説明

通信システム及び通信装置

【課題】無線によりデータを送受信する際にも、情報漏洩を強固に防止可能な技術を提供する。
【解決手段】本発明が適用された通信システムは、公衆電話回線網に繋がる通信BOX10と、この通信BOXと無線LAN規格により無線通信可能な複合機30と、独自プロトコルにより上記通信BOXと無線通信可能なコードレス電話機50とを備える。通信BOXは、公衆電話回線網を通じて外部ファクシミリ装置からファクシミリデータを受信すると、このファクシミリデータを暗号化して、当該暗号化データを無線LANにより複合機に送信する。一方、コードレス電話機に上記独自プロトコルにより、復号キーを送信する。コードレス電話機は、通信BOXから受信した復号キーを表示出力する。そして、表示出力された復号キーは、ユーザの手入力により、複合機に入力される。即ち、複合機は、通信BOXから受信した暗号化データを、この復号キーで復号化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線によりデータを送受信する通信システム及び通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信システムとしては、パーソナルコンピュータ等の利用者端末と、プリンタ装置などの周辺機器とが、LAN(ローカルエリアネットワーク)を通じて通信可能に接続された通信システムが知られている。また、周辺機器としては、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能及びファクシミリ機能等を備える多機能装置が知られている。
【0003】
この他、従来システムとしては、ファクシミリ通信に必要なNCU(Network Control Unit)及びモデムを、多機能装置から分離して、多機能装置とは独立した通信装置に内蔵すると共に、この通信装置と多機能装置とをLANに接続して、多機能装置が生成する送信対象のファクシミリデータを、LAN及び上記通信装置経由で、公衆電話回線網に送出するようにした通信システムが知られている(特許文献1参照)。
【0004】
この通信システムによれば、電話回線に接続する必要のあるNCUが多機能装置とは独立した上記通信装置に設けられているため、NCU及びモデムを内蔵する多機能装置を用いる場合と比較して、多機能装置に電話回線を接続する必要がなく、多機能装置の設置自由度が向上するといった利点がある。
【0005】
この他、上記種類の通信システムとしては、NCU等を内蔵する上記通信装置と通信可能なディジタルコードレス電話機(子機)を備えるシステムであって、ディジタルコードレス電話機から入力される指令を、上記通信装置を介して、多機能装置に入力することにより、ディジタルコードレス電話機を多機能装置に対するリモートコントローラとして機能させるようにした通信システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−089040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、本発明者は、上記通信装置と多機能装置とを結ぶLANとして、有線LANではなく無線LANを採用することで、多機能装置の設置自由度を更に向上させることを考えている。しかしながら、無線LANでは、セキュリティが低く通信データが悪意のものに見られる可能性がある。
【0008】
即ち、ユーザが公衆電話回線網を通じてファクシミリデータを送受信する際には、公衆電話回線網の高い守秘性を期待しているのが通常であるが、公衆電話回線網を介して受信したファクシミリデータを、無線LANを通じて、上記多機能装置等に転送すれば、その転送過程で、情報漏洩が生じる可能性がある。
【0009】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、無線によりデータを送受信する際にも、情報漏洩を強固に防止することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するためになされた第一の発明(請求項1)は、送信装置と、送信装
置から送信されるデータを受信する第一及び第二の受信装置と、を備えた通信システムであって、各装置が次のように構成されたものである。
【0011】
送信装置は、予め定められた第一の無線通信方式にて、データ送信する第一送信手段と、予め定められた第一の無線通信方式とは異なる第二の無線通信方式にて、データ送信する第二送信手段と、第一の受信装置への送信対象データを暗号化する暗号化手段と、第一送信手段に、暗号化手段により暗号化された送信対象データを、第一の受信装置に向けて送信させる第一送信制御手段と、第二送信手段に、暗号化手段により暗号化された送信対象データを復号化するための復号キーを、第二の受信装置に向けて送信させる第二送信制御手段と、を備える。
【0012】
一方、第一の受信装置は、送信装置が備える第一送信手段から送信されるデータを受信可能な受信手段と、入力インタフェースを通じて、復号キーを取得するキー取得手段と、キー取得手段により取得された復号キーに基づき、自装置の受信手段が受信したデータを復号化する復号化手段と、復号化手段により復号化されたデータを記憶するデータ記憶手段と、を備える。
【0013】
この他、第二の受信装置は、送信装置が備える第二送信手段から送信されるデータを受信可能な受信手段と、自装置の受信手段が送信装置から受信した復号キーを、当該第二の受信装置を使用するユーザに向けて表示出力又は音声出力する報知手段と、を備える。
【0014】
即ち、この通信システムでは、送信装置から第一の受信装置へ送信するデータを暗号化して守秘(秘匿)性を高めると共に、暗号化データの送信時に用いられる無線通信方式とは異なる無線通信方式にて、暗号化データを復号化するための復号キーを、送信装置から第二の受信装置へ送信することで、暗号化データが漏洩しても、暗号化データが解読される可能性を小さくしている。
【0015】
また、この通信システムでは、復号キーを、暗号化データ送信元の送信装置から第二の受信装置へと送信して、第二の受信装置を介してユーザに報知し、第一の受信装置では、入力インタフェースを通じて入力された復号キーを用いて、送信装置から受信したデータを復号化する構成を採用することにより、復号キーを固定キーとしなくても済むようにしている。即ち、この通信システムでは、暗号化データ毎に異なる復号キーを設定しても、復号キーを迅速に正当ユーザに伝えて、第一の受信装置で、暗号化データを正常に復号できるようにしている。
【0016】
従って、この通信システムによれば、暗号化データ毎に異なる復号キーを設定することで、復号キーを固定とする従来システムよりも、送信装置から第一の受信装置へ守秘性高くデータを送信することができる。この結果、本発明によれば、無線通信による情報漏洩を強固に防止することができる。
【0017】
尚、復号キーの漏洩を強固に防止するためには、第二の無線通信方式に、第一の無線通信方式よりも守秘性の高い無線通信方式を採用する必要があるが、第二の無線通信方式は、製品毎やメーカ毎の独自仕様(独自プロトコル)とされるのが好ましい。
【0018】
通信方式を独自仕様とすれば、仕様を開示しない対応を採ることで、復号キーを送信装置から第二の受信装置へ送信する際、復号キーが漏洩する可能性を極力抑えることができる。また、第二の無線通信方式では、復号キーを送受信する程度であるため、独自プロトコルを採用しても、低コストに、守秘性の高い通信システムを構築することができる。
【0019】
また、上記目的を達成するためになされた第二の発明(請求項2)は、第一及び第二の
送信装置と、第一及び第二の送信装置から送信されるデータを受信する受信装置と、を備えた通信システムであって、各装置が次のように構成されたものである。
【0020】
即ち、第一の送信装置は、予め定められた第一の無線通信方式にて、データ送信する送信手段と、受信装置への送信対象データを暗号化する暗号化手段と、自装置の送信手段に、暗号化手段により暗号化された送信対象データを、受信装置に向けて送信させる送信制御手段と、暗号化手段により暗号化された送信対象データを復号化するための復号キーを、第一の送信装置を使用するユーザに向けて表示出力又は音声出力する報知手段と、を備える。
【0021】
また、第二の送信装置は、予め定められた第一の無線通信方式とは異なる第二の無線通信方式にて、データ送信する送信手段と、入力インタフェースを通じて復号キーを取得するキー取得手段と、自装置の送信手段に、キー取得手段が取得した復号キーを、受信装置に向けて送信させる送信制御手段と、を備える。
【0022】
この他、受信装置は、第一の送信装置から送信されるデータを受信可能な第一受信手段と、第二の送信装置から送信されるデータを受信可能な第二受信手段と、第一受信手段が第一の送信装置から受信したデータを、第二受信手段が第二の送信装置から受信した復号キーに基づき、復号化する復号化手段と、復号化手段により復号化されたデータを記憶するデータ記憶手段と、を備える。
【0023】
このように構成された通信システムによれば、第一の発明と同様の理由により、無線により第一の送信装置から受信装置へ送信するデータの漏洩を強固に防止することができる。
【0024】
また、上記目的を達成するためになされた第三の発明(請求項3)は、送信装置と、送信装置から送信されるデータを受信する受信装置と、を備えた通信システムであって、各装置が次のように構成されたものである。
【0025】
送信装置は、予め定められた第一の無線通信方式にて、データ送信する第一送信手段と、予め定められた第一の無線通信方式とは異なる第二の無線通信方式にて、データ送信する第二送信手段と、受信装置への送信対象データを暗号化する暗号化手段と、第一送信手段に、暗号化手段により暗号化された送信対象データを、受信装置に向けて送信させる第一送信制御手段と、暗号化手段により暗号化された送信対象データの送信毎に、第二送信手段に、暗号化手段により暗号化された送信対象データを復号化するための復号キーを、受信装置に向けて送信させる第二送信制御手段と、を備える。
【0026】
また、受信装置は、第一送信手段から送信されるデータを受信可能な第一受信手段と、第二送信手段から送信されるデータを受信可能な第二受信手段と、第一受信手段が送信装置から受信したデータを、第二受信手段が送信装置から受信した復号キーに基づき、復号化する復号化手段と、復号化手段により復号化されたデータを記憶するデータ記憶手段と、を備える。
【0027】
このように構成された通信システムによれば、暗号化データの送信毎に、暗号化データに対応する復号キーを、暗号化データの送信先装置に送信するので、守秘性高く送信装置から受信装置に対してデータを送信することができる。また、この通信システムによれば、ユーザにとって復号キーの入力操作が必要ないので、利便性を向上させることができる。
【0028】
尚、第一及び第三の発明に対応する通信システムにおいて、送信装置は、外部のファク
シミリ装置と通信可能なファクシミリ通信手段を備える構成にすることができ、暗号化手段は、送信対象データとしてのファクシミリ通信手段が外部のファクシミリ装置から受信したファクシミリデータを暗号化する手段として構成することができる(請求項4)。
【0029】
このように構成された通信システムによれば、送信装置が、ファクシミリ通信手段を通じて外部のファクシミリ装置から受信したファクシミリデータを、守秘性高く、受信装置に送信することができる。従って、この発明によれば、多機能装置のNCU及びモデムを分離して、多機能装置を電話回線網に接続される主装置と、主装置と無線通信可能な副装置から構成する場合に、副装置の設置自由度を向上させつつ、ファクシミリデータを守秘性高く副装置に転送することができる。
【0030】
また、第二及び第三の発明に対応する通信システムにおいて、受信装置は、外部のファクシミリ装置と通信可能なファクシミリ通信手段と、ファクシミリ通信手段に、復号化手段により復号化されてデータ記憶手段に記憶されたデータを、ファクシミリ送信させるファクシミリ送信制御手段と、を備えた構成にすることができる(請求項5)。
【0031】
このように構成された通信システムによれば、多機能装置のNCU及びモデムを分離して、多機能装置を電話回線網に接続される主装置と、主装置と無線通信可能な副装置から構成する場合、副装置の設置自由度を向上させつつ、ファクシミリデータを守秘性高く副装置から外部のファクシミリ装置へと送信することができる。
【0032】
尚、周知の無線LANでは、IEEE802.11x無線通信方式が採用されており、この無線通信方式では、スペクトル拡散方式の一種である直接拡散方式により無線通信が行われている。一方、他のスペクトル拡散方式としては、周波数ホッピング方式が知られており、周波数帯域を変更しながら通信を行う周波数ホッピング方式は、一定の周波数帯域を常時使用して通信を行う直接拡散方式に対し、守秘性に優れている。
【0033】
従って、上記通信システムにおいて、第一の無線通信方式には、直接拡散方式により無線通信を行う無線通信方式を採用し、第二の無線通信方式には、周波数ホッピング方式により無線通信を行う無線通信方式を採用するのが好ましい(請求項6)。
【0034】
第一の無線通信方式として普及型の無線LAN規格に対応する無線通信方式を採用し、第二の無線通信方式として、独自仕様の周波数ホッピング方式による無線通信方式を採用すれば、当該通信システムを構成する送信装置及び受信装置を、既存の無線ネットワークに簡単に組み込むことができると共に、送信装置−受信装置間では、セキュリティ高く復号キーを送受信することができ、結果として、無線LANを通じた暗号化データについてのデータ漏洩を強固に防止することができる。
【0035】
また、第四の発明(請求項7)は、通信装置であって、予め定められた第一の無線通信方式にて、データ送信する第一送信手段と、予め定められた第一の無線通信方式とは異なる第二の無線通信方式にて、データ送信する第二送信手段と、第一送信手段に送信させる送信対象データを暗号化する暗号化手段と、第一送信手段に、暗号化手段により暗号化された送信対象データを、第一の無線通信方式にて無線通信可能な受信装置に向けて送信させる第一送信制御手段と、暗号化手段により暗号化された送信対象データの送信毎に、第二送信手段に、暗号化手段により暗号化された送信対象データを復号化するための復号キーを、第二の無線通信方式にて無線通信可能な受信装置に向けて送信させる第二送信制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0036】
この通信装置を用いれば、第一及び第三の発明に対応する通信システムを構築することができる。尚、この通信装置は、外部のファクシミリ装置と通信可能なファクシミリ通信
手段を備え、送信対象データとして、ファクシミリ通信手段が外部のファクシミリ装置から受信したファクシミリデータを暗号化する構成にすることができる(請求項8)。
【0037】
また、第五の発明(請求項9)は、通信装置であって、予め定められた第一の無線通信方式にて暗号化データを送信する送信装置、から送信される暗号化データを受信可能な第一受信手段と、第一の無線通信方式とは異なる予め定められた第二の無線通信方式にて上記暗号化データを復号化するための復号キーを送信する送信装置、から送信される復号キーを受信可能な第二受信手段と、第一受信手段が受信した暗号化データを、当該暗号化データの受信に伴って、第二受信手段が受信した復号キーに基づき、復号化する復号化手段と、復号化手段により復号化されたデータを記憶するデータ記憶手段と、を備えることを特徴とする。
【0038】
この通信装置を用いれば、第二及び第三の発明に対応する通信システムを構成することができる。尚、この通信装置は、外部のファクシミリ装置と通信可能なファクシミリ通信手段と、ファクシミリ通信手段に、復号化手段により復号化されてデータ記憶手段に記憶されたデータを、ファクシミリ送信させるファクシミリ送信制御手段と、を備えた構成にすることができる(請求項10)。
【0039】
また、上記通信装置において、第一の無線通信方式には、直接拡散方式により無線通信を行う方式を採用することができ、第二の無線通信方式には、周波数ホッピング方式により無線通信を行う方式を採用することができる(請求項11)。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】通信システム1の構成を表すブロック図である。
【図2】FAX受信時の通信態様を表したラダーチャートである。
【図3】制御部20が実行する受信対応処理を表すフローチャートである。
【図4】制御部40が実行する転送受付処理を表すフローチャートである。
【図5】制御部60が実行するキー受信表示処理を表すフローチャートである。
【図6】FAX送信時の通信態様を表したラダーチャートである。
【図7】制御部40が実行するファクシミリデータ転送処理を表すフローチャートである。
【図8】制御部60が実行するキー入力受付処理を表すフローチャートである。
【図9】制御部20が実行する転送受付処理を表すフローチャートである。
【図10】変形例の通信システム100の構成を表すブロック図である。
【図11】変形例におけるFAX受信時及びFAX送信時の通信態様を表す図である。
【図12】制御部40が実行する変形例の転送受付処理を表すフローチャートである。
【図13】制御部40が実行する変形例のファクシミリデータ転送処理を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下に本発明の実施例について、図面と共に説明する。
(1)通信システム1の概要
図1は、本発明が適用された通信システム1の構成を表すブロック図である。本実施例の通信システム1は、公衆電話回線網(PSTN)に接続された通信装置である通信BOX10と、通信BOX10と無線通信可能なディジタル複合機(多機能装置)30と、同じく通信BOX10と無線通信可能なコードレス電話機50と、を備える。
【0042】
通信BOX10は、公衆電話回線網に接続されたNCU11と、NCU11を通じて外
部ファクシミリ装置3とファクシミリ通信可能なFAXモデム12と、無線LANを構成する各ノードと無線通信可能(即ち、無線LAN通信可能)な通信インタフェースであるWLAN通信部14と、コードレス電話機50と無線通信可能な通信インタフェースであるDCL通信部15と、操作キー群を備えてユーザ操作可能な入力インタフェースとして機能する操作部17と、液晶ディスプレイ等で構成される表示部19と、制御部20とを備える。
【0043】
また、制御部20は、CPU21と、CPU21が実行する各種プログラムを記憶するROM23と、プログラム実行時に作業領域として使用されるRAM25とを備える。尚、通信BOX10は、メモリバックアップ用の電池(図示せず)を備え、RAM25に保存されたデータを、通信BOX10の電源オフ後にも、保持可能な構成にされている。
【0044】
この通信BOX10の制御部20は、CPU21でのプログラムの実行により、外部ファクシミリ装置3からNCU11及びFAXモデム12を通じて受信したファクシミリデータをRAM25に保存し、操作部17を通じてユーザから入力される転送指示に従って、上記外部ファクシミリ装置3から受信したファクシミリデータを暗号化してなる暗号化データを、WLAN通信部14を通じて複合機30に送信する。また、暗号化データの送信毎に、当該暗号化データを復号化するための復号キーを、DCL通信部15を通じてコードレス電話機50に送信する。
【0045】
この他、制御部20は、WLAN通信部14を通じて複合機30から受信した送信対象のファクシミリデータが暗号化されてなる暗号化データを、DCL通信部15を通じてコードレス電話機50から受信した復号キーにより復号化し、復号化後のファクシミリデータを、このファクシミリデータが示す電話番号先の外部ファクシミリ装置3に、FAXモデム12及びNCU11を通じて送信する。
【0046】
一方、複合機30は、原稿を光学的に読み取る読取部31と、シート(用紙)に画像を形成する印刷部32と、通信BOX10が備えるWLAN通信部14と同一の通信インタフェースであって通信BOX10と無線通信可能なWLAN通信部34と、操作キー群を備えてユーザ操作可能な入力インタフェースとして機能する操作部37と、液晶ディスプレイ等で構成される表示部39と、制御部40とを備える。
【0047】
また、制御部40は、CPU41と、CPU41が実行する各種プログラムを記憶するROM43と、CPU41によるプログラム実行時に作業領域として使用されるRAM45と、を備える。尚、複合機30も、通信BOX10と同様、メモリバックアップ用の電池(図示せず)を備え、RAM45に記憶するデータを、複合機30の電源オフ後にも、保持可能な構成にされている。
【0048】
この複合機30の制御部40は、CPU41でのプログラムの実行により、通信BOX10からWLAN通信部34を通じて上記暗号化データを受信すると共に、操作部37を通じて暗号化データを復号化するための復号キーを取得し、取得した復号キーで上記受信した暗号化データを復号化する処理を行う。そして、復号化により得られたファクシミリデータを、RAM45に保存し、操作部37を通じてユーザからファクシミリデータの印刷指示が入力されると、印刷指示されたファクシミリデータをRAM45から読み出して、このファクシミリデータを、印刷部32を通じて印刷出力する処理を行う。
【0049】
この他、制御部40は、操作部37を通じて原稿の読取指示が入力されると、読取部31を通じて原稿を光学的に読み取って、この読取結果を表す読取画像データを、RAM45に保存する。
【0050】
そして、操作部37を通じてファクシミリ送信指示が入力されると、RAM45に保存された上記読取画像データを、送信先電話番号の情報を含むファクシミリデータに変換すると共に、このファクシミリデータを暗号化してなる暗号化データを、WLAN通信部34を通じて、通信BOX10に送信する。また、暗号化データの送信に伴っては、表示部39に暗号化データを復号化するための復号キーを表示させる処理を行う。尚、表示部39に表示された復号キーは、ユーザの入力操作によりコードレス電話機50に入力されて、このコードレス電話機50を通じ、通信BOX10に送信される。
【0051】
また、コードレス電話機50は、音声入出力部51と、通信BOX10が備えるDCL通信部15と無線通信可能な通信インタフェースであるDCL通信部55と、操作キー群を備えてユーザ操作可能な入力インタフェースとして機能する操作部57と、液晶ディスプレイ等で構成される表示部59と、制御部60とを備える。
【0052】
音声入出力部51は、ユーザの発話音声を集音するためのマイクロフォンを備えると共に、外部電話装置5から通信BOX10を介して送信されてくる外部電話装置5を使用するユーザの発話音声及び呼出音等を出力するためのスピーカを備える。
【0053】
また、制御部60は、マイクロコンピュータ(図示せず)を備え、当該マイクロコンピュータにて各種プログラムを実行することにより、コードレス電話機50全体を統括制御する構成にされている。この制御部60は、通信BOX10から復号キーを受信すると、これを表示部59に表示させる。また、操作部57を通じて復号キー入力画面の表示指示が入力されると、表示部59に復号キー入力画面を表示させ、操作部57を通じた操作により復号キーが入力されると、入力された復号キーを、DCL通信部55を通じて、通信BOX10に送信する。
【0054】
尚、本実施例の通信システム1において、WLAN通信部14,34は、周知の無線LAN規格(IEEE802.11x)により直接拡散方式にて無線通信を行うものである。一方、DCL通信部15,55は、独自仕様(独自プロトコル)で無線通信を行う構成にされている。具体的に、DCL通信部15,55は、本実施例において、周波数ホッピング方式により通信を行う構成にされている。
(2)FAX受信時の処理
続いて、通信システム1において実行されるFAX受信時の処理について説明する。図2は、FAX受信時に、通信BOX10、複合機30及びコードレス電話機50の夫々で実行される処理の概要、並びに、通信BOX10、複合機30及びコードレス電話機50間で送受信される信号を表したラダーチャートである。
【0055】
また、図3は、通信BOX10の制御部20が外部ファクシミリ装置3から送信されてくるファクシミリデータを処理するために繰返し実行する受信対応処理を表すフローチャートであり、図4は、複合機30の制御部40が繰返し実行する転送受付処理を表すフローチャートであり、図5は、コードレス電話機50の制御部60が繰返し実行するキー受信表示処理を表すフローチャートである。
(2−1)受信対応処理
通信BOX10の制御部20は、図3に示す受信対応処理を繰返し実行することにより、外部ファクシミリ装置3から送信されてくるファクシミリデータをRAM25に保存し、ユーザからの転送指示に従って、RAM25に保存されたファクシミリデータを、複合機30に転送する。
【0056】
具体的に、この受信対応処理を実行すると、制御部20は、FAXモデム12を通じて外部ファクシミリ装置3からファクシミリデータを受信しているか否かを判断し(S110)、ファクシミリデータを受信していない場合には(S110でNo)、S130に移
行する。一方、ファクシミリデータを受信している場合には(S110でYes)、S120に移行して、受信したファクシミリデータをRAM25に保存した後、S130に移行する。
【0057】
S130に移行すると、制御部20は、操作部17を通じてユーザからファクシミリデータの複合機30への転送指示が入力されたか否かを判断し、転送指示が入力されていない場合(S130でNo)には、当該受信対応処理を一旦終了する。
【0058】
一方、転送指示が入力されている場合には(S130でYes)には、S140に移行し、操作部17を通じてユーザから指示された転送対象のファクシミリデータをRAM25から読み出し、このファクシミリデータを、ランダムに生成した暗号キーに基づいて暗号化することにより、ファクシミリデータを暗号化データに変換すると共に、この暗号化データを復号化するための復号キーを生成する。尚、本実施例において、暗号キー及び復号キーの組は、S140での実行毎に、ランダムに生成されるものとする。
【0059】
また、この処理を終えると、制御部20は、S150に移行し、S140で生成した暗号化データのデータサイズを表す信号であってファクシミリデータを送信しても良いか否かを問い合わせるファクシミリデータ送信許可問合せを、WLAN通信部14を通じて、複合機30に送信する。
【0060】
S150の処理により、ファクシミリデータ送信許可問合せを送信すると、正常に無線LAN通信可能な状態においては、複合機30から応答信号が送信されてくる。
制御部20は、ファクシミリデータ送信許可問合せの送信後、この応答信号を受信するまで待機し、所定時間応答信号を受信することができなかった場合には(S151でNo)、リトライ処理を所定回実行したか否かを判断し(S153)、所定回実行していないと判断すると(S153でNo)、S150に移行して、リトライ処理を実行する。即ち、リトライ処理として、再度、ファクシミリデータ送信許可問合せを、WLAN通信部14を通じて、複合機30に送信する処理を実行する。
【0061】
一方、リトライ処理を所定回実行したと判断すると(S153でYes)、制御部20は、エラーメッセージを、表示部19に表示させて(S155)、当該受信対応処理を一旦終了する。
【0062】
この他、所定時間以内に応答信号を受信することができた場合(S151でYes)、制御部20は、上記複合機30から受信した応答信号が、ファクシミリデータ送信許可通知であるか否かを判断する(S157)。尚、複合機30からは、応答信号として、ファクシミリデータの送信を許可する旨のファクシミリデータ送信許可通知の他、メモリが一杯でファクシミリデータを受け取ることができない旨のメモリフル通知が送信されてくる。
【0063】
制御部20は、ここで、上記受信した応答信号がファクシミリデータ送信許可通知であると判断すると(S157でYes)、S160に移行し、応答信号がメモリフル通知であると判断すると(S157でNo)、S155に移行して、エラーメッセージを表示部19に表示させた後、当該受信対応処理を一旦終了する。
【0064】
S160に移行すると、制御部20は、S140で生成した暗号化データを、WLAN通信部14を通じて複合機30に送信する。尚、このようにして暗号化データを送信すると、正常に無線LAN通信可能な状態においては、複合機30から暗号化データの受信が完了した旨の応答信号であるファクシミリデータ受信完了通知が送信されてくる。
【0065】
制御部20は、暗号化データの送信後、このファクシミリデータ受信完了通知を受信するまで待機し、ファクシミリデータ受信完了通知を受信することができなかった場合には(S161でNo)、リトライ処理を所定回実行したか否かを判断する(S163)。そして、所定回実行していないと判断すると(S163でNo)、S160に移行し、リトライ処理を実行する。即ち、リトライ処理として、再度、暗号化データを、WLAN通信部14を通じて、複合機30に送信する処理を実行する。
【0066】
一方、リトライ処理を所定回実行したと判断すると(S163でYes)、エラーメッセージを、表示部19に表示させて(S165)、当該受信対応処理を一旦終了する。
この他、ファクシミリデータ受信完了通知を受信することができた場合(S161でYes)、制御部20は、S170に移行し、S140で生成した復号キーを、DCL通信部15を通じてコードレス電話機50に送信する。S170の処理により、復号キーを送信すると、正常通信可能な状態においては、コードレス電話機50から復号キーの受信が完了した旨の応答信号である復号キー受信完了通知が送信されてくる。
【0067】
従って、制御部20は、復号キーの送信後、この復号キー受信完了通知を受信するまで待機し、復号キー受信完了通知を受信することができなかった場合には(S171でNo)、リトライ処理を所定回実行したか否かを判断する(S173)。そして、所定回実行していないと判断すると(S173でNo)、S170に移行し、リトライ処理を実行する。
【0068】
一方、リトライ処理を所定回実行したと判断すると(S173でYes)、エラーメッセージを、表示部19に表示させて(S175)、当該受信対応処理を一旦終了する。
この他、復号キー受信完了通知を受信することができた場合(S171でYes)、制御部20は、S180に移行し、ファクシミリデータの転送が正常完了したことを表す完了メッセージを、表示部19に表示させて、当該受信対応処理を終了する。
(2−2)転送受付処理
続いて、複合機30の制御部40が実行する転送受付処理について説明する。複合機30の制御部40は、図4に示す転送受付処理を繰返し実行することにより、通信BOX10から転送されてくるファクシミリデータを受け付けて、RAM45に保存する。
【0069】
この転送受付処理を開始すると、制御部40は、WLAN通信部34を通じて通信BOX10からファクシミリデータ送信許可問合せを受信するまで待機し(S210)、ファクシミリデータ送信許可問合せを受信すると(S210でYes)、S220に移行する。
【0070】
そして、S220では、ファクシミリデータ送信許可問合せが示すデータサイズの情報に基づき、通信BOX10が送信しようとしている暗号化データを受信してRAM45に保存する等、後続のS230〜S295までの処理を完了するのに十分な空き容量が、RAM45に存在するか否かを判断する。
【0071】
そして、十分な空き容量がないと判断すると(S220でNo)、上記メモリフル通知を、WLAN通信部34を通じて、ファクシミリデータ送信許可問合せの送信元である通信BOX10に送信し(S225)、当該転送受付処理を一旦終了する。
【0072】
一方、十分な空き容量があると判断すると(S220でYes)、制御部40は、上記ファクシミリデータ送信許可通知を、WLAN通信部34を通じて、ファクシミリデータ
送信許可問合せの送信元である通信BOX10に送信する(S230)。
【0073】
また、ファクシミリデータ送信許可通知を送信すると、制御部40は、通信BOX10から送信されてくる暗号化データの受信待機状態に移行し、暗号化データを、WLAN通信部34を通じて通信BOX10から受信する(S240)。
【0074】
そして、暗号化データを正常に受信することができた場合には(S250でYes)、上記ファクシミリデータ受信完了通知を、WLAN通信部34を通じて、暗号化データの送信元である通信BOX10に送信した後(S260)、S270に移行する。
【0075】
一方、リトライ処理によっても通信BOX10から正常に上記暗号化データを受信することができない場合には(S250でNo)、表示部39にエラーメッセージを表示させて(S255)、当該転送受付処理を一旦終了する。
【0076】
この他、S270に移行すると、制御部40は、復号キー入力画面を、表示部39に表示させ、復号キーが操作部37を通じて入力されるか、操作部37を通じてキャンセル操作がなされるまで待機する(S271,S273)。
【0077】
そして、キャンセル操作がなされると(S273でYes)、S240で受信した暗号化データを破棄して(S277)、当該転送受付処理を一旦終了する。
これに対し、操作部37を通じて復号キーが入力されると、制御部40は、入力された復号キーを用いて上記暗号化データの復号化を試みる(S275)。そして、暗号化データを正常に復号化することができた場合には(S280でYes)、暗号化データを復号化して得られるファクシミリデータを、RAM45に保存して(S290)、ファクシミリデータを保存した旨の完了メッセージを、表示部39に表示させる(S295)。その後、当該転送受付処理を一旦終了する。
【0078】
この他、暗号化データを正常に復号化することができなかった場合には(S280でNo)、表示部39に、エラーメッセージを表示させて(S285)、S270に移行する。これによって、ユーザに対し、正しい復号キーの入力を求める。
(2−3)転送受付処理
続いて、図5を用いて、コードレス電話機50の制御部60が繰返し実行するキー受信表示処理について説明する。
【0079】
このキー受信表示処理を開始すると、制御部60は、DCL通信部55を通じて通信BOX10から復号キーを受信するまで待機し(S310)、復号キーを受信すると、上記復号キー受信完了通知を、DCL通信部55を通じて、復号キーの送信元である通信BOX10に送信する(S320)。また、この処理を終えると、上記受信した復号キーを、表示部59に表示し(S330)、当該キー受信表示処理を終了する。
【0080】
但し、S330では、上記受信した復号キーを表示出力するのに代えて、復号キーを音声出力することにより、ユーザに対して復号キーを報知してもよい。具体的には、呼出音を出力し、ユーザが操作部57を通じて呼出に応答する操作を行った時点で、音声入出力部51を通じて復号キーを繰返し音声出力するといった具合である。但し、復号キーが悪意のものに知られてしまうのを回避するため、復号キーは、小さい音量で音声出力されるのが好ましい。
【0081】
本実施例では、このようにしてコードレス電話機50を通じてユーザに復号キーを報知し、ユーザに、この復号キーを複合機30に入力させることにより、通信BOX10から
複合機30に送信された暗号化データを復号化して、複合機30のRAM45に保存する。このようにしてRAM45に保存されたファクシミリデータは、ユーザの印刷指示に従って、複合機30により印刷出力される。
(3)FAX送信時の処理
続いて、通信システム1において実行されるFAX送信時の処理について説明する。図6は、FAX送信時に、通信BOX10、複合機30及びコードレス電話機50の夫々で実行される処理の概要、並びに、通信BOX10、複合機30及びコードレス電話機50間で送受信される信号を表したラダーチャートである。
【0082】
また、図7は、操作部37を通じてファクシミリ送信指示が入力されると、複合機30の制御部40が実行するファクシミリデータ転送処理を表すフローチャートであり、図8は、復号キー入力画面の表示指示が操作部57を通じて入力されると、コードレス電話機50の制御部60が実行するキー入力受付処理を表すフローチャートである。また、図9は、通信BOX10の制御部20が複合機30から転送されてくるファクシミリデータを外部ファクシミリ装置3にファクシミリ送信するために実行する転送受付処理を表すフローチャートである。
(3−1)ファクシミリデータ転送処理
複合機30の制御部40は、操作部37を通じてファクシミリ送信指示が入力されると、図7に示すファクシミリデータ転送処理を開始する。そして、送信指示された原稿の読取結果を表す読取画像データを、送信指示と共に指定された送信先電話番号の情報を含むファクシミリデータ(FAX送信用の画像データ)に変換する(S410)。
【0083】
また、この処理を終えると、制御部40は、上記ファクシミリデータを、ランダムに生成した暗号キーを用いて暗号化することにより、暗号化データに変換すると共に、上記暗号化データを復号化するための復号キーを生成する(S420)。尚、本実施例において、暗号キー及び復号キーの組は、S420での実行毎に、ランダムに生成される。
【0084】
S420での処理を終えると、制御部40は、上記生成した暗号化データのデータサイズを表す信号であってファクシミリデータを送信しても良いか否かを問い合わせるファクシミリデータ送信許可問合せを、WLAN通信部34を通じて、通信BOX10に送信する(S430)。
【0085】
このファクシミリデータ送信許可問合せの送信後、制御部40は、通信BOX10からWLAN通信部34を通じて応答信号を受信するまで待機し(S431)、所定時間待機しても応答信号を受信することができなかった場合には(S431でNo)、リトライ処理を所定回実行したか否かを判断する(S433)。そして、所定回実行していないと判断すると(S433でNo)、S430に移行して、リトライ処理を実行する。
【0086】
一方、リトライ処理を所定回実行したと判断すると(S433でYes)、エラーメッセージを、表示部39に表示させて(S435)、当該ファクシミリデータ転送処理を終了する。
【0087】
この他、所定時間以内に応答信号を受信することができた場合には(S431でYes)、WLAN通信部34を通じて通信BOX10から受信した応答信号が、ファクシミリデータ送信許可通知であるか否かを判断する(S437)。
【0088】
制御部40は、ここで、受信した応答信号がファクシミリデータ送信許可通知であると判断すると(S437でYes)、S440に移行し、受信した応答信号がメモリフル通知であると判断すると(S437でNo)、S435に移行して、エラーメッセージを表示部39に表示させた後、当該ファクシミリデータ転送処理を終了する。
【0089】
また、S440に移行すると、制御部40は、S420で生成した暗号化データを、WLAN通信部34を通じて通信BOX10に送信する。
制御部40は、この暗号化データの送信後、このファクシミリデータ受信完了通知を受信するまで待機し(S441)、ファクシミリデータ受信完了通知を受信することができなかった場合には(S441でNo)、リトライ処理を所定回実行したか否かを判断する(S443)。そして、所定回実行していないと判断すると(S443でNo)、S440に移行し、リトライ処理を実行する。
【0090】
一方、リトライ処理を所定回実行したと判断すると(S443でYes)、エラーメッセージを、表示部39に表示させて(S445)、当該ファクシミリデータ転送処理を終了する。
【0091】
この他、ファクシミリデータ受信完了通知を受信することができた場合(S441でYes)、制御部40は、S450に移行して、S420で生成した復号キーを、表示部39に表示した後、当該ファクシミリデータ転送処理を終了する。
(3−2)キー入力受付処理
続いて、操作部57を通じて復号キー入力画面の表示指示が入力されると、コードレス電話機50の制御部60が実行するキー入力受付処理(図8参照)について説明する。
【0092】
このキー入力受付処理を開始すると、制御部60は、上記表示指示に従って、復号キー入力画面を、表示部59に表示させ(S510)、復号キーが操作部57を通じて入力されるか、操作部57を通じてキャンセル操作がなされるまで待機する(S520,S530)。
【0093】
そして、キャンセル操作がなされると(S530でYes)、当該キー入力受付処理を終了する。一方、操作部57を通じて復号キーが入力されると(S520でYes)、当該入力された復号キーを、DCL通信部55を通じて通信BOX10に送信する(S540)。
【0094】
S540の処理により、復号キーを送信すると、正常通信可能な状態においては、通信BOX10から応答信号が送信されてくる。従って、制御部60は、復号キーの送信後、DCL通信部55を通じて応答信号を受信するまで待機し(S541)、応答信号を受信することができなかった場合には(S541でNo)、リトライ処理を所定回実行したか否かを判断する(S543)。そして、所定回実行していないと判断すると(S543でNo)、S540に移行し、リトライ処理を実行する。
【0095】
一方、リトライ処理を所定回実行したと判断すると(S543でYes)、エラーメッセージを、表示部59に表示させて(S545)、当該キー入力受付処理を終了する。
この他、応答信号を受信することができた場合(S541でYes)、制御部60は、受信した応答信号が、復号キー受信完了通知であるか否かを判断する(S550)。尚、通信BOX10からは、上記応答信号として、復号キーの受信が完了した旨の応答信号である復号キー受信完了通知、又は、受け取った復号キーでは、暗号化データを正常に復号化できない旨の応答信号である復号エラー通知が送信されてくる。
【0096】
そして、受信した応答信号が上記復号キー受信完了通知であると判断すると(S550でYes)、表示部59に、復号キーの受付を完了した旨の完了メッセージを表示させて(S555)、当該キー入力受付処理を終了する。
【0097】
一方、受信した応答信号が、復号エラー通知であると判断すると(S550でNo)、制御部60は、正しい復号キーを入力するように求めるエラーメッセージを、表示部59に表示させた後(S560)、S510に移行する。
【0098】
このようにして、コードレス電話機50は、ユーザを通じて、複合機30の表示部39に表示された復号キーを取得し、この復号キーをDCL通信部55を通じて、通信BOX10に入力する。
(3−3)転送受付処理
続いて、図9を用いて、通信BOX10の制御部20が繰返し実行する転送受付処理について説明する。
【0099】
この転送受付処理を実行すると、制御部20は、WLAN通信部14を通じて複合機30からファクシミリデータ送信許可問合せを受信するまで待機し(S610)、ファクシミリデータ送信許可問合せを受信すると(S610でYes)、S620に移行する。
【0100】
また、S620に移行すると、ファクシミリデータ送信許可問合せが示すデータサイズの情報に基づき、複合機30が送信しようとしている暗号化データを受信して外部ファクシミリ装置3に送信するまでの一連の処理(S630〜S695の処理)を実行するのに十分な空き容量がRAM25にあるか否かを判断する。
【0101】
そして、十分な空き容量がないと判断すると(S620でNo)、上記メモリフル通知を、WLAN通信部14を通じて、ファクシミリデータ送信許可問合せの送信元である複合機30に送信し(S625)、当該転送受付処理を一旦終了する。
【0102】
一方、十分な空き容量があると判断すると(S620でYes)、上記ファクシミリデータ送信許可通知を、ファクシミリデータ送信許可問合せの送信元である複合機30に送信する(S630)。
【0103】
また、ファクシミリデータ送信許可通知を送信すると、制御部20は、複合機30から送信されてくる暗号化データの受信待機状態に移行し、暗号化データを、WLAN通信部14を通じて複合機30から受信して、RAM25に一時記憶する(S640)。
【0104】
そして、暗号化データを正常に受信することができた場合には(S650でYes)、上記ファクシミリデータ受信完了通知を、WLAN通信部14を通じて、暗号化データの送信元である複合機30に送信した後(S660)、S670に移行する。
【0105】
一方、リトライ処理によっても複合機30から正常に上記暗号化データを受信することができない場合には(S650でNo)、表示部19にエラーメッセージを表示させて(S655)、当該転送受付処理を一旦終了する。
【0106】
この他、S670に移行すると、制御部20は、DCL通信部15を通じてコードレス電話機50から復号キーを受信するか、操作部17を通じてキャンセル操作がなされるまで待機する(S670,S675)。
【0107】
そして、キャンセル操作がなされると(S675でYes)、S640で受信した暗号化データを破棄して(S677)、当該転送受付処理を一旦終了する。
これに対し、DCL通信部15を通じてコードレス電話機50から復号キーを受信すると、制御部20は、受信した復号キーを用いて暗号化データの復号化を試みる(S680
)。
【0108】
そして、暗号化データを正常に復号化することができた場合には(S681でYes)、復号キー送信元のコードレス電話機50に復号キー受信完了通知を、DCL通信部15を通じて送信する(S690)。そして、上記暗号化データを復号化して得られたファクシミリデータであってS680の処理によりRAM25に一時記憶されたファクシミリデータを、RAM25から読み出し、このファクシミリデータを、当該ファクシミリデータが示す送信先電話番号に対応する外部ファクシミリ装置3に、FAXモデム12及びNCU11を通じて、ファクシミリ送信する(S695)。その後、当該転送受付処理を一旦終了する。
【0109】
一方、暗号化データを正常に復号化することができなかった場合(S681でNo)、制御部20は、S685に移行して、復号エラー通知を、DCL通信部15を通じて、復号キー送信元のコードレス電話機50に送信する。その後、S670に移行する。
(4)効果等
以上、本実施例の通信システム1の構成及び動作について説明したが、この通信システム1では、DCL通信部15,55を通じて、周波数ホッピング方式を採用した独自プロトコルにより、送信BOX10−コードレス電話機50間で、暗号化データを復号化するための復号キーを授受する。このため、復号キーの漏洩を強固に防止することができる。また、この結果として、送信BOX10−複合機30間で無線LAN規格により送受信される暗号化データが漏洩しても、暗号化データが解読される可能性を小さくすることができる。
【0110】
また、この通信システム1では、暗号化データの生成毎に、個別の復号キーを生成するので、復号キーとして固定のキーを用いる場合よりも、復号キーの漏洩を強固に防止することができる。
【0111】
この他、本実施例の通信システム1では、持ち運び可能なコードレス電話機50を通じて、ユーザに復号キーを報知し、更には、ユーザから復号キーの情報を取得するようにしている。従って、ユーザは、FAX送信時に、通信BOX10の設置場所まで移動して復号キーを入力する必要がないし、FAX受信時に、複合機30の前で、コードレス電話機50に表示された復号キーを見ながら、復号キーを、簡単に複合機30に入力することができる。
【0112】
よって、本実施例の通信システム1によれば、復号キーの入力操作を簡単にすることができて、利便性高く、且つ、守秘性高く、通信BOX10−複合機30間でファクシミリデータを送受信することができる。
【0113】
また、この結果、本実施例によれば、実用的に、通信BOX10−複合機30間のデータ通信を無線化することができて、従来よりも、複合機30の設置自由度を高めることができ、利便性の高い複合機30を提供することができる。
【0114】
また、本実施例では、無線LAN規格で、ファクシミリデータを通信BOX10から複合機30に守秘性高く送信することができるので、例えば、通信BOX10は、ファクシミリデータを複合機30と共に、無線LANに接続されたユーザのパーソナルコンピュータ等に送信するように、構成されてもよい。この場合、ユーザは、ファクシミリデータを、パーソナルコンピュータ内で、紙媒体ではなく電子データとして管理することができ、利便性が向上する。即ち、本実施例では、ファクシミリデータの通信路として無線LANを採用することにより、通信BOX10及び複合機30を既存の無線LANに組み込むことができて、利便性の高いサービスを、ユーザに提供することができる。
(5)対応関係
以上に説明した本実施例の通信システム1と「特許請求の範囲」との対応関係は、次の通りである。請求項1記載の通信システムにおける送信装置は、FAX受信時の通信BOX10に対応し、第一の受信装置は、複合機30に対応し、第二の受信装置は、コードレス電話機50に対応する。また、第一送信手段は、WLAN通信部14に対応し、第二送信手段は、DCL通信部15に対応する。また、暗号化手段は、制御部20が実行するS140の処理により実現され、第一送信制御手段は、S160の処理により実現され、第二送信制御手段は、S170の処理により実現されている。
【0115】
また、第一の受信装置が備える受信手段は、WLAN通信部34に対応し、キー取得手段は、操作部37を通じて復号キーを取得するS270〜S273の処理により実現され、復号化手段は、S275の処理により実現されている。また、データ記憶手段は、S290及びRAM25により実現されている。
【0116】
この他、第二の受信装置が備える受信手段は、DCL通信部55に対応し、報知手段は、表示部59及び音声入出力部51及び制御部60が実行するS330の処理により実現されている。
【0117】
また、請求項2記載の通信システムにおける第一の送信装置は、FAX送信時の複合機30に対応し、第二の送信装置は、コードレス電話機50に対応し、受信装置は、通信BOX10に対応する。また、第一の送信装置が備える送信手段は、WLAN通信部34に対応し、暗号化手段は、制御部40が実行するS420の処理に対応し、送信制御手段は、S440の処理に対応し、報知手段は、制御部40が実行するS450の処理により実現されている。
【0118】
また、第二の送信装置が備える送信手段は、DCL通信部55に対応し、キー取得手段は、操作部57及びS510〜S530の処理に対応し、送信制御手段は、制御部60が実行するS540の処理により実現されている。
【0119】
この他、受信装置が備える第一受信手段は、WLAN通信部14に対応し、第二受信手段は、DCL通信部15に対応し、復号化手段は、制御部20が実行するS680の処理により実現され、データ記憶手段は、S680における復号化後データをRAM25へ一時記憶する動作及びRAM25に対応する。また、ファクシミリ通信手段は、FAXモデム12に対応し、ファクシミリ送信制御手段は、制御部20が実行するS695の処理により実現されている。
(6)変形例
続いて、変形例の通信システム100について説明する。但し、変形例の通信システム100は、上記実施例の通信システム1を構成する複合機30とコードレス電話機50とを一体化した程度のものである(図10参照)。即ち、通信BOX10は、コードレス電話機50に代えて複合機130を通信相手に、DCL通信部15を通じて復号キー等の信号を送受信する点を除き、通信システム1と同一構成である。従って、以下では、通信BOX10についての説明を省略し、複合機130の構成について、上記通信システム1とは異なる構成を選択的に説明する。
【0120】
図10は、変形例の通信システム100の構成を表すブロック図である。図10に示すように、変形例の通信システム100は、通信BOX10と、複合機130と、を備え、複合機130は、読取部31と、印刷部32と、WLAN通信部34と、DCL通信部135と、操作部37と、表示部39と、ハンドセット137と、呼出音出力用のスピーカ139と、制御部40と、を備える。即ち、複合機130は、WLAN通信部34を通じて、通信BOX10と無線通信可能な構成にされると共に、DCL通信部135を通じて
、通信BOX10と無線通信可能な構成にされている。
【0121】
図11(a)は、この通信システム100におけるFAX受信時の通信態様を表す説明図であり、図11(b)は、通信システム100におけるFAX送信時の通信態様を表す説明図である。
【0122】
図11(a)に示すように、この通信システム100では、FAX受信時に受信されたファクシミリデータが、暗号化されて、通信BOX10のWLAN通信部14から、複合機130に送信されると共に、この暗号化データを復号化するための復号キーが、通信BOX10のDCL通信部15から、複合機130に送信される。
【0123】
そして、複合機130では、WLAN通信部34で受信された暗号化データが、DCL通信部135で受信された復号キーにより復号化され、復号化後のファクシミリデータが、RAM45に保存される。
【0124】
一方、FAX送信時には、図11(b)に示すように、複合機130のWLAN通信部34から送信対象のファクシミリデータが暗号化されて通信BOX10に送信され、この暗号化データを復号化するための復号キーが、複合機130のDCL通信部135から、通信BOX10に送信される。
【0125】
具体的に、この変形例において、複合機130の制御部40は、図4の転送受付処理に代えて、図12に示す転送受付処理を実行することにより、FAX受信時において上記動作を実現する。
【0126】
図12に示す転送受付処理を開始すると、制御部40は、上述の実施例と同様に、S210〜S260の処理を実行する。そして、S260で、ファクシミリデータ受信完了通知を、WLAN通信部34を通じて通信BOX10に送信すると、S710以降の処理を実行する。
【0127】
S710に移行すると、制御部40は、通信BOX10から送信されてくる復号キーの受信待機状態に移行し、復号キーを、DCL通信部135を通じて通信BOX10から受信する。
【0128】
そして、復号キーの受信に成功すると(S720でYes)、復号キーの送信元である通信BOX10に、DCL通信部135を通じて、復号キー受信完了通知を送信すると共に(S730)、上記受信した復号キーを用いて、S240で受信した通信BOX10からの暗号化データを復号化し、当該復号化により得られるファクシミリデータを、RAM45に保存する。その後、ファクシミリデータを保存した旨の完了メッセージを、表示部39に表示させて、当該転送受付処理を、一旦終了する。
【0129】
一方、復号キーが通信BOX10から所定時間待っても送信されてこず、復号キーの受信に失敗すると(S720でNo)、制御部40は、S725に移行し、表示部39に、エラーメッセージを表示させた後、当該転送受付処理を一旦終了する。
【0130】
続いて、FAX送信時に、複合機130の制御部40が実行するファクシミリデータ転送処理について説明する。図13は、複合機130の制御部40が、操作部37を通じてファクシミリ送信指示が入力されると、図7のファクシミリデータ転送処理に代えて、実行する変形例のファクシミリデータ転送処理を表すフローチャートである。
【0131】
図13に示すファクシミリデータ転送処理を開始すると、制御部40は、上述の実施例
と同様に、S410〜S445の処理を実行する。そして、通信BOX10からファクシミリデータ受信完了通知を受信すると(S441でYes)、S810に移行し、DCL通信部135を通じて、S440で送信した暗号化データを復号化するための復号キーを、通信BOX10に送信する(S810)。尚、S810の処理により、復号キーを送信すると、正常通信可能な状態においては、通信BOX10から復号キー受信完了通知が送信されてくる。
【0132】
従って、制御部40は、復号キーの送信後、DCL通信部135を通じて復号キー受信完了通知を受信するまで待機し(S820)、復号キー受信完了通知を受信することができなかった場合には(S820でNo)、リトライ処理を所定回実行したか否かを判断する(S830)。そして、所定回実行していないと判断すると(S830でNo)、S810に移行し、リトライ処理を実行する。
【0133】
一方、リトライ処理を所定回実行したと判断すると(S830でYes)、制御部40は、エラーメッセージを、表示部39に表示させて(S840)、当該ファクシミリデータ転送処理を終了する。
【0134】
この他、復号キー受信完了通知を受信することができた場合(S850でYes)、制御部40は、表示部39に、ファクシミリデータの転送が完了した旨の完了メッセージを表示させ(S850)、当該ファクシミリデータ転送処理を終了する。
【0135】
以上、変形例の通信システム100について説明したが、変形例によれば、ユーザにとって復号キーの入力操作が必要ないので、利便性が向上する。尚、変形例と「特許請求の範囲」との対応関係は、次の通りである。即ち、請求項3記載の通信システムにおける送信装置は、FAX受信時の通信BOX10又はFAX送信時の複合機130に対応し、請求項3記載の通信システムにおける受信装置は、FAX受信時の複合機130又はFAX送信時の通信BOX10に対応する。また、第一送信手段及び第一受信手段は、WLAN通信部14,34に対応し、第二送信手段及び第二受信手段は、DCL通信部15,135に対応する。
(7)その他
以上、変形例を含む本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。例えば、本発明の通信システムは、ファクシミリデータを送受信するシステムに限らず、種々のデータを送受信するシステムに適用することができる。
【符号の説明】
【0136】
1,100…通信システム、3…外部ファクシミリ装置、5…外部電話装置、11…NCU、12…FAXモデム、14,34…WLAN通信部、15,55,135…DCL通信部、17,37,57…操作部、19,39,59…表示部、20,40,60…制御部、21,41…CPU、23,43…ROM、25,45…RAM、30,130…ディジタル複合機、31…読取部、32…印刷部、50…コードレス電話機、51…音声入出力部、137…ハンドセット、139…スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信装置と、前記送信装置から送信されるデータを受信する第一及び第二の受信装置と、を備えた通信システムであって、
前記送信装置は、
予め定められた第一の無線通信方式にて、データ送信する第一送信手段と、
予め定められた前記第一の無線通信方式とは異なる第二の無線通信方式にて、データ送信する第二送信手段と、
前記第一の受信装置への送信対象データを暗号化する暗号化手段と、
前記第一送信手段に、前記暗号化手段により暗号化された送信対象データを、前記第一の受信装置に向けて送信させる第一送信制御手段と、
前記第二送信手段に、前記暗号化手段により暗号化された送信対象データを復号化するための復号キーを、前記第二の受信装置に向けて送信させる第二送信制御手段と、
を備え、
前記第一の受信装置は、
前記送信装置が備える第一送信手段から送信されるデータを受信可能な受信手段と、
入力インタフェースを通じて、前記復号キーを取得するキー取得手段と、
前記キー取得手段により取得された前記復号キーに基づき、自装置の前記受信手段が受信したデータを復号化する復号化手段と、
前記復号化手段により復号化されたデータを記憶するデータ記憶手段と、
を備え、
前記第二の受信装置は、
前記送信装置が備える第二送信手段から送信されるデータを受信可能な受信手段と、
自装置の前記受信手段が前記送信装置から受信した復号キーを、当該第二の受信装置を使用するユーザに向けて表示出力又は音声出力する報知手段と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
第一及び第二の送信装置と、前記第一及び第二の送信装置から送信されるデータを受信する受信装置と、を備えた通信システムであって、
前記第一の送信装置は、
予め定められた第一の無線通信方式にて、データ送信する送信手段と、
前記受信装置への送信対象データを暗号化する暗号化手段と、
自装置の前記送信手段に、前記暗号化手段により暗号化された送信対象データを、前記受信装置に向けて送信させる送信制御手段と、
前記暗号化手段により暗号化された送信対象データを復号化するための復号キーを、当該第一の送信装置を使用するユーザに向けて表示出力又は音声出力する報知手段と、
を備え、
前記第二の送信装置は、
予め定められた前記第一の無線通信方式とは異なる第二の無線通信方式にて、データ送信する送信手段と、
入力インタフェースを通じて前記復号キーを、取得するキー取得手段と、
自装置の前記送信手段に、前記キー取得手段が取得した前記復号キーを、前記受信装置に向けて送信させる送信制御手段と、
を備え、
前記受信装置は、
前記第一の送信装置から送信されるデータを受信可能な第一受信手段と、
前記第二の送信装置から送信されるデータを受信可能な第二受信手段と、
前記第一受信手段が前記第一の送信装置から受信したデータを、前記第二受信手段が前記第二の送信装置から受信した復号キーに基づき、復号化する復号化手段と、
前記復号化手段により復号化されたデータを記憶するデータ記憶手段と、
を備えること
を特徴とする通信システム。
【請求項3】
送信装置と、前記送信装置から送信されるデータを受信する受信装置と、を備えた通信システムであって、
前記送信装置は、
予め定められた第一の無線通信方式にて、データ送信する第一送信手段と、
予め定められた前記第一の無線通信方式とは異なる第二の無線通信方式にて、データ送信する第二送信手段と、
前記受信装置への送信対象データを暗号化する暗号化手段と、
前記第一送信手段に、前記暗号化手段により暗号化された送信対象データを、前記受信装置に向けて送信させる第一送信制御手段と、
前記暗号化手段により暗号化された送信対象データの送信毎に、前記第二送信手段に、前記暗号化手段により暗号化された送信対象データを復号化するための復号キーを、前記受信装置に向けて送信させる第二送信制御手段と、
を備え、
前記受信装置は、
前記第一送信手段から送信されるデータを受信可能な第一受信手段と、
前記第二送信手段から送信されるデータを受信可能な第二受信手段と、
前記第一受信手段が前記送信装置から受信したデータを、前記第二受信手段が前記送信装置から受信した復号キーに基づき、復号化する復号化手段と、
前記復号化手段により復号化されたデータを記憶するデータ記憶手段と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項4】
前記送信装置は、外部のファクシミリ装置と通信可能なファクシミリ通信手段を備え、
前記送信装置が備える暗号化手段は、前記送信対象データとしての前記ファクシミリ通信手段が外部のファクシミリ装置から受信したファクシミリデータを暗号化する手段であること
を特徴とする請求項1又は請求項3記載の通信システム。
【請求項5】
前記受信装置は、
外部のファクシミリ装置と通信可能なファクシミリ通信手段と、
前記ファクシミリ通信手段に、前記復号化手段により復号化されて前記データ記憶手段に記憶されたデータを、ファクシミリ送信させるファクシミリ送信制御手段と、
を備えること
を特徴とする請求項2又は請求項3記載の通信システム。
【請求項6】
前記第一の無線通信方式は、直接拡散方式により無線通信を行う方式であり、
前記第二の無線通信方式は、周波数ホッピング方式により無線通信を行う方式
であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の通信システム。
【請求項7】
予め定められた第一の無線通信方式にて、データ送信する第一送信手段と、
予め定められた前記第一の無線通信方式とは異なる第二の無線通信方式にて、データ送信する第二送信手段と、
前記第一送信手段に送信させる送信対象データを暗号化する暗号化手段と、
前記第一送信手段に、前記暗号化手段により暗号化された送信対象データを、前記第一の無線通信方式にて無線通信可能な受信装置に向けて送信させる第一送信制御手段と、
前記暗号化手段により暗号化された送信対象データの送信毎に、前記第二送信手段に、前記暗号化手段により暗号化された送信対象データを復号化するための復号キーを、前記第二の無線通信方式にて無線通信可能な受信装置に向けて送信させる第二送信制御手段と

を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項8】
外部のファクシミリ装置と通信可能なファクシミリ通信手段を備え、
前記暗号化手段は、前記送信対象データとして、前記ファクシミリ通信手段が外部のファクシミリ装置から受信したファクシミリデータを暗号化する手段であること
を特徴とする請求項7記載の通信装置。
【請求項9】
暗号化データを、予め定められた第一の無線通信方式にて送信する送信装置、から送信される前記暗号化データを受信可能な第一受信手段と、
前記暗号化データを復号化するための復号キーを、前記第一の無線通信方式とは異なる予め定められた第二の無線通信方式にて送信する送信装置、から送信される前記復号キーを受信可能な第二受信手段と、
前記第一受信手段が受信した前記暗号化データを、当該暗号化データの受信に伴って、前記第二受信手段が受信した復号キーに基づき、復号化する復号化手段と、
前記復号化手段により復号化されたデータを記憶するデータ記憶手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項10】
外部のファクシミリ装置と通信可能なファクシミリ通信手段と、
前記ファクシミリ通信手段に、前記復号化手段により復号化されて前記データ記憶手段に記憶されたデータを、ファクシミリ送信させるファクシミリ送信制御手段と、
を備えること
を特徴とする請求項9記載の通信装置。
【請求項11】
前記第一の無線通信方式は、直接拡散方式により無線通信を行う方式であり、
前記第二の無線通信方式は、周波数ホッピング方式により無線通信を行う方式
であることを特徴とする請求項7〜請求項10のいずれかに記載の通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−239451(P2010−239451A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−85994(P2009−85994)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】