説明

通信端末および通信端末用付属物

【課題】通信端末の多様なイベント(特定の者からの着呼やメール着信、デジタルテレビ放送の受信等)を、可動部材の斬新な外形形状の変化によってユーザに報知すると共に、その際、大量のデータをメモリに保持データする必要を無くして回路構成の複雑化を抑制し、また、豊富な駆動パターンを実現し、その駆動パターンのバリエーションも簡単に増やすことができるようにし、通信端末の付加価値も高めること。
【解決手段】駆動パターンを記憶しておくのではなく、基礎信号を基にして、駆動パターン生成部10にて駆動パターン信号をリアルタイムで生成し、駆動パターン信号をアクチュエータ14に伝え、これにより、通信端末の付属物140(160)、または、通信端末100自体を構成する部材の形状を変化させて、発生したイベントをユーザに報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末および通信端末用付属物に関し、特に、外形形状の変化によりイベントを報知するための機能をもつ通信端末および通信端末用付属物に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末における着信を、外形形状の変化によってユーザに報知する方法が従来から提案されている。着信内容によって形状変化のパターンを異ならせる提案もある(例えば、
特許文献1〜特許文献3)。
【0003】
特許文献1には、電子メールを受信した際に、未読メールがある場合は、メールキーを突起形状に形状変化させ、未読メールがなくなったときに、メールキーを突起形状から通常形状に形状変化させる技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、呼び出しがあった場合、ページャ自体の外形形状を変化させて、呼び出しがあったことを携帯者に通知する外形変化型ページャ装置が開示されている。すなわち、ページャ本体を柔軟な変形可能部材で形成すると共に、その内部に、モータの回転により移動する移動部材を設け、移動部材の移動により変形可能部材を変形させて、ページャの外形形状を変化させる(例えば、円から四角形に変化させる)ものである。
【0005】
また、特許文献3には、通信機構とこの通信機構の信号を報知する報知機構とを、報知機構の内部又は外部に一体として設け、利便性を向上させた報知機構が開示されている。例えば、携帯端末の筐体の両脇に外形変形可能なロボットのアームを設け、かつ、このアームを変形させるための駆動源たるアクチュエータを設け、そして、通信状態に合わせて、そのアームを上下動させるものである。
【特許文献1】特開2003−134199号公報
【特許文献2】特開平10−262273号公報
【特許文献3】特開2000−92164号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術の場合、メールキーの突出/非突出の制御しかできないため、多様な通信状態の報知には適さず、また、外形形状の変化が局部的かつ単調であり、斬新性には欠ける。
【0007】
また、特許文献2記載の技術の場合、呼び出しを受けると、ページャの外形自体が変化するため斬新性はあるものの、その外形変化が機械構造に起因するものであり、より複雑な構造をもち、小型、軽量化、低コスト化が厳しく求められる携帯電話端末等の高度な通信端末に応用することは困難である。
【0008】
また、特許文献3記載の技術の場合、携帯電話端末にも応用可能ではあるが、アクチュエータは、予め決められている駆動パターンで駆動されるのみであり、したがって、通信端末の状態と駆動パターンの多様な対応付けがむずかしい。つまり、駆動パターンを多様化するためには、予め大量の着信等のパターンと駆動パターンとをメモリに保持しておく必要があり、回路構成を複雑化させ、また、コスト増大の問題も生じる。また、アクチュエータが通信端末内にあるため、通信端末の筐体が大型化する傾向が生じる。
【0009】
本発明はこのような考察に基づいてなされたものであり、その目的は、通信端末の多様なイベント(特定の者からの着呼やメール着信、デジタルテレビ放送の受信等)を、可動部材の斬新な外形形状の変化によってユーザに報知すると共に、その際、大量のデータをメモリに保持データする必要を無くして回路構成の複雑化を抑制し、また、豊富な駆動パターンを実現し、その駆動パターンのバリエーションも簡単に増やすことができるようにし、しかも、装置自体の大型化も抑制でき、また、通信端末の付加価値も高めることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のイベント報知機構は、通信端末に関するイベントの発生を、前記通信端末の付属物または前記通信端末自体を構成する部材の外形形状の変化によって報知するイベント報知機構であって、前記イベント発生時に、前記通信端末に備わっている機能に起因して得ることができる基礎信号の全部または一部に基づいて、前記通信端末の付属物または前記通信端末自体を構成する部材の外形形状を変化させるための駆動パターン信号を生成する駆動パターン生成手段と、前記駆動パターン信号に基づいて駆動され、前記駆動パターン信号の変化に応じて変形するアクチュエータと、このアクチュエータによって駆動され、その外形形状を変化させる前記通信端末の付属物または前記通信端末自体を構成する部材と、を有する。
【0011】
駆動パターンを記憶しておくのではなく、基礎信号を基にして駆動パターン信号をリアルタイムで生成し、駆動パターン信号をアクチュエータに伝え、これにより、通信端末の付属物または通信端末自体を構成する部材の外形形状を変化させて、発生したイベントをユーザに報知するものである。その外形形状の変化は、特定のキーの突出/非突出というような単純なものではなく、少なくとも複数段階に動的に変化するものであり、より複雑でかつ予測しにくい多様な形状変化を実現するものである。本発明のイベント報知機構では、駆動パターン信号をリアルタイムで生成するため、駆動パターンをメモリに蓄積しておくことが不要となり、回路構成の簡素化を実現することができ、駆動パターンの多様化も無理なく達成される。また、駆動パターン信号生成手段とアクチュエータの双方が通信端末に内蔵されている必要は必ずしもなく、例えば、アクチュエータを通信端末の付属物に内蔵する(あるいは、アクチュエータ自体を付属物とする)こともでき、このようにすれば、通信端末自体の大型化を抑制することができる。また、付属物の取り替えや、アクチュエータに対するマスコット人形の装着等によって、外形形状の変化の多様化を図ると共に、外形形状の変化を楽しむ環境を容易に提供することもでき、通信端末の付加価値の向上にも貢献できる。
【0012】
ここで、「イベント」とは、「通信端末の状態を変化させる事象」のことであり、例えば、着呼、発呼、メール着信、メール送信、デジテルテレビ放送(ワンセグTV放送、BSデジタル放送など)の受信、その受信終了、ゲームプログラムや音楽情報等のサーバーからのダウンロード、オンラインゲームの開始等がイベントである。また、「基礎信号」とは、「駆動パターン発生のための基礎となる信号」のことであり、駆動パターン発生のために特別に(専用に)用意される信号ではなく、イベント発生時において、通信端末に備わっている機能に起因して利用可能である信号であり、かつ、この基礎信号は、時間経過と共に、その信号パターンが変化する信号である(すなわち、アナログ的に表現すれば、直流ではなく交流の信号である)。例えば、携帯電話端末への着呼(メール着信)を、MIDI(MusicalInstrument Digital Interface)音源からのメロディによってユーザに知らせる設定がされている場合には、MIDI形式の楽曲データの各チャンネル信号(各チャネルデータ)が基礎信号となり得る。つまり、そのメロディは、ユーザが自由に選択できるものであり、そのメロディは、当然のことながら時間と共に常に変化するものであり、かつ、着呼(メール着信)というイベント発生時において、その携帯電話端末の着信メロディ生成機能に起因して得られる信号(つまり、特別な信号ではなく、その携帯電話端末に本来的に備わっている機能により、当然に利用が予定される信号)である。
【0013】
したがって、その基礎信号を駆動パターンの生成に援用する(つまり、その基礎信号の変化するパターンを基にして、アクチュエータに与える駆動パターン信号を生成する)ことによって、多様な駆動信号を予め作成・記憶しておく必要なしに、リアルタイムで生成することが可能となる。しかも、例えば、着呼(メール着信)時のメロディが、通信相手に個別に対応して設定されていれば、その通信相手に応じて、メロディが異なり、これに合わせて外形形状の変化パターンも異なることになり、したがって、通信相手が誰かを、視覚的に報知することも可能となる。このとき、スピーカからのメロディの出力と共に、そのメロディに合わせて通信端末付属物としてのストラップ(つり紐)やマスコット人形の外形をリズミカルに変化させるようなことも簡単に行え、斬新かつ多様なイベント報知が実現可能となる。また、同様に、デジタルテレビ放送を視聴するというイベントが発生したときには、その視聴コンテンツ(受信した放送ストリームの内容自体)が基礎信号となり得え、携帯電話端末への着呼(メール着信)を、AC3(AudioCode number 3)、MP3(MPEG−1audio layer 3)、AAC(AdvancedAudio Coding)、ADPCM(Adaptive Differential Pulse CodeModulation)、AMR(Adaptive Multi−Rate)およびPCM(PulseCode Modulation)等の様々な音声コーデックに従った音楽データ音源からのメロディによってユーザに知らせる設定がされている場合には、その音楽コーデックに従った音楽データが基礎信号となり得る。る。また、「アクチュエータ」としては、例えば、電圧印加によって20%以上の伸縮率を実現することが可能な導電性高分子を用いたアクチュエータ(いわゆる、人工筋肉)を利用することができる。
【0014】
本発明のイベント報知機構の一態様では、前記通信端末には前記駆動パターン生成手段が内蔵されており、一方、前記通信端末の付属物には前記アクチュエータが内蔵されるか、あるいは、そのアクチュエータ自体が前記通信端末の付属物を構成しており、また、前記付属物は前記通信端末に着脱自在である。
【0015】
駆動パターン生成手段とアクチュエータとを分離し、通信端末には駆動パターン生成手段を内蔵し、付属物にはアクチュエータを内蔵し、かつ、その付属物を通信端末に対して着脱自在としたものである。これによって、通信端末自体の大型化を抑制することができ、かつ、付属物の取り替えによって、外形形状の変化の多様化を図ると共に、外形形状の変化を楽しむ環境を容易に提供することもでき、通信端末の付加価値の向上にも貢献できる。また、ストラップやマスコット人形のような付属物自体の付加価値も高めることができる。アクチュエータの特性が異なる複数種類の付属物を用意し、ユーザの好みに合わせて取り替え可能とすることによって、駆動パターン信号が同じであっても、付属物毎に異なる形状変化を実現することもでき、外形形状の変化のバリエーションを簡単に豊富化することが可能となる。
【0016】
また、本発明のイベント報知機構の他の態様では、前記通信端末には前記駆動パターン生成手段と、前記アクチュエータとが内蔵されており、一方、前記通信端末の付属物は、前記アクチュエータに着脱自在に装着される部材からなる。
【0017】
通信端末には駆動パターン生成手段とアクチュエータを内蔵し、一方、付属物を、そのアクチュエータに装着する衣装等の部材にて構成し、いわゆる着せ替えを可能とし、通信端末の意匠のバリエーションを容易に豊富化できるようにしたものである。
【0018】
また、本発明のイベント報知機構の他の態様では、前記通信端末は、前記駆動パターン生成手段と、前記アクチュエータと、前記通信端末自体を構成する部材と、を有する。
【0019】
通信端末自体が、主要な構成要素のすべて(駆動パターン生成手段、アクチュエータ、外形形状が変化する部材)を備えるものである。例えば、通信端末の筐体の表面に、外形形状が変化する部材からなる装飾板(化粧板)を張り付け、駆動パターンに合わせて、その装飾板(化粧板)の表面を陥没させたり、表面を波打たせ、波が移動するようしたりすることによって、イベントの発生を報知することができる。従来にない斬新な報知が可能となる。
【0020】
また、本発明のイベント報知機構の他の態様では、前記基礎信号から選択的に信号を抽出し、その抽出された信号を前記駆動パターン生成手段に供給する基礎信号抽出部を有すると共に、前記駆動パターン生成手段は、前記基礎信号抽出部によって抽出された信号に所定の変換規則を適用し、その抽出された信号の各々を前記駆動パターン信号に変換する。
【0021】
本態様では、基礎信号の一部を抽出し、抽出された基礎信号に所定の変換規則を適用して駆動パターン信号を生成する。例えば、MIDI楽曲データの、ピアノの「ド」「レ」「ミ」、トランペットの「ファ」、「ソ」「ラ」、「シ」のいずれかを抽出し、最初の抽出タイミングにて駆動パターン信号をハイレベルとし、次の抽出タイミングにてローベルとし、以後、抽出タイミング毎にハイ/ローを切り換えることによって、多様な駆動パターンを自動的に生成することが可能である。
【0022】
また、本発明のイベント報知機構の他の態様では、前記駆動パターン生成手段の動作および前記アクチュエータの変形動作の少なくとも一つを、外部から制御可能とする。
【0023】
駆動パターン生成手段の動作、あるいは、アクチュエータの変形動作を外部から調整することによって、外形形状の変化を制御可能としたものである。これによって、例えば、付属物の外形形状の初期状態を自由に制御することが可能となる。
【0024】
本発明のイベント報知機構の他の態様では、前記基礎信号抽出部の動作を、外部から制御可能とする。
【0025】
基礎信号抽出部の動作を、外部から制御可能とすることによって、外形形状の変化を制御可能としたものである。これによって、例えば、付属物の外形形状の初期状態を自由に制御することが可能となる。
【0026】
また、本発明のイベント報知機構の他の態様では、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)形式の楽曲データの各チャンネルに含まれる、演奏音に関するデータを、前記基礎信号として利用する。
【0027】
MIDI楽曲データでは、楽曲の各パートに適宜、楽器を割り当て、各楽器をチャンネルという概念で規定し、かつ、演奏音に関するデータ(音量・音程・発音タイミングなど)をチャンネル毎に時系列に記述し、各パートの旋律を表現している。そこで、MIDI形式の楽曲データの各チャネルのデータを、駆動パターン信号を生成するための基礎信号として援用することによって、多様な駆動信号の生成を可能とするものである。例えば、音楽の出力に合わせてマスコット人形を踊らせるというようなことも可能である。
【0028】
また、本発明のイベント報知機構の他の態様では、デジタルテレビ放送に含まれる映像信号、音声信号およびデータ放送データの少なくとも一つを前記基礎信号として利用する。
【0029】
受信するデジタルテレビ放送のコンテンツ自体を、駆動パターン信号生成のための基礎信号として利用するものである。
【0030】
また、本発明の通信端末の一態様では、前記駆動パターン生成手段が内蔵されている。
【0031】
駆動パターン生成手段を内蔵する通信端末である。
【0032】
また、本発明の通信端末の他の態様では、前記駆動パターン生成手段と、前記アクチュエータと、が内蔵されている。
【0033】
駆動パターン生成手段およびアクチュエータを内蔵する通信端末である。
【0034】
また、本発明の通信端末の他の態様では、前記駆動パターン生成手段と、前記アクチュエータと、前記通信端末自体を構成する部材と、を有する。
【0035】
駆動パターン生成手段、アクチュエータならびに外形形状を変化させる部材を備える通信端末である。
【0036】
また、本発明の通信端末の付属物の一態様では、前記アクチュエータが内蔵されるか、あるいは、そのアクチュエータ自体が前記通信端末の付属物を構成しており、かつ、前記通信端末に着脱自在である。
【0037】
アクチュエータを備え、通信端末に着脱自在の付属物である。
【0038】
また、本発明の通信端末の付属物の他の態様では、携帯通信端末用ストラップ(つり紐)である。
【0039】
携帯通信端末用ストラップ(つり紐)にアクチュエータを設けて、ストラップの外形形状を変化させることを可能としたものである。
【0040】
また、本発明の通信端末の付属物の他の態様では、前記通信端末に備わる前記アクチュエータに、着脱自在に装着される部材からなる。
【0041】
アクチュエータに装着する部材を交換することによって、いわゆる(衣装の)着せ替えを実現するものである。
【0042】
また、本発明の通信端末の付属物の他の態様では、携帯通信端末用のマスコット人形である。
【0043】
アクチュエータに装着されるマスコット人形の取り替えによって、着せ替えを実現するものである。
【発明の効果】
【0044】
本発明によって、通信端末の多様なイベント(特定の者からの着呼やメール着信、デジタルテレビ放送の受信等)を、可動部材の斬新な外形形状の変化(複数段階に動的に変化するものであり、より複雑でかつ予測しにくい多様な形状変化である)によって、無理なく容易に、ユーザに報知することが可能となる。
【0045】
また、本発明によれば、駆動信号用の大量のデータを作成する必要、およびメモリに保持する必要を無くして回路構成の複雑化を抑制することができる。
【0046】
また、本発明によれば、豊富な駆動パターンを実現し、その駆動パターンのバリエーションも簡単に増やすことが可能である。
【0047】
また、通信端末自体の大型化も抑制でき、また、通信端末の付加価値も高めることができる。
【0048】
また、ストラップやマスコット人形等の外形形状が変化することから、その付属物自体にも付加価値が生じ、付属物の商品価値を高めて市場を活性化することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
次に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0050】
(第1の実施形態)
図1は、本発明のイベント報知機構の基本的な構成とそのタイプ(型)を説明するためのブロック図である。
【0051】
図示されるように、本発明のイベント報知機構は、基礎信号を基にして駆動パターン信号(デジタルデータ)を生成する駆動パターン生成手段10と、駆動パターンを所定レベルの電気信号に変換する変換手段(D/A変換器)12と、駆動源としてのアクチュエータ14と、外形形状変化手段16とを、基本的な構成要素として備える。
【0052】
アクチュエータ14の駆動によって、外形形状変化手段16の外形形状は動的に変化する。すなわち、少なくとも複数段階に渡って動的に変化し(もちろん連続的な変化であってもよい)、より複雑でかつ予測しにくい多様な形状変化が実現される。
【0053】
また、本発明のイベント報知機構のタイプ(基本的な構成要素をどのように配置するかによって区分される型)としては、図1の下側に示されるように、タイプA(ストラップ型)、タイプB(マスコット人形等の着せ替え型)、タイプC(通信端末一体型)がある。
【0054】
タイプA(ストラップ型)の場合、通信端末120に、駆動パターン生成手段10と、変換手段12と、を内蔵し、通信端末用付属物としてのストラップ(つり紐)140に、アクチュエータ14を内蔵させる。この場合、外形形状変化手段16には、ストラップ140を構成する部材が該当する。また、アクチュエータ14の構成材料自体がストラップとして機能する場合には、アクチュエータ14自体が外形形状変化手段16を兼ねる。
【0055】
ストラップ140は、通信端末120に対して取り替え自在(着脱自在)であり、また、複数種類のストラップ140を用意し、各ストラップ毎にアクチュエータ14の特性を異ならせておけば、同じ駆動パターン信号によっても、ストラップ毎に異なる形状変化を生じさせることができる。
【0056】
また、タイプB(着せ替え型)では、通信端末120に、駆動パターン生成手段10と、変換手段12と、アクチュエータ14と、を内蔵させる。そして、アクチュエータ14に着脱自在に装着可能な、外形形状変化手段16として機能する付属物(例えば、マスコット人形)を用意しておき、ユーザの好みに応じて、付属物を取り替えるものである。
【0057】
また、タイプC(通信端末一体型)では、基本的な構成要素すべて(駆動パターン生成手段10と、変換手段12と、アクチュエータ14と、外形形状変化手段16)を、通信端末が備えている。この場合、外形形状変化手段として機能するのは、例えば、通信端末の筐体の一部を構成する化粧板(装飾板)であり、この化粧板(装飾板)を、外形形状が変化可能な部材により構成する(あるいは、その化粧板自体をアクチュエータにて構成することもできる)。
【0058】
本発明のイベント報知機構の特徴は、駆動パターンを初期データとして記憶しておくのではなく、基礎信号を基にして、駆動パターン生成手段10にて、駆動パターン信号をリアルタイムで生成し、駆動パターン信号をアクチュエータ14に伝え、これにより、通信端末の付属物または通信端末自体を構成する部材である外形形状変化手段16の外形形状を動的に変化させて、発生したイベントをユーザに報知することである。
【0059】
したがって、駆動パターンを初期データとしてメモリに蓄積しておくことが不要となり、回路構成の簡素化を実現することができ、駆動パターンの多様化も無理なく達成される。また、上記のとおり、駆動パターン信号生成手段10とアクチュエータ14の双方が通信端末に内蔵されている必要は必ずしもなく、例えば、アクチュエータ14を、通信端末の付属物としてのストラップに内蔵する(あるいは、アクチュエータ自体でストラップを構成する)こともでき、このようにすれば、通信端末自体の大型化を抑制することができる。
【0060】
また、ストラップ(付属物)の取り替えや、アクチュエータに対する人形の装着等によって、外形形状の変化の多様化を図ると共に、外形形状の変化を楽しむ環境を容易に提供することもでき、通信端末(ならびに付属物自体)の付加価値の向上にも貢献できる。
【0061】
本明細書において、「イベント」とは、「通信端末の状態を変化させる事象」のことであり、例えば、着呼、発呼、メール着信、メール送信、デジタルテレビ放送(ワンセグTV放送、BSデジタル放送など)の受信、その受信終了、ゲームプログラムや音楽情報等のサーバーからのダウンロード、オンラインゲームの開始等がイベントである。
【0062】
また、「基礎信号」とは、「駆動パターン発生のための基礎となる信号」のことであり、駆動パターン発生のために特別に(専用に)用意される信号ではなく、イベント発生時において、通信端末に備わっている機能に起因して利用可能である信号であり、かつ、この基礎信号は、時間経過と共に、その信号パターンが変化する信号である(すなわち、アナログ的に表現すれば、直流ではなく交流の信号である)。
【0063】
例えば、携帯電話端末への着呼(メール着信)を、MIDI音源からのメロディによってユーザに知らせる設定がされている場合には、MIDI形式の楽曲データの各チャンネル信号(各チャネルデータ)が基礎信号となり得る。つまり、そのメロディは、ユーザが自由に選択できるものであり、そのメロディは、当然のことながら時間と共に常に変化するものであり、かつ、着呼(メール着信)というイベント発生時において、その携帯電話端末の着信メロディ生成機能に起因して得られる信号(つまり、特別な信号ではなく、その携帯電話端末に本来的に備わっている機能により、当然に利用が予定される信号)である。
【0064】
したがって、その基礎信号を駆動パターンの生成に援用する(つまり、その基礎信号の変化するパターンを基にして、アクチュエータに与える駆動パターン信号を生成する)ことによって、多様な駆動信号を予め作成・記憶しておく必要なしに、リアルタイムで生成することが可能となる。
【0065】
しかも、例えば、着呼(メール着信)時のメロディが、通信相手に個別に対応して設定されていれば、その通信相手に応じて、メロディが異なり、これに合わせて外形形状の変化パターンも異なることになり、したがって、通信相手が誰かを、視覚的に報知することも可能となる。このとき、スピーカからのメロディの出力と共に、そのメロディに合わせて通信端末付属物としてのストラップ(つり紐)やマスコット人形の外形をリズミカルに変化させるようなことも簡単に行え、斬新かつ多様なイベント報知が実現される。
【0066】
また、同様に、デジタルテレビ放送を視聴するというイベントが発生したときには、その視聴コンテンツ(受信した放送ストリームの内容自体)が基礎信号となり得え、また、携帯電話端末への着呼(メール着信)を、AC3、MP3、AAC、ADPCM、AMRおよびPCM等の様々な音声コーデックに従った音楽データ音源からのメロディによってユーザに知らせる設定がされている場合には、その音楽コーデックに従った音楽データが基礎信号となり得る。
【0067】
また、「アクチュエータ」としては、例えば、電圧印加によって20%以上の伸縮率を実現することが可能な導電性高分子を用いたアクチュエータ(いわゆる、人工筋肉)を利用することができる。
【0068】
以下、導電性高分子を用いたアクチュエータ(人工筋肉)について、その概要を説明する。
【0069】
導電性高分子に電気をかけると伸縮することは従来から知られているが、最近では伸縮率20%以上を達成する素材が出現し、実用化が可能となる性能レベルに達している。この導電性高分子(アクチュエータ)は、発生力が大きい、軽いなどの特徴があるため、今までの電動モータに代わる新しいアクチュエータとして応用が期待されている。その特徴は、以下のとおりである。
(1)単位重量・体積あたりの発生力が大きい。
(2)構造体が樹脂であるため軽い。
(3)駆動構造が単純で小さい。
(4)分子レベルの動きであり音がしない。
(5)低電圧(1.5 V)で駆動が可能。
そして、このアクチュエータは、既存のモータ、ソレノイド等の代替用途の他、新しい分野の駆動源(例えば、ロボットの指、腕等の動力源、眼・皮膚の変化による表情の表現のための駆動源等)としても利用が期待されている。したがって、この導電性高分子を用いたアクチュエータは、本発明のイベント報知機構のアクチュエータとして好適であるといえる。
【0070】
(第2の実施形態)
本実施形態では、携帯電話端末とその付属物を例にとって、外形形状の変化によるイベント報知の具体例について説明する。
【0071】
図2(a)〜(d)は各々、折り畳み式の携帯電話端末におけるイベント報知の具体的な態様の一例を示す図である。
【0072】
ここでは、駆動パターンを生成するための基礎信号として、MIDI楽曲データのチャネル信号を利用するものとする。
【0073】
図2(a)に示すように、携帯電話端末200は、上側筐体210と下側筐体220とからなり、上側筐体210には液晶ディスプレイ230が設けられている。携帯電話端末200は、図1で説明した駆動パターン生成手段10を内蔵している。また、付属物としてのストラップ240は、アクチュエータ14を内蔵している。
【0074】
図2(a)のような静止状態において、着呼(あるいはメール着信)があると、図2(b)に示すように、ストラップ240は、携帯電話端末200で設定されているメロディ(リズム)に従って外形形状を動的に変化させ、動き回る。したがって、視覚的(かつ触覚的)に着呼(メール着信)を報知することができる。
【0075】
また、図2(c)のように、ストラップ240が動き回る際に、携帯電話端末で設定されているメロディ(歌誌付きであってもよい)も同時に出力する。これによって、メロディや歌に合わせて、ストラップ240が踊るように動くことになり、したがって、聴覚的、視覚的(かつ触覚的)に、着呼(メール着信)を報知することができる。
【0076】
図2(d)は、キャラクタ241の頭部に孔Xが形成されており、この孔Xにより携帯電話端末200のつり下げが可能となっている。つまり、キャラクタ241がストラップの働きをする(以下、キャラクタストラップという)。そして、着呼(あるいはメール着信)があると、キャラクタストラップ241が、携帯電話端末200で設定されているメロディ(リズム)に従って外形形状を動的に変化させ、動き回る。したがって、視覚的(かつ触覚的)に着呼(メール着信)を報知することができる。
【0077】
図3(a)〜(c)は、折り畳み式の携帯電話端末におけるイベント報知の具体的な態様の他の例を示す図である。
【0078】
図3(a)の静止状態にてメール着信があると、図3(b)に示すように、付属物としてのキャラクタ250(図2のキャラクタストラップ241でもよい)が立ち上がり、図3(c)のように、携帯電話端末200で設定されているメロディ(リズム)に従って外形形状を動的に変化させ、動き回る。したがって、視覚的(かつ触覚的)にメール着信を報知することができる。
【0079】
このとき、スピーカ(携帯電話端末200に内蔵するものでもよく、キャラクタ250に備わるものでもよい)から、「メール着信」、「ユー・ゴット・ア・メール」というような音声を出力させることもできる。また、携帯電話端末200に備わっているメール読み上げ機能を利用して、メールの読み上げ音声をスピーカから出力し、これによって、あたかもキャラクタ250が、メールを読み上げているかのように振る舞わせることもできる。キャラクタ250の外形形状の動的な変化(動き)は、メール発信者に対応して変化する。また、複数のキャラクタ250が用意されており、メール発信者に対応して、いずれかを選択することもできる。
【0080】
また、メール受信時だけではなく、デジタルテレビ放送を受信時において、例えば、ニュースの読み上げ音声を出力し、キャラクタ250が話しているかのように振る舞わせることも可能である。
【0081】
(第3の実施形態)
図4は、本発明のイベント報知機構の他の例(情報通信端末(PDA、ラップトップコンピュータ等)に、アクチュエータを内蔵したマスコット人形をコネクタを経由して接続した例)を説明するための図である。
【0082】
図4において、情報通信端末300(PDA、ラップトップコンピュータ等)には、アクチュエータ(導電性高分子からなるアクチュエータ)360を内蔵するマスコット人形350が、コネクタ(310、330)と通信ケーブ320を介して接続されている。これにより、発生するイベントに合わせて、マスコット人形の外形を変化させ(例えば、手や足を上げさせる)、ユーザに、イベントの発生を報知することができる。
【0083】
(第4の実施形態)
図5(a)〜(c)ならびに図6(a)〜(c)は、図1に示される基本的な構成要素をすべて内蔵する携帯電話端末におけるイベント報知の具体例を示す図である。
【0084】
図5(a)に示すように、携帯電話端末400は、下側筐体410と上部筐体420とからなり、上部筐体420上には、外形が変化可能な部材からなる化粧板430が形成されている。
【0085】
この化粧板430の特定の模様の下部には、アクチュエータが設けられており、イベントが生じると、図5(b)に示すように、そのアクチュエータによって、内側から表面を引っ張ることによって、表面を陥没させて特定の模様が顕在化するようにして、イベントの報知を行う。
【0086】
また、図5(c)では、化粧板430が下層430a、上層430bに別れており、上層430bが剥離することによって、イベントの発生を報知する。
【0087】
図6では、化粧板435の表面形状を変化(移動)させる。つまり、イベント発生前は、平らな形状であり、イベントが発生すると、アクチュエータによって内側から表面を引っ張り、図6(a)のように、波形の形状に変化して、そのイベントの発生をユーザに報知する。
【0088】
また、図6(b)、(c)に示すように、時間の経過と共に、化粧板435の表面の波形(凹凸)が進行するようにしてもよい。
【0089】
(第5の実施形態)
図7は、本発明の、通信端末とアクチュエータを組み合わせたイベント報知機構の具体的な構成の一例(MIDI楽曲データを基礎信号として利用する例)を示すブロック図である。
【0090】
図示されるように、通信端末は、アンテナANと、無線通信手段500と、テレフォニー処理(電話通信処理部)502と、スピーカSPならびにマイクMCと、イベント検出手段504と、通知音パターン選択手段506(基礎信号抽出部507を含む)と、操作キー508と、通知音パターン保持手段510と、通知音出力手段512と、駆動パターン生成手段514と、変換手段516と、を有する。
【0091】
また、付属物(ストラップ等)は、アクチュエータ518と、外形形状変化手段520と、を備え、通信端末と付属物は電気的に接続されている。
【0092】
図7において、例えば、メール着信があると、イベント検出手段504がメール着信を検出し、通知音パターン選択手段506に通知する。通知音パターン選択手段506は、設定されているMIDI楽曲データ(どの楽曲データを利用するかは、ユーザが、操作キー508を操作して予め決められている)S1を、通知音パターン保持手段510から取り出す。
【0093】
通知音パターン出力手段512には、選択されたMIDI楽曲データS1が与えられる。MIDIパターン出力手段512はMIDI音源を備えており、そのMIDI楽曲データS1に基づいて音楽を再生し、再生された音楽を出力する。
【0094】
また、通知音パターン選択手段506に内蔵されている基礎信号抽出部507は、選択されたMIDI楽曲データS1を基礎信号とし、その一部を抽出する(選択的に抜き出す)働きをする。このように抽出された信号が、駆動パターン生成用データS2である(このS2が真の基礎信号ということもできる)。
【0095】
その駆動パターン生成用データS2に基づき、駆動パターン生成手段514が駆動パターン信号を生成し、生成された駆動パターン信号は、変換手段516を介して、アクチュエータ518に与えられ、アクチュエータを駆動源として、外形形状変化手段520の外形が動的に変化する。
【0096】
図8は、図7のイベント報知機構の主要部の、より具体的な構成を示すブロック図である。
【0097】
図示されるように、通知音パターン選択手段506は、保持領域からのデータ取得部1と、出力部への設定処理部2と、メロディデータ3(メロディデー部3aとメロディヘッダ3bとを有する)と、出力部4と、一致検出手段7と、を有する。また、出力手段4は、MIDI解析部5と、イベント設定部6と、を有する。
【0098】
ここでは、イベント設定部6と、一致検出手段7とが、図7における基礎信号抽出部507を構成している。
【0099】
また、通知音出力手段512は、演奏処理部(MIDI音源)8と、スピーカ等9と、を有する。
【0100】
また、駆動パターン生成手段514は、割込み検出部8と、割り込みデータ解析部9と、駆動パターン出力部11と、を有する。
【0101】
出力手段4に含まれるイベント設定部6は、要するに、基礎信号であるMIDI楽曲データの中から、どのデータを抜き出すかを規定している。
【0102】
MIDI楽曲データは、楽曲の各パートに適宜な楽器を割り当て各楽器をチャンネルという概念で規定している。そして、演奏音に関するデータ(音量・音程・発音タイミングなど)をチャンネル毎に時系列に記述し、各パートの旋律を表現している。
【0103】
図8の場合、Ch0(ピアノ)の「レ」、「シ」、Ch1(ギター)の全音階、Ch2(トランペット)の「ド」が、抽出すべきデータとして設定される。
【0104】
そして、MIDI解析部5により、MIDI楽曲データの解析がなされた結果、イベント設定部6にて設定された上記の各データが出現すると、一致検出手段7が一致を検出し、その一致した信号を、駆動パターン生成用データS2(割り込みデータとして機能する)として、駆動パターン生成手段514に送る。
【0105】
そして、駆動パターン生成手段514における、割り込み検出手段8が割り込みを受け付け、割り込みデータ解析部9がその割り込みデータを解析し、その内容(つまり、Ch0(ピアノ)の「レ」、「シ」、Ch1(ギター)の全音階、Ch2(トランペット)の「ド」の中のいずれの音が含まれているのか)を検出し、検出結果を駆動パターン出力部11に渡す。
【0106】
駆動パターン出力部は、所定の変換規則によって、検出結果を駆動パターンに変換して出力する。例えば、所定の音が出現するたびに、ハイ/ローを順次切り換えていく、あるいは、ギターの全音階については、ローレベルを割り当て、他の音階については、ハイレベルを割り当てる、というような規則を適用して、駆動パターンをリアルタイムで生成して出力する。
【0107】
(第6の実施形態)
図9は、本発明の、通信端末とアクチュエータを組み合わせたイベント報知機構の具体的な構成の他の例(デジタルテレビ放送の受信内容を基礎信号として利用する例)を示すブロック図である。
【0108】
図示されるように、通信端末は、アンテナANと、DTV(デジタルテレビ)放送受信手段600と、信号分離手段602と、駆動パターン生成手段604と、イベント通知手段606と、CPU608と、操作キー610と、変換手段612と、画像復号手段620と、ディスプレイ622と、音声復号手段624と、スピーカ626と、を有する。
【0109】
また、付属物(ストラップ等)は、アクチュエータ614と、外形形状変化手段616と、を備える。通信端末と付属物(ストラップ等)は、電気的に接続されている。
【0110】
イベント通知手段606は、所定のイベント(例えば、デジタルテレビ放送の視聴のための操作キーの押下、音楽番組の視聴開始、ニュース番組の視聴開始、文字データ放送の視聴開始等)が生じると、CPU608からの通知あるいは操作キー610の押下の直接検出によって、所定のイベントが生じたことを検出し、検出信号S4を送出して、駆動パターン生成手段604にイベントの発生を通知する。
【0111】
一方、信号分離手段602は、受信したデジタルテレビ放送の内容を、例えば、音声系データS5と、映像系データS6と、に分離する。また、この信号分離手段602は、基礎信号抽出手段としても機能し、基礎信号としての受信したデジタルテレビ放送信号の中から、所定の条件に合う信号(所定周波数の音声信号等)を抽出し、抽出した信号を、駆動パターン生成用データS3として駆動パターン生成手段604に与える。駆動パターン生成手段604は、その駆動パターン生成用データS3(真の基礎信号ということができる)を基にして、駆動パターン信号S7を生成する。なお、ここでは、受信したデジタルテレビ放送の内容の一部を抽出しているが、その内容のそのもの(内容全部)を基礎信号として用いることも可能である。
【0112】
図10は、図9に示される通信端末の主要部の具体的な構成を示すブロック図である。
【0113】
図示されるように、DTV放送受信手段600は、DTV放送データ受信部50と、受信内容を、映像/音声/文字データに分離する分離処理部51と、により構成される。
【0114】
また、信号分離手段602は、映像データ解析部60と、音声データ解析部61と、データ放送データ(文字データ)解析部62と、を備える。
【0115】
そして、ここでは、音声データ解析部61と、データ放送データ(文字データ)解析部62によって解析、分離された信号が、駆動パターン生成用信号S3として駆動パターン生成手段604に与えられる。そして、その駆動パターン生成用信号S3に所定の変換規則を適用することによって、オン/オフ(ハイ/ロー)のパターン信号(駆動パターン信号)S7を生成する。
【0116】
また、音声復号手段624には、音声データ解析部61によって解析、分離されたデータと、データ放送データ(文字データ)解析部62により解析、分離されたデータが与えられる。
【0117】
同様に、画像復号手段620には、映像データ解析部60によって解析、分離されたデータと、データ放送データ(文字データ)解析部62により解析、分離されたデータが与えられる。
【0118】
以上の説明では、通信端末のイベントの報知を例にとり説明したが、「通信」を伴うイベントではなく、その他の種類のイベントの報知にも、本発明を応用することが可能である。情報端末の動作状態や、処理中のデータの種類をユーザに報知するためにも、本発明を利用することができる。
【0119】
以上説明したように、本発明によれば、通信端末の多様なイベント(特定の者からの着呼やメール着信、デジタルテレビ放送の受信等)を、可動部材の斬新な外形形状の変化(複数段階に動的に変化するものであり、より複雑でかつ予測しにくい多様な形状変化である)によって、無理なく容易に、ユーザに報知することが可能となる。
【0120】
また、本発明によれば、大量のデータをメモリに保持データする必要を無くして回路構成の複雑化を抑制することができる。
【0121】
また、本発明によれば、豊富な駆動パターンを実現し、その駆動パターンのバリエーションも簡単に増やすことが可能である。
【0122】
また、通信端末自体の大型化も抑制でき、また、通信端末の付加価値も高めることができる。
【0123】
また、ストラップやマスコット人形等の外形形状が変化することから、その付属物自体にも付加価値が生じ、付属物の商品価値を高めて市場を活性化することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明は、初期データを増やすことなく、通信端末の多様なイベントを、アクチュエータを駆動源とする可動部材の斬新な外形形状の変化によってユーザに報知することを可能とするという効果を奏し、したがって、電気信号によって制御されるアクチュエータを利用したイベント報知機構、通信端末、ならびに、ストラップやマスコット人形等の通信端末の付属物として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明のイベント報知機構の基本的な構成とそのタイプ(型)を説明するためのブロック図
【図2】(a)〜(d)は各々、折り畳み式の携帯電話端末におけるイベント報知の具体的な態様の一例を示す図
【図3】(a)〜(c)は、折り畳み式の携帯電話端末におけるイベント報知の具体的な態様の他の例を示す図
【図4】本発明のイベント報知機構の他の例(情報通信端末(PDA、ラップトップコンピュータ等)に、アクチュエータを内蔵したマスコット人形をコネクタを経由して接続した例)を説明するための図
【図5】(a)〜(c)は、図1に示される基本的な構成要素をすべて内蔵する携帯電話端末におけるイベント報知態様の一例を示す図
【図6】(a)〜(c)は、図1に示される基本的な構成要素をすべて内蔵する携帯電話端末におけるイベント報知態様の他の例を示す図
【図7】本発明の、通信端末とアクチュエータを組み合わせたイベント報知機構の具体的な構成の一例(MIDI楽曲データを基礎信号として利用する例)を示すブロック図
【図8】図7のイベント報知機構の主要部の、より具体的な構成を示すブロック図
【図9】本発明の、通信端末とアクチュエータを組み合わせたイベント報知機構の具体的な構成の他の例(デジタルテレビ放送の受信内容を基礎信号として利用する例)を示すブロック図
【図10】図9に示される通信端末の主要部の具体的な構成を示すブロック図
【符号の説明】
【0126】
10 駆動パターン生成部
12 変換手段
14 アクチュエータ
16 外形形状変化手段
100 イベント報知機構
120、150 通信端末
140 ストラップ等の付属物
160 アクチュエータに着脱可能な部材
240 携帯電話端末用ストラップ
241 携帯電話端末用マスコットストラップ
250 携帯電話端末用マスコット
300 情報通信端末(PDA、コンピュータ等)
350 マスコット人形
360 導電性高分子からなるアクチュエータ
310、330 コネクタ
320 通信ケーブル
430、435 外形形状が変化する化粧板(装飾板)
AN アンテナ
500 無線通信手段
502 テレフォニー処理(電話通信処理部)
504 イベント検出手段
506 通知音パターン選択手段
507 基礎信号抽出部
508 操作キー
510 通知音パターン保持手段
512 通知音出力手段
514 駆動パターン生成手段
516 変換手段
518 アクチュエータ
520 外形形状変化手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末に関するイベントの発生を、前記通信端末の付属物または前記通信端末自体を構成する部材の外形形状の変化によって報知するイベント報知機構であって、
前記イベント発生時に、前記通信端末に備わっている機能に起因して得ることができる基礎信号の全部または一部に基づいて、前記通信端末の付属物または前記通信端末自体を構成する部材の外形形状を変化させるための駆動パターン信号を生成する駆動パターン生成手段と、
前記駆動パターン信号に基づいて駆動され、前記駆動パターン信号の変化に応じて変形するアクチュエータと、
このアクチュエータによって駆動され、その外形形状を変化させる前記通信端末の付属物または前記通信端末自体を構成する部材と、
を有することを特徴とするイベント報知機構。
【請求項2】
請求項1記載のイベント報知機構であって、
前記通信端末には前記駆動パターン生成手段が内蔵されており、
一方、前記通信端末の付属物には前記アクチュエータが内蔵されるか、あるいは、そのアクチュエータ自体が前記通信端末の付属物を構成しており、
また、前記付属物は前記通信端末に着脱自在であることを特徴とする、イベント報知機構。
【請求項3】
請求項1記載のイベント報知機構であって、
前記通信端末には前記駆動パターン生成手段と、前記アクチュエータとが内蔵されており、
一方、前記通信端末の付属物は、前記アクチュエータに着脱自在に装着される部材からなることを特徴とするイベント報知機構。
【請求項4】
請求項1記載のイベント報知機構であって、
前記通信端末は、前記駆動パターン生成手段と、前記アクチュエータと、前記通信端末自体を構成する部材と、を有することを特徴とするイベント報知機構。
【請求項5】
請求項1記載のイベント報知機構であって、
前記基礎信号から選択的に信号を抽出し、その抽出された信号を前記駆動パターン生成手段に供給する基礎信号抽出部を有すると共に、
前記駆動パターン生成手段は、前記基礎信号抽出部によって抽出された信号に所定の変換規則を適用し、その抽出された信号の各々を前記駆動パターン信号に変換することを特徴とするイベント報知機構。
【請求項6】
請求項1〜請求項4のいずれか記載のイベント報知機構であって、
前記駆動パターン生成手段の動作および前記アクチュエータの変形動作の少なくとも一つを、外部から制御可能としたことを特徴とするイベント報知機構。
【請求項7】
請求項5記載のイベント報知機構であって、
前記基礎信号抽出部の動作を、外部から制御可能としたことを特徴とするイベント報知機構。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか記載のイベント報知機構であって、
MIDI(Musical InstrumentDigital Interface)形式の楽曲データの各チャンネルに含まれる、演奏音に関するデータを、前記基礎信号として利用することを特徴とするイベント報知機構。
【請求項9】
請求項1〜請求項7のいずれか記載のイベント報知機構であって、
デジタルテレビ放送に含まれる映像信号、音声信号およびデータ放送データの少なくとも一つを前記基礎信号として利用することを特徴とするイベント報知機構。
【請求項10】
請求項1〜請求項7のいずれか記載のイベント報知機構であって、
少なくともAC3(Audio Codenumber 3)、MP3(MPEG−1 audio layer 3)、AAC(AdvancedAudio Coding)、ADPCM(Adaptive Differential Pulse CodeModulation)、AMR(Adaptive Multi−Rate)およびPCM(PulseCode Modulation)のうちの一つの音声コーデックに従った音楽データを、前記基礎信号として利用することを特徴とするイベント報知機構。
【請求項11】
請求項2に記載される、前記駆動パターン生成手段が内蔵されていることを特徴とする通信端末。
【請求項12】
請求項3記載に記載される、前記駆動パターン生成手段と、前記アクチュエータと、が内蔵されていることを特徴とする通信端末。
【請求項13】
請求項4に記載される、前記駆動パターン生成手段と、前記アクチュエータと、前記通信端末自体を構成する部材と、を有することを特徴とする通信端末。
【請求項14】
請求項2に記載される、前記アクチュエータが内蔵されるか、あるいは、そのアクチュエータ自体が前記通信端末の付属物を構成しており、かつ、前記通信端末に着脱自在であることを特徴とする通信端末の付属物。
【請求項15】
請求項14記載の通信端末の付属物は、携帯通信端末用ストラップ(つり紐)であることを特徴とする通信端末の付属物。
【請求項16】
請求項3に記載される、前記通信端末に備わる前記アクチュエータに、着脱自在に装着される部材からなることを特徴とする通信端末の付属物。
【請求項17】
請求項16記載の通信端末の付属物は、携帯通信端末用のマスコット人形であることを特徴とする通信端末の付属物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−214908(P2007−214908A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−32791(P2006−32791)
【出願日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】