説明

通信制御システム、通信制御装置及び通信制御方法

【課題】複数のユーザを使用言語等の属性によって自動的にグループ化し、各グループに適切な情報を提供できる通信制御システムを提供する。
【解決手段】複数の通信端末装置10a〜10d、ユーザの国籍、使用言語等の属性情報を保存する属性情報管理サーバ30、属性情報に基づいてユーザをグループ化するグループ制御サーバ20、ユーザが属するユーザグループに対応する属性情報に基づいて生成された情報を、ユーザが属するグループに含まれる複数のユーザが所有する通信端末装置10a〜10dに提供するガイド情報サーバ40及び中継装置50を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信制御システム、通信制御装置及び通信制御方法に係り、特に複数の通信端末装置に同様の情報を提供する通信制御システム、通信制御装置及び通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、サービスの提供者が、ユーザに対して片側通信により情報を提供するPoC(Push-to-Talk over Cellular)システムが実用化されている。PoCでは、ユーザをグループ化し、グループに含まれるユーザに対して同様の情報を提供することができる。グループに含まれるユーザの各々に対し、グループに対応した情報を提供する従来技術として、例えば、特許文献1が挙げられる。
【0003】
特許文献1は、情報処理装置が、ユーザが希望するグループへの参加要求を受付ける。要求が認められたとき、このユーザに対してグループに属する他のユーザに送信する情報と同様の情報を送信する。特許文献1に記載された発明によれば、チャットにおけるユーザの参加を適時受付けることが可能になる。
また、観光バスや旅客機において、ユーザが各座席に取り付けられた装置において希望する言語を選択し、選択された言語による情報の提供を受けるサービスも行われている。
【0004】
ただし、上記した特許文献1及びサービスは、いずれの場合もユーザがグループを指定するものであった。このため、ユーザの側では、グループを選択することが必要となって、このための操作が煩雑であるという欠点があった。特に、上記したサービスでは、利用される観光バス、あるいは旅客機によって装置の操作方法が異なる場合もあって、ユーザが言語を選択する操作に戸惑うことがある。
【0005】
自動的にグループを作成する技術としては、行動を共にするユーザ同士をグループ化し、グループに対応して選択された情報をグループ内のユーザに提供する特許文献2が挙げられる。
【特許文献1】特開平10−334051号公報
【特許文献2】特開2004−320217号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、位置情報に基づいて行動を共にするユーザ同士を自動的にグループ化する特許文献2に記載された発明は、観光バス等のように同じ移動手段を使って移動中のユーザをグループ化することはできない。
また、行動を共にしている限り、ユーザには同様の情報が与えられるので、ユーザ個々の国籍や日常使用される言語といった属性情報に応じた最適な情報を提供することはできない。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、複数のユーザを使用言語等の属性によって自動的にグループ化し、各グループに適切な情報を提供できる通信制御システム、通信制御装置及び通信制御方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、本発明の通信制御システムは、複数の通信端末装置と、前記通信端末装置に同様の情報を提供する通信制御装置と、を備えた通信制御システムであって、前記通信制御装置は、ユーザの国籍、使用言語、住所の少なくとも一つを含む属性にかかる属性情報を保存する属性情報保存手段と、前記保存手段に保存されている属性情報に基づいて、前記ユーザをグループ化してグループを生成するユーザグループ生成手段と、前記ユーザグループ生成手段によって生成されたグループに含まれる複数のユーザが各々所有する通信端末装置に対し、当該グループに対応する属性情報に基づいて生成された情報を提供する情報提供手段と、を備えることを特徴とする。このような発明によれば、ユーザの国籍、使用言語、住所の少なくとも一つを含む属性にかかる属性情報を保存しておき、この属性情報に基づいてユーザをグループ化することができる。そして、ユーザが属するユーザグループに対応する属性情報に基づいて生成された情報を、ユーザが属するグループに含まれる複数のユーザが各々所有する通信端末装置に自動的に提供することができる。
【0008】
また、本発明の通信制御装置は、複数のユーザに同様の情報を通信によって提供する通信制御装置であって、ユーザの国籍、使用言語、住所の少なくとも一つを含む属性にかかる属性情報を保存する属性情報保存手段と、前記保存手段に保存されている属性情報に基づいて、前記ユーザをグループ化してグループを生成するユーザグループ生成手段と、前記ユーザグループ生成手段によって生成されたグループに含まれる複数のユーザに対し、当該グループに対応する属性情報に基づいて生成された情報を提供する情報提供手段と、を備えることを特徴とする。このような発明によれば、ユーザの国籍、使用言語、住所の少なくとも一つを含む属性にかかる属性情報を保存しておき、この属性情報に基づいてユーザをグループ化することができる。そして、情報の提供を要求するユーザに対し、ユーザが属するユーザグループに対応する属性情報に基づいて生成された情報を、ユーザが属するグループに含まれる複数のユーザに自動的に提供することができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記グループ生成手段によって生成されるグループに含まれるユーザを動的に変更するグループ構成変更手段をさらに備えることを特徴とする。このような発明によれば、ユーザによる契約情報の変更等によって属性情報が変更された場合、この変更に対応してユーザのグループを変更することが可能になる。
【0010】
また、本発明の制御方法は、複数のユーザに同様の情報を通信によって提供する通信制御装置において実行される通信制御方法であって、ユーザの国籍、使用言語、住所の少なくとも一つを含む属性にかかる属性情報に基づいて、前記ユーザをグループ化してグループを生成するユーザグループ生成ステップと、前記ユーザグループ生成ステップにおいて生成されたグループに含まれる複数のユーザに対し、当該グループに対応する属性情報に基づいて生成された情報を提供する情報提供ステップと、を含むことを特徴とする。このような発明によれば、ユーザの国籍、使用言語、住所の少なくとも一つを含む属性にかかる属性情報を保存しておき、この属性情報に基づいてユーザをグループ化することができる。そして、ユーザが属するユーザグループに対応する属性情報に基づいて生成された情報を、ユーザが属するグループに含まれる複数のユーザに自動的に提供することができる。
【発明の効果】
【0011】
以上述べたように、本発明は、複数のユーザを使用言語等の属性によって自動的にグループ化し、各グループに含まれる複数のユーザに適切な情報を自動的に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図を参照して本発明にかかる通信制御装置及び通信制御方法の一実施形態を説明する。
(システム構成)
図1は、本実施形態の通信制御装置が適用される、本実施形態の通信制御システムを説明するための図である。図示した通信制御システムは、グループごとに観光のガイダンス情報を提供する、グループ案内システム1である。グループ案内システム1は、ネットワークNを中心に構成されていて、ネットワークNには、グループ制御サーバ20、属性情報管理サーバ30、ガイド情報サーバ40が接続されている。
【0013】
また、ネットワークNには移動式の通信端末装置10a、10b、10c、10dが接続を要求し、中継装置50は、通信端末装置10a〜10dとグループ制御サーバ20、属性情報管理サーバ30、ガイド情報サーバ40との間で通信データを中継している。
通信端末装置10a〜10dは、いずれもユーザが携帯する携帯電話機等の携帯可能な通信端末装置である。通信端末装置10a〜10dは各々がユーザに使用され、全体で複数のユーザに使用されることになる。本実施形態では、通信端末装置10a〜10dを各々ユーザと同一にみなす場合もある。
【0014】
本実施形態の通信制御装置は、複数の通信端末装置10a〜10dに同様の情報を通信によって提供する。また、通信制御装置は、ユーザの国籍、使用言語、住所の少なくとも一つを含む属性にかかる情報を保存する属性情報管理サーバ30、保存されている属性情報に基づいて、ユーザをグループ化してグループを生成するグループ制御サーバ20と、生成されたグループに対応する言語によって生成されたグループに含まれる複数のユーザが所有する通信端末装置10a〜10dに対し、このグループに対応する属性情報に基づいて生成された情報を提供するガイド情報サーバ40と及び中継装置50とによって構成される。
【0015】
なお、実施形態1では、ユーザが携帯電話会社と契約する場合に登録される契約情報からユーザの属性情報を取得している。本実施形態では、属性情報に、ユーザの国籍、使用言語、住所の情報が少なくとも一つが含まれているものとする。また、本実施形態は、属性情報が国籍等の情報だけを含むものに限定するものでなく、ユーザの年齢や性別、契約情報等をさらに含むものであってもよい。
上記した構成のうち、属性情報管理サーバ30が属性情報保存手段、グループ制御サーバ20がユーザグループ生成手段として機能する。また、ガイド情報サーバ40及び中継装置50が情報提供手段として機能する。
【0016】
(通信端末装置の構成)
図2は、図1に示した通信端末装置10a〜10dの各々の構成を説明するためのブロック図である。通信端末装置10a〜10dは、ユーザが自由に購入、契約したものであるが、少なくとも実施形態1に使用される機能を果たす構成については同様に機能する構成を有している。ここでは、通信端末装置10aの構成を説明し、他の通信端末装置10b〜10dの説明に代えるものとする。
【0017】
通信端末装置10aは、通信データ送受信部101、通信制御部102、端末操作部104、案内情報受信部103、端末表示部105を有している。通信デ−タ送受信部101は、中継装置50及びネットワークNを介してグループ制御サーバ20等とデータを授受する構成である。案内情報受信部103は、通信データ送受信部101が受信したデータのうち、観光案内のための案内情報を端末表示部105に転送する。
また、端末操作部104は、ユーザ操作の入力インターフェイスであって、タッチパネルやボタン等によって構成される。通信制御部102は、端末操作部104の操作に基づいてネットワークNに通信し、また、受信した通信データに基づいて端末操作部104を制御してユーザの操作を促す等の処理をする。
【0018】
通信端末装置10aは、ネットワークNを介してグループ通信案内メッセージを受信する。そして、グループ通信案内メッセージに応答してグループへのメンバ登録を要求するメンバ登録メッセージを送信する。メンバ登録メッセージには、ネットワーク側の各サーバで通信端末装置10a〜10dまたはユーザを特定するための識別子が含まれている。
通信端末装置10aは、送信した属性情報に基づいて作成されたグループに対応する案内情報を受信する。
【0019】
上記した通信情報のうち、通信データ送受信部101が、グループ通信案内メッセージを受信すると、グループ案内メッセージは、案内情報受信部103を経由して通信制御部102から端末表示部105に転送され、表示される。端末表示部105に表示されたグループ通信案内メッセージを見たユーザは、端末操作部104を操作してメンバ登録の要求を入力する。
【0020】
通信制御部102は、メンバ登録の要求を通信データ送受信部101に渡し、ネットワークNを介し、メンバ登録メッセージとしてグループ制御サーバ20に送信させる。このとき、グループ制御サーバ20に送信されたメッセージに基づく属性情報を要求するメッセージが属性情報管理サーバ30に送信される。
また、通信データ送受信部101は、案内情報を受信すると、端末表示部105に転送して図示しないディスプレイに表示させる。また、必要に応じて音声データを図示しないスピーカーから出力させるようにしてもよい。
【0021】
(グループ制御サーバの構成)
図3は、グループ制御サーバ20の構成を説明するためのブロック図である。グループ制御サーバ20は、通信データ送受信部201、通信制御部202を備えている。通信データ送受信部201、通信制御部202は、図2に示した通信データ送受信部101、通信制御部102と同様の通信機能を持った構成である。
グループ制御サーバ20は、さらに、通信案内部206、属性情報確認部203、グループ構成部204、グループ情報DB205を備えている。通信案内部206は、グループ通信案内メッセージを作成する構成である。
【0022】
グループ構成部204は、メンバ登録メッセージを送信した通信端末装置の識別子等をいったん記憶する。そして、記憶された識別子を属性情報確認部203に通知する。さらに、記憶された識別子を有する通信端末装置を、属性情報に基づいてグループ化する。
具体的には、識別子から通信端末装置を特定し、特定された通信端末装置の契約時に登録された契約情報からユーザが使用する言語等の属性情報を抽出し、同じ言語を使用するユーザ同士のグループを作成する。あるいは、ユーザの国籍を属性情報から抽出し、国籍が同じユーザ同士のグループを作成する。作成されたグループには、識別子が付与される。グループの識別子、グループに含まれる通信端末装置の識別子は、グループ情報DB205に登録される。
【0023】
また、契約情報は、ユーザがいったん登録された情報を更新あるいは変更することによって変更される。契約情報の変更によって属性情報が変更された場合、グループ構成部204は、属性情報の変更があったユーザが属するグループを、変更後の属性情報に基づいて動的に変更することも可能である。したがって、本実施形態のグループ構成部204は、グループ構成変更手段としても機能する。
【0024】
(属性情報管理サーバの構成)
図4は、属性情報管理サーバ30の構成を説明するためのブロック図である。属性情報管理サーバ30は、図2に示した通信データ送受信部101と同様の通信機能を持った通信データ送受信部301を備えている。また、属性情報通知部302、属性情報DB303を備えている。
属性情報DB303には、通信端末装置10a〜10dの契約情報が管理されている。前記したように、契約情報には属性情報が登録されていて、グループ制御サーバ20は、属性情報DB303からユーザの属性情報を取得している。
【0025】
具体的には、属性情報通知部302が、通信データ送受信部301を介してグループ制御サーバ20による属性情報の要求を受付ける。グループ制御サーバ20による属性情報の要求は、メンバ登録メッセージを送信した通信端末装置の識別子等と共に属性情報を要求する旨を示すメッセージを属性情報管理サーバ30に送信することによって行われる。
属性情報DB303は、契約情報から要求された属性情報を抽出し、通信データ送受信部301に指示してグループ制御サーバ20に送信させる。
【0026】
(ガイド情報サーバの構成)
図5は、ガイド情報サーバ40の構成を説明するためのブロック図である。ガイド情報サーバ40は、通信データ送受信部101、通信制御部102と同様の通信機能を持った通信データ送受信部401、通信制御部402を備えている。さらに、ガイド情報サーバ40は、ガイド情報DB403を備えている。
ガイド情報DB403は、案内情報のデータが保存されているデータ・ベースである。通信制御部402は、案内情報の送信が可能になると、ガイド情報DB403から案内情報を抽出して通信データ送受信部401に転送し、通信端末装置10a〜10dに送信させる。
【0027】
ガイド情報DB403は、案内情報の抽出にあたり、案内情報を要求したユーザが属するグループに対応する案内情報を抽出する。本実施形態では、グループ構成部204が、日本人、米国人、韓国人といったユーザの属性情報に基づいてグループを生成している。ガイド情報DB403には、予め日本語、英語、韓国語で生成された案内情報が保存されている。
ガイド情報DB403は、生成された日本人、米国人、韓国人といったグループに対応する日本語、英語、韓国語の属性情報に基づいて生成された情報を、各グループに含まれる複数のユーザに提供している。
【0028】
(中継装置の構成)
図6は、中継装置50の構成を説明するための機能ブロック図である。中継装置50は、通信データ送受信部101、通信制御部102と同様の通信データ送受信部501、通信制御部502を備えている。さらに、中継装置50は、中継部503を備えている。中継部503は、グループ制御サーバ20からグループ通知メッセージを受信する。グループ通知メッセージとは、グループ制御サーバ20において作成されたグループの識別子及びグループに含まれる通信端末装置の識別子を含むメッセージである。
中継部503は、グループ通知メッセージに含まれるグループ識別子及び通信端末装置10a〜10dの識別子を記憶し、通信端末装置の接続要求を受付けられるように設定をする。
【0029】
(通信制御システムの動作)
次に、以上述べた各構成によって実行される通信制御の動作について説明する。
図7は、本実施形態の通信制御装置によって行われる動作を説明するためのフローチャートである。
システムにおいて、先ず、グループ制御サーバ20は、通信制御装置10a〜10dに対してグループ通信案内メッセージを送信する。グループ通信案内メッセージの送信にあたっては、通信案内部206がグループ通信案内メッセージを生成する。生成されたグループ案内メッセージは、通信データ送受信部201に送られ、通信端末装置10a〜10dに向けてネットワーク送信される(S1)。
【0030】
なお、通信端末装置10a〜10dにユーザの携帯電話機等を使用する場合、グループ通信案内メッセージは、ユーザが観光案内等の申し込みに際に届け出た携帯電話機のメールアドレスや電話番号に送信される。このとき、携帯電話機のメールアドレスや電話番号をリスト化し、グループ制御サーバ20に予め保存しておくことによってグループ通信案内メッセージの送信を簡便化することができる。
【0031】
通信端末装置10a〜10dは、通信データ送受信部101によってグループ通信案内メッセージを受信する。そして、受信されたグループ通信案内メッセージを通信制御部102と端末表示部105に転送する。転送されたグループ通信案内は端末表示部105に表示され、ユーザは、案内サービスの提供を要求することを、端末操作部104を操作して通信端末装置10a〜10dに入力する。
【0032】
案内サービスの提供が要求されると、通信制御部102がメンバ登録メッセージを作成し、通信データ送受信部101を介してグループ制御サーバ20に向けて送信する(S2)。
グループ制御サーバ20では、メンバ登録メッセージの受信によってグループ構成部204がメッセージを送信してきた通信端末装置の識別子をいったん記憶する。そして、記憶された識別子を属性情報確認部203に送る。属性情報確認部203は属性情報要求メッセージを生成し、通信データ送受信部201が属性情報要求メッセージを属性情報管理サーバ30にネットワーク送信する(S3)。
【0033】
属性情報管理サーバ30は、属性情報要求メッセージを受信した場合、属性情報要求メッセージを属性情報DB303に送る。属性情報DB303は、属性情報要求メッセージ内に示されている通信端末装置の識別子に該当する属性情報を検索して抽出する。抽出された属性情報は属性情報通知部302に送られ、属性情報通知部302は、送られてきた属性情報を示す属性情報メッセージを生成する。そして、通信データ送受信部301を介してグループ制御サーバ20に送信される(S4)。
【0034】
グループ制御サーバ20では、グループ構成部204が、受信された属性情報を、使用言語等の項目ごとにグループ化する。そして、グループにグループ固有の識別子(グループ識別子)を付与してグループ情報DB205に登録する(S5)。
図8は、グループ情報DB205のグループ固有の識別子の登録例を示した図である。図示した例では、グループ識別子と、グループ識別子によって特定されるグループに含まれる通信端末装置10a〜10d及びガイド情報サーバ40の識別子が登録されている。また、本実施形態では、識別子と共に属性情報を登録するものとした。図示した例では、グループ識別子XXXで特定されるグループには日本語が対応し、グループ識別子YYYで特定されるグループには属性情報英語が対応している。
【0035】
なお、本実施形態では、1の識別子で特定されるグループに属する機器を全てメンバとも記す。メンバには、通信端末装置の他、通信制御装置の一部であるガイド情報サーバ40が含まれる。
グループ情報DB205に登録されるグループ識別子は、文字列から構成されるものであってもよい。また、通信端末装置10a〜10dの識別子は、前記したメンバ登録メッセージに含まれる識別子と同様の識別子である。識別子は、通信端末装置10a〜10dまたはユーザを特定できるものであればよく、例えば、通信端末装置のIPアドレスを使用することが考えられる。また、ガイド情報サーバ40の識別子にもIPアドレスを用いることが考えられる。
【0036】
グループ情報DB205は、グループ構成部204によるグループの変更があった場合、新たに生成されたグループの情報を受け取り、情報にしたがって図8に示した登録データに生成されたグループの識別子を追加する。また、既に登録されているグループに含まれる通信端末装置の更新にかかる情報を受け取り、情報にしたがって図8に示した通信端末装置の識別子を追加または削除する。
【0037】
通信案内部206は、グループ情報DB205に登録された情報に基づいてグループ通知メッセージを生成する。そして、生成されたグループ通知メッセージを、中継装置50に送信する(S6)。中継装置50では、通信データ送受信部501が、グループ通知メッセージを受信して通信制御部502に転送する。通信制御部502は、転送されたグループ通知メッセージからグループの情報を抽出して記憶する。また、グループ通知メッセージを中継部503に転送する。
【0038】
中継部503は、グループ通知メッセージから各グループに含まれる通信端末装置の識別子を取得する。そして、検出された識別子で表される通信端末装置からの接続要求に備えて自装置を設定する。そして、設定の完了を、通信制御部502を介してグループ制御サーバ20に通知する(S7)。グループ制御サーバ20では、通信制御部202が、通信端末装置に接続要求メッセージを生成する。
【0039】
グループ制御サーバ20は、接続可能になったグループの通信端末装置の全てと、ガイド情報サーバ40とに生成された接続要求メッセージを送信する(S8)。この際、通信制御部202は、通信端末装置に中継装置50のアドレスを通知し、通信端末装置が中継装置50に直接接続するようにする。
また、接続要求メッセージには、接続を要求している通信端末装置の識別子や通信端末装置属するグループの識別子が含まれている。さらには、図8に示した日本語、英語等の属性情報が含まれる。
【0040】
ガイド情報サーバ40は、接続要求メッセージを通信データ送受信部401によって受信する。通信制御部402及び通信制御部102は、接続要求メッセージを受け取り、メッセージに含まれる中継装置50の識別子を取得する。そして、取得された識別子で表される中継装置50に接続処理を開始して同時に接続通知メッセージを送信する(S9)。以上の処理により、1のグループ(グループ1とする)に含まれる通信端末装置とガイド情報サーバ40との接続が完了する(S10)。
【0041】
接続完了後、中継装置50の通信制御部502は、接続完了通知メッセージを作成し、通信データ送受信部501を介してグループ制御サーバ20に送信する(S11)。グループ制御サーバ20では、通信制御部202が接続完了通知メッセージによって接続が完了したと判断する。以上の動作の後、グループ制御サーバ20は、グループ1とガイド情報サーバ40とを接続するための処理を終了する。
【0042】
本実施形態は、さらに他のグループであるグループ2に含まれる通信端末装置とガイド情報サーバ40とを接続する場合、グループ2に含まれる通信端末装置に対して上記したステップS8〜ステップS11の処理を繰り返す。中継装置50を介してグループ2の通信端末装置とガイド情報サーバ40の接続処理が完了し、グループ制御サーバ20が接続完了の通知を受けると、グループ2とガイド情報サーバ40とを接続するための処理が終了する。
【0043】
中継部503は、グループ1、グループ2を含む全てのグループについて上記した処理を実行する。この結果、中継装置50を中心にしたスター状に全てのグループの通信端末装置が接続される。全てのグループの接続が完了すると、中継部503は、接続完了メッセージをグループ制御サーバ20に通信データ送受信部501を介して送信する。
接続の完了後、ガイド情報サーバ40のガイド情報DB403は、一定の周期で中継装置50に対して発言権取得要求メッセージを送信する(S12)。発言権取得要求メッセージにはグループ識別子が付与されていて、発言権取得要求メッセージはグループごとに設定されて送信される。
【0044】
中継装置50は、発言権取得要求メッセージを受信し、中継部503が、ガイド情報サーバ40から送られてきたデータのうち、発言権を要求した際に使用された識別子以外の識別子を使って送られてきたデータを破棄するよう設定する。
また、発言権を要求した際に使用された識別子を使ってガイド情報サーバ40から送られてきた案内メッセージを、ガイド情報サーバ40の識別子に対応するグループに含まれるユーザの人数分コピーし、グループ内の全てのユーザの通信端末装置に送信するよう設定する。
【0045】
ガイド情報DB403は、前記したように、グループ制御サーバ20から接続を要求している通信端末装置のグループ識別子等と共に、図8に示した日本語、英語等の属性情報を受け取っている。このため、ガイド情報DB403は、グループ識別子に対応する属性情報に基づいて案内情報を抽出し、抽出された案内情報を案内メッセージとして送信する。つまり、日本人であるという属性情報に基づいてグループ化されたユーザには、グループに含まれる全てのユーザに対して日本語の案内情報を送信する。また、米国人であるという属性情報に基づいてグループ化されたユーザに対しては、グループに含まれる全てのユーザに英語の案内情報を送信する。
【0046】
以上の設定の完了後、中継装置50は、発言権取得通知メッセージをガイド情報サーバ40に送信する(S13)。ガイド情報サーバ40のガイド情報DB403は、発言権取得通知メッセージを受けて案内情報の送信を開始する(S14)。
通信端末装置10a〜10dは、案内情報を受信すると、案内情報受信部103に転送する。案内情報受信部103は、案内情報を端末表示部105に表示させる。また、本実施形態は、案内情報を表示する構成に限定されるものでなく、図示しないスピーカーを使って音声出力させてもよい。
【0047】
以上述べた本実施形態は、ユーザの国籍、使用言語、住所の少なくとも一つを含む属性にかかる属性情報を保存しておき、この属性情報に基づいてユーザをグループ化することができる。そして、ユーザグループに対応する属性情報に基づく言語によって生成された情報を、同じグループに属する複数のユーザに提供することができる。
なお、本発明は、以上述べた実施形態に限定されるものではない。すなわち、以上述べた実施形態では、ガイド情報サーバ40が送信すべきデータがある場合に発言権を要求し、案内情報をユーザに送信するものとしている。しかしながら、本実施形態は、このような構成に限定されるものでなく、ガイド情報サーバ40が常に発言権を有し、随時案内情報を送信するものであってもよい。
【0048】
このように構成すれば、ガイド情報案内サーバ40が発言権の取得を要求し、この要求を中継装置50が承認するといった処理がなくなって処理にかかる負荷を軽減することができる。また、案内情報の発生からユーザへの通知までの時間を短縮することができる。なお、このような構成は、案内情報のように、サーバからデータを一方的にユーザに提供する構成に特に有効である。
【0049】
また、本実施形態は、ガイド情報案内サーバ40が周期的に発言権を取得している。しかし、本実施形態は、このような構成に限定されるものでなく、例えば、ユーザを先導するガイド等が案内情報を提供するのに適すると判断したタイミングでガイド情報サーバ40に通信し、案内情報を提供するようにしてもよい。
案内情報を提供するのに適すると判断したタイミングとは、観光における名所、旧跡といった案内すべき情報を有する地点に到達したタイミングであってもよい。また、このように、特定の場所と案内情報の提供のタイミングを関連付ける場合、グループに属する通信端末装置の1つにGPS(The Global Positioning System)を設けることも考えられる。GPSによって取得された測位情報をマップに対照し、ユーザが案内情報を提供するのに適した位置にいるか否かを判定すれば、適正なタイミングで、かつ自動的にユーザに案内情報を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、観光バスや航空機といった人種の異なる複数のユーザが、各々に適したガイダンス情報の提供を希望する場合に利用することができる。また、本発明は、通信端末装置を携帯電話機に限定するものでなく、契約時にユーザが自身にかかる属性情報を登録できる携帯可能な通信端末装置であればよい。さらに、通信端末装置を本発明に適用することが予想される場合には、通信端末装置の購入後に通信端末装置からユーザの使用言語を含む属性情報を管理者に送信できるよう設定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態の通信制御システムを説明するための図である。
【図2】図1に示した通信端末装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図3】図1に示したグループ制御サーバの構成を説明するためのブロック図である。
【図4】図1に示した属性情報管理サーバの構成を説明するためのブロック図である。
【図5】図1に示したガイド情報サーバの構成の構成を説明するためのブロック図である。
【図6】図1に示した中継装置の構成の構成を説明するためのブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態の通信制御装置によって行われる動作を説明するためのフローチャートである
【図8】図3に示したグループ情報DBのグループ固有の識別子の登録例を示した図である。
【符号の説明】
【0052】
1 グループ案内システム
10a〜10d 通信制御装置
20 グループ制御サーバ
30 属性情報管理サーバ
40 ガイド情報サーバ
50 中継装置
101,201,301,401,501 通信データ送受信部
102,202,402,502 通信制御部
103 案内情報受信部
104 端末操作部
105 端末表示部
203 属性情報確認部
204 グループ構成部
205 グループ情報DB
206 通信案内部
302 属性情報通知部
503 中継部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信端末装置と、
前記通信端末装置に同様の情報を提供する通信制御装置と、を備えた通信制御システムであって、
前記通信制御装置は、
ユーザの国籍、使用言語、住所の少なくとも一つを含む属性にかかる属性情報を保存する属性情報保存手段と、
前記保存手段に保存されている属性情報に基づいて、前記ユーザをグループ化してグループを生成するユーザグループ生成手段と、
前記ユーザグループ生成手段によって生成されたグループに含まれる複数のユーザが各々所有する通信端末装置に対し、当該グループに対応する属性情報に基づいて生成された情報を提供する情報提供手段と、
を備えることを特徴とする通信制御システム。
【請求項2】
複数のユーザに同様の情報を通信によって提供する通信制御装置であって、
ユーザの国籍、使用言語、住所の少なくとも一つを含む属性にかかる属性情報を保存する属性情報保存手段と、
前記保存手段に保存されている属性情報に基づいて、前記ユーザをグループ化してグループを生成するユーザグループ生成手段と、
前記ユーザグループ生成手段によって生成されたグループに含まれる複数のユーザに対し、当該グループに対応する属性情報に基づいて生成された情報を提供する情報提供手段と、
を備えることを特徴とする通信制御装置。
【請求項3】
前記グループ生成手段によって生成されるグループに含まれるユーザを、動的に変更するグループ構成変更手段をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の通信制御装置。
【請求項4】
複数のユーザに同様の情報を通信によって提供する通信制御装置において実行される通信制御方法であって、
ユーザの国籍、使用言語、住所の少なくとも一つを含む属性にかかる属性情報に基づいて、前記ユーザをグループ化してグループを生成するユーザグループ生成ステップと、
前記ユーザグループ生成ステップにおいて生成されたグループに含まれる複数のユーザに対し、当該グループに対応する属性情報に基づいて生成された情報を提供する情報提供ステップと、
を含むことを特徴とする通信制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−131134(P2008−131134A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−311298(P2006−311298)
【出願日】平成18年11月17日(2006.11.17)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】