説明

通信端末装置

【課題】高周波数帯のアンテナ性能を向上させるとともに、装置の小型化及び薄型化を図ること。
【解決手段】回路基板104は、第1の筐体101に設けられる。無線回路105は、回路基板104に設けられる。第1のアンテナ素子110は、無線回路105と電気的に接続し、高周波数帯で共振する。第2のアンテナ素子111は、無線回路105と電気的に接続し、低周波数帯で共振する。結合調整回路108は、回路基板104に設けられ、第2のアンテナ素子111の周波数特性の調整、または第1のアンテナ素子110と第2のアンテナ素子111との結合度の変更を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末装置に関し、特に低周波数帯と高周波数帯との2つの帯域で共振するアンテナを有する通信端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の通信端末装置は、多機能化に伴って、低周波数帯と高周波数帯の2つの帯域を使用するものが多い。
【0003】
このような低周波数帯(ローバンド)と高周波数帯(ハイバンド)の2つの帯域に対応する通信端末装置として、低周波数帯で共振するアンテナ素子と、高周波数帯で共振するアンテナ素子とを有し、低周波数帯と高周波数帯の各々に対応する整合回路を設けるものが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−244553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1においては、通信端末装置に対する人体の接近に伴って、高周波数帯のアンテナ性能の劣化が生じるという問題がある。特に、近年は、比帯域の広がりに伴って、高周波数帯のアンテナ性能を確保することが重要になってきている。また、特許文献1においては、低周波数帯のアンテナ素子と高周波数帯のアンテナ素子との各々に対応する独立した複数の整合回路を設けるので、装置の小型化及び薄型化をすることができないという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、高周波数帯のアンテナ性能を向上させることができるとともに、装置の小型化及び薄型化を図ることができる通信端末装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の通信端末装置は、筐体と、前記筐体に設けられる回路基板と、前記回路基板に設けられる無線回路と、前記無線回路と電気的に接続し、第1の周波数で共振する第1のアンテナ素子と、前記無線回路と電気的に接続し、前記第1の周波数よりも低い周波数の第2の周波数で共振する第2のアンテナ素子と、前記回路基板に設けられ、前記第2のアンテナ素子の周波数特性の調整、または前記第1のアンテナ素子と前記第2のアンテナ素子との結合度の変更を行う調整回路と、を具備する構成を採る。
【0008】
また、本発明の通信端末装置は、第1の筐体と、前記第1の筐体に回転自在に接続する第2の筐体と、前記第1の筐体に設けられる第1の回路基板と、前記第2の筐体に設けられる第2の回路基板と、前記第1の回路基板と前記第2の回路基板とを電気的に接続するケーブルと、前記第1の回路基板に設けられる無線回路と、前記第1の筐体に設けられ、前記無線回路と電気的に接続するとともに、第1の周波数で共振する第1のアンテナ素子と、前記第1の筐体に設けられ、前記無線回路と電気的に接続し、前記第1の周波数よりも低い周波数の第2の周波数で共振するとともに、前記第1のアンテナ素子よりも前記ケーブルの近くに配置される第2のアンテナ素子と、前記第1の回路基板に設けられ、前記第2のアンテナ素子の周波数特性の調整、または前記第1のアンテナ素子と前記第2のアンテナ素子との結合度の変更を行う調整回路と、を具備する構成を採る。
【0009】
また、本発明の通信端末装置は、第1の筐体と、前記第1の筐体に回転自在に接続する第2の筐体と、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを第1の回転方向に回転自在に接続する第1のヒンジ部と、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを前記第2の回転方向に回転自在に接続し、導電部材により形成される第2のヒンジ部と、前記第1の筐体に設けられる第1の回路基板と、前記第2の筐体に設けられる第2の回路基板と、前記第1の回路基板に設けられる無線回路と、前記第1の筐体に設けられ、前記無線回路と電気的に接続するとともに、第1の周波数で共振する第1のアンテナ素子と、前記第1の筐体に設けられ、前記無線回路と電気的に接続し、前記第1の周波数よりも低い周波数の第2の周波数で共振するとともに、前記第1のアンテナ素子よりも前記第2のヒンジ部の近くに配置される第2のアンテナ素子と、前記第1の回路基板に設けられ、前記第2のアンテナ素子の周波数特性の調整、または前記第1のアンテナ素子と前記第2のアンテナ素子との結合度の変更を行う調整回路と、を具備する構成を採る。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、高周波数帯のアンテナ性能を向上させることができるとともに、装置の小型化及び薄型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1に係る通信端末装置の要部の平面図
【図2】本発明の実施の形態1における結合調整回路の構成を示す図
【図3】図2の構成の結合調整回路の特性を示す図
【図4】本発明の実施の形態1における結合調整回路の他の構成を示す図
【図5】図4の構成の結合調整回路の特性を示す図
【図6】本発明の実施の形態1における結合調整回路のさらに他の構成を示す図
【図7】図6の構成の結合調整回路の特性を示す図
【図8】結合調整回路をインダクタのみで構成した場合の特性を示す図
【図9】結合調整回路を容量のみで構成した場合の特性を示す図
【図10】本発明の実施の形態2に係る通信端末装置の要部の平面図
【図11】本発明の実施の形態2に係る通信端末装置の要部の側面図
【図12】本発明の実施の形態3に係る通信端末装置の閉じた状態の斜視図
【図13】本発明の実施の形態3に係る通信端末装置の開いた状態の斜視図
【図14】本発明の実施の形態3に係る通信端末装置の要部の平面図
【図15】本発明の実施の形態3に係る通信端末装置の要部の背面図
【図16】本発明の実施の形態3に係る通信端末装置の要部の側面図
【図17】本発明の実施の形態4に係る通信端末装置の要部の平面図
【図18】本発明の実施の形態4に係る通信端末装置の要部の側面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る通信端末装置100の要部の平面図である。
【0014】
通信端末装置100は、第1の筐体101と、第2の筐体102と、ヒンジ部103と、回路基板104と、無線回路105と、整合回路106と、接続点107と、結合調整回路108と、接続点109と、第1のアンテナ素子110と、第2のアンテナ素子111と、コネクタ112と、ケーブル113とから主に構成される。以下に、各構成について、詳細に説明する。
【0015】
第1の筐体101は、ヒンジ部103を介して、第2の筐体102に対して回転自在に第2の筐体102と接続する。また、第1の筐体101は、回路基板104と、第1のアンテナ素子110と、第2のアンテナ素子111とを内部に有する。
【0016】
第2の筐体102は、ヒンジ部103を介して、第1の筐体101に対して回転自在に第1の筐体101と接続する。
【0017】
ヒンジ部103は、第1の筐体101と第2の筐体102とを互いに回転自在に接続する。
【0018】
回路基板104は、第1の筐体101の内部に設けられる。また、回路基板104には、無線回路105と、整合回路106と、結合調整回路108と、接続点109と、接続点109と、コネクタ112とが設けられる。また、回路基板104は、第1のアンテナ素子110及び第2のアンテナ素子111が取り付けられる。
【0019】
無線回路105は、回路基板104に設けられ、通信端末装置100において信号を送信または受信する際の信号処理を行う。また、無線回路105は、整合回路106と電気的に接続する。
【0020】
整合回路106は、回路基板104に設けられ、第1のアンテナ素子110及び第2のアンテナ素子111と無線回路105との間のインピーダンスを整合する。また、整合回路106は、無線回路105と結合調整回路108と接続点109とに電気的に接続する。また、整合回路106は、無線回路105と結合調整回路108または接続点109との間に直列に挿入される。
【0021】
接続点107は、回路基板104に設けられ、整合回路106及び第1のアンテナ素子110と電気的に接続する。
【0022】
結合調整回路108は、回路基板104に設けられ、整合回路106及び接続点109と電気的に接続する。また、結合調整回路108は、第2のアンテナ素子111の周波数特性を調整することにより、第2のアンテナ素子111を第1のアンテナ素子110と同様にハイバンドアンテナとして機能させて、第1のアンテナ素子110をアシストさせる。また、結合調整回路108は、第1のアンテナ素子110と第2のアンテナ素子111との結合度を変えることにより、第1のアンテナ素子110と第2のアンテナ素子111との結合を利用して、第1のアンテナ素子110のアンテナ性能を向上させる。
【0023】
接続点109は、回路基板104に設けられ、結合調整回路108及び第2のアンテナ素子111と電気的に接続する。
【0024】
第1のアンテナ素子110は、回路基板104に設けられ、高周波数帯で共振し、ハイバンドアンテナとして機能する。また、第1のアンテナ素子110は、略逆L字状であり、一端が接続点107と電気的に接続する。また、第1のアンテナ素子110は、他端側が回路基板104から突出して配置される。また、第1のアンテナ素子110は、他端が第2のアンテナ素子111に近接するように配置される。また、第1のアンテナ素子110は、第2のアンテナ素子111よりも外側に配置される。また、第1のアンテナ素子110は、接続点107と接続する端部側が第2のアンテナ素子111と平行になるように配置され、第2のアンテナ素子111と結合する。第1のアンテナ素子110は、例えば1430MHz〜2170MHzで共振する。
【0025】
第2のアンテナ素子111は、回路基板104に設けられ、低周波数帯で共振し、ローバンドアンテナとして機能する。また、第2のアンテナ素子111は、略逆L字状であり、一端が接続点109と電気的に接続する。また、第2のアンテナ素子111は、他端側が回路基板104から突出して配置される。また、第2のアンテナ素子111は、第1のアンテナ素子110よりもケーブル113に近づいて配置される(L1<L2)。また、第2のアンテナ素子111は、結合調整回路108により周波数特性が調整されることにより、ハイバンドアンテナとしても機能する。第2のアンテナ素子111は、ハイバンドアンテナとして機能する際には、同様にハイバンドアンテナである第1のアンテナ素子110をアシストする。また、第2のアンテナ素子111は、接続点109と接続する端部側が第1のアンテナ素子110と平行になるように配置され、第1のアンテナ素子110と結合する。この際、第2のアンテナ素子111は、結合調整回路108により、第1のアンテナ素子110との結合度が変更される。これにより、第2のアンテナ素子111は、第1のアンテナ素子110との結合を利用して、第1のアンテナ素子110をアシストすることができる。第2のアンテナ素子111は、低周波数帯で共振する際には、例えば830MHz〜885MHzで共振する。
【0026】
コネクタ112は、回路基板104に配置され、回路基板104及びケーブル113と電気的に接続する。
【0027】
ケーブル113は、例えば同軸ケーブルであり、コネクタ112を介して回路基板104と電気的に接続され、第2の筐体102に設けられる図示しない回路基板に対して所定の信号を伝送する。
【0028】
次に、結合調整回路108の構成について説明する。以下の説明においては、第1のアンテナ素子110の共振周波数帯の中心周波数をf2、第1のアンテナ素子110の共振周波数帯の下限周波数をf2l、第1のアンテナ素子110の共振周波数帯の上限周波数をf2h、及び第2のアンテナ素子111の共振周波数帯の中心周波数をf1とする。
【0029】
図2は、結合調整回路108の構成を示す図である。
【0030】
図2より、結合調整回路108は、リアクタンス201と容量202とを直列に接続する。第2のアンテナ素子111が、低周波数帯の共振周波数帯の中心周波数に対して電気長が長すぎるので電気長を短くしたい場合、かつ第1のアンテナ素子110と第2のアンテナ素子111との結合を低減したい場合には、図2の構成により誘導性にする。なお、端子S1を整合回路106に接続するとともに端子S2を接続点109に接続してもよいし、端子S1を接続点109に接続するとともに端子S2を整合回路106に接続してもよい。
【0031】
図3は、図2の構成の結合調整回路108の特性を示す図である。図3より、f1では容量性である一方、f2では誘導性である。
【0032】
図4は、結合調整回路108の他の構成を示す図である。
【0033】
図4より、結合調整回路108は、リアクタンス401と容量402とを並列に接続するとともに、リアクタンス401と容量403、及び容量402と容量403を各々直列に接続する。第2のアンテナ素子111が、低周波数帯の共振周波数帯の中心周波数に対して電気長が長すぎるので電気長を短くしたい場合、かつ第1のアンテナ素子110と第2のアンテナ素子111との結合を低減できるリアクタンスが周波数で異なる場合には、図4の構成にする。即ち、下限では誘導性にし、上限では容量性にする。なお、端子S3を整合回路106に接続するとともに端子S4を接続点109に接続してもよいし、端子S3を接続点109に接続するとともに端子S4を整合回路106に接続してもよい。
【0034】
図5は、図4の構成の結合調整回路108の特性を示す図である。図5より、f1では容量性であり、f2lでは誘導性であるとともに、f2hでは容量性である。即ち、第1のアンテナ素子110の共振周波数帯の中で、誘導性から容量性または容量性から誘導性に反転する。
【0035】
図6は、結合調整回路108のさらに他の構成を示す図である。
【0036】
図6より、結合調整回路108は、リアクタンス601と容量602とを並列に接続するとともに、リアクタンス601とリアクタンス603、及び容量602とリアクタンス603を各々直列に接続する。第2のアンテナ素子111が、低周波数帯の共振周波数帯の中心周波数に対して電気長が短すぎるので電気長を長くしたい場合、かつ第1のアンテナ素子110と第2のアンテナ素子111との結合を低減できるリアクタンスが周波数で異なる場合には、図6の構成にする。即ち、下限では容量性にし、上限では誘導性にする。なお、端子S5を整合回路106に接続するとともに端子S6を接続点109に接続してもよいし、端子S5を接続点109に接続するとともに端子S6を整合回路106に接続してもよい。
【0037】
図7は、図6の構成の結合調整回路108の特性を示す図である。図7より、f1では誘導性であり、f2lでは容量性であるとともに、f2hでは誘導性である。即ち、第1のアンテナ素子110の共振周波数帯の中で、誘導性から容量性または容量性から誘導性に反転する。
【0038】
図8は、結合調整回路をインダクタのみで構成した場合の特性を示す図である。また、図9は、結合調整回路を容量のみで構成した場合の特性を示す図である。
【0039】
図8及び図9より、結合調整回路をインダクタのみで構成した場合、及び結合調整回路を容量のみで構成した場合には、周波数毎に異なるリアクタンスを得ることはできない。
【0040】
なお、結合調整回路をフィルタのみで構成した場合には、減衰量及び周波数を選択することはできるものの、周波数毎のリアクタンスを調整することはできない。即ち、結合調整回路をフィルタのみで構成した場合には、周波数を遮断することのみしかできない。
【0041】
以上で、通信端末装置100の構成の説明を終える。
【0042】
上記の構成を有する通信端末装置100は、結合調整回路108により第2のアンテナ素子111の周波数特性を調整することにより、第2のアンテナ素子111をハイバンドアンテナとして機能させる。従って、例えば、第1のアンテナ素子110に人体が接近することに伴って高周波数帯におけるアンテナ性能の劣化が生じた際に、第2のアンテナ素子111は第1のアンテナ素子110をアシストし、高周波数帯におけるアンテナ性能を向上させることができる。
【0043】
また、ハイバンドアンテナである第1のアンテナ素子110は、ローバンドアンテナである第2のアンテナ素子111に比べて、ケーブル113が近接することによる影響を受け易く、性能の劣化が大きい。しかしながら、本実施の形態では、第2のアンテナ素子111により第1のアンテナ素子110をアシストすることにより、上記の影響を抑制することができる。
【0044】
因みに、第1のアンテナ素子110及び第2のアンテナ素子111を、同一の回路基板上に回路パターンにより形成する場合は、近年の小型化及び薄型化の要請に伴って、回路基板を大きくできないので、第1のアンテナ素子110と第2のアンテナ素子111との距離が極めて近接する。この場合には、第1のアンテナ素子110と第2のアンテナ素子111とが結合し易いので、アンテナ性能が劣化する。一方、本実施の形態は、第1のアンテナ素子110と第2のアンテナ素子111とを、各々別体に構成して適度な距離だけ離して配置するとともに、結合調整回路108により第1のアンテナ素子110と第2のアンテナ素子111との結合度を変える。これにより、第1のアンテナ素子110と第2のアンテナ素子111との結合を利用して、ハイバンドアンテナである第1のアンテナ素子110のアンテナ性能を向上させることができる。
【0045】
このように、本実施の形態によれば、結合調整回路により第2のアンテナ素子の周波数特性を調整することにより、ハイバンドアンテナである第1のアンテナ素子をアシストするので、高周波数帯のアンテナ性能を向上させることができる。また、本実施の形態によれば、結合調整回路により第1のアンテナ素子と第2のアンテナ素子との結合度を変えることにより、第1のアンテナ素子と第2のアンテナ素子との結合を利用して、高周波数帯のアンテナ性能を向上させることができる。また、本実施の形態によれば、高周波数帯のアンテナ性能を向上させることができるので、従来に比べて、ハイバンドアンテナである第2のアンテナ素子を、ケーブル等のハイバンドアンテナに対する影響が大きい部材に近接させることができる。この結果、装置の小型化及び薄型化を図ることができる。また、本実施の形態によれば、結合調整回路により第1のアンテナ素子と第2のアンテナ素子との結合度を変えるので、第1のアンテナ素子と第2のアンテナ素子とを平行に配置しても結合によるアンテナ性能の劣化が生じない。この結果、筐体内におけるアンテナ配置の自由度を高くすることができる。
【0046】
なお、本実施の形態において、ヒンジ部により第1の筐体と第2の筐体を回転自在に接続したが、本発明はこれに限らず、ヒンジ部を有さない単体の筐体を有する通信端末装置に結合調整回路を設けて、第2のアンテナ素子の周波数特性を調整しもよい。
【0047】
(実施の形態2)
図10は、本発明の実施の形態2に係る通信端末装置1000の要部の平面図である。また、図11は、本発明の実施の形態2に係る通信端末装置1000の要部の側面図である。
【0048】
図10及び図11に示す通信端末装置1000は、図1に示す実施の形態1に係る通信端末装置100に対して、第2のアンテナ素子111を除き、接続部1001を追加し、ヒンジ部103の代わりにヒンジ部1002を有する。なお、図10及び図11において、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0049】
通信端末装置1000は、第1の筐体101と、第2の筐体102と、回路基板104と、無線回路105と、整合回路106と、接続点107と、結合調整回路108と、接続点109と、第1のアンテナ素子110と、コネクタ112と、ケーブル113と、接続部1001と、ヒンジ部1002とから主に構成される。以下に、上記の実施の形態1と異なる構成について、詳細に説明する。
【0050】
接続点109は、回路基板104に設けられ、結合調整回路108及びヒンジ部1002と電気的に接続する。
【0051】
接続部1001は、接続点109及びヒンジ部1002と電気的に接続する。
【0052】
第1のアンテナ素子110は、回路基板104に設けられ、高周波数帯で共振し、ハイバンドアンテナとして機能する。また、第1のアンテナ素子110は、略逆L字状であり、一端が接続点107と電気的に接続する。また、第1のアンテナ素子110は、他端側が回路基板104から突出して配置される。また、第1のアンテナ素子110は、接続点107と接続する端部から延設された先端側が、ヒンジ部1002に近接するとともにヒンジ部1002と平行になるように配置され、ヒンジ部1002と結合する。第1のアンテナ素子110は、例えば1430MHz〜2170MHzで共振する。
【0053】
ヒンジ部1002は、第1の筐体101と第2の筐体102とを回転自在に接続する。また、ヒンジ部1002は、導電性を有する材料により形成され、接続部1001と電気的に接続する。ヒンジ部1002は、接続部1001と電気的に接続することにより、低周波数帯で共振し、ローバンドアンテナとして機能する。また、ヒンジ部1002は、第1のアンテナ素子110よりもケーブル113の近くに配置される(L11<L12)。また、ヒンジ部1002は、結合調整回路108により周波数特性を調整されることにより、ハイバンドアンテナとしても機能する。ヒンジ部1002は、ハイバンドアンテナとして機能する際には、同様にハイバンドアンテナである第1のアンテナ素子110をアシストする。ヒンジ部1002は、低周波数帯で共振する際には、例えば830MHz〜885MHzで共振する。また、ヒンジ部1002は、第1のアンテナ素子110よりも回路基板104の図示しないグランド部から遠くに配置される。また、ヒンジ部1002は、第1のアンテナ素子110よりも電気長が長くなるように形成される。また、ヒンジ部1002は、第1のアンテナ素子110の接続点107と接続する端部から延設された先端側と平行になるように配置され、第1のアンテナ素子110と結合する。この際、ヒンジ部1002は、結合調整回路108により、第1のアンテナ素子110との結合度が変更される。これにより、ヒンジ部1002は、第1のアンテナ素子110との結合を利用して、第1のアンテナ素子110をアシストすることができる。
【0054】
結合調整回路108は、回路基板104に設けられ、整合回路106及び接続点109と電気的に接続する。また、結合調整回路108は、ヒンジ部1002の周波数特性を調整することにより、ヒンジ部1002を第1のアンテナ素子110と同様にハイバンドアンテナとして機能させて、第1のアンテナ素子110をアシストさせる。また、結合調整回路108は、第1のアンテナ素子110とヒンジ部1002との結合度を変えることにより、第1のアンテナ素子110とヒンジ部1002との結合を利用して、第1のアンテナ素子110のアンテナ性能を向上させる。
【0055】
上記の構成を有する通信端末装置1000は、結合調整回路108によりヒンジ部1002の周波数特性を調整することにより、ヒンジ部1002をハイバンドアンテナとして機能させる。従って、例えば、第1のアンテナ素子110に人体が接近することに伴って高周波数帯におけるアンテナ性能の劣化が生じた際に、ヒンジ部1002は第1のアンテナ素子110をアシストし、高周波数帯におけるアンテナ性能を向上させることができる。
【0056】
また、ハイバンドアンテナである第1のアンテナ素子110は、ローバンドアンテナであるヒンジ部1002に比べて、ケーブル113が近接することによる影響を受け易く、性能の劣化が大きい。しかしながら、本実施の形態では、ヒンジ部1002により第1のアンテナ素子110をアシストすることにより、上記の影響を抑制することができる。
【0057】
このように、本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、ヒンジ部を低周波数で共振するローバンドアンテナと兼用するので、部品点数を減少させることができ、製造コストを低減することができる。また、本実施の形態によれば、ヒンジ部を低周波数で共振するローバンドアンテナと兼用するので、実施の形態1と比べて、さらに小型化及び薄型化することができる。また、本実施の形態によれば、ヒンジ部は回路基板から離して配置されるので、回路基板のグランド部によるアンテナ性能の劣化を抑制することができる。
【0058】
(実施の形態3)
図12は、本発明の実施の形態3に係る通信端末装置1200の閉じた状態の斜視図である。また、図13は、本発明の実施の形態3に係る通信端末装置1200の開いた状態の斜視図である。また、図14は、本発明の実施の形態3に係る通信端末装置1200の要部の平面図である。また、図15は、本発明の実施の形態3に係る通信端末装置1200の要部の背面図である。また、図16は、本発明の実施の形態3に係る通信端末装置1200の要部の側面図である。
【0059】
図12〜図16に示す通信端末装置1200は、図10及び図11に示す実施の形態2に係る通信端末装置1000に対して、第3の筐体1203と、ヒンジ部1501と、回路基板1502と、コネクタ1503とを追加し、第1の筐体101の代わりに第1の筐体1201を有し、第2の筐体102の代わりに第2の筐体1202を有し、ケーブル113の代わりにケーブル1401を有する。なお、図12〜図16において、図1、図10及び図11と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0060】
通信端末装置1200は、回路基板104と、無線回路105と、整合回路106と、接続点107と、結合調整回路108と、接続点109と、第1のアンテナ素子110と、コネクタ112と、接続部1001と、ヒンジ部1002と、第1の筐体1201と、第2の筐体1202と、第3の筐体1203と、ケーブル1401と、ヒンジ部1501と、回路基板1502と、コネクタ1503とから主に構成される。以下に、上記の実施の形態1及び実施の形態2と異なる構成について、詳細に説明する。
【0061】
第1の筐体1201は、第3の筐体1203に対して、ヒンジ部1002によりX方向(図13参照)に回転自在に第3の筐体1203と接続する。また、第1の筐体1201は、回路基板104を内部に有する。
【0062】
第2の筐体1202は、第3の筐体1203に対して、ヒンジ部1501によりY方向(図13参照)に回転自在に第3の筐体1203と接続する。
【0063】
第3の筐体1203は、第1の筐体1201に対して、ヒンジ部1002によりX方向に回転自在に第1の筐体1201と接続する。また、第3の筐体1203は、第2の筐体1202に対して、ヒンジ部1501によりY方向に回転自在に第2の筐体1202と接続する。
【0064】
回路基板104は、第1の筐体1201の内部に設けられる。また、回路基板104は、無線回路105と、整合回路106と、結合調整回路108と、接続点109と、接続点109と、コネクタ112とが設けられる。
【0065】
第1のアンテナ素子110は、回路基板104に設けられ、高周波数帯で共振し、ハイバンドアンテナとして機能する。また、第1のアンテナ素子110は、略逆L字状であり、一端が接続点107と電気的に接続する。また、第1のアンテナ素子110は、他端側が回路基板104から突出して配置される。また、第1のアンテナ素子110は、接続点107と接続する端部から延設された先端側が、ヒンジ部1002に近接するとともにヒンジ部1002と平行になるように配置され、ヒンジ部1002と結合する。第1のアンテナ素子110は、例えば1430MHz〜2170MHzで共振する。
【0066】
コネクタ112は、回路基板104に配置され、ケーブル1401と電気的に接続する。
【0067】
ヒンジ部1002は、第1の筐体1201と第3の筐体1203とをX方向に互いに回転自在に接続する。また、ヒンジ部1002は、導電性を有する材料により形成され、接続部1001と電気的に接続する。ヒンジ部1002は、接続部1001と電気的に接続することにより、低周波数帯で共振し、ローバンドアンテナとして機能する。また、ヒンジ部1002は、第1のアンテナ素子110よりもケーブル1401の近くに配置される(L11<L12)。また、ヒンジ部1002は、第1のアンテナ素子110よりもヒンジ部1501の近くに配置される(L21<L22)。また、ヒンジ部1002は、結合調整回路108により周波数特性を調整されることにより、ハイバンドアンテナとしても機能する。ヒンジ部1002は、ハイバンドアンテナとして機能する際には、同様にハイバンドアンテナである第1のアンテナ素子110をアシストする。ヒンジ部1002は、低周波数帯で共振する際には、例えば830MHz〜885MHzで共振する。また、ヒンジ部1002は、第1のアンテナ素子110よりも回路基板104の図示しないグランド部から遠くに配置される。また、ヒンジ部1002は、第1のアンテナ素子110よりも電気長が長くなるように形成される。また、ヒンジ部1002は、第1のアンテナ素子110の接続点107と接続する端部から延設された先端側と平行になるように配置され、第1のアンテナ素子110と結合する。この際、ヒンジ部1002は、結合調整回路108により、第1のアンテナ素子110との結合度が変更される。これにより、ヒンジ部1002は、第1のアンテナ素子110との結合を利用して、第1のアンテナ素子110をアシストすることができる。
【0068】
結合調整回路108は、回路基板104に設けられ、整合回路106及び接続点109と電気的に接続する。また、結合調整回路108は、ヒンジ部1002の周波数特性を調整することにより、ヒンジ部1002を第1のアンテナ素子110と同様にハイバンドアンテナとして機能させて、第1のアンテナ素子110をアシストさせる。また、結合調整回路108は、第1のアンテナ素子110とヒンジ部1002との結合度を変えることにより、第1のアンテナ素子110とヒンジ部1002との結合を利用して、第1のアンテナ素子110のアンテナ性能を向上させる。
【0069】
ケーブル1401は、例えば同軸ケーブルであり、コネクタ112を介して回路基板104と電気的に接続されるとともに、コネクタ1503を介して回路基板1502と電気的に接続される。また、ケーブル1401は、第3の筐体1203の内部を経由するように配置される。また、ケーブル1401は、回路基板104から回路基板1502に対して所定の信号を伝送する。
【0070】
ヒンジ部1501は、第2の筐体1202と第3の筐体1203とをY方向に互いに回転自在に接続する。
【0071】
回路基板1502は、第2の筐体1202に設けられる。また、回路基板1502は、コネクタ1503が設けられる。
【0072】
コネクタ1503は、回路基板1502に配置され、ケーブル1401と電気的に接続する。
【0073】
上記の構成を有する通信端末装置1200は、結合調整回路108によりヒンジ部1002の周波数特性を調整することにより、ヒンジ部1002をハイバンドアンテナとして機能させる。従って、第1のアンテナ素子110に人体が接近することに伴って高周波数帯におけるアンテナ性能の劣化が生じた際に、ヒンジ部1002は第1のアンテナ素子110をアシストし、高周波数帯におけるアンテナ性能を向上させることができる。
【0074】
また、ハイバンドアンテナである第1のアンテナ素子110は、ローバンドアンテナであるヒンジ部1002に比べて、ケーブル1401が近接することによる影響を受け易く、性能の劣化が大きい。しかしながら、本実施の形態では、ヒンジ部1002により第1のアンテナ素子110をアシストすることにより、上記の影響を抑制することができる。
【0075】
また、ハイバンドアンテナである第1のアンテナ素子110は、ローバンドアンテナであるヒンジ部1002に比べて、導電性部材により形成されるヒンジ部1501により大きな影響を受ける。しかしながら、本実施の形態では、ヒンジ部1002により第1のアンテナ素子110をアシストすることにより、上記の影響を抑制することができる。
【0076】
このように、本実施の形態によれば、上記の実施の形態1及び実施の形態2の効果に加えて、高周波数帯のアンテナ性能を向上させることができるので、従来に比べて、第1のアンテナ素子を、筐体をY方向に回転させるヒンジ部(ヒンジ部1501)に近接させることができる。この結果、複数の筐体が異なる2方向に回転する装置において、小型化及び薄型化を図ることができる。
【0077】
なお、本実施の形態において、ヒンジ部をローバンドアンテナと兼用したが、本実施の形態はこれに限らず、上記の実施の形態1のように、ヒンジ部とは別体のローバンドアンテナを設けてもよい。
【0078】
(実施の形態4)
図17は、本発明の実施の形態4に係る通信端末装置1700の要部の平面図である。
【0079】
図17に示す通信端末装置1700は、図10及び図11に示す実施の形態2に係る通信端末装置1000に対して、パッキン1701と、パッキン保持部1702と、弾性接触部1703とを追加する。なお、図17において、図1、図10及び図11と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0080】
通信端末装置1700は、第1の筐体101と、第2の筐体102と、回路基板104と、無線回路105と、整合回路106と、接続点107と、結合調整回路108と、接続点109と、第1のアンテナ素子110と、コネクタ112と、ケーブル113と、ヒンジ部1002と、パッキン1701と、パッキン保持部1702と、弾性接触部1703とから主に構成される。以下に、上記の実施の形態1及び実施の形態2と異なる構成について、詳細に説明する。
【0081】
パッキン1701は、弾性部材で形成され、第1の筐体101の外周部に沿って、第1の筐体101に設けられる。また、パッキン1701は、回路基板104と、無線回路105と、整合回路106と、接続点107と、結合調整回路108と、接続点109と、第1のアンテナ素子110と、コネクタ112とを、第1の筐体101の内部に密封することにより防水または防塵する。
【0082】
パッキン保持部1702は、第1の筐体101に設けられ、導電性を有する部材で形成され、接続点109と弾性接触部1703とを電気的に接続する。また、パッキン保持部1702は、パッキン1701と密着してパッキン1701を保持し、第1の筐体101のパッキン1701より内側への水または埃の侵入を阻止する。
【0083】
弾性接触部1703は、第1の筐体101に設けられ、パッキン保持部1702とヒンジ部1002とを電気的に接続する。また、弾性接触部1703は、ヒンジ部1002と弾性接触する。
【0084】
第1のアンテナ素子110は、回路基板104に設けられ、高周波数帯で共振し、ハイバンドアンテナとして機能する。また、第1のアンテナ素子110は、略逆L字状であり、一端が接続点107と電気的に接続する。また、第1のアンテナ素子110は、他端側が回路基板104から突出して配置される。また、第1のアンテナ素子110は、接続点107と接続する端部から延設された先端側が、ヒンジ部1002に近接するとともにヒンジ部1002と平行になるように配置され、ヒンジ部1002と結合する。また、第1のアンテナ素子110は、パッキン1701の内側に配置される。従って、第1のアンテナ素子110は、パッキン1701により防水または防塵される。第1のアンテナ素子110は、例えば1430MHz〜2170MHzで共振する。
【0085】
ヒンジ部1002は、第1の筐体101と第2の筐体102とを回転自在に接続する。また、ヒンジ部1002は、導電性を有する材料により形成され、接続部1001と電気的に接続する。ヒンジ部1002は、接続部1001と電気的に接続することにより、低周波数帯で共振し、ローバンドアンテナとして機能する。また、ヒンジ部1002は、第1のアンテナ素子110よりもケーブル113の近くに配置される(L11<L12)。また、ヒンジ部1002は、結合調整回路108により周波数特性を調整されることにより、ハイバンドアンテナとしても機能する。ヒンジ部1002は、ハイバンドアンテナとして機能する際には、同様にハイバンドアンテナである第1のアンテナ素子110をアシストする。ヒンジ部1002は、低周波数帯で共振する際には、例えば830MHz〜885MHzで共振する。また、ヒンジ部1002は、第1のアンテナ素子110よりも回路基板104の図示しないグランド部から遠くに配置される。また、ヒンジ部1002は、第1のアンテナ素子110よりも電気長が長くなるように形成される。また、ヒンジ部1002は、第1のアンテナ素子110の接続点107と接続する端部から延設された先端側と平行になるように配置され、第1のアンテナ素子110と結合する。この際、ヒンジ部1002は、結合調整回路108により、第1のアンテナ素子110との結合度が変更される。これにより、ヒンジ部1002は、第1のアンテナ素子110との結合を利用して、第1のアンテナ素子110をアシストすることができる。また、ヒンジ部1002は、パッキン1701よりも外側に配置される。従って、ヒンジ部1002は、パッキン1701により防水または防塵されない。ヒンジ部1002は、第1の筐体101と第2の筐体102とを互いに回転自在に接続する必要があるため、パッキン1701の内側に配置することはできない。
【0086】
結合調整回路108は、回路基板104に設けられ、整合回路106及び接続点109と電気的に接続する。また、結合調整回路108は、ヒンジ部1002の周波数特性を調整することにより、ヒンジ部1002を第1のアンテナ素子110と同様にハイバンドアンテナとして機能させて、第1のアンテナ素子110をアシストさせる。また、結合調整回路108は、第1のアンテナ素子110とヒンジ部1002との結合度を変えることにより、第1のアンテナ素子110とヒンジ部1002との結合を利用して、第1のアンテナ素子110のアンテナ性能を向上させる。
【0087】
上記の防水または防塵構造では、ヒンジ部1002と接続点109とを接続するために、弾性接触部1703、パッキン保持部1702が必要となり、ヒンジ部1002から接続点109までの経路が長くなり、低周波数帯におけるアンテナ性能が劣化してしまう。しかしながら、本実施の形態では、図17に示すように結合調整回路108を設けることにより、低周波数帯における電気長を短くでき、低周波数帯におけるアンテナ性能を向上させることができる。
【0088】
上記の構成を有する通信端末装置1700は、結合調整回路108によりヒンジ部1002の周波数特性を調整することにより、ヒンジ部1002をハイバンドアンテナとして機能させる。従って、例えば、第1のアンテナ素子110に人体が接近することに伴って高周波数帯におけるアンテナ性能の劣化が生じた際に、ヒンジ部1002は第1のアンテナ素子110をアシストし、高周波数帯におけるアンテナ性能を向上させることができる。
【0089】
また、ハイバンドアンテナである第1のアンテナ素子110は、ローバンドアンテナであるヒンジ部1002に比べて、ケーブル113が近接することによる影響を受け易く、性能の劣化が大きい。しかしながら、本実施の形態では、ヒンジ部1002により第1のアンテナ素子110をアシストすることにより、上記の影響を抑制することができる。
【0090】
このように、本実施の形態によれば、上記の実施の形態1及び実施の形態2の効果に加えて、結合調整回路108によりヒンジ部1002の電気長を短くでき、ヒンジ部をパッキンの外側に配置することに伴って無線回路とヒンジ部との接続距離が長くなることによるアンテナ性能の劣化を抑制することができる。
【0091】
なお、本実施の形態において、ヒンジ部をローバンドアンテナと兼用したが、本実施の形態はこれに限らず、上記の実施の形態1のように、ヒンジ部とは別体のローバンドアンテナを設けてもよい。
【0092】
上記の実施の形態1〜実施の形態4において、ハイバンドアンテナをアシストしたが、本発明はこれに限らず、結合調整回路により第1のアンテナ素子の周波数特性を調整することにより、ローバンドアンテナである第2のアンテナ素子またはヒンジ部をアシストするようにしてもよい。
【0093】
また、上記の実施の形態1〜実施の形態4において、第1のアンテナ素子、および、第2のアンテナ素子は、略逆L字状のものであるとして説明したが、本発明はこれに限らず、ロッド形状のもの、ミアンダ状のもの、ループ状のもの、逆F形状のもの、板状のもの等のアンテナを、任意に組み合わせて構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、特に低周波数帯と高周波数帯との2つの帯域で共振するアンテナを有する通信端末装置に好適である。
【符号の説明】
【0095】
100 通信端末装置
101 第1の筐体
102 第2の筐体
103 ヒンジ部
104 回路基板
105 無線回路
106 整合回路
107、109 接続点
108 結合調整回路
110 第1のアンテナ素子
111 第2のアンテナ素子
112 コネクタ
113 ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に設けられる回路基板と、
前記回路基板に設けられる無線回路と、
前記無線回路と電気的に接続し、第1の周波数で共振する第1のアンテナ素子と、
前記無線回路と電気的に接続し、前記第1の周波数よりも低い周波数の第2の周波数で共振する第2のアンテナ素子と、
前記回路基板に設けられ、前記第2のアンテナ素子の周波数特性の調整、または前記第1のアンテナ素子と前記第2のアンテナ素子との結合度の変更を行う調整回路と、
を具備する通信端末装置。
【請求項2】
前記筐体は、第1の筐体と第2の筐体とからなり、
前記第2のアンテナ素子は、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを回転自在に接続する導電性のヒンジ部である請求項1記載の通信端末装置。
【請求項3】
前記筐体の外周部に沿って前記筐体に配置され、前記回路基板及び前記第1のアンテナ素子を前記筐体の内部に密封するパッキンをさらに具備し、
前記第2のアンテナ素子は、前記筐体において前記パッキンよりも外側に配置される請求項2記載の通信端末装置。
【請求項4】
前記第1のアンテナ素子は、前記第2のアンテナ素子の一部または全部と平行に配置される請求項1記載の通信端末装置。
【請求項5】
第1の筐体と、
前記第1の筐体に回転自在に接続する第2の筐体と、
前記第1の筐体に設けられる第1の回路基板と、
前記第2の筐体に設けられる第2の回路基板と、
前記第1の回路基板と前記第2の回路基板とを電気的に接続するケーブルと、
前記第1の回路基板に設けられる無線回路と、
前記第1の筐体に設けられ、前記無線回路と電気的に接続するとともに、第1の周波数で共振する第1のアンテナ素子と、
前記第1の筐体に設けられ、前記無線回路と電気的に接続し、前記第1の周波数よりも低い周波数の第2の周波数で共振するとともに、前記第1のアンテナ素子よりも前記ケーブルの近くに配置される第2のアンテナ素子と、
前記第1の回路基板に設けられ、前記第2のアンテナ素子の周波数特性の調整、または前記第1のアンテナ素子と前記第2のアンテナ素子との結合度の変更を行う調整回路と、
を具備する通信端末装置。
【請求項6】
第1の筐体と、
前記第1の筐体に回転自在に接続する第2の筐体と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを第1の回転方向に回転自在に接続する第1のヒンジ部と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを前記第2の回転方向に回転自在に接続し、導電部材により形成される第2のヒンジ部と、
前記第1の筐体に設けられる第1の回路基板と、
前記第2の筐体に設けられる第2の回路基板と、
前記第1の回路基板に設けられる無線回路と、
前記第1の筐体に設けられ、前記無線回路と電気的に接続するとともに、第1の周波数で共振する第1のアンテナ素子と、
前記第1の筐体に設けられ、前記無線回路と電気的に接続し、前記第1の周波数よりも低い周波数の第2の周波数で共振するとともに、前記第1のアンテナ素子よりも前記第2のヒンジ部の近くに配置される第2のアンテナ素子と、
前記第1の回路基板に設けられ、前記第2のアンテナ素子の周波数特性の調整、または前記第1のアンテナ素子と前記第2のアンテナ素子との結合度の変更を行う調整回路と、
を具備する通信端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−259004(P2011−259004A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128984(P2010−128984)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】