説明

通信方法および基地局装置

【課題】ハンドオーバ先の基地局として集中的に選択されることがなく、回線資源を有効に活用でき、速やかにハンドオーバを完了できる通信方法および基地局装置を提供する。
【解決手段】端末204は、基地局201と通信中に通信状態の悪化を検知すると、基地局201に対してハンドオーバ要求を行う。ハンドオーバ要求を受けた基地局201は、端末204から、端末204と通信可能な複数の基地局に関する情報(通信可能基地局リスト)を取得し、取得された情報と、基地局間の通信における処理時間に関する値(RTT)とに基づいて、端末204と通信接続するハンドオーバ先基地局を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の基地局装置を含む無線通信システムにおいて速やかなハンドオーバを実現する通信方法および基地局装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話端末が無線接続される無線通信システムは、携帯電話端末が基地局と無線通信を行うことによって通話などを行う構成となっている。図12は、基地局と携帯電話端末との関係を説明する図である。図12に示すように、端末104と基地局101との通信中において、電波強度低下のような通信環境の悪化が発生すると、端末104は、それ以降通信を続けることができなくなる。端末104は、通信中の基地局101との通信環境の悪化を検出すると、通信を継続するために、現在接続中の基地局101よりも、通信環境の良い別の通信可能基地局102〜102に、接続先を変更するハンドオーバ(H/O)という処理を実行する。その際のハンドオーバ先の基地局の選択基準は、ハンドオーバを要求する端末104から見た電波強度の強い基地局を選択するなど、端末から見た通信状態の良い基地局を選択するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−352337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、端末から見た通信状態の良い特定の基地局をハンドオーバ先の基地局として、複数の端末が集中的に選択すると、選択された基地局は、負荷が大きくなり、輻輳状態に陥ることがある。
このような問題を解決するため、基地局同士が各基地局の負荷情報を共有し、負荷情報に基づいて各基地局に負荷を分散させるという方法も考えられる。しかしながら、基地局同士が各基地局の負荷情報を共有しようとすると、自基地局の負荷情報を他の基地局すべてに送信しなければならないため、その分パケットが発生し、回線資源は圧迫されることになる。
また、選択されたハンドオーバ先の基地局が輻輳状態であったときは、端末は、ハンドオーバに時間がかかり、通話が途切れるなど通信の品質が損なわれることがあった。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ハンドオーバ先の基地局として集中的に選択されることがなく、また、回線資源を有効に活用でき、さらに、端末のハンドオーバ時に、速やかにハンドオーバを完了させることができる通信方法および基地局装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の通信方法は、無線端末装置と、前記無線端末装置との間で無線通信を実行する基地局装置と、を含み、複数の前記基地局装置間での通信が可能な無線通信システムにおける通信方法において、前記無線端末装置と接続中の前記基地局装置が、前記無線端末装置から、前記無線端末装置と通信可能な複数の基地局装置に関する情報を取得する取得ステップと、前記無線端末装置と接続中の前記基地局装置が、前記取得ステップにより取得された前記複数の基地局装置に関する情報と、前記基地局装置間の通信における処理時間に関する値と、に基づいて、前記無線端末装置と通信接続する接続先基地局装置を決定する決定ステップとを含むことを特徴とする。
【0007】
前記決定ステップでは、前記基地局装置間の通信における処理時間に関する値から、前記取得ステップで取得された前記複数の基地局装置に関する情報における各基地局装置の負荷状態を推定し、推定された前記各基地局装置の負荷状態に基づいて、前記配下の無線端末装置と通信接続する接続先基地局装置を決定することが好ましい。
【0008】
また、本発明の通信方法は、無線端末装置と、前記無線端末装置との間で無線通信を実行する基地局装置と、を含み、複数の前記基地局装置間での通信が可能な無線通信システムにおける通信方法において、前記無線端末装置と接続中の前記基地局装置が、前記無線端末装置から、前記無線端末装置と通信可能な複数の基地局装置との間の通信状態に関する評価値を含む、前記無線端末装置と通信可能な複数の基地局装置に関する情報を取得する取得ステップと、前記無線端末装置と接続中の前記基地局装置が、前記取得ステップにより取得された前記評価値を含む複数の基地局装置に関する情報と、前記基地局装置間の通信における処理時間に関する値と、に基づいて、前記無線端末装置と通信接続する接続先基地局装置を決定する決定ステップとを含むことを特徴とする。
【0009】
前記決定ステップでは、前記基地局装置間の通信における処理時間に関する値が閾値未満の基地局装置の中で、前記評価値が最も高い基地局装置を、前記無線端末装置と通信接続する接続先基地局装置と決定することが好ましい。
【0010】
また、前記決定ステップでは、前記基地局装置間の通信における処理時間に関する値が閾値未満の基地局装置の中で、少なくとも前記評価値が最も低い基地局装置を、前記無線端末装置と通信接続する接続先基地局装置から除外することが好ましい。
【0011】
前記基地局装置間の通信における処理時間に関する値は、前記基地局装置間の往復通信遅延時間であることが好ましく、または、前記基地局装置間の通信における処理時間に関する値は、前記基地局装置とのネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)通信に基づく値であることが好ましい。
【0012】
また、本発明の基地局装置は、基地局装置間の通信における処理時間に関する値を取得する通信処理時間取得部と、接続中の無線端末装置から、当該無線端末装置と通信可能な複数の基地局装置に関する情報を取得する基地局情報取得部と、前記基地局情報取得部で取得された前記複数の基地局装置に関する情報と、前記通信処理時間取得部で取得された前記基地局装置間の通信における処理時間に関する値と、に基づいて、前記無線端末装置と通信接続する接続先基地局装置を決定する決定部とを備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の基地局装置は、基地局装置間の通信における処理時間に関する値を取得する通信処理時間取得部と、接続中の無線端末装置から、前記無線端末装置と通信可能な複数の基地局装置との間の通信状態に関する評価値を含む、前記無線端末装置と通信可能な複数の基地局装置に関する情報を取得する基地局情報取得部と、前記基地局情報取得部で取得された前記評価値を含む複数の基地局装置に関する情報と、前記通信処理時間取得部で取得された前記基地局装置間の通信における処理時間に関する値と、に基づいて、前記無線端末装置と通信接続する接続先基地局装置を決定する決定部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、基地局間の通信における処理時間に基づいてハンドオーバ先基地局を決定しており、配下の端末から見た通信状態の良い基地局へ単にハンドオーバするわけではないので、他の端末から同じ基地局が集中的に選択される不具合を抑制することができる。
また、本発明は、基地局間で当該各基地局の負荷情報を共有する必要がないため、基地局間通信分の回線資源を有効に活用できる。
さらに、本発明は、例えば、基地局間の通信における処理時間の短い基地局をハンドオーバ先の基地局とすることによって、ハンドオーバ時の基地局間におけるデータ転送を速やかに実行することができ、これによりハンドオーバを早急に完了させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る基地局と端末との関係を説明する図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る基地局および端末の概略構成図である。
【図3】基地局制御部の概略構成図である。
【図4】端末制御部の概略構成図である。
【図5】端末からのハンドオーバ要求に基づいてハンドオーバを実行するときのシーケンス図である。
【図6】基地局の判断によりハンドオーバを実行するときのシーケンス図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る基地局および端末の概略構成図である。
【図8】基地局制御部の概略構成図である。
【図9】端末制御部の概略構成図である。
【図10】端末からのハンドオーバ要求に基づいてハンドオーバを実行するときのシーケンス図である。
【図11】基地局の判断によりハンドオーバを実行するときのシーケンス図である。
【図12】従来手法における基地局と端末との関係を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る基地局と端末との関係を説明する図である。端末204(無線端末装置)は、例えば、携帯電話端末や、通信機能付きの携帯情報端末である。端末204は、基地局201(基地局装置)と通信中に通信状態の悪化を検知すると、基地局201に対してハンドオーバ要求を行う。ハンドオーバ要求を受けた基地局201は、端末204から、端末204と通信可能な複数の基地局202〜202に関する情報(通信可能基地局リスト)を取得し、取得された情報と、基地局間の通信における処理時間に関する値とに基づいて、端末204と通信接続するハンドオーバ先基地局を決定する。端末204は、決定されたハンドオーバ先基地局にハンドオーバを実行する。
ここで、基地局間の通信における処理時間に関する値には、基地局間の往復通信遅延時間(RTT(Round Trip Time))を挙げることができる。基地局間の通信における処理時間に関する値は、基地局とのNTP(Network Time Protocol)通信に基づく値でも良い。
【0017】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る基地局および端末の概略構成図である。図2に示す基地局201は、少なくとも対端末通信部211と、対基地局通信部212と、基地局記憶部213(基地局情報取得部)と、基地局制御部214を備える。
対端末通信部211は、端末204と通信を行う。対基地局通信部212は、基地局同士の通信を行う。ただし、対端末通信部211と対基地局通信部212は、通信中の対象が基地局であるのか端末であるのかを区別できるなら1個の通信部としてまとまっていても良い。基地局記憶部213は、端末204から送られてくる、端末204と通信可能な複数の基地局に関する情報である通信可能基地局リストを記憶する。通信可能基地局リストは、端末204のハンドオーバに利用される。
【0018】
基地局制御部214は、図3に示すように、処理遅延計測部301(通信処理時間取得部)と、処理遅延紐付け部302(決定部)と、基地局リスト並べ替え部303(決定部)と、ハンドオーバ(H/O)先判断部304(決定部)から構成される。
処理遅延計測部301は、基地局同士の通信において対象基地局の処理遅延を計測する基準として基地局間の伝送路における処理時間に関する値であるRTTを用いる。処理遅延計測部301は、RTTとしてTCP(Transmission Control Protocol)やSCTP(Stream Control Transmission Protocol)といったプロトコルのRTTを用いることが考えられる。
【0019】
処理遅延紐付け部302は、端末204から送られてきた通信可能基地局リスト中の各基地局と、処理遅延計測部301で計測した各基地局のRTTとを1対1に対応させる。基地局リスト並べ替え部303は、通信可能基地局リスト中で定められているハンドオーバ先となる基地局の優先順位を、基地局装置間の通信における処理時間に関する値に基づいて決定する。ハンドオーバ先判断部304は、決定された優先順位に従って端末204に提示するハンドオーバ先の基地局を決定する。
すなわち、基地局リスト並べ替え部303は、処理遅延紐付け部302でRTTと紐付けされた基地局リスト中の基地局をRTTの相対的に小さい順に並べ替え、ハンドオーバ先判断部304が、RTTの小さい順に並べ替えられた基地局の中から、端末204に提示するハンドオーバ先の基地局を選択する。
【0020】
また、図2に示す端末204は、少なくとも端末通信部221と、通信状態計測部222と、端末制御部223を備える。
端末通信部221は、基地局201と通信を行う。通信状態計測部222は、基地局201および他の通信可能な基地局の通信状態を監視する。通信状態の基準は、電波強度やSNR(信号雑音比)等が考えられ、通信状態計測部222は、これらの値を計測する。
【0021】
端末制御部223は、図4に示すように、少なくとも通信状態判断部401と、ハンドオーバ(H/O)要求判断部402と、通信可能基地局リスト作成部403を備える。
通信状態判断部401は、通信状態計測部222で計測した基地局201の通信状態の値がある閾値に達したときに、通信状態が悪化したと判断する。通信状態の悪化の例としては、自端末と基地局201との間の通信遅延の増加、受信信号の電波強度の低下、受信信号中のノイズの増加が挙げられる。
【0022】
ハンドオーバ要求判断部402は、通信状態判断部401が通信状態が悪化したと判断すると、実際にハンドオーバを要求するかどうかを判断する。このときハンドオーバ要求判断部402では、緊急呼(警察や消防署への通話)を行っている際はハンドオーバを控えたり、同じ基地局同士の間をハンドオーバし合う場合はハンドオーバを控える、といった判断を行うことが考えられる。
【0023】
通信可能基地局リスト作成部403は、ハンドオーバ要求判断部402が、接続中の基地局201に対してハンドオーバ要求を行うことを決定すると、自端末と通信可能な周辺の基地局を探索し、一覧として通信可能基地局リストを作成する処理を行う。
【0024】
次に、本発明の第1の実施の形態に係る基地局と端末の動作を、図5に示すシーケンス図に基づいて説明する。図5は、端末からのハンドオーバ要求に基づいてハンドオーバを実行するときのシーケンス図である。
端末204が基地局201と通信中に、端末204の通信状態計測部222が通信状態の悪化を検知すると、図4の端末制御部223におけるハンドオーバ要求判断部402が、ハンドオーバ(H/O)要求判断を実行する(S511)。ハンドオーバ要求判断部402がハンドオーバ要求を実行しないと判断した場合(Noの場合)は、処理を終了する。ハンドオーバ要求判断部402がハンドオーバ要求を実行すると判断した場合(Yesの場合)は、通信可能基地局リスト作成部403は、自端末と通信可能な周辺の他の基地局を探索し、通信可能基地局リストの作成を行う(S512)。このとき基地局の探索は、基地局が報知する基地局探索用の報知チャネルを端末通信部221で受信することによって実現する。
【0025】
次に、端末204は、基地局201に対してハンドオーバ要求を行う(S513)。ハンドオーバ要求を受けた基地局201の基地局制御部214は、端末204に対して、通信可能基地局リストを要求する(S521)。これを受けて端末204は、基地局201に対して通信可能基地局リストを送信する(S514)。通信可能基地局リストは、端末通信部221から通信中の基地局201へ送信される。
【0026】
基地局201の基地局制御部214は、端末204から受信した通信可能基地局リストの中から、基地局201自身が保持している接続中の基地局リストに格納されている基地局を抽出する。基地局制御部214の処理遅延紐付け部302は、基地局間の通信における処理時間に関する値から、通信可能基地局リストの中から抽出された各基地局の負荷状態を推定し、推定された各基地局の負荷状態を通信可能基地局リスト中の基地局と紐付けする。実際には、基地局201が有するSCTP情報の中のRTTを通信可能基地局リスト中の基地局と紐付けする(S522)。
【0027】
紐付けとは、基地局の識別子と、その基地局と基地局201とのSCTP通信のRTTとを1対1で対応させる操作である。基地局の識別子は、基地局を一意に定めることのできる数値や文字列などである。例として、基地局ID、IPアドレス、MACアドレス、ホスト名などが考えられる。
【0028】
基地局制御部214は、推定された負荷状態に基づいてハンドオーバ先基地局を決定する。すなわち、基地局制御部214は、RTTと紐付けされた基地局リストをハンドオーバ候補基地局リストとして、この基地局リストの中からハンドオーバ先基地局を選ぶ。このときRTTの小さな基地局は負荷が少ないと考えることができ、RTTの大きな基地局は負荷が大きくなり、輻輳状態に近づいている、と考えることができる。基地局制御部214の基地局リスト並べ替え部303は、この基準に基づいて、ハンドオーバ候補基地局リストの並べ替えを実行し(S523)、基地局制御部214のハンドオーバ先判断部304は、ハンドオーバ候補基地局リストの中で、RTTが相対的にもっとも小さい基地局をハンドオーバ先基地局として決定する(S524)。
【0029】
RTTが相対的に最も小さい基地局を選択する手法として、例えば、RTTを単純に小さい順に並べ替え、一番小さい基地局をハンドオーバ先基地局とする手法、および単位時間前のRTTを基準とし、RTTの下がっている大きさ順に並べ替え、一番下げ幅の大きな基地局をハンドオーバ先基地局とする手法が挙げられる。
【0030】
基地局201は、決定したハンドオーバ先基地局を端末204に通知する(S525)。基地局201と、基地局201からハンドオーバ先基地局の通知を受けた端末204は、ハンドオーバを実行する(S515、S526)。
【0031】
図6は、基地局の判断によりハンドオーバを実行するときの基地局と端末の動作を説明するシーケンス図である。基地局201の基地局制御部214は、端末204と通信中に通信状態の悪化を検知すると、端末204の接続先を変更させるハンドオーバを実行するか否かを判断する。また、基地局制御部214は、自装置が輻輳状態になると、負荷を小さくするために、端末204の接続先を変更させるハンドオーバを実行するか否かを判断する(S621)。基地局制御部214は、ハンドオーバを実行しないと判断した場合(Noの場合)は、処理を終了する。基地局制御部214は、ハンドオーバを実行すると判断した場合(Yesの場合)は、通信中の端末204に対して、ハンドオーバを指示するとともに通信可能基地局リストを要求する(S622)。
【0032】
これを受けて端末204の通信可能基地局リスト作成部403は、自端末と通信可能な周辺の他の基地局を探索し、通信可能基地局リストの作成を行う(S611)。このとき基地局の探索は、基地局が報知する基地局探索用の報知チャネルを端末通信部221で受信することによって実現する。次に、端末204は、基地局201に対して通信可能基地局リストを送信する(S612)。通信可能基地局リスト作成部403によって作成された通信可能基地局リストは、端末通信部221から通信中の基地局201へ送信される。
【0033】
基地局制御部214は、端末204から受信した通信可能基地局リストの中から、基地局201自身が保持している接続中の基地局リストに格納されている基地局を抽出する。基地局制御部214の処理遅延紐付け部302は、基地局間の通信における処理時間に関する値から、通信可能基地局リストの中から抽出された各基地局の負荷状態を推定し、推定された各基地局の負荷状態を通信可能基地局リスト中の基地局と紐付けする。実際には、基地局201が有するSCTP情報の中のRTTを通信可能基地局リスト中の基地局と紐付けする(S623)。
【0034】
基地局制御部214は、推定された負荷状態に基づいてハンドオーバ先基地局を決定する。すなわち、基地局制御部214は、RTTと紐付けされた基地局リストをハンドオーバ候補基地局リストとして、この基地局リストの中からハンドオーバ先基地局を選ぶ。このときRTTの小さな基地局は負荷が少ないと考えることができ、RTTの大きな基地局は負荷が大きくなり、輻輳状態に近づいている、と考えることができる。基地局制御部214の基地局リスト並べ替え部303は、この基準に基づいて、ハンドオーバ候補基地局リストを並べ替えを実行し(S624)、基地局制御部214のハンドオーバ先判断部304は、ハンドオーバ候補基地局リストの中で、RTTが相対的にもっとも小さい基地局をハンドオーバ先基地局として決定する(S625)。
【0035】
基地局201は、決定したハンドオーバ先基地局を端末204に通知する(S626)。基地局201と、基地局201からハンドオーバ先基地局の通知を受けた端末204は、ハンドオーバを実行する(S613、S627)。
【0036】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る基地局および端末について説明する。図7は、本発明の第2の実施の形態に係る基地局および端末の概略構成図である。図7に示す基地局201は、少なくとも対端末通信部211と、対基地局通信部212と、基地局記憶部213(基地局情報取得部)と、基地局制御部214aを備える。
対端末通信部211は、端末204と通信を行う。対基地局通信部212は、基地局同士の通信を行う。ただし、対端末通信部211と対基地局通信部212は、通信中の対象が基地局であるのか端末であるのかを区別できるなら1個の通信部としてまとまっていても良い。基地局記憶部213は、端末204から送られてくる通信可能基地局リストを記憶する。通信可能基地局リストは、端末204と通信可能な複数の基地局に関する情報であり、端末204と通信可能な複数の基地局装置に対する通信状態の良さを示す評価値を含む。通信可能基地局リストは、端末204のハンドオーバに利用される。
【0037】
基地局制御部214aは、図8に示すように、処理遅延計測部301(通信処理時間取得部)と、処理遅延紐付け部302(決定部)と、基地局リスト並べ替え部303(決定部)と、ハンドオーバ(H/O)先判断部304(決定部)と、ハンドオーバ(H/O)候補基地局リスト並べ替え部305から構成される。
処理遅延計測部301は、基地局同士の通信において対象基地局の処理遅延を計測する基準として基地局間の伝送路における処理時間に関する値であるRTTを用いる。処理遅延計測部301は、RTTとしてTCP(Transmission Control Protocol)やSCTP(Stream Control Transmission Protocol)といったプロトコルのRTTを用いることが考えられる。
【0038】
処理遅延紐付け部302は、端末204から送られてきた通信可能基地局リスト中の各基地局と、処理遅延計測部301で計測した各基地局のRTTとを1対1に対応させる。基地局リスト並べ替え部303は、通信可能基地局リスト中で定められているハンドオーバ先となる基地局の優先順序を、基地局装置間の通信における処理時間に関する値に基づいて決定する。
すなわち、基地局リスト並べ替え部303は、処理遅延紐付け部302でRTTと対応付けされた基地局リスト中の基地局をRTTの相対的に小さい順に並べ替えて、RTT順基地局リストを作成する。
ハンドオーバ候補基地局リスト並べ替え部305は、RTT順基地局リストからRTTが閾値T以上の基地局を除外してハンドオーバ候補基地局リストを作成し、更に、ハンドオーバ候補基地局リストに対して、基地局に対する通信状態の良さを示す評価値に基づいて並べ替えを実行する。
ハンドオーバ先判断部304は、ハンドオーバ候補基地局リストの基地局の中から、評価値が最も高い基地局をハンドオーバ先基地局として決定する。
【0039】
また、図7に示す端末204は、少なくとも端末通信部221と、通信状態計測部222と、端末制御部223aを備える。
端末通信部221は、基地局201と通信を行う。通信状態計測部222は、基地局201および他の通信可能な基地局の通信状態を監視する。通信状態の基準は、電波強度やSNR(信号雑音比)等が考えられ、通信状態計測部222は、これらの値を計測する。
【0040】
端末制御部223aは、図9に示すように、少なくとも通信状態判断部401と、ハンドオーバ(H/O)要求判断部402と、通信可能基地局リスト作成部403と、基地局評価部404を備える。
通信状態判断部401は、通信状態計測部222で計測した基地局201の通信状態の値がある閾値に達したときに、通信状態が悪化したと判断する。通信状態の悪化の例としては、自端末と基地局201との間の通信遅延の増加、受信信号の電波強度の低下、受信信号中のノイズの増加が挙げられる。
【0041】
ハンドオーバ要求判断部402は、通信状態判断部401が通信状態が悪化したと判断すると、実際にハンドオーバを要求するかどうかを判断する。このときハンドオーバ要求判断部402では、緊急呼(警察や消防署への通話)を行っている際はハンドオーバを控えたり、同じ基地局同士の間をハンドオーバし合う場合はハンドオーバを控える、といった判断を行うことが考えられる。
【0042】
通信可能基地局リスト作成部403は、ハンドオーバ要求判断部402が、接続中の基地局201に対してハンドオーバ要求を行うことを決定すると、自端末と通信可能な周辺の基地局を探索し、一覧として通信可能基地局リストを作成する処理を行う。
【0043】
基地局評価部404は、通信状態計測部222で計測された、自端末と基地局との間のRTT、受信信号の電波強度、受信信号のSNR(信号雑音比)等の、自端末と、自端末と通信可能な周辺の複数の基地局との間の通信状態に関する値に基づいて、複数の基地局に対する通信状態の良さを示す評価値を計算して設定し、設定した基地局の評価値を通信可能基地局リストに格納する。
評価値は、自端末と基地局との間のRTT、受信信号の電波強度、受信信号のSNR(信号雑音比)等の値のいずれか1つに基づいて計算して求めても良いし、いくつかを組み合わせて計算して求めても良い。基地局評価部404は、自端末と基地局との間のRTTが小さい基地局、受信信号の電波強度が大きい基地局、受信信号中のノイズが小さい基地局に対しては高い評価値を設定する。
【0044】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る基地局と端末の動作を、図10に示すシーケンス図に基づいて説明する。図10は、端末からのハンドオーバ要求に基づいてハンドオーバを実行するときのシーケンス図である。
端末204が基地局201と通信中に、端末204の通信状態計測部222が通信状態の悪化を検知すると、図9の端末制御部223aにおけるハンドオーバ要求判断部402は、ハンドオーバ(H/O)要求判断を実行する(S711)。ハンドオーバ要求判断部402がハンドオーバ要求を実行しないと判断した場合(Noの場合)は、処理を終了する。ハンドオーバ要求判断部402がハンドオーバ要求を実行すると判断した場合(Yesの場合)は、通信可能基地局リスト作成部403は、自端末と通信可能な周辺の他の基地局を探索し、通信可能基地局リストの作成を行う(S712)。このとき基地局の探索は、基地局が報知する基地局探索用の報知チャネルを端末通信部221で受信することによって実現する。
【0045】
また、基地局評価部404は、自端末と通信可能な周辺の基地局の通信状態の値に基づいて、基地局に対する通信状態の良さを示す評価値を計算し、計算した基地局の評価値を通信可能基地局リスト中の基地局に1対1に対応させて通信可能基地局リストに格納する。基地局の通信状態の値は、基地局から報知されている電波を通信状態計測部222で受信し計測することにより求める。
【0046】
次に、端末204は、基地局201に対してハンドオーバ要求を行う(S713)。ハンドオーバ要求を受けた基地局201の基地局制御部214aは、端末204に対して、通信可能基地局リストを要求する(S721)。これを受けて端末204は、基地局201に対して、基地局の評価値を含む通信可能基地局リストを送信する(S714)。通信可能基地局リストは、端末通信部221から通信中の基地局201へ送信される。
【0047】
基地局201の基地局制御部214aは、端末204から受信した通信可能基地局リストの中から、基地局201自身が保持している接続中の基地局リストに格納されている基地局を抽出する。基地局制御部214aの処理遅延紐付け部302は、基地局間の通信における処理時間に関する値から、通信可能基地局リストの中から抽出された各基地局の負荷状態を推定し、推定された各基地局の負荷状態を通信可能基地局リスト中の基地局と紐付けする。実際には、基地局201が有するSCTP情報の中のRTTを通信可能基地局リスト中の基地局と紐付けする(S722)。
【0048】
紐付けとは、基地局の識別子と、その基地局と基地局201とのSCTP通信のRTTとを1対1で対応させる操作である。基地局の識別子は、基地局を一意に定めることのできる数値や文字列などである。例として、基地局ID、IPアドレス、MACアドレス、ホスト名などが考えられる。
【0049】
次に、基地局制御部214aの基地局リスト並べ替え部303は、RTTと紐付けされた基地局リストをRTT順に並べ替える(S723)。並べ替え後の基地局リストをRTT順基地局リストという。次に、基地局制御部214aは、RTTが閾値T以上である基地局をRTT順基地局リストから除外して、RTTが閾値Tより小さい基地局が存在するか否かを判定する(S724)。閾値T以上の基地局が除外されたリストをハンドオーバ候補基地局リストという。
【0050】
基地局制御部214aは、閾値Tより小さい基地局が存在しない場合(=0の場合)は、ハンドオーバ先基地局の決定処理を終了し、候補基地局がなかった場合の処理に移る。閾値Tは、基地局同士が通信を行う上で、支障がないほど十分に小さな値とする。つまり、この閾値Tを超える場合は、基地局制御部214aは、通信に支障があると考え、ハンドオーバ先基地局として選択しない。基地局制御部214aのハンドオーバ候補基地局リスト並べ替え部305は、閾値Tより小さい基地局が存在する場合(>0の場合)は、基地局の評価値に基づいてハンドオーバ候補基地局リストの並べ替えを実行し(S725)、基地局制御部214aのハンドオーバ先判断部304は、ハンドオーバ候補基地局リストの中で、評価値が最も高い基地局をハンドオーバ先基地局として決定する(S726)。ハンドオーバ先判断部304は、ハンドオーバ候補基地局リストの中で、少なくとも評価値が最も低い基地局を除外し、評価値の最も低い基地局が除外されたハンドオーバ候補基地局リストの中からハンドオーバ先基地局を決定するようにしても良い。
【0051】
基地局201は、決定したハンドオーバ先基地局を端末204に通知する(S727)。基地局201と、基地局201からハンドオーバ先基地局の通知を受けた端末204は、ハンドオーバを実行する(S715、S728)。
【0052】
図11は、基地局の判断によりハンドオーバを実行するときの基地局と端末の動作を説明するシーケンス図である。
基地局201の基地局制御部214aは、端末204と通信中に通信状態の悪化を検知すると、端末204の接続先を変更させるハンドオーバを実行するか否かを判断する。または、基地局制御部214aは、自装置が輻輳状態になると、負荷を小さくするために、端末204の接続先を変更させるハンドオーバを実行するか否かを判断する(S821)。基地局制御部214aは、ハンドオーバを実行しないと判断した場合(Noの場合)は、処理を終了する。基地局制御部214aは、ハンドオーバを実行すると判断した場合(Yesの場合)は、通信中の端末204に対して、ハンドオーバを指示するとともに通信可能基地局リストを要求する(S822)。
【0053】
これを受けて端末204の通信可能基地局リスト作成部403は、自端末と通信可能な周辺の他の基地局を探索し、通信可能基地局リストの作成を行う(S811)。このとき基地局の探索は、基地局が報知する基地局探索用の報知チャネルを端末通信部221で受信することによって実現する。
【0054】
また、基地局評価部404は、自端末と通信可能な周辺の基地局の通信状態の値に基づいて、基地局に対する通信状態の良さを示す評価値を計算し、計算した基地局の評価値を通信可能基地局リスト中の基地局に1対1に対応させて通信可能基地局リストに格納する。基地局の通信状態の値は、基地局から報知されている電波を通信状態計測部222で受信し計測することにより求める。
【0055】
次に、端末204は、基地局201に対して基地局の評価値を含む通信可能基地局リストを送信する(S812)。通信可能基地局リストは、端末通信部221から通信中の基地局201へ送信される。
【0056】
基地局制御部214aは、端末204から受信した通信可能基地局リストの中から、基地局201自身が保持している接続中の基地局リストに格納されている基地局を抽出する。基地局制御部214aの処理遅延紐付け部302は、基地局間の通信における処理時間に関する値から、通信可能基地局リストの中から抽出された各基地局の負荷状態を推定し、推定された各基地局の負荷状態を抽出された基地局と紐付けする。実際には、基地局201が有するSCTP情報の中のRTTを通信可能基地局リスト中の基地局と紐付けする(S823)。
【0057】
次に、基地局制御部214aの基地局リスト並べ替え部303は、RTTと紐付けされた基地局リストをRTT順に並べ替える(S824)。並べ替え後の基地局リストをRTT順基地局リストという。次に、基地局制御部214aは、RTTが閾値T以上である基地局をRTT順基地局リストから除外して、RTTが閾値Tより小さい基地局が存在するか否かを判定する(S825)。閾値T以上の基地局が除外されたリストをハンドオーバ候補基地局リストという。
【0058】
基地局制御部214aは、閾値Tより小さい基地局が存在しない場合(=0の場合)は、ハンドオーバ先基地局の決定処理を終了し、候補基地局がなかった場合の処理に移る。閾値Tは、基地局同士が通信を行う上で、支障がないほど十分に小さな値とする。つまり、この閾値Tを超える場合は、基地局制御部214aは、通信に支障があると考え、ハンドオーバ先基地局として選択しない。基地局制御部214aのハンドオーバ候補基地局リスト並べ替え部305は、閾値Tより小さい基地局が存在する場合(>0の場合)は、基地局の評価値に基づいてハンドオーバ候補基地局リストの並べ替えを実行し(S826)、基地局制御部214aのハンドオーバ先判断部304は、ハンドオーバ候補基地局リストの中で、評価値が最も高い基地局をハンドオーバ先基地局として決定する(S827)。ハンドオーバ先判断部304は、ハンドオーバ候補基地局リストの中で、少なくとも評価値が最も低い基地局を除外し、評価値の最も低い基地局が除外されたハンドオーバ候補基地局リストの中からハンドオーバ先基地局を決定するようにしても良い。
【0059】
基地局201は、決定したハンドオーバ先基地局を端末204に通知する(S828)。基地局201と、基地局201からハンドオーバ先基地局の通知を受けた端末204は、ハンドオーバを実行する(S813、S829)。
【0060】
なお、上述した第2の実施の形態では、RTTと紐付けされた基地局をRTT順に並べ替え、さらに基地局の評価値に基づいて基地局を並べ替えてハンドオーバ先基地局を決定したが、基地局の評価値に基づいて基地局を並べ替え、その後にRTT順に基地局を並べ替えてハンドオーバ先基地局を決定するようにしても良い。
【0061】
また、上述した実施の形態では、基地局が端末から通信可能基地局リストを取得して、基地局がハンドオーバ先基地局を決定したが、端末が基地局からRTTと紐付けされた基地局リストを取得して、端末がハンドオーバ先基地局を決定するようにしても良い。
【符号の説明】
【0062】
101,102〜102,201,202〜202 基地局
104,204 端末
211 対端末通信部
212 対基地局通信部
213 基地局記憶部
214、214a 基地局制御部
221 端末通信部
222 通信状態計測部
223、223a 端末制御部
301 処理遅延計測部
302 処理遅延紐付け部
303 基地局リスト並べ替え部
304 ハンドオーバ先判断部
305 ハンドオーバ候補基地局リスト並べ替え部
401 通信状態判断部
402 ハンドオーバ要求判断部
403 通信可能基地局リスト作成部
404 基地局評価部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線端末装置と、前記無線端末装置との間で無線通信を実行する基地局装置と、を含み、複数の前記基地局装置間での通信が可能な無線通信システムにおける通信方法において、
前記無線端末装置と接続中の前記基地局装置が、前記無線端末装置から、前記無線端末装置と通信可能な複数の基地局装置に関する情報を取得する取得ステップと、
前記無線端末装置と接続中の前記基地局装置が、前記取得ステップにより取得された前記複数の基地局装置に関する情報と、前記基地局装置間の通信における処理時間に関する値と、に基づいて、前記無線端末装置と通信接続する接続先基地局装置を決定する決定ステップと、を含む、ことを特徴とする通信方法。
【請求項2】
前記決定ステップでは、
前記基地局装置間の通信における処理時間に関する値から、前記取得ステップで取得された前記複数の基地局装置に関する情報における各基地局装置の負荷状態を推定し、推定された前記各基地局装置の負荷状態に基づいて、前記配下の無線端末装置と通信接続する接続先基地局装置を決定する、ことを特徴とする請求項1に記載の通信方法。
【請求項3】
無線端末装置と、前記無線端末装置との間で無線通信を実行する基地局装置と、を含み、複数の前記基地局装置間での通信が可能な無線通信システムにおける通信方法において、
前記無線端末装置と接続中の前記基地局装置が、前記無線端末装置から、前記無線端末装置と通信可能な複数の基地局装置との間の通信状態に関する評価値を含む、前記無線端末装置と通信可能な複数の基地局装置に関する情報を取得する取得ステップと、
前記無線端末装置と接続中の前記基地局装置が、前記取得ステップにより取得された前記評価値を含む複数の基地局装置に関する情報と、前記基地局装置間の通信における処理時間に関する値と、に基づいて、前記無線端末装置と通信接続する接続先基地局装置を決定する決定ステップと、を含む、ことを特徴とする通信方法。
【請求項4】
前記決定ステップでは、前記基地局装置間の通信における処理時間に関する値が閾値未満の基地局装置の中で、前記評価値が最も高い基地局装置を、前記無線端末装置と通信接続する接続先基地局装置と決定する、ことを特徴とする請求項3に記載の通信方法。
【請求項5】
前記決定ステップでは、前記基地局装置間の通信における処理時間に関する値が閾値未満の基地局装置の中で、少なくとも前記評価値が最も低い基地局装置を、前記無線端末装置と通信接続する接続先基地局装置から除外する、ことを特徴とする請求項3に記載の通信方法。
【請求項6】
前記基地局装置間の通信における処理時間に関する値は、前記基地局装置間の往復通信遅延時間である、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の通信方法。
【請求項7】
前記基地局装置間の通信における処理時間に関する値は、前記基地局装置とのネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)通信に基づく値である、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の通信方法。
【請求項8】
基地局装置間の通信における処理時間に関する値を取得する通信処理時間取得部と、
接続中の無線端末装置から、当該無線端末装置と通信可能な複数の基地局装置に関する情報を取得する基地局情報取得部と、
前記基地局情報取得部で取得された前記複数の基地局装置に関する情報と、前記通信処理時間取得部で取得された前記基地局装置間の通信における処理時間に関する値と、に基づいて、前記無線端末装置と通信接続する接続先基地局装置を決定する決定部と、
を備える、ことを特徴とする基地局装置。
【請求項9】
基地局装置間の通信における処理時間に関する値を取得する通信処理時間取得部と、
接続中の無線端末装置から、前記無線端末装置と通信可能な複数の基地局装置との間の通信状態に関する評価値を含む、前記無線端末装置と通信可能な複数の基地局装置に関する情報を取得する基地局情報取得部と、
前記基地局情報取得部で取得された前記評価値を含む複数の基地局装置に関する情報と、前記通信処理時間取得部で取得された前記基地局装置間の通信における処理時間に関する値と、に基づいて、前記無線端末装置と通信接続する接続先基地局装置を決定する決定部と、
を備える、ことを特徴とする基地局装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−10254(P2011−10254A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−229931(P2009−229931)
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】