説明

透明導電膜

【課題】可撓性を有するタッチパネルにおいて、銅配線のパターニング工程においての付着性を向上させると共に、透明導電膜の抵抗が安定に保持されることができる透明導電膜を提供する。
【解決手段】本発明の透明導電膜は、プラスチック材料からなり、一面の中央に作動エリア13と、外周縁に該作動エリア13を取り囲んだ縁枠エリア14とが画成されているベース板1と、ベース板1の一面に形成された透明導電膜層2と、縁枠エリア14内にベース板1から離れて透明導電膜層2の上に形成された銅配線層3と、透明導電膜層及び銅配線層の間に接して形成されたアンカー層4とを備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LCD(液晶ディスプレイ)やCRT(ブラウン管)などの画面上に設置し、画面の指示に従って指やペンなどで上から画面を押圧することにより入力が行われるタッチパネルに用いられる透明導電膜に関し、特に銅配線を有する透明導電膜に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タッチパネルとしては、例えば抵抗膜方式のものがある。例えば、金属メッキ膜形成技術を用いてタッチパネルに回路配線を形成したものが提案されている(例えば特許文献1参照)。その提案において、透明導電ガラスベース板の外縁近傍にてそのベース板のX軸方向及びY軸方向に延伸され且つ互いに直交する複数の回路配線が、例えば、スクリーン印刷法を用いて銀ペーストを透明導電膜上の所定位置に直接塗布して形成され、形成された回路配線は可撓性ケーブルを介して制御素子に電気的に接続され、タッチパネルが押圧されたときに得られた電圧差を検出するようになっているが、銀ペーストの塗布によって形成された回路配線層では、銀ペースト及び透明導電膜間の付着性が悪く、塗布層の均一性もよくないため、抵抗が不安定になるなどの問題点が生じることがあった。
【0003】
これらの問題を解決するために、特許文献1では、スパッタリング法で導電性金属を透明導電膜上に直接蒸着することによって回路配線層が形成されることを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】台湾特許公告第I235623号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スパッタリング法を用いて回路配線として金属パターンを形成することで、回路信号の品質がよくなり、可視領域の面積が広くなり、信号のフィードバック性の向上を図ることができるが、スパッタリング法を用いて透明導電膜上に金属フィルムを形成し、リソグラフィー術及びエッチング技術によってパターニングされ、所定の回路配線が形成される場合、透明導電ガラス板をベース板とした場合と比べ、可撓性を有するプラスチック板をベース板とした方が、金属配線及び透明導電膜の間の付着性が悪い問題点がある。
【0006】
一方、導体として銅を用いて回路配線が形成される場合、銅は不動態特性を有するため、適用可能なエッチング液が限定される。また、銅をエッチングする場合、適用される酸性エッチング液が下の透明導電膜までをエッチングしてしまって、透明導電膜の表面を傷つけることになり、抵抗が上がることがよくある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、可撓性を有するタッチパネルにおいて、銅配線のパターニング工程にての付着性を向上させると共に、透明導電膜の抵抗が安定に保持されることができる透明導電膜を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の透明導電膜は、プラスチック材料からなり、一面の中央に作動エリアと、外周縁に該作動エリアを取り囲んだ縁枠エリアとが画成されているベース板と、前記ベース板の前記一面に形成された透明導電膜層と、前記縁枠エリア内に前記ベース板から離れて前記透明導電膜層の上に形成された銅配線層と、前記透明導電膜層及び前記銅配線層の間に接して形成されたアンカー層とを備えていることを特徴とする。
【0009】
本発明の透明導電膜において、前記アンカー層としては、金属からなり、且つモリブテン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)及びニッケル・クロム合金(NiCr)で構成する群から選択されるものからなることが好ましい。
【0010】
本発明の透明導電膜において、前記透明導電膜層は、前記作動エリア内に配置され、パターニングされた容量ユニットと、前記容量ユニットと所定の間隔をおいて前記縁枠エリア内に配置された回路ユニットとを有し、前記アンカー層は、前記回路ユニット及び前記銅配線層の間に接するアンカー部を有することが好ましい。
【0011】
本発明の透明導電膜において、前記アンカー層は、層厚が5〜100nmの範囲であることが好ましい。
【0012】
また、本発明の透明導電膜において、前記アンカー層としては、金属酸化物からなり、且つ酸化タンタル(Ta)、酸化錫(SnO)、及びアルミニウム(Al)とガリウム(Ga)とからなる群から選択されるものがドープされた酸化亜鉛(ZnO)からなる群から選択されるものからなってもよい。
【0013】
本発明の透明導電膜において、前記透明導電膜層は、前記作動エリア内に配置され、パターニングされた容量ユニットと、前記容量ユニットと所定の間隔をおいて前記縁枠エリア内に配置された回路ユニットとを有し、前記アンカー層は、前記回路ユニット及び前記銅配線層の間に接するように形成されたアンカー部を有することが好ましい。
【0014】
本発明の透明導電膜において、前記アンカー層は、前記容量ユニット上に接続されるように形成された保護部を更に有することが好ましい。
【0015】
本発明の透明導電膜において、前記アンカー層は、層厚が3〜50nmの範囲であることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の透明導電膜によれば、透明導電膜層及び銅配線層の間にアンカー層が接するように形成されているので、銅配線層の透明導電膜層への付着性の向上を図ることができ、また、製造中、エッチング液の透明導電膜層への腐食を防ぐことができる。これにより、銅配線の付着性を上げることができ、且つ、透明導電膜の表面を傷つけることなく抵抗を安定化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の透明導電膜の第1の実施形態を概略的に示す上面図である。
【図2】図1の一部断面図である。
【図3】本発明の透明導電膜の第2の実施形態を概略的に示す一部断面図である。
【図4】本発明の透明導電膜の第3の実施形態を概略的に示す一部断面図である。
【図5】本発明の透明導電膜の第4の実施形態を概略的に示す一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、同一構成及び機能を有する構成要素については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0019】
(第1の実施形態)
本発明の透明導電膜の第1の実施形態は、図1及び2に示すように、概ね、ベース板1と、透明導電膜層2と、銅配線層3と、アンカー層4とを備え、可撓性を有するリボンケーブル5を介して制御素子6に電気的に接続されてなる。
【0020】
ベース板1は、プラスチック材料からなり、片面側の中央にユーザーの押圧を検出するための作動エリア13と、外周縁に該作動エリア13を取り囲んだ縁枠エリア14とが画成されている。ベース板として、例えば片面或いは両面に表面処理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)膜を用いてよく、その表面処理として、例えば片面11又は/及び裏面12に傷防止効果を奏する硬化コーティング層111、121や、例えば明所でのコントラストを改善するなどの光学改良効果を奏するアンチグレア層、反射防止層、アンチニュートンリング層が形成される。
【0021】
透明導電膜層2は、例えば、1〜15%程度の酸化インジウム(In)がドープされた酸化錫(SnO)を用い、フィルム蒸着法でベース板1の硬化コーティング層の片面11に形成されている。
【0022】
アンカー層4は、フィルム蒸着法で透明導電膜層2上に形成されている。アンカー層4は、金属材料又は金属酸化物からなるとよく、例えばモリブテン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)及びニッケルクロム合金(NiCr)から構成する群から選択される金属材料、又は、酸化タンタル(Ta)、酸化錫(SnO)、及びアルミニウム(Al)とガリウム(Ga)とからなる群から選択されるものがドープされた酸化亜鉛(ZnO)から構成する群から選択される金属酸化物などが挙げられる。Al或いはGaを添加することによって金属酸化物の導電性を上げることができる。
【0023】
アンカー層4として、金属材料からなる場合、層厚が5〜100nmの範囲であることが好ましい。アンカー層4の層厚が5nm未満になると、透明導電膜層2上に形成されたアンカー層4の層厚を均一化することができず、100nm超えると、アンカー層4のエッチングレートが低く均一にエッチングすることが困難となることがある。
【0024】
一方、アンカー層4として、金属酸化物からなる場合、層厚が3〜50nmの範囲であることが好ましい。アンカー層4の層厚が3nm未満になると、アンカー層4の層厚を均一化することができず、50nm超えると、透明導電膜として可視域の透光率が下がり、電気特性にも悪影響を及ぼす。
【0025】
銅配線層3は、例えばフィルム蒸着法で縁枠エリア14内にベース板1から離れてアンカー層4の上に形成されている。銅配線層3は、制御素子6を介して透明導電膜に電源を供給するようになっている。これにより、作動エリア13において押圧されると、そこで生成された電圧差を検出してリボンケーブル5を介して制御素子6へフィードバックするようになっている。
【0026】
なお、本発明の透明導電膜は、抵抗膜方式或いは静電容量方式のタッチパネルに適用されるが、アンカー層4の形成材料によってその構成が異なることは注意されたい。
【0027】
本発明の第1の実施形態の透明導電膜を抵抗膜方式タッチパネルに適用する場合、アンカー層4は、金属材料を用いて形成されるとよいが、本実施形態においては透光性を有しない金属材料からなるため、縁枠エリア14内の銅配線層3及び透明導電膜層2の間に形成されることが好ましい。これによって作動エリア13は透光可能になっている。
【0028】
(第2の実施形態)
図3に示すように、本発明の透明導電膜の第2の実施形態は、第1の実施形態の構成の他、アンカー層4として金属酸化物からなっている。本実施形態においては透光性を有する金属酸化物からなるため、アンカー層4は作動エリア13までに延伸されるように透明導電膜層2上の一面に形成可能になっている。
【0029】
(第3の実施形態)
図4に示すように、本発明の透明導電膜の第3の実施形態において、第1の実施形態の構成の他、スクリーン印刷法或いはリソグラフィー術を用いて適宜容量パターンを形成した透明導電膜層2が形成される。この透明導電膜層2は、作動エリア13内に配置された、パターニングされた容量ユニット21と、容量ユニット21と所定の間隔をおいて縁枠エリア14内に配置された回路ユニット22とを有する。アンカー層4は、回路ユニット22及び銅配線層3の間に接したアンカー部41と、容量ユニット21上に接して形成された保護部42とを有する。
【0030】
この形態においてアンカー層4が金属酸化物からなると、透光性がよいので、作動エリア13及び縁枠エリア14の上に形成することができる。
【0031】
なお、本実施形態の透明導電膜は静電容量方式のタッチパネルに適用される。
【0032】
(第4の実施形態)
図5に示すように、本発明の透明導電膜の第4の実施形態において、第3の実施形態の構成と異なる点は、アンカー層4が金属材料からなることである。アンカー層4は、容量ユニット21上に形成されず、回路ユニット22及び銅配線層3の間に接して形成される。
【0033】
アンカー層4は、容量ユニット21上に形成されないので、透明導電膜の透光性を良好に保つことができる。
【0034】
次に、いくつの実施例を掲げて本発明の透明導電膜を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0035】
透明導電膜の構成及び製造装置を以下示す。
(1)ベース板:PETベース板(KIMOTO社製、製品番号:GSAB、両面に硬化コーティング層を形成する表面処理を経た膜、膜厚:188μm、寸法9×9cm
(2)蒸着装置:台湾Kao Duen Technology Corp.製のスパッタ装置、3インチ、円形のターゲットを使用する。なお、蒸着の際、金属酸化物などの誘電材料を用いたターゲットであればRFスパッタ法によって成膜を行う。金属などの非誘電材料を用いたターゲットであれば、DCスパッタ法によって成膜を行う。
(3)エッチング液:0.5gの希硫酸及び0.5mlの過酸化水素とを500mlのDI水に常温下で溶かした希硫酸及び過酸化水素の混合溶液を用いる。
【0036】
<物性評価>
1.付着性:
(1)9×9cmのベース板の片面に、スパッタ法を用いて透明導電膜層とアンカー層と銅配線層を形成してテストサンプルを作成した。アンカー層としてモリブテン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)及びニッケルクロム合金(NiCr)から構成する群から選択されるものからなる金属、又は酸化タンタル(Ta)、酸化錫(SnO)、及びアルミニウム(Al)がドープされた酸化亜鉛(ZnO)から構成する群から選択される金属酸化物を用いる。
(2)透明導電膜層、銅配線層及びアンカー層を積層した面を表向きにして、接着テープ及び両面接着テープを用いて該テストサンプルを作業台に固定した。
(3)該テストサンプルにて、X軸とY軸に沿ってそれぞれ11本の切れ目を入れるクロスカットを施して、100個の格子を形成するよう直角の格子状パターンを形成した。
(4)3M社製、型番No.600のテープを用いてかかる格子状パターンを覆うように貼る。
(5)指でテストサンプルを押圧しながら接着されたテープをほぼ垂直に素早く剥がした。
(6)剥がしたテープに、格子1つにつき、1/3以上の面積の銅配線層が剥がされた格子は、カウントされない。一方、格子1つにつき、1/3以下の面積の銅配線層が剥がされた格子は、剥離なしとして1とカウントする。各テストサンプルについて「剥離なしの数/100」値で銅配線層の付着性の良否判定を行う。
以上の過程を経た銅配線層の付着性判定結果を下記の表1、2に示した。
【0037】
2.透光性:
(1)9×9cmのベース板の片面に、スパッタ法を用いて透明導電膜層とアンカー層と銅配線層が形成された。アンカー層としてモリブテン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)及びニッケル・クロム合金(NiCr)から構成する群から選択されるものからなる金属、又は酸化タンタル(Ta)、酸化錫(SnO)、及びアルミニウム(Al)がドープされた酸化亜鉛(ZnO)から構成する群から選択される金属酸化物を用いる。
(2)前記希硫酸及び過酸化水素を混合したエッチング液を用いて銅配線層を完全に腐食して除去した。
(3)アンカー層として金属を用いた場合、前記混合エッチング液を用いてアンカー層を腐食してきれいに除去した。一方、アンカー層として金属酸化物を用いた場合、エッチングを行わないとする。以上の過程を経て形成されたものをテストサンプルとする。
(4)分光計(spectrometer;型番:CM−3600D)を用いてテストサンプルの数箇所に波長400nm〜700nmの可視光を照らした。照らした箇所の各透過率を測定してそれらの平均値を計算した結果を表1、2に示した。なお、平均透過率が100%に近いほど透光性がよいとする。
【0038】
3.抵抗変化値:
(1)9×9cmのベース板の片面に、スパッタ法を用いて透明導電膜層を形成した後、その抵抗値を測定して、測定した抵抗値をR1とする。
(2)ベース板の透明導電膜層が形成された面の上にアンカー層と銅配線層を形成した。
(3)前記希硫酸及び過酸化水素を混合したエッチング液を用いて銅配線層を完全に腐食して除去した。そして、アンカー層として金属を用いた場合、前記混合エッチング液を用いてアンカー層をきれいに腐食して除去した。一方、アンカー層として金属酸化物を用いた場合、エッチングを行わないとする。以上の過程を経て形成されたものをテストサンプルとする。
(4)テストサンプルの抵抗値を測定してR2とする。R2/R1の値を抵抗変化比とした結果を表1、2に示した。なお、R2/R1値が1に近づくほど安定しているとする。
【0039】
そして、アンカー層を各種金属材料又は金属酸化物材料を使ってそれぞれ形成して上記評価方法を経た結果を表1、2に示す。
【0040】
一方、比較例としてアンカー層を形成しないものを用いた。
【0041】
【表1】

【0042】
【表2】

【0043】
表1及び表2から、付着性の試験において、比較例1、2のサンプルから接着テープを剥がしたとき、銅配線層は殆ど剥がされて残らないことが分かる。一方、金属又は金属酸化物を用いたアンカー層が形成された実施例では、銅配線層がいずれも多く残されたことから、アンカー層によって付着性が大幅に改善されたことが分かる。とりわけ、AZO及びTaを用いて形成されたアンカー層ではよりよい付着性があることが分かる。これは、透明導電膜層と銅配線層との熱膨張係数差が大きく、また銅のスパッタ工程において温度が上昇したため、比較例においては銅配線層の蒸着作業が困難であったが、本発明においてはアンカー層を形成したため、その熱膨張係数差が緩和されることになり、その積層間の熱膨張差が小さくなるので蒸着作業を良好に行えるようになり、各積層間の密着性が良好になったと考えられる。
【0044】
また、表1では、各実験例において、比較例1の抵抗変化率が1.16に対し、Tiを使った実験例1の方が低く、また、実験例2〜4はほぼ変わらぬ結果が得られることから、アンカー層を形成した後必要に応じてエッチングを施してもサンプルの抵抗性に影響を及ぼすことはないことが分かる。なお、実験例4においてサンプルの抵抗値の変化が大きくなったのは、NiCrのエッチング液に対する反応レートが遅いため、透明導電膜層がエッチング液と接する時間がより長かったためと考えられる。
【0045】
表2では、各実験例において、金属酸化物を使って形成されたアンカー層についてはエッチングを行わないため、アンカー層によるブロック効果で、比較例よりも透過性はやや悪いが、抵抗値の変化については、表面を傷つけずに済むので、サンプルの抵抗値は、アンカー層の蒸着の前後であまり変らず安定して保つことができることが分かる。各実験例においてとりわけTaでアンカー層が形成されたサンプルの抵抗比が1.03と最も良好である結果が得られる。
【0046】
以上により、本発明の透明導電膜によれば、アンカー層4を設けていることにより、アンカー層が形成されない比較例と比べて、明らかに銅配線層3の付着性を高めることができ、透明導電膜の製造に際して透明導電膜層2がエッチング溶液により腐食されずにすみ、良好な透過率及び抵抗比をより一層保つことができる。また、金属からなるアンカー層4は、抵抗比がやや高いが、より透過性を良好に保つことができる。一方、金属酸化物からなるアンカー層4は、透過率がやや低下するが、より小さい抵抗比が得られることが分かる。
【符号の説明】
【0047】
1 ベース板
11、12 面
111、121 硬化コーティング層
13 作動エリア
14 縁枠エリア
2 透明導電膜層
21 容量ユニット
22 回路ユニット
3 銅配線層
4 アンカー層
41 アンカー部
42 保護部
5 リボンケーブル
6 制御素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック材料からなり、一面の中央に作動エリアと、外周縁に該作動エリアを取り囲んだ縁枠エリアとが画成されているベース板と、
前記ベース板の前記一面に形成された透明導電膜層と、
前記縁枠エリア内に前記ベース板から離れて前記透明導電膜層の上に形成された銅配線層と、
前記透明導電膜層及び前記銅配線層の間に接して形成されたアンカー層と
を備えていることを特徴とする透明導電膜。
【請求項2】
前記アンカー層としては、金属からなり、且つモリブテン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)及びニッケル・クロム合金(NiCr)で構成する群から選択されるものからなることを特徴とする請求項1に記載の透明導電膜。
【請求項3】
前記透明導電膜層は、前記作動エリア内に配置され、パターニングされた容量ユニットと、前記容量ユニットと所定の間隔をおいて前記縁枠エリア内に配置された回路ユニットとを有し、
前記アンカー層は、前記回路ユニット及び前記銅配線層の間に接したアンカー部を有することを特徴とする請求項2に記載の透明導電膜。
【請求項4】
前記アンカー層は、層厚が5〜100nmの範囲であることを特徴とする請求項2に記載の透明導電膜。
【請求項5】
前記アンカー層としては、金属酸化物からなり、且つ酸化タンタル(Ta)、酸化錫(SnO)、及びアルミニウム(Al)とガリウム(Ga)とからなる群から選択されるものがドープされた酸化亜鉛(ZnO)からなる群から選択されるものからなることを特徴とする請求項1に記載の透明導電膜。
【請求項6】
前記透明導電膜層は、前記作動エリア内に配置され、パターニングされた容量ユニットと、前記容量ユニットと所定の間隔をおいて前記縁枠エリア内に配置された回路ユニットとを有し、
前記アンカー層は、前記回路ユニット及び前記銅配線層の間に接するように形成されたアンカー部を有することを特徴とする請求項5に記載の透明導電膜。
【請求項7】
前記アンカー層は、前記容量ユニット上に接するように形成された保護部を更に有することを特徴とする請求項6に記載の透明導電膜。
【請求項8】
前記アンカー層は、層厚が3〜50nmの範囲であることを特徴とする請求項5に記載の透明導電膜。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−150944(P2012−150944A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7672(P2011−7672)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(505283935)迎輝科技股▲分▼有限公司 (6)
【Fターム(参考)】