説明

透明スイッチ

【課題】光透過性及び接続信頼性に優れる透明スイッチを提供する。
【解決手段】透明電極3が一方の面に形成された2枚の透明基板1、2が、それぞれの透明電極が対向するように配置されてなる透明スイッチであって、前記2枚の透明基板の透明電極の間に透明柔軟スイッチ膜4を有し、前記透明柔軟スイッチ膜は、透明柔軟材料5と導電性粒子とを含有し、前記透明柔軟スイッチ膜中において、前記導電性粒子の周囲に前記透明柔軟材料のない空間8が設けられている透明スイッチ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光透過性及び接続信頼性に優れる透明スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等の急速な市場拡大によって、タッチパネルのマルチ入力化が進んでいる。タッチパネルの接触検出方式には従来からの抵抗膜式、静電容量式、光学式等があるが、静電容量式は大型化が難しい、ペン入力が難しい等、抵抗膜式は光の透過率が低い等、それぞれ課題があり、用途に応じて各種方式の開発が進められている。
【0003】
従来の抵抗膜方式のタッチパネル入力装置は、ITO等からなる透明導電膜を有する透明電極が形成された上部基板及び下部基板が、該透明電極が対向するように配置されている。該透明電極間には、外部からの接触により圧力を加えられた場合にのみ導通させるために対向する透明電極間の間隔を保持するスペーサが配置され、通常、対向する透明電極間の間隔は30〜150μmとなっている。従来の抵抗膜方式のタッチパネル入力装置は、透明電極間にITO等からなる透明導電膜との屈折率差が大きい空気層を有していたため、入射光に対する反射光の割合が大きくなっていたり、空気層の間隔によってはニュートンリングが発生したりする問題があった。
【0004】
特許文献1には、透明電極間にITO等と屈折率が近い絶縁性液体を封入する方法が開示されており、特許文献2には、透明電極間に透明柔軟材料からなる絶縁性透明弾性層を形成する方法が開示されている。しかしながら、特許文献1に開示されている方法では、粘度の低い絶縁性液体を使用するため液漏れが発生するおそれがあり、特許文献2に開示されている方法では、透明柔軟材料からなる絶縁性透明弾性層を設けることにより接続抵抗が大きくなって入力位置を正確に検知できないことがある等の問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭64−14630号公報
【特許文献2】特開平6−342332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、光透過性及び接続信頼性に優れる透明スイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、透明電極が一方の面に形成された2枚の透明基板が、それぞれの透明電極が対向するように配置されてなる透明スイッチであって、上記2枚の透明基板の透明電極の間に透明柔軟スイッチ膜を有し、上記透明柔軟スイッチ膜は、透明柔軟材料と導電性粒子とを含有し、上記透明柔軟スイッチ膜中において、上記導電性粒子の周囲に上記透明柔軟材料のない空間が設けられている透明スイッチである。
以下に本発明を詳述する。
【0008】
本発明者らは、透明電極間に透明柔軟材料からなる絶縁性透明弾性層を設けた場合に接続抵抗が大きくなる原因が、押圧時に導通すべき透明電極間の透明柔軟材料を充分に排除することができていないことであることを見出した。
そこで本発明者らは、透明電極間に透明柔軟材料と導電性粒子とを含有する透明柔軟スイッチ膜を有する透明スイッチにおいて、導電性粒子の周囲に透明柔軟材料のない空間を設けることにより、押圧していない状態で導通する誤作動を防止しつつ、押圧時に透明電極間を導通させるために排除すべき透明柔軟材料を少なくすることができるため、入力する際には小さな荷重で押圧部の透明電極間を導通させることができ、光透過性及び接続信頼性に優れたものとすることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
本発明の透明スイッチは、2枚の透明基板の透明電極の間に透明柔軟スイッチ膜を有する。
上記透明柔軟スイッチ膜は、透明柔軟材料と導電性粒子とを含有する。
上記透明柔軟材料としては、シリコンオイル、シリコーン系エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー、可撓性エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、上記透明柔軟材料としては、屈折率が上記透明電極に用いる材料の屈折率にできるだけ近いものが用いられる。具体的には、上記透明柔軟材料の屈折率の好ましい下限は1.4である。
【0010】
上記透明柔軟材料の圧縮時のヤング率は、1×10〜1×10dyne/cmであることが好ましい。上記ヤング率が1×10dyne/cmを超えると、得られる透明スイッチが応答性に劣るものとなることがある。
なお、上記透明柔軟材料のヤング率が低すぎて、入力を終え圧力を取り除いた際に回復が遅くなったり、押圧していない状態で導通する誤作動が生じたりするおそれがある場合は、透明柔軟スイッチ膜中に後述するスペーサ粒子を配合することで、回復速度を上げたり誤作動を防止したりすることができる。
【0011】
本発明の透明スイッチにおいて、上記導電性粒子の周囲には上記透明柔軟材料のない空間が設けられている。
上記導電性粒子の周囲に空間を設けることにより、押圧していない状態で導通する誤作動を防止しつつ、入力する際には小さな荷重で押圧部の透明電極間を導通させることができる。
【0012】
上記空間の大きさ(体積)は上記導電性粒子と同程度からその4倍であることが好ましい。
上記空間を上記導電性粒子の表面に均等に設ける場合、上記空間の厚みは上記導電性粒子の粒子径の5〜25%であることが好ましい。上記導電性粒子の周囲に空間を作る方法の一つとして、後述するように、可溶性の材料を導電性粒子にコーティングしたものを透明柔軟材料に分散させ、該透明柔軟材料をシート化した後に、可溶性材料を溶解除去する方法があるが、この場合、例えば、上記導電性粒子の粒子径の10%の厚みのコーティングとすることで上記導電性粒子の粒子径の10%前後の厚みの空間を容易に形成できる。
上記導電性粒子と上記導電性粒子の周囲に設けた空間とを合わせた最大径は60μm以下であることが好ましい。
【0013】
上記導電性粒子としては、樹脂粒子の表面に導電層を有するもの(以下、態様1ともいう)、複数の突起を表面に有するもの(以下、態様2ともいう)、複数の樹脂粒子を表面に有するもの(以下、態様3ともいう)等が挙げられる。
【0014】
上記態様1の導電性粒子を用いた本発明の透明スイッチの一例を模式的に示す断面図を図1に示す。
図1において、本発明の透明スイッチは、透明電極3が一方の面に形成された上部基板1及び下部基板2を透明電極3が対向するように配置されてなり、上部基板1及び下部基板2の透明電極3の間に、透明柔軟材料5、及び、表面に導電層6を有する樹脂粒子7からなる導電性粒子を含有する透明柔軟スイッチ膜4を有する。表面に導電層6を有する樹脂粒子7からなる導電性粒子の周囲には空間8が設けられている。上部基板1を押圧することにより、押圧部が変形し、押圧部でのみ導電性粒子6を介して上部基板1及び下部基板2の透明電極間を導通させることができる。
【0015】
上記態様1の導電性粒子の周囲に設けられる空間を模式的に示す断面図を図2に示す。上記導電性粒子は、図2(a)のように透明電極との間に透明柔軟材料を介さないものであってもよいし、図2(b)〜(d)のように一部に透明柔軟材料を介するものであってもよい。
【0016】
上記態様1の導電性粒子における上記樹脂粒子としては、適度の圧縮特性を有する粒子であれば特に限定されず、架橋樹脂粒子であってもよく、非架橋樹脂粒子であってもよい。なかでも、架橋樹脂微粒子が好ましい。
【0017】
上記架橋樹脂微粒子を構成するモノマーは、架橋性モノマーを含有していれば特に限定されず、架橋性モノマーのみであってもよく、架橋性モノマーに加えて非架橋性モノマーを含有してもよい。
上記架橋性モノマーは特に限定されず、例えば、ジビニルベンゼン及びその誘導体、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類等が挙げられる。ここで、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート又はアクリレートを意味する。上記架橋性モノマーは、単独で使用されてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
【0018】
上記非架橋性モノマーは特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン誘導体、塩化ビニル、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、イソブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート類等が挙げられる。上記非架橋性モノマーは、単独で使用されてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
【0019】
上記樹脂粒子を得る方法は特に限定されず、例えば、懸濁重合、シード重合、分散重合、分散シード重合、乳化重合等の重合法による方法等が挙げられる。
【0020】
上記態様1の導電性粒子における上記導電層は、単層であってもよく、複数の層を有していてもよい。
上記導電層としては、具体的には例えば、金、銀、銅、プラチナ、パラジウム、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、コバルト、錫等を含有する金属層が挙げられる。上記導電層が複数の層を有する場合、最外層は、ニッケル層又は貴金属層であることが好ましく、ニッケル層、金層、又はパラジウム層であることがより好ましい。上記最外層が金層であることで、電極間の接続抵抗値が低くなる。また、上記最外層がニッケル層又はパラジウム層であることで、上記導電層が硬くなり、導電性が向上する。
また、上記導電層は、錫又は錫と他の金属の合金からなる低融点金属層であってもよい。上記合金は特に限定されず、例えば、錫−銅合金、錫−銀合金、錫−ビスマス合金、錫−亜鉛合金、錫−インジウム合金等が挙げられる。
【0021】
上記態様1の導電性粒子において、上記樹脂粒子の表面に導電層を形成する方法は特に限定されず、例えば、無電解めっき、電気めっき、スパッタリング等の方法が挙げられる。なかでも、樹脂粒子の表面に導電層を形成する方法は、無電解めっきにより形成する方法であることが好ましい。
【0022】
上記態様1の導電性粒子において、上記導電層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は20nm、好ましい上限は500nmである。上記導電層の厚みが20nm未満であると、導電層の連続性が不充分となり、導電性粒子の導電性が充分に得られないことがある。上記導電性粒子の導電層の厚みのより好ましい下限は100nmである。
【0023】
上記態様2の導電性粒子を用いた本発明の透明スイッチの一例を模式的に示す断面図を図3に示す。
図3において、本発明の透明スイッチは、透明電極3が一方の面に形成された上部基板1及び下部基板2を透明電極3が対向するように配置されてなり、上部基板1及び下部基板2の透明電極3の間に、透明柔軟材料5、及び、複数の突起を表面に有する導電性粒子11を含有する透明柔軟スイッチ膜4を有する。複数の突起を表面に有する導電性粒子11の周囲には空間8が設けられている。上部基板1を押圧することにより、押圧部が変形し、押圧部でのみ導電性粒子11を介して上部基板1及び下部基板2の透明電極間を導通させることができる。
【0024】
上記態様2の導電性粒子の周囲に設けられる空間を模式的に示す断面図を図4に示す。上記導電性粒子は、図4(a)のように透明電極との間に透明柔軟材料を介さないものであってもよいし、図4(b)〜(d)のように一部に透明柔軟材料を介するものであってもよい。
【0025】
上記態様2の導電性粒子においては、複数の小さな突起を表面に有することにより、押圧時に導通すべき透明電極間に透明柔軟材料が存在しても、該透明柔軟材料を速やかに排除することができる。
上記態様2の導電性粒子としては、樹脂からなるコア粒子の表面に突起の芯物質を付着させた後、導電層を形成し、芯物質を導電層が被覆したものであることが好ましい。芯物質を導電層が被覆していることにより、芯物質により導電層の表面が隆起されており、導電層の外側の表面に複数の突起が形成される。
【0026】
上記態様2の導電性粒子のコア粒子は特に限定されず、例えば、樹脂、金属、ガラス、セラミック等からなるものが挙げられる。なかでも、押圧時に変形し接触点が多くなるため抵抗値を下げることができ、かつ、透明電極の損傷を抑制することができるため、樹脂粒子であることが好ましい。金属、ガラス、セラミックの場合は、入力時の押圧で大きな荷重がかかった場合、透明電極が傷つくおそれがあるため、後述する破壊防止用粒子又は破壊防止用ロッドを用いることが好ましい。
【0027】
上記態様2の導電性粒子のコア粒子として上記樹脂粒子を用いる場合、上記樹脂粒子としては、上記態様1の導電性粒子における樹脂粒子と同様のものが挙げられる。
【0028】
上記芯物質としては、例えば、金属、金属の酸化物及び黒鉛等の導電性非金属、ポリアセチレン等の導電性ポリマー等が挙げられる。なかでも、導電性を高める効果に優れることから、金属が好ましい。上記芯物質を構成する上記金属としては、例えば、金、銀、銅、白金、亜鉛、鉄、鉛、錫、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、カドミウム等の金属、錫−鉛合金、錫−銅合金、錫−銀合金、錫−鉛−銀合金等の2種類以上の金属で構成される合金等が挙げられる。なかでも、ニッケル、銅、銀又は金等が好ましい。
【0029】
上記芯物質の形状は特に限定されないが、塊状であることが好ましく、例えば、粒子状の塊、複数の微小粒子が凝集した凝集塊、及び、不定形の塊等が挙げられる。
また、形成する突起の高さを好適な範囲に制御できるので、上記芯物質の平均粒子径の好ましい下限は50nm、好ましい上限は250nmである。また、上記芯物質の平均粒子径は導電性粒子全体の1/100〜1/20の範囲内にあることが好ましい。
なお、本明細書において上記平均粒子径は、光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用いて無作為に選んだ50個の粒子の粒子径を測定し、測定した粒子径を算術平均することにより求められる。
【0030】
上記態様2の導電性粒子において、上記樹脂粒子の表面に上記芯物質を付着させる方法としては、例えば、上記樹脂粒子の分散液中に、上記芯物質又は上記芯物質となる導電性物質を添加し、上記樹脂粒子の表面に上記芯物質を、例えば、ファンデルワールス力又はヘテロ凝集により集積させ、付着させる方法や、上記樹脂粒子を入れた容器に、上記芯物質又は上記芯物質となる導電性物質を添加し、容器の回転等による機械的な作用により上記樹脂粒子の表面に上記芯物質を付着させる方法等が挙げられる。なかでも、上記芯物質の付着量を制御しやすいため、分散液中の上記樹脂粒子の表面に上記芯物質を集積させ、付着させる方法が好ましい。
【0031】
上記態様2の導電性粒子における導電層としては、上記態様1の導電性粒子における導電層と同様のものが挙げられる。上記芯物質と上記導電層とは、異なる導電性物質により形成されていることが好ましい。この場合には、透明電極間の接続抵抗値をより容易に低くすることができ、上記導電性粒子の導電性のバラツキを小さくすることができる。ただし、上記芯物質と上記導電層とは、同じ導電性物質により形成されていてもよい。
上記態様2の導電性粒子において、上記導電層を形成する方法としては、上記態様1の導電性粒子における上記樹脂粒子の表面に導電層を形成する方法と同様の方法が挙げられる。
【0032】
上記態様2の導電性粒子において、上記導電層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は20nm、好ましい上限は500nmである。上記導電層の厚みが20nm未満であると、導電層の連続性が不充分となり、導電性粒子の導電性が充分に得られないことがある。上記導電性粒子の導電層の厚みのより好ましい下限は100nm、より好ましい上限は200nmである。
【0033】
上記態様2の導電性粒子において、表面に突起を形成する方法としては、上記樹脂粒子の表面に芯物質を付着させた後に無電解めっきにより導電層を形成する方法や、上記樹脂粒子の表面に無電解めっきにより導電層を形成した後に上記芯物質を付着させ、更に無電解めっきにより導電層を形成する方法等が挙げられる。
【0034】
上記態様3の導電性粒子を用いた本発明の透明スイッチの一例を模式的に示す断面図を図5に示す。
図5において、本発明の透明スイッチは、透明電極3が一方の面に形成された上部基板1及び下部基板2を透明電極3が対向するように配置されてなり、上部基板1及び下部基板2の透明電極3の間に、透明柔軟材料5、及び、複数の樹脂粒子12を表面に有する導電性粒子を含有する透明柔軟スイッチ膜4を有する。複数の樹脂粒子12を表面に有する導電性粒子の周囲には空間8が設けられている。上部基板1を押圧することにより、押圧部が変形し、押圧部でのみ導電性粒子12を介して上部基板1及び下部基板2の透明電極間を導通させることができる。
【0035】
上記態様3の導電性粒子の周囲に設けられる空間を模式的に示す断面図を図6に示す。上記導電性粒子は、図6(a)のように透明電極との間に透明柔軟材料を介さないものであってもよいし、図6(b)〜(d)のように一部に透明柔軟材料を介するものであってもよい。
【0036】
上記態様3の導電性粒子としては、例えば、上記態様1の導電性粒子の表面に複数の樹脂粒子を付着させたもの等が挙げられる。
上記樹脂粒子を構成する樹脂としては、上記態様1の導電性粒子における樹脂粒子と同様のものが挙げられる。
上記態様3における導電性粒子の表面に有する樹脂粒子の平均粒子径の好ましい下限は50nm、好ましい上限は800nmである。また、上記樹脂粒子の平均粒子径は、上記態様3における導電性粒子全体の1/10〜1/4の範囲内にあることが好ましい。
【0037】
上記導電性粒子としては、上記態様1〜3の導電性粒子以外に、金属粒子等の他の導電性粒子を用いることもできる。
【0038】
本発明の透明スイッチにおいて、上記導電性粒子は、目視できない大きさであることが好ましい。具体的には、上記導電性粒子の平均粒子径の好ましい上限は60μmであり、目立たなくさせるため、より好ましい上限は50μmであり、上記透明柔軟スイッチ膜に配合する上記導電性粒子の数を多くすることができるため、更に好ましい上限は40μmである。
上記導電性粒子は2μm程度まで製造可能であるが、上記導電性粒子の粒子径を小さくする場合、透明柔軟スイッチ膜全体の膜厚を薄くする必要が生じ、薄い透明柔軟スイッチ膜は膜厚のばらつきを制御することが困難となるため、上記導電性粒子の平均粒子径の好ましい下限は5μmである。
【0039】
上記導電性粒子のCV値は、押圧時に小さい荷重で反応させつつ、押圧していない状態で導通する誤作動を抑制するため、できるだけ小さいことが好ましく、好ましい上限は5.0%であり、より好ましい上限は3.0%である。
なお、本明細書において上記CV値とは粒度分布の変動係数であり、下記式(1)により求められる。
【0040】
CV値(%)=(σ/Dn)×100 (1)
【0041】
上記式(1)中のσは粒子の粒子径の標準偏差を表し、Dnは平均粒子径を表す。
【0042】
上記透明柔軟スイッチ膜における上記導電性粒子の含有量は特に限定されないが、上記導電性粒子の量を多くしすぎると、光透過率の低下が引き起こされるため、導電性粒子による光の遮蔽率を考慮して決定される。具体的には、上記透明柔軟スイッチ膜の膜内に上記導電性粒子が均等に分散した状態で、光の遮蔽率が1%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。
なお、本明細書において上記光の遮蔽率とは、透明スイッチの入力部全体の面積に対する粒子によって遮蔽される面積の割合を表す。透明な粒子を用いた場合は遮蔽率を0%とする。
【0043】
上記透明柔軟スイッチ膜の厚みは、上記導電性粒子の粒子径よりも大きいことが必要であるが、押圧時に小さい荷重で反応させるためには、上記透明柔軟スイッチ膜の厚みと上記導電性粒子の粒子径との差ができるだけ小さいことが好ましい。上記導電性粒子の粒子径が大きすぎると、押圧していない状態で導通する誤作動が発生するおそれがあり、上記導電性粒子の粒子径が小さすぎると、入力に大きな荷重が必要になる。具体的には、上記透明柔軟スイッチ膜の平均厚みをTt、上記導電性粒子の平均粒子径をDcとした場合、TtとDcとの関係が下記式(2)で示されることが好ましく、下記式(3)で示されることがより好ましい。
また、TtとDcとの関係はTtやDcのバラツキを考慮して設定することが好ましい。
【0044】
Tt×0.6<Dc<Tt (2)
【0045】
Tt×0.75<Dc<Tt×0.9 (3)
【0046】
上記導電性粒子の周囲に透明柔軟材料のない空間を設ける方法の一例を示す模式図を図7に示した。
まず、導電性粒子13をアルカリ可溶性材料14でコーティングする(図7(a))。また、同様に、ガラス等の基板15上にアルカリ可溶性材料14をコーティングする。次に、アルカリ可溶性材料14でコーティングされた導電性粒子13を、アルカリ可溶性材料14でコーティングされたガラス等の基板15上に均等に分散する状態で散布する(図7(b))。その後、アルカリ可溶性材料14を乾燥させ、透明柔軟材料16を塗布し、加熱して透明柔軟材料16を硬化させる(図7(c))。次に、導電性粒子13を含んだ透明柔軟材料16を基板15から剥離し(図7(d))、アルカリ水溶液に浸してアルカリ可溶性樹脂を溶解除去することにより、導電性粒子13の周囲には、透明柔軟材料のない空間17が設けられた透明柔軟スイッチ膜を製造することができる(図7(e))。
また、導電性粒子13をアルカリ可溶性材料14でコーティングした後に、導電性粒子13の1/4〜1/1の大きさの粒子径のアルカリ可溶性材料からなる粒子が導電性粒子13に1〜2個付着した連球の状態にすることでより大きな空間を得る方法も挙げられるが、この場合、連球の状態の制御が難しく、スリット等によるふるい分けが必要となる。
【0047】
本発明の透明スイッチにおいて、上記2枚の透明基板のうちの一方の透明基板(上部基板)は、可撓性を有する材料からなることが好ましく、具体的には例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなるもの等が挙げられる。本発明の透明スイッチは、上記上部基板を入力ペン等によって押圧することにより押圧部が変形し、導電性粒子を介して上部基板及び下部基板の透明電極間が導通することで入力位置を検出することができる。上記上部基板は、上面にハードコートが施され、透明電極との界面の密着性を改善するために下面にアンダーコートが施されていることが好ましい。
また、上記2枚の透明基板のうちの他方の透明基板(下部基板)は、上記可撓性を有する材料からなるものであってもよいし、アクリル樹脂やガラス等の剛直な材料からなるものであってもよい。
【0048】
上記上部基板の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は100μm、好ましい上限は200μmである。また、用途によっては、上記上部基板として厚みが150〜300μmのガラス基板を用いることもできる。
上記下部基板の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は700μm、好ましい上限は1100μmである。
【0049】
本発明の透明スイッチにおいて、上記2枚の透明基板には、透明電極が一方の面に形成されている。
上記透明電極に用いる材料としては、透明で導電性に優れ、耐久性が高い材料であれば特に限定されず、有機導電材料や金属酸化物等を用いることができる。なかでも、スズドープ酸化インジウム(ITO)が好適に用いられる。
【0050】
各基板における上記透明電極のシート抵抗は特に限定されないが、好ましい下限は200Ω/□、好ましい上限は600Ω/□である。
【0051】
上記透明基板に上記透明電極を形成する方法は特に限定されず、例えば、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の方法を用いることができる。
【0052】
上記導電性粒子は、過度に圧縮すると破壊したり、表面に導電層を有するものである場合は該導電層が剥離したりすることがある。
そのため、上記透明柔軟スイッチ膜は、図1、3及び5に示したように、押圧時に上記導電性粒子が過度に圧縮されることによる上記透明電極や上記導電性粒子の破壊を防止することを目的として、破壊防止用粒子又は破壊防止用ロッドを含有することが好ましい。
【0053】
上記破壊防止用粒子又は破壊防止用ロッドを構成する材料は特に限定されず、樹脂でもSiO等の無機材料でもよいが、上記導電性粒子の過度の圧縮を抑制することを目的とするため、上記透明柔軟材料や上記導電性粒子や後述するスペーサ粒子よりも硬いものであることが好ましい。
また、上記破壊防止用粒子又は破壊防止用ロッドを構成する材料として、透明かつ上記透明柔軟材料に近い屈折率の材料を用いれば、得られる透明スイッチの光透過性にほとんど影響を与えることがない。即ち、上記破壊防止用粒子又は上記破壊防止用ロッドとしては、屈折率が1.4〜1.6の範囲内の透明材料を使用することが好ましい。
【0054】
上記破壊防止用粒子又は破壊防止用ロッドを構成する材料として、透明かつ上記透明柔軟材料に近い屈折率の材料を用いる場合、上記破壊防止用粒子又は破壊防止用ロッドの使用量は、用いる破壊防止用粒子の硬さに応じて調整することができる。具体的には、上記破壊防止用粒子又は破壊防止用ロッドを構成する材料としてSiO等の硬い材料を用いる場合は使用量を少なくし、樹脂等の比較的柔軟な材料を使用する場合は使用量を多くする。
また、上記破壊防止用粒子又は破壊防止用ロッドを上記柔軟スイッチ膜中に均一に分散又は配置させるため、上記破壊防止用粒子又は破壊防止用ロッドの数は上記導電性粒子の数の0.2倍〜20倍の範囲内であることが好ましい。
【0055】
上記破壊防止用粒子又は破壊防止用ロッドを配置する場合、上記破壊防止用粒子の平均粒子径又は上記破壊防止ロッドの平均長さをDpとすると、Dpは、上記導電性粒子の平均粒子径Dcの50%〜95%であることが好ましく、上記導電性粒子の平均粒子径Dcの75%〜95%であることがより好ましい。
【0056】
上記透明柔軟スイッチ膜は、図1、3及び5に示したように、更にスペーサ粒子を含有することが好ましい。上記スペーサ粒子を有することにより、入力を目的としない極めて小さな荷重による誤作動を防止したり、入力時に変形した押圧部を、入力を終えた際に速やかに押圧前の状態に復元したりすることができる。
また、スペーサ粒子を含有することにより透明柔軟スイッチ膜の厚みのばらつきを低下させることができる。
上記透明柔軟スイッチ膜の平均厚みTtと、上記導電性粒子の平均粒子径Dcと、上記スペーサ粒子の平均粒子径Dsとの関係は、下記式(4)で示されることが好ましい。上記スペーサ粒子の平均粒子径Dsは、上記透明柔軟スイッチ膜の平均厚みTtと同じにすることがより好ましい。
【0057】
Tt≧Ds>Dc (4)
【0058】
上記スペーサ粒子は特に限定されず、柔軟性を調整することが容易であることから、有機粒子であることが好適である。具体的には例えば、アクリロニトリル、ジビニルベンゼン等からなる粒子が挙げられる。
【発明の効果】
【0059】
本発明によれば、光透過性及び接続信頼性に優れる透明スイッチを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】態様1の導電性粒子を用いた本発明の透明スイッチの一例を模式的に示す断面図である。
【図2】態様1の導電性粒子の周囲に設けられる空間を模式的に示す断面図である。
【図3】態様2の導電性粒子を用いた本発明の透明スイッチの一例を模式的に示す断面図である。
【図4】態様2の導電性粒子の周囲に設けられる空間を模式的に示す断面図である。
【図5】態様3の導電性粒子を用いた本発明の透明スイッチの一例を模式的に示す断面図である。
【図6】態様3の導電性粒子の周囲に設けられる空間を模式的に示す断面図である。
【図7】導電性粒子の周囲に透明柔軟材料のない空間を設ける方法の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
【0062】
(表面に導電層を有する樹脂粒子(導電性粒子A)の作製)
シード粒子分散液と樹脂乳化液を攪拌しながら反応させることにより樹脂粒子を作製した。得られた樹脂粒子の表面にニッケル層、金層を順にメッキし、表面に導電層を有する樹脂粒子(導電性粒子A)を作製した。
作製した導電性粒子Aについて、電子顕微鏡を用いて無作為に選んだ50個の粒子の粒子径を測定し、測定した粒子径を算術平均した結果、導電性粒子Aの平均粒子径は25μmであった。また、導電性粒子Aの粒子径のCV値は3.0%であった。
【0063】
(複数の突起を表面に有する導電性粒子(導電性粒子B)の作製)
導電性粒子Aと同様にして得られた樹脂微粒子の表面に樹脂粒子を付着させ、その上にニッケル層、金層を順にメッキし、複数の突起を表面に有する導電性粒子(導電性粒子B)を作製した。
作製した導電性粒子Bについて、導電性粒子Aと同様にして測定した結果、導電性粒子Bの平均粒子径は26μmであった。また、導電性粒子Bの粒子径のCV値は3.1%であった。
【0064】
(複数の樹脂粒子を表面に有する導電性粒子(導電性粒子C)の作製)
導電性粒子Aの表面に更に小さな樹脂微粒子を付着させ、複数の樹脂粒子を表面に有する導電性粒子(導電性粒子C)を作製した。
作製した導電性粒子Cについて、導電性粒子Aと同様にして測定した結果、導電性粒子Cの平均粒子径は26μmであった。また、導電性粒子Cの粒子径のCV値は3.2%であった。
【0065】
(実施例1)
作製した導電性粒子A0.74重量部をアルカリ可溶性材料でコーティング(膜厚3μm)した。また、同様に、ガラス基板上にアルカリ可溶性材料をコーティング(膜厚3μm)した。次に、アルカリ可溶性材料でコーティングされた導電性粒子Aを該ガラス基板上に均等に分散するように散布した。次いで、アルカリ可溶性材料を乾燥させ、破壊防止用粒子(平均粒子径20μm、CV値3.2%)1.27重量部及びスペーサ粒子(平均粒子径33μm、CV値3.1%)1.14重量部をシリコーン樹脂(ダウコーニング社製、「CY52−276」)97重量部に混合して得られた混合液を、硬化後の高さがスペーサ粒子の高さと等しくなるように塗布し、加熱してシリコーン樹脂を硬化させた。次に、硬化したシリコーン樹脂をガラス基板から剥離し、アルカリ水溶液に浸してアルカリ可溶性樹脂を溶解除去することにより、導電性粒子の周囲に透明柔軟材料のない空間が設けられた厚さ33μmの透明柔軟スイッチ膜を作製した。
抵抗膜式タッチパネル基板(タッチテック社製、「タッチモニターTPK−084」)の外周が粘着剤で貼り付けてある下面の透明導電ガラス基板と上面の透明導電フィルムとを剥離し、その間に作製した透明柔軟スイッチ膜を貼り付け、透明スイッチを作製した。なお、透明導電フィルムと透明導電ガラス基板とを再貼り付けする際には、上側と下側の銀電極を接合するため、透明柔軟スイッチ膜を貼り付けた後にホットアイロンで加熱した。
また、上下接続が必要な部位には異方導電ペーストを塗布しホットアイロンで加熱した。
得られた透明スイッチを光学顕微鏡で観察したところ、1mmあたりに導電性粒子Aは約20個、スペーサ粒子は約20個、破壊防止用粒子は約50個確認された。また、導電性粒子Aの遮蔽率は0.9%であった。なお、スペーサ粒子及び破壊防止用粒子は透明であるので遮蔽率は0%とみなせる。
【0066】
(実施例2)
導電性粒子Aの代わりに導電性粒子B0.74重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして透明スイッチを作製した。得られた透明スイッチを実施例1と同様にして観察したところ、1mmあたりに導電性粒子Bは約19個、スペーサ粒子は約20個、破壊防止用粒子は約50個確認された。また、導電性粒子Aの遮蔽率は1.0%であった。
【0067】
(実施例3)
導電性粒子Aの代わりに導電性粒子C0.74重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして透明スイッチを作製した。得られた透明スイッチを実施例1と同様にして観察したところ、1mmあたりに導電性粒子Cは約19個、スペーサ粒子は約20個、破壊防止用粒子は約50個確認された。また、導電性粒子Aの遮蔽率は1.0%であった。
【0068】
(比較例1)
透明柔軟材料として、シリコーン樹脂(ダウコーニング社製、「CY52−276」)97重量部に、導電性粒子A0.74重量部、破壊防止用粒子(平均粒子径20μm、CV値3.2%)1.27重量部、及び、スペーサ粒子(平均粒子径33μm、CV値3.1%)1.14重量部を混合した。
得られた混合液をコーターで塗工し厚さ33μmの透明柔軟スイッチ膜を作製した。
得られた透明柔軟スイッチ膜を用いたこと以外は実施例1と同様にして透明スイッチを作製した。得られた透明スイッチを実施例1と同様にして観察したところ、1mmあたりに導電性粒子Aは約20個、スペーサ粒子は約20個、破壊防止用粒子は約50個確認された。また、導電性粒子Aの遮蔽率は0.9%であった。
【0069】
<評価>
実施例及び比較例で得られた透明スイッチについて以下の評価を行った。結果を表1に示した。
【0070】
(1)応答性
実施例及び比較例で作製した透明スイッチについて、先端の曲率半径Rが1mmのポリアセタール樹脂押圧子を用いて押圧したときの、導通に必要な圧力加重を測定し、20g以下であった場合を「○」、20gを超えた場合を「×」として応答性を評価した。
【0071】
(2)耐久性
実施例及び比較例で作製した透明スイッチの透明導電フィルム(上部基板)の上から、先端の曲率半径Rが1mmのポリアセタール樹脂押圧子で300gの荷重を加えて往復摺動させた。顕微鏡を用いて観察し、導電性粒子の破壊がみられなかった場合を「○」、導電性粒子が破壊されていた場合を「×」として透明スイッチの耐久性を評価した。
【0072】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明によれば、光透過性及び接続信頼性に優れる透明スイッチを提供することができる。
【符号の説明】
【0074】
1 上部基板
2 下部基板
3 透明電極
4 透明柔軟スイッチ膜
5 透明柔軟材料
6 導電層
7 樹脂粒子
8 空間
9 破壊防止用粒子
10 スペーサ粒子
11 複数の突起を表面に有する導電性粒子
12 樹脂粒子
13 導電性粒子
14 アルカリ可溶性材料
15 基板
16 透明柔軟材料
17 空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明電極が一方の面に形成された2枚の透明基板が、それぞれの透明電極が対向するように配置されてなる透明スイッチであって、
前記2枚の透明基板の透明電極の間に透明柔軟スイッチ膜を有し、
前記透明柔軟スイッチ膜は、透明柔軟材料と導電性粒子とを含有し、
前記透明柔軟スイッチ膜中において、前記導電性粒子の周囲に前記透明柔軟材料のない空間が設けられている
ことを特徴とする透明スイッチ。
【請求項2】
導電性粒子は、樹脂粒子の表面に導電層を有するものであることを特徴とする請求項1記載の透明スイッチ。
【請求項3】
導電性粒子は、複数の突起を表面に有するものであることを特徴とする請求項1記載の透明スイッチ。
【請求項4】
導電性粒子は、複数の樹脂粒子を表面に有するものであることを特徴とする請求項1記載の透明スイッチ。
【請求項5】
透明柔軟スイッチ膜の平均厚みTtと導電性粒子の平均粒子径Dcとの関係が、下記式(2)で示されることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の透明スイッチ。
Tt×0.6<Dc<Tt (2)
【請求項6】
透明柔軟スイッチ膜は、破壊防止用粒子又は破壊防止ロッドを含有し、かつ、前記破壊防止用粒子の平均粒子径又は前記破壊防止ロッドの平均長さをDpとすると、Dpは、導電性粒子の平均粒子径Dcの50%〜95%であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の透明スイッチ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−32863(P2012−32863A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169302(P2010−169302)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】