説明

逆チャープFMCWコヒーレントレーザレーダのためのコンパクト光ファイバジオメトリ

【課題】
大きな精度、迅速な測定時間、狭い空間へのアクセス、柔軟性及び信頼性を可能にする実用的な光精密測定システムを提供する。
【解決手段】
本開示は、環境の影響を受けない二重チャープコヒーレントレーザレーダのバージョンを構築するために偏光ダイプレックス方式で偏波保持(PM)光ファイバ構成要素(127)を使用するための、任意の目標(129)までの距離を測定するための方法、及び多様な構成ジオメトリを含む、非接触精密光学素子(12)を提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、逆チャープ周波数変調(FM)レーザレーダ構成でコヒーレント光検出および2つのレーザ光源を使用して対象(目標)までの距離を測定するための非接触精密光センサである。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本願は、内容が参照することにより本書に組み込まれている、2005年2月17日に出願された仮特許出願、出願番号第60/653,490号の優先利点を主張する。
【背景技術】
【0003】
目標までの距離を測定する多くの光システムが存在する。このようなシステムは該レーザ光源と該目標の間の自由空間を通って伝搬されるオープンビームを活用する。しかしながら、該目標位置が、制限された自由空間がビーム伝搬に利用できるほどであるとき、このような公知のシステムには限られた用途しかない。したがって、公知のシステムは距離の測定を実行できることがあるが、オープンビーム光センサヘッドは限られたアクセス領域及び密な場所での応用例を妨げる。例えば、シャシ内部の寸法の精密測定は、公知のオープンビームシステムで容易に達成できない。光ファイバを通して光を伝達することは公知であるが、精度は該ファイバ自体に対する環境の影響に起因して損なわれる。これらの環境の影響は光学経路長及び該ファイバの該光の偏光を変更し、測定精度に悪影響を及ぼす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
公知の光測定システムは、Massieに対する米国特許第4,340,304号に開示されている。Massieは鏡の表面の欠陥を検出するための干渉法及びシステムを開示している。Massieは偏光ビームスプリッタ、4分の1の波長板、及びターゲット(試験鏡)を開示する。しかしながら、Massieはオープンビームシステムであり、したがって限られた空間目標にアクセスすることができない。
【0005】
コヒーレントな光検出の優位点は根本的である。該目標から反射される光ビームの情報伝搬容量は、他の使用可能なシステムより桁違いに大きい。端的に言えば、光ヘテロダイン検出を使用すると、量子雑音レベルでの光学的放射検出が可能になる。したがって、コヒーレント光システムは、多くの公知の従来の技術の測定システムよりさらに大きな範囲、精度、及び信頼性を提供する。また、コヒーレント光システムはさらに大きな走査範囲、さらに大きな作業被写界深度を提供することもでき、周辺光状態で動作してもよい。さらに、コヒーレントシステムにおいては、該目標ビームはその目標位置の特徴についての十分な情報を取得するために非常に長い間、該目標に留まる必要はない。
【0006】
簡略に、光ヘテロダイン検出は目標に向けられ、そこから反射される光源光ビームを提供する。次に帰還光ビームは受光素子で局部発振器光ビームと混合され、該目標についての詳細な情報を提供するために処理されてよい光干渉パターンを提供する。光ヘテロダイン技法は該光源及び反射された光ビームの相互依存を利用する。例えば、これらの光ビームは実質的には同じ波長であり、同じ光軸の上で向けられている。これは信号対雑音比(SNR)の改善及び感度の増大を実現する。該SNRは、公知の直接検出システムと対照的に、小さい受光開口が使用されてよいように十分に高い。小さい受光開口は、限られたアクセス領域の中に差し込むことができる非常に小さいレンズと想定されてよい。小さい受光開口は該目標について依然として詳細な情報を提供できるため、コヒーレントシステムの光構成部品を非常に小さくすることができ、走査速度及び精度の関連付けられた上昇を提供できる。例えば、2分の1インチの開口のコヒーレント光システムは直接光検出システムで使用される4インチ開口より多くの目標についての情報を取得できる。
【0007】
Al Ga Asレーザダイオード及び光ファイバ構成部品の重要な技術は、現在では、電気通信における応用例のための開発の促進を享受している。これらの努力のために、インジェクションレーザダイオードの品質の最近の改善が、精密コヒーレント光測定システムに必要とされるコヒーレンス長と波長回転範囲を提供する。該インジェクションレーザダイオードの小さなサイズとハイテクを統合した光アセンブリが、その従来の対照物より桁違いに正確且つ信頼性の高い、小型で低コストの精密距離測定装置の新しい一群の開発を可能にする。
【0008】
精密機械加工構成部品を検査するためには、約25nmから250nmの分解能を有する精密非接触測定装置が必要とされる。対照的に、大きな目標(例えば、自動車、航空機等)の測定は、座標測定機(CMM)及びレーザトラッカを使用して実施されてよい。このような精密装置は1ミクロンから10ミクロンの範囲の分解能を有する。
【0009】
本範囲内の精密測定応用例のためのレーザレーダ装置はGoodwin、米国特許番号第4,830,486号、及びSlotwinski及びKenyon、米国特許番号第4,824,251号によって説明されてきた。例えば、Goodwinは、レーザを周波数変調することと、ビームを基準成分と目標成分に分割することと、該ビームを再結合し、ビート信号(ヘテロダイン)を作成することと、検出器上で取得される縞模様のパターンを分析することによって該ビート波の特性を決定することとを開示している。両方の特許とも該方法の光ファイバ実施形態を説明している。
【0010】
精密距離測定を行うためのFMヘテロダイン干渉計の操作原理は、Chienら、「周波数変調された三角変調レーザダイオードを使用することによる距離及び速度検出干渉計(Distance and velocity−detection interferometer by using a frequency−modulated triangular−modulated laser diode)」、応用光学(Applied Optics)、1995年6月1日、第34巻、第16号(2853−2855)に、及びImaiら、「周波数傾斜レーザダイオードを使用する光ヘテロダイン変位測定(Optical−heterodyne displacement measurement using a frequency ramped laser diode)」、光学通信(Optics Communications)、1990年8月15日、第18巻、第2号(113から117)に説明されている。これらの及び類似する計器は、鏡等の理想的な反射面の変位を測定するためにうまく働く。Chienら及びImaiらの教示に従って作られ、低速であり、有用な縞模様画像を取得するためにデータを統合するのに数秒を要する装置が明示されている。分析のためのこのあまりにも冗長な時間によって、これらの装置は位置合わせと振動に非常に敏感になる。通常干渉計ビームに対して30度の入射角となる陽極酸化されたアルミニウムあるいはトレッドの側面等の理想的ではない表面の位置の測定に適用されると、信号対雑音比は信頼できる高分解能の測定を行うには小さくなりすぎる。
【0011】
前述されたように、従来の技術は多くの周波数変調ヘテロダイン干渉システムが精密測定のために実験的に開発されてきたことを示している。
【0012】
精密FMレーザレーダにおける既存の技術は単純なチャープレーザ光源及び別々の局所発振器(LO)と信号経路を備える偏光維持光ファイバジオメトリを組み込む。本発明は、既存の技術を上回る2つの主要な改善を組み込む。第1に、逆チャープ構成はより正確なドップラー補正を提供することによって振動によって誘発される範囲の誤差に対してはるかに大きな不感受性を提供する。第2に、該LOと2つのレーザのための信号経路を単一のファイバに結合することによって、光ファイバ回路は、構成要素がより少ないためにあまり複雑ではないだけではなく、あまり高価でもなく、温度変化等の環境上の要因のために該LOと信号経路長の変化によって引き起こされる誤差にまったく影響されない。例えば、この技術に対するニーズは、暗振動と変化する環境状態の両方が存在する製造業(例えば工場)にあると考えられる。LOと信号経路のこの組み合わせは、該ユニットのセンサヘッド部分を、それがユニットの残りから任意で選択できるため、制限されている体積の領域内に配置できるという追加の利点を提供する。
【0013】
したがって、必要とされているのは、大きな精度、迅速な測定時間、狭い空間へのアクセス、柔軟性及び信頼性を可能にする実用的な光精密測定システムである。本発明はこのようなシステムを開示する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、第1と第2の光ビームの波形が、第1の光ビームが、第2の光ビームがチャープダウンされるにつれてチャープアップされ、逆の場合も同じように互いに180度の位相がずれている、該第1の光ビームを生成するための該第1のレーザ光源と、該第2の光ビームを生成するための該第2のレーザ光源と、該第1の光ビームと第2の光ビームを結合された光ビームに結合するため、及び該結合された光ビームの任意の戻り部分を第3の光ビームと第4の光ビームに分割するための第1の光学素子と、第3の光ビームを受光するための第1の検出器と、第4の光ビームを受光するための第2の検出器とを含む光学距離測定装置に関する。
【0015】
別の実施形態では、第1と第2の光ビームの波形が、第1の光ビームが、第2の光ビームがチャープダウンされるにつれてチャープアップされ、逆の場合も同じように互いに180度の位相がずれている場合に、該第1のレーザ光源から該第1の光ビームを、該第2の光源から該第2の光ビームを生成することと、該光源から発せられる光を対象に向けることと、光源ごとに反射されたLO経路と対象に反射した信号経路を受け取ることと、光源ごとに該LO経路及び信号経路を検出することと、ビート周波数を生成するために光源ごとに該経路に周波数処理を施し、該周波数が該2つの経路間の該範囲差に比例し、該LO経路と対応する信号経路間の該経路長の差異が測定される該距離に等しいことを含む、遠い目標の範囲を決定するための方法が考えられている。
【0016】
なんらかのあまり一般的ではない用語では、本発明は第1のチャーピング変調信号によって変調される第1の放射周波数を有する第1のコヒーレント光ビームを発する第1の周波数変調されたレーザと、第2のチャーピング変調信号によって変調された第2の放射周波数を有する第2のコヒーレント光ビームを発する第2の周波数変調されたレーザとを備える精密絶対距離測定のためのダイプレックス二重チャープレーザ装置である。該第2のチャーピング変調信号は、該第1のチャーピング変調信号からの一定の位相差、好ましくは180度の位相差とチャープするために確立される。本発明は、該第1のコヒーレント光ビームが2つの名目上の50パーセントの部分に分割される、該第1の周波数変調されたレーザに光学的に結合される第1の光ファイバカプラと、該第2のコヒーレント光ビームが2つの名目上50パーセントの部分に分割される、該第2の周波数変調されたレーザに光学的に接続される第2の光ファイバカプラとをさらに備える。
【0017】
さらに、ビーム入射端部とビーム出射端部とを有し、第1の軸と第2の軸を備える線形偏光維持ファイバがあり、各軸は、他方のコヒーレント光ビームの該偏光に直交する線形偏光を有する独立した偏光コヒーレント光ビームを該ファイバに沿って独立して伝達できる。線形偏光スプリッタは、該第1の光ファイバカプラ、該第2の光ファイバカプラ、及び該線形偏光維持ファイバの該ビーム入射端部に光学的に接続され、それによって該第1の周波数変調済みレーザによって発せられるコヒーレント光ビームは1つの線形偏光のために偏光され、第1の線形偏光済みレーザ光ビームとして伝達され、該第2の周波数変調されたレーザによって発せられる該コヒーレント光ビームは第2の線形偏光のために偏光され、第2の線形偏光済み光ビームとして伝達され、前記第1と第2の線形偏光は互いに直交する。
【0018】
また、該線形偏光維持ファイバの該ビーム出射端部には界面もあり、それによって該第1のコヒーレント光ビームと該第2のコヒーレント光ビームのそれぞれから該伝達される光の一部分が該線形偏光スプリッタに向かって後方反射され、そこからそれぞれ該第1の光ファイバカプラと該第2の光ファイバカプラに伝達され、該伝達された光の相補的な部分は該目標に伝達され、該目標から該界面に返され、第1の光学式検出器は該第1の光ファイバカプラに光学的に接続され、それによって第1の干渉が該第1のコヒーレント光ビームから該伝達された光の該反射部分と、該目標から該第1のコヒーレント光ビームの帰還の間で確立され、該第1の光学式検出器は第1のビート周波数を該第1の干渉から検出し、第2の光学式検出器は該第2の光ファイバカプラに光学的に接続され、それによって第2の干渉が該第2のコヒーレント光ビームからの該伝達された光の該反射された部分と該目標からの該第2のコヒーレント光ビームの帰還の間で確立され、該第2の光学式検出器が該第2の干渉から第2のビート周波数を検出する。
【0019】
以後、該ビート周波数信号は第1のビート周波数測定値及び第2のビート周波数測定値を生成するように構成されるデジタル信号処理装置に送信される。最も好ましい実施形態では、第1の較正された基準アームゲージが該第1の光ファイバカプラに光学的に接続され、該第1のコヒーレント光ビームの該2つの名目上の50パーセントの部分の1つを受光し、第1の基準アーム出力をさらに生成し、第2の較正された基準アームゲージが該第2の光カプラに光学的に接続され、該第2のコヒーレント光ビームの該2つの名目上の50パーセント部分の1つを受光し、第2の基準アーム出力をさらに生じさせる。コンピュータ装置は該第1のビーム周波数測定値を該第1の基準アーム出力に結合し、第1の絶対距離測定値を生成し、該第2のビート周波数測定値を該第2の基準アーム出力にさらに結合し、第2の絶対距離測定値を生成する。該コンピュータ装置は、該第1の絶対距離測定値を該第2の絶対距離測定値とさらに結合し、複合絶対距離測定値を生成し、該複合絶対距離測定値の不確実性は大幅に削減される。
【0020】
要すれば第1の較正済みの基準アームゲージと、該第2の較正済みの基準アームゲージは光ファイバ干渉計である。やはり要すれば、それぞれの光ファイバ干渉計は、それぞれが該入力光ファイバカプラから該入射光の一部を受光する異なる光学経路長の2本のファイバ光ファイバに入射する光を分割できる、該光ファイバカプラに光学的に接続されている入力光ファイバカプラと、該2本のファイバ光ファイバから該光の該2つの部分が再結合され、干渉周波数及び結果として生じるビート周波数が確立される出力光ファイバカプラと、該ビート周波数を検出する検出器とを備える。該結果は各参照アームのビート周波数測定値を生成するように構成されるデジタル信号処理装置に進み、各参照アームの前記ビート周波数測定は該基準アームゲージ用の該基準アーム出力を備える。
本発明による例示的な方法及びシステムはさらに詳しく後述される。
本発明の適切な理解のため、該添付図面を参照する必要がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明が説明される前に、この開示が、説明されている特定の装置、方法論、及び構成要素が変化する可能性があるために、これらに限定されていないことが理解される。本書に使用されている専門用語が特定の実施形態だけを説明するために使用され、添付請求項によってのみ限定される本発明の範囲を制限することを意図していないことも理解されなければならない。
【0022】
本書に及び該独立クレームに使用されているように、文脈が別段に明確に指示しない限り複数の参照を含むことがさらに理解されなければならない。したがって、例えば、「1台のアイソレータ」に対する参照は複数のこのようなアイソレータを含み、「レンズ(lensing)手段」は、当業者に公知の1つまたは複数のレンズ及びその同等物に対する参照である。別段に定義されていない限り、本書で使用されているすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0023】
本書に使用されているように、その文法上の変形を含む「干渉性放射」は、放射線場の中のあらゆる2点間の該位相関係性が一定の差異を有する、あるいは該放射線の持続時間全体で空間モードまたは時間モードのどちらかでまったく同じである放射線を意味する。例えば、レーザは狭い波長範囲の中で光の形を取る干渉性放射を人工的に生成する装置である。
【0024】
本書に使用されているように、その文法上の変形を含む「と係合する」は、光学的に結合される、あるいは光ファイバワイヤまたは光導波管ファイバによってリンクされる光ファイバを意味する。関連する態様では、光ファイバワイヤは、光の形を取る情報を伝搬できる、コア及びクラッディング付きのガラスまたはプラスチックの細フィラメントから成る。
【0025】
本書に使用されているように、その文法上の変形を含む「対応する」は、特に(幾何学図形または集合と)同じまたは類似する全体に関して(種類、程度、位置または機能と)同じ関係性を有する、または同じ関係性に関与することを意味する。
本書に使用されているように、その文法上の変形を含む「共通の」は、2つまたは3つ以上の構成要素に属すること、または2つまたは3つ以上の構成要素によって共有されることを意味する。
【0026】
その光源としてダイオードレーザを使用するコヒーレントレーダ、つまりFMレーザレーダでは、該レーザの周波数は、該レーザの注入電流を変調することによって直接的に変調される。通常、該周波数は、線形変調を生じさせる目的で波形で変調される。この種の変調が多くの場合チャープと呼ばれる。該2つのチャーピング変調入力信号または該2つのレーザに送信され、それらの出力波長を変調する波形は同一ではない。各レーザは、それがどのようにして同調するのかにおいて固有であり、したがってレーザごとに固有の波形が生成されなければならない。該波形形状と振幅の両方ともレーザごとに異なる。重要なことは、該チャープの期間中に波形の既定の変化の線形チャープを生成する入力注入電流波形を生成することである。各入力注入電流波形は、該レーザ出力が同一になるように調整される。この種の応用例のための最も共通の形式の変調では、該注入器電流変調信号はレーザごとに独自に整形され、該レーザの出力のために線形のこぎり歯周波数変調包絡線を生成することを目的とする歪んだのこぎり波である。該注入電流変調は、各レーザの該出力変調がのこぎり歯となるように、及び該2つが実用的となるようにカスタム整形されている。
【0027】
該レーザ出力周波数は、以下のように時間の関数として表すことが可能で、

この場合fは該レーザの中心周波数である。該変調されたビームは、それが往復移動時間の後に該受光器光学部品により散乱、収集される該目標で焦点を合わせられる。該目標までの距離Rは以下の関係性を使用して計算される。

τ=2R/c (2)

ここでcは光の速度である。
【0028】
FMレーザレーダへの鍵はコヒーレント検出である。レーザビームは、空間コヒーレンスと時間コヒーレンスの両方で特徴付けることができる。FMレーダの場合、時間コヒーレンスが重要であり、該レーザ光源の有限帯域幅に関する。時間コヒーレンスは、人が空間内の既定の点での光波の位相を妥当に予測できる時間間隔を指定する。これは光混合の概念にとって不可欠である。コヒーレント光波は、正しく光学式検出器で結合されると、該入射波の該光周波数(したがって位相)の差異に等しいビート周波数を生じさせる。(電子ミキサーにおいてのように、和周波数も、光学式検出器が約1015Hzの光範囲の信号に反応できないために生成されるが、検出されない。)
FMレーザレーダ装置では、伝達されたビームの一部が入射光波から分割され、次に該返されるエネルギーと混合される該局所発振器を形成する。コヒーレントレーザレーダでは、生成されるビート周波数は以下に等しくなる。
【0029】

【0030】
該ビート周波数は電子的に測定され、該目標までの該距離Rを計算するために使用される。
【0031】

【0032】
初期のFM装置では、範囲測定の精度はカウント間隔での該周波数変調の線形性によって制限されていた。例えば、該目標が1メートルの距離にある、1mmの精度を保証するために千分の1の線形性が必要である。
【0033】
本発明の一実施形態では、レーザレーダは高度の線形性を可能にする。加えて、開示されたようなこれらの技法は線形性からのリアルタイム分散を検出、補償できる。これにより一桁のミクロン精度の範囲測定が可能になる。
【0034】
FMレーザは、FMレーザレーダが、範囲を計算するために、信号振幅に依存していないビート周波数だけに依存しているために周辺光状態及び表面反射力の変化に大体は影響されない。これにより、FMコヒーレントシステムは返されるレーザエネルギーのわずか1ピコワットの信頼性のある測定を行うことができる。これは9次のダイナミックレンジの感度に相当する。
【0035】
図1は、基本的な従来の技術の相対距離測定をグラフを使って示す。該局所発振器の該線形周波数変調、つまり「チャープ」は該伝達されたレーザビームの上下の光周波数掃引11を生成する。該帰還、つまり受信された範囲の信号12は該出射ビームに関して遅動である。これらの2つの光信号を結合すると、対応する干渉または「ビート」周波数信号13が生成される。範囲は最大RF干渉周波数に比例する。該レーザ基本周波数は約200テラヘルツである。該ビート周波数は1MHz範囲内にある。該上下チャーピングは目標速度情報を提供できる。測定されている該表面が該レーザ光源を基準にして移動している場合、レーザのアップスィープに相当する該ビート周波数は、ドップラー周波数シフトに起因するダウンスィープに相当する該ビート周波数とは異なる。該帰還信号の部分間の該周波数差異を測定すると、速度の決定を行うことができる。
【0036】
上下チャープを処理することは目標の範囲及び速度を別々に検出することを可能にする一方、該範囲データは、該目標が振動している場合に発生する可能性があるようなチャープ内速度変化がある場合に傷つけられる可能性がある。
現存の単一レーザ構成では、コヒーレントシステムは、その注入電流を変えることによって周波数変調される1550nmのレーザダイオードソースを使用している。この種のレーザはその商業的入手性、波長可変性のために、及びこの波長で入手可能な該関連光ファイバ構成要素の技術的な成熟度のために選択される。
【0037】
移動表面から後方散乱する光は、以下の式に基づいてシフトされる周波数、ドップラーである。
【0038】
=2v*cos(a)/λ (5)
【0039】
ここではF=周波数シフト
v=表面速度
α=速度ベクトルと光ビーム方向の間の角度
λ=光の波長
【0040】
該システムの該方向で指される表面速度成分のケースでは、この周波数シフトは、レーザアップスィープの間の該目標までの該距離によって生成される該ビート周波数に追加され、単一レーザシステムの場合レーザダウンスィープの間に該ビート周波数から差し引かれる。正確な範囲の測定を取得するため、及び該表面速度を決定するために、2つの連続スィープが平均ビート周波数とビート周波数間の差異を検出するために処理されなければならない。既存のシステムで現在使用されている該レーザ波形生成電子回路及びシステムデジタル信号処理(DSP)電子回路は、毎秒1000測定値の信号スィープレートでダイオードレーザソースを同調できる。したがって、単一レーザシステムのためのこの処理は最大測定速度を毎秒500測定値に引き下げる。加えて、該範囲データは、該目標が振動している場合に発生することがあるようなチャープ内速度変化がある場合に範囲データが傷つけられることがある。
【0041】
2つのレーザ光源を逆チャープ構成で使用することによって、目標振動に起因する範囲測定誤差は大幅に削減され、例えば多くの工場で見られるような振動的に騒々しい環境での正確な測定を可能にする。
【0042】
逆チャープジオメトリの第2の優位点は、該アップスィープとダウンスィープが順次よりむしろ同時であるために、毎秒500回の測定から毎秒1000回の測定への測定速度の効果的な倍増である。
【0043】
好適実施形態では、速度により誘発される範囲誤差を補償するための方法は逆チャープ構成で2つのレーザ光源を利用することである。関連する態様では、同時に他方のレーザが下に、次に上にチャープされるのに対し、一方のレーザが上に、次に下にチャープされ、その結果、実質的にはそれにより生成される各波形は180度、位相がずれている。結果として生じる信号は、次に速度誤差にはるかに大きな免疫を与えるために処理できる(が、振動により誘発される誤差に限定されない)。
【0044】
本発明は、ここで以下の非制限例に関してさらに詳細に説明される。以下の限定されない例を参照してさらに詳細に説明される。該以下の例は本発明を制限することではなく、例証することを目的としている。
【0045】
例1.コンパクトな逆チャープジオメトリ
本開示は、環境上の影響をまったく受けない二重チャープコヒーレントレーザレーダを構築するために偏光ダイプレックス方式の偏波保持(PM)光ファイバ構成要素を使用するための技法を提示する。図2はこのようなレーザレーダ光構成10を描いている。該レーザ光は2個のPMファイバピグテールレーザダイオード(101、102)によって生成される。関連する態様では、レーザ光はファイバレーザまたはソリッドステートレーザ光源によって生成されてよい。該低速レーザとして示されているレーザL1からの光101は、該PMファイバ103の対応する低速軸と位置合わせされている。
【0046】
高速レーザとして示されているレーザL2からの該光102は、該PMファイバ104の該対応する高速軸と位置合わせされている。各レーザからの該光は、後方反射された光がレーザの同調特性を分裂させないようにするために対応する光ファイバオプションアイソレータ(106、107)を通過する。関連する態様では、該アイソレータはピグテールファイバまたはバルク光(つまり開放ビーム)装置であってよい。各レーザからの該光は、それぞれ名目上50%の結合比の2つの光ファイバカプラ(108、109)によって受光される。関連する態様では、このようなカプラは、部分的に映し出されたプレートと膜だけではなく、バルク光立方ビームスプリッタを含むが、これらに限定されない任意のビーム分割装置であってよい。関連する態様では、該光の偏光の該状態が該結合方向を決定するビームスプリット装置は、バルク光立方体ビームスプリッタを含むが、これに限定されない。
【0047】
次に、両方のレーザからの光は、光ファイバ偏光スプリッタ110によって単一のファイバに結合される。該偏光スプリッタ110は、一方の入力ファイバ111の該低速軸の光、及び他方の入力ファイバの該高速軸の該光を単一の出力ファイバ113の対応する軸に結合する。次に、該光はこのファイバを下方に移動し、大きな幾何学的な柔軟性ともって該測定の現場に移動できる。該ファイバ113の端部、つまり該ファイバ113と、それを通して測定値が採取される媒質の間の界面では、該光の一部分(媒質が空気である場合には4%)が該ファイバ113の中に後方反射される。該低速軸内にあったレーザL1からの該光101は、該低速軸の中に後方反射され、該高速軸内にあったレーザL2からの該光102は該高速軸の中に後方反射される。これらの反射された光経路はレーザレーダ毎の該LO経路になる。
【0048】
該ファイバ113から出現する該光は該目標114に反射し、該ファイバ113に戻り、レーザレーダ毎の該信号経路を定める。通常、レンズ系115は、該光ファイバ113に返される光量を最大限にするために関心のある該測定領域内で該光を集中させるために使用される。このレンズ115は、必要とされる光学的な被写界深度に応じて、固定焦点システムまたは調節可能な焦点システムである場合がある。さらに、該レンズ系から出現した後に、該光は二次元または三次元の測定値を提供するために走査ミラーによって該目標のさまざまな部分に向けることができる。関連する態様では、走査ミラー装置は電流測定駆動ミラー、圧電アクチュエータ、コイルドライバ及びジンバルが取り付けられたミラーを含むが、これらに限定されない。
【0049】
該出力ファイバ113からの出現時、レーザL1からの該光101は一方向で線形に偏光され、レーザL2からの該光102は該L1(101)光に直交する方向で線形に偏光される。目標114からの反射時、各レーザからの該光はその元の軸の中の該ファイバ113に再注入されて戻される。該LOと信号経路両方の中の該L1(101)光は該偏光スプリッタ110及び該L1カプラ108を通って対応する光検出器116に戻り、該2つの経路からの該光は該2つの経路間の該範囲の差に比例する該RF信号を形成するために混合する。同様に、該LO及び信号の経路からの該L2(102)光は該L2(102)検出器117に移動する。該2台のレーザ(101、102)からの光はつねに直交偏光状態にあるので、それらは互いに干渉することなく、該2つの結果として生じるレーザレーダ信号はそれら自体対応する検出器(116、117)だけで出現する。
【0050】
該LO経路及び該信号経路は共通のファイバ(つまり、113、111、112、118及び119)中を移動するため、該干渉は該LO信号を生じさせる該界面で発生していると考えることができる。つまり、該LO経路とそのそれぞれの信号経路間の該経路長の差が、測定される該距離に等しいことを意味する。したがって、温度変化等の環境の影響に起因するファイバ内の光経路の変化は該測定された信号に影響を及ぼさない。したがって、該偏光スプリッタ110から該レンズ系115の出力までのファイバの長さは該測定を劣化させることなく任意に長くすることができる。これにより、該光学部品、電子回路及び電源の残りを含む該系の残りがより接近しやすい位置に配置される一方で、センサヘッド(該出力ファイバ113、該レンズ系115、及び任意の走査機構)を制限されている体積の領域内に設置することが可能になる。加えてすべての光ファイバ構造は、バルク光アセンブリとは異なる気中浮遊汚染物質による位置ずれや劣化を起こさない高耐久化装置を提供する。
【0051】
前述されたように、2つのレーザ光源を逆チャープ構成で使用することにより、振動によって誘発される範囲測定誤差が削減される。一例として、該範囲誤差が単一レーザシステムと逆チャープを利用するシステムの両方について10ミクロンの最高最低振幅で50Hzで振動する目標によって生じる図3で、二重レーザ構成が示されている。速度により誘発される誤差の削減は約20という因数によるとして示されている。
【0052】
図4は、DSP回路網(18)を使用する光信号の処理を描いている。該反射信号経路からの該光信号はフォトダイオード検出器回路(図2の検出器D1(116)と検出器D2(117)に同等な180)によって電気信号に変換される。一実施形態では、PINフォトダイオード電界効果トランジスタ(pinFET)光検出器モジュールが使用される。この検出プロセスが測定されるビート周波数を生成する。該ビート周波数信号は関心のある該周波数バンドの外部の雑音を排除するためにバンドパスフィルタリングされ(181)、次にアナログ/デジタル(A/D)変換器(182)によってデジタル化される。高速フーリエ変換(FFT)アルゴリズムは、次に、該範囲信号の正確な周波数を決定するために該DSP回路網(183)によって使用される。任意で制御コンピュータ上で、通常は該DSP電子回路よりも高いレベルで行われる更なる処理により、該測定された周波数の各々は距離測定装置に変換される。次に、ドップラー範囲誤差を排除するために該2つの距離測定値が平均化され、複合距離測定値を見つけ出す。
【0053】
例2.基準アームゲージを含むコンパクトな逆チャープジオメトリ
精密測定のためには、絶対レンジング精度のために基準アームゲージを含むことと、該レーザのチャープ波形を線形化するのを助けることの両方が必要である。この基準ゲージは、マッハツェンダー構成における光ファイバ干渉計の形を取ることができる(例えば、米国特許第4,552,457号を参照すること)。代りに、マイケルソン干渉計構成も使用されてよい(例えば、米国特許第4,278,351号を参照すること)。図5は、各レーザ(120、121)の基準アームゲージ付きの基本ジオメトリ12を描いている。このジオメトリ12では、レーザL1からの該光120は、該アイソレータ122を通過後、ファイバカプラ124によって受光される。このカプラ124は名目上の50/50分割比を有する。他の分割比が考えられるが、システム性能に関してはあまり望ましくない。
【0054】
該目標に向けられる光エネルギーは該信号経路とLO経路に分割され、例1に説明されるように検出される。該光エネルギーの残りは、2つのファイバ経路131a、131bに該光を分割する入力光ファイバカプラRC1、130と、単一ファイバ133に該光を再結合するRC2、132を備える該基準アームゲージに向けられる。該2台のカプラ(130、132)間のファイバの該2つの経路は、レーザレーダ信号が検出器R1、134上で検出されるように数メートル分、長さが不一致である。
【0055】
一態様では、該基準干渉計の2本のファイバの間の該不一致が、レーザの波形の該線形化で有用な信号を提供するほど十分に長いが、コヒーレント雑音が該信号を劣化させないほど十分に短い必要がある。一実施形態では、該範囲経路が光が該目標に移動し、該目標から戻ることを必要とするため、光経路不一致が長さで約2倍の差異を必要とするであろう。例えば、該範囲信号経路が4メートルに同等である場合、該光経路長不一致は約8メートルである。別の関連する態様では、該不一致長は約2.0メートル、2.5メートル、3.0メートル、3.5メートル、4.0メートル、4.5メートル、5.0メートル、5.5メートル及び6.0メートル異なる。一実施形態では、該ファイバ長の差異は約5.4メートルである。
【0056】
通常、該2台のカプラ(130、132)及びそれらの間のファイバ131a、131bによって形成されているマッハツェンダー干渉計は、オプションで該ファイバ長が変化するのを妨げるために温度調節された容器内に保たれる。該容器の寸法及び形状は、当業者の設計の選択に適合するようになされてよい。一実施形態では、該容器は、本来、銅からなり、さらに光ファイバ要素を備える内部コンパートメントを備える。関連する態様では、該コンパートメントは、一定の温度を維持するために熱電気冷却器と、熱制御回路とを使用する。さらに、該内部コンパートメントは絶縁体によって取り囲まれてよく、該内部コンパートメントは同様に第2の温度調節されたチャンバ内に含まれている。この第2のチャンバはアルミニウムから構成されてよく、やはり二重オーブン構造を形成する絶縁体によって囲まれてよい。一実施形態では、該温度はこの種の計器のための該通常の動作範囲の中心に設定される。関連する態様では、該範囲は約摂氏5度から約摂氏40度の間である。一実施形態では、該温度は約摂氏25度である。ファイバ長の差が較正される場合、該基準干渉計(つまり130、131a、131b、132)が、該レーザL1(120)の波形の線形化で有用な信号を提供するだけではなく、該レーザレーダシステムのための絶対長標準としての機能を果たすことができる。同様に、対応する基準干渉計(つまり、オプションで温度調節された容器142を含むための126、137a、137b、138)は、絶対長標準としての機能を果たし、検出器R2、139はレーザL2の(121)波形の線形化で有用な信号を提供する。
【0057】
該信号を処理することは図6(19)に描かれている。図3の流れと同様に、該信号経路からの該光信号が、フォトダイオード検出器回路(図5の検出器135と140に同等な190)によって電気信号に変換される。再び、この検出プロセスは測定されるビート周波数を生成する。さらに、前記のように、該ビート周波数信号は関心のある周波数バンドの外の雑音を排除するためにバンドパスフィルタリングされ(192)その後AD変換気(194)でデジタル化される。
【0058】
しかしながら、ここでは該基準アームの信号は同様に、つまり(図5の検出器R1(134)及び検出器R2(139)に同等な)検出器191、バンドパスフィルタ193、及びA/D変換器195を介して調整され、その場合該DSP回路網(196)は、次に該信号経路光信号の残留非線形性を排除するために該基準アーム信号を使用する。FFTアルゴリズムは再び該範囲信号の該正確な周波数を決定するために再び使用される。通常は該DSP電子回路より高いレベルで行われる追加の処理は、該測定された周波数のそれぞれを距離測定値に変換する。次に、2つの距離測定値は該ドップラー範囲誤差を排除するために平均化され、複合距離測定値を見つけ出す。
【0059】
例3.基準アームゲージを含むコンパクト逆チャープ代替ジオメトリ
代替ファイバジオメトリ15では、本発明は図7に描かれているように構成できる。この構成では、レーザL1、150、とL2、151、からの光15が、それらの対応するアイソレータ(152、153)を通過後に偏光スプリッタ154によって結合される。該2つのレーザ(150、151)からの光は、その結果それらの直交偏光が保たれるように、光ファイバカプラ155によって受光される。該目標158に向けられる光エネルギーは例1に説明されるように信号経路とLO経路の中に分割され、再び該カプラ155を通過することによって検出器D1、165とD2、166に向けられる。第2の偏光スプリッタ159は該LO経路と信号経路内の光をレーザL1、150から検出器D1、165の中に、及び該LO経路と信号経路内の光をレーザL2、151から検出器D2、166の中に導く。同様に、該2台のレーザ(150、151)からの光は該カプラ155によって該基準干渉計の中に注入される(つまり、それら(167a、167b)の間のファイバが、該ファイバ長が変化するのを妨げるために、温度調節された容器168の中に保たれていることを含む図5の該基準アームカプラと同じ構成を有する160、161)。関連する態様では、160と161の間の不一致のファイバ長は約2.0メートル、2.5メートル、3.0メートル、3.5メートル、4.0メートル、4.5メートル、5.0メートル、5.5メートル及び6.0メートル異なる。一実施形態では、該ファイバ長差異は約5.4メートルである。
【0060】
該基準干渉計(160、161)の出力は、該レーザL1の(150)基準アーム信号を検出器R1、163に、及びレーザL2の(151)信号を検出器R2、164に向ける第3の偏光スプリッタ162を通過する。再び、DSP回路網は該信号経路の光信号の残留非線形性を排除するために該基準アーム信号を使用し、FFTアルゴリズムが該範囲信号の該正確な頻度を決定するために使用される。前記のように、通常はDSP電子回路より高いレベルで、任意で制御コンピュータ上で実行される追加の処理は該測定済みの周波数のそれぞれを距離測定値に変換する。該2つの距離測定値は、次に該ドップラー範囲誤差を排除するために平均化され、複合距離測定値を見つける。
【0061】
本願で通常使用されている該ソースレーザは出力波長が(IR近くの)1550nmを中心にした出力波長のダイオードレーザである。この波長は人間の視力に不可視であるため、第2の可視レーザ周波数が該IR測定スポットと同じ場所にある該目標上に可視スポットを提供することによってユーザを支援するために該光ファイバ回路(例えば17)に追加できる。図8に描かれているように、ファイバピグテール可視レーザダイオードからの該光を、波長ダイプレックスカプラ172によって出力ファイバ173の中に結合できる。関連する態様では、光の該波長が該結合方向及び比を決定するダイプレックスカプラ装置が、バルク光ビームスプリッタ装置を含むが、これらに限定されない。このカプラ172は、(つまり装置171からの)該可視光を該偏光スプリッタ170からの該IR光と単一の出力ファイバ173の中に結合する。
【0062】
このようにして、説明されてきたのは、極端な精度のためにコヒーレント光検出を、及び該光原ビームと該混合された戻りビームを環境上の悪影響から保護するために使用する精密検出システムである。このようなシステムは小規模統合、大量生産技法を可能とし、使用中非常に信頼できる。
【0063】
本発明は好適実施形態に従って説明されてきたが、この分野の当業者は多くの代替構造を容易に気付くであろう。例えば、偏光スプリッタはスターカプラと、切断されたファイバと、PMファイバに結合されているバルク光偏光ビームスプリッタと、従来のPMカプラと、レーザビームを分割し、方向づけるための他の公知の手段とで置換されてよい。さらに、該アイソレータは後方反射した光が該レーザの同調特性を低下させるのを妨げる任意の公知の手段で置き換えられてよい。さらに、レーザダイオードは説明されたようにレーザの一実施形態であるが、他の公知のレーザシステムが(例えば、該光源としてファイバレーザまたはソリッドステートレーザを使用して)この装置のための特定の用途に応じて適用できる。
【0064】
加えて、pinFET検出器は検出器手段116、117,134、135、139、140、163、164、165及び166のために好ましい。しかしながら、該検出器はアバランシェ光検出器(ADP)と、RF信号を検出するための他の公知の手段とを備えてよい。ピン光検出器は、それがpinFET検出器として構成できる、あるいはトランスインピーダンス増幅器回路の一部として構成できるため好ましい。
同様に、この分野の当業者は、本発明の多様な偏光操作が代りに配置されてよいことを認識するであろう。例えば、該光源光ビームは水平にまたは垂直に偏光された光であってよい。これは多様な局所発振器ビーム、基準ビーム、光源ビーム及び混合ビームのための変形された方式を提供するであろう。すべてのこのような代替実施形態は添付請求項の範囲内に含まれなければならない。
【0065】
したがって、説明されてきたのは、コヒーレントな光検出及び偏光保存ファイバを使用する精密測定システムである。本発明は現在最も実用的で好ましい実施形態であると見なされているものと関連して説明されてきたが、本発明は開示された実施形態に限定されるべきではなく、逆に添付請求項の精神及び範囲内に含まれる多様な変形及び同等な配置を対象とすることを目的とする。添付請求項の範囲は、すべてのこのような変形及び同等な構造を包含するために最も広い解釈を与えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】コヒーレントレーザレーダの該レーザ光周波数及び該周波数変換処理を施された無線周波数(RF)信号を示す。
【図2】コンパクトな逆チャープレーザレーダジオメトリを示す。
【図3】単独のレーザシステム及び逆チャープされた二重レーザ構成を振動させることによって引き起こされる誤差範囲を比較する。
【図4】逆チャープされた二重レーザ構成のためのコヒーレントレーザ信号処理を描く。
【図5】基準アーム干渉計付きファイバジオメトリを示す。
【図6】基準アーム干渉計付き逆チャープされた二重レーザ構成のためのコヒーレントレーザ信号処理を描く。
【図7】図5に描かれているジオメトリに代替のファイバジオメトリを示す。
【図8】ジオメトリに組み込まれてよい可視レーザを示す。
【符号の説明】
【0067】
127 光ファイバ構成要素
129 任意の目標

【特許請求の範囲】
【請求項1】
精密距離測定のための二重チャープレーザ装置であって、
a)第1の方向で線形に偏光され、第1の光学経路を通過する第1のコヒーレント光ビームと、
b)該第1の方向に直交である第2の方向で線形に偏光され、第2の光学経路を通過する第2のコヒーレント光ビームと、
c)第1の伝達軸と第2の伝達軸とを有する線形偏光維持ファイバであって、前記第1の伝達軸が前記第1の方向で偏光された光を伝達することができ、前記第2の伝達軸が前記第2の方向で偏光された光を伝達することができる、近端部と末端部とを有する線形偏光ファイバと、
d)前記第1のコヒーレント光ビームと前記第2のコヒーレント光ビームを二重通信でき、前記コヒーレント光ビームを前記線形偏光維持ファイバの該近端部の中に導くことができる偏光スプリッタと、
e)前記第1のコヒーレント光ビームの一部分を前記第1の軸の中に反射し、前記第2のコヒーレント光ビームの一部分を前記第2の軸の中に反射することが可能で、両方のコヒーレント光ビームを目標にさらに伝達することが可能で、両方のコヒーレント光ビームの反射部分をさらに受光し、それらをそれぞれ前記第1の伝達軸と第2の伝達軸の中に伝達することが可能である該線形偏光維持ファイバの該末端部にある界面であって、それによって第1の干渉信号が、前記第1の軸を備える第1の光学経路内に確立され、第2の干渉信号が前記第2の軸を備える第2の光学経路内に確立される界面と、
f)前記第1の干渉信号を検出し、第1のビート周波数出力を生成できる第1の検出器と、前記第2の干渉信号を検出し、第2のビート周波数出力を生成できる第2の検出器と、
g)該第1のビート周波数出力から第1の測定済みの周波数を生成でき、該第2のビート周波数出力から第2の測定済み周波数を生成できるデジタル信号処理装置と、
h)第1の測定済み周波数から第1の相対距離測定値を、該第2の測定済み周波数から第2の相対距離測定値を計算することができ、前記第1の相対距離測定値と前記第2の相対距離測定値を結合し、複合相対距離測定値を生成することがさらに可能であり、それによって該複合相対距離測定値の不確実性が大幅に削減される計算装置と、
を備える二重チャープレーザ装置。
【請求項2】
較正済みの基準アームをさらに備え、それにより絶対距離測定値が生成できる請求項1に記載の二重チャープレーザ装置。
【請求項3】
a)第1のチャーピング変調信号によって変調される第1の放射周波数を有する第1のコヒーレント光ビームを発する第1の周波数変調済みのレーザと、
b)該第1のチャープ変調信号との一定の位相差とチャープするように構成される第2のチャーピング変調信号によって変調される第2の放射周波数を有する第2のコヒーレント光ビームを発する第2の周波数変調レーザと、
c)該第1の周波数変調されたレーザに光学的に接続される第1の光ファイバカプラと、
d)該第2の周波数変調されたレーザに光学的に接続される第2の光ファイバカプラと、
e)ビーム入射端部とビーム出射端部とを有し、第1の軸と第2の軸を備え、各軸が該他方のコヒーレント光ビームの該偏光に直交する線形偏光を有する独立した偏光コヒーレント光ビームを線形偏光維持ファイバに沿って独立して伝達できる該線形偏光維持ファイバと、
f)該第1の光ファイバカプラ、該第2の光ファイバカプラ、及び該線形偏光維持ファイバの該ビーム入射端部に光学的に接続されている線形偏光スプリッタであって、それによって該第1の周波数変調されたレーザによって発せられる該コヒーレント光ビームが1つの線形偏光のために偏光され、第1の線形偏光レーザ光ビームとして伝達され、該第2の周波数変調されたレーザによって発せられる該コヒーレント光ビームが第2の線形偏光のために偏光され、第2の線形偏光光ビームとして伝達され、前記第1の及び第2の線形偏光が互いに直交である線形偏光スプリッタと、
g)該線形偏光維持ファイバの該ビーム出射端部にある界面であって、それによって該第1のコヒーレント光ビームと該第2のコヒーレント光ビームのそれぞれから該伝達される光の一部分が該線形偏光スプリッタに向かって後方反射され、そこからそれぞれ該第1の光ファイバカプラと該第2の光ファイバカプラの中に伝達され、該伝達された光の相補的な一部分が該目標に伝達され、該目標から該界面に返される界面と、
h)該第1の光ファイバカプラに光学的に接続されている第1の光学式検出器と、
i)それによって第1の干渉が該第1のコヒーレント光ビームからの該伝達された光の該反射された部分と、該目標からの該第1のコヒーレント光ビームの該帰還の間で確立され、該第1の光学式検出器が該第1の干渉から第1のビート周波数を検出し、
j)該第2の光ファイバカプラに光学的に接続されている第2の光学式検出器と、
k)それによって、第2の干渉が該第2のコヒーレント光ビームからの該伝達された光の該反射された部分と、該目標からの該第2のコヒーレント光ビームの該帰還の間に確立され、それによって該第2の光学式検出器が該第2の干渉から第2のビート周波数を検出し、
l)ビート周波数測定値を生成し、複合ビート周波数を生成するように構成されるデジタル信号処理装置と、
を備える精密相対距離測定のためのダイプレックス二重チャープレーザ装置。
【請求項4】
後方反射された光が前記第1の周波数変調されたレーザの該同調特性を破壊しないようにされる、該第1の周波数変調されたレーザと該第1の光ファイバカプラの間で光学的に接続されている第1のアイソレータと、後方反射された光が前記第2の周波数変調されたレーザの該同調特性を破壊しないようにされる、該第2の周波数変調されたレーザと該第2の光ファイバカプラの間で光学的に接続されている第2のアイソレータとをさらに備える請求項3に記載のレーザ装置。
【請求項5】
該第1のレーザ偏光レーザ光ビームと該第2の線形偏光光ビームが該目標上で焦点を合わせられ、該第1の線形偏光レーザ光ビームからの光と、該目標から返される該第2の線形偏光光ビームからの光が焦点を合わせられ、それらのそれぞれの線形偏光内の該ファイバに沿って伝達されるために該線形偏光維持ファイバの中に伝達されるレンズ系であって、該線形偏光維持ファイバの該ビーム出射端部に該界面をさらに提供する該レンズ系をさらに備える請求項3に記載のレーザ装置。
【請求項6】
該第1のチャーピング変調信号と該第2のチャーピング変調信号が、該レーザ出力波の該周波数変調包絡線が同一となるように構成される請求項3に記載の装置。
【請求項7】
該第1のチャーピング変調信号と該第2のチャーピング変調信号が、該レーザ出力波の該周波数変調包絡線が線形ののこぎり波となるように構成される、歪められたのこぎり信号である請求項6に記載の装置。
【請求項8】
該2つの周波数変調包絡線の間の該位相差が180度である請求項3に記載の装置。
【請求項9】
精密絶対距離測定のためのダイプレックス二重チャープレーザ装置であって、
a)第1のチャーピング変調信号によって変調される第1の放射周波数を有する第1のコヒーレント光ビームを発する第1の周波数変調されたレーザと、
b)該第1のチャーピング変調信号との一定の位相差とチャープするように構成される第2のチャーピング変調信号によって変調される第2の放射周波数を有する第2のコヒーレント光ビームを発する第2の周波数変調されたレーザと、
c)該第1のコヒーレント光ビームが2つの名目上50パーセントの部分に分割される該第1の周波数変調されたレーザに光学的に接続される第1の光ファイバカプラと、
d)該第2のコヒーレント光ビームが2つの名目上50パーセントの部分に分割される該第2の周波数変調されたレーザに光学的に接続される第2の光ファイバカプラと、
e)ビーム入射端部とビーム出射端部とを有し、第1の軸と第2の軸を備え、各軸が該他方のコヒーレント光ビームの該偏光に直交の線形偏光を有する独立した偏光コヒーレント光ビームを線形偏光維持ファイバに沿って独立して伝達できる該線形偏光維持ファイバと、
f)該第1の光ファイバカプラ、該第2の光ファイバカプラ、及び該線形偏光維持ファイバの該ビーム入射端部に光学的に接続されている線形偏光スプリッタであって、それによって該第1の周波数変調されたレーザによって発せられる該コヒーレント光ビームが一方の線形偏光のために偏光され、第1の線形偏光レーザ光ビームとして伝達され、該第2の周波数変調されたレーザによって発せられる該コヒーレント光ビームが第2の線形偏光のために偏光され、第2の線形偏光光ビームとして伝達され、前記第1と第2の線形偏光が互いに直交である線形偏光スプリッタと、
g)該線形偏光維持ファイバの該ビーム出射端部にある界面であって、それによって該第1のコヒーレント光ビームと該第2のコヒーレント光ビームのそれぞれからの該伝達された光の一部分が該線形偏光スプリッタに向かって後方反射され、そこからそれぞれ該第1の光ファイバカプラと該第2の光ファイバカプラの中に伝達され、該伝達された光の相補的な一部分が該目標に伝達され、該目標から該界面に返される界面と、
h)該第1の光ファイバカプラに光学的に接続されている第1の光学式検出器と、
i)それによって第1の干渉が該第1のコヒーレント光ビームからの該伝達された光の該反射された部分と、該目標からの該第1のコヒーレント光ビームの該帰還の間で確立され、該第1の光学式検出器が該第1の干渉から第1のビート周波数を検出し、
j)該第2の光ファイバカプラに光学的に接続されている第2の光学式検出器と、
k)それによって、第2の干渉が該第2のコヒーレント光ビームからの該伝達された光の該反射された部分と、該目標からの該第2のコヒーレント光ビームの該帰還の間に確立され、該第2の光学式検出器が該第2の干渉から第2のビート周波数を検出し、
l)第1のビート周波数測定値と第2のビート周波数測定値を生成するように構成されるデジタル信号処理装置と、
m)該第1の光ファイバカプラに光学的に接続され、該第1のコヒーレント光ビームの該2つの名目上の50パーセントの部分の内の一方を受光し、さらに第1の基準アーム出力を生成する第1の較正済み基準アームゲージと、
n)該第2の光ファイバカプラに光学的に接続され、該第2のコヒーレント光ビームの該2つの名目上の50パーセントの部分の内の一方を受光し、さらに第2の基準アーム出力を生成する第2の較正済み基準アームゲージと、
o)該第1のビート周波数測定値が該第1の基準アーム出力と結合され、第1の絶対距離測定値を生成し、該第2のビート周波数測定値が該第2の基準アーム出力と結合され、第2の絶対距離測定値を生成し、該第1の絶対距離測定値が該第2の絶対距離測定値と結合され、複合絶対距離測定値を生成し、該複合絶対距離測定値の不確実性が大幅に削減されるコンピュータ装置と、
を備えるダイプレックス二重チャープレーザ装置。
【請求項10】
該第1の較正済み基準アームゲージと該第2の較正済み基準アームゲージがそれぞれ光ファイバ干渉計を備える請求項9に記載の装置。
【請求項11】
各光ファイバ干渉計が、マッハツェンダー干渉計とマイケルソン干渉計からなるグループから選択される請求項10に記載の装置。
【請求項12】
各光ファイバ干渉計が、
a)該第1の光カプラに光学的に接続される、入射光を2つの部分に分割できる入力光ファイバカプラと、
b)較正された光経路長の差異を有し、それぞれが該入力光ファイバカプラから入射光の一部を受光するさまざまな光学経路長の2本の光ファイバと、
c)該2本のファイバ光ファイバからの該光の該2つの部分が再結合され、干渉ビート周波数とその結果生じるビート周波数が確立される出力光ファイバカプラと、
d)該ビート周波数を検出する検出器と、
e)該基準アームゲージのための該基準アーム出力を備える、基準アームごとのビート周波数測定値を生成するように構成されるデジタル信号処理装置と、
を備える請求項10の装置。
【請求項13】
後方反射された光が前記第1の周波数変調されたレーザの該同調特性を破壊しないようにされる、該第1の周波数変調されたレーザと該第1の光ファイバカプラの間で光学的に接続されている第1のアイソレータと、後方反射された光が前記第2の周波数変調されたレーザの該同調特性を破壊しないようにされる、該第2の周波数変調されたレーザと該第2の光ファイバカプラの間で光学的に接続されている第2のアイソレータとをさらに備える請求項9に記載のレーザ装置。
【請求項14】
該第1の線形偏光レーザ光ビームと該第2の線形偏光光ビームが該目標の上で焦点が合わせられ、該第1の線形偏光レーザ光ビームからの光と、該目標から返される該第2の線形偏光光ビームからの光が焦点を合わせられ、それらのそれぞれの線形偏光内の該ファイバに沿って伝達されるために該線形偏光維持ファイバの中に伝達されるレンズ系であって、該線形偏光維持ファイバの該ビーム出射端部に該界面をさらに提供する該レンズ系をさらに備える請求項9に記載のレーザ装置。
【請求項15】
該第1のチャーピング変調信号と該第2のチャーピング変調信号が、該レーザ出力波の該周波数変調包絡線が同一となるように構成される請求項9に記載のレーザ装置。
【請求項16】
該第1のチャーピング変調信号と該第2のチャーピング変調信号が、該レーザ出力波の該周波数変調包絡線が線形ののこぎり波となるように構成される、歪められたのこぎり信号である請求項15に記載の装置。
【請求項17】
該2つの周波数変調包絡線の間の該位相差が180度である請求項9に記載の装置。
【請求項18】
a)第1のチャープされたレーザビームを生成するステップと、
b)第2のビームのチャーピングが該第1のチャープされたレーザビームの該チャーピングから位相がずれるように該第2のチャープされたレーザビームを生成するステップと、
c)該第1のチャープされたレーザビームを第1の線形偏光の中に偏光するステップと、
d)該第1の線形偏光に直交する第2の線形偏光の中に該第2のチャープされたレーザビームを偏光するステップと、
e)該第1の偏光されたチャープレーザビームと該第2の偏光されたチャープレーザビームを偏光スプリッタの中で結合するステップと、
f)該2つの直交偏光されたビームのそれぞれの一部が目標に向かって伝達され、一部が該界面から該ファイバの中に反射される界面に線形偏光維持ファイバ内の該結合された偏光されたチャープレーザビームを伝達し、それにより局所発振器が確立されるステップと、
g)該第1のチャープレーザビームと該第2のチャープレーザビーム両方の該伝達された部分を、両方のビームの部分が該界面に返される目標に向けるステップと、
h)該界面で両方のビームの該返される部分を受光し、該線形偏光維持ファイバの中にそれらを伝達し直すステップと、
i)該直交変調された反射ビームと該直交偏光された帰還ビームを、該偏光スプリッタで第1の結合されたビームと第2の結合されたビームに分離し、それにより該結合されたビームのそれぞれに干渉が確立されるステップと、
j)該第1の結合されたビームを第1の検出器に、第2の結合されたビームを第2の検出器に向けるステップと、
k)該第1の検出器で第1のビート周波数を、及び該第2の検出器で第2のビート周波数を検出するステップと、
l)該界面から該目標の該距離に比例して複合ビート周波数を生成するステップと、
を備える精密相対距離測定を行う方法。
【請求項19】
a)第1のチャープされたレーザビームを生成するステップと、
b)第2のビームのチャーピングが該第1のチャープされたレーザビームの該チャーピングから位相がずれるように該第2のチャーピングされたレーザビームを生成するステップと、
c)該第1のチャープされたレーザビームを第1の線形偏光の中に偏光するステップと、
d)該第1の線形偏光に直交する第2の線形偏光の中に該第2のチャープされたレーザビームを偏光するステップと、
e)該第1の偏光されたチャープレーザビームと該第2の偏光されたチャープレーザビームを偏光スプリッタの中で結合するステップと、
f)該2つの直交偏光されたビームのそれぞれの一部が目標に向かって伝達され、一部が該界面から該ファイバの中に反射される界面に線形偏光維持ファイバ内の該結合された偏光されたチャープレーザビームを伝達し、それにより局所発振器が確立されるステップと、
g)該第1のチャープレーザビームと該第2のチャープレーザビーム両方の該伝達された部分を、両方のビームの部分が該界面に返される目標に向けるステップと、
h)該界面で両方のビームの該返される部分を受光し、該線形偏光維持ファイバの中にそれらを伝達し直すステップと、
i)該直交偏光された反射ビームと該直交偏光された帰還ビームを、該偏光スプリッタで第1の結合されたビームと第2の結合されたビームに分離し、それにより該結合されたビームのそれぞれに干渉が確立されるステップと、
j)該第1の結合されたビームを第1の検出器に、第2の結合されたビームを第2の検出器に向けるステップと、
k)該第1の検出器で第1のビート周波数を、及び該第2の検出器で第2のビート周波数を検出するステップと、
l)該界面から該目標の該距離に比例して複合ビート周波数を生成するステップと、
m)該第1の偏光されたチャープレーザビームの一部を、第1の較正された基準アームゲージに送信するステップと、
n)該第2の偏光されたチャープレーザビームの一部を、第2の較正された基準アームゲージに送信するステップと、
o)該第1の検出器によって生成される該ビート周波数を、該第1の較正された基準アームゲージによって生成される該ビート周波数に比較し、該界面から該目標までの該距離の第1の絶対測定値を生成するステップと、
p)該第2の検出器によって生成される該ビート周波数を、該第2の較正された基準アームゲージによって生成される該ビート周波数に比較し、該界面から該目標までの該距離の第2の絶対測定値を生成するステップと、
q)該界面から該目標までの該距離の該第1の絶対測定値を、該界面から該目標までの該距離の該第2の絶対測定値に結合し、該目標の運動に起因する不確実性を大幅に削減する複合距離測定値を生じさせるステップと、
を備える精密絶対距離測定を行う方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−531993(P2008−531993A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−556267(P2007−556267)
【出願日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際出願番号】PCT/US2006/005374
【国際公開番号】WO2006/088974
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(507276128)メトリス ユーエスエー インク. (1)
【Fターム(参考)】