説明

透明導電膜、透明導電部材、銀ナノワイヤ分散液および透明導電膜の製造方法

【課題】 面内に均一な導電性が得られる透明導電膜とその製造方法を提供すること。
【解決手段】 上記課題は、基材上に形成される導電性高分子と金属ナノワイヤとを含む透明導電層を有する透明導電膜、並びに、金属ナノワイヤを基材上に塗布する工程;および導電性高分子を基材上に塗布する工程;により透明導電層を得る工程を含むことを特徴とする透明導電膜の製造方法、または、導電性高分子を含む銀ナノワイヤ分散液を基材上に塗布する工程;により透明導電層を得る工程を含むことを特徴とする透明導電膜の製造方法により解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明電極などに用いられる透明導電膜に関するものであり、特に金属ナノワイヤと導電性高分子を含む透明導電膜、透明導電部材およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年液晶ディスプレイやプラズマディスプレイの利用が増えており、これらのデバイスに必須の部材である透明電極膜の需要も増えている。従来透明電極等に用いられる透明導電膜はスパッタリング法などの乾式コーティングが主流であった。しかしながらこれらの方法はバッチ式のため製造コストが高く、連続生産可能な製造方法が望まれている。また、コーティング時に高温が必要であり、プラスチックフィルムなどの樹脂基板を使用することができないという欠点があった。
【0003】
この問題を解決する方法として湿式コーティングが考えられ、材料候補の1つとして貴金属微粒子を用いたネットワーク構造が提案されている(特許文献1および2)。
しかしながら特許文献1に開示された方法は、真空系での蒸着工程が必須であり、また、金属の蒸着処理の前に基板に前処理を施す必要があるため製造コストが高くなるという問題点がある。
【0004】
一方、特許文献2の方法はスピンコートなどの湿式コートが可能であり、連続で作製できるという優れた方法であるが、焼成工程が必須であるためプラスチック基板が使えないという問題点がある。
【0005】
さらに、いずれの方法も金属微粒子を数珠上につなげて配線を構成しており、ネットワークの形状は不定形である。このため、ある2点間に配線を構成するときにおいて不必要な部分にも配線が伸びてしまい、結果として全光線透過率の低い透明導電膜しか得られないという課題が残されていた。
【0006】
そこで本発明者は、上記課題を解決すべく金属ナノワイヤを用いた透明導電膜について新たに発明した(特許文献3)。しかしながら、この方法は銀ナノワイヤのような直線状の金属ナノワイヤがネットワーク状に分散している膜なので、例えば液晶ディスプレイの電圧印加用の電極として用いる場合には画素が小さいと銀ナノワイヤの部分のみ印加されてネットワーク間の空隙部分は電圧がかからず、均一な加電面が得られない場合があることが懸念される。
【0007】
一方、導電性高分子とカーボンナノチューブからなる透明導電膜(特許文献4)は以前から知られているが、導電性が低く10×10Ω/□程度という高抵抗であることから、静電防止機能を目的としたものであり、例えば50Ω/□程度以下が必要なディスプレイ用電極として特許文献4に記載の透明導電膜を用いることは困難である。
【0008】
【特許文献1】国際特許出願公開2003/016209公報
【特許文献2】国際特許出願公開2003/068674公報
【特許文献3】特願2007−2369548明細書
【特許文献4】特開2004−195678公報
【特許文献5】特開2004−223693公報
【特許文献6】特開2002−266007公報
【特許文献7】米国特許出願公開2005−056118公報
【非特許文献1】Nano Letters 2003 Vol.3,No.5 667−669
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って本発明の課題は面内に均一な導電性が得られる透明導電膜とその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明者は、鋭意検討した結果、導電性高分子と直線状金属ナノワイヤとを含む透明導電層が面内に均一な導電性が得られることを見出し、さらに検討を重ねた結果、上記課題を解決し得る透明導電膜を完成するに至った。
【0011】
即ち上記課題を解決する本発明は、基材上に形成される導電性高分子と金属ナノワイヤとを含む透明導電層を有する透明導電膜である。特に上記透明導電層に含まれる金属ナノワイヤの質量が金属ナノワイヤの質量と導電性高分子の質量合計に対し1質量%以上90質量%以下とすることが好ましい。また、上記金属ナノワイヤが銀ナノワイヤであることが好ましい。
【0012】
また、上記導電性高分子がポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の混合物またはポリアニリンまたはその誘導体であることが好ましい。
さらに上記した透明導電層上に保護層が積層されていることがより好ましい。
また本発明の透明導電膜は、表面抵抗値が0.1Ω/□以上でありことが好ましく、10000Ω/□以下であることが好ましい。また、表面抵抗値が1000Ω/□以下であることがより好ましく、100Ω/□以下であることがさらに好ましい。
【0013】
また、本発明は、基材と上記の透明導電膜とからなる透明部材において、該基材がガラスまたは樹脂製であり、かつ、該基材の全光線透過率が80%以上であること特徴とする透明導電部材である。特に該透明導電部材の全光線透過率は50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。
【0014】
また別の本発明は、導電性高分子を含むことを特徴とする銀ナノワイヤ分散液である。
【0015】
そして、本発明は、透明導電膜の製造方法であって、
工程1:金属ナノワイヤを基材上に塗布する工程;および
工程2:導電性高分子を基材上に塗布する工程;
により透明導電層を得る工程を含むことを特徴とする透明導電膜の製造方法である。
また別の本発明は透明導電膜の製造方法であって、
工程3:上記した銀ナノワイヤ分散液を基材上に塗布する工程;
により透明導電層を得る工程を含むことを特徴とする透明導電膜の製造方法である。
また、上記した透明導電膜の製造方法において、
工程4:金属ナノワイヤの交点部分を圧着する工程;
を含むことが好ましく、また、
工程5:前記透明導電層を得る工程で得られた透明導電層上に保護層を形成する工程を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
導電性高分子と直線状金属ナノワイヤとを含む透明導電層を有する透明導電膜は高透明で、かつ、低抵抗の膜が得られ、さらに微細領域においても均一な導電性が得られる。
従って、液晶テレビなどディスプレイ電極として有利に利用することができる。特に画素が細かく、高精細なディスプレイに有利に利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は基材上に形成された導電性高分子と金属ナノワイヤとを含む透明導電層を有する透明導電膜および該基板と該透明導電膜とを備える透明導電部材である。
【0018】
本発明に用いる基材としてはシート状、フィルム状のものであれば特に制限はないが、例えば、ガラス、アルミナなどのセラミックや、鉄、アルミ、銅等の金属、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、ビニルアルコール樹脂、塩化ビニル樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などが挙げられ、本発明による透明導電部材を使用するに際し透明性を重視する場合は、上記基材としてはその全光線透過率が80%以上であることが好ましく、例えばガラス、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。
上記基材の厚みは用途によって好ましい範囲は異なるが、シート状であれば500μm以上10mm以下が好ましく、フィルム状であれば10μm以上500μm以下が好ましい。
【0019】
本発明の透明導電膜は、基材上に少なくとも上記金属ナノワイヤを含む透明導電層が形成されたものであれば特に制限はないが、本発明の効果を損なわない範囲において、保護層、下塗り層、ハードコート層、帯電防止層、アンチグレア層、反射防止層、カラーフィルター層、位相差膜層等が設けられていても良い。具体的層構成としては図1および図2に示すように透明導電層上に保護層や反射防止層が積層されている層構成、図3に示すようにハードコート層上に透明導電膜が形成されている層構成、図4に示すように透明導電層とは反対面側にアンチグレア層が設けられている層構成等が挙げられる。
【0020】
特に透明導電層との密着性が低い基材を用いる場合や、透明導電層の膜強度が低い場合には、透明導電層上に保護層を設けることが好ましい。保護層として用いる材料に特に制限はないが、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、ビニルアルコール樹脂、ビニル樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂および熱硬化性樹脂などの公知のコーティング材料を用いることができる。保護層の材料としては、密着性の観点からは基材と同じ材料が好ましく、例えば基材がポリエステル樹脂の場合は保護層もポリエステル樹脂であることが好ましい。保護層の厚さは、厚すぎると透明導電層の接触抵抗が大きくなり、薄すぎると保護層としての効果が得られないので1nm以上1μm以下が好ましく、10nm以上100nm以下がより好ましい。
【0021】
本発明に用いる金属ナノワイヤの材質は金属である。金属の酸化物や窒化物等のセラミックは含まない。具体的には鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、オスミウム、イリジウム、白金、金が挙げられ、導電性の観点から銅、銀、白金、金が好ましく、銀がより好ましい。
【0022】
本発明に用いる金属ナノワイヤの形状は、短軸方向の長さと長軸方向の長さの比(以下、この比をアスペクト比と称することがある)が10以上のものであれば特に制限はないが、アスペクト比が大きすぎると取り扱いが困難となるので、アスペクト比は10000以下が好ましく、1000以下がより好ましい。
【0023】
特に、直線状金属ナノワイヤであることが好ましい。直線状金属ナノワイヤとは形状が棒状であることを意味し、分岐している形状や、粒子を数珠状に繋げた形状は含まない。ただし金属ナノワイヤの剛性が低く、バナナ状に湾曲していたり、折れ曲がったりしている場合には直線状金属ナノワイヤに含むものとする。
【0024】
上記金属ナノワイヤの短軸方向の長さは1nm以上1μm以下が好ましく、10nm以上500nm以下がより好ましい。短軸方向の長さが大きすぎると透過率が低下し、小さすぎると合成が困難となるからである。長軸方向の長さは1μm以上1mm以下であることが好ましく、10μm以上100μm以下であることがより好ましい。長軸方向の長さが短すぎると導電性が低下し、長すぎると取扱が困難となるからである。
金属ナノワイヤの形状や大きさは走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡によって確認することができる。
【0025】
上記金属ナノワイヤは公知の方法によって合成することができる。例えば溶液中で硝酸銀を還元する方法や、前駆体表面にプローブの先端部から印加電圧又は電流を作用させプローブ先端部で金属ナノワイヤをひき出し、該金属ナノワイヤを連続的に形成する方法(特許文献5)等が挙げられる。溶液中で硝酸銀を還元する方法としては具体的には金属複合化ペプチド脂質から成るナノファイバーを還元する方法(特許文献6)や、ポリオール還元と呼ばれる方法であって、エチレングリコール中で過熱しながら還元する方法(特許文献7)、クエン酸ナトリウム中で還元する方法(非特許文献1)等が挙げられる。中でも、エチレングリコール中で過熱しながら還元する方法が最も容易に結晶性の高い金属ナノワイヤを入手できるので好ましい。
【0026】
本発明において用いる導電性高分子は公知のものであれば特に制限はないが、具体的にはポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリビニルカルバゾール、ポリビオロゲン、ポリポルフィリン、ポリフタロシアニン、ポリフェロセン、ポリアミン及びそれらのポリマーの誘導体が挙げられ、なかでもポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の混合物またはポリアニリンまたはその誘導体であることがより好ましい。
【0027】
透明導電層に含まれる金属ナノワイヤの質量に特に制限はないが、金属ナノワイヤの質量と導電性高分子の質量合計に対し1質量%以上90質量%以下であることが好ましく、10質量%以上75質量%以下であることがより好ましい。
【0028】
本発明による透明導電膜は金属ナノワイヤ同士の交点部分が圧着されていることが好ましい。交点部分を圧着することによって塑性変形が生じ、直線状金属ナノワイヤ間の接触抵抗が下がり、その結果透明導電層の表面抵抗値が下がるからである。直線状金属ナノワイヤ同士の交点部分とは、直線状金属ナノワイヤが網目状に分散している透明導電層を真上から見て、直線状金属ナノワイヤが重なって見える部分のことである。圧着されているとは当該交点部分が変形し、直線状金属ナノワイヤの接触面積が互いに大きくなっている状態を表す。なお、本発明においては当該交点部分がすべて圧着されている必要はなく、一部分であっても良い。一部分であっても、透明導電層の表面抵抗値を下げる効果が得られるからである。
【0029】
金属ナノワイヤ同士の交点部分が圧着されているか否かは走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡によって当該交点部分の変形の有無によって確認することができる。
【0030】
本発明による透明導電膜は用途によって所望の表面抵抗値を適宜選択することが可能である。例えばディスプレイ電極として利用する場合は、0.1Ω/□以上10000Ω/□以下であることが好ましく、0.1Ω/□以上1000Ω/□以下であることがより好ましく、0.1Ω/□以上100Ω/□以下であることがより好ましく、0.1Ω/□以上10Ω/□以下であることがより好ましい。
【0031】
本発明による透明導電部材は用途によって所望の全光線透過率を適宜選択することが可能である。例えばディスプレイ電極として利用する場合は、透明導電部材の全光線透過率が50%以上99%以下であることが好ましく、70%以上90%以下であることがより好ましい。ここでいう透明導電部材の全光線透過率は透明導電層のみの全光線透過率ではなく、基材も含めた透明導電部材としての全光線透過率を指す。全光線透過率が高すぎると、引き替えに表面抵抗値が高くなりすぎて電極等として利用できる可能性が低下し、全光線透過率が低すぎると、光学部材として利用できる可能性が低下する。
【0032】
また、本発明は導電性高分子を含むことを特徴とする銀ナノワイヤ分散液を提供する。本発明による分散液は、上記導電性高分子と上記銀ナノワイヤとが溶媒中に分散した液体である。溶媒によっては導電性高分子が溶解するが、その場合も本発明の技術的範囲に包含される。
【0033】
本発明に用いる溶媒に特に制限はないが、公知の方法で塗工できる溶媒が好ましい。具体的にはアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系化合物;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸メトキシエチルなどのエステル系化合物;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、ジオキサン等のエーテル系化合物;トルエン、キシレンなどの芳香族化合物;ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族化合物;塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルムなどのハロゲン系炭化水素;メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノールなどのアルコール化合物、水あるいはこれらの混合溶媒などを挙げることができる。なかでも水溶性溶媒が好ましく、特にアルコール、水が好ましい。
【0034】
また本発明は、透明導電膜の製造方法であって、工程1:金属ナノワイヤを基材上に塗布する工程;および工程2:導電性高分子を基材上に塗布する工程;により透明導電層を得る工程を含む透明導電膜の製造方法を提供する。
【0035】
上記工程1、2及び後述する工程3の塗布工程はウェットコートを指し、例えば物理蒸着法や化学蒸着法等の真空蒸着法や、プラズマ発生技術を用いたイオンプレーティング法やスパッタリング法などのドライコートは含まない。本発明に用いるウェットコートとは基板上に液体を塗布することによって製膜するプロセスを指す。本発明に用いるウェットコートは公知の方法であれば特に制限はなく、スプレーコート、バーコート、ロールコート、ダイコート、インクジェットコート、スクリーンコート、ディップコート、凸版印刷法、凹版印刷法、グラビア印刷法などを用いることができる。また、塗布する方法や材料の条件によっては工程1の後に基板を加熱し、塗布した材料用いた溶媒を除去するプロセスや、分散剤など製膜した透明導電層中に含まれる不純物を洗浄によって洗い流すプロセスなどが含まれていても良い。
工程1は1回だけではなく複数回繰り返しても良い。塗布条件によっては1回で所望の膜厚に達しない可能性もあるからである。
【0036】
塗布後における塗膜中に含まれている溶剤の除去は適宜な手法が用いられる。例えば、加熱炉や遠赤外炉などを用いての加熱(乾燥)によって溶剤を除去できる。真空乾燥などの手法を用いることもできる。
上記工程1及び2はいずれが先であっても良い。なお、工程1を先に行うほうが、導電膜の膜強度がより高くなることが多い。
【0037】
また本発明は、透明導電膜の製造方法であって、工程3:上記した導電性高分子と銀ナノワイヤとを含む分散液を基材上に塗布する工程;により透明導電層を得る工程を含む透明導電膜の製造方法を提供する。
【0038】
また本発明に係る透明導電膜の製造方法は、工程1若しくは2または工程3の後に工程4:金属ナノワイヤの交点部分を圧着する工程;を含むことがより好ましい。圧着する方法は公知の方法であれば特に制限はないが、具体的には塗工面を棒で擦る方法や、2本のロールの間に挟み押圧する方法などが挙げられる。
【0039】
さらに本発明に係る透明導電膜の製造方法は、工程1若しくは2または工程3の後に工程5:前記透明導電層を得る工程で得られた透明導電層上に保護層を形成する工程を含むことがより好ましい。工程5と工程4を併用する場合は、工程5は工程4の先であっても後であっても良い。
【実施例】
【0040】
<実施例1>
1L3口フラスコにエチレングリコール(和光純薬工業社製)333.9g、塩化ナトリウム(和光純薬工業社製)48ng、トリス(2,4−ペンタンジオネート)鉄(III)(アルドリッチ社製)41ngを投入し160℃に加熱した。
上記混合溶液中にエチレングリコール(和光純薬工業社製)200g、塩化ナトリウム(和光純薬工業社製)29ng、トリス(2,4−ペンタンジオネート)鉄(III)(アルドリッチ社製)25ng、硝酸銀(和光純薬工業社製)2.88gからなる混合溶液とエチレングリコール(和光純薬工業社製)200g、塩化ナトリウム(和光純薬工業社製)2.1mg、トリス(2,4−ペンタンジオネート)鉄(III)(アルドリッチ社製)128ng、ポリビニルピロリドン(Mw.55000 アルドリッチ社製)3.1gからなる溶液を6分間で滴下し3時間攪拌し粗銀ナノワイヤを得た。
【0041】
得られた混合溶液を遠心分離(装置名:高速冷却遠心機CR22GII 日立工機社製 3000G×5分間)し、残渣を2−プロパノールに分散させ、固形分濃度は3wt%の銀ナノワイヤ分散液を得た。
得られた銀ナノワイヤを走査型電子顕微鏡にて観察した結果を図5に記す。この結果より本実施例に用いた銀ナノワイヤの長軸方向の長さが3μm以上30μm以下であることが分かった。
【0042】
上記銀ナノワイヤの分散液200mgとポリアニリンスルホン酸の7%水溶液(商品名:aqua PASS-01x 三菱レイヨン株式会社製)9.5mg、水100mgを混合した。金属ナノワイヤの質量は金属ナノワイヤの質量と導電性高分子の質量合計に対し90質量%であった。得られた混合液をウェット膜厚で27μmになるようにPETフィルム(商品名:コスモシャインA4100 東洋紡社製)上にバーコートした。80℃で3分間乾燥し積層体を得た。
得られた積層膜を圧着ラミネータ(商品名 MH−300型 株式会社エム・シー・ケー製)を用いてライン速度25mm/分、線圧294N/cm(30Kgf/cm)で押圧し透明導電膜を得た。
【0043】
得られた透明導電膜の表面抵抗値は1.4Ω/□(装置名:ロレスタEP ダイアインスツルメンツ社製)、全光線透過率およびヘイズ値はそれぞれ53.8%および34.6%(装置名:直読ヘーズコンピュータ、スガ試験機社製)であった。結果を表1に記す。
【0044】
<実施例2>
銀ナノワイヤの分散液200mgとポリアニリンスルホン酸の7%水溶液(商品名:aqua PASS-01x 三菱レイヨン株式会社製)29mg、水100mgを混合した。金属ナノワイヤの質量は金属ナノワイヤの質量と導電性高分子の質量合計に対し75質量%であった。得られた混合液をウェット膜厚で27μmになるようにPETフィルム(商品名:コスモシャインA4100 東洋紡社製)上にバーコートした。80℃で3分間乾燥し積層体を得た。
得られた積層膜を圧着ラミネータ(商品名 MH−300型 株式会社エム・シー・ケー製)を用いてライン速度25mm/分、線圧294N/cmで押圧し透明導電膜を得た。
【0045】
得られた透明導電膜の表面抵抗値は6.7Ω/□(装置名:ロレスタEP ダイアインスツルメンツ社製)、全光線透過率およびヘイズ値はそれぞれ53.7%および32.1%(装置名:直読ヘーズコンピュータ、スガ試験機社製)であった。結果を表1に記す。
【0046】
<実施例3>
銀ナノワイヤの分散液200mgとポリアニリンスルホン酸の7%水溶液(商品名:aqua PASS-01x 三菱レイヨン株式会社製)86mg、水150mgを混合した。金属ナノワイヤの質量は金属ナノワイヤの質量と導電性高分子の質量合計に対し50質量%であった。得られた混合液をウェット膜厚で27μmになるようにPETフィルム(商品名:コスモシャインA4100 東洋紡社製)上にバーコートした。80℃で3分間乾燥し積層体を得た。
得られた積層膜を圧着ラミネータ(商品名 MH−300型 株式会社エム・シー・ケー製)を用いてライン速度25mm/分、線圧294N/cm(30Kgf/cm)で押圧し透明導電膜を得た。
【0047】
得られた透明導電膜の表面抵抗値は28Ω/□(装置名:ロレスタEP ダイアインスツルメンツ社製)、全光線透過率およびヘイズ値はそれぞれ52.4%および18.8%(装置名:直読ヘーズコンピュータ、スガ試験機社製)であった。結果を表1に記す。
【0048】
<実施例4>
銀ナノワイヤの分散液200mgとポリアニリンスルホン酸の7%水溶液(商品名:aqua PASS-01x 三菱レイヨン株式会社製)257mgを混合した。金属ナノワイヤの質量は金属ナノワイヤの質量と導電性高分子の質量合計に対し25質量%であった。得られた混合液をウェット膜厚で14μmになるようにPETフィルム(商品名:コスモシャインA4100 東洋紡社製)上にバーコートした。80℃で3分間乾燥し積層体を得た。
得られた積層膜を圧着ラミネータ(商品名 MH−300型 株式会社エム・シー・ケー製)を用いてライン速度25mm/分、線圧294N/cmで押圧し透明導電膜を得た。
【0049】
得られた透明導電膜の表面抵抗値は54Ω/□(装置名:ロレスタEP ダイアインスツルメンツ社製)、全光線透過率およびヘイズ値はそれぞれ27.4%および24.6%(装置名:直読ヘーズコンピュータ、スガ試験機社製)であった。結果を表1に記す。
【0050】
<実施例5>
銀ナノワイヤの分散液200mgとポリアニリンスルホン酸の7%水溶液(商品名:aqua PASS-01x 三菱レイヨン株式会社製)771mgを混合した。金属ナノワイヤの質量は金属ナノワイヤの質量と導電性高分子の質量合計に対し10質量%であった。得られた混合液をウェット膜厚で14μmになるようにPETフィルム(商品名:コスモシャインA4100 東洋紡社製)上にバーコートした。80℃で3分間乾燥し積層体を得た。
得られた積層膜を圧着ラミネータ(商品名 MH−300型 株式会社エム・シー・ケー製)を用いてライン速度25mm/分、線圧294N/cmで押圧し透明導電膜を得た。
【0051】
得られた透明導電膜の表面抵抗値は70000Ω/□(装置名:ロレスタEP ダイアインスツルメンツ社製)、全光線透過率およびヘイズ値はそれぞれ27.2%および13.7%(装置名:直読ヘーズコンピュータ、スガ試験機社製)であった。結果を表1に記す。
【0052】
<実施例6>
銀ナノワイヤの分散液200mgとポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸混合物の1.3%水溶液(商品名:Baytron_P_HC_V4 H.C.Starck社製)51mg、水100mgを混合した。金属ナノワイヤの質量は金属ナノワイヤの質量と導電性高分子の質量合計に対し90質量%であった。得られた混合液をウェット膜厚で27μmになるようにPETフィルム(商品名:コスモシャインA4100 東洋紡社製)上にバーコートした。80℃で3分間乾燥し積層体を得た。
得られた積層膜を圧着ラミネータ(商品名 MH−300型 株式会社エム・シー・ケー製)を用いてライン速度25mm/分、線圧294N/cmで押圧し透明導電膜を得た。
【0053】
得られた透明導電膜の表面抵抗値は3.2Ω/□(装置名:ロレスタEP ダイアインスツルメンツ社製)、全光線透過率およびヘイズ値はそれぞれ43.2%および32.1%(装置名:直読ヘーズコンピュータ、スガ試験機社製)であった。結果を表1に記す。
【0054】
<実施例7>
銀ナノワイヤの分散液200mgとポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸混合物の1.3%水溶液(商品名:Baytron_P_HC_V4 H.C.Starck社製)154mg、水100mgを混合した。金属ナノワイヤの質量は金属ナノワイヤの質量と導電性高分子の質量合計に対し75質量%であった。得られた混合液をウェット膜厚で27μmになるようにPETフィルム(商品名:コスモシャインA4100 東洋紡社製)上にバーコートした。80℃で3分間乾燥し積層体を得た。
得られた積層膜を圧着ラミネータ(商品名 MH−300型 株式会社エム・シー・ケー製)を用いてライン速度25mm/分、線圧294N/cmで押圧し透明導電膜を得た。
【0055】
得られた透明導電膜の表面抵抗値は8.5Ω/□(装置名:ロレスタEP ダイアインスツルメンツ社製)、全光線透過率およびヘイズ値はそれぞれ48.5%および25.0%(装置名:直読ヘーズコンピュータ、スガ試験機社製)であった。結果を表1に記す。
【0056】
<実施例8>
銀ナノワイヤの分散液200mgとポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸混合物の1.3%水溶液(商品名:Baytron_P_HC_V4 H.C.Starck社製)462mg、水150mgを混合した。金属ナノワイヤの質量は金属ナノワイヤの質量と導電性高分子の質量合計に対し50質量%であった。得られた混合液をウェット膜厚で50μmになるようにPETフィルム(商品名:コスモシャインA4100 東洋紡社製)上にバーコートした。80℃で3分間乾燥し積層体を得た。
得られた積層膜を圧着ラミネータ(商品名 MH−300型 株式会社エム・シー・ケー製)を用いてライン速度25mm/分、線圧294N/cmで押圧し透明導電膜を得た。
【0057】
得られた透明導電膜の表面抵抗値は35Ω/□(装置名:ロレスタEP ダイアインスツルメンツ社製)、全光線透過率およびヘイズ値はそれぞれ47.8%および28.0%(装置名:直読ヘーズコンピュータ、スガ試験機社製)であった。結果を表1に記す。
【0058】
<実施例9>
銀ナノワイヤの分散液200mgとポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸混合物の1.3%水溶液(商品名:Baytron_P_HC_V4 H.C.Starck社製)1385mgを混合した。金属ナノワイヤの質量は金属ナノワイヤの質量と導電性高分子の質量合計に対し25質量%であった。得られた混合液をウェット膜厚で37μmになるようにPETフィルム(商品名:コスモシャインA4100 東洋紡社製)上にバーコートした。80℃で3分間乾燥し積層体を得た。
得られた積層膜を圧着ラミネータ(商品名 MH−300型 株式会社エム・シー・ケー製)を用いてライン速度25mm/分、線圧294N/cmで押圧し透明導電膜を得た。
【0059】
得られた透明導電膜の表面抵抗値は1800Ω/□(装置名:ロレスタEP ダイアインスツルメンツ社製)、全光線透過率およびヘイズ値はそれぞれ75.1%および5.8%(装置名:直読ヘーズコンピュータ、スガ試験機社製)であった。結果を表1に記す。
【0060】
<実施例10>
銀ナノワイヤの分散液200mgとポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸混合物の1.3%水溶液(商品名:Baytron_P_HC_V4 H.C.Starck社製)4154mgを混合した。金属ナノワイヤの質量は金属ナノワイヤの質量と導電性高分子の質量合計に対し10質量%であった。得られた混合液をウェット膜厚で37μmになるようにPETフィルム(商品名:コスモシャインA4100 東洋紡社製)上にバーコートした。80℃で3分間乾燥し積層体を得た。
得られた積層膜を圧着ラミネータ(商品名 MH−300型 株式会社エム・シー・ケー製)を用いてライン速度25mm/分、線圧294N/cmで押圧し透明導電膜を得た。
【0061】
得られた透明導電膜の表面抵抗値は3000Ω/□(装置名:ロレスタEP ダイアインスツルメンツ社製)、全光線透過率およびヘイズ値はそれぞれ75.6%および2.9%(装置名:直読ヘーズコンピュータ、スガ試験機社製)であった。結果を表1に記す。
【0062】
<実施例11>
銀ナノワイヤの分散液200mgとポリアニリンの6%水溶液(商品名:PANIPOL−W PANIPOL社製)11mg、水100mgを混合した。金属ナノワイヤの質量は金属ナノワイヤの質量と導電性高分子の質量合計に対し90質量%であった。得られた混合液をウェット膜厚で27μmになるようにPETフィルム(商品名:コスモシャインA4100 東洋紡社製)上にバーコートした。80℃で3分間乾燥し積層体を得た。
得られた積層膜を圧着ラミネータ(商品名 MH−300型 株式会社エム・シー・ケー製)を用いてライン速度25mm/分、線圧294N/cmで押圧し透明導電膜を得た。
【0063】
得られた透明導電膜の表面抵抗値は2.6Ω/□(装置名:ロレスタEP ダイアインスツルメンツ社製)、全光線透過率およびヘイズ値はそれぞれ59.3%および28.4%(装置名:直読ヘーズコンピュータ、スガ試験機社製)であった。結果を表1に記す。
【0064】
<実施例12>
銀ナノワイヤの分散液200mgとポリアニリンの6%水溶液(商品名:PANIPOL−W PANIPOL社製)33mg、水100mgを混合した。金属ナノワイヤの質量は金属ナノワイヤの質量と導電性高分子の質量合計に対し75質量%であった。得られた混合液をウェット膜厚で27μmになるようにPETフィルム(商品名:コスモシャインA4100 東洋紡社製)上にバーコートした。80℃で3分間乾燥し積層体を得た。
得られた積層膜を圧着ラミネータ(商品名 MH−300型 株式会社エム・シー・ケー製)を用いてライン速度25mm/分、線圧294N/cmで押圧し透明導電膜を得た。
【0065】
得られた透明導電膜の表面抵抗値は3.2Ω/□(装置名:ロレスタEP ダイアインスツルメンツ社製)、全光線透過率およびヘイズ値はそれぞれ59.5%および27.2%(装置名:直読ヘーズコンピュータ、スガ試験機社製)であった。結果を表1に記す。
【0066】
<実施例13>
銀ナノワイヤの分散液200mgとポリアニリンの6%水溶液(商品名:PANIPOL−W PANIPOL社製)100mg、水150mgを混合した。金属ナノワイヤの質量は金属ナノワイヤの質量と導電性高分子の質量合計に対し50質量%であった。得られた混合液をウェット膜厚で27μmになるようにPETフィルム(商品名:コスモシャインA4100 東洋紡社製)上にバーコートした。80℃で3分間乾燥し積層体を得た。
得られた積層膜を圧着ラミネータ(商品名 MH−300型 株式会社エム・シー・ケー製)を用いてライン速度25mm/分、線圧294N/cmで押圧し透明導電膜を得た。
【0067】
得られた透明導電膜の表面抵抗値は5.4Ω/□(装置名:ロレスタEP ダイアインスツルメンツ社製)、全光線透過率およびヘイズ値はそれぞれ60.7%および27.4%(装置名:直読ヘーズコンピュータ、スガ試験機社製)であった。結果を表1に記す。
【0068】
<実施例14>
銀ナノワイヤの分散液200mgとポリアニリンの6%水溶液(商品名:PANIPOL−W PANIPOL社製)300mgを混合した。金属ナノワイヤの質量は金属ナノワイヤの質量と導電性高分子の質量合計に対し25質量%であった。得られた混合液をウェット膜厚で14μmになるようにPETフィルム(商品名:コスモシャインA4100 東洋紡社製)上にバーコートした。80℃で3分間乾燥し積層体を得た。
得られた積層膜を圧着ラミネータ(商品名 MH−300型 株式会社エム・シー・ケー製)を用いてライン速度25mm/分、線圧294N/cmで押圧し透明導電膜を得た。
【0069】
得られた透明導電膜の表面抵抗値は20Ω/□(装置名:ロレスタEP ダイアインスツルメンツ社製)、全光線透過率およびヘイズ値はそれぞれ68.7%および25.0%(装置名:直読ヘーズコンピュータ、スガ試験機社製)であった。結果を表1に記す。
【0070】
<実施例15>
銀ナノワイヤの分散液200mgとポリアニリンの6%水溶液(商品名:PANIPOL−W PANIPOL社製)900mgを混合した。金属ナノワイヤの質量は金属ナノワイヤの質量と導電性高分子の質量合計に対し10質量%であった。得られた混合液をウェット膜厚で14μmになるようにPETフィルム(商品名:コスモシャインA4100 東洋紡社製)上にバーコートした。80℃で3分間乾燥し積層体を得た。
得られた積層膜を圧着ラミネータ(商品名 MH−300型 株式会社エム・シー・ケー製)を用いてライン速度25mm/分、線圧294N/cmで押圧し透明導電膜を得た。
【0071】
得られた透明導電膜の表面抵抗値は60000Ω/□(装置名:ロレスタEP ダイアインスツルメンツ社製)、全光線透過率およびヘイズ値はそれぞれ59.8%および11.3%(装置名:直読ヘーズコンピュータ、スガ試験機社製)であった。結果を表1に記す。
【0072】
【表1】

【0073】
<実施例16>
実施例11で得られた透明導電膜の塗工面を軽く指で触れたが、導電膜は剥がれなかった。
【0074】
<実施例17>
実施例11で得られた透明導電膜をアクリル樹脂と水と2−プロパノールの混合液(比率はそれぞれ3質量%、7質量%、90質量%)に浸し、30mm/分の速度で引き上げ、80℃で3分間乾燥し保護層を形成した。
得られた透明導電膜の塗工面を強く指で擦っても導電膜は剥がれなかった。
【0075】
<実施例18>
銀ナノワイヤの分散液200mgウェット膜厚で18μmになるようにPETフィルム(商品名:コスモシャインA4100 東洋紡社製)上にバーコートした。80℃で3分間乾燥し積層膜を得た。
さらにポリアニリンの6%水溶液(商品名:PANIPOL−W PANIPOL社製)をウェット膜厚で14μmになるようにバーコートし、80℃で10分間乾燥させた。
得られた積層膜を圧着ラミネータ(商品名 MH−300型 株式会社エム・シー・ケー製)を用いてライン速度25mm/分、線圧294N/cmで押圧し透明導電膜を得た。
【0076】
得られた透明導電膜の表面抵抗値は48Ω/□、全光線透過率およびヘイズ値はそれぞれ75.2%および12.5%(装置名:直読ヘーズコンピュータ、スガ試験機社製)であった。
【0077】
<実施例19>
ポリアニリンの6%水溶液(商品名:PANIPOL−W PANIPOL社製)をウェット膜厚で14μmになるようにPETフィルム(商品名:コスモシャインA4100 東洋紡社製)上にバーコートし、80℃で10分間乾燥させた。
さらに銀ナノワイヤの分散液200mgウェット膜厚で18μmになるようにバーコートした。その後80℃で3分間乾燥した。
得られた積層膜を圧着ラミネータ(商品名 MH−300型 株式会社エム・シー・ケー製)を用いてライン速度25mm/分、線圧294N/cmで押圧し透明導電膜を得た。
【0078】
得られた透明導電膜の表面抵抗値は42Ω/□、全光線透過率およびヘイズ値はそれぞれ76.5%および13.5%(装置名:直読ヘーズコンピュータ、スガ試験機社製)であった。
【0079】
実施例1〜19の結果より本発明による透明導電膜は良好な導電性と透過率が得られることが分かる。また、実施例16および17の結果から本発明による透明導電膜は実用的な強度を有することが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明で用いる層構成の一例を示す図である。
【図2】本発明で用いる層構成の一例を示す図である。
【図3】本発明で用いる層構成の一例を示す図である。
【図4】本発明で用いる層構成の一例を示す図である。
【図5】実施例1で得られた銀ナノワイヤを走査型電子顕微鏡にて観察した結果である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に形成される導電性高分子と金属ナノワイヤとを含む透明導電層を有する透明導電膜。
【請求項2】
上記透明導電層に含まれる金属ナノワイヤの質量が金属ナノワイヤの質量と導電性高分子の質量合計に対し1質量%以上90質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の透明導電膜。
【請求項3】
上記透明導電層に含まれる金属ナノワイヤの質量が金属ナノワイヤの質量と導電性高分子の質量合計に対し10質量%以上75質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の透明導電膜。
【請求項4】
上記金属ナノワイヤが銀ナノワイヤであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明導電膜。
【請求項5】
上記導電性高分子がポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の混合物またはポリアニリンまたはその誘導体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明導電膜。
【請求項6】
上記透明導電層上にさらに保護層が積層されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の透明導電膜。
【請求項7】
表面抵抗値が0.1Ω/□以上10000Ω/□以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明導電膜。
【請求項8】
表面抵抗値が0.1Ω/□以上1000Ω/□以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明導電膜。
【請求項9】
表面抵抗値が0.1Ω/□以上100Ω/□以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明導電膜。
【請求項10】
基材と請求項1〜9のいずれか1項に記載の透明導電膜とからなる透明部材において、上記基材がガラス製または樹脂製であり、かつ、該基材の全光線透過率が80%以上であることを特徴とする透明導電部材。
【請求項11】
全光線透過率が50%以上であることを特徴とする請求項10に記載の透明導電部材。
【請求項12】
全光線透過率が70%以上であることを特徴とする請求項10に記載の透明導電部材。
【請求項13】
導電性高分子を含むことを特徴とする銀ナノワイヤ分散液。
【請求項14】
導電性高分子が、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物またはポリアニリン若しくはその誘導体であることを特徴とする請求項13に記載の銀ナノワイヤ分散液。
【請求項15】
透明導電膜の製造方法であって、
工程1:金属ナノワイヤを基材上に塗布する工程;および
工程2:導電性高分子を基材上に塗布する工程;
により透明導電層を得る工程を含むことを特徴とする透明導電膜の製造方法。
【請求項16】
透明導電膜の製造方法であって、
工程3:請求項13または14記載の銀ナノワイヤ分散液を基材上に塗布する工程;
により透明導電層を得る工程を含むことを特徴とする透明導電膜の製造方法。
【請求項17】
透明導電膜の製造方法であって、前記透明導電層を得る工程が、
工程4:金属ナノワイヤの交点部分を圧着する工程;
を含むことを特徴とする請求項15または16に記載の透明導電膜の製造方法。
【請求項18】
透明導電膜の製造方法であって、
工程5:前記工程により得られた透明導電層上に保護層を形成する工程;
を含むことを特徴とする請求項15〜17のいずれか1項に記載の透明導電膜の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−205924(P2009−205924A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−46665(P2008−46665)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【出願人】(000001085)株式会社クラレ (1,607)
【Fターム(参考)】