説明

通信システム、測定装置、送信装置、測定方法および制御方法

【課題】簡単な構成によって偏波間のパワー偏差を測定すること。
【解決手段】変調部は、複数の光にそれぞれ異なる周波数の各信号を重畳する。偏波合成部は、変調部によって各信号を重畳された各光を偏波多重する。受信部は、偏波合成部によって偏波多重されて送信された偏波多重光の伝送路上に設けられた測定装置で測定された各信号の強度に基づく所定情報を受信する。制御部は、受信部によって受信された所定情報に基づいて偏波多重光の偏波間の強度偏差を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、測定装置、送信装置、測定方法および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば40G[bit/s]以上の高速な光伝送システムを実現するために、偏波多重方式(Polarization Multiplexing)が検討されている(たとえば、下記特許文献1〜3参照。)。偏波多重方式は、たとえば互いに直交する二つの偏波の信号を同一波長に多重し、二つの独立した信号情報を伝送する方式である。
【0003】
偏波多重方式においては、複数の偏波状態を利用できるため、伝送信号のボーレートを低減し、周波数利用効率が向上する。また、偏波多重方式においては、光部品や光伝送路のPDL(Polarization Dependent Loss:偏波依存損失)により、光信号の偏波間にパワー偏差が生じ、伝送性能が劣化することが知られている(たとえば、下記非特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−344426号公報
【特許文献2】特開2003−338805号公報
【特許文献3】特開2005−65027号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】O.Vassilieva1等、「Impact of Polarization Dependent Loss and Cross−Phase Modulation on Polarization Multiplexed DQPSK Signals」、OFC/NFOEC、2008年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来技術では、偏波間のパワー偏差を測定することが困難という問題がある。このため、たとえば、偏波間のパワー偏差を精度よく制御することができず、光の伝送性能が劣化する。これに対して、たとえば偏波コントローラと偏波分離スプリッタを用いてそれぞれの偏波成分ごとに分離した後にパワーモニタすることが考えられるが、偏波状態が高速に変動する場合は偏波分離が困難という問題がある。また、偏波コントローラや偏波分離スプリッタなどの光部品の増加により装置の複雑化および大型化につながるという問題がある。
【0007】
開示の通信システム、測定装置、送信装置、測定方法および制御方法は、上述した問題点を解消するものであり、簡単な構成によって偏波間のパワー偏差を測定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、開示技術は、送信装置が、複数の光にそれぞれ異なる周波数の各信号を重畳し、前記各信号を重畳した各光を偏波多重して送信する。また、測定装置が、前記送信装置によって送信された偏波多重光の伝送路上に設けられる。また、測定装置が、前記偏波多重光に含まれる前記各信号の強度を測定し、前記強度の測定結果を出力する。
【発明の効果】
【0009】
開示の通信システム、測定装置、送信装置、測定方法および制御方法によれば、簡単な構成によって偏波間のパワー偏差を測定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態にかかる送信装置の一例を示す図である。
【図2−1】図1に示した変調部の一例を示す図である。
【図2−2】図2−1に示した変調部の変形例1を示す図である。
【図2−3】図2−1に示した変調部の変形例2を示す図である。
【図3】偏波ローテータの偏波回転角度による偏波間のパワー制御を示す図である。
【図4−1】実施の形態にかかる測定装置の一例を示す図である。
【図4−2】図4−1に示した測定装置の変形例1を示す図である。
【図4−3】図4−1に示した測定装置の変形例2を示す図である。
【図4−4】図4−1に示した測定装置の変形例3を示す図である。
【図4−5】図4−1に示した測定装置の変形例4を示す図である。
【図5】通信システムの一例を示す図である。
【図6】測定装置のノードへの設置例を示す図である。
【図7】図1に示した送信装置の制御の一例を示すフローチャートである。
【図8−1】所定情報の送受信の一例を示す図である。
【図8−2】所定情報の送受信の他の例を示す図である。
【図9−1】伝送路における光パワーの特性の一例を示す図である。
【図9−2】偏波間のパワー偏差の制御例1を示す図である。
【図9−3】偏波間のパワー偏差の制御例2を示す図である。
【図10−1】測定装置へ入力される低周波の波形の例1を示す図である。
【図10−2】測定装置へ入力される低周波のスペクトルの例1を示す図である。
【図11−1】測定装置へ入力される低周波の波形の例2を示す図である。
【図11−2】測定装置へ入力される低周波のスペクトルの例2を示す図である。
【図12】図1に示した送信装置の変形例1を示す図である。
【図13】図12に示した送信装置の制御の一例を示すフローチャートである。
【図14】図12に示した送信装置の制御の他の例を示すフローチャートである。
【図15】図1に示した送信装置の変形例2を示す図である。
【図16】図1に示した送信装置の変形例3を示す図である。
【図17】図16に示した変調部の一例を示す図である。
【図18】図16に示した送信装置の制御の一例を示すフローチャートである。
【図19】図1に示した送信装置の変形例4を示す図である。
【図20】図1に示した送信装置の変形例5を示す図である。
【図21】図1に示した送信装置の変形例6を示す図である。
【図22】図21に示した変調部の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、開示技術の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
(実施の形態)
図1は、実施の形態にかかる送信装置の一例を示す図である。図1に示すように、実施の形態にかかる送信装置100は、LD110と、偏波ローテータ120と、偏波分離部130と、変調部141,142と、偏波合成部150と、受信部160と、制御部170と、を備えている。送信装置100は、入力される主信号DATA1,DATA2(データ信号)によって変調した光信号を送信する。
【0013】
LD110(Laser Diode:レーザダイオード)は、光を生成して偏波ローテータ120へ出力する。LD110が出力する光は、たとえばほぼ直線偏光とする。偏波ローテータ120は、LD110から出力された光の偏波を回転させる。偏波ローテータ120による偏波の回転量は制御部170によって制御される。偏波ローテータ120は、偏波を回転させた光を偏波分離部130へ出力する。
【0014】
偏波分離部130は、偏波ローテータ120から出力された光を偏波ごとに分離する偏波スプリッタである。たとえば、偏波分離部130は、偏波ローテータ120から出力された光を直交する各偏波成分(X偏波およびY偏波とする)に分離する。偏波分離部130は、分離したX偏波の光を変調部141へ出力し、分離したY偏波の光を変調部142へ出力する。
【0015】
複数の光にそれぞれ異なる周波数の各信号を重畳する重畳部には変調部141,142を用いることができる。変調部141は、入力される主信号DATA1および低周波f1によって、偏波分離部130から出力された光を変調する。低周波f1は、主信号DATA1と周波数が異なる信号である。たとえば、低周波f1は、主信号DATA1より周波数が十分に低いサイン波(クロック信号)である。これにより、X偏波の光に低周波f1を重畳することができる。変調部141は、変調した光を偏波合成部150へ出力する。
【0016】
変調部142は、入力される主信号DATA2および低周波f2によって、偏波分離部130から出力された光を変調する。低周波f2は、主信号DATA2および低周波f1と周波数が異なる信号である。たとえば、低周波f2は、主信号DATA2より周波数が十分に低く、低周波f1と周波数が異なるサイン波(クロック信号)である。これにより、Y偏波の光に低周波f2を重畳することができる。変調部142は、変調した光を偏波合成部150へ出力する。
【0017】
重畳部によって各信号を重畳された各光を偏波多重する多重化部には、偏波合成部150を用いることができる。偏波合成部150は、変調部141から出力された光(X偏波)と、変調部142から出力された光(Y偏波)と、を合成することで偏波多重する。偏波合成部150は、合成した光(偏波多重光)を出力する。偏波合成部150は、たとえば偏波合成器や光カプラによって実現することができる。偏波合成部150によって出力された光は、送信装置100の出力部から伝送路(たとえば光ファイバ)へ送信される。
【0018】
受信部160は、偏波合成部150によって偏波多重されて送信された光の伝送路上に設けられた測定装置(たとえば図4−1〜図4−4参照)からの所定情報を受信する通信インターフェースである。受信部160の通信方式には、光通信に限らず、電気通信、無線通信などの各種通信方式を用いることができる。受信部160は、受信した所定情報を制御部170へ出力する。
【0019】
所定情報は、測定装置において測定された低周波f1および低周波f2(各信号)のパワー(強度)に基づく所定情報である。たとえば、所定情報は、測定装置において測定された低周波f1および低周波f2の各パワーを示す情報である。または、所定情報は、測定装置において測定された低周波f1および低周波f2の各パワーの差分を示す情報であってもよい。または、所定情報は、測定装置において測定された低周波f1および低周波f2の各パワーの差分に基づいて生成された、偏波間のパワー偏差の制御指示を示す情報であってもよい。
【0020】
制御部170は、受信部160から出力された所定情報に基づいて、偏波ローテータ120による光に対する偏波の回転量を制御する。これにより、偏波分離部130における偏波間のパワー分岐比を変化させ、送信装置100から送信される偏波多重信号の偏波間のパワー偏差(強度偏差)を制御することができる。制御部170は、たとえばDSP(Digital Signal Processor)などの演算手段によって実現することができる。
【0021】
たとえば、制御部170は、測定装置において測定された低周波f1および低周波f2の各パワーの差が小さくなるように偏波間のパワー偏差を制御する。また、制御部170は、測定装置において測定された低周波f1および低周波f2の各パワーの差が閾値以下になるように偏波間のパワー偏差を制御してもよい。また、制御部170は、測定装置において測定された低周波f1および低周波f2の各パワーの差が所定の範囲内になるように偏波間のパワー偏差を制御してもよい。
【0022】
このように、送信装置100は、偏波多重光の各偏波成分にそれぞれ異なる周波数の低周波f1,f2(各信号)を重畳し、伝送路上の測定装置で測定された低周波f1,f2の強度に基づく所定情報を受信する。これにより、伝送路上の測定装置におけるPDLによる偏波間のパワー差を測定することができる。このため、偏波多重光の偏波間のパワー偏差を制御し、簡単な構成によって偏波間のパワー偏差を測定することができる。
【0023】
図2−1は、図1に示した変調部の一例を示す図である。図2−1は、図1に示した送信装置100の一部を示している。図2−1に示すように、図1に示した変調部141は、光変調器211,212を備えている。また、図1に示した変調部142は、光変調器221,222を備えている。また、図1に示した送信装置100は、信号生成部213,223と、低周波発振器214,224と、を備えている。
【0024】
信号生成部213は、主信号DATA1を生成して光変調器211へ出力する。低周波発振器214は、低周波f1を発振して光変調器212へ出力する。低周波発振器214が出力する低周波f1は、主信号DATA1に対して十分に低速な信号であり、かつ、送信装置100を制御する周波数と重複しない周波数とする。
【0025】
光変調器211には、変調部141へ入力された光(X偏波)が入力される。光変調器211は、信号生成部213から出力された主信号DATA1によって、入力された光を変調する。光変調器211は、変調した光(光信号)を光変調器212へ出力する。光変調器212は、低周波発振器214から出力された低周波f1によって、光変調器211から出力された光を変調する。光変調器212は、変調した光を変調部141の後段へ出力する。これにより、変調部141へ入力された光を主信号DATA1によって変調するとともに、変調した光に低周波f1を重畳することができる。
【0026】
信号生成部223は、主信号DATA2を生成して光変調器221へ出力する。低周波発振器224は、低周波f2を発振して光変調器222へ出力する。低周波発振器224が出力する低周波f2は、主信号DATA2に対して十分に低速な信号であり、かつ、送信装置100を制御する周波数および低周波f1の周波数と重複しない周波数とする。
【0027】
光変調器221には、変調部142へ入力された光(Y偏波)が入力される。光変調器221は、信号生成部223から出力された主信号DATA2によって、入力された光を変調する。光変調器221は、変調した光(光信号)を光変調器222へ出力する。光変調器222は、低周波発振器224から出力された低周波f2によって、光変調器221から出力された光を変調する。光変調器222は、変調した光を変調部142の後段へ出力する。これにより、変調部142へ入力された光を主信号DATA2によって変調するとともに、変調した光に低周波f2を重畳することができる。
【0028】
光変調器211,221における変調には、たとえば、NRZ(Non Return to Zero)やRZ(Return to Zero)などの強度変調を用いることができる。また、光変調器211,221における変調には、PSK(Phase Shift Keying)、DPSK(Differential PSK)、QPSK(Quadrature PSK)、DQPSK(Differential QPSK)などの位相変調方式を用いることもできる。
【0029】
また、光変調器211,221における変調には、強度と位相の両方を用いるN−QAM(Quadrature Amplitude Modulation)変調方式などを用いることもできる。光変調器211,212,221,222のそれぞれには、たとえばMZ型(マッハツェンダ型)のLN(LiNbO3:ニオブ酸リチウム)変調器や半導体変調器を用いることができる。
【0030】
また、ここでは光変調器212,222をそれぞれ光変調器211,221の後段に設ける構成について説明したが、光変調器212,222をそれぞれ光変調器211,221の前段に設ける構成としてもよい。
【0031】
図2−2は、図2−1に示した変調部の変形例1を示す図である。図2−2において、図2−1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図2−2に示すように、送信装置100は、図2−1に示した構成に加えて重畳部215,225を備えていてもよい。この構成においては、図2−1に示した光変調器212,222を省いた構成としてもよい。
【0032】
信号生成部213は、主信号DATA1を重畳部215へ出力する。低周波発振器214は、低周波f1を重畳部215へ出力する。重畳部215は、信号生成部213から出力された主信号DATA1に低周波発振器214から出力された低周波f1を重畳する。たとえば、重畳部215は、主信号DATA1に低周波f1を加算することで重畳する。重畳部215は、低周波f1を重畳した主信号DATA1を光変調器211へ出力する。光変調器211は、重畳部215からの主信号DATA1によって光を変調する。
【0033】
信号生成部223は、主信号DATA2を重畳部225へ出力する。低周波発振器224は、低周波f2を重畳部225へ出力する。重畳部225は、信号生成部223から出力された主信号DATA2に低周波発振器224から出力された低周波f2を重畳する。たとえば、重畳部225は、主信号DATA2に低周波f2を加算することで重畳する。重畳部225は、低周波f2を重畳した主信号DATA2を光変調器221へ出力する。光変調器221は、重畳部225からの主信号DATA2によって光を変調する。
【0034】
このように、低周波f1,f2をそれぞれ主信号DATA1,DATA2に重畳することで、光変調器212,222を省き、光部品を少なくすることができる。これにより、簡単な構成によって各偏波にそれぞれ低周波f1,f2を重畳することができる。
【0035】
図2−3は、図2−1に示した変調部の変形例2を示す図である。図2−3において、図2−1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図2−3に示すように、送信装置100は、図2−1に示した光変調器212,222に代えてVOA216,226(Variable Optical Attenuator:光可変減衰器)を備えていてもよい。
【0036】
光変調器211は、変調した光をVOA216へ出力する。VOA216は、光変調器211から出力された光を、低周波発振器214から出力される低周波f1に応じて減衰させる。これにより、光変調器211から出力された光を低周波f1によって変調することができる。光変調器211は、減衰させた光を変調部141の後段へ出力する。
【0037】
光変調器221は、変調した光をVOA226へ出力する。VOA226は、光変調器221から出力された光を、低周波発振器224から出力される低周波f2に応じて減衰させる。これにより、光変調器221から出力された光を低周波f2によって変調することができる。光変調器221は、減衰させた光を変調部142の後段へ出力する。このように、VOA216,226を用いて低周波f1,f2の変調を行う構成としてもよい。
【0038】
図3は、偏波ローテータの偏波回転角度による偏波間のパワー制御を示す図である。図3において、横軸は偏波ローテータ120の偏波回転角度[度]を示している。縦軸は、光のパワーを示している。特性301は、偏波ローテータ120の偏波回転角度に対する、偏波分離部130から変調部141へ出力されるX偏波の光のパワーの特性を示している。特性302は、偏波ローテータ120の偏波回転角度に対する、偏波分離部130から変調部142へ出力されるY偏波の光のパワーの特性を示している。
【0039】
制御範囲310(0[度]〜90[度])は、偏波ローテータ120の偏波回転角度の制御範囲の一例である。たとえば制御範囲310において偏波ローテータ120の偏波回転角度を変化させることで、偏波分離部130による光パワー分岐比を変化させることができる。これにより、変調部141へ出力されるX偏波の光と、変調部142へ出力されるY偏波の光と、のパワー偏差を制御することができる。したがって、送信装置100から送信される偏波多重光の偏波間のパワー偏差を制御することができる。
【0040】
たとえば、偏波ローテータ120の偏波回転角度を0[度]の方向に変化させると、X偏波の光のパワーが増加し、Y偏波の光のパワーが減少する。また、偏波ローテータ120の偏波回転角度を90[度]の方向に変化させると、X偏波の光のパワーが減少し、Y偏波の光のパワーが増加する。
【0041】
図4−1は、実施の形態にかかる測定装置の一例を示す図である。図4−1に示す測定装置400は、図1に示した送信装置100によって送信された光の伝送路上(中間ノードまたは受信ノード)に設けられる。測定装置400は、光電変換部410と、パワー分岐部420と、周波数フィルタ431,432と、パワーモニタ441,442と、処理部450と、送信部460と、を備えている。送信装置100によって送信された偏波多重光に含まれる低周波f1,f2(各信号)の強度を測定する測定部には、光電変換部410、パワー分岐部420、周波数フィルタ431,432およびパワーモニタ441,442を用いることができる。
【0042】
光電変換部410には、送信装置100によって送信された光が入力される。光電変換部410は、入力された光を光電変換するPD(Photo Detector)である。光電変換部410は、光電変換により得られた信号(電気信号)をパワー分岐部420へ出力する。パワー分岐部420は、光電変換部410から出力された信号を分岐(パワー分岐)する。パワー分岐部420は、分岐した信号をそれぞれ周波数フィルタ431,432へ出力する。パワー分岐部420には、たとえば光カプラを用いることができる。
【0043】
周波数フィルタ431は、パワー分岐部420から出力された信号における低周波f1の周波数成分を抽出する。周波数フィルタ431は、抽出した信号をパワーモニタ441へ出力する。周波数フィルタ432は、パワー分岐部420から出力された信号における低周波f2の周波数成分を抽出する。周波数フィルタ432は、抽出した信号をパワーモニタ442へ出力する。周波数フィルタ431,432のそれぞれは、たとえばバンドパスフィルタである。
【0044】
パワーモニタ441は、周波数フィルタ431から出力された信号のパワーを測定する。これにより、送信装置100によって送信された光に含まれるX偏波のパワーを測定することができる。パワーモニタ441は、測定結果を処理部450へ出力する。パワーモニタ442は、周波数フィルタ432から出力された信号のパワーを測定する。これにより、送信装置100によって送信された光に含まれるY偏波のパワーを測定することができる。パワーモニタ442は、測定結果を処理部450へ出力する。
【0045】
測定部によって測定された強度に基づく所定情報を出力する出力部には、処理部450および送信部460を用いることができる。処理部450は、パワーモニタ441,442から出力される各測定結果に基づいて、低周波f1および低周波f2のパワーに基づく所定情報を生成する。所定情報は、たとえば低周波f1および低周波f2のパワーを示す情報である。または、所定情報は、低周波f1および低周波f2のパワーの差を示す情報であってもよい。または、所定情報は、低周波f1および低周波f2のパワーの差に基づいて生成された、送信装置100に対して偏波多重光の偏波間のパワー差を制御させる制御指示を示す情報であってもよい。
【0046】
処理部450は、生成した所定情報を送信部460へ出力する。処理部450は、たとえばDSPなどの演算手段により実現することができる。送信部460は、処理部450から出力された所定情報を送信装置100へ送信(出力)する通信インターフェースである。送信部460の通信方式には、光通信に限らず、電気通信、無線通信などの各種通信方式を用いることができる。
【0047】
なお、低周波f1,f2の各周波数は、光電変換部410の周波数応答特性がフラット(偏差が小さい)な周波数領域に設定することが望ましい。これにより、光パワーと電気パワーを容易かつ高精度に対応付けることができる。このため、送信装置100によって送信された光に含まれる各偏波のパワーを精度よく測定することができる。また、図4−1に示した測定装置400において、パワー分岐部420に代えて光スイッチを設けた構成としてもよい。
【0048】
図4−2は、図4−1に示した測定装置の変形例1を示す図である。図4−2において、図4−1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図4−2に示すように、測定装置400は、光電変換部410と、可変周波数フィルタ470と、パワーモニタ441と、処理部450と、送信部460と、を備えていてもよい。この場合は、図4−1に示したパワー分岐部420、周波数フィルタ431,432およびパワーモニタ442を省いた構成にしてもよい。
【0049】
送信装置100によって送信された偏波多重光に含まれる低周波f1,f2(各信号)の強度を測定する測定部には、光電変換部410、可変周波数フィルタ470およびパワーモニタ441を用いることができる。光電変換部410は、光電変換により得られた信号を可変周波数フィルタ470へ出力する。可変周波数フィルタ470は、光電変換部410から出力された信号における可変の周波数帯域(中心波長)の成分を抽出する。可変周波数フィルタ470が抽出する周波数帯域は、処理部450によって制御される。可変周波数フィルタ470は、抽出した信号をパワーモニタ441へ出力する。
【0050】
処理部450は、可変周波数フィルタ470が抽出する周波数帯域を、低周波f1の周波数および低周波f2の周波数に切り替えながらパワーモニタ441からの測定結果を取得する。これにより、処理部450は、低周波f1および低周波f2の各パワーを取得することができる。ここでは一つの可変周波数フィルタ470によって低周波f1および低周波f2を抽出する構成について説明したが、複数の可変周波数フィルタによって各低周波(たとえば3つ以上の各低周波)を抽出する構成としてもよい。
【0051】
このように、偏波多重光に含まれる各信号(低周波)の強度を測定する測定部には、光電変換部410、可変周波数フィルタ470、パワーモニタ441を用いることができる。また、測定部によって測定された強度に基づく所定情報を出力する出力部には処理部450および送信部460を用いることができる。
【0052】
図4−3は、図4−1に示した測定装置の変形例2を示す図である。図4−3において、図4−1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図4−3に示すように、測定装置400は、図4−1に示した光電変換部410およびパワー分岐部420に代えて光分岐部480および光電変換部491,492を備えていてもよい。送信装置100によって送信された偏波多重光に含まれる低周波f1,f2(各信号)の強度を測定する測定部には、光分岐部480、光電変換部491,492、周波数フィルタ431,432およびパワーモニタ441,442を用いることができる。
【0053】
測定装置400へ入力された光は光分岐部480へ入力される。光分岐部480は、入力された光を分岐(パワー分岐)し、分岐した各光をそれぞれ光電変換部491,492へ出力する。光分岐部480は、たとえば光カプラである。
【0054】
光電変換部491,492のそれぞれは、光分岐部480から出力された光を光電変換する。光電変換部491,492は、光電変換により得られた信号(電気信号)をそれぞれ周波数フィルタ431,432へ出力する。周波数フィルタ431,432は、それぞれ光電変換部491,492から出力された信号における周波数成分を抽出する。このように、信号を電気段で分岐する構成に限らず、光段で分岐する構成としてもよい。また、図4−3に示した測定装置400において、光分岐部480に代えて光スイッチを設けた構成としてもよい。
【0055】
図4−4は、図4−1に示した測定装置の変形例3を示す図である。図4−4において、図4−1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図4−4に示すように、測定装置400は、図4−1に示したパワーモニタ442に代えてスイッチ493を備えていてもよい。送信装置100によって送信された偏波多重光に含まれる低周波f1,f2(各信号)の強度を測定する測定部には、光電変換部410、パワー分岐部420、周波数フィルタ431,432、スイッチ493およびパワーモニタ441を用いることができる。
【0056】
周波数フィルタ431,432のそれぞれは、抽出した信号をスイッチ493へ出力する。スイッチ493は、周波数フィルタ431,432から出力された各信号のうちのいずれかの信号をパワーモニタ441へ出力する。スイッチ493によって出力される信号の切り替えは、処理部450によって制御される。
【0057】
パワーモニタ441は、スイッチ493から出力された信号のパワーを測定する。パワーモニタ441は、測定結果を処理部450へ出力する。処理部450は、スイッチ493が出力する信号を、周波数フィルタ431,432から出力された各信号の間で切り替えながらパワーモニタ441からの測定結果を取得する。これにより、処理部450は、低周波f1および低周波f2の各パワーを取得することができる。また、図4−4に示した測定装置400において、パワー分岐部420に代えて光スイッチを設けた構成としてもよい。この場合は、スイッチ493に代えてパワー合成器を設けた構成としてもよい。
【0058】
図4−5は、図4−1に示した測定装置の変形例4を示す図である。図4−5において、図4−1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図4−5に示すように、測定装置400は、図4−1に示した構成において、n個(n=3,4,5,6,…)の周波数フィルタ431〜43nと、n個のパワーモニタ441〜44nと、を備えていてもよい。このように、測定装置400は、3つ以上の周波数フィルタおよびパワーモニタを設けた構成としてもよい。同様に、図4−2〜図4−3に示した測定装置400において、3つ以上の光電変換部、周波数フィルタおよびパワーモニタなどを設けた構成としてもよい。
【0059】
図5は、通信システムの一例を示す図である。図5に示すように、通信システム500は、ノード511〜517,520,531〜537を含んでいる。ノード511〜517,520はリング状ネットワークを構成している。また、ノード520,531〜537はリング状ネットワークを構成している。したがって、ノード520は、各リング状ネットワークを接続するハブノードとなっている。
【0060】
一例として、図5に示すように、ノード512に送信装置501を接続し、ノード511,520,531,532を中継ノードとし、ノード533に受信装置502を接続する場合について説明する。この場合は、たとえば、図1に示した送信装置100を送信装置501に適用することができる。また、図4に示した測定装置400をノード511,520,531,532またはノード533に設けることができる。
【0061】
図6は、測定装置のノードへの設置例を示す図である。図6に示すノード600は、測定装置400が設けられるノードの一例である(たとえば図5に示したノード511,520,531,532またはノード533のいずれか)。ノード600は、増幅器610と、分離部620と、受信部621〜622と、送信部631〜632と、挿入部630と、増幅器640と、を備えている。増幅器610には、前段のノードから伝送路601を介して伝送された光(波長多重光)が入力される。増幅器610は、入力された光を増幅し、増幅した光を分離部620へ出力する。
【0062】
分離部620は、増幅器610から出力された光に含まれる任意の波長成分の光を分離して受信部621〜622へ出力(Drop)するとともに、残りの波長成分の光を挿入部630へ出力する。受信部621〜622は、分離部620から出力された光を受信する。送信部631〜632は、任意の波長の光を挿入部630へ出力する。
【0063】
挿入部630は、分離部620から出力された光に、送信部631〜632から出力された光を波長多重することで挿入(Add)する。挿入部630は、分離部620から出力された光および送信部631〜632から出力された光を含む光(波長多重光)を増幅器640へ出力する。増幅器640は、挿入部630から出力された光を増幅し、増幅した光を出力する。増幅器640によって出力された光は、伝送路602を介して後段のノードへ出力される。
【0064】
たとえば、ノード600の測定ポイントa1,a2,b,c,d1,d2のいずれかの光を分岐する分岐部を設け、分岐部によって分岐した光を図4に示した測定装置400へ入力する。これにより、送信装置501(送信装置100)から送信された光に含まれる低周波f1および低周波f2のパワーを測定することができる。
【0065】
図7は、図1に示した送信装置の制御の一例を示すフローチャートである。図1に示した送信装置100の制御部170は、たとえば図7に示す各ステップを繰り返し実行する。ここでは、測定装置400から送信装置100へ送信される所定情報は、低周波f1および低周波f2のパワーを示す情報であるとする。
【0066】
まず、制御部170は、受信部160からの所定情報に基づいて、低周波f1のパワーP1と、低周波f2のパワーP2と、を取得する(ステップS701)。つぎに、制御部170は、ステップS701によって取得されたパワーP1およびパワーP2の差(P1−P2)が閾値以下であるか否かを判断する(ステップS702)。
【0067】
ステップS702において、パワーP1およびパワーP2の差が閾値以下である場合(ステップS702:Yes)は、制御部170は、一連の処理を終了する。パワーP1およびパワーP2の差が閾値以下でない場合(ステップS702:No)は、制御部170は、パワーP1がパワーP2より小さいか否かを判断する(ステップS703)。
【0068】
ステップS703において、パワーP1がパワーP2より小さい場合(ステップS703:Yes)は、制御部170は、X偏波の光のパワーが大きくなるように偏波ローテータ120を制御し(ステップS704)、ステップS701へ戻る。ステップS704において、たとえば図3に示した例では、偏波ローテータ120の偏波回転角度を0[度]の方向に変化させることでX偏波の光のパワーを増加させることができる。
【0069】
ステップS703において、パワーP1がパワーP2より小さくない場合(ステップS703:No)は、制御部170は、Y偏波の光のパワーが大きくなるように偏波ローテータ120を制御し(ステップS705)、ステップS701へ戻る。ステップS705において、たとえば図3に示した例では、偏波ローテータ120の偏波回転角度を90[度]の方向に変化させることでY偏波の光のパワーを増加させることができる。以上の各ステップにより、制御部170は、測定装置400における各偏波のパワー差(P1−P2)が閾値以下になるように偏波多重光の偏波間のパワー差を制御することができる。
【0070】
以上の各ステップを測定装置400の処理部450において行ってもよい。この場合は、処理部450は、ステップS701において、パワーモニタ441,442(図4−1の例の場合)からのモニタ結果に基づいてパワーP1,P2を取得する。
【0071】
また、処理部450は、ステップS704において、X偏波の光のパワーが大きくなるように偏波ローテータ120を制御すべき旨の制御指示を所定情報として送信装置100へ送信する。また、処理部450は、ステップS705において、X偏波の光のパワーが小さくなるように偏波ローテータ120を制御すべき旨の制御指示を所定情報として送信装置100へ送信する。
【0072】
図8−1は、所定情報の送受信の一例を示す図である。図8−1に示す通信システム800は、図5に示した通信システム500を簡略化した通信システムである。通信システム800は、ノード811〜814を含んでいる。ノード811〜814は、通信システム800における各光通信を管理するNMS820(Network Management system)に接続されている。ノード811〜814は、NMS820との間でそれぞれ監視制御信号801〜804を送受信する。ノード811〜814の間の上述した所定情報は、監視制御信号801〜804によって送受信することができる。
【0073】
図8−2は、所定情報の送受信の他の例を示す図である。図8−2において、図8−1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図8−2に示すように、ノード811〜814は、互いにOSC831〜834(Optical Supervisory Channel)を送受信する。ノード811〜814の間の上述した所定情報は、OSC831〜834によって送受信することができる。
【0074】
図9−1は、伝送路における光パワーの特性の一例を示す図である。図9−1において、横軸のN1〜N3は、図5に示した送信装置501から受信装置502へ伝送される光の伝送路の各ノードを示している。たとえば、N1はノード512に対応する。N2はノード511,520,531,532のいずれかに対応する。N3はノード533に対応する。また、図9−1において、縦軸は光のパワーを示している。
【0075】
特性901は、送信装置501から受信装置502へ伝送される光(偏波多重光)に含まれるX偏波の成分のパワー特性を示している。特性902は、送信装置501から受信装置502へ伝送される光に含まれるY偏波の成分のパワー特性を示している。
【0076】
図9−1においては、PDLの影響により、伝送距離が長くなるほどX偏波のパワーが増加し、Y偏波のパワーが減少する例を示している(図9−2,図9−3においても同様)。また、図9−1においては、送信装置100から伝送される時点での光に含まれるX偏波およびY偏波の各成分が同じパワーである例を示している。
【0077】
したがって、図9−1に示す例においては、伝送距離が長くなるほどX偏波およびY偏波の間のパワー偏差が大きくなる。このため、N3に設けられた受信装置502におけるX偏波およびY偏波の間のパワー偏差911が大きくなり、X偏波およびY偏波の各成分が受信装置502の受信ダイナミックレンジ範囲に収まらない可能性がある。
【0078】
また、X偏波の成分の平均パワー921と、Y偏波の成分の平均パワー922と、に大きな差920が生じる。したがって、X偏波およびY偏波のうちの平均パワーが低い偏波(この例ではY偏波)のOSNR(Optical Signal Noise Ratio)が低くなり、BER(Bit Error Rate)が劣化する。
【0079】
また、X偏波およびY偏波のうちの平均パワーが高い偏波(この例ではX偏波)のファイバ非線形効果による伝送品質劣化が大きくなり、BERが劣化する。このように、送信装置100から伝送される時点での光に含まれるX偏波およびY偏波の各成分が同じパワーである場合は、PDLによって受信装置502における伝送品質が劣化する。なお、PDLによる伝送品質の劣化については、たとえば上記非特許文献1に開示されている。
【0080】
図9−2は、偏波間のパワー偏差の制御例1を示す図である。図9−2において、図9−1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。たとえば、N2(中間ノード)に測定装置400を設け、測定装置400におけるX偏波およびY偏波の各成分のパワー偏差が最も小さくなるように送信装置100における偏波間のパワー偏差を制御する。これにより、図9−2に示すように、N2(中間ノード)におけるX偏波およびY偏波の各成分のパワー偏差を最も小さくすることができる。
【0081】
この例においては、X偏波の成分の平均パワー921と、Y偏波の成分の平均パワー922と、をほぼ等しくすることができる。このため、上述したOSNRの低下やファイバ非線形効果による伝送品質劣化を抑制することができる。
【0082】
図9−3は、偏波間のパワー偏差の制御例2を示す図である。図9−3において、図9−1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。たとえば、N3(受信ノード)に測定装置400を設け、測定装置400におけるX偏波およびY偏波の各成分のパワー偏差が最も小さくなるように送信装置100による偏波間のパワー偏差を制御する。これにより、図9−3に示すように、N3(受信ノード)におけるX偏波およびY偏波の各成分のパワー偏差を最も小さくすることができる。
【0083】
この例においては、受信装置502におけるX偏波およびY偏波の各成分のパワーをほぼ等しくすることができる。このため、X偏波およびY偏波の各成分を受信装置502の受信ダイナミックレンジ範囲に容易に収めることができる。図9−2および図9−3において偏波間のパワー偏差の制御例を説明したが、偏波間のパワー偏差の制御はこれに限らず、通信システム500において要求される条件にしたがって種々の変形が可能である。
【0084】
図10−1は、測定装置へ入力される低周波の波形の例1を示す図である。図10−1において、横軸は時間を示し、縦軸は光のパワーを示している。図10−1においては、送信装置100による偏波間のパワー偏差の制御前の例を示している。波形1011は、測定装置400へ入力される光に含まれる低周波f1の波形を示している。波形1012は、測定装置400へ入力される光に含まれる低周波f2の成分の波形を示している。
【0085】
図10−1に示すように、送信装置100による偏波間のパワー偏差の制御前においては、測定装置400へ入力される光に含まれる低周波f1,f2の間にPDLによるパワー偏差が生じている。したがって、測定装置400へ入力される光の偏波間にパワー偏差が生じていることが分かる。
【0086】
図10−2は、測定装置へ入力される低周波のスペクトルの例1を示す図である。図10−2において、横軸は周波数を示し、縦軸は光のパワーを示している。スペクトル1021は、図10−1に示した低周波f1の波形1011に対応するスペクトルである。スペクトル1022は、図10−1に示した低周波f2の波形1012に対応するスペクトルである。パワー差1030は、スペクトル1021とスペクトル1022との間のパワーの差を示している。
【0087】
測定装置400は、パワー差1030を測定し、測定結果に基づく制御信号を送信装置100へ送信する。送信装置100は、測定装置400からの制御信号に基づいて、たとえばパワー差1030が小さくなるように偏波間のパワー偏差を制御する。
【0088】
図11−1は、測定装置へ入力される低周波の波形の例2を示す図である。図11−1において、図10−1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図11−1においては、送信装置100による偏波間のパワー偏差の制御後の例を示している。
【0089】
図11−2は、測定装置へ入力される低周波のスペクトルの例2を示す図である。図11−2において、図10−2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図11−2に示すスペクトル1021は、図11−1に示した低周波f1の波形1011に対応するスペクトルである。図11−2に示すスペクトル1022は、図11−1に示した低周波f2の波形1012に対応するスペクトルである。
【0090】
図11−1および図11−2に示すように、送信装置100による偏波間のパワー偏差の制御を行うことで、測定装置400へ入力される光に含まれる各偏波成分のパワーをほぼ等しくすることができる。ただし、送信装置100による偏波間のパワー偏差の制御はこれに限らず、測定装置400へ入力される光に含まれる各偏波成分のパワーの差を所定の範囲にするようにしてもよい。
【0091】
図12は、図1に示した送信装置の変形例1を示す図である。図12において、図1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図12に示すように、送信装置100は、図1に示した偏波ローテータ120に代えて偏波コントローラ1210(Polarization Controller)を備えていてもよい。この場合は、LD110は偏波分離部130に接続される。偏波合成部150は、合成した光を偏波コントローラ1210へ出力する。
【0092】
偏波コントローラ1210は、偏波合成部150から出力された光の偏波を調整する。偏波コントローラ1210は、たとえば1/2波長板によって実現することができる。これにより、偏波コントローラ1210は偏波ローテータとして動作し、光の偏光方向を変化させることができる。また、偏波コントローラ1210は、1/2波長板および1/4波長板の組み合わせによって実現してもよい。これにより、光の偏光方向および偏光状態を変化させることができる。
【0093】
偏波コントローラ1210による光に対する偏波の調整は、制御部170によって制御される。偏波コントローラ1210は、偏波を調整した光を送信装置100の後段へ出力する。制御部170は、受信部160から出力された所定情報に基づいて、偏波コントローラ1210による偏波の調整を制御する。
【0094】
図13は、図12に示した送信装置の制御の一例を示すフローチャートである。図12に示した送信装置100の制御部170は、たとえば図13に示す各ステップを繰り返し実行する。図13においては、偏波コントローラ1210によって光の偏光方向を変化させる(偏光状態については変化させない)場合について説明する。
【0095】
まず、制御部170は、受信部160からの所定情報に基づいて、X偏波のパワーP1と、Y偏波のパワーP2と、を取得する(ステップS1301)。つぎに、制御部170は、ステップS1301によって取得されたパワーP1およびパワーP2の差(P1−P2)が閾値以下であるか否かを判断する(ステップS1302)。
【0096】
ステップS1302において、パワーP1およびパワーP2の差が閾値以下である場合(ステップS1302:Yes)は、制御部170は、一連の処理を終了する。パワーP1およびパワーP2の差が閾値以下でない場合(ステップS1302:No)は、制御部170は、偏波コントローラ1210の偏波回転角度を大きくする(ステップS1303)。つぎに、制御部170は、受信部160からの所定情報に基づいて、X偏波のパワーP1と、Y偏波のパワーP2と、を取得する(ステップS1304)。
【0097】
つぎに、制御部170は、ステップS1304によって取得されたパワーP1およびパワーP2の差が、ステップS1301によって取得されたパワーP1およびパワーP2の差より減少したか否かを判断する(ステップS1305)。
【0098】
ステップS1305において、パワーP1およびパワーP2の差が減少した場合(ステップS1305:Yes)は、制御部170は、ステップS1301へ戻る。パワーP1およびパワーP2の差が減少していない場合(ステップS1305:No)は、制御部170は、偏波コントローラ1210の偏波回転角度を小さくし(ステップS1306)、ステップS1301へ戻る。以上の各ステップにより、制御部170は、測定装置400における各偏波のパワー差(P1−P2)が閾値以下になるように偏波多重光の偏波状態を制御することができる。
【0099】
以上の各ステップを測定装置400の処理部450において行ってもよい。この場合は、処理部450は、ステップS1301,S1304において、パワーモニタ441,442(図4−1の例の場合)からのモニタ結果に基づいてパワーP1,P2を取得する。また、処理部450は、ステップS1303において、偏波回転角度が大きくなるように偏波コントローラ1210を制御すべき旨の制御指示を所定情報として送信装置100へ送信する。また、処理部450は、ステップS1306において、偏波回転角度が小さくなるように偏波コントローラ1210を制御すべき旨の制御指示を所定情報として送信装置100へ送信する。
【0100】
図14は、図12に示した送信装置の制御の他の例を示すフローチャートである。図12に示した送信装置100の制御部170は、たとえば図14に示す各ステップを繰り返し実行してもよい。図14においては、偏波コントローラ1210によって光の偏光方向および偏光状態を変化させる場合について説明する。したがって、偏波コントローラ1210は、1/2波長板および1/4波長板の組み合わせによって実現されているとする。
【0101】
まず、制御部170は、受信部160からの所定情報に基づいて、X偏波のパワーP1と、Y偏波のパワーP2と、を取得する(ステップS1401)。つぎに、制御部170は、ステップS1401によって取得されたパワーP1およびパワーP2の差が閾値以下であるか否かを判断する(ステップS1402)。
【0102】
ステップS1402において、パワーP1およびパワーP2の差が閾値以下である場合(ステップS1402:Yes)は、制御部170は、一連の処理を終了する。パワーP1およびパワーP2の差が閾値以下でない場合(ステップS1402:No)は、制御部170は、偏波コントローラ1210の1/4波長板の角度を大きくする(ステップS1403)。つぎに、制御部170は、受信部160からの所定情報に基づいて、X偏波のパワーP1と、Y偏波のパワーP2と、を取得する(ステップS1404)。
【0103】
つぎに、制御部170は、ステップS1404によって取得されたパワーP1およびパワーP2の差が、ステップS1401によって取得されたパワーP1およびパワーP2の差より減少したか否かを判断する(ステップS1405)。パワーP1およびパワーP2の差が減少した場合(ステップS1405:Yes)は、制御部170は、ステップS1408へ移行する。パワーP1およびパワーP2の差が減少していない場合(ステップS1405:No)は、制御部170は、偏波コントローラ1210の1/4波長板の角度を小さくする(ステップS1406)。
【0104】
つぎに、制御部170は、受信部160からの所定情報に基づいて、X偏波のパワーP1と、Y偏波のパワーP2と、を取得する(ステップS1407)。つぎに、制御部170は、偏波コントローラ1210の1/2波長板の角度を大きくする(ステップS1408)。つぎに、制御部170は、受信部160からの所定情報に基づいて、X偏波のパワーP1と、Y偏波のパワーP2と、を取得する(ステップS1409)。
【0105】
つぎに、制御部170は、ステップS1409によって取得されたパワーP1およびパワーP2の差が、前回取得されたパワーP1およびパワーP2の差より減少したか否かを判断する(ステップS1410)。前回取得されたパワーP1およびパワーP2は、ステップS1404,S1407のうちの最後に実行されたステップによって取得されたパワーP1およびパワーP2である。
【0106】
ステップS1410において、パワーP1およびパワーP2の差が減少した場合(ステップS1410:Yes)は、制御部170は、ステップS1401へ戻る。パワーP1およびパワーP2の差が減少していない場合(ステップS1410:No)は、制御部170は、偏波コントローラ1210の1/2波長板の角度を小さくし(ステップS1411)、ステップS1401へ戻る。以上の各ステップにより、制御部170は、測定装置400における各偏波のパワー差(P1−P2)が閾値以下になるように偏波多重光の偏波間のパワー差を制御することができる。
【0107】
以上の各ステップを測定装置400の処理部450において行ってもよい。この場合は、処理部450は、ステップS1401,S1404,S1407,S1409において、パワーモニタ441,442(図4−1の例の場合)からのモニタ結果に基づいてパワーP1,P2を取得する。
【0108】
また、処理部450は、ステップS1403において、1/4波長板の角度が大きくなるように偏波コントローラ1210を制御すべき旨の制御指示を所定情報として送信装置100へ送信する。また、処理部450は、ステップS1406において、1/4波長板の角度が小さくなるように偏波コントローラ1210を制御すべき旨の制御指示を所定情報として送信装置100へ送信する。また、処理部450は、ステップS1408において、1/2波長板の角度が大きくなるように偏波コントローラ1210を制御すべき旨の制御指示を所定情報として送信装置100へ送信する。また、処理部450は、ステップS1411において、1/2波長板の角度が小さくなるように偏波コントローラ1210を制御すべき旨の制御指示を所定情報として送信装置100へ送信する。
【0109】
偏波コントローラ1210の1/4波長板と1/2波長板とを交互に制御する手順としたが、1/4波長板と1/2波長板のうちのいずれか一方を可変範囲内で調整し、つぎに他方を調整する手順としてもよい。また、ここでは1/4波長板、1/2波長板の順に制御する手順としたが、1/2波長板、1/4波長板の順に制御する手順としてもよい。
【0110】
また、測定装置400における各偏波のパワー差(P1−P2)が閾値以下になるまで、偏波コントローラ1210によって偏波をランダムに変化させてもよい。この場合は、たとえば初期立ち上げ時に偏波コントローラ1210による偏波の調整を行う。これにより、偏波をランダムに変化させることによる信号品質への影響を回避することができる。
【0111】
図15は、図1に示した送信装置の変形例2を示す図である。図15において、図12に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図15に示すように、送信装置100は、図12に示した偏波コントローラ1210に代えて偏波ローテータ1510およびPDL素子1520を備えていてもよい。偏波合成部150は、合成した光を偏波ローテータ1510へ出力する。
【0112】
偏波ローテータ1510は、偏波合成部150から出力された光の偏波を回転させる。偏波ローテータ1510は、偏波を回転させた光をPDL素子1520へ出力する。PDL素子1520は、偏波ローテータ1510から出力された光を透過させて送信装置100の後段へ出力する。PDL素子1520は、偏波依存性損失を有する素子である。
【0113】
したがって、偏波合成部150によって光の偏波を回転させることで、PDL素子におけるX偏波およびY偏波のパワーロス比を変化させることができる。これにより、送信装置100から送信される光の偏波間のパワー偏差を制御することが可能になる。制御部170は、受信部160から出力された所定情報に基づいて、偏波ローテータ1510による偏波の回転量を制御する。
【0114】
図15に示した送信装置の制御の例は、図7に示した各ステップと同様である。ただし、図7に示したステップS704,S705において、制御部170は、偏波ローテータ1510を制御することによって偏波間のパワー偏差を制御する。
【0115】
図16は、図1に示した送信装置の変形例3を示す図である。図17は、図16に示した変調部の一例を示す図である。図16において、図12に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図17において、図2−3に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0116】
図16に示すように、送信装置100の制御部170は、変調部141を制御することによって偏波間のパワー偏差を制御してもよい。この場合は、変調部141は、図17に示すように、低周波f1による変調をVOA216で行う構成とする。また、VOA216は、制御部170の制御によって光のパワー(たとえば平均パワー)を減衰させる。
【0117】
これにより、X偏波の成分に低周波f1を重畳するとともに、X偏波の成分のパワーを変化させ、X偏波およびY偏波の間のパワー偏差を制御することができる。このように、VOA216を偏波間のパワー偏差の制御部として併用してもよい。ここでは制御部170がVOA216を制御する場合について説明したが、制御部170がVOA226を制御する構成としてもよい。また、制御部170がVOA216およびVOA226を制御する構成としてもよい。
【0118】
また、制御部170がVOA216およびVOA226を制御する構成とする場合は、制御部170は、VOA216およびVOA226の各出力光の合計パワーが一定になるように制御してもよい。たとえば、制御部170は、VOA216の減衰量を変化量Δだけ増加させる場合は、VOA226の減衰量を変化量Δだけ減少させる。これにより、送信装置100から送信される光のパワーを一定にし、後段に対する悪影響を抑制することができる。また、VOA216およびVOA226の各出力光の合計パワーを一定にするためのVOAを、VOA216およびVOA226とは別に設けてもよい。
【0119】
図18は、図16に示した送信装置の制御の一例を示すフローチャートである。図16に示した送信装置100の制御部170は、たとえば図18に示す各ステップを繰り返し実行する。図18に示すステップS1801〜S1803は、図7に示したステップS701〜S703と同様であるため説明を省略する。
【0120】
ステップS1803において、パワーP1がパワーP2より小さい場合(ステップS1803:Yes)は、制御部170は、X偏波側のVOA216の減衰量を減少させ(ステップS1804)、ステップS1801へ戻る。これにより、送信装置100から送信される光に含まれるX偏波のパワーを増加させることができる。
【0121】
パワーP1がパワーP2より小さくない場合(ステップS1803:No)は、制御部170は、X偏波側のVOA216の減衰量を増加させ(ステップS1805)、ステップS1801へ戻る。これにより、送信装置100から送信される光に含まれるX偏波のパワーを減少させることができる。以上の各ステップにより、制御部170は、測定装置400における各偏波のパワー差(P1−P2)が閾値以下になるように偏波多重光の偏波間のパワー差を制御することができる。
【0122】
以上の各ステップを測定装置400の処理部450において行ってもよい。この場合は、処理部450は、ステップS1801において、パワーモニタ441,442(図4−1の例の場合)からのモニタ結果に基づいてパワーP1,P2を取得する。
【0123】
また、処理部450は、ステップS1804において、減衰量が減少するようにVOA216を制御すべき旨の制御指示を所定情報として送信装置100へ送信する。また、処理部450は、ステップS1805において、減衰量が減少するようにVOA216を制御すべき旨の制御指示を所定情報として送信装置100へ送信する。
【0124】
図19は、図1に示した送信装置の変形例4を示す図である。図19において、図12に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図19に示すように、送信装置100は、図12に示したLD110および偏波分離部130に代えてLD1911,1912を備えていてもよい。
【0125】
LD1911は、X偏波の光を生成して変調部141へ出力する。LD1912は、Y偏波の光を生成して変調部142へ出力する。変調部141は、LD1911から出力された光を変調する。変調部142は、LD1912から出力された光を変調する。
【0126】
また、図19に示した送信装置100において、図16および図17に示したように、制御部170が変調部141を制御することによって偏波間のパワー偏差を制御してもよい。この場合は、図19に示した偏波コントローラ1210を省いた構成としてもよい。
【0127】
図20は、図1に示した送信装置の変形例5を示す図である。図20において、図12に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図20に示すように、送信装置100は、図12に示した偏波分離部130に代えて光カプラ2010および偏波ローテータ2020を備えていてもよい。LD110は、X偏波の光を生成して光カプラ2010へ出力する。
【0128】
光カプラ2010は、LD110から出力された光を分岐(パワー分岐)し、分岐した各光をそれぞれ変調部141および偏波ローテータ2020へ出力する。変調部141は、光カプラ2010から出力された光を変調する。偏波ローテータ2020は、光カプラ2010から出力されたX偏波の光の偏波を90[度]回転させてY偏波にする。偏波ローテータ2020は、偏波を回転させた光を変調部142へ出力する。変調部142は、偏波ローテータ2020から出力された光を変調する。
【0129】
また、図20に示した送信装置100において、図16および図17に示したように、制御部170が変調部141を制御することによって偏波間のパワー偏差を制御してもよい。この場合は、図20に示した偏波コントローラ1210を省いた構成としてもよい。
【0130】
図21は、図1に示した送信装置の変形例6を示す図である。図21において、図1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図22は、図21に示した変調部の一例を示す図である。図22において、図2−1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0131】
図21および図22に示すように、送信装置100の変調部141は、低周波f1による光の変調を行い、主信号DATA1による変調は行わなくてもよい。また、変調部142は、低周波f2による光の変調を行い、主信号DATA2による変調は行わなくてもよい。この場合は、送信装置100は、図2−1に示した信号生成部213,223および光変調器211,221を省いた構成としてもよい。
【0132】
このように、送信装置100をPDL測定用の送信装置としてもよい。この場合は、送信装置100は、偏波間のパワー差を制御しなくてもよい。したがって、送信装置100は、図1に示した受信部160および制御部170を省いた構成としてもよい。
【0133】
また、たとえば図4−1〜図4−4に示した測定装置400は、送信部460を省いた構成としてもよい。この場合は、処理部450(出力部)は、たとえば、取得した低周波f1,f2のパワーの差分を示す情報を管理者へ出力する。管理者は、測定装置400から出力された情報に基づいて、送信装置100から測定装置400までのPDLによる偏波間のパワー偏差を把握し、通信システムの調整や設計を行うことができる。
【0134】
以上説明したように、開示の通信システム、測定装置、送信装置、測定方法および制御方法によれば、偏波多重光の偏波ごとに周波数の異なる各信号(たとえば低周波f1,f2)を重畳し、伝送路上の測定装置において各信号のパワーを測定することができる。これにより、簡単な構成によってPDLによる偏波間のパワー偏差を測定することができる。このため、偏波多重光の偏波間のパワー偏差を制御し、伝送品質を向上させることができる。または、偏波多重光の偏波状態を制御し、伝送品質を向上させることができる。
【0135】
また、ここでは送信装置501から受信装置502の一つの伝送路(たとえば図5参照)について説明したが、通信システム500における複数の伝送路のPDLによる偏波間のパワー偏差の測定および制御を行うことも可能である。この場合は、複数の伝送路のそれぞれにおいて、送信ノードに送信装置100を接続し、中継ノードまたは受信ノードに測定装置400を接続する。このとき、複数の送信装置100における低周波f1,f2は、互いに異なる周波数になるように設定する。
【0136】
また、測定装置400によれば、波長ごとに測定装置400を設けなくても、波長多重光の全波長のPDLの測定を行うことができる。また、PDLによる偏波間のパワー偏差をインサービス中にリアルタイムに測定することができる。このため、インサービス中にPDLによる偏波間のパワー偏差が変動しても、偏波間のパワー偏差を制御し、簡単な構成によって偏波間のパワー偏差を測定することができる。
【0137】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0138】
(付記1)複数の光にそれぞれ異なる周波数の各信号を重畳し、前記各信号を重畳した各光を偏波多重して送信する送信装置と、
前記送信装置によって送信された偏波多重光の伝送路上に設けられ、前記偏波多重光に含まれる前記各信号の強度を測定し、前記強度の測定結果を出力する測定装置と、
を含むことを特徴とする通信システム。
【0139】
(付記2)前記測定装置は、前記測定結果に基づく所定情報を前記送信装置へ送信し、
前記送信装置は、前記測定装置によって送信された所定情報に基づいて前記偏波多重光の偏波間の強度偏差を制御することを特徴とする付記1に記載の通信システム。
【0140】
(付記3)前記測定装置は、前記測定結果に基づく所定情報を前記送信装置へ送信し、
前記送信装置は、前記測定装置によって送信された所定情報に基づいて前記偏波多重光の偏波状態を制御することを特徴とする付記1に記載の通信システム。
【0141】
(付記4)複数の光にそれぞれ異なる周波数の各信号を重畳し、前記各信号を重畳した各光を偏波多重して送信する送信装置から送信された偏波多重光の伝送路上に設けられ、
前記偏波多重光に含まれる前記各信号の強度を測定する測定部と、
前記測定部によって測定された強度に基づく所定情報を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする測定装置。
【0142】
(付記5)前記出力部は、前記所定情報を前記送信装置へ送信する送信部であることを特徴とする付記4に記載の測定装置。
【0143】
(付記6)複数の光にそれぞれ異なる周波数の各信号を重畳する重畳部と、
前記重畳部によって前記各信号を重畳された各光を偏波多重する多重化部と、
前記多重化部によって偏波多重された偏波多重光を、前記各信号の強度を測定する測定装置が設けられた伝送路へ送信する送信部と、
を備えることを特徴とする送信装置。
【0144】
(付記7)前記測定装置で測定された前記各信号の強度に基づく所定情報を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された所定情報に基づいて前記偏波多重光の偏波間の強度偏差を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする付記6に記載の送信装置。
【0145】
(付記8)光の偏波を回転させる偏波ローテータと、
前記偏波ローテータによって偏波を回転された光を偏波ごとに分離して前記複数の光とする偏波分離部と、
を備え、
前記制御部は、前記偏波ローテータによる偏波の回転量を制御することを特徴とする付記7に記載の送信装置。
【0146】
(付記9)前記多重化部によって偏波多重された偏波多重光の偏波を回転させる偏波ローテータと、
前記偏波ローテータによって偏波を回転された光を透過させ、偏波依存性損失を有する素子と、
を備え、
前記制御部は、前記偏波ローテータによる偏波の回転量を制御することを特徴とする付記7に記載の送信装置。
【0147】
(付記10)前記複数の光の少なくとも一方を可変の減衰量で減衰させる可変減衰器を備え、
前記制御部は、前記可変減衰器の前記減衰量を制御することを特徴とする付記7に記載の送信装置。
【0148】
(付記11)前記測定装置で測定された前記各信号の強度に基づく所定情報を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された所定情報に基づいて前記偏波多重光の偏波状態を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする付記6に記載の送信装置。
【0149】
(付記12)前記送信装置は、
前記多重化部によって偏波多重された偏波多重光の偏波状態を調整する偏波コントローラを備え、
前記制御部は、前記偏波コントローラを制御することを特徴とする付記11に記載の送信装置。
【0150】
(付記13)前記複数の光をそれぞれデータ信号によって変調する変調部を備え、
前記重畳部は、前記データ信号とは異なる周波数の前記各信号を重畳することを特徴とする付記6〜12のいずれか一つに記載の送信装置。
【0151】
(付記14)前記重畳部は、前記データ信号の周波数より低い周波数の前記各信号を重畳することを特徴とする付記13に記載の送信装置。
【0152】
(付記15)前記重畳部は、前記データ信号に前記信号を重畳することを特徴とする付記13または14に記載の送信装置。
【0153】
(付記16)送信装置が、複数の光にそれぞれ異なる周波数の各信号を重畳し、前記各信号を重畳した各光を偏波多重して送信し、
前記送信装置によって送信された偏波多重光の伝送路上に設けられた測定装置が、前記偏波多重光に含まれる前記各信号の強度を測定し、
前記測定装置が、測定した前記強度に基づく所定情報を出力することを特徴とする測定方法。
【0154】
(付記17)送信装置が、複数の光にそれぞれ異なる周波数の各信号を重畳し、前記各信号を重畳した各光を偏波多重して送信し、
前記送信装置によって送信された偏波多重光の伝送路上に設けられた測定装置が、前記偏波多重光に含まれる前記各信号の強度を測定し、
前記測定装置が、測定した前記強度に基づく所定情報を前記送信装置へ送信し、
前記送信装置が、前記測定装置によって送信された所定情報に基づいて前記偏波多重光の偏波間の強度偏差を制御することを特徴とする制御方法。
【0155】
(付記18)送信装置が、複数の光にそれぞれ異なる周波数の各信号を重畳し、前記各信号を重畳した各光を偏波多重して送信し、
前記送信装置によって送信された偏波多重光の伝送路上に設けられた測定装置が、前記偏波多重光に含まれる前記各信号の強度を測定し、
前記測定装置が、測定した前記強度に基づく所定情報を前記送信装置へ送信し、
前記送信装置が、前記測定装置によって送信された所定情報に基づいて前記偏波多重光の偏波状態を制御することを特徴とする制御方法。
【符号の説明】
【0156】
100,501 送信装置
310 制御範囲
500,800 通信システム
502 受信装置
511〜517,520,531〜537,600,811〜814 ノード
601,602 伝送路
610,640 増幅器
801〜804 監視制御信号
831〜834 OSC
911 パワー偏差
921,922 平均パワー
1011,1012 波形
1021,1022 スペクトル
1030 パワー差
1210 偏波コントローラ
DATA1,DATA2 主信号
f1,f2 低周波

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光にそれぞれ異なる周波数の各信号を重畳し、前記各信号を重畳した各光を偏波多重して送信する送信装置と、
前記送信装置によって送信された偏波多重光の伝送路上に設けられ、前記偏波多重光に含まれる前記各信号の強度を測定し、前記強度の測定結果を出力する測定装置と、
を含むことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記測定装置は、前記測定結果に基づく所定情報を前記送信装置へ送信し、
前記送信装置は、前記測定装置によって送信された所定情報に基づいて前記偏波多重光の偏波間の強度偏差を制御することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記測定装置は、前記測定結果に基づく所定情報を前記送信装置へ送信し、
前記送信装置は、前記測定装置によって送信された所定情報に基づいて前記偏波多重光の偏波状態を制御することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
複数の光にそれぞれ異なる周波数の各信号を重畳し、前記各信号を重畳した各光を偏波多重して送信する送信装置から送信された偏波多重光の伝送路上に設けられ、
前記偏波多重光に含まれる前記各信号の強度を測定する測定部と、
前記測定部によって測定された強度に基づく所定情報を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする測定装置。
【請求項5】
複数の光にそれぞれ異なる周波数の各信号を重畳する重畳部と、
前記重畳部によって前記各信号を重畳された各光を偏波多重する多重化部と、
前記多重化部によって偏波多重された偏波多重光を、前記各信号の強度を測定する測定装置が設けられた伝送路へ送信する送信部と、
を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項6】
前記測定装置で測定された前記各信号の強度に基づく所定情報を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された所定情報に基づいて前記偏波多重光の偏波間の強度偏差を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする請求項5に記載の送信装置。
【請求項7】
光の偏波を回転させる偏波ローテータと、
前記偏波ローテータによって偏波を回転された光を偏波ごとに分離して前記複数の光とする偏波分離部と、
を備え、
前記制御部は、前記偏波ローテータによる偏波の回転量を制御することを特徴とする請求項6に記載の送信装置。
【請求項8】
前記測定装置で測定された前記各信号の強度に基づく所定情報を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された所定情報に基づいて前記偏波多重光の偏波状態を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする請求項5に記載の送信装置。
【請求項9】
送信装置が、複数の光にそれぞれ異なる周波数の各信号を重畳し、前記各信号を重畳した各光を偏波多重して送信し、
前記送信装置によって送信された偏波多重光の伝送路上に設けられた測定装置が、前記偏波多重光に含まれる前記各信号の強度を測定し、
前記測定装置が、測定した前記強度に基づく所定情報を出力することを特徴とする測定方法。
【請求項10】
送信装置が、複数の光にそれぞれ異なる周波数の各信号を重畳し、前記各信号を重畳した各光を偏波多重して送信し、
前記送信装置によって送信された偏波多重光の伝送路上に設けられた測定装置が、前記偏波多重光に含まれる前記各信号の強度を測定し、
前記測定装置が、測定した前記強度に基づく所定情報を前記送信装置へ送信し、
前記送信装置が、前記測定装置によって送信された所定情報に基づいて前記偏波多重光の偏波間の強度偏差を制御することを特徴とする制御方法。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図2−3】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図4−4】
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【図4−5】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図9−3】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−114639(P2012−114639A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261306(P2010−261306)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】