説明

送受信メールのグループ処理機能を有する携帯電話

【課題】 関連する複数のメールを一括して所望の処理を行うことができる送受信メールのグループ処理機能を有する携帯電話を提供する。
【解決手段】 メールの送受信機能を有する携帯電話10であって、
携帯電話10は、分割して送受信された分割メールおよび/または利用者が関連するメールをメールグループとして関連付けを登録するグループ設定部27と、利用者が指定したメール処理を利用者が選択したメールに対して行うメール処理制御部30と、を備え、
メール処理制御部30は、グループ登録されたメールの1つを選択してメール処理が指定された場合、同一のメールグループに登録されたメールを一括して指定されたメール処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話におけるメール送受信機能に関するものであり、特に、文字数制限により分割して送受信されたメールや互いに関連するメールをメールグループとして関連付けしておき、関連付けられたメールグループの1つのメールが選択され、所望のメール操作が行われた際に、同じメールグループに属する複数のメールを一括して処理するようにした送受信メールのグループ処理機能を有する携帯電話に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の情報処理技術、通信技術の発展に伴い種々の携帯型の情報通信端末装置(以下、携帯端末装置という)が広く普及している。このような携帯端末装置は、利用者が外出先からインターネットなどのネットワークを介して種々サービスを提供する情報配信サーバや所望のウェブサイトに接続して当該サービスを受け、あるいは情報を取得したり、自社のネットワークに接続したりして業務上必要な情報を取得することができる。
【0003】
最近では、携帯電話のハード、ソフト機能が充実し、従来の携帯端末装置の機能を兼ねるようになってきており、携帯電話の普及率の拡大にはめざましいものがある。携帯電話を利用したデータ通信サービスを提供する事業者も増加しており、携帯電話を利用してバンキング、インターネット販売、ナビゲーション、自動販売機、交通機関やコンビニエンスストアなどの代金決済など、様々なサービスを受けることができるようになってきている。特に携帯電話においては種々のオプションやアプリケーションが搭載可能であり、利用できるサービスの種類も豊富になってきている。
【0004】
また、第3世代と称される携帯電話にはGPS受信機が搭載され、携帯電話自体が位置する現在位置(緯度・経度)を測定することができ、携帯電話を端末装置としたナビゲーションシステムも実用化されている。このような測位システムを利用して、高齢者や児童などの位置確認や、犯罪や火災などの事件、事故における通報時の位置確認などに利用できるシステムも種々検討されている。
【0005】
更に、利用者は、サービス事業者が提供するブラウザやアプリケーション、ゲームソフトのように携帯電話用として開発された様々なアプリケーションなどを自身が所有する携帯電話にインストールして所望のサービスや機能を追加するためカスタマイズすることができる。
【0006】
携帯電話の主要な機能は通話機能であるが、通話に変わる手段としてインターネットを利用した電子メール(以下、単にメールと称する)を他用する利用者は多い。これは通話料金に対して、インターネットを利用したデータ通信料金が低くまた、料金の定額化が定着したこと、メールの場合には送信者と受信者との間の回線接続が必要なく、送受信者の双方が任意に都合のよい時にメール送受信操作をすることができることなどの理由による。
【0007】
携帯電話におけるメールの送受信においては、一度に送受信できるデータ量、すなわち通信パケット量に制約を設けている通信事業者が殆どである。一般的には、一度に通信できる通信パケット量がテキストデータで500文字程度に設定されている。このような制約のため、500文字を超えるデータ量のメール本文を作成した場合、通常は超過したデータは切り捨てられ、途中までのデータしか送受信できない。

従って、利用者が作成したメールのデータ量が制約を超えているか否かを確認した上でメール送信をするなどの煩わしい操作をしない場合、相手方に送信したメール本文が途中で切り捨てられ、全文が届いていないケースが発生する。メール中にイメージを貼り付けたり、絵文字などを使用したりした場合には、テキスト量が制約を超えたかがわからず、メール本文の一部が切り捨てられたことに送信者が気がつかないという問題が生じる。
【0008】
このような不具合を解消するために、規定のデータ量を超えるメールの場合、自動的にメールを分割して送信する機能を備えた通信装置も提案されている。例えば、下記の特許文献1(特開2002−157192号公報)には、利用者が作成したメールの字数が制限を超えた場合に警告表示を行い、分割メールとして送信するか否かの選択画面を表示し、利用者が制約文字数を超えたことを知り、分割メール送信するか否かを指定できるようにした通信端末装置が開示されている。
【0009】
また、下記の特許文献2(特開2002−247102号公報)には、送信者から送信された分割メールを宛先に配信する際、ヘッダーに分割メール有無や残り文字数などを付加する加工を行うメール加工サーバを設けたメール送信方法が開示されている。このようなメール送信方法によれば、分割メールの受信者は、ヘッダーを参照して分割メールの有無、残り文字数を知り、分割された残りのメールを受信するか否かを選択することができるようになる。
【特許文献1】特開2002−157192号公報(図4)
【特許文献2】特開2002−247102号公報(図3、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、携帯電話におけるメールの処理としては、メールの送受信の他に、送受信メールを表示するメール表示処理、メールを他のアドレスに転送するメール転送処理、保存してある送受信メールを削除するメール削除処理、返信メールを作成して送信するメール返信処理など、各種のメール処理操作がある。このようなメール処理操作においては操作対象のメールは1通を対象に行われる。
【0011】
例えば、メール表示処理において表示手段に表示されるメールは利用者が選択した1通のメールが対象である。他のメール処理においても同様である。すなわち、メール処理において、複数のメールを対象として一度に何らかのメール処理、例えばメール表示処理、メール削除処理などを実行することはできない。
【0012】
受信したメールの中には、分割された複数のメール、送信したメールに対する返信メール、同一サブジェクトのメールに対する返信メールなど、関連のある複数のメールが存在することも多い。このようなメールを処理する場合、1通のメールごとに処理を繰り返す操作をしなければならない。例えば、分割メールを削除するメール削除処理を行う場合、分割されたメールを1通ずつ選択して削除する処理を繰り返すことが必要になる。このため利用者にとって操作が煩雑になるという問題点があった。
【0013】
上記特許文献1に開示された携帯電話においては、メール送信の際に文字数が制約文字数を超えた場合に分割メールとして送信する機能が提供されているが、受信側でメール処理する手順については考慮されておらず、上記の問題点を解消することはできない。
【0014】
また、上記特許文献2に開示されたメール送信方法においては、分割メールを受信する際、受信側で残りのメールを受信するか否かを選択できる機能は提供されているが、受信した後のメール処理手順については考慮されておらず、やはり上記のような問題点を解決するものではない。
【0015】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、互いに関連するメールをメールグループとして関連付けしておき、メールグループとして関連付けられた複数のメールのうちの1通のメールが選択されて所望のメール処理が行われた場合、当該メールグループとして関連付けられた複数のメールを一括して処理するようになせば上記問題点を解消し得ることに想到し、本発明を完成するに至ったものである。
【0016】
すなわち、本発明は上記の問題点を解消することを課題とし、関連する複数のメールを一括して所望の処理を行うことができる送受信メールのグループ処理機能を有する携帯電話を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
メールの送受信機能を有する携帯電話であって、
前記携帯電話は、分割して送受信された分割メールおよび/または利用者が関連するメールをメールグループとして関連付けを登録するグループ設定部と、利用者が指定したメール処理を利用者が選択したメールに対して行うメール処理制御部と、を備え、
前記メール処理制御部は、グループ登録されたメールの1つを選択してメール処理が指定された場合、同一のメールグループに登録されたメールを一括して指定されたメール処理を実行することを特徴とする。
【0018】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる携帯電話において、
前記メール処理制御部は、グループ登録されたメールの1つが選択され、メール削除処理が指定され場合、同一のメールグループに登録されたメールを一括して削除することを特徴とする。
【0019】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項1にかかる携帯電話において、
前記メール処理制御部は、グループ登録されたメールの1つが選択され、メール転送処理が指定され場合、同一のメールグループに登録されたメールを一括して指定の宛先に転送することを特徴とする。
【0020】
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項1にかかる携帯電話において、
前記メール処理部は、メール送信処理が指定された場合、利用者が作成したメールのデータ量を算出し、前記算出したデータ量が規定のデータ量を超えた場合には、当該作成メールを分割して指定された宛先に送信し、当該送信メールを保存する際、グループ設定部に当該分割メールのグループ設定を行わせることを特徴とする。
【0021】
本願の請求項5にかかる発明は、請求項1または請求項4にかかる携帯電話において、
前記携帯電話は更に、メール表示制御部を備え、該メール表示制御部は、グループ登録された分割メールの1つが選択され、メール表示処理が指定され場合、同一のメールグループに登録された分割メールを結合して表示部に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1にかかる発明においては、携帯電話は、分割して送受信された分割メールおよび/または利用者が関連するメールをメールグループとして関連付けを登録するグループ設定部と、利用者が指定したメール処理を利用者が選択したメールに対して行うメール処理制御部と、を備え、メール処理制御部は、グループ登録されたメールの1つを選択してメール処理が指定された場合、同一のメールグループに登録されたメールを一括して指定されたメール処理を実行する。
【0023】
このような構成によれば、分割メールあるいは利用者が関連付けてグループ登録した複数のメールを一括して処理することができるようになる。
【0024】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる携帯電話において、メール処理制御部は、グループ登録されたメールの1つが選択され、メール削除処理が指定され場合、同一のメールグループに登録されたメールを一括して削除する。このような構成によれば、利用者が特定のメールの削除処理を行った場合、当該メールに関連付けられた複数のメールがグループ登録されていれば、関連するメールを一括して削除することができるようになる。
【0025】
請求項3にかかる発明においては、請求項1にかかる携帯電話において、メール処理制御部は、グループ登録されたメールの1つが選択され、メール転送処理が指定され場合、同一のメールグループに登録されたメールを一括して指定の宛先に転送する。このような構成によれば、利用者が特定のメールの転送処理を行った場合、当該メールに関連付けられた複数のメールがグループ登録されていれば、関連するメールを一括して転送することができるようになる。
【0026】
請求項4にかかる発明においては、請求項1にかかる携帯電話において、メール処理部は、メール送信処理が指定された場合、利用者が作成したメールのデータ量を算出し、前記算出したデータ量が規定のデータ量を超えた場合には、当該作成メールを分割して指定された宛先に送信し、当該送信メールを保存する際、グループ設定部に当該分割メールのグループ設定を行わせる。このような構成によれば、利用者がメール送信する場合、規定のデータ量を超えてメールを作成しても、分割メールとして送信され、また、送信された分割メールが同一のメールグループに登録される。従って、送信した分割メールを一括して処理することができるようになる。
【0027】
請求項5にかかる発明においては、請求項1または請求項4にかかる携帯電話において、携帯電話は更に、メール表示制御部を備え、該メール表示制御部は、グループ登録された分割メールの1つが選択され、メール表示処理が指定され場合、同一のメールグループに登録された分割メールを結合して表示部に表示する。このように構成すれば、利用者が分割メールを表示する場合、複数のメールが結合されて表示されるため、1つのメールとして読むことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための送受信メールのグループ処理機能を有する携帯電話を例示するものであって、本発明をこの携帯電話に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の送受信メールのグループ処理機能を有する携帯電話にも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0029】
図1は、本発明の実施例にかかる送受信メールのグループ処理機能を有する携帯電話10の構成を示すブロック図、図2は図1の携帯電話10の外観を示す外観図である。
【0030】
携帯電話10は、通話部11と本発明にかかる機能制御部21から構成されている。通話部11は、マイク12とスピーカ13と無線部14とから構成されている。無線部14は、アンテナ、送受信回路、変復調回路、圧縮伸長回路、音声コーデック等を含んでおり、該無線部14を介してマイク12から入力された音声を音声信号として送信し、通話の相手方の音声信号を受信してスピーカ13に出力する。
【0031】
機能制御部21は、主制御部22、表示部23、操作部24、受信メール記憶部25、送信メール記憶部26、グループ設定部27、メール表示制御部28、表示メモリ29、メール処理制御部30などを備えて構成されている。主制御部22は、マイクロコンピュータ、RAM、ROM等からなりコンピュータ装置として機能し、無線部14および機能制御部21の上記各部を制御する。
【0032】
表示部23、操作部24は、携帯電話10における通話のための表示および操作の他に、インターネット網を介したデータ通信のための操作および表示にも使用される。操作部24は、通話時に電話番号入力をするため、また、電子メールをはじめとするインターネット網を介した各種のデータ通信サービスを利用するために所望の文字列を入力するために使用される。例えば、メール受信機能を起動している場合には、操作部24は当該携帯電話10に着信したメールを受信し、表示部23は受信したメールを表示するために使用される。
【0033】
操作部24には、通話キー241、機能選択キー243、テンキー245が設けられ、通話時にはテンキー245を操作して電話番号を入力し、通話キー241を操作すると発信できる。また、テンキー245には英数字、カタカナ、ひらがなの文字が割り当てられ、図示していない英数カナ変換制御部により文字コード変換が行われる。文字コード変換は、入力モードが英数カナあるいはかな漢字変換モードであるかによりそれぞれ操作されたキーに応じた入力文字コードに変換される。機能選択キー243は携帯電話10の所定の機能を有効にするキーであり、メーカー、機種によりこのキーに割当てられる機能は異なる。
【0034】
図2は、図1に示す携帯電話10の外観を示す図である。携帯電話10は液晶表示ユニットなどで構成された表示部23と操作部24とを備えており、操作部24には通話キー241と機能選択キー243と複数のテンキー245が設けられ、また、参照番号を付していないモードキーや表示部23に表示された画面の特定表示画像を操作するためのカーソルキーなどを備えている。
【0035】
受信メール記憶部25には、携帯電話10が受信したメールが記憶(保存)され、送信メール記憶部26には携帯電話10から送信したメールが記憶(保存)される。図3は受信メール記憶部25に記憶された受信メールの一覧データを示す図である。図3に示すように受信メール1通ごとにメールIDが付され、そのメールの送信者/アドレス(送信者のメールアドレス)、メールの表題、受信日時が記録される。また、受信したメールが分割メールである場合には分割ID(分割された複数の受信メールに共通に付される分割ID)が記録される。送信メールについても同様に図4に示す一覧データが作成される。
【0036】
図3、図4に示す受信メール一覧、送信メール一覧は、それぞれ受信メール記憶部25、送信メール記憶部26に記憶する構成にしてもよく、グループ設定部27が使用する記憶領域に記憶する構成にしてもよい。
【0037】
また、分割IDはメールIDに分割数をサフィックスとして付加するようなID形態であってもよく、また、メールIDとは別のIDを付加し、分割数をサフィックスで付加する形態であってもよい。このように分割IDを記憶しておくことにより、一連の分割メールを関連付けられた1つのグループメールとして後述する一括処理を行うことができるようになる。
【0038】
グループ設定部27は、送信メールと受信メールの間、あるいは、受信メール同士または送信メール同士で互いに関連するメールを関連付けてメールグループとする処理を行う。すなわち、携帯電話10の利用者は、図3、図4に示す受信メール一覧、送信メール一覧を表示して関連付けするメールを選択しグループ登録操作をする。この操作によりグループ設定部27が関連付けされたメールに対して同一のグループ登録IDを付加する。
【0039】
グループ設定部27におけるグループ登録の処理は、操作部24のキーに機能割当てをしておき、関連付けするメールを選択してこの機能キーを操作することによってグループ登録IDを生成して付加するように構成することができる。また、表示部23に表示するメール処理の操作メニューにグループ登録操作のアイコン画像を表示して、このアイコン画像を操作することによって行うように構成することもできる。
【0040】
受信したメールが分割メールである場合、メール処理制御部30はメール受信処理をする際、各分割メールに分割メールIDを付加する。この時、グループ設定部27によって自動的にグループ登録IDも付加することによって分割メールのグループ化が行われる。
【0041】
なお、メール処理制御部30が送信メールを処理する際、利用者が作成したメールの文字数が規定の文字数を超えている場合、自動的にメールを分割して指定された宛先に送信する分割メール送信を行う。分割メールの送信処理は上記特許文献1などに開示されたで技術を適用することができる。その際、受信メールと同様に分割メールIDを付加しておけば、送信分割メールについても受信分割メールと同様の一括処理ができるようになる。
【0042】
メール表示制御部28は受信メールを表示部23に表示する際、選択された受信メールが分割メールである場合に、分割されたメールを結合して表示する処理を行う。すなわち、メール表示制御部28は、表示のために選択されたメールに分割IDが付加されている場合、図3に示す受信メール一覧を参照して同じ分割IDを持つメールを特定し、これらのメールを受信メール記憶部25から読み出し、メール本文を結合して表示メモリ29に展開し、表示部23に表示する。これにより分割メールを1つのメールに結合して表示することができる。
【0043】
また、メール処理制御部30は、利用者によって、受信メール記憶部25、または、送信メール記憶部26に記憶されたメールの1つが選択され、メール転送処理、メール削除処理などのメール処理操作が行われると、図3、図4に示す受信メール一覧、送信メール一覧を参照して、当該メールに付加されたグループ登録IDと同じグループ登録IDが付加されたメールを抽出し、抽出された全てのメールに対して指定されたメール処理を実行する制御を行う。
【0044】
例えば、指定されたメール処理がメール削除であった場合、メール処理制御部30は、グループ登録された全てのメールを一括して削除する処理を行う。メール転送処理も同様であり、指定された転送先に対してグループ登録された全てのメールを一括して転送する処理を行う。なお、ここでいう一括処理とはメール処理制御部30が全てのメールを利用者の操作なしに自動的に順次処理する態様を含んでもよい。
【0045】
また、分割メールについてもメール受信時に分割IDを設定するとともにグループ登録IDも自動的に設定しておけば、分割メールの1つを選択してメール処理を指定すれば、同じ分割IDが付加された複数のメールを一括処理することができる。なお、メール処理制御部30がメール処理する際にグループ登録IDの他に分割IDを参照して同じ分割IDを有するメールを一括処理するように構成すれば、分割メールに対してグループ登録IDを設定する必要がなくなる。
【0046】
次に、以上説明した携帯電話10のグループ処理の手順について図5および図6に示すフローチャートに基づいて説明する。図5は、複数の関連する送受信メールを関連付けしてグループ登録を行う処理手順を示すフローチャート、図6は、メールの一括処理を行う処理手順を示すフローチャートである。また、図7は、グループ登録された分割メールを表示する手順を示すフローチャートであり、図8は、メール送信処理の手順を示すフローチャートである。
【0047】
先ず、図5を参照してメールグループの登録の手順について説明する。ステップS11の処理においてメール処理制御部30は分割メールを受信したか否かを判別する。分割メールの受信でなければステップS14の処理に進み、分割メールの受信であればステップS12の処理において分割メールに分割IDを付加する。受信したメールはステップS13の処理において受信メール記憶部25に記憶(保存)される。
【0048】
なお、受信メールを保存するか否かを利用者が選択する構成の場合は、メール保存処理が選択された場合に、ステップS12、ステップS13の処理を行う手順にすればよい。
【0049】
次に、ステップS14の処理においてメール処理制御部30は、受信メールをグループ登録するか否か問い合わせるメッセージを表示部23に表示する。利用者がグループ登録を選択しない場合はリターンしてステップS11のメール受信判別の待ち状態に戻る。
【0050】
利用者によってグループ登録が選択されると、ステップS15の処理において、図3、図4に示す受信メール一覧、送信メール一覧を表示部23に表示し、利用者がグループ登録するメールを選択するとステップS16の処理に進む。ステップS16の処理において利用者がグループ登録IDを入力すると、それぞれのメールに入力されたグループ登録IDが付加され、メールの関連付けが行われる。メール処理制御部30がグループ登録IDを自動的に採番して付加する構成をとる場合にはステップS16の処理を省略し、利用者による入力の手間を省くこともできる。
【0051】
ステップS17の処理において、他にグループ登録するメールがあるか、利用者に確認するメッセージを表示する。利用者が他にグループ登録するメールありを選択するとステップS15の処理に戻り、上記の処理を繰り返す。他にグループ登録するメールなしが選択されると、リターンしてステップS11のメール受信判別の待ち状態に戻る。
【0052】
なお、ステップS14〜ステップS18の処理は、メールの受信時以外にも利用者がメールグループの登録処理を選択して実行することもできる。
【0053】
グループ登録された関連する複数のメールの一括処理は図6に示す手順によって行われる。メール処理制御部30はステップS21の処理において、利用者が受信メール記憶部25または送信メール記憶部26に記憶されたメールの1つを選択してメール削除処理やメール転送処理などのメール処理操作が行われたかを判別する。
【0054】
メール処理操作が行われていなければ処理を終了し、メール処理操作が行われていればステップS22の処理に進み、メール処理制御部30は選択されているメールを受信メール記憶部25または送信メール記憶部26から読み出す。
【0055】
次いでメール処理制御部30はステップS23の処理において図3、図4の受信メール一覧、送信メール一覧を参照し、ステップS21の処理において利用者が選択したメールに付加されたグループ登録IDと同じグループ登録IDが付加されたメールがあるか否かを判別する。同じグループ登録IDのメールがなければステップS25の処理に進み、ステップS22の処理において読み出したメールの処理(ステップS21で指定された処理)を実行する。例えば、指定された処理がメール削除処理であればメールの削除処理が行われ、指定された処理がメール転送処理であれば、指定された宛先にメールを転送する処理が行われる。
【0056】
ステップS23の処理において同じグループ登録IDが付加されたメールがあると判別した場合、メール処理制御部30はステップS24の処理において、それらのメールを受信メール記憶部25、送信メール記憶部26から読み出し、読み出したメールの全てをステップS25の処理において一括処理する。
【0057】
また、利用者が分割メールの表示処理の操作を行った場合は、図7の処理手順により関連する分割メールを結合して表示部23に表示する。すなわち、ステップS31の処理において利用者が任意のメールを選択して表示処理の操作を行った場合、メール表示制御部28はステップS32の処理において図3、図4の受信メール一覧、送信メール一覧を参照し、ステップS31の処理において利用者が選択したメールに付加された分割IDと同じ分割IDが付加されたメールがあるか否かを判別する。
【0058】
同じ分割IDが付加されたメールがなければステップS35の処理に進み、ステップS35の処理に進み、選択されたメールを受信メール記憶部25または送信メール記憶部26から読み出し、ステップS36の処理において表示メモリ29に展開処理し、表示部23に表示して処理を終了する。
【0059】
同じ分割IDが付加されたメールがあればステップS33の処理においてメール表示制御部28は、同じ分割IDが付加された全てのメールを受信メール記憶部25または送信メール記憶部26から読み出し、ステップS34の処理において表示メモリ29にそれらのメールを結合して展開処理し、ステップS36の処理において表示部23に表示して処理を終了する。
【0060】
次に、メール送信の手順について説明する。図8のフローチャートに示すようにステップS41の処理において利用者がメール送信操作を行うと、ステップS42の処理においてメール処理制御部30は利用者が作成したメール(送信メール)のデータ量を算出し、ステップS43の処理において送信メールのデータ量が規定のデータ量内であるかを判定する。算出されたデータ量が規定のデータ量を超えているとステップS44の処理においてメール処理制御部30は送信メールを分割しステップS45の処理において分割メールを指定の宛先に送信する。算出されたデータ量が規定のデータ量の範囲内であればステップS45でそのままメールを指定の宛先に送信する。
【0061】
メール処理制御部30はステップS46の処理において送信メールを保存するか否かを判定する。利用者が送信メール保存を指定していなければ処理を終了し、保存を指定していればステップS47の処理において送信メールを送信メール記憶部26に保存する。そして、ステップS48の処理において送信メールが分割メールであるか否かを判定する。
【0062】
送信メールが分割メールでなければ、メール処理制御部30は図4に示した送信メール一覧に送信メールに関するデータを追加して処理を終了する。送信メールが分割メールである場合、メール処理制御部30は図4に示した送信メール一覧に送信メールに関するデータを追加する際に分割された送信メールごとに分割IDを付加して記憶し、処理を終了する。
【0063】
以上、説明したように本発明によれば、受信または送信した分割メール、利用者がグループ登録した関連するメールを一括してメール処理することができるようになる。また、分割メールを表示する際に分割されたメールを結合して表示することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施例にかかる送受信メールのグループ処理機能を有する携帯電話の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の携帯電話の外観を示す図である。
【図3】受信メール記憶部に記憶された受信メールの一覧のデータ構成を示す図である。
【図4】送信メール記憶部に記憶された送信メールの一覧のデータ構成を示す図である。
【図5】複数の関連する送受信メールを関連付けしてグループ登録を行う処理手順を示すフローチャートである。
【図6】メールの一括処理を行う処理手順を示すフローチャートである。
【図7】グループ登録された分割メールを表示する手順を示すフローチャートである。
【図8】メール送信処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
10・・・携帯電話
11・・・通話部
12・・・マイク
13・・・スピーカ
14・・・無線部
21・・・機能制御部
22・・・主制御部
23・・・表示部
24・・・操作部
25・・・受信メール記憶部
26・・・送信メール記憶部
27・・・グループ設定部
28・・・メール表示制御部
29・・・表示メモリ
30・・・メール処理制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メールの送受信機能を有する携帯電話であって、
前記携帯電話は、分割して送受信された分割メールおよび/または利用者が関連するメールをメールグループとして関連付けを登録するグループ設定部と、利用者が指定したメール処理を利用者が選択したメールに対して行うメール処理制御部と、を備え、
前記メール処理制御部は、グループ登録されたメールの1つを選択してメール処理が指定された場合、同一のメールグループに登録されたメールを一括して指定されたメール処理を実行することを特徴とする送受信メールのグループ処理機能を有する携帯電話。
【請求項2】
前記メール処理制御部は、グループ登録されたメールの1つが選択され、メール削除処理が指定され場合、同一のメールグループに登録されたメールを一括して削除することを特徴とする請求項1に記載の送受信メールのグループ処理機能を有する携帯電話。
【請求項3】
前記メール処理制御部は、グループ登録されたメールの1つが選択され、メール転送処理が指定され場合、同一のメールグループに登録されたメールを一括して指定の宛先に転送することを特徴とする請求項1に記載の送受信メールのグループ処理機能を有する携帯電話。
【請求項4】
前記メール処理部は、メール送信処理が指定された場合、利用者が作成したメールのデータ量を算出し、前記算出したデータ量が規定のデータ量を超えた場合には、当該作成メールを分割して指定された宛先に送信し、当該送信メールを保存する際、グループ設定部に当該分割メールのグループ設定を行わせることを特徴とする請求項1に記載の送受信メールのグループ処理機能を有する携帯電話。
【請求項5】
前記携帯電話は更に、メール表示制御部を備え、該メール表示制御部は、グループ登録された分割メールの1つが選択され、メール表示処理が指定され場合、同一のメールグループに登録された分割メールを結合して表示部に表示することを特徴とする請求項1または請求項4に記載の送受信メールのグループ処理機能を有する携帯電話。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−206831(P2007−206831A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−22823(P2006−22823)
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】