説明

追跡システム

【課題】携行物を奪った犯人が立ち寄った監視拠点の監視場所情報等が通報先へ送られ、携行物の場所が特定できる追跡システムの提供。
【解決手段】追跡システムは、アクティブ無線タグ56を配したカバンが奪われる際に発生する大きな加速度をGセンサ54が検出すると、自己保持形の通電回路55がアクティブ無線タグ56へ通電を行い変調波56aが監視拠点(公園、トイレ、遊技場、自動販売機、駅)の拠点装置へ放射される。通報先では、個体識別情報とともに送られてくる立寄時間および拠点場所情報に基づいて、奪われたカバンの場所を特定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブ無線タグを使った追跡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、携帯電話を携帯する火災発見者が消火器を操作すると、消火器に装備したRFIDタグから携帯電話へIDを送信し、その携帯電話から消防へ緊急通報する消火器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−102295
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1において、RFID受信機能付の携帯電話を火災発見者が持っていない場合や、消火器を操作しないで避難した場合や、火災現場が圏外の場合には、消防へ緊急通報されない。
【0005】
本発明の目的は、携行物を奪った犯人が立ち寄った監視拠点の監視場所情報等が通報先へ送られ、携行物の場所が特定できる追跡システムの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔請求項1の手段〕
追跡システムは、利用者が携行する携行物に配されるアクティブ無線タグと、携行物が奪われると通電を行う盗難時通電手段と、複数の監視拠点に設置される拠点装置とにより構成され、個体識別情報とともに送られてくる立寄時間および拠点場所情報に基づいて携行物の場所を特定することができる。
【0007】
アクティブ無線タグは、通電が成されると個体識別情報を重畳させた変調波を送信アンテナから周期的に放射する。
拠点装置は、変調波を捉える受信アンテナと、捉えた変調波の増幅、検波、復調を行う受信回路と、個体識別が成されると立寄時間および拠点場所情報とともに個体識別情報を通信回線を介して通報先に送信する通報回路とを有し、利用者から奪った携行物を所持した犯人が立ち寄る可能性が高い複数の監視拠点に設置される。
【0008】
利用者から奪った携行物を所持した犯人が監視拠点に立ち寄ると、アクティブ無線タグから変調波が放射されているので、拠点装置の受信回路が個体識別し、拠点装置の通報回路が個体識別情報とともに立寄時間および拠点場所情報を通報先に送信する。
通報先では、個体識別情報とともに送られてくる立寄時間および拠点場所情報に基づいて携行物の場所を特定することができる。
【0009】
〔請求項2の手段〕
追跡システムの盗難時通電手段は、携行物に配設した利用者側の送信器から送信され続ける微弱電波を盗難により両者の距離が離れて携行物側の受信回路で受信できなくなると通電を行う構成か、奪われた時に発生する加速度をGセンサが検出すると通電を行う構成か、奪われた時にピンが抜けて常開スイッチの接点が閉成する構成により構築している。
【0010】
盗難時のみアクティブ無線タグから変調波が放射されるため、通報先は、盗難があったか否かの判別を容易にできる。また、盗難時のみ、アクティブ無線タグへ電力を供給するため、電池の寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の請求項1、2に係る追跡システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
発明を実施するための形態を実施例1に基づいて説明する。
【実施例1】
【0013】
追跡システムは、ビジネスマン(利用者)のカバン(携行物)に配されるアクティブ無線タグ56と、カバンが奪われると通電を行う盗難時通電手段と、複数の監視拠点に設置される拠点装置とにより構成されている。
なお、監視拠点は、公園、トイレ、遊技場、自動販売機、駅等の場所が好ましい。
通報先では、個体識別情報とともに送られてくる立寄時間および拠点場所情報に基づいて、奪われたカバンの場所を特定することができる。
【0014】
盗難時通電手段は、図1の(a)、(b)、(c)の構成が好ましい。
カバンを奪われる際に発生する大きな加速度をGセンサ54が検出すると、自己保持形の通電回路55がアクティブ無線タグ56へ通電を行う構成{図1の(a)参照}。
【0015】
カバンを奪われた時に、クリップ57a付のヒモ57にくくったピン58が抜けて常開スイッチ59の接点が閉成する構成{図1の(b)参照}。
【0016】
カバンに配設した利用者側の送信回路65(送信器)から送信され続ける微弱電波66を盗難により両者の距離が離れてカバン側(携行物側)の受信回路67で受信できなくなると通電回路68がアクティブ無線タグ56へ通電を行う構成{図1の(c)参照}。
【0017】
盗難時のみアクティブ無線タグ56から変調波56a、56b、56cが放射されるため、通報先は、盗難があったか否かの判別を容易にできる。また、盗難時のみ、アクティブ無線タグ56へ電力を供給するため、電池60の寿命を延ばすことができる。
【符号の説明】
【0018】
54 Gセンサ
56 アクティブ無線タグ
56a、56b、56c 変調波
58 ピン
59 常開スイッチ
65 送信回路(送信器)
66 微弱電波
67 受信回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が携行する携行物に配され、通電が成されると個体識別情報を重畳させた変調波を送信アンテナから周期的に放射するアクティブ無線タグと、
前記携行物が奪われた際に、前記アクティブ無線タグへ通電を行う盗難時通電手段と、 前記変調波を捉える受信アンテナと、捉えた変調波の増幅、検波、復調を行う受信回路と、個体識別が成されると立寄時間および拠点場所情報とともに前記個体識別情報を通信回線を介して通報先に送信する通報回路とを有し、前記利用者から奪った前記携行物を所持した犯人が立ち寄る可能性が高い複数の監視拠点に設置される拠点装置とで構成され、 前記監視拠点に前記犯人が立ち寄った際に、前記アクティブ無線タグから前記変調波が放射されると、前記通報先では、前記個体識別情報とともに送られてくる前記立寄時間および前記拠点場所情報に基づいて前記携行物の場所を特定することを特徴とする追跡システム。
【請求項2】
前記盗難時通電手段は、利用者側の送信器から送信され続ける微弱電波を盗難により両者の距離が離れて携行物側の受信回路で受信できなくなると通電を行う構成か、奪われた時に発生する加速度をGセンサが検出すると通電を行う構成か、奪われた時にピンが抜けて常開スイッチの接点が閉成する構成により構築したことを特徴とする請求項1に記載の追跡システム。

【図1】
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【公開番号】特開2011−70683(P2011−70683A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−231873(P2010−231873)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【分割の表示】特願2008−297505(P2008−297505)の分割
【原出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(596013143)加藤電機株式会社 (11)
【Fターム(参考)】