説明

送信電力制御装置、送信電力制御方法、送信電力制御プログラムおよび送信電力制御回路

【課題】コストを圧縮し、マスク規格を満たすRamp制御を自立的に行うことを課題とする。
【解決手段】送信電力制御回路10は、監視部は、ADC40から入力されたDACデータからPA20から出力されたRF信号の送信電力の電力値をモニタし、モニタされた送信電力の電力値がターゲット電力範囲内であるかサブ区間ごとに判定する。そして、送信電力制御回路10は、送信電力の電力値がターゲット電力範囲内でない場合には、PA20から次回に出力される送信電力の電力値が、次回の時間でのターゲット電力範囲に収まるように、電力補正処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、送信電力を制御する送信電力制御装置、送信電力制御方法、送信電力制御プログラムおよび送信電力制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、GSM(Global System for Mobile Communications)システムなどのTDMA(Time Division Multiple Access)システムでは、バースト送信を行うことが知られている。バースト送信では、厳しいタイムマスクの規格が設けられているのが一般的である(図13参照)。そのタイムマスク規格を満たすために、PA(パワーアンプ)に入力するRamp電圧(ゲイン制御用アナログ電圧)を時系列に制御する必要がある(特許文献1〜3参照)。
【0003】
このような制御を行う方法として、例えば、ソフトウェアパラメータとしてテーブル処理でRamp電圧を制御する処理が行われている(Rampテーブル制御、図14参照)。このテーブルは、PAデバイス毎、出力送信パワー毎、周波数毎にそれぞれ用意する。また、基板製造後の工場調整時等に、デバイス(例えば、PA、Ramp制御用DAC、アンテナスイッチ等)のバラつきを考慮して個別にテーブルを調整している。
【0004】
【特許文献1】特開平4−100427号公報
【特許文献2】特開2003−318747号公報
【特許文献3】特開昭63−81515号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記した従来のテーブル処理でRamp電圧を制御する技術では、PAデバイス毎、出力送信パワー毎、周波数毎にそれぞれテーブルを用意する必要があり、さらに、各デバイスのバラつきを考慮して個別に調整する必要がある。このため、テーブルを個別に調整する手間が掛かるという課題があった。
【0006】
また、上記した従来のテーブル処理でRamp電圧を制御する技術では、PA、Ramp制御用DAC、アンテナスイッチ等のバラつきを所定の範囲に抑えなければならず、バラつきを抑えた部品を調達しなければならない結果、コスト高になるという課題があった。
【0007】
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、コストを圧縮し、マスク規格を満たすRamp制御を自立的に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この装置は、タイムマスクの規格が適用される送信器の増幅器から出力された送信電力の電力値を監視する。そして、監視された電力値がタイムマスク規格よりも厳しいターゲット電力範囲から外れたと判定された場合には、増幅器から次回に出力される送信電力の電力値が、次回の時間でのターゲット電力範囲に収まるように、増幅器の利得を制御することを要件とする。
【発明の効果】
【0009】
開示の装置は、デバイスのバラつきを調整するテーブルを必要とすることなくコストを圧縮でき、マスク規格を満たすRamp制御を自立的に行うことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る送信電力制御装置、送信電力制御方法、送信電力制御プログラムおよび送信電力制御回路の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0011】
以下の実施例では、実施例1に係る送信電力制御回路の構成および処理の流れを順に説明し、最後に実施例1による効果を説明する。なお、以下では、基地局や携帯端末の送信器に本発明の送信電力制御回路を適用する例を説明する。
【0012】
[送信器の構成]
まず最初に、図1を用いて、送信器100の構成と、送信機100に含まれる送信電力回路10の構成とを説明する。図1は、実施例1に係る送信器100の構成を示すブロック図である。図2は、実施例1に係る送信器100の構成を示すブロック図である。図3は、ターゲット電力範囲の一例を示す図である。図4は、ターゲット電力範囲について説明するための図である。図5は、電力補正処理(減算処理)について説明するための図である。図6は、電力補正処理(加算処理)について説明するための図である。
【0013】
図1に示すように、この送信器100は、送信電力制御回路10、PA20、DCcutコンデンサ30、ADC40、DAC50を備える。以下にこれらの各部の処理を説明する。
【0014】
PA(Power Amp:信号増幅器)20は、入力されるRamp電圧に応じて、RF信号の電力を増幅し、アンテナスイッチ60に出力する。DCcutコンデンサ30は、PA20から出力された信号の電力値からDC成分をカットする。ADC(Analogue Digital Converter:アナログ/デジタル変換器)40は、DCcutコンデンサ30によってDC成分がカットされた出力信号の電力値をデジタル信号に変換し、DACデータとして送信電力制御回路10に出力する。
【0015】
DAC(Digital Analogue Converter:デジタル/アナログ変換器)50は、送信電力制御回路10から出力された基準加算値をアナログ信号に変換し、基準加算値に応じてRamp電圧を制御する。アンテナスイッチ60は、PA20から出力されたRF信号の経路を切り替えるスイッチである。
【0016】
送信電力制御回路10は、PA20の送信電力の電力値を監視し、Ramp電圧を制御する。具体的には、送信電力制御回路10は、図2に示すように、制御部13、記憶部14を備える。
【0017】
記憶部12は、制御部11による各種処理に必要なデータを格納するが、特に、ターゲット電力範囲記憶部12aを有する。ターゲット電力範囲記憶部12aは、図3に例示するように、タイムマスク規格よりも厳しい電力範囲であって所定の時間(区間)ごとに設定されたターゲット電力範囲を記憶する。なお、図3の例では、(1)〜(7)の区間に分けられている場合を示すが、これらの各区間はさらに細かいサブ区間(例えば(1)−1、(1)−2・・)で分けられている(図5、図6参照)。
【0018】
このターゲット電力範囲は、図4に示すように、信号の立ち上がり区間(図4の例では、区間(2)、(3))や立ち下がり区間(図4の例では、区間(5)、(6))におけるターゲット電力範囲の幅(例えば、図4の(a))が、それ以外の区間におけるターゲット電力範囲の幅(例えば、図4の(b))よりも大きい。信号の立ち上がり時、立ち下がり時では、送信電力の変化の幅が大きいからである。
【0019】
制御部11は、監視部11a、判定部11bおよびRamp制御部11cを有し、種々の処理を実行する。以下にこれらの各部の処理を説明する。
【0020】
監視部11aは、タイムマスクの規格が適用される送信器100の増幅器であるPA20から出力された送信電力の電力値を監視する。具体的には、監視部11aは、ADC40から入力されたDACデータからPA20から出力されたRF信号の送信電力の電力値をモニタし、電力値を判定部11bに通知する。
【0021】
判定部11bは、監視された電力値が、タイムマスク規格よりも厳しい電力範囲であって所定の時間ごとに設定されたターゲット電力範囲に収まっているか否かを所定の時間ごと判定する。具体的には、判定部11bは、監視部11aによってモニタされた送信電力の電力値がターゲット電力範囲内であるかサブ区間ごとに判定する。
【0022】
その結果、判定部11bは、送信電力の電力値がターゲット電力範囲内である場合には、次のサブ区間に移行し、そこが最終サブ区間であれば、次の区間に移行する。また、送信電力の電力値がターゲット電力範囲内でない場合には、Ramp電圧を制御する旨の指示をRamp制御部11cに通知する。
【0023】
Ramp制御部11cは、電力値がターゲット電力範囲から外れたと判定された場合には、PA20から次回に出力される送信電力の電力値が、次回の時間でのターゲット電力範囲に収まるように、Ramp電圧を制御する。
【0024】
具体的には、Ramp制御部11cは、判定部11bからRamp電圧を制御する旨を指示を受け付けた場合には、PA20から次回に出力される送信電力の電力値が、次回の時間でのターゲット電力範囲に収まるように、電力補正処理を行う。
【0025】
ここで、電力補正処理の例を図5および図6を用いて説明する。Ramp制御部11cは、送信パワーがターゲット電力より大きいか判定し、サブ区間(3)−1における送信パワーがターゲット電力より大きい場合には、図5に例示するように、次のサブ区間(3)−2の基準加算値に対して、補正値αを減算する。
【0026】
また、Ramp制御部11cは、サブ区間(3)−1における送信パワーがターゲット電力より小さい場合には、図6に例示するように、次のサブ区間(3)−2の基準加算値に対して、補正値βを加算する。その後、Ramp制御部11cは、減算または加算された基準加算値をRamp電圧制御情報としてDAC50に通知し、Ramp電圧をするように制御する。
【0027】
[送信電力制御回路による処理]
次に、図7−1、図7−2および図8を用いて、実施例1に係る送信電力制御回路による処理を説明する。図7−1および図7−2は、実施例1に係る送信電力制御回路の処理手順を説明するためのフローチャートである。図8は、実施例1に係る送信電力制御回路の電力補正処理の処理手順を説明するためのフローチャートである。なお、図7−1、図7−2の例では、(1)〜(7)の区間に分けられている場合についての具体的な処理の例について説明する。
【0028】
図7−1および図7−2に示すように、送信電力制御回路10は、バースト送信における信号の立ち上がり前の区間(1)では、基準加算値の初期設定として、Ramp電圧ミニマム値を設定する(ステップS101)。そして、送信電力制御回路10は、バースト送信における信号の立ち上がり開始時の区間(2)では、区間(2)用の基準加算値をDAC50に加算する(ステップS102)。
【0029】
そして、送信電力制御回路10は、ADC40から入力されたDACデータからPA20から出力されたRF信号の送信電力の電力値をモニタする(ステップS103)。その後、送信電力制御回路10は、モニタされた送信電力の電力値がターゲット電力範囲内であるかサブ区間ごとに判定する(ステップS104)。
【0030】
その結果、送信電力制御回路10は、送信電力の電力値がターゲット電力範囲内でない場合には(ステップS104否定)、PA20から次回に出力される送信電力の電力値が、次回の時間でのターゲット電力範囲に収まるように、電力補正処理を行う(ステップS105)。
【0031】
また、送信電力制御回路10は、送信電力の電力値がターゲット電力範囲内である場合には(ステップS104肯定)、次のサブ区間に移行し(ステップS106)、次のサブ区間が最終のサブ区間であるか判定する(ステップS107)。
【0032】
その結果、送信電力制御回路10は、そこが最終サブ区間でない場合には(ステップS107否定)、S102に戻って処理を繰り返す(ステップS102〜S107)。また、送信電力制御回路10は、最終サブ区間である場合には(ステップS107肯定)、次の区間に移行する。その後、送信電力制御回路10は、各区間で上記の処理を繰り返す(ステップS108〜131)。
【0033】
続いて、送信電力制御回路の電力補正処理の処理について、図8を用いて説明する。同図に示すように、送信電力制御回路10は、送信電力がターゲット電力より大きいか判定する(ステップS201)。その結果、送信電力制御回路10は、送信パワーがターゲット電力より大きい場合には(ステップS201肯定)、次のサブ区間の基準加算値に対して、補正値αを減算する(ステップS202)。
【0034】
また、送信電力制御回路10は、サブ区間における送信電力がターゲット電力より小さい場合には(ステップS201否定)、次のサブ区間の基準加算値に対して、補正値βを加算する(ステップS203)。
【0035】
[実施例1の効果]
上述してきたように、送信電力制御回路10は、タイムマスクの規格が適用される送信器のPA20から出力された送信電力の電力値を監視する。そして、監視された電力値が、タイムマスク規格よりも厳しい電力範囲であって所定の時間ごとに設定されたターゲット電力範囲に収まっているか否かを所定の時間ごと判定する。その後、電力値がターゲット電力範囲から外れたと判定された場合には、PA20から次回に出力される送信電力の電力値が、次回の時間でのターゲット電力範囲に収まるように、Ramp制御を行う。このため、デバイスのバラつきを調整するテーブルを必要とすることなくコストを圧縮でき、マスク規格を満たすRamp制御を自立的に行うことが可能である。
【0036】
また、実施例1によれば、信号の立ち上がり区間および立ち下がり区間における電力範囲の幅がその他の区間における電力範囲の幅よりも大きいターゲット電力範囲に、電力値が収まっているか否かを判定する。このため、信号の立ち上がり時、立ち下がり時における送信電力の変化の幅が大きい場合にも、マスク規格を満たすRamp制御を自立的に行うことが可能である。
【実施例2】
【0037】
ところで、上記の実施例1では、送信電力がターゲット電力範囲を外れた場合には、Ramp電圧を制御する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、送信電力がターゲット電力範囲内である場合に、ターゲット電力範囲に対する送信電力値に応じて、Ramp電圧を制御するようにしてもよい。
【0038】
そこで、以下の実施例2では、送信電力がターゲット電力範囲内である場合に、ターゲット電力範囲における送信電力値に応じて、Ramp電圧を制御する場合として、図9および図10を用いて、実施例2における送信電力制御回路の処理について説明する。図9は、実施例2に係る送信電力制御回路のターゲット電力範囲について説明するための図である。図10は、実施例2に係る送信電力制御回路の電力補正処理について説明するための図である。
【0039】
実施例2に係る送信電力制御回路10aは、図9に例示するように、段階的なターゲット電力範囲が設定されている。ここで、図9に例示する各区間のターゲット電力範囲は、中心に近いほど色が濃くなっているものとする。そして、送信電力制御回路10aは、送信電力の電力値がターゲット電力範囲内である場合には、ターゲット電力範囲における送信電力の位置とターゲット電力範囲の中心との差を判断する。
【0040】
そして、送信電力制御回路10aは、ターゲット電力範囲における送信電力の位置とターゲット電力範囲の中心との差に応じて、PAから次回に出力される送信電力の電力値が、次回の時間でのターゲット電力範囲の中心に近づくように、基準加算値を増算・加算してRamp電圧を制御する。
【0041】
具体的には、送信電力制御回路10aは、図10に示すように、送信電力値が電力値ターゲット電力範囲の中心に近いほど、基準加算値に対して小さい補正値を加算・減算する。また、送信電力制御回路10aは、送信電力値がターゲット電力範囲の中心から遠いほど、基準加算値に対して大きい補正値を加算・減算する。
【0042】
つまり、電力値ターゲット電力範囲の中心から遠いほどタイムマスク規格を外れる可能性が高く、より電力値がターゲット電力範囲の中心に送信電力値がいくように、Ramp制御を行っている。また、電力値ターゲット電力範囲の中心に近いほどタイムマスク規格をより満たしているとして、補正値を大きく加算・減算する必要がない。
【0043】
このように、上記の実施例2では、電力値がターゲット電力範囲に収まっていると判定された場合には、ターゲット電力範囲の中心に対する送信電力値の位置に応じて、PA20から次回に出力される送信電力の電力値が、次回の時間でのターゲット電力範囲の中心に近づくように、Ramp制御を行う。このため、電力値がターゲット電力範囲に収まっている場合でも、よりマスク規格を満たすRamp制御を自立的に行うことが可能である。
【実施例3】
【0044】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では実施例3として本発明に含まれる他の実施例を説明する。
【0045】
(1)アンテナスイッチ
上記の実施例1では、PA20が出力するRF信号の電力値を監視する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、アンテナスイッチが出力するRF信号の電力値を監視するようにしてもよい。
【0046】
具体的には、図11に示すように、送信器10aでは、アンテナスイッチから出力されたRF信号をDCcutコンデンサがDC成分をカットし、ADCがデジタル信号に変換した後、RF信号の電力値を送信電力制御回路が監視する。
【0047】
(2)システム構成等
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、監視部11aと判定部11bを統合してもよい。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0048】
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0049】
(3)プログラム
ところで、上記の実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図12を用いて、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図12は、送信電力制御プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【0050】
同図に示すように、送信電力制御装置としてのコンピュータ600は、HDD610、RAM620、ROM630およびCPU640をバス650で接続して構成される。
【0051】
そして、ROM630には、上記の実施例と同様の機能を発揮する送信電力制御プログラム、つまり、図12に示すように、監視プログラム631、判定プログラム632、Ramp制御プログラム633が予め記憶されている。なお、プログラム631〜633については、図2に示した送信電力制御回路の各構成要素と同様、適宜統合または分散してもよい。
【0052】
そして、CPU640が、これらのプログラム631〜633をROM630から読み出して実行することで、図12に示すように、各プログラム631〜633は、監視プロセス641、判定プロセス642、Ramp制御プロセス643として機能するようになる。各プロセス641〜643は、図2に示した監視部11a、判定部11bおよびRamp制御部11cにそれぞれ対応する。
【0053】
また、HDD610には、図12に示すように、ターゲット電力範囲テーブル611が設けられる。なお、ターゲット電力範囲テーブル611は、図2に示したターゲット電力範囲記憶部12aに対応する。そして、CPU640は、ターゲット電力範囲テーブル611に対してデータを登録するとともに、ターゲット電力範囲テーブル611を読み出してRAM620に格納し、RAM620に格納されたターゲット電力範囲データ621に基づいて処理を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】実施例1に係る送信器の構成を示すブロック図である。
【図2】実施例1に係る送信電力制御回路の構成を示すブロック図である。
【図3】ターゲット電力範囲の一例を示す図である。
【図4】ターゲット電力範囲について説明するための図である。
【図5】電力補正処理(減算処理)について説明するための図である。
【図6】電力補正処理(加算処理)について説明するための図である。
【図7−1】実施例1に係る送信電力制御回路の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図7−2】実施例1に係る送信電力制御回路の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図8】実施例1に係る送信電力制御回路の電力補正処理の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図9】実施例2に係る送信電力制御回路のターゲット電力範囲について説明するための図である。
【図10】実施例2に係る送信電力制御回路の電力補正処理について説明するための図である。
【図11】実施例3に係る送信器の構成を示すブロック図である。
【図12】送信電力制御プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【図13】タイムマスク規格とRamp制御電圧の一例を説明するための図である。
【図14】従来技術を説明するための図である。
【符号の説明】
【0055】
10 送信電力制御回路
11 制御部
11a 監視部
11b 判定部
11c Ramp制御部
12 記憶部
12a ターゲット電力範囲記憶部
20 PA
30 DCcutコンデンサ
40 ADC
50 DAC
60 アンテナスイッチ
100 送信器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイムマスクの規格が適用される送信器の増幅器から出力された送信電力の電力値を監視する監視手段と、
前記監視手段によって監視された前記電力値が、タイムマスク規格よりも厳しい電力範囲であって所定の時間ごとに設定されたターゲット電力範囲に収まっているか否かを所定の時間ごと判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記電力値が前記ターゲット電力範囲から外れたと判定された場合には、前記増幅器から次回に出力される送信電力の電力値が、次回の時間でのターゲット電力範囲に収まるように、前記増幅器の利得を制御する利得制御手段と、
を備えることを特徴とする送信電力制御装置。
【請求項2】
前記判定手段は、信号の立ち上がり区間および立ち下がり区間における電力範囲の幅がその他の区間における電力範囲の幅よりも大きいターゲット電力範囲に、前記電力値が収まっているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の送信電力制御装置。
【請求項3】
前記利得制御手段は、前記判定手段によって前記電力値が前記ターゲット電力範囲に収まっていると判定された場合には、当該ターゲット電力範囲の中心に対する送信電力値の位置に応じて、前記増幅器から次回に出力される送信電力の電力値が、次回の時間でのターゲット電力範囲の中心に近づくように、前記増幅器の利得を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の送信電力制御装置。
【請求項4】
タイムマスクの規格が適用される送信器の増幅器から出力された送信電力の電力値を監視する監視ステップと、
前記監視ステップによって監視された前記電力値が、タイムマスク規格よりも厳しい電力範囲であって所定の時間ごとに設定されたターゲット電力範囲に収まっているか否かを所定の時間ごと判定する判定ステップと、
前記判定ステップによって前記電力値が前記ターゲット電力範囲から外れたと判定された場合には、前記増幅器から次回に出力される送信電力の電力値が、次回の時間でのターゲット電力範囲に収まるように、前記増幅器の利得を制御する利得制御ステップと、
を含んだことを特徴とする送信電力制御方法。
【請求項5】
タイムマスクの規格が適用される送信器の増幅器から出力された送信電力の電力値を監視する監視手順と、
前記監視手順によって監視された前記電力値が、タイムマスク規格よりも厳しい電力範囲であって所定の時間ごとに設定されたターゲット電力範囲に収まっているか否かを所定の時間ごと判定する判定手順と、
前記判定手順によって前記電力値が前記ターゲット電力範囲から外れたと判定された場合には、前記増幅器から次回に出力される送信電力の電力値が、次回の時間でのターゲット電力範囲に収まるように、前記増幅器の利得を制御する利得制御手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする送信電力制御プログラム。
【請求項6】
タイムマスクの規格が適用される送信器の増幅器から出力された送信電力の電力値を監視する監視手段と、
前記監視手段によって監視された前記電力値が、タイムマスク規格よりも厳しい電力範囲であって所定の時間ごとに設定されたターゲット電力範囲に収まっているか否かを所定の時間ごと判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記電力値が前記ターゲット電力範囲から外れたと判定された場合には、前記増幅器から次回に出力される送信電力の電力値が、次回の時間でのターゲット電力範囲に収まるように、前記増幅器の利得を制御する利得制御手段と、
を備えることを特徴とする送信電力制御回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−41215(P2010−41215A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−199853(P2008−199853)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】