配置したコンベア機台102にそれぞれ配置した案内レール102aに無端回動する無端チェーン103をそれぞれ架設し、この一対の無端チェーン103に一定ピッチで多数個のバケット単位100を取り付けた構成としたもので、多数個のバケット単位100が連結された状態において、全ての支持片101が等ピッチで配列されている。
【0045】
1つのバケット単位100において、複数本(本実施形態では9本)の支持片101が取り付け台104上に一定間隔を有して傾倒可能に取り付けられている。
【0046】
取り付け台104は、担持台105に例えば取り外し可能に固定され、この担持台105が無端チェーン103に連結されている。
【0047】
左右一対の無端チェーン103の間にはバケット単位100毎に複数本(本実施形態では2本)の連結軸106が差し渡され、担持台105には、この連結軸106が貫通する貫通孔107が形成されている。したがって、バケット単位100は無端チェーン103の動力を連結軸106を介して伝達されて移動することになる。
【0048】
取り付け台104には、第1支持ブラケット108と第2支持ブラケット109が固定され、この第1支持ブラケット108に支持片101が支持ピン110を介して傾倒可能に連結されている。また、第2支持ブラケット109には、フック111aと係合解除レバー部111bが形成されたレバー部材111が支持ピン113を介して回動可能に連結されている。
【0049】
レバー部材111は、不図示の復帰バネにより係合位置に向けて付勢されており、支持片101が水平姿勢の状態において、支持片101の側面に突出している係合ピン112にレバー部材111のフック111aが係合し、支持片101を水平姿勢に保持して被搬送体である農産物の載置を可能とする。そして、レバー部材111の解除レバー部111bを前記復帰バネのバネ力に抗して押し下げると、レバー部材111が反時計方向に回動してフック111aが係合ピン112から外れ、支持片101が支持ピン110を支点として下方に傾倒し、ストッパ114に当接して停止する。
【0050】
この支持ピン110の軸心をPKコンベア10の搬送方向に沿って配置しているため、支持片101が傾倒すると、載置している農産物がPKコンベア10の側方に向けて転動しながら排出する。
【0051】
支持片101の幅(PKコンベア10の搬送方向に沿った長さ)は狭く、1枚の支持片101では載置されている農産物を完全に支持することはできず、連続する数枚の支持片101により農産物を支持する。
【0052】
レバー部材111の解除レバー部111bを下方に押し下げて支持片101を傾倒させる排出手段であるレバー作動機構19は、電磁ソレノイドを駆動部に有し、上下方向に移動可能な作動棒(不図示)を該電磁ソレノイドにより駆動する構成とし、排出位置において、係合状態にあるレバー部材111の解除レバー部111bの高さ方向の位置と干渉する位置まで降下させると、この降下した作動棒によって搬送方向に沿って移動する解除レバー部111bが次々に当接して押し下げられて連続的に支持片101が下方に向けて傾倒する。
【0053】
そうすると、連続する複数の支持片101が僅かな時間遅れを有して下方に傾倒するため、これら複数の支持片101に支持されている農産物は一度に落下せずに徐々に転動しながら落下排出される。
【0054】
なお、レバー部材111のフック111aを係合ピン112から係合解除させるには、レバー部材111を所定方向に回動させれば良く、上述した構成に限定されるものではない。
【0055】
また、傾倒した支持片101を元の水平姿勢に復帰させるには、例えばPKコンベア10の搬送終端位置から180度転向して下向きに支持片101が反転すると、支持片101は水平姿勢に近い状態に自重で回動するので、この位置からガイド部材(不図示)により支持片101の裏面側を当接させて係合位置まで押し込むことにより、自動的にレバー部材111のフック111aが係合ピン112に係合して支持片101の水平姿勢が再び保持されて次の搬送に供される。
【0056】
本実施形態において、支持片101の上面にひれ状に形成された複数の突起部101aを左右方向に沿って隔設し、突起部101aにより農産物の載置時のショックを吸収している。
【0057】
担持台105の貫通孔107は連結軸106の外径よりも大きな内径に形成されて遊びを有しているため、担持台105を上方に持ち上げた状態において、1バケット単位100が一対のレール105aと105bに乗り上げると、担持台105は連結軸106との係合が外れ上下方向においてフリーの状態となるので、一つのバケット単位100の重量、すなわち1バケット単位100上に載せられている農産物の重量を計測することができる。
【0058】
この1バケット単位100毎に農産物を間違いなく載せるために、PKコンベア10には、目印10aを設けており、農産物供給ステーション12aの作業者Wはデコポン2をこの目印10aの間に載せることにより、1バケット単位100上にデコポン2を確実に載せ、1個のデコポン2の重量を計測可能としている。
目印10aとして、1つのバケット単位100を構成する支持片101と隣り合う1つのバケット単位100を構成する支持片101の全てを色分けすれば確かに1つのバケット単位101の判別は可能となる。
【0059】
しかし、内部品質センサー15及び外観センサー17は光を農産物に向けて照射するため、当然に支持片21の表面にも光が照射されることになるが、支持片21の表面に施した着色によって反射波の波長が変わり、計測情報の解析にバラツキが生じる。このため、支持片101の全てを色分けすることは得策ではない。
【0060】
そこで、本実施形態では、図4に示すように、1つのバケット単位100における搬送方向に見て先頭の支持片101Fと、最後尾の支持片101Rとを予め傾倒させた状態としたものを目印100aとしている。勿論、先頭の支持片101Fと、最後尾の支持片101Rとを他の支持片101と判別するために他の色で着色しても良い。
【0061】
上述したように、レバー作動機構19を制御することにより、任意の支持片101を傾倒させることができる。そうすると、PKコンベア10を構成する各バケット単位101を上方から判別することができ、第2の農産物供給部12の作業者Wは、この傾倒している先頭の支持片101Fと最後尾の支持片101Rとの間にデコポン2を載せるだけで良い。
【0062】
1つのバケット単位100における先頭の支持片101Fと最後尾の支持片101Rとを認識して傾倒させる方法として、例えばPKコンベア10の無端回動チェーン103が掛け回される駆動プーリと同軸にエンコーダパルス板(不図示)を設け、最後尾の支持片101Rが排出部18における特定のレバー作動機構19に到達したタイミングに合わせて該エンコーダパルス板から支持片検出信号を出力させる。先頭の支持片101Fと最後尾の支持片101Rとの間隔は各バケット単位において一定であり、また最後尾の支持片101Rに続く支持片は次のバケット単位100の先頭の支持片101Fとなっているので、支持片101の2つ分の通過時間に合わせて当該特定のレバー作動機構19に仕分排出信号を出力し、続いて先頭の支持片101Fと最後尾の支持片101Rとの通過タイミングに合わせて再び仕分排出信号を出力すればよい。そして、この一連のタイミングによる仕分排出信号の出力をPKコンベア10におけるバケット単位100の数だけ実行することにより、全てのバケット単位100の先頭の支持片101Fと最後尾の支持片101Rとを傾倒させることができる。
【0063】
次に、図3および図4を用いて重量計測装置16の構成を説明する。
【0064】
図3及び図4において、担持台105の底部に形成された左右の底壁部105aに対応して、幅方向一対のレール201a、201bがロードセル202を介して取り付けられている。この一対のレール201aと201bはレール支持台203に取り付けられ、レール支持台203がロードセル202に取り付けられて重量計測装置16を構成している。
【0065】
1バケット単位100が重量計測位置に到達すると、担持台105の左右の底壁部105aが僅かに一対のレール201a、201bに乗り上げる。
【0066】
そうすると、上述したように担持台105が上下方向においてフリーな状態となり、一つのバケット単位100で重量を計測することができることになる。したがって、1つのバケット単位100上に載置されている農産物であるデコポン2の重量を計測することができることになる。
【0067】
排出部18には、図1に示すように、PKコンベア10の搬送方向に沿って仕分区分毎に複数のベルトコンベアで構成された排出コンベア20が配列され、各排出コンベア20に対応して、PKコンベア10の側部にレバー作動機構19がそれぞれ配置されている。そして、不図示の処理装置からの仕分排出信号によりレバー作動機構19の駆動が行われると、該当する仕分区分の農産物を載せた部分の支持片101を水平姿勢に保持しているレバー部材111の係合を次々に解除し、支持片101を傾倒させる。
【0068】
PKコンベア10の支持片101の傾倒動作は、重量測定を必要とする農産物の選別の際には排出装置19により1バケット単位100を構成する複数の支持片101を傾倒させる。また重量計測を行わない農産物にあっては、第1の農産物供給部11よりランダムにPKコンベア10に供給され、特に1バケット単位100毎の農産物の載置が行われないため、バケット単位100ではなく個々の支持片101毎の傾倒制御を行う。
【0069】
各排出コンベア20は、図3に示すように、PKコンベア10の支持片101が下方に傾倒した状態で、支持片101の先端よりも下方の位置に配置されており、PKコンベア10から転動しながら排出された農産物が排出コンベア20上に落下供給される。
【0070】
支持片101が傾倒した状態において、傾倒先端と排出コンベア20との間に隙間が生じる場合には、図3に示すように、案内板21をその隙間を塞ぐように配置し、傾倒した支持片101から排出コンベア20へ農産物を排出できるようにすれば良い。
【0071】
これらの排出コンベア20は、PKコンベア10の搬送方向と略直交する横方向に延びており、排出コンベア20の排出端まで搬送された同一仕分区分のミカン1あるいはデコポン2である農産物は、受箱22に一時的に貯えられる。なお、排出コンベア20の排出端にホッパー等を設けて一時的に貯え、所定個数あるいは所定重量をカウントすると、該ホッパーの下方に配置した製品箱に排出するようにしても良い。
【0072】
なお、排出部18の構成は、上記した排出コンベア20を用いたものに限定されるものではなく、各仕分区分毎に設定したPKコンベア10の支持片101の傾倒により農産物が落下する位置に農産物を直接受ける受箱22を配置するようにしてもよい。
【0073】
以上が本実施形態の構成を示し、以下にミカン等の重量計測を不要とする農産物の選別と、デコポンなどの重量計測を要する農産物の選別について説明する。
【0074】
先ず、図2を参照して、計測項目として重量計測は不要とするが、糖度等の内部品質計測,外部の傷の有無や形状の良し悪しを扱う外観計測を要する農産物としてミカン1の選別を例にして説明する。
【0075】
選別の前処理として、洗浄・ワックス処理を行ったミカン1は農産物供給コンベア13上をランダムに搬送され、整列コンベア14で一列に整列されてPKコンベア10に送出される。PKコンベア10の搬送速度は、整列コンベア14の搬送速度よりも高速に設定することで、ミカン1が連なってPKコンベア10上を搬送されるのを防止する。
【0076】
PKコンベア10において、一つのミカン1は連続する複数の支持片101上に載置される。
【0077】
PKコンベア10の支持片101上に載置されて搬送されるミカン1は、先ず内部品質センサー15において糖度等の内部品質情報が計測される。ミカン1がこの内部品質センサー15を通過した時点を基準とすると、この基準位置より搬送方向下流側に移動する個々のミカン1の位置を特定することができる。これより、前記処理装置は、外観センサー17に到達したミカン1を特定できるため、外観センサー17を通過したミカン1の内部品質情報と外観センサー17で計測した外観情報により当該ミカン1の仕分区分を判定する。
【0078】
前記処理装置は、仕分区分の判定されたミカン1が該当する仕分区分位置に到達するタイミングで仕分排出信号を該当する仕分区分のレバー作動機構19に出力する。
【0079】
レバー作動機構19は所定時間ON状態が維持され、連続する複数の支持片101を順次傾倒させる。これにより、傾倒する支持片101上を転動しながらミカン1は排出コンベア20に落下排出され、排出コンベア20上を搬送されて受箱22に落下する。
【0080】
なお、受箱22の手前側には製品箱台23が設けられ、この製品箱台23に製品箱24を載置して受箱22内のミカン1を製品箱24内に作業者Wが手詰により箱詰を行う。そして、所定個数のミカン1を箱詰すると、この製品箱24を搬出コンベア25に載せる。
【0081】
本実施形態では、排出部18から排出される農産物を手詰する構成としているが、機械式の自動秤量機としても良い。
【0082】
次に、第2の農産物供給部12からデコポン2をPKコンベア10に作業者Wが手載して選別する場合を説明する。
【0083】
農産物供給ステーション12aの作業者Wは、PKコンベア10を構成するバケット単位100の境界位置を示す目印100aの間にデコポン2を載せる。PKコンベア10により搬送されるデコポン2は、ミカン1の場合と同様に、内部品質センサー15により内部品質の計測を受け、次に重量計測装置16により重量が計測される。そして、ミカン1の場合と同様に外観センサー17により外観の検査を受けて仕分区分が判定される。
【0084】
PKコンベア10の無端回動チェーン103が掛け回される駆動プーリと同軸に設けたエンコーダパルス板(不図示)から、バケット単位100と同期してバケット信号を出力し、内部品質センサー15を通過した時点を基準としてバケット信号をカウントすることにより、各バケット単位100に載置している農産物毎に内部品質情報,重量情報,外観情報を前記処理装置に記憶して等階級などの判定が行える。そして、該当する排出位置にバケット単位100が到達すると、当該排出位置のレバー作動機構19に仕分排出信号を所定時間出力し、バケット単位100を構成する複数の支持片101を傾倒させる。これにより、デコポン2が排出コンベア20上に落下排出される。
【0085】
このように、複数の支持片101で構成されるバケット単位100を多数連結した構成のPKコンベア10について、バケット単位100で農産物を搬送する場合と、バケット単位100ではなく、各バケットを構成する複数の支持片101の全てを任意に傾倒制御することにより、PKコンベア10に対してバケット単位100毎に農産物を載せれば重量計測が可能であり、重量計測を不要とする場合にはPKコンベア10に対してランダムにミカン1などの農産物を供給しても該当の仕分区分位置で農産物の排出が行え、選別のための計測項目が異なる農産物について、選別用搬送手段である一つのPKコンベア10を用いて選別することができる。
【0086】
第2実施形態
図5は本発明の第2実施形態を示す。
【0087】
上記の実施形態において、バケット単位100を視認する手段として、図5(a)のように、先頭の支持片101Fと最後尾の支持片101Rとを傾倒させるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図5(b)(c)に示す手段を用いても良い。
【0088】
図5(b)に示す例は、第2の農産物供給部12において、PKコンベア10と並行して多数個のLED121を並べた点滅手段であるLEDフラッシャー122を近接して配置し、バケット単位100の先頭と最後尾に対応する間隔でLED121を点灯させ、この点灯するLED121をPKコンベア10の搬送速度と同速度で移動させるように点滅制御する。この場合、上記したエンコーダパルス板からの信号を用いることにより、LEDの点灯タイミングを制御することができる。
【0089】
図5(c)に示す例は、バケット単位100の先頭の支持片101Fと最後尾の支持片101Rとの長さを、他の支持片101よりも長く形成したものである。
【0090】
第3実施形態
図6および図7は本発明の第3実施形態を示す。
【0091】
図6は移載装置を含む農産物の選別装置の上面図、図7は図6の正面図を示す。
【0092】
上記した第1実施形態では、PKコンベア10上の全ての農産物を支持片101の傾倒動作により排出コンベア20に落下させて排出するようにしているが、本実施形態では、農産物がバケット単位で載せられている場合、仕分の際に移載装置を用いて自動取り出しを行い、規格外の農産物あるいは低等階級の農産物については支持片101の傾倒による落下排出を行うようにしている。
【0093】
本実施形態では、排出部18において、PKコンベア10の上方に各仕分区分毎に移載装置30を設けている。移載装置30は、上下方向に回転軸31a、32aを有するプーリ31、32の間に無端チェーン33を掛け回し、この無端チェーン33に昇降可能な複数の吸着装置34をバケット単位100と同ピッチで取り付けている。また、移載装置30は、PKコンベア10の搬送速度と同速度で、PKコンベア10のバケット単位100と同期して吸着装置30を移動させている。
【0094】
吸着装置34は、取り付け台35にエアーシリンダー36を上下方向に取り付け、エアーシリンダー36の昇降するピストンロッド37の下端にジョイント部材38を介して吸着パッド39を取り付けている。本実施形態において、吸着パッド39は、ジョイント部材38に対して昇降自在に取り付けられると共に、その間に緩衝バネ40を配置し、吸着パッド39が降下して農産物41を吸着する際の衝撃をこの緩衝バネ40で吸収できるようにしている。
【0095】
吸着パッド39には不図示の真空源に接続され、不図示の制御バルブにより該真空源との接続が制御されて農産物41の吸着と吸着解除が行われる。
【0096】
PKコンベア10のバケット単位100に載置されている農産物41が該当する仕分区分であると、前記処理装置からの仕分排出信号が当該仕分区分の移載装置30に出力される。仕分排出信号が入力された移載装置30は、その農産物の真上に位置する吸着装置34に対し農産物の排出動作を指示する。
【0097】
吸着装置34に農産物の排出動作が指示されると、前記制御バルブを切換制御して前記真空源に対して吸着パッド39を連通状態とし、またエアーシリンダー36のピストンロッド37を所定の吸着位置まで降下させ、真下の農産物41を吸着保持する。そして、ピストンロッド37を上昇させる。その際、ピストンロッド37を元の最上位置まで戻す必要はなく、バケット単位100との干渉がない位置まで上昇させれば良い。吸着装置34がPKコンベア10の上方位置から外れて反対側の搬送軌道へ移動すると、ピストンロッド37の降下動作を開始し、前記吸着位置よりも更に下方の解放位置まで吸着パッド39を降下させ、前記制御バルブを切換制御して前記真空源との連通を遮断し、例えば大気解放することにより吸引作用を解いて農産物を排出コンベア20上に排出する。
【0098】
本実施形態において、仕分区分毎に配置している排出コンベア20に対応して移載装置30を設けているが、全ての仕分区分で移載装置30を使用せず、予め設定した等階級以下の低等階級あるいは規格外の農産物については例えば特定した排出コンベア20に対し、レバー作動機構19を駆動して支持片101の傾倒により農産物を排出コンベア20に落下排出させる。そして、この低等階級あるいは規格外の農産物を排出コンベア20の排出端から受箱へ落下させる。
【0099】
一方、移載装置30により排出コンベア20に移載するように排出された農産物41は、排出コンベア20の搬送端においてプールされ、例えば手作業で製品箱に箱詰される。
【0100】
このように、移載装置30を用いることにより、農産物を落下させずに仕分区分毎に排出させることができ、低等階級あるいは規格外の農産物については手間を掛けずに排出させることができる。
【0101】
なお、本実施形態では、排出コンベア20の搬送端において移載装置30により移載排出された農産物をプールさせるようにしているが、農産物をその箱詰態様に応じて嵌め込むための穴部が形成されているトレイパックを排出コンベア20の搬送方向上流側から供給し、このトレイパックに移載装置30からの農産物を直接載せるようにしても良い。その際、排出コンベア30を間欠送りとし、また吸着装置34は前記トレイパック上の空の穴部に農産物を排出できるように制御する。これにより、排出コンベア30の排出端に農産物が満載されたトレイパックが搬送されるので、このトレイパックを製品箱に収納するだけで済む。
【0102】
また、本実施形態において、バケット単位100で搬送された農産物41は重量計測装置16により重量計測されることが必ずしも必須の評価項目ではなく、内部品質センサー15、外観センサー17による計測結果に基づく評価であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の第1実施形態による農産物の選別装置の概略構成を示す上面図で、重量計測を実施する農産物としてデコポンを選別している状態を示す。
【図2】図1に示すデコポンに代えて重量計測を不要とする農産物としてミカンを選別している状態を示す図。
【図3】図1のA−A矢視図。
【図4】図1のB−B矢視図。
【図5】PKコンベアのバケット単位を表示する他の例を示す図。
【図6】本発明の第3実施形態を示す上面図。
【図7】図6のC−C矢視図。
【符号の説明】
【0104】
W 作業者
1 ミカン
2 デコポン
10 鍵盤式コンベア(PKコンベア)
10a 目印
100 バケット単位
101 支持片
101F 先頭の支持片 1011R 最後尾の支持片
101a 突起部
102 コンベア機台
102a 案内レール
103 無端チェーン
104 取り付け台
105 担持台
105a 底壁部
106 連結軸
107 貫通孔
108 第1支持ブラケット
109 第2支持ブラケット
110 支持ピン
111 レバー部材
111a フック 111b 係合解除レバー部
112 係合ピン
113 支持ピン
114 ストッパ
11 第1の農産物供給部
12 第2の農産物供給部
13 農産物供給コンベア
14 整列装置
14a ローラコンベア
15 内部品質センサー
16 重量計測装置
201a,201b レール
202 ロードセル 203 レール支持台
17 外観センサー
18 排出部
19 レバー作動機構
20 排出コンベア
21 案内板
22 受箱
23 製品箱台
24 製品箱
25 搬出コンベア
30 移載装置
31,32 プーリ
31a,32a 回転軸
33 チェーン
34 吸着装置
35 取付台
36 エアーシリンダー
37 ピストンロッド
38 ジョイント部材
39 吸着パッド
40 緩衝バネ
41 農産物
121 LED
122 LEDフラッシャー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個々に傾倒可能な複数の農産物支持片を搬送方向に沿って並設した搬送体を搬送体駆動手段に無端回動可能に多数連結した搬送手段と、
前記搬送手段の搬送下流側に設けた排出部に配置され、排出信号が入力されると水平姿勢の前記農産物支持片を傾倒させる支持片傾倒手段と、
前記支持片傾倒手段に排出信号を出力する処理手段と、
を有し、
前記処理手段は、前記搬送体を農産物の搬送の1単位として使用する場合には該搬送体の複数の支持片を傾倒させるタイミングで前記支持片傾倒手段に排出信号を出力する第1選別モードと、無端回動する多数の支持片に農産物をランダムに載置して搬送する場合には農産物が載置されている前記支持片を傾倒させるタイミングで前記支持片傾倒手段に排出信号を出力する第2選別モードと、を有することを特徴とする農産物の選別装置。
【請求項2】
個々に傾倒可能な複数の農産物支持片を搬送方向に沿って並設した搬送体を搬送体駆動手段に無端回動可能に多数連結した搬送手段と、
前記搬送手段の搬送下流側に設けた排出部に配置され、排出信号が入力されると水平姿勢の前記農産物支持片を傾倒させる支持片傾倒手段と、
前記排出部に配置され、排出信号が入力されると、水平姿勢の前記農産物支持片上に載置されている農産物を取り上げて前記搬送手段の側方に移載する移載手段と、
前記排出信号を前記支持片傾倒手段または前記移載手段のいずれかに出力する処理手段と、
を有し、
前記処理手段は、前記搬送体を農産物の搬送の1単位として使用する場合において、前記搬送体上を搬送される農産物の評価結果に応じて、前記搬送体の複数の支持片を傾倒させるタイミングで前記支持片傾倒手段に前記排出信号を出力する第1排出モードと、前記移載手段に前記排出信号を出力する第2排出モードと、を有することを特徴とする農産物の選別装置。
【請求項3】
前記搬送手段は、前記搬送体が前記搬送体駆動手段に対し、上下方向に自由度を有して連結されていることを特徴とする請求項1または2に記載の農産物の選別装置。
【請求項4】
前記搬送手段の搬送路の途中に、移動する前記搬送体の重量を計測する重量計測装置を設け、計測して重量情報を前記処理装置に入力することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の農産物の選別装置。
【請求項5】
前記搬送手段の搬送路の途中に、農産物の内部品質を計測するための内部品質センサーと、農産物の外観を計測するための外観センサーの少なくともいずれかを設け、検出情報を前記処理装置に入力することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の農産物の選別装置。
【請求項6】
前記処理手段は、前記搬送体を農産物の搬送の1単位として使用する場合に、前記重量計測装置の情報も含めた検出情報に基づいて評価結果を判定することを特徴とする請求項5に記載の農産物の選別装置。
【請求項7】
多数の農産物を一列で前記搬送手段の始端部に供給する供給コンベアを有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の農産物の選別装置。
【請求項8】
前記搬送手段の搬送始端部には、農産物を該搬送手段上に手作業により載せるための手作業用作業エリアを設けていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の農産物の選別装置。
【請求項9】
前記搬送手段を構成する搬送体同士を上方から目視により識別できる目印を該搬送体を構成する支持片に設けたことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の農産物の選別装置。
【請求項10】
前記目印は、隣接する前記搬送体を構成する複数の支持片の中で、最先端および最後尾の支持片を着色あるいは他の支持片と長さを異ならせ、また傾倒させた態様にて構成していることを特徴とする請求項9に記載の農産物の選別装置。
【請求項11】
前記目印は、前記搬送手段の側方に、該搬送手段の搬送方向に沿って配列された複数の光源からなり、前記搬送体の移動に並走するように点滅する点滅手段であることを特徴とする請求項9に記載の農産物の選別装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−18355(P2008−18355A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−192939(P2006−192939)
【出願日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(000137328)株式会社マキ製作所 (48)
【Fターム(参考)】