説明

通信端末、通信システム及びプログラム

【課題】使用中の通信端末と他の通信端末とを所持するだけで、ユーザが両者を使い分けられるようにする。
【解決手段】通信端末は、許可情報を有する場合に、ネットワーク通信が許可される。また、通信端末は、ネットワーク通信を行うための第1通信部とは別に、ネットワークを介しない第2通信部(近距離無線通信など)を備える。通信端末100aが許可情報を最初に有しているとすると、通信端末100aによるネットワーク通信は許可されるが(S3)、通信端末100bによるネットワーク通信は許可されない(S7)。ここにおいて、通信端末100aは、第2通信部を介して、許可情報を通信端末100bに送信するとともに、許可情報を消去する(S15、S16)。これ以降は、通信端末100bによるネットワーク通信が許可され(S19)、通信端末100aによるネットワーク通信が許可されなくなる(S27)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の通信端末を使い分ける技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機は、多機能化により、それぞれの機種毎の特徴を有しているものが増えている。かかる携帯電話機には、例えば、高性能のカメラが搭載されたものや、入力手段としてタッチスクリーンを備えたものなどがある。また、電話としての機能に特化した、薄型・小型な携帯電話機もある。携帯電話機のユーザにあっては、このような携帯電話機を複数台所有し、これを機能や用途に応じて使い分けたいという需要が生じている。
【0003】
また、携帯電話機には、SIM(Subscriber Identity Module)カード等の記録媒体を装着することによって利用可能になるものがある。この種の携帯電話機を複数台所有するユーザにあっては、携帯電話機を使い分けようとするたびに上記記録媒体を差し替えなければならないという事態が生じる。
【0004】
特許文献1には、SIMカードを赤外線リモコンに装着し、この赤外線リモコンから移動端末に加入者IDを送信することが記載されている。しかし、特許文献1に記載された技術によったのでは、移動端末を携帯しながら使い分けるためには、複数の移動端末だけでなく赤外線リモコンをも携帯しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−134796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、使用中の通信端末と他の通信端末とを所持するだけで、ユーザが両者を使い分けられるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る通信端末は、ネットワーク通信が自端末と他の通信端末のいずれかに択一的に許可される通信端末であって、自端末の端末識別情報を記憶する第1記憶部と、前記ネットワーク通信が許可される場合に、当該ネットワーク通信が許可される通信端末を識別するための許可情報を記憶する第2記憶部と、前記第1記憶部に記憶された端末識別情報と前記第2記憶部に記憶された許可情報とを、前記ネットワーク通信を制御する通信制御装置にネットワークを介して送信し、前記ネットワーク通信を行う第1通信部と、前記第2記憶部に記憶された許可情報を、前記ネットワークを介しない接触又は非接触の通信により他の通信端末と送受信する第2通信部と、前記第2通信部により前記許可情報が受信されると、当該許可情報を前記第2記憶部に記憶させ、前記第2通信部により前記許可情報が送信されると、前記第2記憶部に記憶された許可情報を無効にする情報制御部とを備える構成を有する。
【0008】
好ましい態様において、前記通信端末は、前記第1通信部による送信に先立ち、前記第2記憶部に記憶された許可情報を所定の規則で書き換える書換部を備える。
他の好ましい態様において、前記通信端末は、自端末と前記他の通信端末とにおいて利用可能なユーザデータを記憶する第3記憶部を備え、前記第1通信部が、前記第3記憶部に記憶されたユーザデータを、前記端末識別情報及び前記許可情報とともに送信する。
他の好ましい態様において、前記通信端末は、自端末と前記他の通信端末とにおいて利用可能なユーザデータを記憶する第3記憶部を備え、前記第2通信部が、前記第3記憶部に記憶されたユーザデータを、前記許可情報とともに送信する。
他の好ましい態様において、前記通信端末は、自端末の位置を表す位置情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された位置情報が表す位置があらかじめ決められた領域に含まれない場合に、前記第2通信部により前記許可情報が送受信されないように制御する送受信制御部とを備える。
他の好ましい態様において、前記通信端末は、自端末の位置を表す第1位置情報を取得する第1取得部と、前記他の通信端末の位置を表す第2位置情報を取得する第2取得部と、前記第1取得部により取得された第1位置情報が表す位置と前記第2取得部により取得された第2位置情報が表す位置との差が閾値を超える場合に、前記第2通信部により前記許可情報が送受信されないように制御する送受信制御部とを備える。
他の好ましい態様において、前記通信端末は、前記第2記憶部が、自端末と異なる通信端末の前記端末識別情報を記憶し、前記第2通信部が、前記許可情報を送信する前に、前記他の通信端末の前記端末識別情報を受信し、前記第2通信部により受信された端末識別情報が前記第2記憶部に記憶されていない場合に、前記第2通信部により前記許可情報が送受信されないように制御する制御部を備える。
【0009】
本発明の他の態様に係る通信システムは、第1通信端末及び第2通信端末と、前記第1通信端末及び前記第2通信端末によるネットワーク通信を択一的に許可する通信制御装置とを有し、前記第1通信端末及び前記第2通信端末は、それぞれ、自端末の端末識別情報を記憶する第1記憶部と、前記ネットワーク通信が許可される場合に、当該ネットワーク通信が許可される通信端末を識別するための許可情報を記憶する第2記憶部と、前記第1記憶部に記憶された端末識別情報と前記第2記憶部に記憶された許可情報とを、前記ネットワーク通信を制御する通信制御装置にネットワークを介して送信し、前記ネットワーク通信を行う第1通信部と、前記第2記憶部に記憶された許可情報を、前記ネットワークを介しない接触又は非接触の通信により他方の通信端末と送受信する第2通信部と、前記第2通信部により前記許可情報が受信されると、当該許可情報を前記第2記憶部に記憶させ、前記第2通信部により前記許可情報が送信されると、前記第2記憶部に記憶された許可情報を無効にする情報制御部とを備え、前記通信制御装置は、前記第1通信部により送信された端末識別情報及び許可情報を受信する受信部と、前記受信部により端末識別情報及び許可情報が受信された場合に、当該情報を送信した通信端末に前記ネットワーク通信を許可する許可部とを備える構成を有する。
【0010】
本発明の他の態様に係るプログラムは、ネットワーク通信が自端末と他の通信端末のいずれかに択一的に許可される通信端末であって、自端末の端末識別情報を記憶する第1記憶部と、前記ネットワーク通信が許可される場合に、当該ネットワーク通信が許可される通信端末を識別するための許可情報を記憶する第2記憶部と、前記ネットワーク通信を制御する通信制御装置とネットワークを介して通信する第1通信部と、前記ネットワークを介しない接触又は非接触の通信により他の通信端末と通信する第2通信部とを備える通信端末のコンピュータに、前記第1記憶部に記憶された端末識別情報と前記第2記憶部に記憶された許可情報とを、前記ネットワーク通信を制御する通信制御装置にネットワークを介して送信するステップと、前記第2記憶部に記憶された許可情報を、前記第2通信部を介して前記他の通信端末と送受信するステップと、前記許可情報が受信されると、当該許可情報を前記第2記憶部に記憶させ、前記許可情報が送信されると、前記第2記憶部に記憶された許可情報を無効にするステップとを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、使用中の通信端末と他の通信端末とを所持するだけで、ユーザが両者を使い分けられるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】通信システムの構成を示すブロック図
【図2】通信端末の構成を示すブロック図
【図3】通信端末の機能的構成を示す機能ブロック図
【図4】通信制御装置の構成を示すブロック図
【図5】ネットワークへのアタッチに関する動作を示すシーケンスチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施形態]
図1は、本発明の一実施形態である通信システムの構成を示すブロック図である。本実施形態の通信システム10は、図1に示すように、通信端末100a、100b、100cと、複数の基地局200と、通信制御装置300とを備える無線通信ネットワーク内に構成されている。基地局200及び通信制御装置300は、無線通信ネットワーク(以下、単に「ネットワーク」という。)を構成するノードの一部であり、所定の通信事業者により設けられる設備である。基地局200は、通信端末100a、100b、100cと無線で通信する。基地局200には、それぞれ、自局による通信が及ぶ範囲がある。この範囲のことを、以下においては「通信エリア」という。通信制御装置300は、複数の基地局200と接続し、通信端末100a、100b、100cのアクセス制御を行う。
【0014】
通信端末100a、100b、100cは、上記通信事業者により提供される無線通信サービスを利用して無線通信を行う無線通信端末である。本実施形態において、通信端末100a、100b、100cは、同一のユーザが使用する携帯電話機であるとする。通信端末100a、100b、100cは、後述する機能を少なくとも共通に有するが、それぞれ、細部においては他の端末と異なり得る。通信端末間の相違は、例えば、形状(大きさ、厚さなど)や各部の機能(音質、入力手段、カメラの有無やその性能など)にある。通信端末100a、100b、100cは、本実施形態においては、無線通信サービスを利用して通話及び電子メールの送受信を行い得るものであるとする。
【0015】
なお、本発明において、同一のユーザが使用する通信端末の数は、図1においては3台であるが、複数(2台以上)であれば何台であってもよい。また、以下において、通信端末100a、100b、100cのそれぞれを区別しない場合には、これを「通信端末100」と総称する。
【0016】
図2は、通信端末100の構成を示すブロック図である。通信端末100は、図2に示すように、制御部110と、SIMスロット120と、記憶部130と、第1通信部140と、第2通信部150と、測位部160と、出力部170と、操作部180とを備える。
なお、図2に示す構成は、通信端末100a、100b、100cに共通する構成の一部である。よって、通信端末100a、100b、100cのそれぞれは、他の構成(ラジオやテレビジョンのチューナ、カメラ、各種センサなど)を有していてもよいものである。しかし、かかる他の構成は、いずれも必須の構成ではない。
【0017】
制御部110は、通信端末100の各部の動作を制御する手段である。制御部110は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置や主記憶装置に相当する記憶手段(メインメモリ)とを備え、プログラムを実行することで各部の制御を実現する。制御部110による制御には、記憶部130に対するデータの読み書き、第1通信部140を介したネットワーク通信の制御、第2通信部150を介した通信の制御などが含まれる。
【0018】
SIMスロット120は、SIM121を着脱可能な部分であり、装着されたSIM121に記憶されたデータを読み出す手段である。SIMスロット120は、SIM121から読み出したデータを制御部110に供給する。SIMスロット120がSIM121から読み出し、制御部110に供給するデータは、ユーザを識別するための識別情報(以下「ユーザ識別情報」という。)を少なくとも含む。ユーザ識別情報は、例えば、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)である。
【0019】
SIM121は、ユーザ識別情報を記憶する記録媒体であり、典型的にはカード状である。なお、SIM121は、ユーザ1名につき1つである。また、ここでいう「SIM」は、広義的な意味で用いられたものであり、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式において用いられるUIM(User Identity Module)などを含み得るものである。
【0020】
記憶部130は、補助記憶装置に相当する記憶手段を備え、制御部110により用いられるデータを記憶する。記憶部130の記憶手段は、例えば、フラッシュメモリやハードディスクである。また、記憶部130の記憶手段は、物理的に複数に分かれていてもよい。例えば、記憶部130の記憶手段は、その一部がリムーバブルメディア(着脱可能な記憶手段)であってもよい。記憶部130は、端末識別情報を記憶する第1記憶領域と、許可情報を記憶する第2記憶領域と、ユーザデータを記憶する第3記憶領域とを有する。また、記憶部130は、SIM121に記憶されたユーザ識別情報をコピーして記憶することも可能である。
【0021】
端末識別情報は、自端末を識別するための情報であり、通信端末100を他の通信端末と区別するための情報である。端末識別情報は、例えば、通信端末の製造番号である。端末識別情報は、通信端末毎に一意的なものであり、異なる通信端末間で重複することがないデータである。端末識別情報のユーザ識別情報との相違点は、ユーザ識別情報が(ユーザが同一であれば)異なる通信端末間で共通の値として保持されるものである一方で、端末識別情報が異なる通信端末間では共通することがないものである点にある。
端末識別情報は、基本的に書き換える必要がないものである。よって、第1記憶領域は、ROM(Read Only Memory)によって構成されていてもよい。第1記憶領域は、本発明に係る第1記憶部の一例に相当するものである。
【0022】
許可情報は、ネットワークを介したネットワーク通信(すなわち、第1通信部140を用いた通信)が許可される通信端末を識別するための情報である。許可情報は、あらかじめ決められた一定の値でもよいが、望ましくは、通信端末間での送受信毎に書き換えられる値である。また、許可情報の書き換えは、通信端末間で送受信が行われる毎ではなく、定期的又は周期的に行われてもよい。第2記憶領域は、本発明に係る第2記憶部の一例に相当するものである。
【0023】
ユーザデータは、上述したユーザ識別情報、端末識別情報及び許可情報のいずれとも異なるデータであり、自端末と他の通信端末のいずれにおいても利用可能なデータである。ユーザデータは、例えば、アドレス帳や通信履歴のような電話番号又はメールアドレスを記録したデータであってもよいし、画像データや音声データであってもよい。第3記憶領域は、本発明に係る第3記憶部の一例に相当するものである。
【0024】
第1通信部140は、ネットワークを介してネットワーク通信を行う手段である。すなわち、第1通信部140は、基地局200と通信を行うものである。一方、第2通信部150は、ネットワークを介さずに、他の通信端末と直接通信を行う手段である。第2通信部150による通信は、接触又は非接触の通信である。かかる通信は、RFID(Radio Frequency IDentification)を利用したものであってもよいし、他の近距離無線方式(赤外線通信など)に準拠したものであってもよい。なお、第2通信部150の通信範囲(通信が可能な範囲)は、それほど広範囲である必要はなく、数mあれば十分である。また、第2通信部150の通信範囲は、許可情報が意図せぬ他の通信端末に送信されないようにするという観点では、なるべく狭いことが望ましい。
【0025】
測位部160は、自端末の位置(又はこれと同一視し得る位置)を表す位置情報を取得する手段である。位置情報を取得することにより自端末の位置を計測することを、以下においては「測位」という。測位部160による測位の方式は、例えば、GPS(Global Positioning System)を用いるものである。この場合、測位部160は、いわゆる単独測位(ネットワークによる補助を要しない測位)を行えるものであることが望ましい。測位部160は、位置情報を取得すると、これを制御部110に供給する。
【0026】
出力部170は、ユーザに知らせる情報を出力する手段である。本実施形態において、情報を出力する態様には、画像の表示や音声の再生が含まれ得る。すなわち、出力部170は、画像を表示する表示手段(液晶ディスプレイ等)や、音声を再生する再生手段(スピーカ等)を含み得る。出力部170による出力の態様は、以下においては画像の表示を少なくとも含むものとするが、これに代替する態様(例えば自動音声や警告音の発音)で行われたり、あるいはこれらを併用して行われたりするものであってもよい。
【0027】
操作部180は、ユーザの操作を受け付ける入力手段である。操作部180は、入力手段として、キーパッドやポインティングデバイスを備える。また、操作部180は、表示手段に重ねて設けられたタッチスクリーンを含んでもよい。操作部180は、ユーザから操作を受け付けると、受け付けた操作を表す操作情報を制御部110に供給する。
【0028】
通信端末100は、以上の構成のもと、ネットワークへのアタッチ(帰属・登録)を要求し、この要求が通信制御装置300によって許可されると、ネットワークにアタッチされてネットワーク通信が行える状態になる。ネットワークへのアタッチは、通信端末100の電源投入時や、通信端末100がいわゆる圏外の状態(いずれの基地局200の通信エリアにも入っていない状態)からいずれかの基地局200の通信エリアに移動したときや、通信端末100がある基地局200の通信エリアから別の基地局200の通信エリアに移動したときなどに行われる。
【0029】
図3は、通信端末100のネットワークへのアタッチに関する機能的構成を示す機能ブロック図である。通信端末100の制御部110は、プログラムを実行することによって、図3に示す第1通信制御部111、第2通信制御部112、書換部113、消去部114、位置情報取得部115及び送信制御部116に相当する機能を実現する。第1通信制御部111は、第1通信部140によるネットワーク通信を制御する手段として機能するものである。第1通信制御部111は、ユーザ識別情報、端末識別情報及び許可情報を読み出し、これを第1通信部140に送信させる。第2通信制御部112は、第2通信部150による接触又は非接触の通信を制御する手段として機能するものである。第2通信制御部112は、ユーザ識別情報及び許可情報を読み出して送信させ、又はこれらを受信させる。第2通信制御部112は、ユーザ識別情報及び許可情報が受信された場合には、これを記憶部130に記憶させる。第2通信制御部112の受信時の動作は、本発明に係る情報制御部を実現するものである。
【0030】
書換部113は、第1通信制御部111による送信に先立ち、許可情報を所定の規則で書き換える。許可情報を書き換える規則は、ユーザ以外の第三者に許可情報を容易に知られないようにするために、適当に定められる。例えば、書換部113は、ワンタイムパスワードを生成するための周知の方法を用いて許可情報を書き換えてもよいし、あらかじめ決められた(すなわち、通信端末100と通信制御装置300とで復号可能な)暗号化アルゴリズムを用いて許可情報の書き換え(この場合、暗号化)を行ってもよい。また、書換部113は、データ中に有効期限を含み、当該期限後には無効になるデータを許可情報に用いてもよい。
【0031】
消去部114は、書換部113により書き換えられた許可情報が第2通信制御部112により送信された場合に、第2記憶領域に記憶された許可情報を無効にするために、当該許可情報を当該第2記憶領域から消去する。消去部114は、本発明に係る情報制御部の一例に相当するものである。
【0032】
位置情報取得部115は、自端末の位置情報と他の通信端末の位置情報とを取得する。以下においては、これらを区別するため、前者を「第1位置情報」といい、後者を「第2位置情報」という。位置情報取得部115は、測位部160を介して第1位置情報を取得し、第2通信部150を介して第2位置情報を取得する。第2位置情報は、他の通信端末における測位によって、あらかじめ取得されている。位置情報取得部115は、本発明に係る取得部(第1取得部、第2取得部を含む。)の一例に相当するものである。
【0033】
送信制御部116は、位置情報取得部115により取得された位置情報に基づいて、許可情報の他の通信端末への送信を制御する。本実施形態において、送信制御部116は、第1位置情報が表す位置と第2位置情報が表す位置との差(すなわち距離)を算出し、その距離が所定の閾値を超えるか否かによって許可情報の送信を制御する。送信制御部116は、上記距離が閾値を超える場合に、自端末と他の通信端末とが接近していないとみなし、許可情報が送信されないように(すなわち、外部に出力されないように)制御する。送信制御部116が用いる閾値は、第一に、第2通信部150による通信が可能な距離に依存し、第二に、測位部160による測位の誤差に依存する。つまり、この閾値は、第2通信部150による通信が可能な程度の距離を基本に、測位の誤差を加算して設定される。送信制御部116は、本発明に係る送受信制御部の一例に相当するものである。
【0034】
図4は、通信制御装置300の構成を示すブロック図である。通信制御装置300は、図4に示すように、制御部310と、記憶部320と、通信部330とを備える。制御部310は、通信制御装置300の各部の動作を制御する手段である。制御部310は、通信端末100からネットワークへのアタッチが要求された場合に、これを許可するか否かを判断する。制御部310は、本発明に係る許可部の一例に相当するものである。記憶部320は、上述した判断に必要なデータを記憶する手段である。記憶部320は、ユーザ識別情報、端末識別情報及び許可情報を記憶可能である。また、記憶部320は、必要に応じて、ユーザデータを記憶することも可能である。通信部330は、基地局200を含むネットワーク内の他のノードと通信を行う手段である。通信部330は、基地局200を介して、通信端末100からユーザ識別情報、端末識別情報及び許可情報を受信する。通信部330は、本発明に係る受信部の一例に相当するものである。
【0035】
本実施形態の通信システム10の構成は、以上のとおりである。この構成のもと、通信端末100のユーザは、通信端末100a、100b、100cのうちのいずれかにSIM121を装着し、これを使用する。また、通信制御装置300は、通信端末100a、100b、100cのいずれかに対し、ネットワーク通信を択一的に許可する。以下においては、SIM121は、通信端末100aに装着されているものとする。本実施形態において、ユーザは、通信端末100を使い分ける場合には、SIM121を差し替えずに、第2通信部150による接触又は非接触の通信(比較的近距離の通信)によって権限の移行を行うことができる。ここでいう権限は、ネットワーク通信を行うための権限である。
【0036】
図5は、通信端末100のネットワークへのアタッチに関する動作を示すシーケンスチャートである。図5の例は、(SIM121が装着されている)通信端末100aから(SIM121が装着されていない)通信端末100bに権限を移行する場合を示すものである。このとき、ユーザは、少なくとも通信端末100a及び100bを所持しているものとする。
【0037】
通信端末100aは、適当なタイミングでネットワークへのアタッチを試みる。このとき、通信端末100aは、ユーザ識別情報、端末識別情報及び許可情報を送信する(ステップS1)。通信制御装置300は、複数の基地局200のいずれかを介してこれらの情報を受信する(ステップS2)。通信制御装置300は、アタッチの際に許可情報を送信してきた通信端末100aに対しては、ネットワーク通信を許可する(ステップS3)。また、通信制御装置300は、ユーザ識別情報、端末識別情報及び許可情報を対応付けて記憶部320に記憶する(ステップS4)。ステップS4において記憶されるユーザ識別情報、端末識別情報及び許可情報の組合せのことを、以下においては「権限情報」という。なお、通信制御装置300は、いわゆる位置登録をこのときにあわせて実行するものであってもよい。
【0038】
ステップS4において、通信制御装置300は、権限情報が同一の組合せで既に記憶されている場合には、同じものを再度記憶させる必要がない。また、通信制御装置300は、ユーザ識別情報が同一であるが、端末識別情報及び許可情報が異なる権限情報の組合せが既に記憶されている場合には、当該権限情報の端末識別情報及び許可情報のみを書き換えるようにすればよい。つまり、通信制御装置300は、1名のユーザにつき1つの権限情報を記憶していればよい。
【0039】
一方、通信端末100bがネットワークへのアタッチを試みる場合、通信端末100bは、ユーザ識別情報と許可情報を未取得であるため、これらを送信することができない。よって、通信端末100bは、端末識別情報のみを送信する(ステップS5)。通信制御装置300は、かかる情報を基地局200を介して受信した場合には(ステップS6)、ネットワーク通信を許可しない(ステップS7)。なお、通信端末100bは、許可情報がない場合には、そもそもネットワークへのアタッチを試みることができないように制御してもよい。
【0040】
ユーザは、使用する通信端末100を通信端末100aから通信端末100bに切り替える場合に、権限を移行するための操作を行う。この操作は、他の操作と区別可能なものであれば、どのような操作であってもよい。以下においては、権限を移行するための操作のことを「移行操作」という。なお、通信端末100aは、第2通信部150による通信がロック(制限)されている場合には、移行操作によって当該ロックを解除する。
【0041】
通信端末100aは、移行操作を検知すると(ステップS8)、第2通信部150による通信端末100bとの通信を試み、測位の実行を指示する(ステップS9)。なお、通信端末100aが移行操作を検知した状態とは、操作部180が移行操作を表す操作信号を供給し、制御部110がこれを取得して認識した状態のことである。また、通信端末100aは、これに並行するように、自端末においても測位を実行し、位置情報(第1位置情報)を取得する(ステップS10)。通信端末100bも、ステップS9における通信端末100aからの指示に応じて、測位を実行する(ステップS11)。通信端末100bは、測位により位置情報(第2位置情報)を取得すると、これを第2通信部150を介して通信端末100aに送信する(ステップS12)。
【0042】
通信端末100aは、第1位置情報及び第2位置情報を取得すると、それぞれが表す位置の距離を算出し、その距離が閾値を超えないか判断する(ステップS13)。なお、通信端末100aは、算出した距離が閾値を超える場合には、権限の移行が正当に行われていないとみなし、ステップS14以降の処理を実行しないようにする。
【0043】
一方、通信端末100aは、算出した距離が閾値を超えない場合には、権限の移行が正当に行われているとみなす。この場合、通信制御装置300は、許可情報を所定の規則で書き換える(ステップS14)。続いて、通信端末100aは、第2通信部150を介して、書き換えた許可情報をユーザ識別情報とともに通信端末100bに送信する(ステップS15)。許可情報の送信が正しく行われたら、通信端末100aは、第2記憶領域に記憶されている許可情報を消去する(ステップS16)。
【0044】
通信端末100bは、許可情報及びユーザ識別情報を受信すると、これに用いてネットワークへのアタッチを試みる(ステップS17)。このとき、通信端末100bは、ステップS14において受信した許可情報及びユーザ識別情報と、第1記憶領域に記憶された端末識別情報とを送信する。通信制御装置300は、基地局200を介してこれらの情報を受信する(ステップS18)。このとき、通信制御装置300は、ステップS7のときと異なり、通信端末100bに対してネットワーク通信を許可する(ステップS19)。なぜならば、ステップS17において受信される情報は、ステップS6において受信された情報と異なり、許可情報が含まれているためである。
【0045】
通信制御装置300は、通信端末100bに対してネットワーク通信を許可する場合に、権限情報を書き換える(ステップS20)。このとき、通信制御装置300は、ユーザ識別情報を書き換えずに、端末識別情報及び許可情報を新しいものに書き換える。また、通信制御装置300は、権限情報の書き換えを終えると、通信端末100a及び100bに対してその旨を通知する(ステップS21、S22、S23、S24)。通信端末100a及び100bは、この通知に応じて、権限の移行が正常に行われたことをユーザに報知してもよい。この報知は、例えば、表示手段による画像の表示や再生手段による音声の再生によって実現可能である。
【0046】
なお、通信端末100aは、権限が移行された後は、権限が再度移行されるまで、ネットワークへのアタッチを行うことができない。つまり、図5に示す状態においては、通信端末100aは、ユーザ識別情報や端末識別情報を再度送信しても(ステップS25、S26)、ネットワーク通信が許可されない。通信制御装置300は、上述したステップS6のときと同様の理由により、通信端末100aに対してネットワーク通信を許可しない(ステップS27)。
【0047】
これ以降の権限の移行は、図5によって説明した動作と同様の要領によって可能である。ユーザは、通信端末100bから通信端末100aに権限を移行してもよいし、通信端末100bから通信端末100cに権限を移行してもよい。また、通信端末100は、いったんユーザ識別情報を受信したら、これを削除することなく記憶し続けることが可能である。このようにすれば、2回目以降の権限の移行に際しては、第2通信部150によるユーザ識別情報の送受信を省略することが可能である。つまり、通信端末100は、SIM121が装着されていない状態においても、ユーザ識別情報を記憶部120に記憶しておくことが可能である。
【0048】
以上のとおり、本実施形態の通信システム10によれば、許可情報を複数の通信端末100の間で送受信し、これを通信制御装置300に記憶させることで、SIM121を差し替えなくても複数の通信端末100を使い分けることが可能になる。これにより、ユーザは、通信端末100をより簡単に使い分けることができるようになる。また、通信端末100は、権限の移行を距離的に制限することによって、例えば、意図しない第三者が遠隔から(不正に)権限を移行しようとすることを妨げることが可能である。ここでいう距離的な制限には、第2通信部150の性能(通信範囲)に起因する制限と、位置情報に基づく2端末間の距離に起因する制限とが含まれる。
【0049】
なお、本発明は、ユーザが複数の通信端末100を所持する場合において、ネットワーク通信を行い得る通信端末100を1台に制限しようとするものである。よって、権限のない通信端末100であっても、ネットワーク通信以外の動作(例えば、付属のカメラによる撮影や、音楽の再生など)であれば、これが制限される必要はない。よって、本発明は、例えば、ある通信端末100にカメラが搭載されている場合に、権限のない状態で撮影を実行し、撮影した画像を権限の移行後に電子メールに添付して送信する、といった利用も可能である。
【0050】
[変形例]
上述した実施形態は、本発明の実施の一例にすぎない。本発明は、上述した実施形態に対して以下の変形を適用した態様で実施することも可能である。なお、以下に示す変形例は、必要に応じて、各々を適当に組み合わせて実施されてもよいものである。
【0051】
(変形例1)
通信端末は、権限の移行に際し、ユーザデータの送受信を行ってもよい。これにより、ユーザは、一方の通信端末で使用していたユーザデータを、他方の通信端末においても使用することが可能となる。ユーザデータを送受信する方法は、第1通信部を用いるもの(ネットワーク通信を用いるもの)と、第2通信部を用いるもの(ネットワーク通信を用いないもの)の2通りある。図5を用いてこれらの各方法を説明すると、以下のとおりである。
【0052】
第1通信部140を用いる場合、通信端末100aは、ステップS15より前(許可情報を送信する前)の適当なタイミングにおいて、必要なユーザデータを通信制御装置300に送信する。このとき送信するユーザデータは、記憶部120に記憶されたユーザデータの一部だけであってもよい。通信制御装置300は、このユーザデータを、権限情報と対応付けて記憶部320に記憶する。その後、通信制御装置300は、ステップS19においてネットワークへのアタッチを許可すると、アタッチを許可した通信端末100bにユーザデータを送信する。この方法によれば、大容量のユーザデータを送受信する場合であっても、第2通信部150による通信を短時間で済ませることが可能となる。
【0053】
一方、第2通信部150を用いる場合、通信端末100aは、ステップS15において、ユーザデータを許可情報とともに送信する。この方法によれば、通信制御装置300にユーザデータを記憶させる必要がない。また、この方法によれば、ネットワーク通信が不要であるため、例えば通信端末100が圏外の状態にあるときであってもユーザデータを移行させることが可能である。
【0054】
なお、ここでいうユーザデータは、メインメモリに記憶されているデータや、いわゆるクリップボードに記憶されているデータを含み得る。かかるユーザデータは、例えば、コピー・アンド・ペーストを行う際の操作によってコピーされたデータや、電子メール等の書きかけの文章に相当する文字列のデータなどである。このようにすれば、権限の移行前の通信端末で行っていた作業を権限の移行後の通信端末において継続することが容易になる。
【0055】
(変形例2)
本発明において、位置情報の利用は、権限の移行に際して必須ではない。すなわち、本発明に係る通信端末は、位置情報を取得する手段や、位置情報に基づいて許可情報の送信を制御する手段を備えていなくてもよいものである。
【0056】
また、位置情報を利用する方法は、上述した実施形態の方法に限定されない。本発明には、権限の移行が可能な領域(エリア)をあらかじめ決めておき、通信端末がかかる領域内にある場合に許可情報の送受信が行われ、通信端末がかかる領域にない場合に許可情報の送受信が行われないように制御されるものであってもよい。この場合において、かかる制御を行うのは、許可情報を送信する側の通信端末であってもよいし、許可情報を受信する側の通信端末であってもよい。すなわち、かかる制御は、許可情報の送信を制御するものであってもよいし、許可情報の受信を制御するものであってもよいということである。
【0057】
(変形例3)
本発明は、権限の移行が可能な通信端末があらかじめ決められており、かかる通信端末が通信制御装置に事前に設定されているものであってもよい。これを実現するためには、権限の移行が可能な通信端末の端末識別情報があらかじめ権限情報に対応付けて記憶されていればよい。かかる端末識別情報は、ユーザがあらかじめ設定しておけばよい。このようにすれば、意図しない通信端末に権限が移行することをより確実に防ぐことが可能である。
【0058】
(変形例4)
上述した実施形態における許可情報の「消去」は、許可情報を無効にするための一態様である。すなわち、上述した実施形態の消去部114は、許可情報を無効にする手段(本発明に係る情報制御部)の一例にすぎないものである。本発明に係る情報制御部は、消去部114のほかにも、例えば、権限が再度移行されるまで許可情報の読み出しを禁止するようなアクセス制御によっても実現可能である。
【0059】
(変形例5)
本発明において、許可情報の書き換えは、必須の動作ではない。すなわち、本発明に係る通信端末は、書換部を備えないものであってもよい。
また、本発明において、許可情報の書き換えは、移行操作の検知後に限らず、その検知前に行われてもよいものである。
【0060】
(変形例6)
本発明における測位は、GPSによるものに限らず、類似する他の方式を用いることも可能である。例えば、本発明は、通信端末が無線通信端末である場合には、基地局から受信した電波に基づいて位置を推定することが可能である。なぜならば、ある基地局からの電波を受信できる通信端末は、その基地局の通信エリア内にあることが確かであるといえるからである。この場合、基地局の位置が既知であれば、通信エリアも概ね既知の範囲であり、通信エリア内にある通信端末の位置も推測可能である。
【0061】
(変形例7)
本発明によれば、SIMを必要とする通信端末は1台のみである。よって、他の通信端末は、SIMを着脱する手段を備えていなくてもよい。
また、本発明に係る通信端末は、携帯電話機に限らず、例えば、PDA(Personal Digital Assistant)やパーソナルコンピュータであってもよい。また、本発明に係る通信端末による通信は、有線と無線のいずれであってもよい。
【0062】
さらに、本発明は、通信端末やこれを含む通信システムのみならず、これらを実現するための方法や、図3に示した機能をコンピュータに実現させるためのプログラムとしても把握されるものである。かかるプログラムは、これを記憶させた光ディスク等の記録媒体の形態で提供されたり、インターネット等のネットワークを介して、コンピュータにダウンロードさせ、これをインストールして利用可能にするなどの形態で提供されたりすることができるものである。
【符号の説明】
【0063】
10…通信システム、100、100a、100b、100c…通信端末、110…制御部、111…第1通信制御部、112…第2通信制御部、113…書換部、114…消去部、115…位置情報取得部、116…送信制御部、120…SIMスロット、121…SIM、130…記憶部、140…第1通信部、150…第2通信部、160…測位部、170…出力部、180…操作部、200…基地局、300…通信制御装置、310…制御部、320…記憶部、330…通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク通信が自端末と他の通信端末のいずれかに択一的に許可される通信端末であって、
自端末の端末識別情報を記憶する第1記憶部と、
前記ネットワーク通信が許可される場合に、当該ネットワーク通信が許可される通信端末を識別するための許可情報を記憶する第2記憶部と、
前記第1記憶部に記憶された端末識別情報と前記第2記憶部に記憶された許可情報とを、前記ネットワーク通信を制御する通信制御装置にネットワークを介して送信し、前記ネットワーク通信を行う第1通信部と、
前記第2記憶部に記憶された許可情報を、前記ネットワークを介しない接触又は非接触の通信により他の通信端末と送受信する第2通信部と、
前記第2通信部により前記許可情報が受信されると、当該許可情報を前記第2記憶部に記憶させ、前記第2通信部により前記許可情報が送信されると、前記第2記憶部に記憶された許可情報を無効にする情報制御部と
を備えることを特徴とする通信端末。
【請求項2】
前記第1通信部による送信に先立ち、前記第2記憶部に記憶された許可情報を所定の規則で書き換える書換部を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の通信端末。
【請求項3】
自端末と前記他の通信端末とにおいて利用可能なユーザデータを記憶する第3記憶部を備え、
前記第1通信部が、前記第3記憶部に記憶されたユーザデータを、前記端末識別情報及び前記許可情報とともに送信する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の通信端末。
【請求項4】
自端末と前記他の通信端末とにおいて利用可能なユーザデータを記憶する第3記憶部を備え、
前記第2通信部が、前記第3記憶部に記憶されたユーザデータを、前記許可情報とともに送信する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の通信端末。
【請求項5】
自端末の位置を表す位置情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された位置情報が表す位置があらかじめ決められた領域に含まれない場合に、前記第2通信部により前記許可情報が送受信されないように制御する送受信制御部と
を備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の通信端末。
【請求項6】
自端末の位置を表す第1位置情報を取得する第1取得部と、
前記他の通信端末の位置を表す第2位置情報を取得する第2取得部と、
前記第1取得部により取得された第1位置情報が表す位置と前記第2取得部により取得された第2位置情報が表す位置との差が閾値を超える場合に、前記第2通信部により前記許可情報が送受信されないように制御する送受信制御部と
を備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の通信端末。
【請求項7】
前記第2記憶部が、自端末と異なる通信端末の前記端末識別情報を記憶し、
前記第2通信部が、前記許可情報を送信する前に、前記他の通信端末の前記端末識別情報を受信し、
前記第2通信部により受信された端末識別情報が前記第2記憶部に記憶されていない場合に、前記第2通信部により前記許可情報が送受信されないように制御する制御部を備える
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の通信端末。
【請求項8】
第1通信端末及び第2通信端末と、前記第1通信端末及び前記第2通信端末によるネットワーク通信を択一的に許可する通信制御装置とを有し、
前記第1通信端末及び前記第2通信端末は、それぞれ、
自端末の端末識別情報を記憶する第1記憶部と、
前記ネットワーク通信が許可される場合に、当該ネットワーク通信が許可される通信端末を識別するための許可情報を記憶する第2記憶部と、
前記第1記憶部に記憶された端末識別情報と前記第2記憶部に記憶された許可情報とを、前記ネットワーク通信を制御する通信制御装置にネットワークを介して送信し、前記ネットワーク通信を行う第1通信部と、
前記第2記憶部に記憶された許可情報を、前記ネットワークを介しない接触又は非接触の通信により他方の通信端末と送受信する第2通信部と、
前記第2通信部により前記許可情報が受信されると、当該許可情報を前記第2記憶部に記憶させ、前記第2通信部により前記許可情報が送信されると、前記第2記憶部に記憶された許可情報を無効にする情報制御部とを備え、
前記通信制御装置は、
前記第1通信部により送信された端末識別情報及び許可情報を受信する受信部と、
前記受信部により端末識別情報及び許可情報が受信された場合に、当該情報を送信した通信端末に前記ネットワーク通信を許可する許可部と
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項9】
ネットワーク通信が自端末と他の通信端末のいずれかに択一的に許可される通信端末であって、
自端末の端末識別情報を記憶する第1記憶部と、
前記ネットワーク通信が許可される場合に、当該ネットワーク通信が許可される通信端末を識別するための許可情報を記憶する第2記憶部と、
前記ネットワーク通信を制御する通信制御装置とネットワークを介して通信する第1通信部と、
前記ネットワークを介しない接触又は非接触の通信により他の通信端末と通信する第2通信部と
を備える通信端末のコンピュータに、
前記第1記憶部に記憶された端末識別情報と前記第2記憶部に記憶された許可情報とを、前記ネットワーク通信を制御する通信制御装置にネットワークを介して送信するステップと、
前記第2記憶部に記憶された許可情報を、前記第2通信部を介して前記他の通信端末と送受信するステップと、
前記許可情報が受信されると、当該許可情報を前記第2記憶部に記憶させ、前記許可情報が送信されると、前記第2記憶部に記憶された許可情報を無効にするステップと
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−39239(P2012−39239A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175450(P2010−175450)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】