説明

送信装置、データ送信方法、および通信システム

【課題】ユーザの利便性の低下を防止しつつ、受信装置に対してより再生品質の高い送信データを一斉に送信することが可能な送信装置、データ送信方法、および通信システムを提供する。
【解決手段】複数の受信装置と通信を行う通信部と、コンテンツを示す送信データの送信対象となる受信装置の数と所定の閾値とを比較し、比較結果に基づいて受信装置それぞれへ送信データを送信するために要するデータ転送量を示す送信転送レートが通信においてデータを送信可能なデータ転送量を示す基準転送レートを超えず、かつ、送信対象の受信装置に対してより再生品質が高い送信データが送信されるように、受信装置それぞれへ送信する送信データを受信装置ごとに設定する送信データ設定部と、送信データ設定部が設定した送信データを対応する送信対象の受信装置へ一斉に送信させる送信処理部とを備える送信装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、データ送信方法、および通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、音楽や音声などを示す音声データや、画像(動画像/静止画像)を示す画像データを有線通信または無線通信にて機器間で送受信する通信システムの普及が進んでいる。
【0003】
このような中、通信における転送レートを超えないようにデータの送受信を行う通信システムに係る技術が開発されている。データを送信する送信装置が、送信されるデータの内容、送信対象の装置の種別、無線リソースの空き状況の少なくとも1つに基づいて、通信チャネルの帯域を設定する技術としては、例えば、特許文献1が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−359200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通信における転送レートを超えないようにデータの送受信を行う通信システムに係る従来の技術(以下、「従来の技術」とよぶ場合がある。)は、データを送信する送信装置が、送信されるデータの内容、送信対象の装置の種別、無線リソースの空き状況の少なくとも1つに基づいて、通信チャネルの帯域を設定する。よって、従来の技術を用いる送信装置(以下、「従来の送信装置」とよぶ場合がある。)は、送信するデータ(以下、「送信データ」という。)の送信対象である1つの受信装置に対して、データを送信可能な転送レートを超えないように送信データを送信することができる可能性はある。
【0006】
しかしながら、通信によりデータの送受信が行われる通信システムは、送信装置が1つの受信装置に対して送信データを送信するシステムに限られない。例えば、通信システムとしては、送信装置が、送信データの送信対象である複数の受信装置それぞれに対して、各受信装置に対応する送信データを一斉に送信するシステムも想定される。上記のように送信装置が送信対象の複数の受信装置に対して一斉に送信データを送信することによって、例えば、複数の受信装置それぞれにおいて同一の音声(音楽も含む。以下、同様とする。)や画像(動画像または静止画像。以下、同様とする。)などの同一のコンテンツを再生させることが可能な通信システムが実現されることとなる。以下では、送信データが、音声や画像などのコンテンツを示すデータであるものとして説明する。
【0007】
ここで、従来の技術は、上記のような送信装置が送信対象の複数の受信装置に対して一斉に送信データを送信する通信システムについて、何らの考慮もされていない。よって、上記通信システムに従来の技術を適用した場合には、例えば、送信装置から送信される送信データを送信するために要するデータ転送量を示す転送レート(以下、「送信転送レート」という。)が、通信においてデータを送信可能なデータ転送量を示す転送レート(以下、「基準転送レート」という。)を超えることが起こりうる。上記のように送信転送レートが基準転送レートを超えた場合には、例えば、受信装置において再生される音声や画像の途切れるなど、望ましくない事態が発生する恐れがある。
【0008】
上記のような送信装置が送信対象の複数の受信装置に対して一斉に送信データを送信する通信システムにおいて、上記のような望ましくない事態の発生を防止するための方法としては、例えば、下記に示す(a)〜(d)のような方法が想定される。
(a)送信装置が、送信対象となる受信装置の数を制限する
(b)送信装置が各受信装置へ送信する送信データを、圧縮された音声データ(一般的に、非圧縮の音声データよりも音質(再生品質の一例)が低くなる。)に統一する(送信データが、音声データである場合)
(c)送信装置が各受信装置へ送信する送信データを、解像度が低い画像データ、および/または、より圧縮率が高い圧縮形式の画像データなど、より画質(再生品質の一例)が低い画像データに統一する(送信データが、動画像を示す画像データである場合)
(d)送信装置が各受信装置へ送信する送信データを、データサイズがより小さい画像データなど、より画質(再生品質の一例)が低い画像データに統一する(送信データが、静止画像を示す画像データである場合)
【0009】
例えば上記(a)、および/または、上記(b)〜(d)に示すような方法を用いることによって、基準転送レートと送信転送レートとの差(以下、「差分転送レート」という。)をより大きくする(すなわち、帯域に余裕をもたせる)ことが可能となる。よって、例えば上記のような方法が適用されることによって、上記のような一斉に送信データが送信される通信システムでは、送信転送レートが基準転送レートを超えることにより生じうる、望ましくない事態の発生の防止を図ることが可能となる。また、上記のような方法が適用された上記通信システムでは、例えば、通信においてスループットの低下が発生することにより基準転送レートが低下した場合であっても、上記望ましくない事態の発生の防止を図ることが可能である。
【0010】
しかしながら、上記(a)の方法を用いることによって上記望ましくない事態の発生の防止を図る場合には、送信対象となる受信装置の数を大幅に制限しなければならない。よって、上記(a)の方法を用いる場合には、通信システムを利用するユーザの利便性を損ねる恐れがある。
【0011】
また、上記(b)〜(d)の方法を用いることによって上記望ましくない事態の発生の防止を図る場合には、実際には帯域に余裕があるときであっても、送信対象の全ての受信装置に、例えば音質がより低い送信データなど、再生品質がより低い送信データが送信されてしまう。よって、上記(b)〜(d)の方法を用いる場合には、送信装置が、通信における通信路容量を最大限に活かすことにより、より再生品質の高い送信データを受信装置へ送信することは、望むべくもない。
【0012】
さらに、送信対象となる受信装置の数と、通信システム全体における受信装置における送信データの再生における再生品質の確保とは、反比例的な関係である。そのため、上記(a)の方法と上記(b)〜(d)の方法とを組み合わせた場合、送信対象となる受信装置の数の制限を緩和すると、より再生品質の高い送信データを受信装置へ送信することは、望めない。また、上記(a)の方法と上記(b)〜(d)の方法とを組み合わせた場合、より再生品質の高い送信データを受信装置へ送信させると、送信対象となる受信装置の数の制限がより厳しくなることから、ユーザの利便性の低下が生じる可能性がより高くなる。
【0013】
よって、上記(a)〜(d)の方法を用いたとしても、送信データが複数の受信装置へ一斉に送信される通信システムにおいて、ユーザの利便性の低下を防止しつつ、受信装置における送信データの再生における再生品質を確保することを実現することは、望むべくもない。
【0014】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ユーザの利便性の低下を防止しつつ、受信装置に対してより再生品質の高い送信データを一斉に送信することが可能な、新規かつ改良された送信装置、データ送信方法、および通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点によれば、複数の受信装置と通信を行う通信部と、コンテンツを示す送信データの送信対象となる受信装置の数と所定の閾値とを比較し、比較結果に基づいて、上記受信装置それぞれへ送信データを送信するために要するデータ転送量を示す送信転送レートが上記通信においてデータを送信可能なデータ転送量を示す基準転送レートを超えず、かつ、送信対象の上記受信装置に対してより再生品質が高い送信データが送信されるように、上記受信装置それぞれへ送信する送信データを上記受信装置ごとに設定する送信データ設定部と、上記送信データ設定部が設定した送信データを、対応する送信対象の受信装置へ一斉に送信させる送信処理部とを備える送信装置が提供される。
【0016】
かかる構成により、ユーザの利便性の低下を防止しつつ、受信装置に対してより再生品質の高い送信データを一斉に送信することができる。
【0017】
また、受信装置を識別するための装置情報の送信を要求する装置情報送信要求を、送信対象の上記受信装置それぞれへと送信させる要求送信部をさらに備え、上記送信データ設定部は、上記送信対象となる受信装置の数が上記所定の閾値以上の場合、または、上記送信対象となる受信装置の数が上記所定の閾値より大きい場合に、上記通信部が受信した、上記装置情報送信要求に応じて受信装置それぞれから送信された装置情報に基づいて、上記送信データを上記受信装置ごとに設定し、上記送信対象となる受信装置の数が上記所定の閾値より小さい場合、または、上記送信対象となる受信装置の数が上記所定の閾値以下の場合には、送信対象の受信装置それぞれに対してより再生品質が高い送信データを設定してもよい。
【0018】
また、各受信装置におけるコンテンツの再生能力を示す再生能力情報を記憶する記憶部をさらに備え、上記送信データ設定部は、受信された上記装置情報と上記再生能力情報とに基づいて、上記装置情報に対応する受信装置におけるコンテンツの再生能力を特定し、特定された上記受信装置それぞれにおけるコンテンツの再生能力に基づいて、上記受信装置それぞれへ送信する送信データを設定してもよい。
【0019】
また、上記要求送信部は、上記装置情報が受信されると、受信された上記装置情報に対応する再生能力情報の送信を要求する再生能力情報取得要求を、各受信装置におけるコンテンツの再生能力を示す再生能力情報を記憶する外部装置へと送信させ、上記送信データ設定部は、受信された上記装置情報と受信された再生能力情報とに基づいて、上記装置情報に対応する受信装置におけるコンテンツの再生能力を特定し、特定された上記受信装置それぞれにおけるコンテンツの再生能力に基づいて、上記受信装置それぞれへ送信する送信データを設定してもよい。
【0020】
また、上記送信データ設定部は、より再生能力が高い受信装置に対してより再生品質が高い送信データが送信されるように設定してもよい。
【0021】
また、上記送信データ設定部は、送信する送信データが音声を示す音声データである場合、非圧縮の音声データ、または所定の圧縮方式で圧縮された音声データを、上記送信データとして設定してもよい。
【0022】
また、上記送信データ設定部は、送信する送信データが動画像を示す画像データである場合、複数の解像度、および/または、圧縮形式が異なる複数の画像データのうちのいずれかの画像データを、上記送信データとして設定してもよい。
【0023】
また、上記送信データ設定部は、送信する送信データが静止画像を示す画像データである場合、データサイズが異なる複数の画像データのうちのいずれかの画像データを、上記送信データとして設定してもよい。
【0024】
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点によれば、コンテンツを示す送信データの送信対象となる受信装置の数と所定の閾値とを比較し、比較結果に基づいて、上記受信装置それぞれへ送信データを送信するために要するデータ転送量を示す送信転送レートが上記通信においてデータを送信可能なデータ転送量を示す基準転送レートを超えず、かつ、送信対象の上記受信装置に対してより再生品質が高い送信データが送信されるように、上記受信装置それぞれへ送信する送信データを上記受信装置ごとに設定するステップと、上記設定するステップにおいて設定された送信データを、対応する送信対象の受信装置へ一斉に送信するステップとを有するデータ送信方法が提供される。
【0025】
かかる方法を用いることによって、ユーザの利便性の低下を防止しつつ、受信装置に対してより再生品質の高い送信データを一斉に送信することができる。
【0026】
上記目的を達成するために、本発明の第3の観点によれば、送信装置と、上記送信装置と通信が可能な、複数の受信装置とを有し、上記送信装置は、複数の受信装置と通信を行う通信部と、コンテンツを示す送信データの送信対象となる受信装置の数と所定の閾値とを比較し、比較結果に基づいて、上記受信装置それぞれへ送信データを送信するために要するデータ転送量を示す送信転送レートが上記通信においてデータを送信可能なデータ転送量を示す基準転送レートを超えず、かつ、送信対象の上記受信装置に対してより再生品質が高い送信データが送信されるように、上記受信装置それぞれへ送信する送信データを上記受信装置ごとに設定する送信データ設定部と、上記送信データ設定部が設定した送信データを、対応する送信対象の受信装置へ一斉に送信させる送信処理部とを備える、通信システムが提供される。
【0027】
かかる構成によって、ユーザの利便性の低下を防止しつつ、受信装置に対してより再生品質の高い送信データを一斉に送信することが可能な、通信システムが実現される。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、ユーザの利便性の低下を防止しつつ、受信装置に対してより再生品質の高い送信データを一斉に送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態に係る通信システムの概要を示す説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係る通信システムにおけるデータ送信アプローチに係る処理の一例を示す説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係る送信装置が送信する各種要求のフォーマットの一例を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態に係る受信装置が送信する各種要求に対する応答のフォーマットの一例を示す説明図である。
【図5】本発明の実施形態に係る送信装置における送信データ設定処理の一例を示す流れ図である。
【図6】本発明の実施形態に係る送信装置が送信するデータのフォーマットの一例を示す説明図である。
【図7】本発明の実施形態に係る送信装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施形態に係る送信装置のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
【図9】本発明の実施形態に係る受信装置の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0031】
また、以下では、下記に示す順序で説明を行う。
1.本発明の実施形態に係るアプローチ
2.本発明の実施形態に係る通信システム
3.本発明の実施形態に係るプログラム
【0032】
(本発明の実施形態に係るアプローチ)
本発明の実施形態に係る通信システム(以下、「通信システム1000」とよぶ場合がある。)を構成する各装置の構成について説明する前に、本発明の実施形態に係るデータ送信アプローチについて説明する。
【0033】
[通信システム1000の概要]
後述する本発明の実施形態に係るデータ送信アプローチの概要を説明する前に、通信システム1000の概要について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る通信システム1000の概要を示す説明図である。通信システム1000は、送信装置100と、受信装置200A、200B、…(以下、総称して「受信装置200」とよぶ場合がある。)を有する。
【0034】
送信装置100と、受信装置200とは、例えば、LAN(Local Area Network)などによる有線通信や、IEEE802.11gやIEEE802.15などによる無線通信によって、通信を行う。ここで、図1では、送信装置100と受信装置200とが無線通信により通信を行う場合を示している。なお、図1では示していないが、例えば、無線通信としてIEEE802.11gが用いられる場合、送信装置100と受信装置200とは、アクセスポイントの役目を果たす中継装置を介して通信を行う。
【0035】
また、通信システム1000では、例えば、通信要求(後述する)や装置情報送信要求(後述する)、再生能力情報取得要求(後述する)などの各種要求(コマンド)や、当該各種要求に応じて送信される情報(データ)、送信データなどは、例えば、“UDP unicastパケット”により送受信される。なお、本発明の実施形態に係る通信システム1000は、例えば、DLNA(Digital Living Network Alliance)規格に則った任意の形式で、各種要求などの送受信を行うことも可能である。また、本発明の実施形態に係る通信システム1000における各種要求は、上記に限られず、例えば、送信データの送信開始通知や、送信データの送信停止要求、送信データの再送要求など、様々なものが挙げられる。
【0036】
本発明の実施形態に係る通信システム1000は、例えば、送信装置100が送信データの送信対象となりうる受信装置それぞれに対して通信要求を送信し、各受信装置200が、当該通信要求に対して通信を行う旨の応答を行うことによって、形成される。つまり、通信システム1000は、送信装置100がシステムへの参加を各受信装置200へと要請し、各受信装置200が当該要請に応じることによって、形成される。図1では、受信装置200A〜受信装置200Fの6つの受信装置200が通信システム1000を構成し、受信装置200Gは通信システム1000を構成しない例を示している。
【0037】
以下、図1に示す通信システム1000を例に挙げて、送信装置100、受信装置200の概要について説明する。なお、例えば図1に示す受信装置200Aが上記通信要求を送信装置100や他の受信装置200へ送信する場合、図1に示す受信装置200Aは送信装置としての役目を果たし、図1に示す送信装置100は、受信装置としての役目を果たすことも可能である。
【0038】
送信装置100は、通信システム1000において、通信システム1000を構成する受信装置200(すなわち、送信データの送信対象の受信装置200。以下、「送信対象装置」とよぶ場合がある。)それぞれに送信データを送信する役目を果たす。より具体的には、送信装置100は、送信対象装置それぞれに対して送信する送信データを、送信対象装置ごとに設定する。そして、送信装置100は、設定した各送信対象装置に送信する送信データを一斉に送信する。
【0039】
ここで、本発明の実施形態に係る送信データとは、例えば、音声データや、動画像データ、静止画像データなど、音声や画像などのコンテンツを示すデータである。以下では、音声や画像などのコンテンツを示すデータを、総称して「コンテンツデータ」とよぶ場合がある。また、以下では、送信装置100から送信対象の受信装置200それぞれへと送信される送信データが、音声データである場合を主に例に挙げて説明する。
【0040】
受信装置200は、送信装置100から送信された送信データを受信し、受信された送信データの再生を行う。ここで、受信装置200における上記再生としては、例えばストリーム再生が挙げられる。受信装置200それぞれが送信装置100から一斉に送信された送信データをストリーム再生することによって、通信システム1000では、例えば異なる部屋などに設置された複数の受信装置200が同一のコンテンツを一斉に再生することが実現される。なお、複数の受信装置200における受信されたデータの再生方法は、ストリーム再生に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る受信装置200は、受信した送信データを記憶部(後述する)などに記憶し、記憶された送信データを再生することもできる。
【0041】
また、受信装置200は、送信装置100から送信された送信データを受信して再生することに限られない。例えば、受信装置200は、DVDディスクなどの光ディスクや、ハードディスク(Hard Disk)などの磁気記録媒体、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの様々な記録媒体から取得されたコンテンツデータや、チューナや外部入力端子などを介して取得されたコンテンツデータを再生可能な構成であってもよい。
【0042】
通信システム1000は、例えば上記のような送信装置100と、受信装置200を有することにより、送信データを複数の受信装置200へ一斉に送信し、受信装置200において送信データに応じたコンテンツを再生させる。以下、図1に示す通信システム1000を例に挙げて、本発明の実施形態に係るデータ送信アプローチについて説明する。
【0043】
[データ送信アプローチの概要]
上述したように、従来の技術や上記(a)〜(d)に示す方法を用いたとしても、送信データが複数の受信装置へ一斉に送信される通信システムにおいて、ユーザの利便性の低下を防止しつつ、受信装置における送信データの再生における再生品質を確保することの実現は、望めない。
【0044】
例えば、送信装置と送信対象の各受信装置との通信がIEEE802.11gを用いた無線通信である場合、転送レートの理論値は54[Mbps]であるが、電波強度の低下などによってスループットが低下するので、転送レートの実効値(すなわち、基準転送レート)は約20〜30[Mbps]である。ここで、送信装置から送信される送信データが、LPCM(Linear Pulse-Code Modulation)の音声データである場合(例えば、転送レートが1.4[Mbps]のLPCMの場合)には、無線環境がある程度よいとき(例えば、基準転送レートが25[Mbps]のとき)でも、下記の数式1より、8つ程の受信装置にしか送信データを送信することができない。なお、無線環境が上記環境に保たれるとは限られないことを鑑みると、上記の場合において送信データを安定的に受信させることが可能な受信装置の数は、4または5程である。
【0045】
25[Mbps]/(1.4[Mbps]×2)=8.9
・・・(数式1)
【0046】
ここで、上記(b)に示すように、送信装置が送信する送信データを、例えばLPCMの音声データが圧縮されたDPCM(Differential Pulse Code Modulation)の音声信号とすれば、差分転送レートを大きくすることができるので、帯域的に余裕をもたせることが可能となる。よって、上記の場合には、より多くの受信装置に対して送信データを送信することができる。しかしながら、上記の場合には、送信対象の全ての受信装置に対して圧縮された音声データが送信データとして送信されるので、通信システム全体としてのみた場合の音質は低下してしまう。
【0047】
そこで、本発明の実施形態に係る通信システム1000では、送信装置100が、送信対象の受信装置200それぞれに送信する送信データを、受信装置200ごとに設定し、設定された送信データを各受信装置200へ一斉に送信する。送信装置100が受信装置200ごとに送信データを設定することによって、通信システム1000では、送信転送レートが基準転送レートを超えず、かつ、送信対象の受信装置200に対してより再生品質が高い送信データを送信することを実現することが可能となる。
【0048】
したがって、ユーザの利便性の低下を防止しつつ、受信装置200に対してより再生品質の高い送信データを一斉に送信することが可能な、通信システム1000が実現される。
【0049】
より具体的には、通信システム1000では、送信装置100が、例えば下記の(1)の処理、および(2)の処理を行うことによって、送信転送レートが基準転送レートを超えることを防止しつつ、受信装置200に対してより再生品質が高い送信データを送信する。ここで、下記に示す(1)の処理、および(2)の処理は、本発明の実施形態に係るデータ送信方法に係る処理の一例である。
【0050】
(1)送信データ設定処理
送信装置100は、送信対象となる受信装置200の数(以下、「送信対象装置数」と示す場合がある。)と所定の閾値とを比較する。そして、送信装置100は、比較結果に基づいて、送信転送レートが基準転送レートを超えず、かつ、送信対象の受信装置200に対してより再生品質が高い送信データが送信されるように、受信装置200ごとに送信データを設定する。
【0051】
より具体的には、送信装置100は、再生品質の異なる複数のコンテンツデータを受信装置200に送信する送信データの候補とし、上記比較結果に基づいて、各受信装置200にいずれかのコンテンツデータを設定する。
【0052】
例えば、送信装置100は、送信対象装置数が所定の閾値より小さい場合(または、送信対象装置数が所定の閾値以下の場合。以下、同様とする。)に、送信対象の受信装置200それぞれに対してより再生品質が高い送信データを設定する。つまり、送信装置100が(1)の処理において用いる本発明の実施形態に係る所定の閾値は、例えば、全ての送信対象となる受信装置200に対してより再生品質が高い送信データを設定することができるか否かを判定するための値である。ここで、上記本発明の実施形態に係る所定の閾値は、例えば、送信データのうちのより再生品質が高い送信データを受信装置200へ一斉送信するために要する転送レートが、通信方式に応じて設定された基準転送レートを超えない、送信対象装置数の最大値が設定される。なお、送信装置100が(1)の処理において用いる本発明の実施形態に係る所定の閾値の設定方法が、上記に限られないことは、言うまでもない。
【0053】
また、送信装置100は、例えば、送信対象装置数が所定の閾値以上の場合(または、送信対象装置数が所定の閾値より大きい場合。以下、同様とする。)には、送信対象の受信装置200のうちのより多くの受信装置200に対してより再生品質が高い送信データが設定されるように、再生品質の異なる複数の送信データを混在させて設定する。ここで、送信装置100における送信データの設定方法としては、例えば、より再生品質の高い送信データを送信する送信対象装置数を決定し、送信対象装置のうちの決定した数に対応する任意の受信装置200に対してより再生品質の高い送信データを設定することが挙げられる。上記の場合、より再生品質の高い送信データが設定されていない他の受信装置200には、例えば、DPCMの音声データなどの再生品質がより低い送信データが設定される。
【0054】
なお、送信対象装置数が所定の閾値以上の場合における送信データの設定方法は、上記に限られない。例えば、送信装置100は、後述する装置情報送信要求を送信することにより送信対象となる受信装置200それぞれから装置情報を取得し、装置情報に基づいて各受信装置200のコンテンツの再生能力を特定し、より再生能力の高い受信装置200に対してより再生品質の高い送信データを設定してもよい。
【0055】
ここで、本発明の実施形態に係る装置情報とは、受信装置200を識別するための情報(データ)である。装置情報としては、例えば、受信装置200のモデル名を示す情報や、備えるデバイスの性能を示す情報、コンテンツデータの再生機能を示す情報などが挙げられる。また、上記備えるデバイスの性能を示す情報としては、例えば、スピーカの出力性能やアンプ(デジタル/アナログ)の性能を示す情報、画面サイズの情報などが挙げられる。また、コンテンツデータの再生機能を示す情報としては、例えば、再生可能な画像データの解像度やコーデック、再生可能な音声データのサンプリングレートなどが挙げられる。
【0056】
送信装置100は、各受信装置200から取得された装置情報から直接的にコンテンツの再生能力を特定することが可能な場合、例えば、各受信装置200から取得された装置情報を比較することによって、各受信装置200のコンテンツの再生能力を相対的に特定する。ここで、送信装置100におけるコンテンツの再生能力の相対的な特定方法としては、例えば、取得された装置情報に含まれる備えるデバイスの性能を示す情報やコンテンツデータの再生機能を示す情報に基づいて、再生能力の高い順に受信装置200を並べることが挙げられる。上記のように再生能力の高い順に受信装置200を並べることによって、送信装置100は、再生能力の高い順により再生品質の高い送信データを設定することができる。
【0057】
また、他のコンテンツの再生能力の相対的な特定方法としては、例えば、備えるデバイスの性能やコンテンツデータの再生機能に閾値を設けることによって、送信対象の受信装置200それぞれを、例えば、再生能力がより高い「高再生機能装置」と、高再生装置以外の「一般再生機能装置」とに分類することが挙げられる。上記のように送信対象の受信装置200を高再生機能装置と一般再生機能装置とに分類することによって、送信装置100は、高再生機能装置に分類された受信装置200に対して優先的により再生品質の高い送信データを設定することができる。ここで、上記の場合において高再生機能装置に分類された受信装置200の数が所定の閾値以上のとき(または、所定の閾値より大きいとき)には、送信装置100は、例えば、高再生機能装置に分類された受信装置200のうちの中から“所定の閾値−1(または、所定の閾値)”と一致する数の受信装置200を選択する。そして、送信装置100は、選択された受信装置200に対してより再生品質の高い送信データを設定する。
【0058】
例えば上記のようなコンテンツの再生能力の相対的な特定方法を用いることによって、送信装置100は、より再生能力が高い受信装置200に対してより再生品質が高い送信データが送信されるように送信データを設定することができる。
【0059】
また、送信装置100は、各受信装置200から取得された装置情報と、各受信装置200におけるコンテンツの再生能力を示す再生能力情報とに基づいて、受信装置200それぞれの再生能力を特定することもできる。より具体的には、送信装置100は、例えば、取得された装置情報に含まれるモデル名を示す情報に基づいて、記憶部および/または外部装置から、当該装置情報に対応する受信装置200の再生能力情報を取得する。そして、送信装置100は、受信装置200それぞれにおける再生能力情報に基づいて、例えば上記コンテンツの再生能力の相対的な特定方法を用いることによって、受信装置200それぞれの再生能力を特定する。
【0060】
ここで、本発明の実施形態に係る再生能力情報は、例えば、記憶部(後述する)や、ネットワークで接続されたサーバなどの外部装置に記憶される。本発明の実施形態に係る再生能力情報は、例えばデータベース(以下、「DB」と示す場合がある。)形式で各受信装置200におけるコンテンツの再生能力の情報が記録されるが、データベース形式に限られず、各受信装置200の再生能力の情報が個別に記録されたデータであってもよい。
【0061】
また、外部装置に記憶された再生能力情報の中から装置情報に対応する受信装置200の再生能力情報を取得する場合、送信装置100は、例えば、受信された装置情報に対応する再生能力情報の送信を要求する再生能力情報取得要求を、再生能力情報を記憶する外部装置へ送信する。送信装置100は、再生能力情報取得要求に応じて外部装置から送信さえる再生能力情報を受信することによって、外部装置に記憶された再生能力情報の中から装置情報に対応する受信装置200の再生能力情報を取得することができる。ここで、送信装置100は、例えば、再生能力情報を記憶する外部装置のIP(Internet Protocol)アドレスなど、当該外部装置と通信を行うための情報を予め記憶し、記憶された当該情報を用いることによって、当該外部装置へ再生能力情報取得要求を送信する。
【0062】
送信装置100は、例えば上記のような処理を行うことによって、送信転送レートが基準転送レートを超えず、かつ、送信対象の受信装置200に対してより再生品質が高い送信データが送信されるように、受信装置200ごとに送信データを設定する。
【0063】
〔送信データ設定処理において設定される送信データの一例〕
ここで、送信装置100が(1)の処理(送信データ設定処理)において設定する送信データの一例(送信データの候補とするコンテンツデータの一例)について説明する。送信装置100が(1)の処理(送信データ設定処理)において設定する送信データとしては、例えば下記の(A)〜(C)が挙げられる。
【0064】
(A)送信データが音声データである場合
送信データが音声を示す音声データである場合、送信装置100は、LPCMの音声データなどの非圧縮の音声データ、または、DPCMなど所定の圧縮方式で圧縮された音声データを、送信データとして設定する。ここで、一般的に非圧縮の音声データの方が圧縮された音声データよりも再生品質が高くなるので、送信装置100は、例えば、非圧縮の音声データをより再生品質の高い送信データとする。なお、送信装置100は、非圧縮の音声データと1つの圧縮方式で圧縮された音声データとを送信データの候補とすることに限られず、例えば、非圧縮の音声データと複数の圧縮方式で圧縮された音声データとを送信データの候補とすることもできる。
【0065】
(B)送信データが動画像を示す画像データである場合
送信データが動画像を示す画像データである場合、送信装置100は、例えば、複数の解像度、および/または、圧縮形式が異なる複数の画像データのうちのいずれかの画像データを、送信データとして設定する。ここで、上記の場合におけるより再生品質の高い送信データは、例えば、送信データのソースとなるコンテンツデータの解像度や圧縮形式などに基づいて設定される。例えば、送信装置100は、ソースとなるコンテンツデータの解像度を低下させない送信データをより再生品質の高い送信データとし、ソースとなるコンテンツデータの解像度を低下させた送信データをより再生品質の低い送信データとして設定する。
【0066】
(C)送信データが静止画像を示す画像データである場合
送信データが静止画像を示す画像データである場合、送信装置100は、例えば、データサイズが異なる複数の画像データのうちのいずれかの画像データを、送信データとして設定する。例えば、送信装置100は、ソースとなるコンテンツデータそのものをより再生品質の高い送信データとし、ソースとなるコンテンツデータの画像サイズを縮小したり、非可逆圧縮した画像データをより再生品質の低い送信データとして設定する。
【0067】
送信装置100は、(1)の処理(送信データ設定処理)において、例えば上記(A)〜(C)に示すような送信データを設定する。なお、本発明の実施形態に係る送信装置100が設定する送信データが、上記(A)〜(C)に示す送信データに限られないことは、言うまでもない。
【0068】
なお、送信装置100における(1)の処理(送信データ設定処理)は、送信転送レートが基準転送レートを超えず、かつ、送信対象の受信装置200に対してより再生品質が高い送信データが送信されるように、受信装置200ごとに送信データを設定することに限られない。例えば、送信装置100は、送信転送レートが基準転送レートを超えないことを前提とし、取得された装置情報に基づいて各受信装置200のコンテンツの再生能力を特定して、各受信装置200の再生能力に見合ったデータ形式の送信データを設定することもできる。上記のように送信データを設定する場合には、差分転送レートをより大きくすることが可能であるのでネットワーク負荷を抑えることができ、さらにボトルネックとなる受信装置200に引きずられることなく、各受信装置200の再生性能を発揮させることが可能となる。
【0069】
(2)送信処理
送信装置100は、上記(1)の処理(送信データ設定処理)において送信対象の受信装置200ごとに設定した送信データを、対応する受信装置200へ一斉に送信する。
【0070】
通信システム1000では、送信装置100が、例えば上記(1)の処理(送信データ設定処理)、および(2)の処理(送信処理)を行うことによって、送信データが受信装置200へ一斉に送信される。ここで、送信装置100は、上記(1)の処理(送信データ設定処理)において、送信転送レートが基準転送レートを超えず、かつ、送信対象の受信装置200に対してより再生品質が高い送信データが送信されるように、受信装置200ごとに送信データを設定する。よって、通信システム1000では、送信転送レートが基準レートを超えることはないので、受信装置200において再生される音声や画像の途切れるなど、望ましくない事態が発生することはない。また、通信システム1000では、送信対象の受信装置200に対してより再生品質が高い送信データが送信される。
【0071】
したがって、送信装置100が、例えば上記(1)の処理(送信データ設定処理)、および(2)の処理(送信処理)を行うことによって、ユーザの利便性の低下を防止しつつ、受信装置200に対してより再生品質の高い送信データを送信することが可能な、通信システム1000が実現される。
【0072】
[データ送信アプローチに係る処理の具体例]
次に、通信システム1000における本発明の実施形態に係るデータ送信アプローチに係る処理について、より具体的に説明する。以下では、送信装置100が、音声データを送信データとして受信対象の受信装置200へ送信する場合を例に挙げて説明する。また、以下では、通信システム1000を構成する受信装置200が、上記高再生機能装置と、上記一般再生機能装置とに分類される場合を例に挙げて説明する。
【0073】
図2は、本発明の実施形態に係る通信システム1000におけるデータ送信アプローチに係る処理の一例を示す説明図である。ここで、図2は、図1に示す受信装置200のうち、受信装置200A、受信装置200C、受信装置200Dを代表的に示している。また、図2では、受信装置200Aが高再生機能装置として機能し、受信装置200Cおよび受信装置200Dが一般再生機能装置として機能する場合を示している。
【0074】
送信装置100は、例えば操作部(後述する)に対して行われたユーザ操作に基づいて、各受信装置200に対して通信要求を送信する(S100A、S100C、S100D、S100n。以下、総称して「S100」と示す。)。ここで、ステップS100において送信装置100が送信する通信要求とは、例えば、送信データの送信対象の受信装置200を特定するために各受信装置200に応答を送信させる、一種の命令である。また、本発明の実施形態に係る通信要求は、送信装置100から各受信装置200へと送信される、通信システム1000への参加の招待状と捉えることもできる。つまり、送信装置100がステップS100の処理を行い、各受信装置200が後述するステップS102の処理を行うことによって、図1に示すような通信システム1000が形成される。
【0075】
図3は、本発明の実施形態に係る送信装置100が送信する各種要求のフォーマットの一例を示す説明図である。図3に示すように、送信装置100は、例えば、識別子と、長さの情報と、要求コマンドと、パラメータとを有する要求を送信する。ここで、識別子は、プロトコルを識別するための情報であり、長さの情報は、例えば要求コマンドのデータ長を示す。また、要求コマンドは、命令の内容を示し、パラメータは、当該要求コマンドに係るパラメータを示す。
【0076】
送信装置100は、例えば図3に示すフォーマットに則ってステップS100の通信要求や後述する装置情報送信要求などの各種要求を生成し、生成された各種要求を受信装置200へ送信する。なお、本発明の実施形態に係る送信装置100が送信する各種要求のフォーマットが図3に限られないことは、言うまでもない。
【0077】
再度図2を参照して、通信システム1000におけるデータ送信アプローチに係る処理の一例について説明する。ステップS100において送信装置100から送信された通信要求を受信した受信装置200は、通信要求に対する応答を送信装置100へ送信する(S102A、S102C、S102D、S102n。以下、総称して「S102」と示す。)。以下では、図1に示す受信装置200A〜200Fが、送信データの受信が可能であることを示す応答(通信システム1000へ参加する応答)を行い、受信装置200Gが、送信データの受信が可能ではないことを示す応答(通信システム1000へ参加しない応答)を行うものとして説明する。
【0078】
図4は、本発明の実施形態に係る受信装置200が送信する各種要求に対する応答のフォーマットの一例を示す説明図である。図4に示すように、受信装置200は、例えば、識別子と、長さの情報と、要求コマンドと、応答の情報とを有する要求を送信する。ここで、識別子は、プロトコルを識別するための情報であり、長さの情報は、例えば要求コマンドのデータ長を示す。また、要求コマンドは、どの命令に応じた応答であるかを示し、応答の情報は、当該要求コマンドに係る応答の内容を示す。受信装置200が生成する応答の情報としては、例えば、ACK(ACKnowledgement)や、装置情報などの各種要求に応じたデータが挙げられる。
【0079】
受信装置200は、例えば図4に示すフォーマットに則ってステップS100の通信要求などの各種要求に対する応答を行う。なお、本発明の実施形態に係る送信装置100が送信する各種要求のフォーマットが図3に限られないことは、言うまでもない。
【0080】
再度図2を参照して、通信システム1000におけるデータ送信アプローチに係る処理の一例について説明する。ステップS102において各受信装置200からの応答が受信されると、送信装置100は、送信データの受信が可能であることを示す応答を行った受信装置200を、送信データの送信対象の受信装置200に設定する。送信装置100は、ステップS102の応答に基づいて送信対象の受信装置200を設定することによって、送信対象装置数を特定することができる。
【0081】
そして、送信装置100は、送信対象の受信装置200に対して、装置情報送信要求を送信する(S104A、S104C、S104D、S104n。以下、総称して「S104」と示す。)。ここで、こで、ステップS104において送信装置100が送信する装置情報送信要求とは、例えば、各受信装置200に装置情報を送信させる、一種の命令である。なお、送信装置100が、後述するステップS108の処理において、例えば送信対象装置数と所定の閾値との比較結果に応じて任意の受信装置200へより再生品質の高い送信データを設定する場合など、装置情報を用いない場合には、送信装置100は、ステップS104の処理を行わなくてもよい。
【0082】
ステップS104において送信装置100から送信された装置情報送信要求を受信した受信装置200は、装置情報送信要求に対する応答として、例えば記憶部(後述する)に記憶する装置情報を送信する(S106A、S106C、S106D、S106n。以下、総称して「S106」と示す。)。
【0083】
ステップS106において各受信装置200から送信された装置情報を受信した送信装置100は、送信対象の受信装置200に送信する送信データを設定する(S108;送信データ設定処理)。
【0084】
〔送信データ設定処理の一例〕
図5は、本発明の実施形態に係る送信装置100における送信データ設定処理の一例を示す流れ図である。以下では、送信装置100と各受信装置200とが、IEEE802.11gに則った無線通信を行う場合を例に挙げて送信データ設定処理の一例を説明する。
【0085】
また、以下では、送信装置100が、転送レートが1.4[Mbps]のLPCMの音声データ(より再生品質の高い送信データの一例)と、転送レートが0.7[Mbps]のDPCMの音声データ(再生品質がLPCMよりも低い送信データの一例)とのいずれかを、送信データとして設定する場合を例に挙げて送信データ設定処理の一例を説明する。以下では、LPCMの音声データなどより再生品質の高い送信データを「第1送信データ」と示し、また、第1送信データよりも再生品質が低い送信データを「第2送信データ」と示す。
【0086】
送信装置100は、図2のステップS104において装置情報送信要求を送信した受信装置200の数に応じた数を、送信対象装置数N(Nは、正の整数)として設定する(S200)。
【0087】
ステップ200において送信対象装置数を設定すると、送信装置100は、設定された送信対象装置数Nが第1の閾値より小さいか否かを判定する(S202)。ここで、ステップS202の処理は、上述した(1)の処理(送信データ設定処理)における送信対象装置数と所定の閾値とを比較する処理に該当する。また、無線通信がIEEE802.11gに則り、第1送信データが転送レートが1.4[Mbps]のLPCMの音声データである場合、基準転送レートを送信転送レートが超えることなく第1送信データを送信可能な装置数は、5である。よって、上記の場合、第1の閾値は、例えば“第1の閾値=6”に設定される。
【0088】
ステップS202において送信対象装置数Nが第1の閾値より小さいと判定された場合には、送信装置100は、“第1送信データの送信対象装置数=N”に設定する(S204)。そして、送信装置100は、ステップS204の処理結果に基づいて、各受信装置200に送信する送信データを設定する(S228)。ここで、ステップS204の処理結果に基づいてステップS228の処理が行われる場合には、送信装置100は、送信対象の全ての受信装置200に対して第1送信データを設定することとなる。
【0089】
また、ステップS202において送信対象装置数Nが第1の閾値より小さいと判定されない場合には、送信装置100は、送信対象装置数Nが第2の閾値より大きいか否かを判定する(S206)。ここで、本発明の実施形態に係る第2の閾値とは、例えば、送信転送レートが基準転送レートを超えないように第2送信データのみを受信装置200へ送信する場合における、送信対象装置数の上限値である。無線通信がIEEE802.11gに則り、第2送信データが転送レートが0.7[Mbps]のDPCMの音声データである場合、第2の閾値は、例えば“第2の閾値=10”に設定される。
【0090】
ステップS206において送信対象装置数Nが第2の閾値より大きいと判定された場合には、送信装置100は、“第1送信データの送信対象装置数=0”、“第2送信データの送信対象装置数=第2の閾値−1”に設定する(S208)。そして、送信装置100は、ステップS208の処理結果に基づいて、各受信装置200に送信する送信データを設定する(S228)。ここで、ステップS208の処理結果に基づいてステップS228の処理が行われる場合、送信対象装置数Nが第2の閾値以下のときには、送信装置100は、送信対象の全ての受信装置200に対して第2送信データを設定する。また、送信対象装置数Nが第2の閾値より大きいときには、送信装置100は、例えば、送信対象の受信装置200から第2の閾値と一致する数の受信装置200を任意の選択し、選択された受信装置200に対して第2送信データを設定する。上記のように選択された受信装置200に対して第2送信データを設定する場合には、選択されなかった受信装置200には、送信データが送信されないこととなる。
【0091】
また、ステップS206において送信対象装置数Nが第2の閾値より大きいと判定されない場合には、送信装置100は、送信対象の受信装置200の中に高再生機能装置があるか否かを判定する(S210)。ここで、送信装置100は、図2のステップS106において受信した装置情報に基づいて各受信装置200を分類することによって、ステップS210の判定を行う。
【0092】
<高再生機能装置がある場合>
送信装置100は、例えばステップS210の処理における分類の結果に基づいて、高再生機能装置数H(Hは、正の整数)を設定する(S212)。
【0093】
ステップS212において高再生機能装置数Hが設定されると、送信装置100は、送信転送レートを算出する(S214)。ここで、送信装置100は、例えば下記の数式2の演算を行うことによって転送レートを算出する。
【0094】
転送レート[Mbps]={1.4・H+0.7・(N−H)}・2
・・・(数式2)
【0095】
ステップS214において送信転送レートが算出されると、送信装置100は、差分転送レートを算出する(S216)。そして、送信装置100は、ステップS216において算出された差分転送レートが0より小さいか否かを判定する(S218)。ここで、ステップS218の処理は、設定された高再生機能装置数Hの受信装置200に対して第1送信データを送信する場合に、送信転送レートが基準転送レートを超えるか否かの判定に相当する。
【0096】
ステップS218において差分転送レートが0より小さいと判定された場合、送信転送レートが基準転送レートを超えることを示しているので、送信装置100は、高再生機能装置数Hを、H=H−1に更新する(S220)。そして、送信装置100は、ステップS214からの処理を繰り返す。
【0097】
また、ステップS218において差分転送レートが0より小さいと判定された場合には、帯域に余裕があることを示しているので、送信装置100は、差分転送レートが第3の閾値より大きいか否かを判定する(S222)。ここで、本発明の実施形態に係る第3の閾値は、第1送信データを送信できる程の帯域の余裕があるか否かを判定するために設定される。本発明の実施形態に係る第3の閾値としては、例えば、図5におけるLPCMの転送レートである1.4[Mbps](第1送信データの転送レートの一例)が挙げられる。
【0098】
ステップS222において差分転送レートが第3の閾値より大きいと判定された場合、第1送信データを送信できる程の帯域の余裕があることを示しているので、送信装置100は、高再生機能装置数Hを、H=H+1に更新する(S224)。そして、送信装置100は、ステップS214からの処理を繰り返す。
【0099】
また、ステップS222において差分転送レートが第3の閾値より大きいと判定されない場合には、送信装置100は、“第1送信データの送信対象装置数=H”、“第2送信データの送信対象装置数=N−H”に設定する(S226)。そして、送信装置100は、ステップS226の処理結果に基づいて、各受信装置200に送信する送信データを設定する(S228)。
【0100】
<高再生機能装置がない場合>
送信装置100は、高再生機能装置数M(Mは、正の整数)を、送信対象装置数Nに設定する(S230)。
【0101】
ステップS230において高再生機能装置数Mが設定されると、送信装置100は、送信転送レートを算出する(S232)。ここで、送信装置100は、例えば下記の数式3の演算を行うことによって転送レートを算出する。
【0102】
転送レート[Mbps]={1.4・M+0.7・(N−M)}・2
・・・(数式3)
【0103】
ステップS232において送信転送レートが算出されると、送信装置100は、送信転送レートが基準転送レートより大きいか否かを判定する(S234)。
【0104】
ステップS234において送信転送レートが基準転送レートより大きいと判定された場合には、送信装置100は、高再生機能装置数MをM=M−1に更新する(S236)。そして、送信装置100は、ステップS232からの処理を繰り返す。
【0105】
また、ステップS234において送信転送レートが基準転送レートより大きいと判定されない場合には、送信装置100は、“第1送信データの送信対象装置数=M”、“第2送信データの送信対象装置数=N−M”に設定する(S238)。そして、送信装置100は、ステップS238の処理結果に基づいて、各受信装置200に送信する送信データを設定する(S228)。
【0106】
送信装置100は、送信データ設定処理として例えば図5に示す処理を行うことによって、送信対象の受信装置200それぞれに対して送信データを設定する。ここで、送信装置100は、送信転送レートが基準転送レートを超えず、かつ、送信対象の受信装置200に対してより再生品質が高い送信データを送信されるように、第1送信データの送信対象装置数と第2送信データの送信対象装置数とを設定する。よって、送信装置100が図5に示す処理を行うことによって、送信装置100は、ユーザの利便性の低下を防止しつつ、受信装置に対してより再生品質の高い送信データを一斉に送信することができる。なお、本発明の実施形態に係る送信装置100における送信データ設定処理が、図5に示す処理に限られないことは、言うまでもない。
【0107】
再度図2を参照して、通信システム1000におけるデータ送信アプローチに係る処理の一例について説明する。ステップS108において送信対象の各受信装置200に対して送信する送信データが設定されると、送信装置100は、各受信装置200との間において一斉に送信データを送信するための同期処理を行う(S110A、S110C、S110D、S110n。以下、総称して「S110」と示す。)。ここで、本発明の実施形態に係る同期処理としては、例えば、送信装置100が送信データの送信開始時間の情報や再生開始時間の情報などが含まれる送信開始通知を送信し、受信装置200が当該送信開始通知に応じて送信データの再生の準備に係る処理や当該送信開始通知に対する応答を行うことが挙げられる。
【0108】
ステップS110において同期処理が完了すると、送信装置100は、送信対象の受信装置200に対して、ステップS108において設定した対応する送信データを一斉に送信する(S112A、S112C、S112D、S112n。以下、総称して「S112」と示す。)。ここで、図2では、送信装置100が、一般再生機能装置である受信装置200Dに第2送信データを送信し、高再生機能装置である受信装置200A、一般再生機能装置である受信装置200C、および他の受信装置200に対して第1送信データを送信している例を示している。また、図2では、便宜上ステップS112A、S112C、S112D、S112nを分けて表しているが、送信装置100は、ステップS112の処理を同期して行う。つまり、送信装置100は、ステップS112の処理を同時に(略同時に)行う。
【0109】
図6は、本発明の実施形態に係る送信装置100が送信するデータのフォーマットの一例を示す説明図である。図6に示すように、送信装置100は、例えば、識別子と、長さの情報と、コーデック情報と、送信データとを、ステップS112において送信する。ここで、識別子は、プロトコルを識別するための情報であり、長さの情報は、例えばコーデック情報のデータ長を示す。また、コーデック情報は、送信データのコーデックを示し、送信データは、音声データや画像データなど受信装置200に再生をさせる実データである。
【0110】
送信装置100は、ステップS112において、例えば図6に示すフォーマットに則ったデータを生成し、対応する受信装置200へ送信する。また、送信装置100は、ステップS112において、例えば、記憶部(後述する)に記憶されたコンテンツデータに基づいて第1送信データと第2送信データとを生成する。なお、送信装置100は、予め第1送信データと第2送信データとを生成してもよい。また、本発明の実施形態に係る送信装置100がステップS112において送信するデータのフォーマットが図6に限られないことは、言うまでもない。
【0111】
再度図2を参照して、通信システム1000におけるデータ送信アプローチに係る処理の一例について説明する。ステップS112において送信装置100から一斉に送信された送信データを受信した受信装置200は、受信した送信データを再生する(S114A、S114C、S114D、S114n。以下、総称して「S114」と示す。)。ここで、受信装置200は、ステップS110の同期処理の処理結果に基づいて、再生処理を行う。上記により、通信システム1000では、各受信装置200において同時に(略同時に)送信データが再生される。
【0112】
通信システム1000では、例えば図2に示す処理が行われる。ここで、送信装置100は、ステップS108において、送信転送レートが基準転送レートを超えず、かつ、送信対象の受信装置200に対してより再生品質が高い送信データを送信されるように、受信装置200ごとの送信データを設定する。また、送信装置100は、ステップS112において、ステップS108において設定した送信データを送信対象の受信装置200へ一斉に送信する。つまり、送信装置100は、上記(1)の処理(送信データ設定処理)、および上記(2)の処理(送信処理)を行う。よって、例えば図2に示す処理が行われることによって、通信システム1000では、上述した本発明の実施形態に係るデータ送信アプローチに係る処理が実現される。
【0113】
したがって、例えば図2に示す処理が行われることによって、ユーザの利便性の低下を防止しつつ、受信装置200に対してより再生品質の高い送信データを一斉に送信することが可能な、通信システム1000が実現される。なお、通信システム1000における本発明の実施形態に係るデータ送信アプローチに係る処理は、図2に示す処理に限られない。例えば、送信装置100は、定期的に各受信装置200へ送信データを送信し、各受信装置200は、受信された送信データを再生してもよい。
【0114】
(本発明の実施形態に係る通信システム)
次に、上述した本発明の実施形態に係るデータ送信アプローチに係る処理を実現することが可能な、通信システム1000を構成する送信装置100、受信200の構成の一例について説明する。
【0115】
[送信装置100]
図7は、本発明の実施形態に係る送信装置100の構成の一例を示すブロック図である。送信装置100は、通信部102と、記憶部104と、制御部106と、操作部108と、表示部110とを備える。
【0116】
また、送信装置100は、例えば、ROM(Read Only Memory;図示せず)や、RAM(Random Access Memory;図示せず)などを備えてもよい。送信装置100は、例えば、データの伝送路としてのバス(bus)により各構成要素間を接続する。
【0117】
ここで、ROM(図示せず)は、制御部106が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶する。RAM(図示せず)は、制御部106により実行されるプログラムなどを一次記憶する。
【0118】
〔送信装置100のハードウェア構成例〕
図8は、本発明の実施形態に係る送信装置100のハードウェア構成の一例を示す説明図である。図8を参照すると、送信装置100は、例えば、MPU150と、ROM152と、RAM154と、記録媒体156と、入出力インタフェース158と、操作入力デバイス160と、表示デバイス162と、通信インタフェース164と、DSP166と、音声出力デバイス168とを備える。また、送信装置100は、例えば、データの伝送路としてのバス170で各構成要素間を接続する。
【0119】
MPU150は、MPU(Micro Processing Unit)や、制御機能を実現するための複数の回路が集積された集積回路などで構成され、送信装置100全体を制御する制御部106として機能する。また、MPU150は、送信装置100において、後述する要求送信部120、送信データ設定部122、および送信処理部124としての役目を果たすこともできる。
【0120】
ROM152は、MPU150が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データ、本発明の実施形態に係る各種閾値のデータなどを記憶し、また、RAM154は、例えば、MPU150により実行されるプログラムなどを一次記憶する。
【0121】
記録媒体156は、記憶部104として機能し、例えば、送信データの基となるコンテンツデータや、再生能力情報がデータベース形式で記録された再生能力情報DB、アプリケーションなど、様々なデータを記憶する。ここで、記録媒体156としては、例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体や、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ(flash memory)、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、PRAM(Phase change Random Access Memory)などの不揮発性メモリ(nonvolatile memory)が挙げられるが、上記に限られない。また、送信装置100は、送信装置100から着脱可能な記録媒体156を備えることもできる。
【0122】
入出力インタフェース158は、例えば、操作入力デバイス160や、表示デバイス162を接続する。操作入力デバイス160は、操作部108として機能し、また、表示デバイス162は、表示部110として機能する。ここで、入出力インタフェース158としては、例えば、USB端子や、DVI(Digital Visual Interface)端子、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)端子、各種処理回路などが挙げられる。また、操作入力デバイス160は、例えば、送信装置100上に備えられ、送信装置100の内部で入出力インタフェース158と接続される。操作入力デバイス160としては、例えば、ボタン、方向キー、ジョグダイヤルなどの回転型セレクター、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられる。また、表示デバイス162は、例えば、送信装置100上に備えられ、送信装置100の内部で入出力インタフェース158と接続される。表示デバイス162としては、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display;LCD)や有機ELディスプレイ(organic ElectroLuminescence display。または、OLEDディスプレイ(Organic Light Emitting Diode display)ともよばれる。)などが挙げられる。なお、入出力インタフェース158が、送信装置100の外部装置としての操作入力デバイス(例えば、キーボードやマウスなど)や、表示デバイス(例えば、外部ディスプレイなど)と接続することもできることは、言うまでもない。また、表示デバイス162は、例えばタッチスクリーンなど、表示とユーザ操作とが可能なデバイスであってもよい。
【0123】
通信インタフェース164は、送信装置100が備える通信手段であり、ネットワークを介して(あるいは、直接的に)、受信装置200やサーバ(図示せず)などの外部装置と無線/有線で通信を行うための通信部102として機能する。ここで、通信インタフェース164としては、例えば、IEEE802.11gポートおよび送受信回路(無線通信)や、IEEE802.15.1ポートおよび送受信回路(無線通信)、通信アンテナおよびRF回路(無線通信)、あるいはLAN端子および送受信回路(有線通信)などが挙げられる。なお、送信装置100は、例えば、受信装置200と通信を行うための通信インタフェース、およびサーバ(図示せず)などの外部装置と通信を行うための通信インタフェースなど、複数の通信インタフェースを備えていてもよい。
【0124】
ここで、本発明の実施形態に係るネットワークとしては、例えば、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などの有線ネットワーク、基地局を介した無線WAN(WWAN;Wireless Wide Area Network)や無線MAN(WMAN;Wireless Metropolitan Area Network)などの無線ネットワーク、あるいは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの通信プロトコルを用いたインターネットなどが挙げられる。
【0125】
DSP166は、記憶媒体156に記憶されたコンテンツデータ、または通信インタフェース164が受信したコンテンツデータを再生する再生処理部(図示せず)の役目を果たす。DSP166は、DSP(Digital Signal Processor)や各種処理回路で構成され、音声データを処理する。また、音声出力デバイス168は、音声データの応じた音声を出力する音声出力部(図示せず)の役目を果たし、DSP166で処理された音声データに応じた音声を出力する。ここで、音声出力デバイスとしては、例えば、増幅器(アンプ)やスピーカなどが挙げられる。
【0126】
送信装置100は、例えば図8に示す構成によって、本発明の実施形態に係るデータ送信アプローチに係る処理を行う。なお、本発明の実施形態に係る送信装置100のハードウェア構成は、図8に示す構成に限られない。例えば、送信装置100は、再生処理部(図示せず)の役目を果たし、画像データを処理する画像処理回路を備えることもできる。また、送信装置100が、再生処理部(図示せず)や音声出力部(図示せず)を備えない構成である場合、DSP166および音声出力デバイス168や、画像処理回路を備えない構成であってもよい。
【0127】
再度図7を参照して、送信装置100の構成要素について説明する。通信部102は、送信装置100が備える通信手段であり、ネットワークを介して(あるいは、直接的に)、受信装置200やサーバ(図示せず)などの外部装置と無線/有線で通信を行う。また、通信部102は、例えば、制御部106により通信が制御される。ここで、通信部102としては、例えば、IEEE802.11gポートおよび送受信回路(無線通信)や、LAN端子および送受信回路(有線通信)などが挙げられる。
【0128】
記憶部104は、送信装置100が備える記憶手段である。ここで、記憶部104としては、例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体や、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどが挙げられる。
【0129】
また、記憶部104は、例えば、コンテンツデータや、再生能力情報がデータベース形式で記録された再生能力情報DB、アプリケーションなど、様々なデータを記憶する。ここで、図7では、コンテンツデータA130、コンテンツデータB132、…、再生能力情報DB134が記憶部104に記憶されている例を示している。
【0130】
制御部106は、例えば、MPUや、各種処理回路が集積された集積回路などで構成され、送信装置100全体を制御する役目を果たす。また、制御部106は、要求送信部120と、送信データ設定部122と、送信処理部124とを備え、本発明の実施形態に係るデータ送信アプローチに係る処理を主導的に行う役目を果たす。
【0131】
要求送信部120は、例えば図2に示す通信要求や装置情報送信要求、再生能力情報取得要求などの各種要求を生成し、生成した各種要求を通信部102に送信させる。
【0132】
送信データ設定部122は、上記(1)の処理(送信データ設定処理)を主導的に行う役目を果たす。より具体的には、送信データ処理部122は、例えば、送信対象装置数と所定の閾値とを比較し、比較結果に基づいて、送信転送レートが基準転送レートを超えず、かつ、送信対象の受信装置200に対してより再生品質が高い送信データが送信されるように、受信装置200ごとに送信データを設定する。
【0133】
送信処理部124は、上記(2)の処理(送信処理)を主導的に行う役目を果たす。より具体的には、送信処理部124は、送信データ設定部122が設定した送信データを、対応する送信対象の受信装置200へ一斉に送信させる。
【0134】
制御部106は、例えば要求送信部120、送信データ設定部122、および送信処理部124を備えることによって、本発明の実施形態に係るデータ送信アプローチに係る処理を主導的に行う役目を果たす。なお、本発明の実施形態に係る送信装置100が備える制御部106の構成は、図7に示す構成に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る制御部106は、コンテンツデータを再生する再生処理部(図示せず)を備えていてもよい。
【0135】
操作部108は、ユーザによる操作を可能とする送信装置100が備える操作手段である。送信装置100は、操作部108を備えることによって、ユーザ操作を可能とし、ユーザ操作に応じてユーザが所望する処理を行うことができる。ここで、操作部108としては、例えば、ボタン、方向キー、ジョグダイヤルなどの回転型セレクタ、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられる。
【0136】
表示部110は、送信装置100が備える表示手段であり、表示画面に様々な情報を表示する。表示部110の表示画面に表示される画面としては、例えば、所望する動作を送信装置100に対して行わせるための操作画面や、コンテンツデータの再生に応じたコンテンツ再生画面などが挙げられる。ここで、表示部110としては、例えば、LCDや有機ELディスプレイなどが挙げられる。また、送信装置100は、例えばタッチスクリーンで表示部110を構成することもできる。上記の場合には、表示部110は、ユーザ操作および表示の双方が可能な操作表示部として機能することとなる。
【0137】
送信装置100は、例えば、図7に示す構成によって、本発明の実施形態に係るデータ送信アプローチに係る処理を実現することができる。したがって、送信装置100は、例えば図7に示す構成によって、ユーザの利便性の低下を防止しつつ、受信装置200に対してより再生品質の高い送信データを一斉に送信することができる。なお、本発明の実施形態に係る送信装置100の構成が、図7に示す構成に限られないことは、言うまでもない。
【0138】
[受信装置200]
図9は、本発明の実施形態に係る受信装置200の構成の一例を示すブロック図である。受信装置200は、通信部202と、記憶部204と、制御部206と、操作部208と、表示部210と、音声出力部212とを備える。
【0139】
また、受信装置200は、例えば、ROM(図示せず)や、RAM(図示せず)などを備えてもよい。受信装置200は、例えば、データの伝送路としてのバスにより各構成要素間を接続する。
【0140】
ここで、ROM(図示せず)は、制御部が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶する。RAM(図示せず)は、制御部により実行されるプログラムなどを一次記憶する。
【0141】
〔受信装置200のハードウェア構成例〕
受信装置200は、例えば、図8に示す送信装置100と同様のハードウェア構成を有する。上記構成をとる場合、受信装置200では、MPUやDSPが制御部206としての役目を果たし、記録媒体が記憶部204としての役目を果たす。また、上記構成をとる場合、受信装置200では、操作入力デバイス160が操作部208の役目を果たし、表示デバイス162が表示部210の役目を果たす。また、上記構成をとる場合、受信装置200では、通信インタフェース164が通信部202としての役目を果たし、音声出力デバイス168が音声出力部212としての役目を果たす。なお、本発明の実施形態に係る受信装置200の構成が、図8に示す送信装置100と同様の構成に限られないことは、言うまでもない。
【0142】
通信部202は、受信装置200が備える通信手段であり、ネットワークを介して(あるいは、直接的に)、送信装置100やサーバ(図示せず)などの外部装置と無線/有線で通信を行う。また、通信部202は、例えば、制御部206により通信が制御される。ここで、通信部202としては、例えば、IEEE802.11gポートおよび送受信回路(無線通信)や、LAN端子および送受信回路(有線通信)などが挙げられる。
【0143】
記憶部204は、受信装置200が備える記憶手段である。ここで、記憶部204としては、例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体や、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどが挙げられる。
【0144】
また、記憶部204は、例えば、装置情報や、送信装置100から送信された送信データ、アプリケーションなど、様々なデータを記憶する。ここで、図9では、装置情報230が、記憶部204に記憶されている例を示している。
【0145】
制御部206は、例えば、MPUや、各種処理回路が集積された集積回路などで構成され、受信装置200全体を制御する役目を果たす。また、制御部206は、通信制御部220と、再生処理部222とを備え、例えば図2の受信装置200に係る処理を主導的に行う。
【0146】
通信制御部220は、通信部202を制御し、送信装置100などの外部装置との通信に係る処理を主導的に行う役目を果たす。より具体的には、通信制御部220は、例えば、通信部202が送信装置100から送信された各種要求を受信した場合には、受信された当該各種要求に応じた処理を行い、通信部202に当該各種要求に応じた応答を送信させる。
【0147】
再生処理部222は、コンテンツデータを再生する役目を果たす。より具体的には、再生処理部222は、例えば、受信部202が送信装置100が送信した図6に示すデータを受信した場合、コーデック情報に基づいて送信データを再生する。そして、再生処理部222は、処理結果に応じた画像データが示す画像を表示部210に表示させ、処理結果に応じた音声データが示す音声を音声出力部212に出力させる。
【0148】
制御部206は、通信制御部220、および再生処理部222を備えることによって、例えば図2の受信装置200に係る処理を主導的に行う役目を果たす。
【0149】
操作部208は、ユーザによる操作を可能とする受信装置200が備える操作手段である。受信装置200は、操作部208を備えることによって、ユーザ操作を可能とし、ユーザ操作に応じてユーザが所望する処理を行うことができる。ここで、操作部208としては、例えば、ボタン、方向キー、ジョグダイヤルなどの回転型セレクタ、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられる。
【0150】
表示部210は、受信装置200が備える表示手段であり、表示画面に様々な情報を表示する。表示部210の表示画面に表示される画面としては、例えば、所望する動作を受信装置200に対して行わせるための操作画面や、受信された送信データやコンテンツデータの再生に応じたコンテンツ再生画面などが挙げられる。ここで、表示部210としては、例えば、LCDや有機ELディスプレイなどが挙げられる。
【0151】
音声出力部212は、再生処理部222が処理した音声データに応じた音声を出力する。音声出力部212としては、例えば、増幅器(アンプ)やスピーカなどが挙げられる。
【0152】
受信装置200は、例えば、図9に示す構成によって、例えば図2の受信装置200に係る処理を行い、送信装置100から送信された送信データを受信し、当該送信データを再生することができる。
【0153】
なお、本発明の実施形態に係る受信装置200の構成は、図9に示す構成に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る受信装置200は、図7に示す要求送信部120、送信データ設定部122、および送信処理部124を備え、本発明の実施形態に係るデータ送信アプローチに係る処理を行うこともできる。つまり、本発明の実施形態に係る受信装置200は、本発明の実施形態に係る送信装置100としての機能を有していてもよい。
【0154】
以上のように、本発明の実施形態に係る通信システム1000は、送信装置100と、受信装置200とを有する。送信装置100は、上記(1)の処理(送信データ設定処理)、および(2)の処理(送信処理)を行うことによって、送信データを受信装置200へ一斉に送信する。ここで、送信装置100は、上記(1)の処理(送信データ設定処理)において、送信転送レートが基準転送レートを超えず、かつ、送信対象の受信装置200に対してより再生品質が高い送信データが送信されるように、受信装置200ごとに送信データを設定する。よって、通信システム1000では、送信転送レートが基準レートを超えることはないので、受信装置200において再生される音声や画像の途切れるなど、望ましくない事態が発生することはない。また、通信システム1000では、送信対象の受信装置200に対してより再生品質が高い送信データが送信される。
【0155】
したがって、送信装置100が、上記(1)の処理(送信データ設定処理)、および(2)の処理(送信処理)を行うことによって、ユーザの利便性の低下を防止しつつ、受信装置200に対してより再生品質の高い送信データを一斉に送信することが可能な、通信システム1000が実現される。
【0156】
また、通信システム1000では、送信装置100が、上記(1)の処理(送信データ設定処理)において、送信対象の受信装置200から取得した装置情報に基づいて、受信装置200ごとに送信データを設定する。ここで、送信装置100は、送信転送レートが基準転送レートを超えないことを前提とし、取得された装置情報に基づいて各受信装置200のコンテンツの再生能力を特定して、各受信装置200の再生能力に見合ったデータ形式の送信データを設定することもできる。上記のように送信データを設定する場合には、差分転送レートをより大きくすることが可能であるのでネットワーク負荷を抑えることができ、さらにボトルネックとなる受信装置200に引きずられることなく、各受信装置200の再生性能を発揮させることが可能となる。
【0157】
〔通信システム1000の変形例〕
上記では、例えば図1に示すように通信システム1000が送信装置100と受信装置200とを有し、送信装置100が、上記(1)の処理(送信データ設定処理)および上記(2)の処理(送信処理)を行う構成を示した。しかしながら、本発明の実施形態に係る通信システムは、上記構成に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る通信システムは、上記(1)の処理(送信データ設定処理)を行う制御装置と、当該制御装置の処理結果に基づいて上記(2)の処理(送信処理)を行う送信装置と、受信装置200とを有する構成であってもよい。上記構成であっても、ユーザの利便性の低下を防止しつつ、受信装置200に対してより再生品質の高い送信データを一斉に送信することが可能な、通信システムを実現することができる。
【0158】
以上、本発明の実施形態に係る通信システム1000を構成する構成要素として送信装置100を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られない。本発明の実施形態は、例えば、PC(Personal Computer)やサーバ、PDA(Personal Digital Assistant)などのコンピュータ、携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)などの携帯型通信装置、映像/音楽再生装置、映像/音楽記録再生装置、携帯型ゲーム機、ゲーム機など、様々な機器に適用することができる。
【0159】
また、本発明の実施形態に係る通信システム1000を構成する構成要素として受信装置200を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られない。本発明の実施形態は、例えば、PCなどのコンピュータ、携帯電話などの携帯型通信装置、映像/音楽再生装置、映像/音楽記録再生装置、携帯型ゲーム機、ゲーム機など、様々な機器に適用することができる。
【0160】
(本発明の実施形態に係るプログラム)
コンピュータを、本発明の実施形態に係る送信装置として機能させるためのプログラムによって、ユーザの利便性の低下を防止しつつ、受信装置に対してより再生品質の高い送信データを一斉に送信することができる。よって、コンピュータを、本発明の実施形態に係る送信装置として機能させるためのプログラムが用いられることによって、ユーザの利便性の低下を防止しつつ、受信装置に対してより再生品質の高い送信データを一斉に送信することが可能な、通信システムが実現される。
【0161】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0162】
例えば、本発明の実施形態に係る送信装置は、図7に示す要求送信部120、送信データ設定部122、および送信処理部124を個別に備える(例えば、それぞれを個別の処理回路で実現する)こともできる。
【0163】
また、上記では、コンピュータを、本発明の実施形態に係る送信装置として機能させるためのプログラム(コンピュータプログラム)が提供されることを示したが、本発明の実施形態は、さらに、上記プログラムをそれぞれ記憶させた記憶媒体も併せて提供することができる。
【0164】
上述した構成は、本発明の実施形態の一例を示すものであり、当然に、本発明の技術的範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0165】
100 送信装置
102、202 通信部
104、204 記憶部
106、206 制御部
120 要求送信部
122 送信データ設定部
124 送信処理部
200、200A、200B、200C、200D、200E、200F、200G 受信装置
220 通信制御部
222 再生処理部
1000 通信システム



【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の受信装置と通信を行う通信部と;
コンテンツを示す送信データの送信対象となる受信装置の数と所定の閾値とを比較し、比較結果に基づいて、前記受信装置それぞれへ送信データを送信するために要するデータ転送量を示す送信転送レートが前記通信においてデータを送信可能なデータ転送量を示す基準転送レートを超えず、かつ、送信対象の前記受信装置に対してより再生品質が高い送信データが送信されるように、前記受信装置それぞれへ送信する送信データを前記受信装置ごとに設定する送信データ設定部と;
前記送信データ設定部が設定した送信データを、対応する送信対象の受信装置へ一斉に送信させる送信処理部と;
を備える、送信装置。
【請求項2】
受信装置を識別するための装置情報の送信を要求する装置情報送信要求を、送信対象の前記受信装置それぞれへと送信させる要求送信部をさらに備え、
前記送信データ設定部は、
前記送信対象となる受信装置の数が前記所定の閾値以上の場合、または、前記送信対象となる受信装置の数が前記所定の閾値より大きい場合に、前記通信部が受信した、前記装置情報送信要求に応じて受信装置それぞれから送信された装置情報に基づいて、前記送信データを前記受信装置ごとに設定し、
前記送信対象となる受信装置の数が前記所定の閾値より小さい場合、または、前記送信対象となる受信装置の数が前記所定の閾値以下の場合には、送信対象の受信装置それぞれに対してより再生品質が高い送信データを設定する、請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
各受信装置におけるコンテンツの再生能力を示す再生能力情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記送信データ設定部は、
受信された前記装置情報と前記再生能力情報とに基づいて、前記装置情報に対応する受信装置におけるコンテンツの再生能力を特定し、
特定された前記受信装置それぞれにおけるコンテンツの再生能力に基づいて、前記受信装置それぞれへ送信する送信データを設定する、請求項2に記載の送信装置。
【請求項4】
前記要求送信部は、前記装置情報が受信されると、受信された前記装置情報に対応する再生能力情報の送信を要求する再生能力情報取得要求を、各受信装置におけるコンテンツの再生能力を示す再生能力情報を記憶する外部装置へと送信させ、
前記送信データ設定部は、
受信された前記装置情報と受信された再生能力情報とに基づいて、前記装置情報に対応する受信装置におけるコンテンツの再生能力を特定し、
特定された前記受信装置それぞれにおけるコンテンツの再生能力に基づいて、前記受信装置それぞれへ送信する送信データを設定する、請求項2に記載の送信装置。
【請求項5】
前記送信データ設定部は、より再生能力が高い受信装置に対してより再生品質が高い送信データが送信されるように設定する、請求項3または4のいずれか1項に記載の送信装置。
【請求項6】
前記送信データ設定部は、送信する送信データが音声を示す音声データである場合、非圧縮の音声データ、または所定の圧縮方式で圧縮された音声データを、前記送信データとして設定する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の送信装置。
【請求項7】
前記送信データ設定部は、送信する送信データが動画像を示す画像データである場合、複数の解像度、および/または、圧縮形式が異なる複数の画像データのうちのいずれかの画像データを、前記送信データとして設定する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の送信装置。
【請求項8】
前記送信データ設定部は、送信する送信データが静止画像を示す画像データである場合、データサイズが異なる複数の画像データのうちのいずれかの画像データを、前記送信データとして設定する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の送信装置。
【請求項9】
コンテンツを示す送信データの送信対象となる受信装置の数と所定の閾値とを比較し、比較結果に基づいて、前記受信装置それぞれへ送信データを送信するために要するデータ転送量を示す送信転送レートが前記通信においてデータを送信可能なデータ転送量を示す基準転送レートを超えず、かつ、送信対象の前記受信装置に対してより再生品質が高い送信データが送信されるように、前記受信装置それぞれへ送信する送信データを前記受信装置ごとに設定するステップと;
前記設定するステップにおいて設定された送信データを、対応する送信対象の受信装置へ一斉に送信するステップと;
を有する、データ送信方法。
【請求項10】
送信装置と;
前記送信装置と通信が可能な、複数の受信装置と;
を有し、
前記送信装置は、
複数の受信装置と通信を行う通信部と;
コンテンツを示す送信データの送信対象となる受信装置の数と所定の閾値とを比較し、比較結果に基づいて、前記受信装置それぞれへ送信データを送信するために要するデータ転送量を示す送信転送レートが前記通信においてデータを送信可能なデータ転送量を示す基準転送レートを超えず、かつ、送信対象の前記受信装置に対してより再生品質が高い送信データが送信されるように、前記受信装置それぞれへ送信する送信データを前記受信装置ごとに設定する送信データ設定部と;
前記送信データ設定部が設定した送信データを、対応する送信対象の受信装置へ一斉に送信させる送信処理部と;
を備える、通信システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−182243(P2011−182243A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45552(P2010−45552)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】