説明

通信システム、通信装置および通信方法

【課題】同等の通信環境にある通信端末に対しては、受信ウィンドウサイズが異なっても同等のスループットを達成することができるように通信機会を割り当てることができるスケジューリング方式を提供することである。
【解決手段】本発明に係る通信システムは、第1通信装置10および当該第1通信装置10と通信可能な第2通信装置20を含む通信システムにおいて、第1通信装置10は、第2通信装置20と通信する第1通信部110と、第1通信部を介して取得した、第1通信装置10と第2通信装置20の間の通信品質第2通信装置20の受信ウィンドウサイズと、過去一定期間の平均スループットとに基づいて、第2通信装置20への通信機会の割り当てをスケジューリングする第1スケジューラ124とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、通信装置および通信方法に関し、特に通信機会をスケジュ−リングする通信システム、通信装置および通信方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムにおいて、基地局は、どの通信端末に通信機会を与えるかを決定するためのスケジューリングを行う。セル全体のスループットの向上や各通信端末への公平な通信機会の割り当てなどの観点から様々なスケジューリング方式が提案されている。
【0003】
スケジューリング方式としては、例えば、Max CIR(Maximum Carrier to Interference power Ratio)方式、ラウンドロビン(Round Robin)方式、および、プロポーショナルフェアネス(Proportional Fairness)方式などが知られている。
【0004】
Max CIR方式は、最も基地局との間の通信品質が良い(すなわち、CIRが最大の)通信端末に通信機会を与えるスケジューリング方式である。Max CIR方式は、総スループットの向上の観点からは優れているものの、各通信端末への通信機会の公平な割り当ての観点からは好ましくない。通信品質の良い環境にある通信端末のみが優先的に通信機会を与えられ、通信環境の悪い環境にある通信端末は通信機会が与えられないからである。
【0005】
ラウンドロビン方式は、各通信端末に対し順番に通信機会を割り当てるスケジューリング方式である。ラウンドロビン方式は、各通信端末へ通信機会を公平に割り当てることができるが、総スループット向上の観点からは好ましくない。通信環境が悪く低スループットしか達成できない通信端末にも公平に通信機会を割り当ててしまうからである。
【0006】
プロポーショナルフェアネス方式は、総スループットの向上および通信機会の公平な割り当ての両立を目的とする方式である。プロポーショナルフェアネス方式は、各通信端末への送信機会を、優先度Pを指標として割り当てる方式であり、優先度Pは、
P=F(M、T)
のように指標MおよびTを引数とする関数Fにより計算することができる。ここで、指標MおよびTは、
M:通信端末の現在の変調方式および符号化率に対応
T:通信端末の過去一定期間の平均スループットに対応
と定義される指標である。関数Fの一例としては、
P=(SINR)/(過去一定期間の平均スループット)
などが挙げられる。ここで、SINR(Signal to Interference and Noise Ratio)は、基地局と通信端末との間の通信品質を表し、指標M(すなわち、通信端末の現在の変調方式および符号化率)と関連付けられる。
【0007】
プロポーショナルフェアネス方式は、上述のように、現在の変調方式および符号化率(すなわちSINR)が大きい通信端末の優先度Pを大きくすることにより総スループットを向上させ、また、過去一定期間の平均スループットが小さい通信端末の優先度Pを大きくすることにより通信機会を公平に割り当てようとする方式である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−277704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のようにプロポーショナルフェアネス方式は、総スループットの向上および通信機会の公平な割り当ての両立をバランス良く実現しているように見える。しかしながら、プロポーショナルフェアネス方式は、通信端末の受信ウィンドウサイズを考慮していないため、例えば、通信環境が同等で受信ウィンドウサイズが異なる複数の通信端末がある場合に、同等の通信機会を与えてしまう。しかしながら、受信ウィンドウサイズが異なると送信側が送信できるデータのサイズが異なるため、このような場合は、プロポーショナルフェアネス方式によるスケジューリングでは各通信端末のスループットは同等にならない。ここで、受信ウィンドウサイズについて以下に説明する。
【0010】
TCP(Transmission Control Protocol)接続において、通信端末は、受信データを一時的にバッファに蓄え必要に応じてバッファからデータを取り出す(例えば、特許文献1参照)。受信ウィンドウサイズとは、送信側が通信端末のバッファに受信確認されていないデータをどれだけ送信できるかを規定するサイズである。受信ウィンドウサイズは、通信端末から送信側へ伝えられ、送信側は受信ウィンドウサイズに応じて送信するデータのサイズを決定する。
【0011】
近年は、Windows Vista(登録商標)やWindows 7(登録商標)などのように、通信状況などに応じて受信ウィンドウサイズを自動チューニングするOSが増えているので、様々な値の受信ウィンドウサイズを設定された通信端末がセル内に存在することが増えると想定される。
【0012】
送信側は受信ウィンドウサイズに応じて、受信ウィンドウサイズが大きい通信端末に対しては大きいデータサイズのデータを送信し、受信ウィンドウサイズが小さい通信端末に対しては小さいデータサイズのデータを送信する。
【0013】
したがって、プロポーショナルフェア方式でスケジューリングした場合、同等の通信環境にある通信端末には同等の通信機会が与えられるが、受信ウィンドウサイズが異なる場合、受信ウィンドウサイズが大きい通信端末には多くのデータが送信され、受信ウィンドウサイズが小さい通信端末には少ないデータが送信されることになる。
【0014】
これは、同等の通信環境にある通信端末であっても受信ウィンドウサイズの違いによってスループットに差が生じてしまうということであり、スループットの公平性という観点からは好ましいものではない。
【0015】
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、同等の通信環境にある通信端末に対しては、受信ウィンドウサイズが異なっても同等のスループットを達成することができるように通信機会を割り当てることができるスケジューリング方式を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成する第1の観点に係る通信システムの発明は、
第1通信装置および当該第1通信装置と通信可能な第2通信装置を含む通信システムにおいて、
前記第1通信装置は、
前記第2通信装置と通信する第1通信部と、
前記第1通信部を介して取得した、前記第1通信装置と前記第2通信装置の間の通信品質および前記第2通信装置の受信ウィンドウサイズと、過去一定期間の平均スループットとに基づいて、前記第2通信装置への通信機会の割り当てをスケジューリングする第1スケジューラと
を備えることを特徴とする。
【0017】
第2の観点に係る発明は、
第1の観点に係る通信システムであって、
前記第2通信装置は、
前記第1通信装置と通信する第2通信部と、
前記受信ウィンドウサイズを通信状況に基づいて決定するウィンドウサイズ決定部と、
前記受信ウィンドウサイズを前記第2通信部に送信させる第2制御部と
を備えることを特徴とする。
【0018】
第3の観点に係る発明は、
第1の観点または第2の観点に係る通信システムであって、
さらに、前記第1通信装置と前記第2通信装置との間で送受信されるデータを中継する第3通信装置をさらに備え、
前記第3通信装置は、
前記第1通信装置および前記第2通信装置と通信する第3通信部と、
前記第3通信部を介して取得した、前記第3通信装置と前記第2通信装置の間の通信品質および前記第2通信装置の受信ウィンドウサイズと、過去一定期間の平均スループットとに基づいて、前記第2通信装置への通信機会の割り当てをスケジューリングする第3スケジューラと
を備えることを特徴とする。
【0019】
第4の観点に係る発明は、
第3の観点に係る通信システムであって、
前記第3通信装置は、前記受信ウィンドウサイズを前記第3通信部に送信させる第3制御部をさらに備え、
前記第1スケジューラは、前記第2通信装置から直接および前記第3通信装置を介して取得した、前記第3通信装置と前記第2装置の間の通信品質および過去一定期間の平均スループットと、前記第2通信装置の受信ウィンドウサイズとに基づいて、前記第2通信装置および前記第3通信装置への通信機会の割り当てをスケジューリングする
ことを特徴とする。
【0020】
上記目的を達成する第5の観点に係る第1通信装置の発明は、
第1通信装置および当該第1通信装置と通信可能な第2通信装置を含む通信システムにおいて、当該第1通信装置は、
前記第2通信装置と通信する第1通信部と、
前記第1通信部を介して取得した、前記第1通信装置と前記第2通信装置の間の通信品質および前記第2通信装置の受信ウィンドウサイズと、過去一定期間の平均スループットとに基づいて、前記第2通信装置への通信機会の割り当てをスケジューリングする第1スケジューラと
を備えることを特徴とする。
【0021】
上記目的を達成する第6の観点に係る第2通信装置の発明は、
第1通信装置および当該第1通信装置と通信可能な第2通信装置を含む通信システムにおいて、当該第2通信装置は、
前記第1通信装置と通信する第2通信部と、
受信ウィンドウサイズを通信状況に基づいて決定するウィンドウサイズ決定部と、
前記受信ウィンドウサイズを前記第2通信部に送信させる第2制御部とを備えることを特徴とする。
【0022】
上述したように本発明の解決手段を通信システムまたは通信装置として説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当する方法、プログラム、プログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【0023】
例えば、本発明を通信方法として実現させた第7の観点に係る通信方法の発明は、
第1通信装置および当該第1通信装置と通信可能な第2通信装置を含む通信システムにおける通信方法であって、
前記第1通信部を介して取得した、前記第1通信装置と前記第2通信装置の間の通信品質および前記第2通信装置の受信ウィンドウサイズと、過去一定期間の平均スループットとに基づいて、前記第2通信装置への通信機会の割り当てをスケジューリングするステップ
を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、同等の通信環境にある通信端末に対しては、受信ウィンドウサイズが異なっても同等のスループットを達成することができるように通信機会を割り当てることができるスケジューリング方式を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施形態に係る基地局の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る通信端末の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るスケジューリングを示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態に係る中継装置の概略を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
【0027】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る基地局の概略構成を示すブロック図である。基地局10は、通信部110および制御部120を備える。
【0028】
通信部110は、アンテナを介して通信端末20からデータを受信する。受信データには、通信端末20の通信品質および受信ウィンドウサイズが含まれる。また、通信部110は通信端末20へデータを送信する。
【0029】
制御部120は、基地局10全体の機能を制御する。また、制御部120は、通信部110を介して通信端末20とデータを送受信するにあたり、通信端末20が基地局10に対してデータを送信する際の変調方式および符号化率を制御する。さらに、制御部120は、ウィンドウサイズ検出部122とスケジューラ124とを備える。
【0030】
ウィンドウサイズ検出部122は、通信端末20から通信部110を介して受信した受信データから通信端末20の受信ウィンドウサイズを検出し、当該受信ウィンドウサイズをスケジューラ124に提供する。
【0031】
スケジューラ124は、通信端末20が基地局10に対してデータを送信する際の変調方式および符号化率、通信端末20から通信部110を介して受信した受信データから抽出した基地局10と通信端末20の間の通信品質、当該受信データから抽出した過去一定期間の平均スループット、および、ウィンドウサイズ検出部122から受け取った通信端末20の受信ウィンドウサイズに基づいてスケジューリングを行う。
【0032】
スケジューラ124は、以下に示す優先度Pを指標としてスケジューリングを行う。優先度Pは、
P=F(M、T、W)
のように指標M、TおよびWを引数とする関数Fにより計算する。ここで、指標M、TおよびWは、
M:通信端末の現在の変調方式および符号化率に対応
T:通信端末の過去一定期間の平均スループットに対応
W:通信端末の現在の受信ウィンドウサイズ
と定義される指標である。関数Fの一例としては、
P=(SINR)/(過去一定期間の平均スループット×受信ウィンドウサイズ)
などが挙げられる。
【0033】
スケジューラ124は、プロポーショナルフェアネス方式と同様に、現在の変調方式および符号化率(すなわちSINR)が大きい通信端末20の優先度Pを大きくすることにより総スループットを向上させ、また、過去一定期間の平均スループットが小さい通信端末20の優先度Pを大きくすることにより通信機会を公平に割り当てようとすることができる。
【0034】
スケジューラ124は、さらに、受信ウィンドウサイズが小さい通信端末20の優先度Pを大きくすることにより、受信ウィンドウサイズが小さい場合は、通信端末20が1回の通信機会に受け取るデータ量が小さいため、それを考慮して通信機会を増やすことができ、受信ウィンドウサイズが大きい場合は、通信端末20が1回の通信機会に受け取るデータ量が大きいため、それを考慮して通信機会を減らすことができる。その結果、同等の通信環境にある通信端末20は、受信ウィンドウサイズが異なっても、同等のスループットを達成することができる。
【0035】
図2は、本発明の第1実施形態に係る通信端末の概略構成を示すブロック図である。通信端末20は、通信部210および制御部220を備える。
【0036】
通信部210は、アンテナを介して基地局10からデータを受信する。また、通信部210は基地局10へデータを送信する。
【0037】
制御部220は、通信端末20全体の機能を制御する。また、制御部220は、通信状況算出部222とウィンドウサイズ決定部224とを備える。
【0038】
通信状況算出部222は、基地局10から通信部210を介して受信した受信データから帯域幅遅延積(BDP: Bandwidth Delay Product)のような通信端末20と基地局10との間の通信状況を算出し、当該通信状況をウィンドウサイズ決定部224に提供する。また、通信状況算出部222は、基地局10から通信部210を介して受信データを受信する際、SINRといった通信端末20と基地局10との間の通信品質を算出する。さらに、通信状況算出部222は、基地局10から通信部210を介して受信データを受信した際、当該受信データを受信したときから過去一定期間における受信データの平均スループットを算出する。
【0039】
ウィンドウサイズ決定部224は、通信状況算出部222から受け取った通信端末20と基地局10との間の通信状況に基づいて受信ウィンドウサイズを決定する。また、ウィンドウサイズ決定部224は、通信状況に加えてアプリケーション取得率も考慮して受信ウィンドウサイズを決定することもできる。
【0040】
制御部220は、通信状況算出部222が算出した通信品質、および、過去一定期間の平均スループットと、ウィンドウサイズ決定部224が決定した受信ウィンドウサイズとを、送信するデータに含め、当該データを通信部210を介して基地局10に送信する。
【0041】
図3は、基地局10の動作を示すフローチャートである。スケジューラ124は、通信端末20から通信部110を介して受信した受信データから基地局10と通信端末20との間の通信品質および過去一定期間の平均スループットを抽出する(ステップS101)。ウィンドウサイズ検出部122は、通信端末20から通信部110を介して受信した受信データから通信端末20の受信ウィンドウサイズを検出する(ステップS102)。
【0042】
スケジューラ124は、通信端末20が基地局10に対してデータを送信する際の変調方式および符号化率と、ステップS101で検出した基地局10と通信端末20との間の通信品質および過去一定期間の平均スループットと、ステップS102でウィンドウサイズ検出部122から受け取った通信端末20の受信ウィンドウサイズに基づいて優先度Pを計算し、当該優先度Pに基づいてスケジューリングを行う(ステップS103)。
【0043】
通信部110は、ステップS103のスケジューリングにより通信機会を得た通信端末20に対してデータを送信する(ステップS104)。
【0044】
このように、第1実施形態に係る通信システムによれば、通信端末20の受信ウィンドウサイズも考慮して計算した優先度を基に基地局10がスケジューリングを行うことにより、同等の通信環境にある通信端末20が同等のスループットを達成することができる。
【0045】
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係る中継装置の概略構成を示すブロック図である。中継装置30は、通信部310および制御部320を備える。
【0046】
通信部310は、基地局側のアンテナを介して基地局10との間でデータを送受信する。また、通信部310は、通信端末側のアンテナを介して通信端末20との間でデータを送受信する。
【0047】
制御部320は、中継装置30全体の機能を制御する。また、制御部320は、通信部310を介して通信端末20とデータを送受信するにあたり、通信端末20が中継装置30に対してデータを送信する際の変調方式および符号化率を制御する。さらに、制御部320は、ウィンドウサイズ検出部322とスケジューラ324とを備える。
【0048】
ウィンドウサイズ検出部322は、通信端末20から通信部310を介して受信した受信データから通信端末20の受信ウィンドウサイズを検出し、当該受信ウィンドウサイズをスケジューラ324に提供する。
【0049】
スケジューラ324は、通信端末20が中継装置30に対してデータを送信する際の変調方式および符号化率、通信端末20から通信部310を介して受信した受信データから抽出した中継装置30と通信端末20の間の通信品質、当該受信データから抽出した過去一定期間の平均スループット、および、ウィンドウサイズ検出部322から受け取った通信端末20の受信ウィンドウサイズに基づいてスケジューリングを行う。スケジューラ324の優先度Pを指標とするスケジューリングの実行方法は、第1実施形態における基地局10のスケジューラ124と同様であるため省略する。
【0050】
なお、第2実施形態においては、中継装置30のスケジューラ324が通信端末20に割り当てる通信機会のスケジューリングを行うとして説明したが、これに限るものではなく、図4に示すような通信システムにおいても、基地局10のスケジューラ124が、通信端末20に割り当てる通信機会のスケジューリングを行ってもよい。
【0051】
このように、第2実施形態に係る通信システムによれば、通信端末20の受信ウィンドウサイズも考慮して計算した優先度を基に中継装置30または基地局10がスケジューリングを行うことにより、同等の通信環境にある通信端末20が同等のスループットを達成することができる。
【0052】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各部材、各手段、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0053】
また、上述の実施例は無線通信の場合を例として説明したが、本発明は無線通信に限られるものではなく、通信端末の通信品質および受信ウィンドウサイズをフィードバックすることが可能な通信システムであれば有線通信においても実施可能である。
【0054】
また、上述の実施例では、通信端末が、帯域幅遅延積のような当該通信端末と基地局との間の通信状況を検出し、検出結果からウィンドウサイズを決定したが、この通信状況の代わりに通信端末のレジストリで設定した値を読み込むことで、ウィンドウサイズを決定してもよい。
【0055】
また、上述の実施例では、通信端末が、過去一定期間の平均スループットを算出したが、通信端末の代わりに、基地局が、通信端末が送信する通信品質を利用して、通信端末の代わりに過去一定期間の平均スループットを算出してもよい。この場合、基地局10の制御部120が、通信端末20から受信した受信データに含まれる通信品質を利用してスループットを算出するとともに、過去一定期間において算出しているスループットの平均値である平均スループットを併せて算出する。
【符号の説明】
【0056】
10 基地局
20 通信端末
30 中継装置
110 通信部
120 制御部
122 ウィンドウサイズ検出部
124 スケジューラ
210 通信部
220 制御部
222 通信状況算出部
224 ウィンドウサイズ決定部
310 通信部
320 制御部
322 ウィンドウサイズ検出部
324 スケジューラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1通信装置および当該第1通信装置と通信可能な第2通信装置を含む通信システムにおいて、
前記第1通信装置は、
前記第2通信装置と通信する第1通信部と、
前記第1通信部を介して取得した、前記第1通信装置と前記第2通信装置の間の通信品質および前記第2通信装置の受信ウィンドウサイズと、過去一定期間の平均スループットとに基づいて、前記第2通信装置への通信機会の割り当てをスケジューリングする第1スケジューラと
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信システムであって、
前記第2通信装置は、
前記第1通信装置と通信する第2通信部と、
前記受信ウィンドウサイズを通信状況に基づいて決定するウィンドウサイズ決定部と、
前記受信ウィンドウサイズを前記第2通信部に送信させる第2制御部と
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の通信システムであって、
さらに、前記第1通信装置と前記第2通信装置との間で送受信されるデータを中継する第3通信装置をさらに備え、
前記第3通信装置は、
前記第1通信装置および前記第2通信装置と通信する第3通信部と、
前記第3通信部を介して取得した、前記第3通信装置と前記第2通信装置の間の通信品質および前記第2通信装置の受信ウィンドウサイズと、過去一定期間の平均スループットとに基づいて、前記第2通信装置への通信機会の割り当てをスケジューリングする第3スケジューラと
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項4】
請求項3に記載の通信システムであって、
前記第3通信装置は、前記受信ウィンドウサイズを前記第3通信部に送信させる第3制御部をさらに備え、
前記第1スケジューラは、前記第2通信装置から直接および前記第3通信装置を介して取得した、前記第3通信装置と前記第2装置の間の通信品質および過去一定期間の平均スループットと、前記第2通信装置の受信ウィンドウサイズとに基づいて、前記第2通信装置および前記第3通信装置への通信機会の割り当てをスケジューリングする
ことを特徴とする通信システム。
【請求項5】
第1通信装置および当該第1通信装置と通信可能な第2通信装置を含む通信システムにおいて、当該第1通信装置は、
前記第2通信装置と通信する第1通信部と、
前記第1通信部を介して取得した、前記第1通信装置と前記第2通信装置の間の通信品質および前記第2通信装置の受信ウィンドウサイズと、過去一定期間の平均スループットとに基づいて、前記第2通信装置への通信機会の割り当てをスケジューリングする第1スケジューラと
を備えることを特徴とする第1通信装置。
【請求項6】
第1通信装置および当該第1通信装置と通信可能な第2通信装置を含む通信システムにおいて、当該第2通信装置は、
前記第1通信装置と通信する第2通信部と、
受信ウィンドウサイズを通信状況に基づいて決定するウィンドウサイズ決定部と、
前記受信ウィンドウサイズを前記第2通信部に送信させる第2制御部とを備えることを特徴とする第2通信装置。
【請求項7】
第1通信装置および当該第1通信装置と通信可能な第2通信装置を含む通信システムにおける通信方法であって、
前記第1通信部を介して取得した、前記第1通信装置と前記第2通信装置の間の通信品質および前記第2通信装置の受信ウィンドウサイズと、過去一定期間の平均スループットとに基づいて、前記第2通信装置への通信機会の割り当てをスケジューリングするステップ
を含むことを特徴とする通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−30936(P2013−30936A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164757(P2011−164757)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】