説明

透過型表示装置

【課題】本発明の課題は、観察者が裸眼で観察可能な良好な3次元映像を表示でき、かつ、2次元映像表示時にも良好な2次元映像を表示できる立体映像表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置10は、表示用LCDパネル13と、光源部11と、表示用LCDパネル13と光源部11との間に配置され、一方の面に単位レンズ121が複数配列されているレンズシート12とを備え、3次元映像を表示する場合には、表示用LCDパネル13は、2つ以上の視差映像を所定の周期で切り替えながら表示し、光源部11は、表示用LCDパネル13が表示する映像の切り替えに同期して、視差映像に対応する所定のドットから光を出射し、レンズシートは、単位レンズから視差映像に対応した所定の方向へ出射し、2次元映像を表示する場合には、表示用LCDパネル13は、2次元映像を表示し、光源部11は、全てのドットから光を出射するものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元映像及び3次元映像を表示可能な透過型表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、立体映像を表示可能な、様々な表示装置が開発されている。
立体映像を表示する方法としては、例えば、視差を有する左眼用映像光及び右眼用映像光を、偏光面の異なる直線偏光とし、偏光眼鏡を用いてそれぞれの眼に映像が届くようにするものや、時分割で表示される視差を有する左眼用映像、右眼用映像を観察者の左右の眼にそれぞれ届くように、観察用眼鏡によって左右の目が視認できる映像を切り替えるもの等がある。しかし、このような眼鏡を使用する表示装置では、眼鏡の装着を観察者が煩わしく思う場合があった。
そこで、例えば、特許文献1〜4に示す表示装置のように、裸眼で立体映像を観察可能な表示装置の開発が、進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3940456号公報
【特許文献2】特許第3051604号公報
【特許文献3】特表2009−528565号公報
【特許文献4】特許4367775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1や特許文献2に示すような表示装置では、視差を有する映像を同時に表示しているため、表示される立体映像の解像度が低下するという問題があった。特許文献1の表示装置では、レンチキュラーレンズをLCDパネルの画素の配列方向に対して斜めに配列することによって、水平方向における解像度の低下の軽減を図っているが、この表示装置であっても、LCDパネル本来の解像度で映像を表示することはできない。
また、特許文献1,2の表示装置では、2次元映像を表示すると、レンチキュラーレンズによって映像光が断続的に出射するスプリットが生じ、映像が見える位置と見えない位置が生じる等の画質の低下が生じるため、良好な2次元映像の表示が困難であるという問題があった。
【0005】
特許文献3の表示装置では、2次元映像と3次元映像との切り替えを容易とし、かつ、良好な2次元映像を表示するために屈折率変調可能な層を設けている。しかし、この特許文献3の表示装置においても、3次元映像表示における映像の解像度の低下に関して改善はなされていない。
また、特許文献4の表示装置では、視差バリアLCDパネルと表示用のLCDパネルとを用いており、2次元映像表示時には、上述のようなスプリットもなく良好な映像を表示できるが、3次元映像表示時の解像度の低下は改善されていない。
【0006】
本発明の課題は、観察者が裸眼で観察可能な良好な3次元映像を表示でき、かつ、2次元映像表示時にも良好な2次元映像を表示できる立体映像表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、2次元映像又は3次元映像を選択して表示可能であり、映像を表示可能な表示用透過型表示部(13)と、前記表示用透過型表示部を背面側から照明する光源部(11,21,31,41)と、前記表示用透過型表示部と前記光源部との間に配置され、一方の面にシート面に沿って一方向に略円柱形状の一部形状又は略楕円柱形状の一部形状である単位レンズ(121)が複数配列されているレンズシート(12,22)と、を備え、3次元映像を表示する場合には、前記表示用透過型表示部は、3次元映像の表示に用いられる2つ以上の視差映像を所定の周期で切り替えながら表示し、前記光源部は、前記単位レンズの配列方向において、各前記単位レンズに対応する領域内に、前記視差映像の数に等しい数の光を出射する出射部(115a〜115d,212a〜212d,312a〜312d)を有し、前記表示用透過型表示部が表示する映像の切り替えに同期して、前記視差映像に対応する所定の前記出射部から光を出射し、前記単位レンズは、前記光源部が出射した光を前記視差映像に対応した所定の方向へ出射し、2次元映像を表示する場合には、前記表示用透過型表示部は、2次元映像を表示し、前記光源部は、全ての前記出射部から光を出射すること、を特徴とする透過型表示装置(10,20,30,40)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の透過型表示装置において、前記光源部(11,21,31,41)は、光を透過可能であってマトリクス状に配置されたドットを有する視差用透過型表示部(112)と、前記視差用透過型表示部を背面側から照明する面光源部(111)と、を備え、前記視差用透過型表示部は、前記表示用透過型表示部が表示する前記視差映像に合わせて、所定の前記出射部である前記ドット(115a〜115d)が面光源部の光を透過又は遮蔽すること、を特徴とする透過型表示装置(10)である。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の透過型表示装置において、前記光源部(21,31,41)は、光を発する複数の光源が少なくとも一方向に配列されていること、を特徴とする透過型表示装置(20,30,40)である。
請求項4の発明は、請求項3に記載の透過型表示装置において、前記光源部(21,31,41)は、マトリクス状に配列された点光源(212,312)を備えること、を特徴とする透過型表示装置(20,30,40)である。
請求項5の発明は、請求項3又は請求項4に記載の透過型表示装置において、前記光源部(21,31,41)は、前記表示用透過型表示部(13)が表示する前記視差映像の数に応じた複数の点光源(212a〜212d,312a〜312d)が、前記レンズシート(22)の焦点位置近傍に配置されること、を特徴とする透過型表示装置(20,30,40)である。
【0009】
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の透過型表示装置において、前記レンズシートの前記光源部(41)側に、光学シート(45)が配置されており、前記光学シートは、シート面に直交し、前記単位レンズ(121)の配列方向に平行な断面において、前記光源部側における幅よりも前記レンズシート側における幅のほうが広い略台形形状であり、シート面に沿って複数配列された光透過部(451)と、該断面においてシート面に沿って前記光透過部と交互に形成され、光を吸収する作用を有する光吸収部(452)と、を備えること、を特徴とする透過型表示装置(40)である。
請求項7の発明は、請求項6に記載の透過型表示装置において、前記光吸収部(452)の屈折率は、前記光透過部の屈折率と略等しいこと、を特徴とする透過型表示装置(40)である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明による透過型表示装置は、表示用透過型表示部と、光源部と、表示用透過型表示部と光源部との間に配置され、一方の面にシート面に沿って一方向に略円柱形状の一部形状又は略楕円柱形状の一部形状である単位レンズが複数配列されているレンズシートとを備え、3次元映像を表示する場合には、表示用透過型表示部は、3次元映像の表示に用いられる2つ以上の視差映像を所定の周期で切り替えながら表示し、光源部は、単位レンズの配列方向において、各単位レンズに対応する領域内に、視差映像の数に等しい数の光を出射する出射部を有し、表示用透過型表示部が表示する映像の切り替えに同期して、視差映像に対応する所定の出射部から光を出射し、単位レンズは、光源部が出射した光を視差映像に対応した所定の方向へ出射し、2次元映像を表示する場合には、表示用透過型表示部は、2次元映像を表示し、光源部は、全ての出射部から光を出射する。
従って、光源部から出射する光は、単位レンズによって所定の出射角度方向へ出射されるので、例えば、左眼に届くはずの左眼用映像が右眼にも届いてしまうといったクロストーク等の発生を大幅に低減し、立体視用の眼鏡等を用いることなく、明瞭な3次元映像を表示できる。また、3次元映像及の表示時に、1フレームにつき1つの視差映像しか表示しないので、3次元映像の解像度の低下が生じない。
また、2次元映像表示には、光源部は全ての出射部から光を出射し、光は、レンズシートによって集光・拡散された後に表示用透過型表示部に入射するので、スプリット等の生じない明瞭な2次元映像を表示できる。また、2次元映像表示に、表示用の透過型表示部の画素を略全て使用できるので、2次元映像の解像度の低下が生じない。
従って、2次元映像も3次元映像も、解像度が高く明瞭な映像を表示できる。
【0011】
(2)光源部は、光を透過可能であってマトリクス状に配置されたドットを有する視差用透過型表示部と、視差用透過型表示部を背面側から照明する面光源部とを備え、視差用透過型表示部は、表示用透過型表示部が表示する視差映像に合わせて、所定の出射部であるドットが面光源部の光を透過又は遮蔽するので、容易に視差映像に合わせた方向へ光を出射することができる。
【0012】
(3)光源部は、光を発する複数の光源が少なくとも一方向に配列されているので、視差映像に合わせて所定の位置の光源を発光又は消灯することにより、明瞭な3次元映像を表示することができる。また、自発光する光源を用いることにより、明るい映像を表示することができる。
【0013】
(4)光源部は、マトリクス状に配列された点光源を備えるので、視差映像に合わせて所定の位置の点光源を発光又は消灯することにより、明瞭な3次元映像を表示することができる。また、自発光する光源を用いることにより、明るい映像を表示することができる。
【0014】
(5)光源部は、表示用透過型表示部が表示する視差映像の数に応じた複数の点光源が、レンズシートの焦点位置近傍に配置されるので、隣接する単位レンズ等から所定の方向からそれた方向へ出射して、ゴーストとなる光を大幅に低減できる。従って、ゴーストの低減された明瞭な3次元映像を表示できる。
【0015】
(6)レンズシートの光源部側に、光学シートが配置されており、この光学シートは、シート面に直交し、単位レンズの配列方向に平行な断面において、光源部側における幅よりもレンズシート側における幅のほうが広い略台形形状であり、シート面に沿って複数配列された光透過部と、その断面においてシート面に沿って光透過部と交互に形成され、光を吸収する作用を有する光吸収部とを備えるので、隣接する単位レンズ等から所定の方向からそれた方向へ出射して、ゴーストとなる光を大幅に低減できる。従って、ゴーストの低減された明瞭な3次元映像を表示できる。
【0016】
(7)光吸収部の屈折率と光透過部の屈折率差とは、略等しいので、光透過部と光吸収部との界面で光を全反射させることなく、吸収することができる。従って、ゴースト低減効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態の表示装置10を示す図である。
【図2】第1実施形態のレンズシート12及び光源部11の一部を拡大した図である。
【図3】第2実施形態の表示装置20を示す図である。
【図4】第2実施形態のレンズシート22及び光源部21の一部を拡大した図である。
【図5】第3実施形態の表示装置30を示す図である。
【図6】第3実施形態の光源部31の他の例を示す図である。
【図7】第3実施形態のレンズシート22及び光源部31の一部を拡大した図である。
【図8】第4実施形態の表示装置40を示す図である。
【図9】第4実施形態のレンズシート22,光学シート45及び光源部41の一部を拡大した図である。
【図10】実施例1の面光源装置(光源部11及びレンズシート12からなる部分)における画面左右方向における光の出射強度分布を示す図である。
【図11】実施例3の面光源装置(光源部31及びレンズシート22からなる部分)の画面左右方向における光の出射強度分布を示す図である。
【図12】実施例4の面光源装置(光源部11,光学シート45,レンズシート12からなる部分)及び比較例の面光源装置(光源部11,レンズシート12からなる部分)のドット115aを点灯した場合における光の出射強度分布を比較する図である。
【図13】実施例4の面光源装置(光源部11,光学シート45,レンズシート12からなる部分)及び比較例の面光源装置(光源部11,レンズシート12からなる部分)のドット115bを点灯した場合における光の出射強度分布を比較する図である。
【図14】変形形態のレンズシートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
また、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、特許請求の範囲の記載は、シートという記載で統一して使用した。従って、シート、板、フィルムの文言は、適宜置き換えることができるものとする。例えば、光学シートは、光学フィルムとしてもよいし、光学板としてもよい。
さらに、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
【0019】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の表示装置10を示す図である。図1(a)は、表示装置10の構成を説明する図であり、図1(b)は、光源部11の視差用LCDパネル112のドットの一部を正面方向から見た図である。
表示装置10は、光源部11と、レンズシート12と、表示用LCD(Liquid Crystal Display)パネル13と、制御部14とを備える液晶透過型表示装置である。表示装置10は、表示用LCDパネル13に表示された映像を、光源部11及びレンズシート12によって背面側から照明することにより、映像を表示可能である。この表示装置10は、制御部14の指示により、2次元映像の表示と3次元映像の表示とを切り替えて行うことができる。
以下の明細書において、表示装置10の使用状態における観察画面(表示用LCDパネル13)の短辺に平行な方向を使用状態における画面上下方向(画面鉛直方向)とし、長辺に平行な方向を使用状態における画面左右方向(画面水平方向)とする。また、以下の説明中において、特に断りが無い場合、画面左右方向、画面上下方向とは、表示装置10の使用状態における画面左右方向、画面上下方向であるとする。
【0020】
表示用LCDパネル13は、映像を表示する液晶透過型表示部である。表示用LCDパネル13は、略矩形状の略平板状の部材であり、例えば、有効画面サイズが対角42インチ(929.8mm×523.0mm)、解像度1920×1080ピクセルのものを用いることができる。この表示用LCDパネル13は、制御部14の指示により、2次元映像の表示と3次元映像の表示とを切り替える。なお、視差用LCDパネル13は、R(赤),G(緑),B(青)をそれぞれ表示する3つのドットが1組で1ピクセルを形成している。
表示用LCDパネル13は、3次元映像表示時には、制御部14の指示により、3次元映像用の視差を有する映像(視差映像)を、所定の周波数で順次切り替えて表示する。本実施形態の表示用LCDパネル13は、右眼用の2つの映像(第1右眼用映像、第2右眼用映像)と左眼用の2つの映像(第1左眼用映像、第2左眼用映像)の合計4つの視差映像を表示する。なお、表示する視差映像の数は、4つに限らず、適宜設定してよい。
【0021】
光源部11は、面光源部111と、視差用LCDパネル112とを備え、表示用LCDパネル13を背面から照明する光を発光する装置である。
面光源部111は、面状に光を発する部分であり、視差用LCDパネル112を背面から照明する。面光源部111は、例えば、直下型の面光源装置や、エッジライト型の面光源装置等を用いることができる。面光源部111は、発光源として、冷陰極管等の線光源や、LED(Light Emitting Diode)等の点光源を用いてもよいし、有機EL(Electro Luminescence)や無機ELのような面光源を用いてもよい。
【0022】
視差用LCDパネル112は、2枚のガラス基板113,114と、2枚のガラス基板113,114の間に封止された液晶層115とを備える略平板状の部材であり、表示用LCDパネル13と略同様の画面サイズを有している。視差用LCDパネル112は、液晶層115に、マトリクス状に画素(ドット)が配列されており、5760×1080ドット(1920×1080ピクセル相当)である。この視差用LCDパネル112は、カラーフィルター等を備えておらず、面光源部111からの光を、制御部14の指示により所定のドットから透過させる。
【0023】
本実施形態の視差用LCDパネル112は、図1(b)に示すように、画素(ドット)が、画面上下方向及び画面左右方向に配列されており、画面上下方向よりも画面左右方向の方が密に配列されている。本実施形態において、画面左右方向のドットの配列ピッチはP1であり、画面上下方向のドットの配列ピッチはP2である。
また、ドットは、画面左右方向に4列で1組となっており、この1組におけるドットの画面左右方向の列の数は、表示用LCDパネルが表示する視差映像の数(本実施形態では、4つ)に対応している。
視差用LCDパネル112は、制御部14の指示により、3次元映像表示時には、表示用LCDパネル13の視差映像の表示の切り替えと同期して、表示用LCDパネル13が表示する視差映像に対応するドットから光を透過し、それ以外のドットは光を遮蔽する。本実施形態では、視差映像に対応して、画面左右方向の列ごとに光を透過又は遮蔽する。また、2次元映像表示時には、全てのドットから透過する。
【0024】
レンズシート12は、光源部11の観察面側(表示用LCDパネル13の背面側)に配置されている。図1(a)では、レンズシート12と視差用LCDパネル112は、厚み方向に所定の距離を離して配置されている様子を示しているが、視差用LCDパネル112の出射側のガラス基板114に接して配置される形態としてもよい。
このレンズシート12は、出射側の面に、凸形状の単位レンズ121がシート面に沿って一方向に複数配列された基材層122を、接合層123を介してガラス基板124に接合して一体に形成されている。
基材層122は、熱可塑性樹脂製等のシート状の部材であり、その出射側の面に単位レンズ121が複数配列されて形成されている。
単位レンズ121は、いわゆるシリンドリカルレンズであり、略円柱形状の一部形状である。単位レンズ121は、画面上下方向を長手方向とし、画面左右方向に配列されている。この単位レンズ121は、紫外線硬化型樹脂製である。この単位レンズ121の配列ピッチはPである。単位レンズ121は、略楕円柱形状の一部形状としてもよい。
ここで、シート面とは、各シートにおいて、そのシート全体として見たときにおける、シートの平面方向となる面を示すものであり、本明細書中、及び、特許請求の範囲においても同一の定義として用いている。例えば、レンズシート12のシート面は、レンズシート12全体として見たときにおける、レンズシート12の平面方向となる面であり、レンズシート12の入射面(光源部11側の面)と平行な面である。
【0025】
接合層123は、基材層122の光源部11側(背面側)の面とガラス基板124の観察面側の面とを接合する層である。接合層123としては、例えば、感圧接着剤や紫外線硬化型の粘着剤や接着剤等が用いられる。
ガラス基板124は、レンズシート12の最も光源部11側に配置される。このガラス基板124は、レンズシート12と視差用LCDパネル112とが積層される場合等に、シート面の法線方向における単位レンズ121の焦点の位置が、視差用LCDの画素の位置(液晶層115の位置)と略一致するように、その厚みが設計される。
なお、このレンズシート12は、基材層122の厚さをより厚くする等してガラス基板124を接合しない形態としてもよいし、熱溶融押出成形により基材層122と単位レンズ121とを一体に形成してもよい。
【0026】
制御部14は、表示用LCDパネル13に2次元映像の表示と3次元映像の表示との切り替えを指示したり、3次元映像表示時には、表示用LCDパネル13の視差映像の表示の切り替えと視差用LCDパネル112の開口するドットの切り替えとを同期させ、それぞれの切り替えを指示する。
【0027】
本実施形態の表示用LCDパネル13は、ドット115aが光を透過するときに、第1左眼用映像を表示し、ドット115bが光を透過するときに、第2左眼用映像を表示し、ドット115cが光を透過するときに、第2右眼用映像を表示し、ドット115dが光を透過するときに、第1右眼用映像を表示する。
また、本実施形態の表示装置10は、画面左右方向において、観察者Oから見て、第1左眼用映像光は、画面正面方向に対して約10°左側に主として出射し、第2左眼用映像光は、画面正面方向に対して約5°左側に主として出射し、第2右眼用映像光は、画面正面方向に対して約5°右側に主として出射し、第1右眼用映像光は、画面正面方向に対して約10°右側に主として出射し、これらの視差映像が所定の周波数で表示され、切り替わることにより、良好な3次元映像が観察可能となるように設計されている。
【0028】
図2は、第1実施形態のレンズシート12及び光源部11の一部を拡大した図である。図2は、レンズシート12及び視差用LCDパネル112を画面左右方向に平行な断面で切断した断面の一部を拡大して示しており、図2(a)〜(d)は、それぞれドット115a〜115dが光を透過する場合を示している。なお、図2では、理解を容易にするために、レンズシート12の各部(単位レンズ121、基材層122、接合層123、ガラス基板124)や視差用LCDパネル112出射側のガラス基板114等は、全て同じ屈折率であるとして示している。
面光源部111から出射した光(拡散光)は、視差用LCD112へ入射する。ここで、制御部14の指示により、表示用LCDパネル13は、第1左眼用映像を表示しているとすると、制御部14の指示により、図2(a)に示すように、視差用LCDパネル112は、その視差映像にあわせた出射部であるドット115aから光を透過し、他のドット115b,115c,115dを遮蔽している。従って、ドット115aを通った光が、レンズシート12に入射する。
そして、レンズシート12に入射した光は、図2(a)中に矢印で示すように、対応する単位レンズ121から、画面左右方向において観察者Oから見て左側へ約10°の方向をピークとして約5〜15°の範囲内へ出射される。このとき、表示用LCDパネル13が第1左眼用映像を表示しているので、第1左眼用映像の光は、観察者Oの左眼側であって、画面左右方向において観察者Oから見て左側へ約10°の方向をピークとして約5〜15°の範囲内へ出射される。
【0029】
同様に、例えば、表示用LCDパネル13が第2左眼用映像を表示するとき、制御部14の指示より、図2(b)に示すように、第2左眼用映像に対応するドット115bが光を透過する。そして、面光源部111から出射した光は、ドット115bを透過してレンズシート12に入射し、対応する単位レンズ121から画面正面方向において観察者Oから見て左側へ対して約5°の方向をピークとして約0〜10°の範囲内へ出射される。これにより、第2左眼用映像の光は、観察者Oの左眼側であって、画面左右方向において観察者Oから見て左側へ約5°の方向をピークとして約0〜10°の範囲内へ出射される。
【0030】
また、表示用LCDパネル13が第2右眼用映像を表示するとき、制御部14の指示より、図2(c)に示すように、第2右眼用映像に対応するドット115cが光を透過する。そして、面光源部111から出射した光は、ドット115cを透過してレンズシート12に入射し、対応する単位レンズ121から画面正面方向において観察者Oから見て右側へ対して約5°の方向をピークとして約0〜10°の範囲内へ出射される。これにより、第2右眼用映像の光は、観察者Oの右眼側であって、画面左右方向において観察者Oから見て右側へ約5°の方向をピークとして約0〜10°の範囲内へ出射される。
【0031】
さらに、表示用LCDパネル13が第1右眼用映像を表示するとき、制御部14の指示より、図2(d)に示すように、第1右眼用映像に対応するドット115dが光を透過する。そして、面光源部111から出射した光は、ドット115dを透過してレンズシート12に入射し、対応する単位レンズ121から、画面正面方向において観察者Oから見て右側へ対して約10°の方向をピークとして約5〜15°の範囲内へ出射される。これにより、第1右眼用映像の光は、観察者Oの右眼側であって、画面左右方向において観察者Oから見て右側へ約10°の方向をピークとして約5〜15°の範囲内へ出射される。
【0032】
表示用LCDパネル13の表示する4つの視差映像は、高速で順次切り替わり(例えば、240Hz)、表示用LCDパネル13の表示する4つの視差映像の切り替えと、視差用LCDパネル112のドット115a〜115dからの光の出射とは、制御部14の指示により、同期して高速で行われるので、表示用LCDパネル13の観察面に表示される映像を、観察者Oが立体視用の眼鏡を使わなくても3次元映像として観察可能である。
また、各視差映像は、1フレームにおいて表示用LCDパネル13の有効範囲内の画素を略全て使用して表示され、表示用LCDパネル13の画面の解像度を落とすことなく3次元映像を表示できるので、良好な3次元映像を表示できる。
【0033】
また、表示用LCDパネル13が2次元映像を表示する場合には、制御部14の指示により、視差用LCDパネル112のドット115a〜115dの全てから光が出射する。そして、視差用LCDパネル112を透過した光は、レンズシート12によって集光・拡散されて表示用LCDパネル13に入射し、表示用LCDパネル13に表示される映像を背面から照明し、良好な2次元映像を表示できる。
また、本実施形態の表示装置10は、2次元映像に関しても、1フレームを表示用LCDパネル13の有効画面内の全ての画素を使用して表示できるので、2次元映像の解像度も落とすことなく、良好な映像を表示できる。
さらに、表示用のLCDパネルの観察面上にレンズシートを配置した従来の3次元映像表示可能な表示装置では、2次元映像を表示する場合に、単位レンズによって映像光が断続的に出射するために生じるスプリット等の表示不良が問題であった。しかし、本実施形態の表示装置10は、レンズシート12が表示用LCDパネル13の背面側に配置されるので、そのようなスプリットが生じることがない。
【0034】
以上のことから、本実施形態によれば、観察者が裸眼で観察可能な3次元映像を高い解像度で良好に表示でき、かつ、2次元映像表示時にもスプリット等が低減され、解像度の高い良好な2次元映像を表示できる。
【0035】
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態の表示装置20を示す図である。図3(a)は、表示装置20の構成を説明する図であり、図3(b)は、光源部21の一部を正面方向から見た図である。
第2実施形態の表示装置20は、視差用LCDパネル112等を備える光源部11を備えず、光源部21を備えている点が、前述の第1実施形態の表示装置10とは異なる以外は、第1実施形態の表示装置10と略同様の形態である。従って、前述の第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
表示装置20は、光源部21と、レンズシート22と、表示用LCDパネル13と、制御部14等とを備える液晶透過型表示装置である。この表示装置20は、表示用LCDパネル13に表示された映像を、光源部21及びレンズシート22によって背面側から照明することにより、2次元映像や3次元映像の表示が可能である。
【0036】
本実施形態のレンズシート22は、基材層222と単位レンズ121とを備えており、接合層やガラス基板を備えていない。基材層222は、熱可塑樹脂製のシート状の部材であり、このレンズシートのベースとなる層である。また、単位レンズ121は、前述の第1実施形態の単位レンズ121と略同様の形状である。なお、本実施形態のレンズシートとして、ガラス基板124を備える第1実施形態のレンズシート12と同様の形態のレンズシートを使用することも可能である。
【0037】
光源部21は、板状の支持部材211上に、マトリクス状に点光源212が配列されており、表示用LCDパネル13を背面から照明する。点光源212は、LED等が用いられる。
この光源部21の点光源212は、図3(b)に示すように、画面左右方向及び画面上下方向に所定のピッチで複数配列されている。本実施形態の表示用LCDパネル13が4つの視差映像を表示するので、これに対応し、画面左右方向において1つの単位レンズ121に対応する点光源212は、4つ(点光源212a〜212d)となっている。
この光源部21は、2次元映像表示時には、制御部14の指示により、全ての点光源212を点灯する。また、光源部21は、3次元映像表示には、制御部14の指示により、表示用LCDパネル13の表示する視差映像の切り替えに合わせて、対応する点光源212の発光と消灯とを繰り返す。本実施形態では、視差映像に対応して、画面左右方向の列ごとに点光源212が点灯又は消灯する。
【0038】
図4は、第2実施形態のレンズシート22及び光源部21の一部を拡大した図である。図4では、一例として、表示用LCDパネル13が第2左眼用映像を表示し、点光源212bが点灯している様子を示している。なお、図4では、理解を容易にするために、レンズシート22の単位レンズ121と基材層222とは、同じ屈折率であるとして示している。
制御部14の指示により、表示用LCDパネル13が、第2左眼用映像を表示するとき、光源部21は、制御部14の指示により、第2左眼用映像に対応する点光源212bを点灯し、他の点光源212a,212c,212dを消灯する。
このとき、点光源212bから出射した光は、図4中に矢印で示すように、レンズシート22に入射し、対応する単位レンズ121から、画面左右方向において、画面正面方向に対して観察者Oから見て左側へ約5°の方向をピークとして約0〜10°の範囲内へ出射される。これにより、第2左眼用映像の光は、観察者Oの左眼側であって、画面左右方向において画面正面方向に対して観察者Oから見て左側へ約5°の方向をピークとして約0〜10°の範囲内へ出射される。
【0039】
同様に、制御部14の指示により、表示用LCDパネル13が第1左眼用映像を表示するとき、光源部21は、点光源212aが点灯し、他の点光源212b,212c,212dが消灯する。このとき、点光源212aから出射した光は、レンズシート22に入射し、対応する単位レンズ121から、画面左右方向において、画面正面方向に対して観察者Oから見て左側へ約10°の方向をピークとして約5〜15°の範囲内へ出射される。これにより、第1左眼用映像の光は、観察者Oの左眼側であって、画面左右方向において画面正面方向に対して観察者Oから見て左側へ約10°の方向をピークとして約5〜15°の範囲内へ出射される。
【0040】
また、制御部14の指示により、表示用LCDパネル13が第2右眼用映像を表示するとき、光源部21は、点光源212cが点灯し、他の点光源212a,212b,212dが消灯する。このとき、点光源212cから出射した光は、レンズシート22に入射し、対応する単位レンズ121から、画面左右方向において、画面正面方向に対して観察者Oから見て右側へ約5°の方向をピークとして主として約0〜10°の範囲内へ出射される。これにより、第2右眼用映像の光は、観察者Oの右眼側であって、画面左右方向において画面正面方向に対して観察者Oから見て右側へ約5°の方向をピークとして主として約0〜10°の範囲内へ出射される。
【0041】
さらに、制御部14の指示により、表示用LCDパネル13が第1右眼用映像を表示するとき、光源部21は、点光源212dが点灯し、他の点光源212a,212b,212cが消灯する。このとき、点光源212dから出射した光は、レンズシート22に入射し、対応する単位レンズ121から、画面左右方向において、画面正面方向に対して観察者Oから見て右側へ約10°の方向をピークとして主として約5〜15°の範囲内へ出射される。これにより、第1右眼用映像の光は、観察者Oの右眼側であって、画面左右方向において画面正面方向に対して観察者Oから見て右側へ約10°の方向をピークとして主として約5〜15°の範囲内へ出射される。
【0042】
表示用LCDパネル13の表示する4つの視差映像と、各点光源212a〜212dの点灯及び消灯とは同期しており、制御部14の指示により、高速で表示用LCDパネルの表示する視差映像及び各点光源212a〜212dの発光は切り替わるので、表示用LCDパネル13の観察面には、観察者Oが立体視用の眼鏡を使わなくても観察可能な3次元映像が表示される。また、表示される3次元映像は、1フレームが表示用LCDパネル13の略全ての画素を用いて表示できるので、3次元映像の解像度が低下することがない。
【0043】
表示装置20は、2次元映像表示時には、点光源212が全て点灯し、レンズシート22によって集光・拡散されて表示用LCDパネル13に入射し、その表示される映像を背面から照明して、良好な2次元映像を表示できる。
また、表示装置20は、2次元映像に関しても、1フレームに表示用LCDパネル13の有効画面内の画素を全て使用して表示できるので、2次元映像の解像度も落とすことなく、良好な映像を表示できる。
さらに、表示装置20は、レンズシート22が表示用LCDパネル13の背面側に設けられており、従来の3次元映像表示可能な表示装置で問題となっていた2次元映像表示時のスプリット等の表示不良が生じない。
【0044】
従って、本実施形態によれば、解像度を落とすことなく3次元映像、2次元映像を表示できる。また、本実施形態によれば、立体視用の眼鏡等を用いることなく観察可能な3次元映像を表示できる。さらに、本実施形態によれば、2次元映像表示時のスプリット等の表示不良が生じない。
加えて、本実施形態によれば、表示装置20の構成を簡単にすることができ、第1実施形態の表示装置10に比べて、より薄型化することができる。
【0045】
(第3実施形態)
図5は、第3実施形態の表示装置30を示す図である。図5(a)は、表示装置30の構成を説明する図であり、図5(b)は、光源部31の一部を正面方向から見た図である。
第3実施形態の表示装置30は、点光源312が、シート面の法線方向及び画面左右方向(単位レンズの配列方向)において、単位レンズ121の焦点近傍に配列されている点が、前述の第2実施形態の表示装置20とは異なる以外は、第2実施形態の表示装置20と略同様の形態である。従って、前述の第1実施形態及び第2実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
表示装置30は、光源部31と、レンズシート22と、表示用LCDパネル13と、制御部14とを備える液晶透過型表示装置である。この表示装置30は、表示用LCDパネル13に表示された映像を、光源部31及びレンズシート22によって背面側から照明することにより、2次元映像の表示及び3次元映像の表示が可能である。
【0046】
光源部31は、板状の支持部材211の出射側の面上に、点光源312が、シート面の法線方向及び画面左右方向(単位レンズの配列方向)において、単位レンズ121の焦点近傍となる位置に画面左右方向に配列されている。光源部31は、表示用LCDパネル13を背面から照明する光源装置である。点光源312は、LED等が用いられる。
本実施形態では、点光源312が、画面左右方向に4つ配列されて1組の点光源部313となっている。この1組の点光源部313を形成する点光源312の数は、表示用LCDパネル13が表示する視差映像の数(本実施形態であれば4つ)に等しい。この点光源部313は、画面左右方向において単位レンズ121の焦点位置近傍となる位置に配置され、画面上下方向及び画面左右方向に複数配列されている。
【0047】
図6は、第3実施形態の光源部31の他の例を示す図である。図6(a)は、レンズシート22及び光源部31の一部を画面正面方向から観察した様子を示し、図6(b)は、画面左右方向に平行であって観察面に直交する断面の一部を拡大して示している。
本実施形態では、図5(b)に示すように、点光源部313を構成する点光源312a〜312dは、画面左右方向に一列に配列されている例を示しているが、これに限らず、例えば、図6(a),(b)に示すように、画面左右方向において単位レンズ121の焦点位置近傍となる位置であって画面上下方向に各点光源312が1つずつ段違いに配列され、点光源部313の各点光源312のなす列が画面左右方向に対して角度をなす形態としてもよい。
点光源312にLED等を用いる場合、図6(a)に示すように、その外形が発光部分eに比べて大きく、図5(b)のように画面左右方向に密接して配置することが困難な場合がある。このような場合には、図6(a),(b)に示すような配置方法を用いることにより、点光源部313の点光源を単位レンズ121の焦点位置近傍に配置することができる。
【0048】
図7は、第3実施形態のレンズシート22及び光源部31の一部を拡大した図である。図7では、一例として、表示用LCDパネル13が第2左眼用映像を表示し、点光源312bが点灯している状態を示している。なお、図7では、理解を容易にするために、レンズシート22の単位レンズ121と基材層222とは、同じ屈折率であるとして示している。
表示用LCDパネルが第2左眼用映像を表示するとき、図7に示すように、制御部14の指示により、光源部31は、点光源312bを点灯し、他の点光源312a,312c,312dは消灯する。点光源312bから出射した光は、レンズシート22に入射し、対応する単位レンズ121から、画面左右方向において画面正面方向に対して観察者Oから見て左側へ約5°をピークとして約0〜10°の範囲内へ出射する。
【0049】
3次元映像表示には、光源部31は、制御部14の指示により、前述の第2実施形態のように、表示用LCDパネル13が表示する視差映像の切り替えに同期して、順次、各点光源312a〜312dの発光と消灯とを繰り返す。従って、表示装置30は、立体視用の眼鏡等を用いることなく、また、解像度を落とすことなく、良好な3次元映像を表示できる。
一方、2次元映像表示時には、光源部31は、制御部14の指示により、全ての点光源312を点灯する。光源部31から発せられた光は、レンズシート22によって集光・拡散されて表示用LCDパネル13に入射し、表示される2次元映像を背面から照明する。従って、表示装置30は、スプリット等の表示不良が生じることがなく、また、解像度も落とすことなく、良好な2次元映像を表示できる。
【0050】
以上のことから、本実施形態によれば、解像度を落とすことなく良好な3次元映像や2次元映像を表示できる。
また、本実施形態によれば、表示装置30の構成を簡単にすることができ、第1実施形態の表示装置10に比べて、より薄型化することができる。
さらに、点光源部313は、単位レンズ121の焦点位置近傍に位置するので、3次元映像表示時に、点光源312a〜312dから出射した光が、対応する単位レンズ121ではなく、隣接する別の単位レンズ121に到達し、所望する方向から大きくはずれた方向へ出射する光量を大幅に低減できる。従って、ゴーストを低減し、良好な3次元映像を表示することができる。
【0051】
(第4実施形態)
図8は、第4実施形態の表示装置40を示す図である。図8(a)には、表示装置40の構成を説明する図であり、図8(b)は、光学シート45の画面左右方向の断面の一部を拡大した図を示している。
図8に示す第4実施形態の表示装置40は、光源部41とレンズシート22との間に、光学シート45を備えている点が、前述の第2実施形態の表示装置20とは異なる以外は、第2実施形態の表示装置20と略同様の形態である。従って、前述の第1実施形態及び第2実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
表示装置40は、光源部41と、レンズシート22と、光学シート45と、表示用LCDパネル13と、制御部14とを備える液晶透過型表示装置である。この表示装置40は、表示用LCDパネル13に表示された映像を、光源部41,光学シート45、レンズシート22によって背面側から照明することにより、2次元映像や3次元映像の表示が可能である。
【0052】
本実施形態の光源部41は、支持部材211と点光源212とを備えており、前述の第2実施形態の光源部21と略同様の光源部である。この光源部41は、この例に限らず、例えば、面光源部111及び視差用LCDパネル112等を備える第1実施形態の光源部11を用いてもよい。また、本実施形態のレンズシート22は、第1実施形態のレンズシート12としてもよい。
光学シート45は、図8(b)に示すように、光学シート基材層453と、光透過部451と光吸収部452とを有しており、そのシート面に直交し、画面左右方向(単位レンズ121の配列方向)に平行な断面において、光透過部451と光吸収部452とがシート面に沿って交互に配列されている。
光学シート基材層453は、光透過性を有する熱可塑性樹脂製等のシート状の部材であり、この光学シート45のベースとなる層である。
【0053】
光透過部451は、光学シート基材層453の光源部41側(背面側)に設けられ、光学シート45のシート面に直交し、画面左右方向(単位レンズ121の配列方向)に平行な断面における断面形状が、光源部41側における幅よりも観察面側における幅の方が広い略台形形状である。光吸収部452は、光学シート45のシート面に直交し、画面左右方向に平行な断面における断面形状が略楔形形状であり、スクリーン面に沿って光透過部451と交互に形成されている。なお、本実施形態の光吸収部452は、上述の断面における断面形状が光源部41側を底面側とする略二等辺三角形形状である。この光吸収部が配列されるピッチは、単位レンズの配列ピッチP以下である。
光透過部451は、光透過性を有する紫外線硬化型樹脂製であり、光吸収部452は、例えば、黒色顔料等を含有した紫外線硬化型樹脂である。この光透過部451と光吸収部452とは、その屈折率が等しい。
この光学シート45は、その厚さがT2であり、光透過部451の高さがh2であり、光吸収部452の配列ピッチがP3(ただし、P3≦P)、光学シート45の厚み方向における光吸収部452の高さはh2、底辺の幅はWである。
【0054】
図9は、第4実施形態のレンズシート22,光学シート45及び光源部41の一部を拡大した図である。図9では、一例として、表示用LCDパネル13が第2左眼用映像を表示し、点光源212bが点灯している状態を示している。図9では、理解を容易にするために、レンズシート22の各部(単位レンズ121、基材層222)及び光学シート45の各部(光学シート基材層453、光透過部451)は、全て同じ屈折率であるとして示している。
3次元映像表示には、光源部41は、制御部14の指示により、前述の第2実施形態のように、表示用LCDパネル13が表示する視差映像の切り替えに同期して、順次、各点光源212a〜212dの発光と消灯とを繰り返す。
表示用LCDパネルが第2左眼用映像を表示するとき、図9に示すように、制御部14の指示により、光源部41は、点光源212bを点灯し、他の点光源212a,212c,212dは消灯する。点光源212bから出射した光は、レンズシート22に入射し、対応する単位レンズ121から、画面左右方向において画面正面方向に対して観察者Oから見て左側へ約5°をピークとして約0〜10°の範囲内へ出射する。
このとき、一般的に点光源212が発する光は拡散光であるため、対応する単位レンズ121だけではなく、隣接する単位レンズ121から所望する方向とは大きくはずれた方向へ光が出射する場合がある。
しかし、光学シート45を用いることにより、そのような光(例えば、図9中の光Ld)を吸収することができ、そのような光が迷光となって生じるゴースト等を低減できる。
【0055】
一方、2次元映像表示時には、光源部41は、制御部14の指示により、全ての点光源212を点灯する。光源部41から発せられた光は、レンズシート22によって集光・拡散されて表示用LCDパネル13に入射し、表示される2次元映像を背面から照明する。従って、表示装置40は、スプリット等の表示不良が生じることがなく、また、解像度も落とすことなく、良好な2次元映像を表示できる。
【0056】
よって、本実施形態によれば、解像度を落とすことなくゴーストを低減し、良好な3次元映像を表示することができる。
また、2次元映像表示時においても、良好な映像を表示できる。
【0057】
(実施例1)
実施例1の表示装置について説明する。実施例1の表示装置は、第1実施形態の表示装置10の実施例に相当する。
実施例1の表示装置10は、以下の通りである。
表示用LCDパネル13は、有効画面サイズが42インチワイドサイズ、FHD(full high definition:フルハイビジョン)であり、1画素(RGB1セット)のピッチは484.5μmであり、その解像度は、1920×1080ピクセルである。
【0058】
レンズシート12の単位レンズ121の曲率半径が0.750mm、単位レンズ121の配列ピッチPが0.646mmであり、単位レンズ121は、紫外線硬化型樹脂(ウレタンアクリレート系樹脂)製であり、その屈折率は1.55である。また、レンズシート12の基材層122は、PET樹脂製であり、その厚さが0.1mmである。単位レンズ121は、基材層122と単位レンズ121を成型する金型との間に紫外線硬化型樹脂を滴下して、基材層122を金型に押圧し、紫外線を照射して(1000mJ/cm、λ=365nm)硬化させた後、金型を離型することにより形成される。単位レンズ121が形成された基材層122とガラス基板124とは、紫外線硬化型の接着剤の層である接合層123により貼り合せられ、レンズシート12が形成されている。
ガラス基板124は、屈折率1.56(λ=578.3nm)のガラス製(BK−7)であり、その厚さが2.0mmである。
視差用LCDパネル112は、有効画面サイズが42インチワイドサイズ(5760×1080ドット)であり、開口率が90%であり、画面左右方向における画素(ドット)の配列ピッチP1=0.1615mm、画面上下方向における画素(ドット)の配列ピッチP2=0.4845mmである。
【0059】
面光源部111は、直下型の面光源装置である。この面光源部111は、±45°のランバート分布を有する。
制御部14は、表示用LCDパネル13に4視差分の映像を逐次表示させるものとし、各映像は、それぞれ240Hzで切り替えられるものとしている。また、制御部14は、この表示用LCDパネルの映像表示の切り替えに同期して、視差用LCDパネル112の各ドットの透過及び遮蔽を制御している。
この実施例1の表示装置10は、光源部11及びレンズシート12を組み合わせることにより、各ドット115a〜115dから透過した光が、それぞれ、画面左右方向において、画面正面方向に対して右側へ10°、5°、左側へ5°、10°方向に出射するように設計している。
【0060】
ここで、実施例1の表示装置10において、表示用LCDパネル13を背面から照明する面光源装置に相当する部分、即ち、レンズシート12及び光源部11からなる部分の画面左右方向における光強度分布を調べた。この光強度分布は、面光源部111を点灯して視差用LCDパネル112の各ドット115a〜115dから光を透過する場合について、それぞれシミュレーションにより求めた。この光強度分布は、画面の略中心を通り画面左右方向に平行な直線上において表示用LCDパネル13に到達する光の強度分布に相当する。
図10は、実施例1の面光源装置(光源部11及びレンズシート12からなる部分)における画面左右方向における光の出射強度分布を示す図である。縦軸は、最も大きい光強度を1とした場合の相対強度であり、横軸は画面左右方向における出射角度であり、横軸のマイナス方向は、観察者Oから見て画面左方向であり、横軸のプラス方向は、観察者Oから見て画面右方向である。
【0061】
図10に示すように、ドット115aから出射した光は、出射角度約−11°をピークとする方向へ出射し、ドット115bから出射した光は、出射角度約−2.2°をピークとする方向へ出射している。また、ドット115cから出射した光は、出射角度+2.2°をピークとする方向へ出射し、ドット151dから出射した光は、出射角度約+11°をピークとする方向へ出射している。これにより、表示装置10の正面方向に位置する観察者Oに対して、第1及び第2右眼用映像の光は、右眼側へ入射し、第1及び第2左眼用映像の光は左眼側へ入射し、これらの映像光は高速で切り替わるので、観察者Oが立体視用の眼鏡等を用いることなく観察可能であり、解像度の高い良好な3次元映像を表示できる。実際に、実施例1の表示装置10に3次元映像を表示したところ、解像度が高く、良好な3次元映像が裸眼で観察された。
【0062】
また、制御部14により、表示装置10の表示用LCDパネル13が表示する映像を2次元映像に切り替えた場合には、全てのドット115a〜115bから光が出射し、レンズシート12によって光源部11からの光は集光・拡散され、表示用LCDパネル13が背面から照明される。このとき、表示装置10は、スプリットのような表示不良がなく、高い解像度の2次元映像を表示できる。実際に実施例1の表示装置10に2次元映像を表示したところ、スプリット等がなく、解像度が高く、良好な2次元映像が観察された。
【0063】
(実施例2)
実施例2の表示装置について説明する。実施例2の表示装置20は、図3に示す第2実施形態の表示装置20の実施例に相当する。
実施例2の表示装置20は、点光源212として、白色光を発光するLED光源(日亜化学社製 NSSW206AT、ケース外形:3.8mm×0.6mm×1.0mm)を用いている。
レンズシート22の単位レンズ121の曲率半径が15.09mm、単位レンズ121の配列ピッチPが2.4mmであり、単位レンズ121は紫外線硬化型樹脂製であり、その屈折率が1.55である。レンズシート22の基材層222は、アクリル樹脂製であり、その屈折率が1.49であり、その厚みが7.5mmである。なお、実施例1のレンズシート12のように、実施例2のレンズシート22も、基材層222の厚みを薄くし、ガラス基板124を備える形態としてもよい。
実施例2の表示用LCDパネル13は、前述の実施例1の表示用LCDパネル13と同一仕様のものを用いる。
【0064】
実施例2の表示装置20により、3次元映像を表示して観察したところ、立体視用の眼鏡等を用いることなく、かつ、映像の解像度を落とすことなく、良好な3次元映像が視認可能であった。
また、2次元映像表示時に関しても、解像度を落とすことなく、かつスプリット等の表示不良もなく、良好な映像が観察された。
【0065】
(実施例3)
実施例3の表示装置は、図5に示す第3実施形態の表示装置の実施例である。
実施例3の表示装置は、点光源として、実施例2と同様のLEDを用いている。このLEDは、前述のようにその外形の幅が0.6mm程度あり、図5に示すように単位レンズの焦点近傍に配置する場合、対応する単位レンズのレンズピッチは、非常に大きなものとなる。
従って、実施例3の表示装置では、図6に示すように、点光源部313の各点光源312a〜312dは、各点光源(LED光源)の発光部分eの形状(外形φ=350μm)分ずつ上下方向にずらして画面左右方向に配列された配置とした。
また、レンズシート22は、単位レンズ121の曲率半径が1.63mm、単位レンズ121の配列ピッチPが2.68mmであり、単位レンズ121は紫外線硬化型樹脂製であり、その屈折率が1.55である。基材層222は、PET樹脂製(コスモシャイン、A4300)であり、その厚さが0.250mmである。
実施例3の表示用LCDパネル13は、前述の実施例1の表示用LCDパネル13と同一仕様のものを用いている。
【0066】
図11は、実施例3の面光源装置(光源部31及びレンズシート22からなる部分)の画面左右方向における光の出射強度分布を示す図である。前述の図10と同様に、図11の縦軸は、相対強度であり、横軸は、画面左右方向における出射角度である。なお、横軸のマイナス方向は、観察者Oから見て画面右方向であり、横軸のプラス方向は、観察者Oから見て画面左方向である。この図11に示す光の出射強度分布は、前述の実施例1の面光源装置の光の出射強度分布と同様に、実施例3の面光源装置において、シミュレーションにより求めた。
図11に示すように、点光源312a〜312dから出射した光は、それぞれ、出射角度約−11°、出射角度約−2.2°、出射角度+2.2°、出射角度+11°をピークとする方向へ出射している。これにより、実施例3の表示装置30により表示される3次元映像は、観察者Oが立体視用の眼鏡等を用いることなく、裸眼で明瞭に観察可能であり、かつ、解像度の高い明瞭な3次元映像を表示することができる。実際に、実施例3の表示装置30により3次元映像を表示したところ、解像度が高い良好な3次元映像が裸眼で観察された。
【0067】
また、実施例3の表示装置30により2次元映像を表示する場合には、点光源312がすべて点灯し、レンズシート22によって拡散・集光されて表示用LCDパネル13を照明する。そして、表示装置30は、スプリット等がなく、解像度の高い良好な2次元映像を表示することができる。実際に、実施例3の表示装置30により2次元映像を表示したところ、スプリット等がなく、解像度の高い良好な2次元映像が観察された。
さらに、図11に示す実施例3の面光源装置の光の出射強度分布では、図10に示す実施例1の面光源装置の光の出射強度分布に比べて、所定のピーク強度以外の方向に生じる光の強度のピークが大幅に低減されている。このような所望の方向からはずれた方向に生じる強度のピークを形成する光は、その強度が大きいと、表示装置をある角度から観察した場合、ゴーストとなって観察され、3次元映像が不明瞭となり、画質の低下を招く。
しかし、実施例3の面光源装置では、そのようなゴーストを生じさせる迷光が大幅に低減されており、実施例3の表示装置30は、ゴーストのない、より良好な3次元映像を表示することができる。
【0068】
(実施例4)
実施例4の表示装置40について説明する。
実施例4の表示装置40は、前述の図8に示す第4実施形態の表示装置40の実施例である。なお、実施例4の表示装置40は、表示用LCDパネル13、レンズシート12はいずれも実施例1の表示装置10と同一仕様のものを用いた。また、実施例4の表示装置40では、光源部41として実施例1の光源部11と同一仕様のものを用いており、この光源部41は、±45°のランバート分布を有する面光源部111を用いている。
光学シート45は、その厚さT2=358μmであり、光透過部451の高さh2=170μm、光吸収部452の配列ピッチP3=60μm、光吸収部452の底辺の幅W=28μm、光吸収部452の高さh3=150μmである。
【0069】
ここで、比較例の表示装置を用意して、実施例4の表示装置40と、その面光源装置部分の光の出射強度分布を比較した。比較例の表示装置は、光学シート45を備えていない点が異なる以外は、実施例4の表示装置40と略同形状の表示装置である。
図12は、実施例4の面光源装置(光源部11,光学シート45,レンズシート12からなる部分)及び比較例の面光源装置(光源部11,レンズシート12からなる部分)のドット115a(図1参照)を点灯した場合における光の出射強度分布を比較する図である。図12(a)は、比較例の面光源装置の強度分布を示し、図12(b)は、実施例4の面光源装置の強度分布を示している。図12(a),(b)の縦軸は、相対強度であり、横軸は、画面左右方向における出射角度であり、横軸のマイナス方向は、観察者Oから見て画面左方向であり、横軸のプラス方向は、観察者Oから見て画面右方向である。
図13は、実施例4の面光源装置(光源部11,光学シート45,レンズシート12からなる部分)及び比較例の面光源装置(光源部11,レンズシート12からなる部分)のドット115b(図1参照)を点灯した場合における光の出射強度分布を比較する図である。図13(a)は、比較例の面光源装置の強度分布を示し、図13(b)は、実施例4の面光源装置の強度分布を示している。
図12及び図13に示すように、光学シート45を備えている実施例4の面光源装置では、光学シート45を備えていない比較例の面光源装置よりも、設定された出射強度のピークとなる方向から大きくそれた方向に生じる強度ピークが大幅に低減している。従って、実施例4の表示装置40は、迷光が大幅に低減され、ゴーストの低減効果が高く、良好な3次元映像を表示できる。
【0070】
以上のことから、各実施形態の表示装置によれば、3次元映像も2次元映像も、表示用LCDパネル13の有効画面内の画素を略全て使用して1フレームの画像を表示できるので、解像度を落とすことなく、良好な映像を表示できる。
また、各実施形態の表示装置によれば、立体視用の眼鏡等が不要であり、3次元映像を観察者Oが裸眼で観察できるので、観察者Oは、眼鏡をかける煩雑さや不快感もなく、快適に3次元映像を観察できる。
さらに、第3実施形態及び第4実施形態によれば、迷光によるゴーストを大幅に低減でき、より明瞭な3次元映像を提供できる。
加えて、各実施形態の表示装置によれば、表示用LCDパネル13より観察者側にレンズシート12を配置する従来の表示装置において2次元映像表示時に発生していたスプリット等の表示不良が発生しないので、2次元映像表示時の表示不良が大幅に改善される。
【0071】
(変形形態)
以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)各実施形態において、レンズシート12,22の単位レンズ121は、画面左右方向に配列される例を示したが、これに限らず、例えば、画面左右方向に対してシート面内で角度α(0°<α<90°)をなす方向に配列してもよい。このように配列することにより、視差用LCDパネル112の画素等との間で生じるモアレを低減することができる。
【0072】
(2)第1実施形態において、視差用LCDパネル112を用いる例を示したが、この視差用LCDパネル112として、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)パネルを用いてもよい。高分子分散型液晶パネルは、偏光板、配向板を使用せず、制御部14の指示により、透過と拡散反射とを切り替える形態である。そのため、通常のTN液晶を用いる視差用LCDパネルよりも、光量の減衰が大幅に低減される。従って、高分子分散型液晶パネルを視差用LCDパネル112として用いることにより、より明るい画面を、より少ない電力で表示することができる。また、高分子分散型液晶パネルは、応答速度も速く、より多くの視差映像を表示する場合にも有効である。
【0073】
(3)各実施形態において、レンズシート12を、表示用LCDパネル13と光源部11,21,31,41の間に配置する例を示したが、これに限らず、例えば、レンズシートをLCDパネルの下側偏光板に配置する等してもよい。
図14は、変形形態のレンズシートの一例を示す図である。
図14(a)に示すように、表示用LCDパネル13の光源側の偏光板表面にレンズシート52を積層し、単位レンズ121が光源側に凸となる形状として配置してもよい。このレンズシート52は、例えば、前述の第2実施形態と同様な基材層222の入射側の面に単位レンズ121が形成されている。
また、図14(b)に示すように、単位レンズ121の逆型となるような凹形状の単位レンズ621を有するレンズシートを、表示用LCDパネル13の光源側の偏光板表面にレンズシート62を積層してもよい。
【0074】
(4)第2〜第4実施形態において、光源部21,31,41はLEDが複数配列される例を示したが、これに限らず、例えば、有機EL(Electro Luminescence)を用いた光源や、PDP(Plasma Display Panel)等を光源として用いてもよい。
【0075】
(5)各実施形態において、レンズシート12,22の表面に、ハードコート処理や、反射防止処理等を適宜施してもよい。反射防止処理は、WET方式やDRY方式等の処理によるものや、モスアイ型の微小形状を形成する方式等、適宜選択して用いることができる。反射防止処理をレンズシートの表面に施す事により、光の透過率を高め、より明るい映像の表示を行うことができる。
【0076】
(6)第1実施形態において、面光源部にエッジライト型の面光源装置を用いる場合、導光板側の面に単位プリズムが複数配列されたプリズムシートを導光板より出射側に配置してもよい。このようなプリズムシートを配置することにより、導光板から出射する光を観察者Oの方向へ効率よく立ち上げることができる。
【0077】
(7)各実施形態において、表示用LCDパネル13が表示する視差映像は、4つ(第1左眼用映像、第2左眼用映像、第2右眼用映像、第1右眼用映像)である例を示したが、これに限らず、表示用LCDパネル13が表示する視差映像の数は2つでもよいし、6つ等でもよいし、適宜自由に設定してよい。
【0078】
(8)第2〜第4実施形態において、点光源が配置される支持板の点光源側の表面は、黒色等の光を吸収する色に形成してもよい。このような構成とすることにより、支持板表面で反射した光が迷光となることを大幅に低減できる。
【0079】
(9)第4実施形態において、光透過部451は、画面左右方向における断面形状が、その光源部41側の幅がレンズシート側の幅よりも小さい略台形形状である例を示したが、これに限らず、例えば、光透過部451のその断面形状は、その光源部41側の幅がレンズシート側の幅よりも大きい略台形形状としてもよいし、略正方形形状や、略矩形形状等としてもよい。
また、光透過部451及び光吸収部452の屈折率は等しい例を示したが、これに限らず、例えば、光透過部451と光吸収部452とは、僅かに屈折率を有していてもよい。
【0080】
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
【符号の説明】
【0081】
10,20,30,40 表示装置
11,21,31,41 光源部
111 面光源部
112 視差用LCDパネル
211 支持板
212,312 点光源
313 点光源部
12,22 レンズシート
121 単位レンズ
13 表示用LCDパネル
14 制御部
45 光学シート
451 光透過部
452 光吸収部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元映像又は3次元映像を選択して表示可能であり、
映像を表示可能な表示用透過型表示部と、
前記表示用透過型表示部を背面側から照明する光源部と、
前記表示用透過型表示部と前記光源部との間に配置され、一方の面にシート面に沿って一方向に略円柱形状の一部形状又は略楕円柱形状の一部形状である単位レンズが複数配列されているレンズシートと、
を備え、
3次元映像を表示する場合には、
前記表示用透過型表示部は、3次元映像の表示に用いられる2つ以上の視差映像を所定の周期で切り替えながら表示し、
前記光源部は、前記単位レンズの配列方向において、各前記単位レンズに対応する領域内に、前記視差映像の数に等しい数の光を出射する出射部を有し、前記表示用透過型表示部が表示する映像の切り替えに同期して、前記視差映像に対応する所定の前記出射部から光を出射し、
前記単位レンズは、前記光源部が出射した光を前記視差映像に対応した所定の方向へ出射し、
2次元映像を表示する場合には、
前記表示用透過型表示部は、2次元映像を表示し、
前記光源部は、全ての前記出射部から光を出射すること、
を特徴とする透過型表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の透過型表示装置において、
前記光源部は、
光を透過可能であってマトリクス状に配置されたドットを有する視差用透過型表示部と、
前記視差用透過型表示部を背面側から照明する面光源部と、
を備え、
前記視差用透過型表示部は、前記表示用透過型表示部が表示する前記視差映像に合わせて、所定の前記出射部である前記ドットが面光源部の光を透過又は遮蔽すること、
を特徴とする透過型表示装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の透過型表示装置において、
前記光源部は、光を発する複数の光源が少なくとも一方向に配列されていること、
を特徴とする透過型表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の透過型表示装置において、
前記光源部は、マトリクス状に配列された点光源を備えること、
を特徴とする透過型表示装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の透過型表示装置において、
前記光源部は、前記表示用透過型表示部が表示する前記視差映像の数に応じた複数の点光源が、前記レンズシートの焦点位置近傍に配置されること、
を特徴とする透過型表示装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の透過型表示装置において、
前記レンズシートの前記光源部側に、光学シートが配置されており、
前記光学シートは、
シート面に直交し、前記単位レンズの配列方向に平行な断面において、前記光源部側における幅よりも前記レンズシート側における幅のほうが広い略台形形状であり、シート面に沿って複数配列された光透過部と、
該断面においてシート面に沿って前記光透過部と交互に形成され、光を吸収する作用を有する光吸収部と、
を備えること、
を特徴とする透過型表示装置。
【請求項7】
請求項6に記載の透過型表示装置において、
前記光吸収部の屈折率と前記光透過部の屈折率差とは、略等しいこと、
を特徴とする透過型表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−78583(P2012−78583A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−224094(P2010−224094)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】