通信制御装置、通信制御方法、通信システム及び通信装置
【課題】複数の二次通信サービス間での通信リソースの共用を支援すること。
【解決手段】一次通信サービスに割当てられた周波数帯の一部を使用してそれぞれ二次通信サービスを提供する複数の二次利用ノードによる通信を制御する通信制御装置であって、各二次利用ノードから、当該二次利用ノードにより使用可能な無線アクセス方式を表すアクセス方式情報を受信する通信部と、上記通信部により受信される上記アクセス方式情報を記憶する記憶部と、第1の二次通信サービスのサービスエリアに第2の二次通信サービスのサービスエリアの少なくとも一部が含まれる場合に、上記アクセス方式情報が表す上記第1及び上記第2の二次通信サービスの無線アクセス方式に基づいて、上記第1の二次通信サービスと上記第2の二次通信サービスとの間で通信リソースの少なくとも一部の共用が可能か否かを判定する制御部と、を備える通信制御装置を提供する。
【解決手段】一次通信サービスに割当てられた周波数帯の一部を使用してそれぞれ二次通信サービスを提供する複数の二次利用ノードによる通信を制御する通信制御装置であって、各二次利用ノードから、当該二次利用ノードにより使用可能な無線アクセス方式を表すアクセス方式情報を受信する通信部と、上記通信部により受信される上記アクセス方式情報を記憶する記憶部と、第1の二次通信サービスのサービスエリアに第2の二次通信サービスのサービスエリアの少なくとも一部が含まれる場合に、上記アクセス方式情報が表す上記第1及び上記第2の二次通信サービスの無線アクセス方式に基づいて、上記第1の二次通信サービスと上記第2の二次通信サービスとの間で通信リソースの少なくとも一部の共用が可能か否かを判定する制御部と、を備える通信制御装置を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信制御装置、通信制御方法、通信システム及び通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一次利用される周波数帯(スペクトラム)の利用状況に応じて、その周波数帯を二次的な通信サービスに利用できるようにするための議論が進められている。例えば、米国のデジタルTV放送の周波数帯に含まれる未使用のチャネル(TVホワイトスペース)を無線通信に開放するための標準規格がIEEE802.22ワーキンググループにおいて検討されている(下記非特許文献1参照)。
【0003】
また、2008年11月のFCC(Federal Communications Commission)からの勧告によれば、一定の条件を満たして認証を受けた通信装置を用いてTVホワイトスペースを二次利用することが認められる方向にある。このFCCの勧告は、TVホワイトスペースの二次利用の標準化の先駆けであるIEEE802.22の上記標準規格を容認すると共に、IEEEのNew Study Groupの動きもカバーするものであった。技術的な内容としては、例えば、既存の技術を用いて−114[dBm](例えばNF(Noise Figure)=11[dB]だとすると、SNR=−19[dB]程度)レベルの信号検知を行うことが要求されるため、地理位置情報データベースアクセス(Geo-location Database Access)のような補助的な機能が必要となる見込みである(下記非特許文献2参照)。また、FCCは、新たな二次利用のためのチャネルとして、5GHz帯の一部の250MHzの帯域を開放することを模索している。
【0004】
また、EUでは、長期的な戦略の下、DSA(Dynamic Spectrum Access)を実現するためのCPC(Cognitive Pilot Channel)と呼ばれる専用の制御チャネルを全世界共通で割当てようとする動きもある。CPCの割当てについては、2011年のITU(International Telecommunication Union)−WP11のアジェンダに組み込まれている。さらに、DSAを行う二次利用システムのための技術検討は、IEEEのSCC(Standards Coordinating Committee)41においても進められている。
【0005】
一般的に、一次利用に係る通信サービス(以下、一次通信サービスという)に割当てられた周波数帯を二次利用する場合には、二次利用に係る通信サービス(以下、二次通信サービスという)が一次通信サービスに干渉を与えないことが重要である。そこで、下記非特許文献2は、二次通信サービスを提供しようとする二次利用ノードから管理者情報及び位置情報等を受信してこれら情報をデータベースに蓄積するデータサーバを設置することを勧告している。この場合、データサーバは、二次利用ノードからの要求に応じて、二次利用のために供与可能なチャネルを特定し、特定したチャネルを二次利用ノードへ通知する。二次利用ノードがこのようにデータサーバから通知されるチャネルを利用することで、一次通信サービスへの干渉が防止される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】「IEEE802.22 WG on WRANs」、[online]、[2010年7月1日検索]、インターネット<URL:http://www.ieee802.org/22/>
【非特許文献2】「SECOND REPORT AND ORDER AND MEMORANDUM OPINION AND ORDER」、[online]、[2010年7月1日検索]、インターネット<URL:http://hraunfoss.fcc.gov/edocs_public/attachmatch/FCC-08-260A1.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述したデータサーバから提供される情報を用いるのみでは、複数の二次利用ノードが存在し、複数の二次通信サービスが提供され得る状況において、二次通信サービス間で干渉又は信号の衝突などの障害が生じるリスクが残されている。また、複数の二次通信サービスが互いに協調することなく独立的に提供されれば、高い周波数利用効率を達成することは困難である。従って、無線アクセス方式及びチャネルなどの二次利用のための構成を互いに調整した上で、個々の二次通信サービスが提供されることが望ましい。特に、無線アクセス方式の組合せによっては、サービスエリア及びチャネルが重なっていても、通信リソースを共用することが可能である場合もある。その場合には、通信リソースを共用することで、周波数利用効率の向上又は二次利用機会の拡大を図ることができる。
【0008】
そこで、本発明は、複数の二次通信サービス間での通信リソースの共用を支援する、新規かつ改良された通信制御装置、通信制御方法、通信システム及び通信装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある実施形態によれば、一次通信サービスに割当てられた周波数帯の一部を使用してそれぞれ二次通信サービスを提供する複数の二次利用ノードによる通信を制御する通信制御装置であって、各二次利用ノードから、当該二次利用ノードにより使用可能な無線アクセス方式を表すアクセス方式情報を受信する通信部と、上記通信部により受信される上記アクセス方式情報を記憶する記憶部と、第1の二次通信サービスのサービスエリアに第2の二次通信サービスのサービスエリアの少なくとも一部が含まれる場合に、上記アクセス方式情報が表す上記第1及び上記第2の二次通信サービスの無線アクセス方式に基づいて、上記第1の二次通信サービスと上記第2の二次通信サービスとの間で通信リソースの少なくとも一部の共用が可能か否かを判定する制御部と、を備える通信制御装置が提供される。
【0010】
また、上記制御部は、上記第1の二次通信サービスのサービスエリアに上記第2の二次通信サービスのサービスエリアが含まれない場合において、上記第1の二次通信サービスと上記第2の二次通信サービスとの間の相互干渉のレベルが許容され得る干渉レベルを超えるときにも、上記第1の二次通信サービスと上記第2の二次通信サービスとの間で通信リソースの少なくとも一部の共用が可能か否かを判定してもよい。
【0011】
また、上記制御部は、上記第1の二次通信サービスに対応する上記アクセス方式情報が表す無線アクセス方式がOFDMAである場合に、上記通信リソースの一部の共用が可能であると判定してもよい。
【0012】
また、上記制御部は、上記第1の二次通信サービスに対応する上記アクセス方式情報が表す無線アクセス方式がOFDMAであって、上記第2の二次通信サービスに対応する上記アクセス方式情報が表す無線アクセス方式がCSMAである場合に、上記通信リソースの一部の共用が可能であると判定してもよい。
【0013】
また、上記制御部は、上記第2の二次通信サービスを提供する二次利用ノードからの要求に応じて、上記通信リソースの一部の共用が可能か否かを判定してもよい。
【0014】
また、上記制御部は、上記通信リソースの一部の共用が可能であると判定した場合に、上記第1の二次通信サービスを提供する二次利用ノードに、共用可能な通信リソースの範囲を特定する情報の提供を要求してもよい。
【0015】
また、上記制御部は、上記第1の二次通信サービスを提供する二次利用ノードから受信される上記共用可能な通信リソースの範囲を特定する情報を、上記第2の二次通信サービスを提供する二次利用ノードへ転送してもよい。
【0016】
また、上記制御部は、共用可能な通信リソースが存在する場合に、上記第1の二次通信サービス及び上記第2の二次通信サービスをそれぞれ提供する二次利用ノードに同期信号を供給してもよい。
【0017】
また、上記制御部は、共用可能な通信リソースが存在する場合に、上記第2の二次通信サービスを提供する二次利用ノードに、通信リソースの共用による干渉を防止するための制御情報を送信してもよい。
【0018】
また、上記通信部は、各二次利用ノードから、当該二次利用ノードが提供する二次通信サービスについてのサービスエリアを推定するためのサービスエリア情報をさらに受信し、上記通信制御装置は、上記サービスエリア情報を用いて上記第1の二次通信サービスのサービスエリア及び上記第2の二次通信サービスのサービスエリアを推定する推定部、をさらに備えてもよい。
【0019】
また、上記制御部は、上記第1の二次通信サービスのサービスエリアに上記第2の二次通信サービスのサービスエリアの一部が含まれない場合に、通信リソースの共用のために上記第2の二次通信サービスのサービスエリアを縮退させてもよい。
【0020】
また、本発明の別の実施形態によれば、一次通信サービスに割当てられた周波数帯の一部を使用してそれぞれ二次通信サービスを提供する複数の二次利用ノードによる通信を制御するための通信制御方法であって、各二次利用ノードから、当該二次利用ノードにより使用可能な無線アクセス方式を表すアクセス方式情報を受信するステップと、受信した上記アクセス方式情報を記憶するステップと、第1の二次通信サービスのサービスエリアに第2の二次通信サービスのサービスエリアの少なくとも一部が含まれる場合に、上記アクセス方式情報が表す上記第1及び上記第2の二次通信サービスの無線アクセス方式に基づいて、上記第1の二次通信サービスと上記第2の二次通信サービスとの間で通信リソースの少なくとも一部の共用が可能か否かを判定するステップと、を含む通信制御方法が提供される。
【0021】
また、本発明の別の実施形態によれば、一次通信サービスに割当てられた周波数帯の一部を使用してそれぞれ二次通信サービスを提供する複数の二次利用ノードと当該複数の二次利用ノードによる通信を制御する通信制御装置とを含む通信システムであって、各二次利用ノードは、当該二次利用ノードが使用可能な無線アクセス方式を表すアクセス方式情報を上記通信制御装置へ送信する通信部、を備え、上記通信制御装置は、各二次利用ノードから、上記アクセス方式情報を受信する通信部と、上記通信部により受信される上記アクセス方式情報を記憶する記憶部と、第1の二次通信サービスのサービスエリアに第2の二次通信サービスのサービスエリアの少なくとも一部が含まれる場合に、上記アクセス方式情報が表す上記第1及び上記第2の二次通信サービスの無線アクセス方式に基づいて、上記第1の二次通信サービスと上記第2の二次通信サービスとの間で通信リソースの少なくとも一部の共用が可能か否かを判定する制御部と、を備える、通信システムが提供される。
【0022】
また、本発明の別の実施形態によれば、一次通信サービスに割当てられた周波数帯の一部を使用して二次通信サービスを提供する通信装置であって、上記二次通信サービスの通信リソースの一部を他の二次通信サービスと共用すべきか否かを他の装置に判定させるために、上記通信装置が使用可能な無線アクセス方式を表すアクセス方式情報を上記他の装置へ送信する通信部と、上記他の装置により、上記二次通信サービスのサービスエリアが上記他の二次通信サービスのサービスエリアを含み、上記アクセス方式情報に基づいて上記二次通信サービスの通信リソースの一部を上記他の二次通信サービスと共用すべきであると判定された場合に、上記他の装置からの要求に応じて上記他の二次通信サービスと共用可能な通信リソースの範囲を特定する二次利用制御部と、を備える通信装置が提供される。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明に係る通信制御装置、通信制御方法、通信システム及び通信装置によれば、複数の二次通信サービス間での通信リソースの共用を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】一実施形態に係る通信システムの概要について説明するための説明図である。
【図2】二次利用ノードとデータサーバとの間の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【図3】一実施形態に係る通信制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】通信リソースが共用される場合のリソース配置の一例について説明するための説明図である。
【図5】二次通信サービスのサービスエリア間の位置関係の第1の例について説明するための説明図である。
【図6】二次通信サービスのサービスエリア間の位置関係の第2の例について説明するための説明図である。
【図7】二次通信サービスのサービスエリア間の位置関係の第3の例について説明するための説明図である。
【図8】二次通信サービスのサービスエリア間の位置関係の第4の例について説明するための説明図である。
【図9】一実施形態に係る二次利用ノードの構成の一例を示すブロック図である。
【図10】一実施形態に係る通信制御装置と二次利用ノードとの間の通信制御処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【図11】一実施形態に係るサービスエリア推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図12】一実施形態に係る推奨サービス構成判定処理の流れの一例を示すフローチャートの第1の部分である。
【図13】一実施形態に係る推奨サービス構成判定処理の流れの一例を示すフローチャートの第2の部分である。
【図14】一実施形態に係る推奨サービス構成判定処理の流れの一例を示すフローチャートの第3の部分である。
【図15】一実施形態に係る通信リソース共用支援処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付すことにより重複説明を省略する。
【0026】
また、以下の順序にしたがって当該「発明を実施するための形態」を説明する。
1.システムの概要
2.一実施形態に係る装置の構成例
2−1.通信制御装置の構成例
2−2.サービスエリア間の位置関係の例
2−3.二次利用ノードの構成例
3.一実施形態に係る処理の流れ
3−1.通信制御処理
3−2.サービスエリア判定処理
3−3.推奨サービス構成判定処理
3−4.通信リソース共用支援処理
4.まとめ
【0027】
<1.システムの概要>
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システムの概要について説明するための説明図である。図1を参照すると、一次利用ノード10、二次利用ノード20a及び20b、データサーバ40、並びに通信制御装置100が示されている。
【0028】
一次利用ノード10は、予め割り当てられた周波数帯を使用して一次通信サービスのための無線信号を送受信するノードである。但し、一次利用ノード10は、必ずしも割り当てられた全ての周波数帯を使用しているとは限らない。図1の例では、チャネルF1、F2及びF3を含む周波数帯が割り当てられているが、一次利用ノード10は、そのうちチャネルF1及びF2のみを使用している。一次通信サービスとは、例えば、デジタルTV放送サービス、衛星通信サービス、又は移動体通信サービスなどを含む任意の通信サービスであってよい。例えば、一次通信サービスがデジタルTV放送サービスである場合には、一次利用ノード10は、TV放送局に相当し得る。また、例えば、一次通信サービスが移動体通信サービスである場合には、一次利用ノード10は、基地局に相当し得る。
【0029】
図1に示した境界B01は、一次利用ノード10により提供される一次通信サービスのサービスエリアの外縁である。境界B01の内部に位置する端末装置(図示せず)は、一次利用ノード10が提供する一次通信サービスを受けることができる。境界B02は、一次通信サービスのサービスエリアの周囲に設けられるガードエリアの外縁である。ガードエリアは、一次通信サービスのサービスエリアといわゆるホワイトスペースとの間に設けられる緩衝地帯である。ガードエリアが存在することにより、ホワイトスペースにおいて周波数帯が二次利用される場合にも、サービスエリアの内部に位置する端末装置において干渉などの障害が生じる可能性が低減される。
【0030】
境界B02と境界B03との間は、いわゆるホワイトスペースである。図1の例では、二次利用ノード20a及び20bは、このホワイトスペースに位置する。二次利用ノード20a及び20bは、それぞれ、一次通信サービスに割当てられた周波数帯の一部を使用して二次通信サービスを提供する通信装置である。なお、本明細書の以降の説明においては、特に二次利用ノード20a及び20bを相互に区別する必要がない場合には、符号の末尾のアルファベットを省略してこれらを二次利用ノード20と総称する。
【0031】
二次利用ノード20は、所定のスペクトラムポリシーに従って二次利用の可否を判断し、データサーバ40からチャネルの供与を受けた上で、周囲に位置する端末装置(図示せず)に二次通信サービスを提供する。図1の例では、二次利用ノード20a及び20bには共に、一次利用ノード10により使用されていないチャネルF3が供与され得る。なお、図1の例に限定されず、二次利用ノード20は、一次通信サービスのサービスエリア内又はサービスエリアの周辺部に位置してもよい。例えば、シャドウイング(遮蔽)又はフェージングなどの影響によりサービスエリア内に生じたスペクトラムホールをカバーするために、一次通信サービスのサービスエリア内に二次利用ノードが設けられる場合がある。
【0032】
二次通信サービスとは、典型的には、一次通信サービスに割当てられた周波数帯の一部又は全部を使用して提供される追加的あるいは代替的な通信サービスをいう。“二次利用”という用語の意味において、一次通信サービスと二次通信サービスとは、異なる種類の通信サービスであってもよく、又は同一の種類の通信サービスであってもよい。異なる種類の通信サービスとは、例えば、デジタルTV放送サービス、衛星通信サービス、移動体通信サービス、無線LANアクセスサービス、又はP2P(Peer To Peer)接続サービスなどの任意の通信サービスから選択し得る2以上の異なる種類の通信サービスをいう。一方、同一の種類の通信サービスとは、例えば、移動体通信サービスにおける、通信事業者により提供されるマクロセルによるサービスと、ユーザ又はMVNO(Mobile Virtual Network Operator)により運用されるフェムトセルによるサービスとの間の関係を含み得る。また、同一の種類の通信サービスとは、WiMAX、LTE(Long Term Evolution)又はLTE−A(LTE−Advanced)などに準拠した通信サービスにおける、基地局により提供されるサービスと、スペクトラムホールをカバーするために中継局(リレーノード)により提供されるサービスとの間の関係をも含み得る。さらに、二次通信サービスは、スペクトラムアグリゲーション技術を用いて集約された複数の断片的な周波数帯を利用するものであってもよい。さらに、二次通信サービスは、基地局により提供されるサービスエリア内に存在する、フェムトセル群、中継局群、基地局よりも小さなサービスエリアを提供する中小基地局群により提供される補助的な通信サービスであってもよい。本明細書において説明する本発明の各実施形態の要旨は、このようなあらゆる種類の二次利用の形態に広く適用可能なものである。
【0033】
データサーバ40は、二次利用ノード20から管理者情報及び位置情報等を含むノード情報を受信し、受信したノード情報を蓄積するデータベースを有するサーバである。データサーバ40は、例えば、インターネット又は一次通信サービスのバックボーンネットワークなどを介して、一次利用ノード10及び二次利用ノード20と接続され得る。データサーバ40は、二次利用ノード20から受信される上述したノード情報を蓄積する。また、データサーバ40は、二次利用ノード20からの要求に応じて、例えば、二次利用のために供与可能なチャネル、最大送信電力及びスペクトラムマスクなどの情報を二次利用ノード20に提供する。それにより、二次利用ノード20が二次通信サービスを開始することが可能となる。
【0034】
図2は、図1に例示した二次利用ノード20とデータサーバ40との間の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図2を参照すると、一次通信サービスに割当てられた周波数帯を二次利用しようとする二次利用ノード20は、まず、データサーバ40にノード情報を送信し、ノード情報の登録を要求する(ステップS02)。すると、データサーバ40は、二次利用ノード20から受信したノード情報をデータベースに登録する(ステップS04)。
【0035】
ここでデータベースに登録されるノード情報は、例えば、次の情報を含む:
・レギュレーションID(Regulation ID):二次利用に使用可能なデバイスとして認証された際に付与されるID。TVホワイトスペースの二次利用の場合にノード情報に含まれ得る。
・製造者ID(Manufacturer ID):デバイスの製造者のID。
・位置データ:GPSなどの測位手段を利用して動的に計測され、又は固定的に保持されるデバイスの位置を表す。
・アンテナ高さ:デバイスのアンテナの高さ。例えばHAAT(Height Above Average Terrain of the tx)などが用いられ得る。
・管理者情報:デバイスのオーナーの氏名、住所、メールアドレスなどを含む。
【0036】
次に、データサーバ40は、ノード情報の登録が終了したことを確認する確認信号(confirmation)を二次利用ノード20へ送信する(ステップS06)。次に、二次利用ノード20は、二次利用の許可をデータサーバ40に要求する(ステップS08)。すると、データサーバ40は、例えば、二次利用ノード20に供与可能なチャネル(例えば、一次通信サービスに割り当てられた周波数帯のうち未使用の部分)を判定し、供与可能なチャネルが存在する場合には二次利用ノード20に二次利用を許可する(ステップS10)。
【0037】
ステップS10において、データサーバ40は、二次利用ノード20に、例えば、次の情報を提供する:
・最大送信電力:二次利用ノード20が放射することを許可される最大の送信電力。
・許可チャネル情報:二次利用ノード20に供与可能なチャネルを特定するチャネル番号のリスト。一次通信サービスに割り当てられた周波数帯は、予め複数のチャネルに分割され、個々のチャネルにチャネル番号が付与され得る。なお、チャネル番号の代わりにチャネルの中央周波数が用いられてもよい。
・規制情報(Regulatory Information):スペクトラムマスクなどの二次利用のためのルールを含み得る。
本明細書では、これらデータサーバ40から二次利用ノード20に提供される情報を許可情報(grant information)という。
【0038】
このようなステップを経た後、二次利用ノード20は、一次通信サービスに割当てられた周波数帯の二次利用を開始することができる。
【0039】
通信制御装置100は、1つ以上の二次利用ノード20による通信を制御する通信装置である。通信制御装置100もまた、データサーバ40と同様、例えば、インターネット又は一次通信サービスのバックボーンネットワークなどを介して、一次利用ノード10及び二次利用ノード20と接続され得る。なお、通信制御装置100は、データベース40と物理的に同一の装置を用いて構成されてもよい。通信制御装置100は、二次利用ノード20のノード情報及びデータサーバ40により提供される情報等を用いて、各二次利用ノード20が提供する二次通信サービスの無線アクセス方式及びチャネルなどの構成を複数の二次通信サービス間で調整する。そして、通信制御装置100は、無線アクセス方式の組合せに応じて、通信リソースを共用することが可能である場合には、次節より詳しく説明するように、複数の二次通信サービス間での通信リソースの共用を支援する。
【0040】
<2.一実施形態に係る装置の構成例>
[2−1.通信制御装置の構成例]
図3は、本実施形態に係る通信制御装置100の構成の一例を示すブロック図である。図3を参照すると、通信制御装置100は、通信部110、記憶部120、推定部130、及び制御部140を備える。
【0041】
(通信部)
通信部110は、通信制御装置100が二次利用ノード20との間で通信するための通信インタフェースである。また、通信部110は、さらにデータサーバ40との間で通信可能であってよい。本実施形態において、通信部110は、例えば、二次利用を許可された各二次利用ノード20から、二次利用の登録要求を受信する。
【0042】
二次利用の登録要求は、例えば、以下の情報を含む:
・レギュレーションID:ノード情報としてデータサーバに登録され得る情報の1つ。
・製造者ID:ノード情報としてデータサーバに登録され得る情報の1つ。
・位置データ:ノード情報としてデータサーバに登録され得る情報の1つ。
・アンテナ高さ:ノード情報としてデータサーバに登録され得る情報の1つ。
・最大送信電力:許可情報としてデータサーバから提供され得る情報の1つ。
・許可チャネル情報:許可情報としてデータサーバから提供され得る情報の1つ。
・規制情報:許可情報としてデータサーバから提供され得る情報の1つ。
・利用チャネル情報:許可チャネル情報のリストに含まれるチャネルのうち、二次利用ノードが二次通信サービスのために利用しようとしているチャネルの番号。
・アクセス方式情報:二次利用ノードにより使用可能な(及び現在使用中の)無線アクセス方式を表すアクセス方式番号のリスト。IEEE802.11af、11g若しくは11n、IEEE802.22、IEEE802.16、又はLTE若しくはLTE−Aなどの個々の無線アクセス方式に予め番号が付与され得る。アクセス方式情報は、アクセス方式番号のリストの代わりに、各無線アクセス方式のサポートの有無を表すビット列又はコード値などを含んでもよい。また、アクセス方式情報は、後述する通信サービスの共存のためのプロトコルが使用可能か否かを表す情報を含んでもよい。
【0043】
本実施形態において、通信制御装置100は、これら情報のうち位置データ、アンテナ高さ及び最大送信電力を、二次利用ノード20が提供する二次通信サービスについてのサービスエリアを推定するためのサービスエリア情報として扱う。なお、ここで列挙した情報は一例に過ぎない。即ち、二次利用ノード20から通信制御装置100へ送信される二次利用の登録要求は、上述した情報の一部を含んでいなくてもよく、又は追加的な情報をさらに含んでいてもよい。また、通信制御装置100は、上述した情報の一部を二次利用ノード20ではなくデータサーバ40から取得してもよい。
【0044】
通信部110は、各二次利用ノード20から受信した情報を、記憶部120に記憶させる。さらに、通信部110は、二次通信サービス間の調整を求める二次利用ノード20から、調整の要求を受信する。二次利用ノード20からの調整の要求は、後に説明する制御部140により処理される。
【0045】
(記憶部)
記憶部120は、例えば、ハードディスク又は半導体メモリなどの記憶媒体を用いて実現される。本実施形態において、記憶部120は、通信部110により受信される上記登録要求に含まれる情報を記憶する。記憶部120により記憶される情報のうち、二次利用ノード20の位置データ、アンテナ高さ及び最大送信電力を含むサービスエリア情報は、後に説明する推定部130によるサービスエリアの推定のために用いられ得る。また、許可チャネル情報、利用チャネル情報及びアクセス方式情報は、後に説明する制御部140による二次通信サービス間の調整のために用いられ得る。
【0046】
(推定部)
推定部130は、記憶部120により記憶されているサービスエリア情報、即ち二次利用ノード20の位置データ、アンテナ高さ及び最大送信電力を用いて、二次利用ノード20が提供する二次通信サービスのサービスエリアを推定する。推定部130は、例えば、二次利用ノード20が提供する二次通信サービスのサービスエリアを、二次利用ノード20の位置を中心とする円形状のエリアであると近似する。
【0047】
サービスエリアの半径を推定するための手法としては、2つの手法が考えられる。第1の手法は、“Method for point-to-area predictions for terrestrial services in the frequency range 30 mhz to 3000mhz”(International Telecommunications Commission(ITU), RECOMMENDAION ITU-R P1546-3, 2007)に記載された伝播路カーブを利用する手法である。この場合、アンテナ高さ及び電界強度から通信距離(一定の場所率及び一定の時間率で通信が可能である距離)を導くための実測値に基づく統計的な曲線(伝播路カーブ)が、予め記憶部120により記憶される。そして、推定部130は、二次利用ノード20の最大送信電力を電界強度に変換し、二次利用ノード20のアンテナ高さ及び電界強度に対応する通信距離を、記憶部120に記憶されている伝播路カーブから取得する。この通信距離が、二次利用ノード20が提供する二次通信サービスのサービスエリアの半径となる。
【0048】
サービスエリアの半径を推定するための第2の手法は、奥村・秦カーブの市街地モデル(“デジタルワイヤレス伝送技術”(三瓶政一著,Pearson Education Japan,pp.16-19)参照)における評価式を利用する手法である。この場合、推定部130は、二次利用ノード20の最大送信電力と受信機の最小受信感度から、許容される最大の経路損失を算出する。そして、推定部130は、算出された経路損失及びアンテナ高さを評価式に代入することにより、通信距離を算出する。この通信距離が、二次利用ノード20が提供する二次通信サービスのサービスエリアの半径となる。
【0049】
推定部130は、このように推定した二次利用ノード20ごとの二次通信サービスのサービスエリアを表す値(例えば、円形の中心位置及び半径)を、記憶部120に記憶させる。
【0050】
(制御部)
制御部140は、推定部130により推定されるサービスエリア間の位置関係と二次利用ノード20により使用可能な無線アクセス方式とに基づいて、二次通信サービス間で二次利用のための構成を調整する。二次通信サービス間での二次利用のための構成の調整とは、例えば、二次利用機会の拡大又は周波数利用効率の向上などの観点での、少なくとも1つの二次利用ノード20に対する、無線アクセス方式の推奨又は使用すべきチャネルの推奨を含む。また、制御部140は、第1の二次通信サービスのサービスエリアと第2の二次通信サービスのサービスエリアとの間の位置関係に応じて、第1の二次通信サービスの通信リソースの一部の第2の二次通信サービスとの共用が可能か否かを判定する。
【0051】
例えば、第1の二次通信サービスに対応するアクセス方式情報が表す無線アクセス方式がOFDMAである場合に、制御部140は、通信リソースの一部の共用が可能であると判定してもよい。例えば、IEEE802.22は、WRAN(Wireless Regional Area Network)とも呼ばれる、OFDMAを採用した無線通信プロトコルの1つである。OFDMAを採用した無線通信プロトコルでは、通信リソースは、周波数方向においてはサブキャリア、時間方向においてはシンボルという比較的小さい単位で区分され得る。そして、基地局が、所定数のサブキャリア及び所定数のシンボルを含むリソースブロックの単位で、通信をスケジューリングする。この基地局は、本実施形態においては、第1の二次通信サービスを提供する二次利用ノード20に相当し得る。従って、この場合、制御部140は、OFDMAを用いて第1の二次通信サービスを提供する二次利用ノード20と交渉し、共用可能な通信リソースを分配してもらうことで、通信リソースの共用を実現することができる。即ち、第1の二次通信サービスの無線アクセス方式がOFDMAである場合には、他の無線アクセス方式が使用される場合と比較して、通信リソースの共用をより実現し易い。
【0052】
また、例えば、制御部140は、さらに第2の二次通信サービスに対応する前記アクセス方式情報が表す無線アクセス方式がCSMAである場合に、通信リソースの一部の共用が可能であると判定してもよい。例えば、IEEE802.11(11a、11b、11g、11nなど)は、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)を採用した無線通信プロトコルの1つである。CSMAは、OFDMAのように基地局がセントリックに通信をスケジューリングする代わりに、端末装置が所定の衝突回避(又は衝突検知)の手順に従って任意のタイミングで通信を開始し得る方式である。従って、CSMAを使用する第2の二次通信サービスは、第1の二次通信サービスから分配される決められた通信リソースの区間内にタイミングを合わせて柔軟に通信を行うのに適している。
【0053】
制御部140は、通信リソースの一部の共用が可能であると判定すると、第1の二次通信サービスを提供する二次利用ノード20に、通信リソースの共用を依頼する。この依頼は、共用可能な通信リソースの範囲を特定するための共用リソース情報の提供を要求するものである。共用リソース情報は、共用可能な通信リソースの範囲を特定するために、例えば、共用可能な通信リソースの開始タイミング、終了タイミング、周期及び中央周波数(又はチャネル番号)などの情報を含み得る。そして、制御部140は、第1の二次通信サービスの二次利用ノード20から共用リソース情報を受信すると、第2の二次通信サービスの二次利用ノード20に共用リソース情報を転送することで、通信リソースの共用を支援する。さらに、制御部140は、例えば、第2の二次通信サービスの二次利用ノード20による第1の二次通信サービスの二次利用ノード20との同期を支援するために、各二次利用ノード20に通信部110を介して同期信号を供給してもよい。
【0054】
図4は、本実施形態において、通信リソースが共用される場合のリソース配置の一例について説明するための説明図である。図4を参照すると、横軸を時間軸、縦軸を周波数軸とした時間−周波数領域におけるリソース配置が示されている。図中の点線で囲まれた1つのセルは、OFDMAにおけるスケジューリングの最小単位を表し、これはリソースブロックと呼ばれる場合がある。1つのスケジューリングの最小単位は、n本のサブキャリア及びm個のシンボルを含み得る。このような通信リソースの中で、第1の二次通信サービスの二次利用ノード20は、例えば、開始タイミングTstartから終了タイミングTendまでの区間における中央周波数FmidのCSMA用スロットを、周期INTで第2の二次通信サービスのために分配する。開始タイミングTstart及び終了タイミングTendは、例えば、第1の二次通信サービスの二次利用ノード20から送信される基準信号を基準として指定される。また、これら時間は、通信制御部100から供給される同期信号によって二次利用ノード20間で補正され得る。第1の二次通信サービスの二次利用ノード20は、例えば、共用可能な通信リソースの範囲を特定する共用リソース情報として、これら開始タイミングTstart、終了タイミングTend、中央周波数Fmid及び周期INTを含む情報を、通信制御装置100へ送信する。
【0055】
また、第1の二次通信サービスの二次利用ノード20は、第2の二次通信サービスに分配される通信リソース(CSMA用スロット)と周囲の第1の二次通信サービスのための通信リソース(OFDMA用スロット)との間に、図4に例示したように、ガードスロットを設けてもよい。それにより、第1及び第2の二次通信サービスが完全には同期せず、又は基準とする周波数に誤差があったとしても、互いに干渉を与えることなく、良好に通信リソースを共用することができる。
【0056】
なお、第1の二次通信サービスの二次利用ノード20は、例えば、第1の二次通信サービスにおけるトラフィック量が多く通信リソースに十分な空きが無い場合には、通信リソースの共用を拒否してもよい。一方、通信リソースに十分な空きがあり、又は周波数選択性フェージングの影響で一部のスロットが長い期間にわたって使用されていないなどの状況がある場合には、通信リソースの共用を受諾し得る。
【0057】
[2−2.サービスエリア間の位置関係の例]
制御部140が二次通信サービス間の調整の基礎とするサービスエリア間の位置関係は、例えば、図5〜図8に例示した4つのクラス(それぞれ、クラスA、B、C及びDという)に分類される。
【0058】
(クラスA)
図5を参照すると、クラスAに属するサービスエリア間の位置関係の例が示されている。図5において、二次利用ノード20aのサービスエリアA11と二次利用ノード20bのサービスエリアA12とは重複している。また、二次利用ノード20aのサービスエリアA11に二次利用ノード20bが含まれている。同様に、二次利用ノード20bのサービスエリアA12に二次利用ノード20aが含まれている。このような位置関係においては、これら隣接する二次利用ノード20a及び二次利用ノード20bが発信する電波が互いに干渉の原因となり、二次利用に障害が生じる可能性がある。なお、2つの二次利用ノード20の一方のみが他方のサービスエリアに含まれる場合もこのクラスAに含めてよい。
【0059】
制御部140は、例えば、2つの二次通信サービスのサービスエリアがクラスAの位置関係にある場合には、さらに当該2つの二次通信サービスをそれぞれ提供する2つの二次利用ノード20a及び20bにより使用可能な無線アクセス方式が共通するか否かを判定する。例えば、二次利用ノード20aが無線アクセス方式R1及びR2を使用可能であって、二次利用ノード20bが無線アクセス方式R1を使用可能である場合には、無線アクセス方式R1が共通すると判定される。このように使用可能な無線アクセス方式が共通する場合には、制御部140は、当該共通する無線アクセス方式及び共通するチャネルを使用することを二次利用ノード20a及び20bに推奨する。それにより、例えば、二次利用ノード20a及び20bの間で通信サービスを共存させ、又はメッシュネットワークを形成して、互いに干渉を与えることなく二次通信サービスを運用することができる。例えば、IEEE802.22、Ecma392、IEEE802.11ファミリーのうち11s、及びIEEE.802.16(WiMax)ファミリーのうち16jなどは、メッシュプロトコル又はスケジューリング情報の交換のためのプロトコルをサポートしている。従って、これら無線アクセス方式を使用する通信サービス間では、通信サービスの共存が可能となり得る。また、IEEE802.11ファミリーでは、Public Action Frameを用いたビーコンリクエストなどの手法でアクセスポイント又は端末を介して隣接ネットワークのリソース利用情報を入手するための機能をサポートしている場合がある。その場合にも、同様に通信サービスの共存が可能となり得る。また、制御部140は、使用可能な無線アクセス方式が異なる(共通していない)場合であっても、無線アクセス方式の組合せが互いに共存可能な組合せであるときは、共通するチャネル上で2つの通信サービスを共存させることができる。この点は、後述する他のクラスについても同様である。また、制御部140は、使用可能な無線アクセス方式が互いに異なり、かつそれらが共存可能でない場合には、一方の二次通信サービスが使用する第1のチャネルとは異なる第2のチャネルの使用を、他方の二次通信サービスを提供する二次利用ノード20a又は20bに推奨する。このとき、第2のチャネルが周波数軸上で第1のチャネルに隣接しないチャネルであれば、帯域外放射による干渉も防止されることから、より望ましい。それにより、二次利用ノード20aによる二次通信サービスと二次利用ノード20bによる二次通信サービスとを、互いに干渉を与えることなく、異なるチャネルでそれぞれ運用することができる。
【0060】
(クラスB)
図6を参照すると、クラスBに属するサービスエリア間の位置関係の例が示されている。図6において、二次利用ノード20aのサービスエリアA11と二次利用ノード20bのサービスエリアA12とは重複している。但し、二次利用ノード20aのサービスエリアA11に二次利用ノード20bは含まれず、二次利用ノード20bのサービスエリアA12に二次利用ノード20aは含まれない。このような位置関係においては、例えば、重複する領域に位置する端末装置22aにおいて電波が干渉し、二次利用に部分的に障害が生じる可能性がある。
【0061】
制御部140は、例えば、2つの二次通信サービスのサービスエリアがクラスBの位置関係にある場合には、さらに当該2つの二次通信サービスをそれぞれ提供する2つの二次利用ノード20a及び20bにより使用可能な無線アクセス方式が共通するか否かを判定する。そして、制御部140は、使用可能な無線アクセス方式が共通する場合には、当該共通する無線アクセス方式及び共通するチャネルを使用することを二次利用ノード20a及び20bに推奨する。それにより、クラスAの場合と同様、二次利用ノード20a及び20bの間で互いに干渉を与えることなく二次通信サービスを運用することができる。但し、クラスBの場合には、二次利用ノード20a及び20bは、相手が送信する信号を直接的に受信することができない。そのため、この場合、制御部140は、通信部110から2つの二次利用ノード20a及び20bに同期信号を送信させることで、通信サービスの共存又はメッシュネットワークの形成を支援する。また、制御部140は、クラスAの場合と同様、使用可能な無線アクセス方式が異なり、かつそれらが共存可能でない場合には、一方の二次通信サービスが使用するチャネルとは異なるチャネル(好適には隣接しないチャネル)の使用を、他方の二次通信サービスを提供する二次利用ノード20a又は20bに推奨する。
【0062】
(クラスC)
図7を参照すると、クラスCに属するサービスエリア間の位置関係の例が示されている。図7において、二次利用ノード20aのサービスエリアA11と二次利用ノード20bのサービスエリアA12とは重複していない。このような位置関係においては、制御部140は、例えば、2つの二次通信サービスをそれぞれ提供する2つの二次利用ノード20a及び20bに、使用可能な無線アクセス方式に関わらず、共通するチャネルの使用を推奨する。それにより、第3の二次通信サービス(図示せず)を提供する二次利用ノード20のためのチャネルの選択の余地を広げることができる。但し、クラスCにおいても、2つの二次通信サービスのノード間の相互干渉(例えば、2つのサービスエリアの外縁部に位置するノード間の干渉)が許容し得るレベルを超える場合には、制御部140は、上述したクラスA及びクラスBと同様に通信リソースの共用のための制御を行うことが望ましい。
【0063】
なお、制御部140は、例えば、各二次利用ノード20に推奨するチャネルを、当該二次利用ノード20から受信された許可チャネル情報により表されるチャネルの中から選択する。これは、通信制御装置100による二次通信サービス間の調整が、二次利用のための規制(各国の法的な規制又は事業者間で定められる規制など)の範囲内で行われ得ることを意味している。従って、二次利用ノード20が通信制御装置100からの通知を受けてチャネルを変更したとしても、一次通信サービス又は周辺で運用され得るその他の通信サービスに干渉を与えるリスクは生じない。
【0064】
(クラスD)
図8を参照すると、クラスDに属するサービスエリア間の位置関係の例が示されている。図8において、二次利用ノード20aのサービスエリアA11は、二次利用ノード20bのサービスエリアA12に含まれている。このような位置関係においては、クラスAの場合と同様、隣接する二次利用ノード20a及び二次利用ノード20bが発信する電波が互いに干渉の原因となり、二次利用に障害が生じる可能性がある。
【0065】
制御部140は、例えば、2つの二次通信サービスのサービスエリアがクラスDの位置関係にある場合には、クラスAの場合と同様、まず、共通する無線アクセス方式及び共通するチャネルの使用が可能か否かを判定する。共通する無線アクセス方式及び共通するチャネルの使用が可能であれば、当該共通する無線アクセス方式及び共通するチャネルの使用が推奨され得る。また、制御部140は、使用可能な無線アクセス方式が異なり、かつそれらが共存可能でない場合には、互いに異なるチャネルを2つの二次通信サービスが使用することができるか否かを判定する。互いに異なるチャネルを使用することができるのであれば、当該異なるチャネルの使用が推奨され得る。これに対し、例えば、データサーバ40により2つの二次利用ノード20a及び20bに許可されたチャネルが同じ1つのチャネルであれば、二次利用ノード20a及び20bは、異なるチャネルを使用できない。この場合、制御部140は、二次利用ノード20a及び20bが使用可能な無線アクセス方式に応じて、通信リソースの共用を支援する。例えば、上述したように、二次利用ノード20bの無線アクセス方式がOFDMAである場合、又はさらに二次利用ノード20aの無線アクセス方式がCSMAである場合に、制御部140は、通信リソースの共用を支援してもよい。それにより、クラスDの位置関係における2つの二次通信サービスも良好に共存し得る。
【0066】
なお、通信制御装置100は、二次利用ノード20aの送信電力を低下させることにより、サービスエリア間の位置関係がクラスDとなるようにサービスエリアA11を縮退させた上で、通信リソースの共用を支援してもよい。また、サービスエリアA11が完全にはサービスエリアA12に含まれず、サービスエリアA11がサービスエリアA12の外部に位置する部分を含む場合であっても、当該サービスエリア間の位置関係はクラスDとして認識されてよい。この場合にも、通信制御装置100は、二次利用ノード20a及び20bが使用可能な無線アクセス方式に応じて、通信リソースの共用を支援し得る。このとき、通信制御装置100は、例えば、送信電力制御又はビームフォーミングなどの技術を利用して、サービスエリアA12の外部から送信される無線信号による他の通信サービスへの干渉のリスクを回避してもよい。
【0067】
[2−3.二次利用ノードの構成例]
図9は、本実施形態に係る二次利用ノード20の構成の一例を示すブロック図である。二次利用ノード20は、例えば、中小基地局、無線中継局又は無線アクセスポイントなど、任意の二次通信サービスを提供する通信装置であってよい。従って、二次利用ノード20は、その役割に応じて様々な構成要素を備える可能性がある。しかしながら、図9においては、本実施形態に直接的に関連する構成要素のみが示されている。図9を参照すると、二次利用ノード20は、第1通信部210、第2通信部220、記憶部230及び二次利用制御部240を備える。
【0068】
(第1通信部)
第1通信部210は、二次利用ノード20がデータサーバ40及び通信制御装置100との間で通信するための通信インタフェースである。第1通信部210は、例えば、二次利用制御部240による制御に応じて、図2を用いて説明したノード情報の登録要求をデータサーバ40へ送信し、ノード情報の登録確認を受信する。また、第1通信部210は、例えば、二次利用制御部240による制御に応じて、二次利用の許可要求をデータサーバ40へ送信し、データサーバ40からの応答に含まれる許可情報を受信する。さらに、第1通信部210は、後により詳細に説明する二次通信サービス間の調整の要求を通信制御装置100へ送信し、調整の結果として通信制御装置100から送信される推奨されるサービス構成に関する情報を受信する。
【0069】
(第2通信部)
第2通信部220は、二次利用ノード20が周囲の端末装置に二次通信サービスを提供するための通信インタフェースである。第2通信部220がサポートする無線アクセス方式は、IEEE802.11af、11g若しくは11n、IEEE802.22又はLTE若しくはLTE−Aなどの任意の方式であってよい。第2通信部220がサポートする無線アクセス方式を表すアクセス方式情報は、予め記憶部230により記憶される。
【0070】
(記憶部)
記憶部230は、例えば、ハードディスク又は半導体メモリなどの記憶媒体を用いて実現される。本実施形態において、記憶部230は、二次利用ノード20がデータサーバ40に登録すべき上述したノード情報を予め記憶する。また、記憶部230は、上述したアクセス方式情報を予め記憶する。また、記憶部230は、データサーバ40から上述した許可情報が提供された場合には、当該許可情報を記憶する。さらに、二次利用ノード20は、二次利用制御部240が二次通信サービスのために利用しようとしているチャネルの番号を利用チャネル情報として記憶する。
【0071】
(二次利用制御部)
二次利用制御部240は、二次利用ノード20による周波数帯の二次利用のための一連の処理を制御する。例えば、二次利用制御部240は、第1通信部210を介して、図2に例示したデータサーバ40との間の処理を遂行する。また、二次利用制御部240は、二次通信サービス間での調整の必要性を判定し、調整が必要とされる場合に、調整の要求を通信制御装置100へ送信する。二次通信サービス間での調整が必要とされる場合とは、例えば、データサーバ40からの許可に従って二次利用を開始したものの、二次通信サービス間の干渉を原因として期待したような通信品質が得られない場合を含み得る。また、二次通信サービス間での調整が必要とされる場合とは、例えば、データサーバ40からの二次利用の許可を受けたものの、許可を受けたチャネル上で既に他の通信サービスが開始されており、二次利用機会を享受できない場合を含み得る。二次利用制御部240が調整の要求を送信した後の処理の例については、次節において具体的に説明する。なお、通信制御装置100は、二次利用ノード20からの調整の要求を受けることなく、例えば周波数利用効率の向上のために自発的に二次通信サービス間での調整を実行してもよい。
【0072】
<3.一実施形態に係る処理の流れ>
次に、図10〜図15を用いて、本実施形態に係る通信制御装置100と複数の二次利用ノード20との間の通信制御処理の流れについて説明する。なお、ここで説明する通信制御処理は、例えば、二次通信サービス間の調整を要求した二次利用ノード20、及び当該二次利用ノード20の周囲に位置する1つ以上の他の二次利用ノード20を対象とし、ノードの各組合せごとに行われ得る。
【0073】
[3−1.通信制御処理]
図10は、本実施形態に係る通信制御装置100と二次利用ノード20a及び20bとの間の通信制御処理の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、図10の処理の前に、二次利用ノード20a及び20bによるデータサーバ40へのノード情報の登録は終了し、二次利用ノード20a及び20bに対する二次利用の許可は既に与えられているものとする。
【0074】
図10を参照すると、まず、二次利用ノード20bは、通信制御装置100に対して二次利用の登録を要求する(ステップS102)。二次利用ノード20bから送信される登録要求は、上述したように、二次利用ノード20bが提供する二次通信サービスについてのサービスエリアを推定するためのサービスエリア情報及びアクセス方式情報等を含む。すると、通信制御装置100は、二次利用ノード20bから受信した情報を記憶部120に記憶する(ステップS104)。そして、通信制御装置100は、登録が終了したことを確認する確認信号(confirmation)を二次利用ノード20bへ送信する(ステップS106)。
【0075】
また、二次利用ノード20aは、通信制御装置100に対して二次利用の登録を要求する(ステップS108)。二次利用ノード20aから送信される登録要求もまた、サービスエリア情報及びアクセス方式情報等を含む。すると、通信制御装置100は、二次利用ノード20aから受信した情報を記憶部120に記憶する(ステップS110)。そして、通信制御装置100は、登録が終了したことを確認する確認信号(confirmation)を二次利用ノード20aへ送信する(ステップS112)。
【0076】
その後、通信制御装置100の推定部130は、二次利用ノード20a及び20bからそれぞれ受信したサービスエリア情報を用いて、各二次通信サービスのサービスエリアを推定する(ステップS114)。なお、推定部130によるサービスエリア推定処理は、ステップS116における二次通信サービス間の調整の要求があった後に行われてもよい。
【0077】
次に、二次利用ノード20aは、二次通信サービス間の調整の必要性を認識すると、通信制御装置100に二次通信サービス間の調整を要求する(ステップS116)。なお、二次利用ノードが通信制御装置100に二次通信サービス間の調整を要求する代わりに、通信制御装置100が自発的に二次通信サービス間の調整を開始してもよい。その後、通信制御装置100は、二次利用ノード20a又は他の二次利用ノード20に推奨すべき二次通信サービスの構成を判定する(ステップS118)。図10の例では、他の二次利用ノード20は、二次利用ノード20bに相当する。そして、通信制御装置100は、二次利用ノード20a及び二次利用ノード20bの少なくとも一方に、推奨されるサービス構成(即ち、使用すべき無線アクセス方式、又は使用すべきチャネルなど)を通知する(ステップS120)。
【0078】
[3−2.サービスエリア判定処理]
図11は、図10のステップS114における通信制御装置100によるサービスエリア推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0079】
図11を参照すると、まず、通信制御装置100の推定部130は、記憶部120に記憶されている二次利用ノード20の位置、最大送信電力及びアンテナ高さを取得する(ステップS132)。次に、推定部130は、二次利用ノード20の最大送信電力及びアンテナ高さを用いて、二次通信サービスのサービスエリアの半径を算出する(ステップS134)。そして、推定部130は、二次利用ノード20の位置を中心とし、ステップS134において算出した半径を有する円形状のエリアを、二次利用ノード20により提供される二次通信サービスのサービスエリアであると推定する(ステップS136)。なお、推定部130は、例えば二次利用ノード20のアンテナの指向性のデータ又は周辺の地形データなどの追加的な情報を取得できる場合には、円形状ではなく楕円形状又は地形に応じてより複雑な形状のサービスエリアを推定してもよい。
【0080】
[3−3.推奨サービス構成判定処理]
図12〜図14は、図10のステップS118における通信制御装置100による推奨サービス構成判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0081】
図12を参照すると、まず、通信制御装置100の制御部140は、二次利用ノード20a及び20bにより提供される2つの二次通信サービスのサービスエリアが重複しているか否かを判定する(ステップS151)。サービスエリアが重複しているか否かは、例えば、2つのサービスエリアの半径の和が二次利用ノード20a及び20bの間の距離よりも小さいか否かに基づいて判定されてよい。ここでサービスエリアが重複していないと判定された場合には、処理は図14のステップS170へ進む。一方、サービスエリアが重複していると判定された場合には、処理はステップS152へ進む。
【0082】
処理がステップS152に進んだ場合、2つの二次通信サービスのサービスエリア間の位置関係は、図5、図6及び図8に示したクラスA、B及びDのいずれかに属している。この場合、制御部140は、2つの二次利用ノード20a及び20bが使用可能な無線アクセス方式が共通しているか否かを判定する(ステップS152)。ここで使用可能な無線アクセス方式が共通していないと判定された場合には、処理は図13のステップS161へ進む。一方、使用可能な無線アクセス方式が共通していると判定された場合には、処理はステップS153へ進む。
【0083】
ステップS153において、制御部140は、実行中の推奨サービス構成判定処理のトリガが二次利用ノードであったか否かを判定する(ステップS153)。例えば、通信制御装置100が二次利用ノード20aから二次通信サービス間の調整の要求を受信したことをきっかけとして推奨サービス構成判定処理が開始された場合には、推奨サービス構成判定処理のトリガは二次利用ノードであったと判定される。その場合、処理は図13のステップS161へ進む。一方、通信制御装置100が能動的に推奨サービス構成判定処理を開始した場合には、処理のトリガは二次利用ノードではないため、処理はステップS154へ進む。
【0084】
ステップS154において、制御部140は、2つの二次利用ノード20a及び20bにより現在使用されている無線アクセス方式が共通しているか否かを判定する(ステップS154)。ここで現在使用中の無線アクセス方式が共通していると判定された場合には、処理は図13のステップS161へ進む。一方、現在使用中の無線アクセス方式が共通していないと判定された場合には、処理はステップS155へ進む。
【0085】
ステップS155において、制御部140は、2つの二次利用ノード20a及び20bにより現在使用されている共通の無線アクセス方式が有効に(即ち、障害を起こすことなく並行して)動作するか否かを判定する(ステップS155)。例えば、サービスエリアが重複している状況での2つのシステムの並列的な運用が困難な無線アクセス方式が使用されている場合には、制御部140は、共通の無線アクセス方式が有効に動作しないと判定し得る。その場合、処理は図14のステップS173へ進む。一方、共通の無線アクセス方式が有効に動作すると判定された場合には、処理はステップS156へ進む。
【0086】
処理がステップS156に進んだ場合、制御部140は、2つの二次利用ノード20a及び20bが使用可能な共通する無線アクセス方式と共通するチャネルとを使用することを推奨する(ステップS156)。さらに、制御部140は、2つの二次利用ノード20a及び20bへの同期信号の供給が必要であるか否かを判定する(ステップS157)。例えば、一方の二次利用ノード20が他方のサービスエリアに含まれない場合には、2つの二次通信サービスのサービスエリア間の位置関係はクラスBに属している。その場合、例えばEcma392などのメッシュプロトコルスタックが利用可能でなければ、通信サービス間の同期を補助することが必要となる。また、クラスA又はクラスDの場合でも、IEEE802.11ファミリーのようにクロックずれが大きい状況下では、通信サービス間の同期を補助することが望ましい。これらの状況に該当する場合には、制御部140は、2つの二次利用ノード20a及び20bに同期信号の供給が必要であると判定し得る。
【0087】
ステップS157において、同期信号の供給が必要であると判定された場合には、制御部140は、通信部110を介して2つの二次利用ノード20a及び20bに同期信号を供給する(ステップS158)。一方、ステップS157において、同期信号の供給が必要ではないと判定された場合には、通信制御装置100は、これらノードに同期信号を供給しない。
【0088】
図13のステップS161では、制御部140は、重複するサービスエリア内の共通するチャネル上で、2つの二次利用ノード20a及び20bにより使用可能かつ互いに共存可能な無線アクセス方式の組合せが存在するか否かを判定する(ステップS161)。例えば、IEEE802.22の標準仕様におけるフレームフォーマットには、複数の通信サービス間で情報を交換するための“Coexistence Beacon Period”が設けられている。二次利用ノード20a及び20bは、例えば、この“Coexistence Beacon Period”を用いてスケジューリング情報又は経路情報などを交換することにより、メッシュネットワークを形成し、又はスケジューリングのタイミングが重ならないように制御情報を交換して2つの通信サービスを共存させてもよい。制御部140は、共存可能な無線アクセス方式の組合せが存在すると判定した場合には、当該無線アクセス方式と共通するチャネルとを使用することを推奨する(ステップS162)。一方、共存可能な無線アクセス方式の組合せが存在しない場合には、処理はステップS163へ進む。
【0089】
ステップS163では、制御部140は、互いに異なるチャネルを2つの二次通信サービスに割り当てることができるか否かを判定する(ステップS163)。ここで、互いに異なるチャネルを2つの二次通信サービスに割り当てることができる場合には、制御部140は、当該異なるチャネルの使用を二次利用ノード20a及び20bに推奨する(ステップS164)。例えば、二次利用ノード20a及び20bからの許可チャネル情報が共にチャネルF1及びF2を含む場合には、二次利用ノード20aにチャネルF1、二次利用ノード20bにチャネルF2がそれぞれ推奨され得る。一方、互いに異なるチャネルを2つの二次通信サービスに割り当てることができない場合には、処理はステップS165へ進む。
【0090】
ステップS165では、制御部140は、2つの二次通信サービスの通信リソースの共用を支援することで通信リソースの共用が可能となるか否かを判定する(ステップS165)。例えば、二次利用ノード20a及び20bに同期信号を供給し、時間分割方式で2つの通信サービスを共存させることができる場合には、通信リソースの共用が可能であると判定され得る。その場合、処理はステップS167へ進む。一方、通信リソースの共用が可能でないと判定された場合には、処理はステップS166へ進む。ステップS166では、制御部140は、推奨可能なサービス構成が見つからないため、推奨可能なサービス構成が見つからないことを二次利用ノード20aに通知する。
【0091】
ステップS167では、制御部140は、一方の二次通信サービスのサービスエリアに他方の二次通信サービスのサービスエリアが含まれるか否かを判定する(ステップS167)。例えば、2つのサービスエリアの半径の差が二次利用ノード20a及び20bの間の距離よりも大きい場合には、一方の二次通信サービスのサービスエリアに他方の二次通信サービスのサービスエリアが含まれると判定され得る。その場合、処理はステップS168へ進む。また、一方の二次通信サービスのサービスエリアに他方の二次通信サービスのサービスエリアが含まれていないと判定された場合には、処理はステップS169へ進む。なお、一方の二次通信サービスのサービスエリア内に他方の二次通信サービスのサービスエリアの一部が含まれない場合であっても、例えば当該部分の割合が所定の値を超えない場合には、ステップS167における判定結果は「Yes」となり得る。
【0092】
処理がステップS168に進んだ場合、2つの二次通信サービスのサービスエリア間の位置関係は、図8に示したクラスDに属している。また、通信リソースは共用可能である。このような無線アクセス方式の組合せは、例えば、OFDMAとCSMAとの組合せを含む。例えば、よりサービスエリアの大きい二次通信サービスの無線アクセス方式がOFDMAであれば、図4を用いて説明したように2つの二次通信サービスの通信リソースを配置することで、通信リソースの共用が可能である。そこで、制御部140は、図15に例示する通信リソース共用支援処理を行うことで、通信リソースの共用を実現する(ステップS168)。
【0093】
処理がステップS169に進んだ場合、2つの二次通信サービスのサービスエリア間の位置関係は、図5及び図6に示したクラスA及びBのいずれかに属している。また、通信リソースは共用可能である。この場合にも、制御部140は、図15の例と同様の通信リソース共用支援処理を行うことで、通信リソースの共用を実現する(ステップS169)。
【0094】
処理が図14のステップS170に進んだ場合、2つの二次通信サービスのサービスエリア間の位置関係は、図7に示したクラスCに属している。この場合、制御部140は、実行中の推奨サービス構成判定処理のトリガが二次利用ノードであったか否かを判定する(ステップS170)。ここで、推奨サービス構成判定処理のトリガが二次利用ノードであった場合には、処理はステップS172へ進む。一方、推奨サービス構成判定処理のトリガが二次利用ノードではなかった場合には、処理はステップS171へ進む。ステップS171では、制御部140は、2つの二次通信サービスのノード間の相互干渉が許容し得るレベル以下であるか否かを判定する(ステップS171)。例えば、制御部140は、各二次通信サービスの送信電力とノード間の距離に応じた経路損失とに基づいて、2つの二次通信サービスのノード間の干渉レベルを推定する。このとき、推定誤差を吸収するためのマージンが干渉レベルの推定結果に含められてもよい。そして、制御部140は、推定した干渉レベルを各二次通信サービスの所要通信品質(最小SINRなど)に応じた許容干渉レベルと比較する。その結果に基づいて、制御部140は、ノード間の相互干渉が許容し得るレベルであるか否かを判定することができる。その代わりに、二次通信サービスのノードが実際の干渉レベルを測定し、通信制御装置100がその測定結果を許容干渉レベルとの比較のために受信してもよい。また、二次通信サービスのノードが実際の干渉レベルと許容干渉レベルとの比較の結果を通信制御装置100に報告してもよい。ここで、2つの二次通信サービスのノード間の相互干渉が許容し得るレベルを超えない場合には、処理は、ステップS172へ進む。ステップS172では、制御部140は、無線アクセス方式に関わらず、共通するチャネルの使用を二次利用ノード20a及び20bに推奨する(ステップS172)。一方、ステップS171において、2つの二次通信サービスのノード間の相互干渉が許容し得るレベルを超える場合には、処理はステップS173へ進む。
【0095】
ステップS173では、制御部140は、互いに異なるチャネルを2つの二次通信サービスに割り当てることができるか否かを判定する(ステップS173)。ここで、互いに異なるチャネルを2つの二次通信サービスに割り当てることができる場合には、制御部140は、当該異なるチャネルの使用を二次利用ノード20a及び20bに推奨する(ステップS174)。一方、互いに異なるチャネルを2つの二次通信サービスに割り当てることができない場合には、処理はステップS175へ進む。
【0096】
ステップS175では、制御部140は、2つの二次通信サービスの通信リソースの共用を支援することで通信リソースの共用が可能となるか否かを判定する(ステップS175)。ここで、通信リソースの共用が可能であると判定された場合には、処理はステップS177へ進む。一方、通信リソースの共用が可能でないと判定された場合には、処理はステップS176へ進む。ステップS176では、制御部140は、推奨可能なサービス構成が見つからないため、推奨可能なサービス構成が見つからないことを二次利用ノード20aに通知する。
【0097】
ステップS177では、制御部140は、図15の例と同様の通信リソース共用支援処理を行うことで、通信リソースの共用を実現する(ステップS177)。
【0098】
なお、通信制御装置100による推奨サービス構成判定処理の流れは、図12〜図14に示した例に限定されない。即ち、図12〜図14に示したいくつかの処理ステップが省略され若しくは統合されてもよく、追加的なステップが加えられてもよい。また、処理ステップの順序が変更されてもよい。また、ここでは通信制御装置100が2つの通信サービスの間でサービス構成を調整する例について主に説明した。しかしながら、3つ以上の通信サービス間での調整の場合にも、本実施形態は同様に適用可能である。
【0099】
[3−4.通信リソース共用支援処理]
図15は、通信制御装置100と二次利用ノード20a及び20bとの間の、図13のステップS168におけるクラスDの場合の通信リソース共用支援処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、他のクラスについての通信リソース共用支援処理も、以下の例と同様に構成され得る。
【0100】
図15を参照すると、まず、通信制御装置100は、より大きいサービスエリアを有する二次通信サービスを提供する二次利用ノード20bに、通信リソースの共用を依頼する(ステップS202)。この依頼は、共用可能な通信リソースの範囲を特定する共用リソース情報の提供を要求するものである。すると、二次利用ノード20bは、トラフィックの状況に応じて共用可能な通信リソースを決定し、共用リソース情報を返答する(ステップS204)。次に、通信制御装置100は、二次利用ノード20bから受信した共用リソース情報を二次利用ノード20aへ転送する(ステップS206)。すると、二次利用ノード20aは、通信リソースの共用が可能であることを認識し、確認応答を通信制御装置100へ送信する(ステップS208)。そして、通信制御装置100は、二次利用ノード20a及び20bに同期信号を供給する(ステップS210)。その後、二次利用ノード20aは、共用リソース情報により特定される範囲内の通信リソースを使用して、第1の二次通信サービスとの間で互いに干渉を生じさせることなく、第2の二次通信サービスを運用する。
【0101】
なお、通信制御装置100は、例えば、ステップS206又はステップS210において、通信リソースの共用による干渉を防止するための追加的な制御情報を二次利用ノード20aに送信してもよい。追加的な制御情報は、例えば、二次利用ノード20aに許容される最大送信電力レベル、新たなスペクトラムマスク、及び二次利用ノード20aの子ノードのための送信電力調整値などの情報を含み得る。
【0102】
<4.まとめ>
ここまで、図1〜図15を用いて、本発明の一実施形態について説明した。上述した実施形態によれば、通信制御装置100は、第1の二次通信サービスのサービスエリアに第2の二次通信サービスのサービスエリアの少なくとも一部が含まれる場合に、第1の二次通信サービス及び第2の二次通信サービスの無線アクセス方式に基づいて、通信リソースの共用が可能か否かを判定する。かかる構成によれば、それぞれ二次利用を望む複数の二次利用ノードが存在し、そのサービスエリア及び許可されたチャネルが重なっている場合であっても、通信リソースを共用させて周波数利用効率の向上又は二次利用機会の拡大を図ることができる。
【0103】
また、本実施形態によれば、通信制御装置100は、より大きいサービスエリアを有する二次通信サービスの無線アクセス方式がOFDMAである場合に、通信リソースの共用が可能であると判定する。この場合、OFDMAを用いる二次利用ノード(例えば二次通信サービスのための基地局)のスケジューリングの仕組みを活用してリソースブロックなどのスケジューリングの単位で柔軟に通信リソースを共用することができる。また、通信制御装置100は、さらにより小さいサービスエリアを有する二次通信サービスの無線アクセス方式がCSMAである場合に、通信リソースの共用が可能であると判定してもよい。この場合、CSMAを使用する第2の二次通信サービスの端末装置は、第1の二次通信サービスから分配される通信リソースの区間内にタイミングを合わせて、所定の衝突回避(又は衝突検知)の手順に従って通信を行うことができる。
【0104】
また、本実施形態によれば、通信制御装置100は、二次通信サービスを提供する二次利用ノードからの要求に応じて通信リソースの共用が可能か否かを判定し得るため、より多くの二次利用ノードに二次利用機会を与えることができる。特に、周波数帯の二次利用の場面では、個々の二次利用ノードがどのような無線アクセス方式をサポートしているかが事前に把握されない場合が多い。また、個々の二次利用ノードに二次通信サービス間の調整を行うための機能を課すことは、コストの観点から現実的でなく、調整の中立性も確保しにくい。従って、各二次利用ノードについての無線アクセス方式などの情報を収集し、二次通信サービス間の調整を行う中立的なエンティティである通信制御装置100が提供されることは、コストの観点からも調整の中立性の観点からも有益である。
【0105】
なお、本明細書において説明した通信制御装置100及び二次利用ノード20における制御処理は、ソフトウェアを用いて実現され得る。上述した制御処理を実現するソフトウェアを構成するプログラムは、各装置の内部又は外部に設けられる記憶媒体に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、実行時にRAM(Random Access Memory)に読み込まれ、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサにより実行される。
【0106】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0107】
10 一次利用ノード
20 二次利用ノード
40 データサーバ
100 通信制御装置
110 通信部(通信制御装置)
120 記憶部(通信制御装置)
130 推定部(通信制御装置)
140 制御部(通信制御装置)
210 第1通信部(二次利用ノード)
220 第2通信部(二次利用ノード)
230 記憶部(二次利用ノード)
240 二次利用制御部(二次利用ノード)
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信制御装置、通信制御方法、通信システム及び通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一次利用される周波数帯(スペクトラム)の利用状況に応じて、その周波数帯を二次的な通信サービスに利用できるようにするための議論が進められている。例えば、米国のデジタルTV放送の周波数帯に含まれる未使用のチャネル(TVホワイトスペース)を無線通信に開放するための標準規格がIEEE802.22ワーキンググループにおいて検討されている(下記非特許文献1参照)。
【0003】
また、2008年11月のFCC(Federal Communications Commission)からの勧告によれば、一定の条件を満たして認証を受けた通信装置を用いてTVホワイトスペースを二次利用することが認められる方向にある。このFCCの勧告は、TVホワイトスペースの二次利用の標準化の先駆けであるIEEE802.22の上記標準規格を容認すると共に、IEEEのNew Study Groupの動きもカバーするものであった。技術的な内容としては、例えば、既存の技術を用いて−114[dBm](例えばNF(Noise Figure)=11[dB]だとすると、SNR=−19[dB]程度)レベルの信号検知を行うことが要求されるため、地理位置情報データベースアクセス(Geo-location Database Access)のような補助的な機能が必要となる見込みである(下記非特許文献2参照)。また、FCCは、新たな二次利用のためのチャネルとして、5GHz帯の一部の250MHzの帯域を開放することを模索している。
【0004】
また、EUでは、長期的な戦略の下、DSA(Dynamic Spectrum Access)を実現するためのCPC(Cognitive Pilot Channel)と呼ばれる専用の制御チャネルを全世界共通で割当てようとする動きもある。CPCの割当てについては、2011年のITU(International Telecommunication Union)−WP11のアジェンダに組み込まれている。さらに、DSAを行う二次利用システムのための技術検討は、IEEEのSCC(Standards Coordinating Committee)41においても進められている。
【0005】
一般的に、一次利用に係る通信サービス(以下、一次通信サービスという)に割当てられた周波数帯を二次利用する場合には、二次利用に係る通信サービス(以下、二次通信サービスという)が一次通信サービスに干渉を与えないことが重要である。そこで、下記非特許文献2は、二次通信サービスを提供しようとする二次利用ノードから管理者情報及び位置情報等を受信してこれら情報をデータベースに蓄積するデータサーバを設置することを勧告している。この場合、データサーバは、二次利用ノードからの要求に応じて、二次利用のために供与可能なチャネルを特定し、特定したチャネルを二次利用ノードへ通知する。二次利用ノードがこのようにデータサーバから通知されるチャネルを利用することで、一次通信サービスへの干渉が防止される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】「IEEE802.22 WG on WRANs」、[online]、[2010年7月1日検索]、インターネット<URL:http://www.ieee802.org/22/>
【非特許文献2】「SECOND REPORT AND ORDER AND MEMORANDUM OPINION AND ORDER」、[online]、[2010年7月1日検索]、インターネット<URL:http://hraunfoss.fcc.gov/edocs_public/attachmatch/FCC-08-260A1.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述したデータサーバから提供される情報を用いるのみでは、複数の二次利用ノードが存在し、複数の二次通信サービスが提供され得る状況において、二次通信サービス間で干渉又は信号の衝突などの障害が生じるリスクが残されている。また、複数の二次通信サービスが互いに協調することなく独立的に提供されれば、高い周波数利用効率を達成することは困難である。従って、無線アクセス方式及びチャネルなどの二次利用のための構成を互いに調整した上で、個々の二次通信サービスが提供されることが望ましい。特に、無線アクセス方式の組合せによっては、サービスエリア及びチャネルが重なっていても、通信リソースを共用することが可能である場合もある。その場合には、通信リソースを共用することで、周波数利用効率の向上又は二次利用機会の拡大を図ることができる。
【0008】
そこで、本発明は、複数の二次通信サービス間での通信リソースの共用を支援する、新規かつ改良された通信制御装置、通信制御方法、通信システム及び通信装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある実施形態によれば、一次通信サービスに割当てられた周波数帯の一部を使用してそれぞれ二次通信サービスを提供する複数の二次利用ノードによる通信を制御する通信制御装置であって、各二次利用ノードから、当該二次利用ノードにより使用可能な無線アクセス方式を表すアクセス方式情報を受信する通信部と、上記通信部により受信される上記アクセス方式情報を記憶する記憶部と、第1の二次通信サービスのサービスエリアに第2の二次通信サービスのサービスエリアの少なくとも一部が含まれる場合に、上記アクセス方式情報が表す上記第1及び上記第2の二次通信サービスの無線アクセス方式に基づいて、上記第1の二次通信サービスと上記第2の二次通信サービスとの間で通信リソースの少なくとも一部の共用が可能か否かを判定する制御部と、を備える通信制御装置が提供される。
【0010】
また、上記制御部は、上記第1の二次通信サービスのサービスエリアに上記第2の二次通信サービスのサービスエリアが含まれない場合において、上記第1の二次通信サービスと上記第2の二次通信サービスとの間の相互干渉のレベルが許容され得る干渉レベルを超えるときにも、上記第1の二次通信サービスと上記第2の二次通信サービスとの間で通信リソースの少なくとも一部の共用が可能か否かを判定してもよい。
【0011】
また、上記制御部は、上記第1の二次通信サービスに対応する上記アクセス方式情報が表す無線アクセス方式がOFDMAである場合に、上記通信リソースの一部の共用が可能であると判定してもよい。
【0012】
また、上記制御部は、上記第1の二次通信サービスに対応する上記アクセス方式情報が表す無線アクセス方式がOFDMAであって、上記第2の二次通信サービスに対応する上記アクセス方式情報が表す無線アクセス方式がCSMAである場合に、上記通信リソースの一部の共用が可能であると判定してもよい。
【0013】
また、上記制御部は、上記第2の二次通信サービスを提供する二次利用ノードからの要求に応じて、上記通信リソースの一部の共用が可能か否かを判定してもよい。
【0014】
また、上記制御部は、上記通信リソースの一部の共用が可能であると判定した場合に、上記第1の二次通信サービスを提供する二次利用ノードに、共用可能な通信リソースの範囲を特定する情報の提供を要求してもよい。
【0015】
また、上記制御部は、上記第1の二次通信サービスを提供する二次利用ノードから受信される上記共用可能な通信リソースの範囲を特定する情報を、上記第2の二次通信サービスを提供する二次利用ノードへ転送してもよい。
【0016】
また、上記制御部は、共用可能な通信リソースが存在する場合に、上記第1の二次通信サービス及び上記第2の二次通信サービスをそれぞれ提供する二次利用ノードに同期信号を供給してもよい。
【0017】
また、上記制御部は、共用可能な通信リソースが存在する場合に、上記第2の二次通信サービスを提供する二次利用ノードに、通信リソースの共用による干渉を防止するための制御情報を送信してもよい。
【0018】
また、上記通信部は、各二次利用ノードから、当該二次利用ノードが提供する二次通信サービスについてのサービスエリアを推定するためのサービスエリア情報をさらに受信し、上記通信制御装置は、上記サービスエリア情報を用いて上記第1の二次通信サービスのサービスエリア及び上記第2の二次通信サービスのサービスエリアを推定する推定部、をさらに備えてもよい。
【0019】
また、上記制御部は、上記第1の二次通信サービスのサービスエリアに上記第2の二次通信サービスのサービスエリアの一部が含まれない場合に、通信リソースの共用のために上記第2の二次通信サービスのサービスエリアを縮退させてもよい。
【0020】
また、本発明の別の実施形態によれば、一次通信サービスに割当てられた周波数帯の一部を使用してそれぞれ二次通信サービスを提供する複数の二次利用ノードによる通信を制御するための通信制御方法であって、各二次利用ノードから、当該二次利用ノードにより使用可能な無線アクセス方式を表すアクセス方式情報を受信するステップと、受信した上記アクセス方式情報を記憶するステップと、第1の二次通信サービスのサービスエリアに第2の二次通信サービスのサービスエリアの少なくとも一部が含まれる場合に、上記アクセス方式情報が表す上記第1及び上記第2の二次通信サービスの無線アクセス方式に基づいて、上記第1の二次通信サービスと上記第2の二次通信サービスとの間で通信リソースの少なくとも一部の共用が可能か否かを判定するステップと、を含む通信制御方法が提供される。
【0021】
また、本発明の別の実施形態によれば、一次通信サービスに割当てられた周波数帯の一部を使用してそれぞれ二次通信サービスを提供する複数の二次利用ノードと当該複数の二次利用ノードによる通信を制御する通信制御装置とを含む通信システムであって、各二次利用ノードは、当該二次利用ノードが使用可能な無線アクセス方式を表すアクセス方式情報を上記通信制御装置へ送信する通信部、を備え、上記通信制御装置は、各二次利用ノードから、上記アクセス方式情報を受信する通信部と、上記通信部により受信される上記アクセス方式情報を記憶する記憶部と、第1の二次通信サービスのサービスエリアに第2の二次通信サービスのサービスエリアの少なくとも一部が含まれる場合に、上記アクセス方式情報が表す上記第1及び上記第2の二次通信サービスの無線アクセス方式に基づいて、上記第1の二次通信サービスと上記第2の二次通信サービスとの間で通信リソースの少なくとも一部の共用が可能か否かを判定する制御部と、を備える、通信システムが提供される。
【0022】
また、本発明の別の実施形態によれば、一次通信サービスに割当てられた周波数帯の一部を使用して二次通信サービスを提供する通信装置であって、上記二次通信サービスの通信リソースの一部を他の二次通信サービスと共用すべきか否かを他の装置に判定させるために、上記通信装置が使用可能な無線アクセス方式を表すアクセス方式情報を上記他の装置へ送信する通信部と、上記他の装置により、上記二次通信サービスのサービスエリアが上記他の二次通信サービスのサービスエリアを含み、上記アクセス方式情報に基づいて上記二次通信サービスの通信リソースの一部を上記他の二次通信サービスと共用すべきであると判定された場合に、上記他の装置からの要求に応じて上記他の二次通信サービスと共用可能な通信リソースの範囲を特定する二次利用制御部と、を備える通信装置が提供される。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明に係る通信制御装置、通信制御方法、通信システム及び通信装置によれば、複数の二次通信サービス間での通信リソースの共用を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】一実施形態に係る通信システムの概要について説明するための説明図である。
【図2】二次利用ノードとデータサーバとの間の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【図3】一実施形態に係る通信制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】通信リソースが共用される場合のリソース配置の一例について説明するための説明図である。
【図5】二次通信サービスのサービスエリア間の位置関係の第1の例について説明するための説明図である。
【図6】二次通信サービスのサービスエリア間の位置関係の第2の例について説明するための説明図である。
【図7】二次通信サービスのサービスエリア間の位置関係の第3の例について説明するための説明図である。
【図8】二次通信サービスのサービスエリア間の位置関係の第4の例について説明するための説明図である。
【図9】一実施形態に係る二次利用ノードの構成の一例を示すブロック図である。
【図10】一実施形態に係る通信制御装置と二次利用ノードとの間の通信制御処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【図11】一実施形態に係るサービスエリア推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図12】一実施形態に係る推奨サービス構成判定処理の流れの一例を示すフローチャートの第1の部分である。
【図13】一実施形態に係る推奨サービス構成判定処理の流れの一例を示すフローチャートの第2の部分である。
【図14】一実施形態に係る推奨サービス構成判定処理の流れの一例を示すフローチャートの第3の部分である。
【図15】一実施形態に係る通信リソース共用支援処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付すことにより重複説明を省略する。
【0026】
また、以下の順序にしたがって当該「発明を実施するための形態」を説明する。
1.システムの概要
2.一実施形態に係る装置の構成例
2−1.通信制御装置の構成例
2−2.サービスエリア間の位置関係の例
2−3.二次利用ノードの構成例
3.一実施形態に係る処理の流れ
3−1.通信制御処理
3−2.サービスエリア判定処理
3−3.推奨サービス構成判定処理
3−4.通信リソース共用支援処理
4.まとめ
【0027】
<1.システムの概要>
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システムの概要について説明するための説明図である。図1を参照すると、一次利用ノード10、二次利用ノード20a及び20b、データサーバ40、並びに通信制御装置100が示されている。
【0028】
一次利用ノード10は、予め割り当てられた周波数帯を使用して一次通信サービスのための無線信号を送受信するノードである。但し、一次利用ノード10は、必ずしも割り当てられた全ての周波数帯を使用しているとは限らない。図1の例では、チャネルF1、F2及びF3を含む周波数帯が割り当てられているが、一次利用ノード10は、そのうちチャネルF1及びF2のみを使用している。一次通信サービスとは、例えば、デジタルTV放送サービス、衛星通信サービス、又は移動体通信サービスなどを含む任意の通信サービスであってよい。例えば、一次通信サービスがデジタルTV放送サービスである場合には、一次利用ノード10は、TV放送局に相当し得る。また、例えば、一次通信サービスが移動体通信サービスである場合には、一次利用ノード10は、基地局に相当し得る。
【0029】
図1に示した境界B01は、一次利用ノード10により提供される一次通信サービスのサービスエリアの外縁である。境界B01の内部に位置する端末装置(図示せず)は、一次利用ノード10が提供する一次通信サービスを受けることができる。境界B02は、一次通信サービスのサービスエリアの周囲に設けられるガードエリアの外縁である。ガードエリアは、一次通信サービスのサービスエリアといわゆるホワイトスペースとの間に設けられる緩衝地帯である。ガードエリアが存在することにより、ホワイトスペースにおいて周波数帯が二次利用される場合にも、サービスエリアの内部に位置する端末装置において干渉などの障害が生じる可能性が低減される。
【0030】
境界B02と境界B03との間は、いわゆるホワイトスペースである。図1の例では、二次利用ノード20a及び20bは、このホワイトスペースに位置する。二次利用ノード20a及び20bは、それぞれ、一次通信サービスに割当てられた周波数帯の一部を使用して二次通信サービスを提供する通信装置である。なお、本明細書の以降の説明においては、特に二次利用ノード20a及び20bを相互に区別する必要がない場合には、符号の末尾のアルファベットを省略してこれらを二次利用ノード20と総称する。
【0031】
二次利用ノード20は、所定のスペクトラムポリシーに従って二次利用の可否を判断し、データサーバ40からチャネルの供与を受けた上で、周囲に位置する端末装置(図示せず)に二次通信サービスを提供する。図1の例では、二次利用ノード20a及び20bには共に、一次利用ノード10により使用されていないチャネルF3が供与され得る。なお、図1の例に限定されず、二次利用ノード20は、一次通信サービスのサービスエリア内又はサービスエリアの周辺部に位置してもよい。例えば、シャドウイング(遮蔽)又はフェージングなどの影響によりサービスエリア内に生じたスペクトラムホールをカバーするために、一次通信サービスのサービスエリア内に二次利用ノードが設けられる場合がある。
【0032】
二次通信サービスとは、典型的には、一次通信サービスに割当てられた周波数帯の一部又は全部を使用して提供される追加的あるいは代替的な通信サービスをいう。“二次利用”という用語の意味において、一次通信サービスと二次通信サービスとは、異なる種類の通信サービスであってもよく、又は同一の種類の通信サービスであってもよい。異なる種類の通信サービスとは、例えば、デジタルTV放送サービス、衛星通信サービス、移動体通信サービス、無線LANアクセスサービス、又はP2P(Peer To Peer)接続サービスなどの任意の通信サービスから選択し得る2以上の異なる種類の通信サービスをいう。一方、同一の種類の通信サービスとは、例えば、移動体通信サービスにおける、通信事業者により提供されるマクロセルによるサービスと、ユーザ又はMVNO(Mobile Virtual Network Operator)により運用されるフェムトセルによるサービスとの間の関係を含み得る。また、同一の種類の通信サービスとは、WiMAX、LTE(Long Term Evolution)又はLTE−A(LTE−Advanced)などに準拠した通信サービスにおける、基地局により提供されるサービスと、スペクトラムホールをカバーするために中継局(リレーノード)により提供されるサービスとの間の関係をも含み得る。さらに、二次通信サービスは、スペクトラムアグリゲーション技術を用いて集約された複数の断片的な周波数帯を利用するものであってもよい。さらに、二次通信サービスは、基地局により提供されるサービスエリア内に存在する、フェムトセル群、中継局群、基地局よりも小さなサービスエリアを提供する中小基地局群により提供される補助的な通信サービスであってもよい。本明細書において説明する本発明の各実施形態の要旨は、このようなあらゆる種類の二次利用の形態に広く適用可能なものである。
【0033】
データサーバ40は、二次利用ノード20から管理者情報及び位置情報等を含むノード情報を受信し、受信したノード情報を蓄積するデータベースを有するサーバである。データサーバ40は、例えば、インターネット又は一次通信サービスのバックボーンネットワークなどを介して、一次利用ノード10及び二次利用ノード20と接続され得る。データサーバ40は、二次利用ノード20から受信される上述したノード情報を蓄積する。また、データサーバ40は、二次利用ノード20からの要求に応じて、例えば、二次利用のために供与可能なチャネル、最大送信電力及びスペクトラムマスクなどの情報を二次利用ノード20に提供する。それにより、二次利用ノード20が二次通信サービスを開始することが可能となる。
【0034】
図2は、図1に例示した二次利用ノード20とデータサーバ40との間の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図2を参照すると、一次通信サービスに割当てられた周波数帯を二次利用しようとする二次利用ノード20は、まず、データサーバ40にノード情報を送信し、ノード情報の登録を要求する(ステップS02)。すると、データサーバ40は、二次利用ノード20から受信したノード情報をデータベースに登録する(ステップS04)。
【0035】
ここでデータベースに登録されるノード情報は、例えば、次の情報を含む:
・レギュレーションID(Regulation ID):二次利用に使用可能なデバイスとして認証された際に付与されるID。TVホワイトスペースの二次利用の場合にノード情報に含まれ得る。
・製造者ID(Manufacturer ID):デバイスの製造者のID。
・位置データ:GPSなどの測位手段を利用して動的に計測され、又は固定的に保持されるデバイスの位置を表す。
・アンテナ高さ:デバイスのアンテナの高さ。例えばHAAT(Height Above Average Terrain of the tx)などが用いられ得る。
・管理者情報:デバイスのオーナーの氏名、住所、メールアドレスなどを含む。
【0036】
次に、データサーバ40は、ノード情報の登録が終了したことを確認する確認信号(confirmation)を二次利用ノード20へ送信する(ステップS06)。次に、二次利用ノード20は、二次利用の許可をデータサーバ40に要求する(ステップS08)。すると、データサーバ40は、例えば、二次利用ノード20に供与可能なチャネル(例えば、一次通信サービスに割り当てられた周波数帯のうち未使用の部分)を判定し、供与可能なチャネルが存在する場合には二次利用ノード20に二次利用を許可する(ステップS10)。
【0037】
ステップS10において、データサーバ40は、二次利用ノード20に、例えば、次の情報を提供する:
・最大送信電力:二次利用ノード20が放射することを許可される最大の送信電力。
・許可チャネル情報:二次利用ノード20に供与可能なチャネルを特定するチャネル番号のリスト。一次通信サービスに割り当てられた周波数帯は、予め複数のチャネルに分割され、個々のチャネルにチャネル番号が付与され得る。なお、チャネル番号の代わりにチャネルの中央周波数が用いられてもよい。
・規制情報(Regulatory Information):スペクトラムマスクなどの二次利用のためのルールを含み得る。
本明細書では、これらデータサーバ40から二次利用ノード20に提供される情報を許可情報(grant information)という。
【0038】
このようなステップを経た後、二次利用ノード20は、一次通信サービスに割当てられた周波数帯の二次利用を開始することができる。
【0039】
通信制御装置100は、1つ以上の二次利用ノード20による通信を制御する通信装置である。通信制御装置100もまた、データサーバ40と同様、例えば、インターネット又は一次通信サービスのバックボーンネットワークなどを介して、一次利用ノード10及び二次利用ノード20と接続され得る。なお、通信制御装置100は、データベース40と物理的に同一の装置を用いて構成されてもよい。通信制御装置100は、二次利用ノード20のノード情報及びデータサーバ40により提供される情報等を用いて、各二次利用ノード20が提供する二次通信サービスの無線アクセス方式及びチャネルなどの構成を複数の二次通信サービス間で調整する。そして、通信制御装置100は、無線アクセス方式の組合せに応じて、通信リソースを共用することが可能である場合には、次節より詳しく説明するように、複数の二次通信サービス間での通信リソースの共用を支援する。
【0040】
<2.一実施形態に係る装置の構成例>
[2−1.通信制御装置の構成例]
図3は、本実施形態に係る通信制御装置100の構成の一例を示すブロック図である。図3を参照すると、通信制御装置100は、通信部110、記憶部120、推定部130、及び制御部140を備える。
【0041】
(通信部)
通信部110は、通信制御装置100が二次利用ノード20との間で通信するための通信インタフェースである。また、通信部110は、さらにデータサーバ40との間で通信可能であってよい。本実施形態において、通信部110は、例えば、二次利用を許可された各二次利用ノード20から、二次利用の登録要求を受信する。
【0042】
二次利用の登録要求は、例えば、以下の情報を含む:
・レギュレーションID:ノード情報としてデータサーバに登録され得る情報の1つ。
・製造者ID:ノード情報としてデータサーバに登録され得る情報の1つ。
・位置データ:ノード情報としてデータサーバに登録され得る情報の1つ。
・アンテナ高さ:ノード情報としてデータサーバに登録され得る情報の1つ。
・最大送信電力:許可情報としてデータサーバから提供され得る情報の1つ。
・許可チャネル情報:許可情報としてデータサーバから提供され得る情報の1つ。
・規制情報:許可情報としてデータサーバから提供され得る情報の1つ。
・利用チャネル情報:許可チャネル情報のリストに含まれるチャネルのうち、二次利用ノードが二次通信サービスのために利用しようとしているチャネルの番号。
・アクセス方式情報:二次利用ノードにより使用可能な(及び現在使用中の)無線アクセス方式を表すアクセス方式番号のリスト。IEEE802.11af、11g若しくは11n、IEEE802.22、IEEE802.16、又はLTE若しくはLTE−Aなどの個々の無線アクセス方式に予め番号が付与され得る。アクセス方式情報は、アクセス方式番号のリストの代わりに、各無線アクセス方式のサポートの有無を表すビット列又はコード値などを含んでもよい。また、アクセス方式情報は、後述する通信サービスの共存のためのプロトコルが使用可能か否かを表す情報を含んでもよい。
【0043】
本実施形態において、通信制御装置100は、これら情報のうち位置データ、アンテナ高さ及び最大送信電力を、二次利用ノード20が提供する二次通信サービスについてのサービスエリアを推定するためのサービスエリア情報として扱う。なお、ここで列挙した情報は一例に過ぎない。即ち、二次利用ノード20から通信制御装置100へ送信される二次利用の登録要求は、上述した情報の一部を含んでいなくてもよく、又は追加的な情報をさらに含んでいてもよい。また、通信制御装置100は、上述した情報の一部を二次利用ノード20ではなくデータサーバ40から取得してもよい。
【0044】
通信部110は、各二次利用ノード20から受信した情報を、記憶部120に記憶させる。さらに、通信部110は、二次通信サービス間の調整を求める二次利用ノード20から、調整の要求を受信する。二次利用ノード20からの調整の要求は、後に説明する制御部140により処理される。
【0045】
(記憶部)
記憶部120は、例えば、ハードディスク又は半導体メモリなどの記憶媒体を用いて実現される。本実施形態において、記憶部120は、通信部110により受信される上記登録要求に含まれる情報を記憶する。記憶部120により記憶される情報のうち、二次利用ノード20の位置データ、アンテナ高さ及び最大送信電力を含むサービスエリア情報は、後に説明する推定部130によるサービスエリアの推定のために用いられ得る。また、許可チャネル情報、利用チャネル情報及びアクセス方式情報は、後に説明する制御部140による二次通信サービス間の調整のために用いられ得る。
【0046】
(推定部)
推定部130は、記憶部120により記憶されているサービスエリア情報、即ち二次利用ノード20の位置データ、アンテナ高さ及び最大送信電力を用いて、二次利用ノード20が提供する二次通信サービスのサービスエリアを推定する。推定部130は、例えば、二次利用ノード20が提供する二次通信サービスのサービスエリアを、二次利用ノード20の位置を中心とする円形状のエリアであると近似する。
【0047】
サービスエリアの半径を推定するための手法としては、2つの手法が考えられる。第1の手法は、“Method for point-to-area predictions for terrestrial services in the frequency range 30 mhz to 3000mhz”(International Telecommunications Commission(ITU), RECOMMENDAION ITU-R P1546-3, 2007)に記載された伝播路カーブを利用する手法である。この場合、アンテナ高さ及び電界強度から通信距離(一定の場所率及び一定の時間率で通信が可能である距離)を導くための実測値に基づく統計的な曲線(伝播路カーブ)が、予め記憶部120により記憶される。そして、推定部130は、二次利用ノード20の最大送信電力を電界強度に変換し、二次利用ノード20のアンテナ高さ及び電界強度に対応する通信距離を、記憶部120に記憶されている伝播路カーブから取得する。この通信距離が、二次利用ノード20が提供する二次通信サービスのサービスエリアの半径となる。
【0048】
サービスエリアの半径を推定するための第2の手法は、奥村・秦カーブの市街地モデル(“デジタルワイヤレス伝送技術”(三瓶政一著,Pearson Education Japan,pp.16-19)参照)における評価式を利用する手法である。この場合、推定部130は、二次利用ノード20の最大送信電力と受信機の最小受信感度から、許容される最大の経路損失を算出する。そして、推定部130は、算出された経路損失及びアンテナ高さを評価式に代入することにより、通信距離を算出する。この通信距離が、二次利用ノード20が提供する二次通信サービスのサービスエリアの半径となる。
【0049】
推定部130は、このように推定した二次利用ノード20ごとの二次通信サービスのサービスエリアを表す値(例えば、円形の中心位置及び半径)を、記憶部120に記憶させる。
【0050】
(制御部)
制御部140は、推定部130により推定されるサービスエリア間の位置関係と二次利用ノード20により使用可能な無線アクセス方式とに基づいて、二次通信サービス間で二次利用のための構成を調整する。二次通信サービス間での二次利用のための構成の調整とは、例えば、二次利用機会の拡大又は周波数利用効率の向上などの観点での、少なくとも1つの二次利用ノード20に対する、無線アクセス方式の推奨又は使用すべきチャネルの推奨を含む。また、制御部140は、第1の二次通信サービスのサービスエリアと第2の二次通信サービスのサービスエリアとの間の位置関係に応じて、第1の二次通信サービスの通信リソースの一部の第2の二次通信サービスとの共用が可能か否かを判定する。
【0051】
例えば、第1の二次通信サービスに対応するアクセス方式情報が表す無線アクセス方式がOFDMAである場合に、制御部140は、通信リソースの一部の共用が可能であると判定してもよい。例えば、IEEE802.22は、WRAN(Wireless Regional Area Network)とも呼ばれる、OFDMAを採用した無線通信プロトコルの1つである。OFDMAを採用した無線通信プロトコルでは、通信リソースは、周波数方向においてはサブキャリア、時間方向においてはシンボルという比較的小さい単位で区分され得る。そして、基地局が、所定数のサブキャリア及び所定数のシンボルを含むリソースブロックの単位で、通信をスケジューリングする。この基地局は、本実施形態においては、第1の二次通信サービスを提供する二次利用ノード20に相当し得る。従って、この場合、制御部140は、OFDMAを用いて第1の二次通信サービスを提供する二次利用ノード20と交渉し、共用可能な通信リソースを分配してもらうことで、通信リソースの共用を実現することができる。即ち、第1の二次通信サービスの無線アクセス方式がOFDMAである場合には、他の無線アクセス方式が使用される場合と比較して、通信リソースの共用をより実現し易い。
【0052】
また、例えば、制御部140は、さらに第2の二次通信サービスに対応する前記アクセス方式情報が表す無線アクセス方式がCSMAである場合に、通信リソースの一部の共用が可能であると判定してもよい。例えば、IEEE802.11(11a、11b、11g、11nなど)は、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)を採用した無線通信プロトコルの1つである。CSMAは、OFDMAのように基地局がセントリックに通信をスケジューリングする代わりに、端末装置が所定の衝突回避(又は衝突検知)の手順に従って任意のタイミングで通信を開始し得る方式である。従って、CSMAを使用する第2の二次通信サービスは、第1の二次通信サービスから分配される決められた通信リソースの区間内にタイミングを合わせて柔軟に通信を行うのに適している。
【0053】
制御部140は、通信リソースの一部の共用が可能であると判定すると、第1の二次通信サービスを提供する二次利用ノード20に、通信リソースの共用を依頼する。この依頼は、共用可能な通信リソースの範囲を特定するための共用リソース情報の提供を要求するものである。共用リソース情報は、共用可能な通信リソースの範囲を特定するために、例えば、共用可能な通信リソースの開始タイミング、終了タイミング、周期及び中央周波数(又はチャネル番号)などの情報を含み得る。そして、制御部140は、第1の二次通信サービスの二次利用ノード20から共用リソース情報を受信すると、第2の二次通信サービスの二次利用ノード20に共用リソース情報を転送することで、通信リソースの共用を支援する。さらに、制御部140は、例えば、第2の二次通信サービスの二次利用ノード20による第1の二次通信サービスの二次利用ノード20との同期を支援するために、各二次利用ノード20に通信部110を介して同期信号を供給してもよい。
【0054】
図4は、本実施形態において、通信リソースが共用される場合のリソース配置の一例について説明するための説明図である。図4を参照すると、横軸を時間軸、縦軸を周波数軸とした時間−周波数領域におけるリソース配置が示されている。図中の点線で囲まれた1つのセルは、OFDMAにおけるスケジューリングの最小単位を表し、これはリソースブロックと呼ばれる場合がある。1つのスケジューリングの最小単位は、n本のサブキャリア及びm個のシンボルを含み得る。このような通信リソースの中で、第1の二次通信サービスの二次利用ノード20は、例えば、開始タイミングTstartから終了タイミングTendまでの区間における中央周波数FmidのCSMA用スロットを、周期INTで第2の二次通信サービスのために分配する。開始タイミングTstart及び終了タイミングTendは、例えば、第1の二次通信サービスの二次利用ノード20から送信される基準信号を基準として指定される。また、これら時間は、通信制御部100から供給される同期信号によって二次利用ノード20間で補正され得る。第1の二次通信サービスの二次利用ノード20は、例えば、共用可能な通信リソースの範囲を特定する共用リソース情報として、これら開始タイミングTstart、終了タイミングTend、中央周波数Fmid及び周期INTを含む情報を、通信制御装置100へ送信する。
【0055】
また、第1の二次通信サービスの二次利用ノード20は、第2の二次通信サービスに分配される通信リソース(CSMA用スロット)と周囲の第1の二次通信サービスのための通信リソース(OFDMA用スロット)との間に、図4に例示したように、ガードスロットを設けてもよい。それにより、第1及び第2の二次通信サービスが完全には同期せず、又は基準とする周波数に誤差があったとしても、互いに干渉を与えることなく、良好に通信リソースを共用することができる。
【0056】
なお、第1の二次通信サービスの二次利用ノード20は、例えば、第1の二次通信サービスにおけるトラフィック量が多く通信リソースに十分な空きが無い場合には、通信リソースの共用を拒否してもよい。一方、通信リソースに十分な空きがあり、又は周波数選択性フェージングの影響で一部のスロットが長い期間にわたって使用されていないなどの状況がある場合には、通信リソースの共用を受諾し得る。
【0057】
[2−2.サービスエリア間の位置関係の例]
制御部140が二次通信サービス間の調整の基礎とするサービスエリア間の位置関係は、例えば、図5〜図8に例示した4つのクラス(それぞれ、クラスA、B、C及びDという)に分類される。
【0058】
(クラスA)
図5を参照すると、クラスAに属するサービスエリア間の位置関係の例が示されている。図5において、二次利用ノード20aのサービスエリアA11と二次利用ノード20bのサービスエリアA12とは重複している。また、二次利用ノード20aのサービスエリアA11に二次利用ノード20bが含まれている。同様に、二次利用ノード20bのサービスエリアA12に二次利用ノード20aが含まれている。このような位置関係においては、これら隣接する二次利用ノード20a及び二次利用ノード20bが発信する電波が互いに干渉の原因となり、二次利用に障害が生じる可能性がある。なお、2つの二次利用ノード20の一方のみが他方のサービスエリアに含まれる場合もこのクラスAに含めてよい。
【0059】
制御部140は、例えば、2つの二次通信サービスのサービスエリアがクラスAの位置関係にある場合には、さらに当該2つの二次通信サービスをそれぞれ提供する2つの二次利用ノード20a及び20bにより使用可能な無線アクセス方式が共通するか否かを判定する。例えば、二次利用ノード20aが無線アクセス方式R1及びR2を使用可能であって、二次利用ノード20bが無線アクセス方式R1を使用可能である場合には、無線アクセス方式R1が共通すると判定される。このように使用可能な無線アクセス方式が共通する場合には、制御部140は、当該共通する無線アクセス方式及び共通するチャネルを使用することを二次利用ノード20a及び20bに推奨する。それにより、例えば、二次利用ノード20a及び20bの間で通信サービスを共存させ、又はメッシュネットワークを形成して、互いに干渉を与えることなく二次通信サービスを運用することができる。例えば、IEEE802.22、Ecma392、IEEE802.11ファミリーのうち11s、及びIEEE.802.16(WiMax)ファミリーのうち16jなどは、メッシュプロトコル又はスケジューリング情報の交換のためのプロトコルをサポートしている。従って、これら無線アクセス方式を使用する通信サービス間では、通信サービスの共存が可能となり得る。また、IEEE802.11ファミリーでは、Public Action Frameを用いたビーコンリクエストなどの手法でアクセスポイント又は端末を介して隣接ネットワークのリソース利用情報を入手するための機能をサポートしている場合がある。その場合にも、同様に通信サービスの共存が可能となり得る。また、制御部140は、使用可能な無線アクセス方式が異なる(共通していない)場合であっても、無線アクセス方式の組合せが互いに共存可能な組合せであるときは、共通するチャネル上で2つの通信サービスを共存させることができる。この点は、後述する他のクラスについても同様である。また、制御部140は、使用可能な無線アクセス方式が互いに異なり、かつそれらが共存可能でない場合には、一方の二次通信サービスが使用する第1のチャネルとは異なる第2のチャネルの使用を、他方の二次通信サービスを提供する二次利用ノード20a又は20bに推奨する。このとき、第2のチャネルが周波数軸上で第1のチャネルに隣接しないチャネルであれば、帯域外放射による干渉も防止されることから、より望ましい。それにより、二次利用ノード20aによる二次通信サービスと二次利用ノード20bによる二次通信サービスとを、互いに干渉を与えることなく、異なるチャネルでそれぞれ運用することができる。
【0060】
(クラスB)
図6を参照すると、クラスBに属するサービスエリア間の位置関係の例が示されている。図6において、二次利用ノード20aのサービスエリアA11と二次利用ノード20bのサービスエリアA12とは重複している。但し、二次利用ノード20aのサービスエリアA11に二次利用ノード20bは含まれず、二次利用ノード20bのサービスエリアA12に二次利用ノード20aは含まれない。このような位置関係においては、例えば、重複する領域に位置する端末装置22aにおいて電波が干渉し、二次利用に部分的に障害が生じる可能性がある。
【0061】
制御部140は、例えば、2つの二次通信サービスのサービスエリアがクラスBの位置関係にある場合には、さらに当該2つの二次通信サービスをそれぞれ提供する2つの二次利用ノード20a及び20bにより使用可能な無線アクセス方式が共通するか否かを判定する。そして、制御部140は、使用可能な無線アクセス方式が共通する場合には、当該共通する無線アクセス方式及び共通するチャネルを使用することを二次利用ノード20a及び20bに推奨する。それにより、クラスAの場合と同様、二次利用ノード20a及び20bの間で互いに干渉を与えることなく二次通信サービスを運用することができる。但し、クラスBの場合には、二次利用ノード20a及び20bは、相手が送信する信号を直接的に受信することができない。そのため、この場合、制御部140は、通信部110から2つの二次利用ノード20a及び20bに同期信号を送信させることで、通信サービスの共存又はメッシュネットワークの形成を支援する。また、制御部140は、クラスAの場合と同様、使用可能な無線アクセス方式が異なり、かつそれらが共存可能でない場合には、一方の二次通信サービスが使用するチャネルとは異なるチャネル(好適には隣接しないチャネル)の使用を、他方の二次通信サービスを提供する二次利用ノード20a又は20bに推奨する。
【0062】
(クラスC)
図7を参照すると、クラスCに属するサービスエリア間の位置関係の例が示されている。図7において、二次利用ノード20aのサービスエリアA11と二次利用ノード20bのサービスエリアA12とは重複していない。このような位置関係においては、制御部140は、例えば、2つの二次通信サービスをそれぞれ提供する2つの二次利用ノード20a及び20bに、使用可能な無線アクセス方式に関わらず、共通するチャネルの使用を推奨する。それにより、第3の二次通信サービス(図示せず)を提供する二次利用ノード20のためのチャネルの選択の余地を広げることができる。但し、クラスCにおいても、2つの二次通信サービスのノード間の相互干渉(例えば、2つのサービスエリアの外縁部に位置するノード間の干渉)が許容し得るレベルを超える場合には、制御部140は、上述したクラスA及びクラスBと同様に通信リソースの共用のための制御を行うことが望ましい。
【0063】
なお、制御部140は、例えば、各二次利用ノード20に推奨するチャネルを、当該二次利用ノード20から受信された許可チャネル情報により表されるチャネルの中から選択する。これは、通信制御装置100による二次通信サービス間の調整が、二次利用のための規制(各国の法的な規制又は事業者間で定められる規制など)の範囲内で行われ得ることを意味している。従って、二次利用ノード20が通信制御装置100からの通知を受けてチャネルを変更したとしても、一次通信サービス又は周辺で運用され得るその他の通信サービスに干渉を与えるリスクは生じない。
【0064】
(クラスD)
図8を参照すると、クラスDに属するサービスエリア間の位置関係の例が示されている。図8において、二次利用ノード20aのサービスエリアA11は、二次利用ノード20bのサービスエリアA12に含まれている。このような位置関係においては、クラスAの場合と同様、隣接する二次利用ノード20a及び二次利用ノード20bが発信する電波が互いに干渉の原因となり、二次利用に障害が生じる可能性がある。
【0065】
制御部140は、例えば、2つの二次通信サービスのサービスエリアがクラスDの位置関係にある場合には、クラスAの場合と同様、まず、共通する無線アクセス方式及び共通するチャネルの使用が可能か否かを判定する。共通する無線アクセス方式及び共通するチャネルの使用が可能であれば、当該共通する無線アクセス方式及び共通するチャネルの使用が推奨され得る。また、制御部140は、使用可能な無線アクセス方式が異なり、かつそれらが共存可能でない場合には、互いに異なるチャネルを2つの二次通信サービスが使用することができるか否かを判定する。互いに異なるチャネルを使用することができるのであれば、当該異なるチャネルの使用が推奨され得る。これに対し、例えば、データサーバ40により2つの二次利用ノード20a及び20bに許可されたチャネルが同じ1つのチャネルであれば、二次利用ノード20a及び20bは、異なるチャネルを使用できない。この場合、制御部140は、二次利用ノード20a及び20bが使用可能な無線アクセス方式に応じて、通信リソースの共用を支援する。例えば、上述したように、二次利用ノード20bの無線アクセス方式がOFDMAである場合、又はさらに二次利用ノード20aの無線アクセス方式がCSMAである場合に、制御部140は、通信リソースの共用を支援してもよい。それにより、クラスDの位置関係における2つの二次通信サービスも良好に共存し得る。
【0066】
なお、通信制御装置100は、二次利用ノード20aの送信電力を低下させることにより、サービスエリア間の位置関係がクラスDとなるようにサービスエリアA11を縮退させた上で、通信リソースの共用を支援してもよい。また、サービスエリアA11が完全にはサービスエリアA12に含まれず、サービスエリアA11がサービスエリアA12の外部に位置する部分を含む場合であっても、当該サービスエリア間の位置関係はクラスDとして認識されてよい。この場合にも、通信制御装置100は、二次利用ノード20a及び20bが使用可能な無線アクセス方式に応じて、通信リソースの共用を支援し得る。このとき、通信制御装置100は、例えば、送信電力制御又はビームフォーミングなどの技術を利用して、サービスエリアA12の外部から送信される無線信号による他の通信サービスへの干渉のリスクを回避してもよい。
【0067】
[2−3.二次利用ノードの構成例]
図9は、本実施形態に係る二次利用ノード20の構成の一例を示すブロック図である。二次利用ノード20は、例えば、中小基地局、無線中継局又は無線アクセスポイントなど、任意の二次通信サービスを提供する通信装置であってよい。従って、二次利用ノード20は、その役割に応じて様々な構成要素を備える可能性がある。しかしながら、図9においては、本実施形態に直接的に関連する構成要素のみが示されている。図9を参照すると、二次利用ノード20は、第1通信部210、第2通信部220、記憶部230及び二次利用制御部240を備える。
【0068】
(第1通信部)
第1通信部210は、二次利用ノード20がデータサーバ40及び通信制御装置100との間で通信するための通信インタフェースである。第1通信部210は、例えば、二次利用制御部240による制御に応じて、図2を用いて説明したノード情報の登録要求をデータサーバ40へ送信し、ノード情報の登録確認を受信する。また、第1通信部210は、例えば、二次利用制御部240による制御に応じて、二次利用の許可要求をデータサーバ40へ送信し、データサーバ40からの応答に含まれる許可情報を受信する。さらに、第1通信部210は、後により詳細に説明する二次通信サービス間の調整の要求を通信制御装置100へ送信し、調整の結果として通信制御装置100から送信される推奨されるサービス構成に関する情報を受信する。
【0069】
(第2通信部)
第2通信部220は、二次利用ノード20が周囲の端末装置に二次通信サービスを提供するための通信インタフェースである。第2通信部220がサポートする無線アクセス方式は、IEEE802.11af、11g若しくは11n、IEEE802.22又はLTE若しくはLTE−Aなどの任意の方式であってよい。第2通信部220がサポートする無線アクセス方式を表すアクセス方式情報は、予め記憶部230により記憶される。
【0070】
(記憶部)
記憶部230は、例えば、ハードディスク又は半導体メモリなどの記憶媒体を用いて実現される。本実施形態において、記憶部230は、二次利用ノード20がデータサーバ40に登録すべき上述したノード情報を予め記憶する。また、記憶部230は、上述したアクセス方式情報を予め記憶する。また、記憶部230は、データサーバ40から上述した許可情報が提供された場合には、当該許可情報を記憶する。さらに、二次利用ノード20は、二次利用制御部240が二次通信サービスのために利用しようとしているチャネルの番号を利用チャネル情報として記憶する。
【0071】
(二次利用制御部)
二次利用制御部240は、二次利用ノード20による周波数帯の二次利用のための一連の処理を制御する。例えば、二次利用制御部240は、第1通信部210を介して、図2に例示したデータサーバ40との間の処理を遂行する。また、二次利用制御部240は、二次通信サービス間での調整の必要性を判定し、調整が必要とされる場合に、調整の要求を通信制御装置100へ送信する。二次通信サービス間での調整が必要とされる場合とは、例えば、データサーバ40からの許可に従って二次利用を開始したものの、二次通信サービス間の干渉を原因として期待したような通信品質が得られない場合を含み得る。また、二次通信サービス間での調整が必要とされる場合とは、例えば、データサーバ40からの二次利用の許可を受けたものの、許可を受けたチャネル上で既に他の通信サービスが開始されており、二次利用機会を享受できない場合を含み得る。二次利用制御部240が調整の要求を送信した後の処理の例については、次節において具体的に説明する。なお、通信制御装置100は、二次利用ノード20からの調整の要求を受けることなく、例えば周波数利用効率の向上のために自発的に二次通信サービス間での調整を実行してもよい。
【0072】
<3.一実施形態に係る処理の流れ>
次に、図10〜図15を用いて、本実施形態に係る通信制御装置100と複数の二次利用ノード20との間の通信制御処理の流れについて説明する。なお、ここで説明する通信制御処理は、例えば、二次通信サービス間の調整を要求した二次利用ノード20、及び当該二次利用ノード20の周囲に位置する1つ以上の他の二次利用ノード20を対象とし、ノードの各組合せごとに行われ得る。
【0073】
[3−1.通信制御処理]
図10は、本実施形態に係る通信制御装置100と二次利用ノード20a及び20bとの間の通信制御処理の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、図10の処理の前に、二次利用ノード20a及び20bによるデータサーバ40へのノード情報の登録は終了し、二次利用ノード20a及び20bに対する二次利用の許可は既に与えられているものとする。
【0074】
図10を参照すると、まず、二次利用ノード20bは、通信制御装置100に対して二次利用の登録を要求する(ステップS102)。二次利用ノード20bから送信される登録要求は、上述したように、二次利用ノード20bが提供する二次通信サービスについてのサービスエリアを推定するためのサービスエリア情報及びアクセス方式情報等を含む。すると、通信制御装置100は、二次利用ノード20bから受信した情報を記憶部120に記憶する(ステップS104)。そして、通信制御装置100は、登録が終了したことを確認する確認信号(confirmation)を二次利用ノード20bへ送信する(ステップS106)。
【0075】
また、二次利用ノード20aは、通信制御装置100に対して二次利用の登録を要求する(ステップS108)。二次利用ノード20aから送信される登録要求もまた、サービスエリア情報及びアクセス方式情報等を含む。すると、通信制御装置100は、二次利用ノード20aから受信した情報を記憶部120に記憶する(ステップS110)。そして、通信制御装置100は、登録が終了したことを確認する確認信号(confirmation)を二次利用ノード20aへ送信する(ステップS112)。
【0076】
その後、通信制御装置100の推定部130は、二次利用ノード20a及び20bからそれぞれ受信したサービスエリア情報を用いて、各二次通信サービスのサービスエリアを推定する(ステップS114)。なお、推定部130によるサービスエリア推定処理は、ステップS116における二次通信サービス間の調整の要求があった後に行われてもよい。
【0077】
次に、二次利用ノード20aは、二次通信サービス間の調整の必要性を認識すると、通信制御装置100に二次通信サービス間の調整を要求する(ステップS116)。なお、二次利用ノードが通信制御装置100に二次通信サービス間の調整を要求する代わりに、通信制御装置100が自発的に二次通信サービス間の調整を開始してもよい。その後、通信制御装置100は、二次利用ノード20a又は他の二次利用ノード20に推奨すべき二次通信サービスの構成を判定する(ステップS118)。図10の例では、他の二次利用ノード20は、二次利用ノード20bに相当する。そして、通信制御装置100は、二次利用ノード20a及び二次利用ノード20bの少なくとも一方に、推奨されるサービス構成(即ち、使用すべき無線アクセス方式、又は使用すべきチャネルなど)を通知する(ステップS120)。
【0078】
[3−2.サービスエリア判定処理]
図11は、図10のステップS114における通信制御装置100によるサービスエリア推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0079】
図11を参照すると、まず、通信制御装置100の推定部130は、記憶部120に記憶されている二次利用ノード20の位置、最大送信電力及びアンテナ高さを取得する(ステップS132)。次に、推定部130は、二次利用ノード20の最大送信電力及びアンテナ高さを用いて、二次通信サービスのサービスエリアの半径を算出する(ステップS134)。そして、推定部130は、二次利用ノード20の位置を中心とし、ステップS134において算出した半径を有する円形状のエリアを、二次利用ノード20により提供される二次通信サービスのサービスエリアであると推定する(ステップS136)。なお、推定部130は、例えば二次利用ノード20のアンテナの指向性のデータ又は周辺の地形データなどの追加的な情報を取得できる場合には、円形状ではなく楕円形状又は地形に応じてより複雑な形状のサービスエリアを推定してもよい。
【0080】
[3−3.推奨サービス構成判定処理]
図12〜図14は、図10のステップS118における通信制御装置100による推奨サービス構成判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0081】
図12を参照すると、まず、通信制御装置100の制御部140は、二次利用ノード20a及び20bにより提供される2つの二次通信サービスのサービスエリアが重複しているか否かを判定する(ステップS151)。サービスエリアが重複しているか否かは、例えば、2つのサービスエリアの半径の和が二次利用ノード20a及び20bの間の距離よりも小さいか否かに基づいて判定されてよい。ここでサービスエリアが重複していないと判定された場合には、処理は図14のステップS170へ進む。一方、サービスエリアが重複していると判定された場合には、処理はステップS152へ進む。
【0082】
処理がステップS152に進んだ場合、2つの二次通信サービスのサービスエリア間の位置関係は、図5、図6及び図8に示したクラスA、B及びDのいずれかに属している。この場合、制御部140は、2つの二次利用ノード20a及び20bが使用可能な無線アクセス方式が共通しているか否かを判定する(ステップS152)。ここで使用可能な無線アクセス方式が共通していないと判定された場合には、処理は図13のステップS161へ進む。一方、使用可能な無線アクセス方式が共通していると判定された場合には、処理はステップS153へ進む。
【0083】
ステップS153において、制御部140は、実行中の推奨サービス構成判定処理のトリガが二次利用ノードであったか否かを判定する(ステップS153)。例えば、通信制御装置100が二次利用ノード20aから二次通信サービス間の調整の要求を受信したことをきっかけとして推奨サービス構成判定処理が開始された場合には、推奨サービス構成判定処理のトリガは二次利用ノードであったと判定される。その場合、処理は図13のステップS161へ進む。一方、通信制御装置100が能動的に推奨サービス構成判定処理を開始した場合には、処理のトリガは二次利用ノードではないため、処理はステップS154へ進む。
【0084】
ステップS154において、制御部140は、2つの二次利用ノード20a及び20bにより現在使用されている無線アクセス方式が共通しているか否かを判定する(ステップS154)。ここで現在使用中の無線アクセス方式が共通していると判定された場合には、処理は図13のステップS161へ進む。一方、現在使用中の無線アクセス方式が共通していないと判定された場合には、処理はステップS155へ進む。
【0085】
ステップS155において、制御部140は、2つの二次利用ノード20a及び20bにより現在使用されている共通の無線アクセス方式が有効に(即ち、障害を起こすことなく並行して)動作するか否かを判定する(ステップS155)。例えば、サービスエリアが重複している状況での2つのシステムの並列的な運用が困難な無線アクセス方式が使用されている場合には、制御部140は、共通の無線アクセス方式が有効に動作しないと判定し得る。その場合、処理は図14のステップS173へ進む。一方、共通の無線アクセス方式が有効に動作すると判定された場合には、処理はステップS156へ進む。
【0086】
処理がステップS156に進んだ場合、制御部140は、2つの二次利用ノード20a及び20bが使用可能な共通する無線アクセス方式と共通するチャネルとを使用することを推奨する(ステップS156)。さらに、制御部140は、2つの二次利用ノード20a及び20bへの同期信号の供給が必要であるか否かを判定する(ステップS157)。例えば、一方の二次利用ノード20が他方のサービスエリアに含まれない場合には、2つの二次通信サービスのサービスエリア間の位置関係はクラスBに属している。その場合、例えばEcma392などのメッシュプロトコルスタックが利用可能でなければ、通信サービス間の同期を補助することが必要となる。また、クラスA又はクラスDの場合でも、IEEE802.11ファミリーのようにクロックずれが大きい状況下では、通信サービス間の同期を補助することが望ましい。これらの状況に該当する場合には、制御部140は、2つの二次利用ノード20a及び20bに同期信号の供給が必要であると判定し得る。
【0087】
ステップS157において、同期信号の供給が必要であると判定された場合には、制御部140は、通信部110を介して2つの二次利用ノード20a及び20bに同期信号を供給する(ステップS158)。一方、ステップS157において、同期信号の供給が必要ではないと判定された場合には、通信制御装置100は、これらノードに同期信号を供給しない。
【0088】
図13のステップS161では、制御部140は、重複するサービスエリア内の共通するチャネル上で、2つの二次利用ノード20a及び20bにより使用可能かつ互いに共存可能な無線アクセス方式の組合せが存在するか否かを判定する(ステップS161)。例えば、IEEE802.22の標準仕様におけるフレームフォーマットには、複数の通信サービス間で情報を交換するための“Coexistence Beacon Period”が設けられている。二次利用ノード20a及び20bは、例えば、この“Coexistence Beacon Period”を用いてスケジューリング情報又は経路情報などを交換することにより、メッシュネットワークを形成し、又はスケジューリングのタイミングが重ならないように制御情報を交換して2つの通信サービスを共存させてもよい。制御部140は、共存可能な無線アクセス方式の組合せが存在すると判定した場合には、当該無線アクセス方式と共通するチャネルとを使用することを推奨する(ステップS162)。一方、共存可能な無線アクセス方式の組合せが存在しない場合には、処理はステップS163へ進む。
【0089】
ステップS163では、制御部140は、互いに異なるチャネルを2つの二次通信サービスに割り当てることができるか否かを判定する(ステップS163)。ここで、互いに異なるチャネルを2つの二次通信サービスに割り当てることができる場合には、制御部140は、当該異なるチャネルの使用を二次利用ノード20a及び20bに推奨する(ステップS164)。例えば、二次利用ノード20a及び20bからの許可チャネル情報が共にチャネルF1及びF2を含む場合には、二次利用ノード20aにチャネルF1、二次利用ノード20bにチャネルF2がそれぞれ推奨され得る。一方、互いに異なるチャネルを2つの二次通信サービスに割り当てることができない場合には、処理はステップS165へ進む。
【0090】
ステップS165では、制御部140は、2つの二次通信サービスの通信リソースの共用を支援することで通信リソースの共用が可能となるか否かを判定する(ステップS165)。例えば、二次利用ノード20a及び20bに同期信号を供給し、時間分割方式で2つの通信サービスを共存させることができる場合には、通信リソースの共用が可能であると判定され得る。その場合、処理はステップS167へ進む。一方、通信リソースの共用が可能でないと判定された場合には、処理はステップS166へ進む。ステップS166では、制御部140は、推奨可能なサービス構成が見つからないため、推奨可能なサービス構成が見つからないことを二次利用ノード20aに通知する。
【0091】
ステップS167では、制御部140は、一方の二次通信サービスのサービスエリアに他方の二次通信サービスのサービスエリアが含まれるか否かを判定する(ステップS167)。例えば、2つのサービスエリアの半径の差が二次利用ノード20a及び20bの間の距離よりも大きい場合には、一方の二次通信サービスのサービスエリアに他方の二次通信サービスのサービスエリアが含まれると判定され得る。その場合、処理はステップS168へ進む。また、一方の二次通信サービスのサービスエリアに他方の二次通信サービスのサービスエリアが含まれていないと判定された場合には、処理はステップS169へ進む。なお、一方の二次通信サービスのサービスエリア内に他方の二次通信サービスのサービスエリアの一部が含まれない場合であっても、例えば当該部分の割合が所定の値を超えない場合には、ステップS167における判定結果は「Yes」となり得る。
【0092】
処理がステップS168に進んだ場合、2つの二次通信サービスのサービスエリア間の位置関係は、図8に示したクラスDに属している。また、通信リソースは共用可能である。このような無線アクセス方式の組合せは、例えば、OFDMAとCSMAとの組合せを含む。例えば、よりサービスエリアの大きい二次通信サービスの無線アクセス方式がOFDMAであれば、図4を用いて説明したように2つの二次通信サービスの通信リソースを配置することで、通信リソースの共用が可能である。そこで、制御部140は、図15に例示する通信リソース共用支援処理を行うことで、通信リソースの共用を実現する(ステップS168)。
【0093】
処理がステップS169に進んだ場合、2つの二次通信サービスのサービスエリア間の位置関係は、図5及び図6に示したクラスA及びBのいずれかに属している。また、通信リソースは共用可能である。この場合にも、制御部140は、図15の例と同様の通信リソース共用支援処理を行うことで、通信リソースの共用を実現する(ステップS169)。
【0094】
処理が図14のステップS170に進んだ場合、2つの二次通信サービスのサービスエリア間の位置関係は、図7に示したクラスCに属している。この場合、制御部140は、実行中の推奨サービス構成判定処理のトリガが二次利用ノードであったか否かを判定する(ステップS170)。ここで、推奨サービス構成判定処理のトリガが二次利用ノードであった場合には、処理はステップS172へ進む。一方、推奨サービス構成判定処理のトリガが二次利用ノードではなかった場合には、処理はステップS171へ進む。ステップS171では、制御部140は、2つの二次通信サービスのノード間の相互干渉が許容し得るレベル以下であるか否かを判定する(ステップS171)。例えば、制御部140は、各二次通信サービスの送信電力とノード間の距離に応じた経路損失とに基づいて、2つの二次通信サービスのノード間の干渉レベルを推定する。このとき、推定誤差を吸収するためのマージンが干渉レベルの推定結果に含められてもよい。そして、制御部140は、推定した干渉レベルを各二次通信サービスの所要通信品質(最小SINRなど)に応じた許容干渉レベルと比較する。その結果に基づいて、制御部140は、ノード間の相互干渉が許容し得るレベルであるか否かを判定することができる。その代わりに、二次通信サービスのノードが実際の干渉レベルを測定し、通信制御装置100がその測定結果を許容干渉レベルとの比較のために受信してもよい。また、二次通信サービスのノードが実際の干渉レベルと許容干渉レベルとの比較の結果を通信制御装置100に報告してもよい。ここで、2つの二次通信サービスのノード間の相互干渉が許容し得るレベルを超えない場合には、処理は、ステップS172へ進む。ステップS172では、制御部140は、無線アクセス方式に関わらず、共通するチャネルの使用を二次利用ノード20a及び20bに推奨する(ステップS172)。一方、ステップS171において、2つの二次通信サービスのノード間の相互干渉が許容し得るレベルを超える場合には、処理はステップS173へ進む。
【0095】
ステップS173では、制御部140は、互いに異なるチャネルを2つの二次通信サービスに割り当てることができるか否かを判定する(ステップS173)。ここで、互いに異なるチャネルを2つの二次通信サービスに割り当てることができる場合には、制御部140は、当該異なるチャネルの使用を二次利用ノード20a及び20bに推奨する(ステップS174)。一方、互いに異なるチャネルを2つの二次通信サービスに割り当てることができない場合には、処理はステップS175へ進む。
【0096】
ステップS175では、制御部140は、2つの二次通信サービスの通信リソースの共用を支援することで通信リソースの共用が可能となるか否かを判定する(ステップS175)。ここで、通信リソースの共用が可能であると判定された場合には、処理はステップS177へ進む。一方、通信リソースの共用が可能でないと判定された場合には、処理はステップS176へ進む。ステップS176では、制御部140は、推奨可能なサービス構成が見つからないため、推奨可能なサービス構成が見つからないことを二次利用ノード20aに通知する。
【0097】
ステップS177では、制御部140は、図15の例と同様の通信リソース共用支援処理を行うことで、通信リソースの共用を実現する(ステップS177)。
【0098】
なお、通信制御装置100による推奨サービス構成判定処理の流れは、図12〜図14に示した例に限定されない。即ち、図12〜図14に示したいくつかの処理ステップが省略され若しくは統合されてもよく、追加的なステップが加えられてもよい。また、処理ステップの順序が変更されてもよい。また、ここでは通信制御装置100が2つの通信サービスの間でサービス構成を調整する例について主に説明した。しかしながら、3つ以上の通信サービス間での調整の場合にも、本実施形態は同様に適用可能である。
【0099】
[3−4.通信リソース共用支援処理]
図15は、通信制御装置100と二次利用ノード20a及び20bとの間の、図13のステップS168におけるクラスDの場合の通信リソース共用支援処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、他のクラスについての通信リソース共用支援処理も、以下の例と同様に構成され得る。
【0100】
図15を参照すると、まず、通信制御装置100は、より大きいサービスエリアを有する二次通信サービスを提供する二次利用ノード20bに、通信リソースの共用を依頼する(ステップS202)。この依頼は、共用可能な通信リソースの範囲を特定する共用リソース情報の提供を要求するものである。すると、二次利用ノード20bは、トラフィックの状況に応じて共用可能な通信リソースを決定し、共用リソース情報を返答する(ステップS204)。次に、通信制御装置100は、二次利用ノード20bから受信した共用リソース情報を二次利用ノード20aへ転送する(ステップS206)。すると、二次利用ノード20aは、通信リソースの共用が可能であることを認識し、確認応答を通信制御装置100へ送信する(ステップS208)。そして、通信制御装置100は、二次利用ノード20a及び20bに同期信号を供給する(ステップS210)。その後、二次利用ノード20aは、共用リソース情報により特定される範囲内の通信リソースを使用して、第1の二次通信サービスとの間で互いに干渉を生じさせることなく、第2の二次通信サービスを運用する。
【0101】
なお、通信制御装置100は、例えば、ステップS206又はステップS210において、通信リソースの共用による干渉を防止するための追加的な制御情報を二次利用ノード20aに送信してもよい。追加的な制御情報は、例えば、二次利用ノード20aに許容される最大送信電力レベル、新たなスペクトラムマスク、及び二次利用ノード20aの子ノードのための送信電力調整値などの情報を含み得る。
【0102】
<4.まとめ>
ここまで、図1〜図15を用いて、本発明の一実施形態について説明した。上述した実施形態によれば、通信制御装置100は、第1の二次通信サービスのサービスエリアに第2の二次通信サービスのサービスエリアの少なくとも一部が含まれる場合に、第1の二次通信サービス及び第2の二次通信サービスの無線アクセス方式に基づいて、通信リソースの共用が可能か否かを判定する。かかる構成によれば、それぞれ二次利用を望む複数の二次利用ノードが存在し、そのサービスエリア及び許可されたチャネルが重なっている場合であっても、通信リソースを共用させて周波数利用効率の向上又は二次利用機会の拡大を図ることができる。
【0103】
また、本実施形態によれば、通信制御装置100は、より大きいサービスエリアを有する二次通信サービスの無線アクセス方式がOFDMAである場合に、通信リソースの共用が可能であると判定する。この場合、OFDMAを用いる二次利用ノード(例えば二次通信サービスのための基地局)のスケジューリングの仕組みを活用してリソースブロックなどのスケジューリングの単位で柔軟に通信リソースを共用することができる。また、通信制御装置100は、さらにより小さいサービスエリアを有する二次通信サービスの無線アクセス方式がCSMAである場合に、通信リソースの共用が可能であると判定してもよい。この場合、CSMAを使用する第2の二次通信サービスの端末装置は、第1の二次通信サービスから分配される通信リソースの区間内にタイミングを合わせて、所定の衝突回避(又は衝突検知)の手順に従って通信を行うことができる。
【0104】
また、本実施形態によれば、通信制御装置100は、二次通信サービスを提供する二次利用ノードからの要求に応じて通信リソースの共用が可能か否かを判定し得るため、より多くの二次利用ノードに二次利用機会を与えることができる。特に、周波数帯の二次利用の場面では、個々の二次利用ノードがどのような無線アクセス方式をサポートしているかが事前に把握されない場合が多い。また、個々の二次利用ノードに二次通信サービス間の調整を行うための機能を課すことは、コストの観点から現実的でなく、調整の中立性も確保しにくい。従って、各二次利用ノードについての無線アクセス方式などの情報を収集し、二次通信サービス間の調整を行う中立的なエンティティである通信制御装置100が提供されることは、コストの観点からも調整の中立性の観点からも有益である。
【0105】
なお、本明細書において説明した通信制御装置100及び二次利用ノード20における制御処理は、ソフトウェアを用いて実現され得る。上述した制御処理を実現するソフトウェアを構成するプログラムは、各装置の内部又は外部に設けられる記憶媒体に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、実行時にRAM(Random Access Memory)に読み込まれ、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサにより実行される。
【0106】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0107】
10 一次利用ノード
20 二次利用ノード
40 データサーバ
100 通信制御装置
110 通信部(通信制御装置)
120 記憶部(通信制御装置)
130 推定部(通信制御装置)
140 制御部(通信制御装置)
210 第1通信部(二次利用ノード)
220 第2通信部(二次利用ノード)
230 記憶部(二次利用ノード)
240 二次利用制御部(二次利用ノード)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次通信サービスに割当てられた周波数帯の一部を使用してそれぞれ二次通信サービスを提供する複数の二次利用ノードによる通信を制御する通信制御装置であって:
各二次利用ノードから、当該二次利用ノードにより使用可能な無線アクセス方式を表すアクセス方式情報を受信する通信部と;
前記通信部により受信される前記アクセス方式情報を記憶する記憶部と;
第1の二次通信サービスのサービスエリアに第2の二次通信サービスのサービスエリアの少なくとも一部が含まれる場合に、前記アクセス方式情報が表す前記第1及び前記第2の二次通信サービスの無線アクセス方式に基づいて、前記第1の二次通信サービスと前記第2の二次通信サービスとの間で通信リソースの少なくとも一部の共用が可能か否かを判定する制御部と;
を備える通信制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1の二次通信サービスのサービスエリアに前記第2の二次通信サービスのサービスエリアが含まれない場合において、前記第1の二次通信サービスと前記第2の二次通信サービスとの間の相互干渉のレベルが許容され得る干渉レベルを超えるときにも、前記第1の二次通信サービスと前記第2の二次通信サービスとの間で通信リソースの少なくとも一部の共用が可能か否かを判定する、請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1の二次通信サービスに対応する前記アクセス方式情報が表す無線アクセス方式がOFDMAである場合に、前記通信リソースの一部の共用が可能であると判定する、請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1の二次通信サービスに対応する前記アクセス方式情報が表す無線アクセス方式がOFDMAであって、前記第2の二次通信サービスに対応する前記アクセス方式情報が表す無線アクセス方式がCSMAである場合に、前記通信リソースの一部の共用が可能であると判定する、請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第2の二次通信サービスを提供する二次利用ノードからの要求に応じて、前記通信リソースの一部の共用が可能か否かを判定する、請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記通信リソースの一部の共用が可能であると判定した場合に、前記第1の二次通信サービスを提供する二次利用ノードに、共用可能な通信リソースの範囲を特定する情報の提供を要求する、請求項1又は請求項2に記載の通信制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1の二次通信サービスを提供する二次利用ノードから受信される前記共用可能な通信リソースの範囲を特定する情報を、前記第2の二次通信サービスを提供する二次利用ノードへ転送する、請求項6に記載の通信制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、共用可能な通信リソースが存在する場合に、前記第1の二次通信サービス及び前記第2の二次通信サービスをそれぞれ提供する二次利用ノードに同期信号を供給する、請求項6に記載の通信制御装置。
【請求項9】
前記制御部は、共用可能な通信リソースが存在する場合に、前記第2の二次通信サービスを提供する二次利用ノードに、通信リソースの共用による干渉を防止するための制御情報を送信する、請求項6に記載の通信制御装置。
【請求項10】
前記通信部は、各二次利用ノードから、当該二次利用ノードが提供する二次通信サービスについてのサービスエリアを推定するためのサービスエリア情報をさらに受信し、
前記通信制御装置は、
前記サービスエリア情報を用いて前記第1の二次通信サービスのサービスエリア及び前記第2の二次通信サービスのサービスエリアを推定する推定部、
をさらに備える、
請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記第1の二次通信サービスのサービスエリアに前記第2の二次通信サービスのサービスエリアの一部が含まれない場合に、通信リソースの共用のために前記第2の二次通信サービスのサービスエリアを縮退させる、請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項12】
一次通信サービスに割当てられた周波数帯の一部を使用してそれぞれ二次通信サービスを提供する複数の二次利用ノードによる通信を制御するための通信制御方法であって:
各二次利用ノードから、当該二次利用ノードにより使用可能な無線アクセス方式を表すアクセス方式情報を受信するステップと;
受信した前記アクセス方式情報を記憶するステップと;
第1の二次通信サービスのサービスエリアに第2の二次通信サービスのサービスエリアの少なくとも一部が含まれる場合に、前記アクセス方式情報が表す前記第1及び前記第2の二次通信サービスの無線アクセス方式に基づいて、前記第1の二次通信サービスと前記第2の二次通信サービスとの間で通信リソースの少なくとも一部の共用が可能か否かを判定するステップと;
を含む通信制御方法。
【請求項13】
一次通信サービスに割当てられた周波数帯の一部を使用してそれぞれ二次通信サービスを提供する複数の二次利用ノードと当該複数の二次利用ノードによる通信を制御する通信制御装置とを含む通信システムであって:
各二次利用ノードは:
当該二次利用ノードが使用可能な無線アクセス方式を表すアクセス方式情報を前記通信制御装置へ送信する通信部;
を備え、
前記通信制御装置は:
各二次利用ノードから、前記アクセス方式情報を受信する通信部と;
前記通信部により受信される前記アクセス方式情報を記憶する記憶部と;
第1の二次通信サービスのサービスエリアに第2の二次通信サービスのサービスエリアの少なくとも一部が含まれる場合に、前記アクセス方式情報が表す前記第1及び前記第2の二次通信サービスの無線アクセス方式に基づいて、前記第1の二次通信サービスと前記第2の二次通信サービスとの間で通信リソースの少なくとも一部の共用が可能か否かを判定する制御部と;
を備える、
通信システム。
【請求項14】
一次通信サービスに割当てられた周波数帯の一部を使用して二次通信サービスを提供する通信装置であって:
前記二次通信サービスの通信リソースの一部を他の二次通信サービスと共用すべきか否かを他の装置に判定させるために、前記通信装置が使用可能な無線アクセス方式を表すアクセス方式情報を前記他の装置へ送信する通信部と;
前記他の装置により、前記二次通信サービスのサービスエリアが前記他の二次通信サービスのサービスエリアを含み、前記アクセス方式情報に基づいて前記二次通信サービスの通信リソースの一部を前記他の二次通信サービスと共用すべきであると判定された場合に、前記他の装置からの要求に応じて前記他の二次通信サービスと共用可能な通信リソースの範囲を特定する二次利用制御部と;
を備える通信装置。
【請求項1】
一次通信サービスに割当てられた周波数帯の一部を使用してそれぞれ二次通信サービスを提供する複数の二次利用ノードによる通信を制御する通信制御装置であって:
各二次利用ノードから、当該二次利用ノードにより使用可能な無線アクセス方式を表すアクセス方式情報を受信する通信部と;
前記通信部により受信される前記アクセス方式情報を記憶する記憶部と;
第1の二次通信サービスのサービスエリアに第2の二次通信サービスのサービスエリアの少なくとも一部が含まれる場合に、前記アクセス方式情報が表す前記第1及び前記第2の二次通信サービスの無線アクセス方式に基づいて、前記第1の二次通信サービスと前記第2の二次通信サービスとの間で通信リソースの少なくとも一部の共用が可能か否かを判定する制御部と;
を備える通信制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1の二次通信サービスのサービスエリアに前記第2の二次通信サービスのサービスエリアが含まれない場合において、前記第1の二次通信サービスと前記第2の二次通信サービスとの間の相互干渉のレベルが許容され得る干渉レベルを超えるときにも、前記第1の二次通信サービスと前記第2の二次通信サービスとの間で通信リソースの少なくとも一部の共用が可能か否かを判定する、請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1の二次通信サービスに対応する前記アクセス方式情報が表す無線アクセス方式がOFDMAである場合に、前記通信リソースの一部の共用が可能であると判定する、請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1の二次通信サービスに対応する前記アクセス方式情報が表す無線アクセス方式がOFDMAであって、前記第2の二次通信サービスに対応する前記アクセス方式情報が表す無線アクセス方式がCSMAである場合に、前記通信リソースの一部の共用が可能であると判定する、請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第2の二次通信サービスを提供する二次利用ノードからの要求に応じて、前記通信リソースの一部の共用が可能か否かを判定する、請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記通信リソースの一部の共用が可能であると判定した場合に、前記第1の二次通信サービスを提供する二次利用ノードに、共用可能な通信リソースの範囲を特定する情報の提供を要求する、請求項1又は請求項2に記載の通信制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1の二次通信サービスを提供する二次利用ノードから受信される前記共用可能な通信リソースの範囲を特定する情報を、前記第2の二次通信サービスを提供する二次利用ノードへ転送する、請求項6に記載の通信制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、共用可能な通信リソースが存在する場合に、前記第1の二次通信サービス及び前記第2の二次通信サービスをそれぞれ提供する二次利用ノードに同期信号を供給する、請求項6に記載の通信制御装置。
【請求項9】
前記制御部は、共用可能な通信リソースが存在する場合に、前記第2の二次通信サービスを提供する二次利用ノードに、通信リソースの共用による干渉を防止するための制御情報を送信する、請求項6に記載の通信制御装置。
【請求項10】
前記通信部は、各二次利用ノードから、当該二次利用ノードが提供する二次通信サービスについてのサービスエリアを推定するためのサービスエリア情報をさらに受信し、
前記通信制御装置は、
前記サービスエリア情報を用いて前記第1の二次通信サービスのサービスエリア及び前記第2の二次通信サービスのサービスエリアを推定する推定部、
をさらに備える、
請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記第1の二次通信サービスのサービスエリアに前記第2の二次通信サービスのサービスエリアの一部が含まれない場合に、通信リソースの共用のために前記第2の二次通信サービスのサービスエリアを縮退させる、請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項12】
一次通信サービスに割当てられた周波数帯の一部を使用してそれぞれ二次通信サービスを提供する複数の二次利用ノードによる通信を制御するための通信制御方法であって:
各二次利用ノードから、当該二次利用ノードにより使用可能な無線アクセス方式を表すアクセス方式情報を受信するステップと;
受信した前記アクセス方式情報を記憶するステップと;
第1の二次通信サービスのサービスエリアに第2の二次通信サービスのサービスエリアの少なくとも一部が含まれる場合に、前記アクセス方式情報が表す前記第1及び前記第2の二次通信サービスの無線アクセス方式に基づいて、前記第1の二次通信サービスと前記第2の二次通信サービスとの間で通信リソースの少なくとも一部の共用が可能か否かを判定するステップと;
を含む通信制御方法。
【請求項13】
一次通信サービスに割当てられた周波数帯の一部を使用してそれぞれ二次通信サービスを提供する複数の二次利用ノードと当該複数の二次利用ノードによる通信を制御する通信制御装置とを含む通信システムであって:
各二次利用ノードは:
当該二次利用ノードが使用可能な無線アクセス方式を表すアクセス方式情報を前記通信制御装置へ送信する通信部;
を備え、
前記通信制御装置は:
各二次利用ノードから、前記アクセス方式情報を受信する通信部と;
前記通信部により受信される前記アクセス方式情報を記憶する記憶部と;
第1の二次通信サービスのサービスエリアに第2の二次通信サービスのサービスエリアの少なくとも一部が含まれる場合に、前記アクセス方式情報が表す前記第1及び前記第2の二次通信サービスの無線アクセス方式に基づいて、前記第1の二次通信サービスと前記第2の二次通信サービスとの間で通信リソースの少なくとも一部の共用が可能か否かを判定する制御部と;
を備える、
通信システム。
【請求項14】
一次通信サービスに割当てられた周波数帯の一部を使用して二次通信サービスを提供する通信装置であって:
前記二次通信サービスの通信リソースの一部を他の二次通信サービスと共用すべきか否かを他の装置に判定させるために、前記通信装置が使用可能な無線アクセス方式を表すアクセス方式情報を前記他の装置へ送信する通信部と;
前記他の装置により、前記二次通信サービスのサービスエリアが前記他の二次通信サービスのサービスエリアを含み、前記アクセス方式情報に基づいて前記二次通信サービスの通信リソースの一部を前記他の二次通信サービスと共用すべきであると判定された場合に、前記他の装置からの要求に応じて前記他の二次通信サービスと共用可能な通信リソースの範囲を特定する二次利用制御部と;
を備える通信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−34326(P2012−34326A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243788(P2010−243788)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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