説明

通信システム、パケット中継装置、ユーザ端末及び通信方法

【課題】モバイル端末の課金管理はモバイルコアネットワーク内のノードで行っており、モバイルコアネットワークの負荷を軽減する目的でパケットのオフロードを行うと、課金管理が行えないという問題がある。そのため、通信事業者の課金管理と、モバイルコアネットワークの負荷低減と、を両立する通信システムが、望まれる。
【解決手段】通信システムは、パケットを送信する第1のノードと、モバイルコアネットワークに含まれ、第1のノードが送信するパケットの通信量が予め定めた閾値に到達すると、第1のノードが送信するパケットのオフロードを指示するトリガ信号を送信する第2のノードと、トリガ信号に基づき、モバイルコアネットワークをトラフィックオフロードする第3のノードと、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、パケット中継装置、ユーザ端末及び通信方法に関する。特に、パケットのオフロードを行う通信システム、パケット中継装置、ユーザ端末及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話等のモバイル端末によるデータの送受信が増加している。とりわけ、スマートフォン等の普及により、インターネット上のサーバにアクセスするデータ通信が増加している。また、モバイル端末は通信事業者が管理するモバイルコアネットワークを介して、インターネット上のサーバと接続する。その際、モバイルコアネットワーク内のノードにおいて、パケットの課金管理を行っている。しかし、通信事業者の持つモバイルコアネットワークの通信容量には、上限がある。
【0003】
そこで、モバイルコアネットワーク内のノードを経由せず、インターネット上のサーバにパケットを送信するオフロードと呼ばれる技術が、非特許文献1において開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】3GPP TR(Technical Report)23.829、“Local IP Access and Selected IP Traffic Offload (LIPA-SIPTO)”、[online]、[2011年7月20日検索]、インターネット〈URL:http://www.3gpp.org/ftp/specs/html-info/23829.htm>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
なお、上記先行技術文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。以下の分析は、本発明の観点からなされたものである。
【0006】
上述の非特許文献1で開示された技術を用いれば、モバイルコアネットワークの負荷を低減できる。しかし、通信事業者は、モバイル端末からのパケットを常にオフロードすることはできない。上述のように、モバイル端末の課金管理はモバイルコアネットワーク内のノードで行っているためである。即ち、モバイル端末から送信されるパケットを常にオフロードしてしまうと、送信パケットが課金管理を行っているノードを通過せず、パケットのカウントが行えない。パケットの課金管理が行えないと、通信事業者の課金収入が減少する。
【0007】
また、この問題を解決するため、オフロードを行うパケットを受信するノード(以下、オフロードポイントと呼ぶ)にパケットをカウントする機能を追加することが考えられる。しかし、すべてのオフロードポイントにパケットカウント機能を追加するとなれば、機器(ノード)の入替えやソフトウェアの更新等、多大なコストが必要になってしまう。
【0008】
以上のとおり、パケットのオフロードには、解決すべき問題点が存在する。そのため、通信事業者の課金管理と、モバイルコアネットワークの負荷低減と、を両立する通信システム、パケット中継装置、ユーザ端末及び通信方法が、望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の視点によれば、パケットを送信する第1のノードと、モバイルコアネットワークに含まれ、前記第1のノードが送信するパケットの通信量が予め定めた閾値に到達すると、前記第1のノードが送信するパケットのオフロードを指示するトリガ信号を送信する第2のノードと、前記トリガ信号に基づき、前記モバイルコアネットワークをトラフィックオフロードする第3のノードと、を備える通信システムが提供される。
【0010】
本発明の第2の視点によれば、パケットの送受信を行うパケット送受信インターフェイス部と、パケットの転送先を定める経路情報を記憶する記憶部と、前記パケット送受信インターフェイス部で受信するパケットのヘッダ情報を調査し、パケットがオフロードの対象となるか否かの情報を含む情報を出力するパケット調査部と、前記パケット調査部が出力する情報と前記経路情報とに基づいてパケットのカプセル化を行うパケット処理部と、パケットのオフロードを指示するトリガ信号に基づき、前記記憶部に記憶された前記経路情報を変更する経路情報変更部と、を含むオフロード制御部と、を備えるパケット中継装置が提供される。
【0011】
本発明の第3の視点によれば、アプリケーションが生成したパケットの送受信を制御するアプリケーションパケット制御部と、パケットの転送先を定める経路情報を記憶する記憶部と、パケットのオフロードを指示するトリガ信号に基づき、前記記憶部に記憶された前記経路情報を変更する経路情報変更部と、を含むオフロード制御部と、前記経路情報に基づき、前記アプリケーションパケット制御部が生成したパケットを送信するパケット転送部と、を備えるユーザ端末が提供される。
【0012】
本発明の第4の視点によれば、ユーザ端末から送信され、モバイルコアネットワークを通過するパケットの通信量をカウントする工程と、前記通信量が予め定めた閾値に達すると、前記ユーザ端末が送信するパケットのモバイルコアネットワークのトラフィックオフロードを指示するトリガ信号を送信する工程と、前記トリガ信号に基づき、前記ユーザ端末が送信するパケットをオフロードする工程と、を含む通信方法が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の各視点によれば、通信事業者の課金管理と、モバイルコアネットワークの負荷低減と、を両立する通信システム、パケット中継装置、ユーザ端末及び通信方法が、提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態の概要を説明するための図である。
【図2】モバイル端末からの送信パケットをオフロードする通信システムの一例を示す図である。
【図3】図2に示すパケット中継ノード20の内部構成の一例を示す図である。
【図4】図2に示すパケットカウント部301の動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る通信システムの構成の一例を示す図である。
【図6】図5に示すパケット中継ノード21の内部構成の一例を示す図である。
【図7】図6に示すオフロード制御部204の動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】図5に示すパケットカウント部302の動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】トリガ信号を使用しないオフロード制御部201で使用する経路情報の一例を示す図である。
【図10】トリガ信号を使用するオフロード制御部204で使用する経路情報の一例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る通信システムの構成の一例を示す図である。
【図12】図11に示すモバイル端末11の内部構成の一例を示す図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る通信システムの構成の一例を示す図である。
【図14】本発明の第4の実施形態に係る通信システムの構成の一例を示す図である。
【図15】本発明の第5の実施形態に係る通信システムの構成の一例を示す図である。
【図16】図15に示すパケット中継ノード23の内部構成の一例を示す図である。
【図17】図16に示すオフロード制御部205の動作の一例を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第6の実施形態に係る通信システムの構成の一例を示す図である。
【図19】図18に示すモバイル端末12の内部構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
初めに、図1を用いて一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。
【0016】
上述のように、モバイル端末の課金管理はモバイルコアネットワーク内のノードで行っており、モバイルコアネットワークの負荷を軽減する目的でパケットのオフロードを行うと、課金管理が行えないという問題がある。そのため、通信事業者の課金管理と、モバイルコアネットワークの負荷低減と、を両立する通信システム、パケット中継装置、ユーザ端末及び通信方法が、望まれる。
【0017】
そこで、一例として図1に示す通信システムを提供する。図1に示す通信システムは、パケットを送信する第1のノードと、モバイルコアネットワークに含まれ、第1のノードが送信するパケットの通信量が予め定めた閾値に到達すると、第1のノードが送信するパケットのオフロードを指示するトリガ信号を送信する第2のノードと、トリガ信号に基づき、モバイルコアネットワークをトラフィックオフロードする第3のノードと、を備えている。
【0018】
図1に示す通信システムでは、第2のノードで通信事業者のモバイルコアネットワークを通過するパケットをカウントすると共に、課金管理を実施する。さらに、第2のノードを通過したパケットが閾値を超えた場合には、外部のネットワークにパケットのオフロードを指示するトリガ信号を出力する。第3のノードでは、トリガ信号に基づいて、第1のノードが送信するパケットを、モバイルコアネットワークを経由する第2のノードに転送せず、モバイルコアネットワークをトラフィックオフロードする。
【0019】
このように、モバイルコアネットワークを通過するパケットについて、第1のノード(例えば、ユーザ端末)毎にパケット数をカウントし、通信量が閾値を超えたら外部のネットワーク(例えば、インターネット)にトラフィックオフロードさせる。その結果、通信事業者の課金管理と、モバイルコアネットワークの負荷低減と、が両立できる。
【0020】
本発明において下記の形態が可能である。
【0021】
[形態1]上記第1の視点に係る通信システムのとおりである。
【0022】
[形態2]前記通信システムは、さらに、前記第3のノードが、前記モバイルコアネットワークをトラフィックオフロードする際に、前記第1のノードが送信するパケットの転送先となる第4のノードを備えることが好ましい。
【0023】
[形態3]前記通信システムは、前記第1のノードを複数含むと共に、前記第2のノードは、前記複数の第1のノードが送信するパケットそれぞれについて前記モバイルコアネットワークをトラフィックオフロードするか否かを判断し、前記トリガ信号を出力することが好ましい。
【0024】
[形態4]前記通信システムは、前記第3のノードは、前記第1のノードが送信するパケットを前記第2のノードに中継するパケット中継装置であり、前記パケット中継装置は、前記トリガ信号を受信することで、前記第1のノードが送信するパケットの転送先に関する経路情報を前記第2のノードから前記第4のノードに変更することが好ましい。
【0025】
[形態5]前記通信システムは、前記第3のノードは、前記第1のノードが送信するパケットを、前記第2のノードに中継するパケット中継装置であり、前記パケット中継装置は、前記トリガ信号に基づいて、ネットワーク上のアクセスポイントの名前解決を実現する名前解決装置に対し、名前解決の対象を前記第2のノードから前記第4のノードに変更することが好ましい。
【0026】
[形態6]前記通信システムは、前記パケット中継装置は、前記パケット中継装置を通過するパケットからセッションの開始及び終了を検出することで、セッションの状態を管理し、前記トリガ信号を受信した後のセッションの開始時に前記経路情報の変更を行うことが好ましい。
【0027】
[形態7]前記通信システムは、前記第1及び第3のノードは同一の機器であるユーザ端末であり、前記ユーザ端末は、前記トリガ信号を受信する前は、パケットの転送先として前記第2のノードを選択し、前記トリガ信号を受信した後は、前記第4のノードを選択することが好ましい。
【0028】
[形態8]前記通信システムは、前記ユーザ端末は、前記トリガ信号を受信した後、さらに、セッションの開始時に、前記ユーザ端末から送信するパケットの転送先となるノードを、前記第2のノードから前記第4ノードに変更することが好ましい。
【0029】
[形態9]前記通信システムは、前記第3のノードは、ネットワーク上のアクセスポイントの名前解決を実現する名前解決装置であり、前記名前解決装置は、前記第2のノードに関する名前解決要求に対し、前記第4のノードのアドレスを応答することが好ましい。
【0030】
[形態10]前記通信システムは、前記第2のノードは、3GPP(3rd Generation Partnership Project)のGGSN(Gateway GPRS Support Node)、又は、PGW(PDN Gateway)のいずれか、又は、その組み合わせにより構成されることが好ましい。
【0031】
[形態11]前記通信システムは、前記パケット中継装置は、3GPPのL−PGW(Local PDN Gateway)、L−GGSN(Local GGSN)、TOF(Traffic Offload Function)、SGSN(Serving GPRS Support Node)、SGW(Serving Gateway)のいずれか、又は、その組み合わせで構成されることが好ましい。
【0032】
[形態12]上記第2の視点に係るパケット中継装置のとおりである。
【0033】
[形態13]前記パケット中継装置は、さらに、前記オフロード制御部は、前記パケット送受信インターフェイス部で受信するパケットからセッションの開始及び終了を検出することで、セッションの状態を管理するセッション管理部を含み、前記経路情報変更部は、前記トリガ信号を受信した後のセッションの開始時に前記経路情報の変更を行うことが好ましい。
【0034】
[形態14]上記第3の視点に係るユーザ端末のとおりである。
【0035】
[形態15]前記ユーザ端末は、さらに、前記オフロード制御部は、前記アプリケーションパケット制御部が生成したパケットからセッションの開始及び終了を検出することで、セッションの状態を管理するセッション管理部を含み、前記経路情報変更部は、前記トリガ信号を受信した後のセッションの開始時に前記経路情報の変更を行うことが好ましい。
【0036】
[形態16]上記第4の視点に係る通信方法のとおりである。
【0037】
次に、通信システムの一例について説明する。
【0038】
図2は、モバイル端末からの送信パケットをオフロードする通信システムの一例を示す図である。
【0039】
図2に示す通信システムは、モバイル端末10と、パケット中継ノード20と、外部パケット網インターフェイスノード30と、サーバ装置40と、ゲートウェイ50と、無線アクセスネットワーク60と、モバイルコアネットワーク70と、インターネット80から構成されている。
【0040】
図2に示す通信システムでは、モバイル端末10から無線アクセスネットワーク60を介して、サーバ装置40にアクセスが行われる。その際に、モバイルコアネットワーク70を経由するか否かを選択可能である。ここで、モバイル端末10から送信されたパケットが、パケット中継ノード20、外部パケット網インターフェイスノード30を経由してサーバ装置40に到達する経路を通常経路とする。さらに、モバイル端末10から送信されたパケットが、外部パケット網インターフェイスノード30を経由せず、サーバ装置40に到達する経路をオフロード経路とする。
【0041】
モバイル端末10からインターネット80上のサーバ装置40のリソースに対してアクセスする場合には、パケット中継ノード20が、モバイル端末10からの送信パケット(リクエストパケット)のヘッダ情報に基づき、インターネット80上のサーバ装置40に宛てたものか否かを判断する。さらに、パケット中継ノード20においてパケットのオフロードが必要であると判断された場合には、モバイル端末10から送信されたパケットの送信元アドレスをパケット中継ノード20のアドレスに書き換えた上で、インターネット80と接続されているオフロード用のゲートウェイ50にパケットを送信する。送信元アドレスが書き換えられたパケットを受け取ったサーバ装置40は、返信パケットをパケット中継ノード20に向けて送信する。
【0042】
パケット中継ノード20では、モバイル端末10からサーバ装置40へのパケット送信履歴に基づき、サーバ装置40から受け取ったパケットをモバイル端末10に送信する。このように、モバイル端末10とサーバ装置40間のアクセスにおいて、モバイルコアネットワーク70を通過させずにパケットの送受信を実現する(オフロードを実行する)。即ち、モバイルコアネットワーク70の内部に存在するノードを経由することなく、モバイル端末10はインターネット80上のサーバ装置40にアクセスできる。なお、送信パケットのヘッダ情報を書き換えた後は、それ以降の同じサーバ装置40へのアクセスにはすべて同様の処理を行うことになる。
【0043】
次に、パケット中継ノード20について説明する。
【0044】
パケット中継ノード20は、モバイル端末10とサーバ装置40が行う通信経路の途中に存在し、モバイル端末10から送信されるパケットのヘッダ情報から外部パケット網インターフェイスノード30を経由させるか否かを判断する。若しくは、パケットのヘッダ情報に基づかず、予め定めた規則に従って経路制御を行う場合もある。
【0045】
図3は、パケット中継ノード20の内部構成の一例を示す図である。
【0046】
パケット中継ノード20は、オフロード制御部201と、パケット送受信インターフェイス部202と、パケット転送部203から構成されている。
【0047】
オフロード制御部201は、モバイル端末10から送信されるパケットの経路制御の実体を担う。オフロード制御部201は、パケット調査部211と、パケット処理部221から構成されている。パケット中継ノード20を通過するパケットは、パケット送受信インターフェイス部202及びパケット転送部203を経由して、パケット調査部211に送られる。
【0048】
パケット調査部211では、予め定められた規則に基づいて、パケット中継ノード20を通過するパケットがオフロードの対象となるか否かを判断する。その際の判断は、各パケットのヘッダ情報に基づく。判断結果は、パケット処理部221に出力される。
【0049】
パケット処理部221では、パケット調査部211における判断結果に基づきパケットのカプセル化又はデカプセル化等の処理を実行する。その後、パケット処理部221で処理したパケットを、パケット転送部203及びパケット送受信インターフェイス部202を介して外部ノードに送出する。
【0050】
次に、外部パケット網インターフェイスノード30について説明する。
【0051】
外部パケット網インターフェイスノード30は、モバイル端末10に対して、モバイルコアネットワーク70の外部にあるサーバ装置40へのネットワーク接続を提供する。外部パケット網インターフェイスノード30には、パケットカウント部301が含まれており、パケットカウント部301において課金管理を行う。同時に、外部パケット網インターフェイスノード30からインターネット80上のサーバ装置40に対して、パケットの送信が行われる。
【0052】
図4は、パケットカウント部301の動作の一例を示すフローチャートである。
【0053】
パケットカウント部301では、パケットを受け付けたか否かを判断し(ステップS01)、パケットを受け付けた場合には、パケット数をカウントする(ステップS02)。通信事業者は、カウントしたパケット数に基づいて課金管理を行う。
【0054】
このように、モバイル端末10から送信されたパケットの課金管理は、外部パケット網インターフェイスノード30において実現している。そのため、モバイル端末10から送信されたパケットが、通常経路でサーバ装置40に中継される場合には、通信事業者の課金管理に支障がでることはない。しかし、モバイルコアネットワーク70の負荷を低減させる目的で、オフロード経路でパケットがサーバ装置40に中継される場合には、外部パケット網インターフェイスノード30を経由しないので、課金管理が行えない。
【0055】
なお、図2に示す通信システムにおいては、パケット中継ノード20にオフロード制御部201が含まれている場合を説明したが、モバイル端末10においてオフロード制御部201に相当する機能を実施させてもよい。
【0056】
その場合、モバイル端末10の内部のオフロード制御部において、パケット毎又はセッション毎に、通常の経路である外部パケット網インターフェイス30を経由するか、又は、インターネット80と接続されているオフロード用のゲートウェイ50に、パケットを送信するか判断する。
【0057】
オフロード用のゲートウェイ50にパケットを送信する際には、オフロード用のゲートウェイ50にパケットを中継させるように宛先アドレスを書き換える。即ち、モバイル端末10にオフロード制御部が含まれていても、インターネット80上のサーバ装置40に対して、モバイルコアネットワーク70を経由せずにアクセスできる。
【0058】
ここで、第3世代携帯電話(3G)システムや、LTE(Long Term Evolution)システム等の3GPP(3rd Generation Partnership Project)で定められたシステムにおいては、パケット中継ノードは以下の論理ノード、即ち、SGW(Serving Gateway)、SGSN(Serving GPRS Support Node)、L−PGW(Local PDN Gateway)、L−GGSN(Local GGSN)、又は、TOF(Traffic Offload Function)のいずれか、又は、その組み合わせで構成される。さらに、外部パケット網インターフェイスノードは、以下の論理ノード、GGSN(Gateway GPRS Support Node)、又は、PGW(PDN Gateway)のいずれか、又は、その組み合わせで構成される。このことは、以下の実施形態すべてに共通する。
【0059】
[第1の実施形態]
次に、本発明の第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
【0060】
図5は、本実施形態に係る通信システムの構成の一例を示す図である。
【0061】
図5に示す通信システムは、モバイル端末10と、パケット中継ノード21と、外部パケット網インターフェイスノード31と、サーバ装置40と、ゲートウェイ50と、無線アクセスネットワーク60と、モバイルコアネットワーク70と、インターネット80から構成されている。図5において、図2と同一構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。モバイル端末10は、図2に示す通信システムと同様に、サーバ装置40にアクセスする。
【0062】
外部パケット網インターフェイスノード31には、パケットカウント部302が含まれている。パケットカウント部302は、外部パケット網インターフェイスノード31を通過するパケットの個数又はバイト数をカウントする。さらに、通過するパケットのカウント値が予め定められた閾値に達するとパケット中継ノード21に対してトリガ信号を出力する。なお、パケットカウント部302におけるパケットのカウントはモバイル端末毎に行う。即ち、無線アクセスネットワーク60には複数のモバイル端末が接続可能であり、複数のモバイル端末のそれぞれについてパケットのカウントを行い、それぞれのモバイル端末に対応したトリガ信号を出力する。
【0063】
次に、パケット中継ノード21とパケットカウント部302について説明する。
【0064】
初めに、パケット中継ノード21の内部構造及び動作について説明する。
【0065】
図6は、パケット中継ノード21の内部構成の一例を示す図である。
【0066】
パケット中継ノード21は、パケット送受信インターフェイス部202と、パケット転送部203と、オフロード制御部204から構成されている。パケット送受信インターフェイス部202及びパケット転送部203については、図3を用いて説明を行ったので、更なる説明は省略する。
【0067】
オフロード制御部204は、パケット調査部211と、パケット処理部221と、記憶部231と、経路情報変更部241から構成されている。パケット調査部211とパケット処理部221については、図3を用いて説明を行ったので、更なる説明は省略する。
【0068】
記憶部231は、モバイル端末10から送信されるパケットの宛先とその宛先に基づいてパケットを送信する物理インターフェイスと、の関係を示す経路情報を格納する。記憶部231に記憶する経路情報については後述する。
【0069】
経路情報変更部241は、外部パケット網インターフェイスノード31が出力するトリガ信号に基づいて、記憶部231に格納されている経路情報を変更する。
【0070】
次に、オフロード制御部204の動作について説明する。
【0071】
図7は、オフロード制御部204の動作の一例を示すフローチャートである。
【0072】
オフロード制御部204の初期状態では、パケットの処理は何も行われていないものとする。
【0073】
ステップS11では、パケット中継ノード21(オフロード制御部204)においてモバイル端末10からサーバ装置40に向けた上りパケットを受け付けたか否かの判断をする。上りパケットを受け付けた場合には、ステップS12に遷移する。上りパケットを受け付けていない場合には、ステップS11を再度実行し、処理を継続する。
【0074】
ステップS12では、過去の一定期間内に、モバイル端末10からのパケット(トラフィック)をオフロードさせることを目的としたトリガ信号を受信しているか否かを確認する。過去の一定期間内にトリガ信号を受信している場合には、ステップS13に遷移する。過去の一定期間内にトリガ信号を受信していない場合には、ステップS14に遷移する。
【0075】
ステップS13では、モバイル端末10からの上りパケットをオフロードする。
【0076】
ステップS14では、記憶部231に格納されている経路情報を参照してパケットの送信処理を行う。
【0077】
次に、パケットカウント部302の動作について説明する。
【0078】
図8は、パケットカウント部302の動作の一例を示すフローチャートである。
【0079】
パケットカウント部302の初期状態では、パケットカウント部302が送受信しているパケットはなく、かつ、モバイル端末10が送信するパケットのオフロードを目的としたトリガ信号を送信していないものとする。
【0080】
ステップS21では、モバイル端末10からの送信されたパケットを受信しているか否か判断する。パケットを受信している場合には、ステップS22に遷移する。パケットを受信していない場合には、ステップS21を再度実行し、処理を継続する。
【0081】
ステップS22では、モバイル端末10から受信したパケット数をカウントする。その後、ステップS23に遷移する。
【0082】
ステップS23では、ステップS22でのカウント値が閾値に到達したか否かを判断する。閾値に到達している場合には、ステップS24に遷移する。閾値に到達していない場合には、ステップS21に遷移し、処理を継続する。
【0083】
ステップS24では、モバイル端末10から送信されたパケットが予め定められた閾値に到達した旨を示すトリガ信号を出力する。
【0084】
次に、記憶部231に格納されている経路情報について説明する。
【0085】
図9は、トリガ信号を使用しないオフロード制御部201で使用する経路情報の一例を示す図である。図10は、トリガ信号を使用するオフロード制御部204で使用する経路情報の一例を示す図である。
【0086】
図9に示す経路情報には、宛先アドレスと、ネットマスクと、ネクストホップと、インターフェイス番号と、プロトコルと、メトリックの情報が含まれている。さらに、図10に示す経路情報には、端末ID、オフロードフラグが追加されている。
【0087】
図10に追加した端末IDによって、同じ宛先のパケットであっても、モバイル端末毎にパケットをオフロードするか否かの判断を行うことができる。即ち、同じ宛先のパケットであっても、パケットを送信しているモバイル端末が異なれば、あるモバイル端末についてはオフロードを行い、他のモバイル端末についてはオフロードを行わないといった経路制御が可能になる。
【0088】
例えば、図10において、端末IDとして「A」を持つモバイル端末は定額料金プランの上限まで通信を行い、パケットカウント部302からトリガ信号を受信した状態であるとする。この場合、宛先アドレスが73.6.1.0の場合において、パケットを送出するインターフェイスは2に変更される(図10の上から3段目)。つまり、トリガ信号を受信するまでは、オフロードの対象ではなかった宛先アドレスがオフロードの対象に変更される(オフロードフラグが1に設定される)。
【0089】
さらに、宛先アドレスが80.122.0.0の場合において、新たな経路情報が追加され、トリガ信号を受信するまでは独立した宛先アドレスとして扱われなかったものが、無条件にオフロードの対象に設定される場合もある。この場合は、経路情報にオフロードフラグが1に設定されると同時に、新たな行が追加される(図10の上から5行目)。
【0090】
なお、宛先アドレスが外部ネットワークに属するものか否かの判断は、パケット中継ノード22が受信した上りパケットに含まれるヘッダ情報から判断可能である。
【0091】
本実施形態において説明した通信システムは、通信事業者が定額制の料金プランを採用し、モバイルコアネットワーク70を使用してパケット通信を行っている場合に適用できる。つまり、モバイル端末から送信されるパケット数が、定額料金に相当する上限値に達した際に、以降のパケットをモバイルコアネットワーク70以外の外部にオフロードが可能になる。
【0092】
以上のように、本実施形態に係る通信システムでは、パケットカウント部302からオフロード制御部204に対してトリガ信号を出力し、このトリガ信号に基づいてオフロードする。その結果、通信事業者が予め設定したパケット数の上限に達するまでは、モバイルコアネットワーク70内のパケットカウント部302で課金管理を実現し、上限に達した後は外部のネットワークにトラフィックオフロードすることで、モバイルコアネットワーク70の負荷を低減させることができる。さらに、パケットカウント部302に相当する装置を新たに増設する必要はなく、オフロードを実現するためのコストが上昇することはない。
【0093】
[第2の実施形態]
続いて、第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0094】
図11は、本実施形態に係る通信システムの構成の一例を示す図である。図11において図5と同一構成要素には、同一の符号を表し、その説明を省略する。図11に示す通信システムと図5に示す通信システムの相違点は、パケットカウント部302から出力されるトリガ信号をモバイル端末11で受け付ける点である。即ち、モバイル端末11にオフロード制御部204に相当する機能を内蔵する。
【0095】
図12は、モバイル端末11の内部構成の一例を示す図である。
【0096】
モバイル端末11は、パケット送受信インターフェイス部401と、パケット転送部402と、オフロード制御部403と、アプリケーションパケット制御部404から構成されている。
【0097】
さらに、オフロード制御部403は、経路情報変更部411と、記憶部421から構成されている。
【0098】
アプリケーションパケット制御部404では、モバイル端末12の内部に実装されたアプリケーションで使用するパケットの送受信を制御する。アプリケーションパケット制御部404で生成したパケットはパケット転送部402に送られる。
【0099】
また、経路情報変更部411では、パケットカウント部302が出力するトリガ信号に基づいて、記憶部421に記憶された経路情報を変更する。より具体的な動作については、第1の実施形態において図7を用いて説明した経路情報変更部241の動作と相違する点はないので、その説明を省略する。
【0100】
パケット転送部402では、記憶部421に記憶された経路情報に基づいてパケットの送信先を定める。
【0101】
図11に示す通信システムにおいても、パケットカウント部302においてパケットのカウント及び課金管理を行い、モバイル端末11(内部のオフロード制御部403)がトリガ信号に基づきオフロードを実行する。
【0102】
このように、経路制御を行うオフロード制御部及び経路制御を行うための経路情報がモバイル端末12内部に存在するため、他のネットワーク側の装置に依存することなく、パケットの宛先変更によるオフロードが可能になる。
【0103】
[第3の実施形態]
続いて、第3の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0104】
図13は、本実施形態に係る通信システムの構成の一例を示す図である。図13において図5と同一構成要素には、同一の符号を表し、その説明を省略する。図13に示す通信システムと図5に示す通信システムの相違点は、パケット中継ノード21ではなく、名前解決装置90がパケットカウント部302からのトリガ信号を受け付けるという点である。
【0105】
名前解決装置90は、トリガ信号を受信した後は、パケット中継ノード21から外部パケット網インターフェイスノード31についての名前解決要求に対する応答において、外部パケット網インターフェイスノード31のアドレスではなく、オフロード用のゲートウェイ50のアドレスを返答する。
【0106】
その結果、名前解決装置90がトリガ信号を受信した後の外部パケット網インターフェイスノード31に対する送信パケットは、オフロード用のゲートウェイ50に向けられることになる。従って、モバイル端末10からの送信パケットをオフロードすることが可能になる。
【0107】
[第4の実施形態]
続いて、第4の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0108】
図14は、本実施形態に係る通信システムの構成の一例を示す図である。図14において図13と同一構成要素には、同一の符号を表し、その説明を省略する。図14に示す通信システムと図13に示す通信システムの相違点は、パケット中継ノード22が、パケットカウント部302の出力するトリガ信号を受信する点である。
【0109】
トリガ信号を受信したパケット中継ノード22は、名前解決装置90に送信する名前解決要求を、外部パケット網インターフェイスノード31に対する要求からオフロード用のゲートウェイ50に対する要求に変更する。その結果、モバイル端末10からの送信パケットをオフロードすることが可能になる。
【0110】
[第5の実施形態]
続いて、第5の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0111】
図15は、本実施形態に係る通信システムの構成の一例を示す図である。図15において図5と同一構成要素には、同一の符号を表し、その説明を省略する。図15に示す通信システムと図5に示す通信システムの相違点は、パケット中継ノード23の内部構成及び動作である。
【0112】
図16は、パケット中継ノード23の内部構成の一例を示す図である。
【0113】
パケット中継ノード23は、パケット送受信インターフェイス部202と、パケット転送部203と、オフロード制御部205から構成されている。パケット送受信インターフェイス部202及びパケット転送部203については、図6を用いて既に説明したので、更なる説明は省略する。
【0114】
オフロード制御部205には、パケット調査部211と、パケット処理部221と、記憶部231と、経路情報変更部241と、セッション管理部251が含まれている。図16において図6と同一構成要素には、同一の符号を表し、その説明を省略する。
【0115】
セッション管理部251は、パケット中継ノード23及びその内部に存在するオフロード制御部205を通過するすべてのパケットのセッション情報を管理する。セッション管理部251は、オフロード制御部205が受信した各パケットについて、それぞれのパケットがどのセッションに属しているか判断する。経路情報変更部241は、セッション管理部251における判断結果とトリガ信号に基づいて、記憶部231に記憶されている経路情報を変更する。より具体的には、パケットカウント部302が出力するトリガ信号を受信した後に確立したセッションに限りオフロードの対象とする。
【0116】
パケット中継ノード23に入力されたパケットは、パケット送受信インターフェイス202及びパケット転送部203を介してパケット調査部211に送られる。
【0117】
パケット調査部211は、受信したパケットのヘッダ情報を確認し、その結果をセッション管理部251に送信する。
【0118】
セッション管理部251は、パケット調査部211から送信された受信パケットに関する情報に基づいて、受信パケットが属するセッションを判断する。セッション管理部251は、受信パケットが属するセッションに関する情報を経路情報変更部241に送信する。
【0119】
経路情報変更部241は、受信パケットが属するセッションに関する情報に基づいて、パケットカウント部302から受信したトリガ信号を受信した後に確立したセッションに属するパケットのみをオフロードの対象となるように記憶部231の経路情報を変更する。
【0120】
パケット処理部221は、記憶部231の経路情報に基づいて、パケット調査部211を経由して受け付けた各パケットに対して行う処理を決定する。
【0121】
次に、オフロード制御部205の動作について説明する。
【0122】
図17は、オフロード制御部205の動作の一例を示すフローチャートである。
【0123】
オフロード制御部205の初期状態は、パケットカウント部302はトリガ信号を出力しておらず、かつ、モバイル端末10からのパケットも受信していないものとする。
【0124】
ステップS31において、パケット送受信インターフェイス部202を介してオフロード制御部205に上りパケットが入力されたか否かを判断する。上りパケットが入力されていれば、ステップS32に遷移する。上りパケットが入力されていなければ、ステップS31の処理を継続する。
【0125】
ステップS32では、オフロード制御部205において、過去にトリガ信号を受信しているか否かを判断する。トリガ信号を受信している場合には、ステップS33に遷移する。トリガ信号を受信していない場合には、ステップS35に遷移する。
【0126】
ステップS33では、オフロード制御部205で受け付けたパケットの属するセッションが、トリガ信号を受信後に確立されたものか否かを判断する。トリガ信号を受信後に確立されたセッションである場合には、ステップS34に遷移する。トリガ信号を受信後に確立されたセッションではない場合には、ステップS35に遷移する。
【0127】
ステップS34では、経路情報変更部241によって変更された経路情報に基づいて(又は、新たに経路情報を生成して)パケットをオフロードする。
【0128】
ステップS35では、記憶部231に格納されている変更前の経路情報を参照してパケットの送信処理を行う。より具体的には、受信パケットを外部パケット網インターフェイスノード31に送信する(オフロードしない)。
【0129】
このように、セッション管理部251によって、各パケットが属するセッションに基づいて、オフロードを実施するか否かを決定することによって、モバイル端末10からモバイルコアネットワーク70へのセッションを切断することなくオフロードを実施することができる。
【0130】
以上のように、外部パケット網インターフェイスノード31を通過するパケットの閾値を越えた旨のトリガ信号を受信した後に確立されたパケットに限りオフロードの対象とし、トリガ信号を受信した際に既に確立したセッションに属するパケットについては、オフロードの対象から除外する。その結果、モバイル端末10から見て、通信の切断を意識することなく、パケットのオフロードが実現できる。
【0131】
[第6の実施形態]
続いて、第6の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0132】
図18は、本実施形態に係る通信システムの構成の一例を示す図である。図18において図11と同一構成要素には、同一の符号を表し、その説明を省略する。図18に示す通信システムと図11に示す通信システムの相違点は、モバイル端末12の内部構成及び動作である。
【0133】
図19は、モバイル端末12の内部構成の一例を示す図である。図19において図12と同一構成要素には、同一の符号を表し、その説明を省略する。モバイル端末12とモバイル端末11の内部構成の相違点は、オフロード制御部405の内部構成である。
【0134】
オフロード制御部405は、経路情報変更部411及び記憶部421に加えて、セッション管理部431を備えている。セッション管理部431は、第5の実施形態において説明したセッション管理部251と同様に、受信したパケットが属するセッションに基づいて記憶部421に記憶されている経路情報を変更する。
【0135】
そのため、モバイル端末10からモバイルコアネットワーク70へのセッションを切断することなくオフロードを実施することができる。
【0136】
なお、引用した上記の非特許文献の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0137】
10、11、12 モバイル端末
20、21、22、23 パケット中継ノード
30、31 外部パケット網インターフェイスノード
40 サーバ装置
50 ゲートウェイ
60 無線アクセスネットワーク
70 モバイルコアネットワーク
80 インターネット
90 名前解決装置
201、204、205、403、405 オフロード制御部
202、401 パケット送受信インターフェイス部
203、402 パケット転送部
211 パケット調査部
221 パケット処理部
231、421 記憶部
241、411 経路情報変更部
251、431 セッション管理部
301、302 パケットカウント部
404 アプリケーションパケット制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケットを送信する第1のノードと、
モバイルコアネットワークに含まれ、前記第1のノードが送信するパケットの通信量が予め定めた閾値に到達すると、前記第1のノードが送信するパケットのオフロードを指示するトリガ信号を送信する第2のノードと、
前記トリガ信号に基づき、前記モバイルコアネットワークをトラフィックオフロードする第3のノードと、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
さらに、前記第3のノードが、前記モバイルコアネットワークをトラフィックオフロードする際に、前記第1のノードが送信するパケットの転送先となる第4のノードを備える請求項1の通信システム。
【請求項3】
前記第1のノードを複数含むと共に、前記第2のノードは、前記複数の第1のノードが送信するパケットそれぞれについて前記モバイルコアネットワークをトラフィックオフロードするか否かを判断し、前記トリガ信号を出力する請求項1又は2の通信システム。
【請求項4】
前記第3のノードは、前記第1のノードが送信するパケットを前記第2のノードに中継するパケット中継装置であり、
前記パケット中継装置は、前記トリガ信号を受信することで、前記第1のノードが送信するパケットの転送先に関する経路情報を前記第2のノードから前記第4のノードに変更する請求項2又は3の通信システム。
【請求項5】
前記第3のノードは、前記第1のノードが送信するパケットを、前記第2のノードに中継するパケット中継装置であり、
前記パケット中継装置は、前記トリガ信号に基づいて、ネットワーク上のアクセスポイントの名前解決を実現する名前解決装置に対し、名前解決の対象を前記第2のノードから前記第4のノードに変更する請求項2又は3の通信システム。
【請求項6】
前記パケット中継装置は、前記パケット中継装置を通過するパケットからセッションの開始及び終了を検出することで、セッションの状態を管理し、前記トリガ信号を受信した後のセッションの開始時に前記経路情報の変更を行う請求項4の通信システム。
【請求項7】
前記第1及び第3のノードは同一の機器であるユーザ端末であり、
前記ユーザ端末は、前記トリガ信号を受信する前は、パケットの転送先として前記第2のノードを選択し、前記トリガ信号を受信した後は、前記第4のノードを選択する請求項2又は3の通信システム。
【請求項8】
パケットの送受信を行うパケット送受信インターフェイス部と、
パケットの転送先を定める経路情報を記憶する記憶部と、前記パケット送受信インターフェイス部で受信するパケットのヘッダ情報を調査し、パケットがオフロードの対象となるか否かの情報を含む情報を出力するパケット調査部と、前記パケット調査部が出力する情報と前記経路情報とに基づいてパケットのカプセル化を行うパケット処理部と、パケットのオフロードを指示するトリガ信号に基づき、前記記憶部に記憶された前記経路情報を変更する経路情報変更部と、を含むオフロード制御部と、
を備えることを特徴とするパケット中継装置。
【請求項9】
アプリケーションが生成したパケットの送受信を制御するアプリケーションパケット制御部と、
パケットの転送先を定める経路情報を記憶する記憶部と、パケットのオフロードを指示するトリガ信号に基づき、前記記憶部に記憶された前記経路情報を変更する経路情報変更部と、を含むオフロード制御部と、
前記経路情報に基づき、前記アプリケーションパケット制御部が生成したパケットを送信するパケット転送部と、
を備えることを特徴としたユーザ端末。
【請求項10】
ユーザ端末から送信され、モバイルコアネットワークを通過するパケットの通信量をカウントする工程と、
前記通信量が予め定めた閾値に達すると、前記ユーザ端末が送信するパケットのモバイルコアネットワークのトラフィックオフロードを指示するトリガ信号を送信する工程と、
前記トリガ信号に基づき、前記ユーザ端末が送信するパケットをオフロードする工程と、
を含むことを特徴とする通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−46344(P2013−46344A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184681(P2011−184681)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】