説明

通信装置、および電話端末

【課題】キャリアに関らず保留先から保留音を出力する。また保留音を変更可能とする。
【解決手段】呼制御サーバ2は、IP電話網7側からの保留メッセージのメソッド・メディア属性を、保留先の収容端末で処理可能な保留メッセージのメソッド・メディア属性に変換し、この保留メッセージを、この収容端末に送信する。また、IP電話網7側からの保留メッセージを、そのメディア属性を、保留先を保留音源に指定するメディア属性から保留元を保留音源に指定するメディア属性に変換して収容端末に送信した場合に、保留音を生成して収容端末に送信する。また、IP電話網7側からの保留メッセージを、そのメディア属性を、保留元を保留音源に指定するメディア属性から、保留先を保留音源に指定するメディア属性に変換して収容端末に送信した場合に、IP電話網7の通話相手から送られてくる保留音を破棄する。また、収容端末の指示に従い保留音を変更できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話の保留技術および電話端末に関し、例えば通話中の相手先に音源情報(例えば保留音)の送出及び変更可能な音源を備える通信装置若しくは電話端末に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、帯域を節約できるIP電話の保留技術が開示されている。
【0003】
この技術において、保留元のIP電話端末は、保留元を保留音源に指定するメディア属性を備えた保留メッセージを、呼制御サーバ経由で保留先のIP電話端末に通知する。しかし、保留元のIP電話端末は、保留先のIP電話端末に保留音を送信しない。一方、保留先のIP電話端末は、呼制御サーバ経由で保留元のIP電話端末から保留メッセージを受信した場合に、この保留メッセージのメディア属性が保留元を保留音源に指定するメディア属性であるにもかかわらず、自ら保留音を生成して出力する(例えば図6参照)。このようにすることにより、保留音がIP電話網上を流れないので、帯域を節約することができる。
【特許文献1】特開2006−13916号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、IP電話網を提供するキャリアは多々あるが、これらのキャリアがサポートする保留メッセージのメソッドおよびメディア属性は異なることがある。また、保留メッセージをサポートしないキャリアもある。このため、キャリアによっては、保留先のIP電話端末から保留音を出力できない場合がある。また、従来のIP電話端末は、所望の音源情報を通話相手に聞かせることや、相手に送出中の音源情報を途中変更することについて何ら考慮されていない。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、キャリアに関わらず保留先から保留音を出力可能な技術を提供することにある。また、本発明の他の目的は、所望の音源情報を通話中の相手に聞かせることや、相手に送出中の保留音及び音源情報を途中変更が可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の通信装置は、IP電話端末から受信した保留メッセージのメソッドおよびメディア属性を、自通信装置が加入するキャリアがサポートする保留メッセージのメソッドおよびメディア属性に変換して、当該保留メッセージをIP電話網に送信する。また、必要に応じて、保留元のIP電話端末の代わりに保留音を生成し、当該保留音を保留先に送信する。
【0007】
例えば、本発明の通信装置は、少なくとも一台のIP電話端末をIP電話網に接続する通信装置であって、
キャリア毎に、当該キャリアがサポートする保留メッセージのメソッドおよびメディア属性を記憶するキャリア情報記憶手段と、
前記IP電話端末から受信した保留メッセージのメソッドおよびメディア属性を、自通信装置が加入しているキャリアに対応付けられて前記キャリア情報記憶手段に記憶されている保留メッセージのメソッドおよびメディア属性に変換して、当該保留メッセージを前記IP電話網に送信する保留メッセージ変換手段と、
前記保留メッセージ変換手段により、前記IP電話端末から受信した保留メッセージのメディア属性が、保留先を保留音源に指定するメディア属性から、保留元を保留音源に指定するメディア属性に変換されて、当該保留メッセージが前記IP電話網に送信された場合に、保留音を生成して当該保留メッセージの送信先に送信する保留音代理生成手段と、
前記保留メッセージ変換手段により、前記IP電話端末から受信した保留メッセージのメディア属性が、保留元を保留音源に指定するメディア属性から、保留先を保留音源に指定するメディア属性に変換されて、当該保留メッセージが前記IP電話網に送信された場合に、当該IP電話端末から送られてくる保留音を、当該保留メッセージの送信先に送信することなく破棄する保留音終端手段と、を有する。
【0008】
また、本発明の通信装置は、通話中の相手先に音源情報(例えば保留音)の送出及び変更可能な音源を備える。
【0009】
例えば、本発明の通信装置は、
少なくとも一台の電話端末を収容し、通信網に接続する通信装置であって、
複数の音源情報を記憶する記憶手段と、
通信中の前記電話端末からの音源情報送出要求により、前記記憶手段に記憶された音源情報の一つを前記通信網に送出する音源情報送出手段と、
前記音源情報送出手段が前記通信網に音源情報を送出している場合に、前記電話端末からの音源情報変更要求を受けると、送出している音源情報を変更し、当該音源情報変更要求の音源情報を送出する音源情報変更手段と、を備える。
【0010】
また、本発明の電話端末は、通話相手を保留する場合に、ユーザより指定されている音源情報を再生し、これを保留音として通話相手に送信する。また、ユーザより指定されている音源情報を再生し、これを通話中のBGMとして通話相手に送信する。
【0011】
例えば、本発明の電話端末は、
通信網に接続される電話端末であって、
複数の音源情報を記憶する記憶手段と、
前記音源情報の指定を受け付ける受付手段と、
通話中に前記受付手段の指定により、前記記憶手段に記憶された音源情報の一つを前記通信網に送出する音源情報送出手段と、
前記音源情報送出手段が前記通信網に音源情報を送出している場合に、前記受付手段より、別の音源情報の指定を受け付けると、送出している音源情報を変更し、当該指定された音源情報を送出する音源情報変更手段と、を備える。
【0012】
また、例えば、本発明の電話端末は、
保留機能を備えたIP電話端末であって、
音源情報を記憶する音源情報記憶手段と、
音源情報の指定を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により指定されている音源情報を前記音源情報記憶手段から読み出して、当該音源情報に基づき保留音を生成し、生成した保留音を保留先の通話相手に送信する保留音生成手段と、を有する。
【0013】
また、例えば、本発明の電話端末は、
例えば、本発明のIP電話端末は、
BGM機能を備えたIP電話端末であって、
音源情報を記憶する音源情報記憶手段と、
音源情報の指定を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により指定されている音源情報を前記音源情報記憶手段から読み出して再生する音源再生手段と、
マイクに入力された音声データと前記音源再生手段から出力された再生データとを合成して、通話相手に送信する通話データを生成する送信音声合成手段と、を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、キャリアに関わらず保留先から保留音を出力することができる。また、所望の音源情報を通話相手に聞かせることができる。また、所望の音源情報を通話中の相手に聞かせることや、相手に送出中の音源情報を途中変更可能となる。更に、通話音声と音源情報とを合成して、音源情報をBGM的に使用することも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
[第一実施の形態]
先ず、本発明の第一実施の形態に係る呼制御サーバを説明する。図1は、本発明の第一実施の形態に係る呼制御サーバを含むIP電話システムの概略図である。
【0016】
図示するように、IP電話システム1は、本実施の形態に係る呼制御サーバ2と、少なくとも一台のIP−TEL(IP電話機)3または無線IP−TEL4と、AP(無線アクセスポイント)5と、呼制御サーバ2、IP−TEL3およびAP5を相互接続するLAN6と、を有する。
【0017】
以上のような構成において、呼制御サーバ2は、SIP(Session Initiation Protocol)に従い、自呼制御サーバ2が収容するIP−TEL3、無線IP−TEL4の呼制御を実施する。これにより、自呼制御サーバ2が収容するIP−TEL3、無線IP−TEL4をIP電話網7に接続する。また、呼制御サーバ2は、IP−TEL3、無線IP−TEL4から受信した保留メッセージのメソッドおよびメディア属性を、IP電話網7のキャリアがサポートする保留メッセージのメソッドおよびメディア属性に変換し、その保留メッセージをIP電話網7に送信する。また、必要に応じて、保留元(保留メッセージの送信元)のIP−TEL3、無線IP−TEL4の代わりに保留音を生成し、IP電話網7を介して保留先(保留メッセージの送信元)に送信する。
【0018】
図2は、本発明の第一実施の形態に係る呼制御サーバ2の概略構成図である。
【0019】
図示するように、呼制御サーバ2は、LANインターフェース部21と、IP電話網インターフェース部22と、呼制御部23と、局データ記憶部24と、端末情報記憶部25と、キャリア情報記憶部26と、保留制御部27と、を有する。
【0020】
LANインターフェース部21は、LAN6に接続するためのインターフェースである。
【0021】
IP電話網インターフェース部22は、IP電話網7に接続するためのインターフェースである。
【0022】
呼制御部23は、SIPに従い呼制御処理を行って、自呼制御サーバ2が収容するIP−TEL3、無線IP−TEL4(以下、収容端末とも呼ぶ)のセッションを確立する。
【0023】
局データ記憶部24には、呼制御部23による呼制御処理に用いられる局データが記憶されている。
【0024】
端末情報記憶部25には、収容端末3、4の各々について、この収容端末3、4が処理可能な保留メッセージの情報が記憶されている。
【0025】
図3(A)は、端末情報記憶部25の登録内容を模式的に表した図である。図示するように、端末情報記憶部25には、収容端末毎にレコード250が登録されている。レコード250は、電話番号を登録するフィールド251と、IPアドレスを登録するフィールド252と、保留メッセージのメソッドを登録するフィールド253と、保留指示の場合に使用する保留メッセージのメディア属性(a行)を登録するフィールド254と、保留解除の場合に使用する保留メッセージのメディア属性を登録するフィールド255と、を有する。
【0026】
なお、図示するように、保留メッセージのメソッドとして、「UPDATE」および「re−INVITE」がある。また、保留指示の場合に使用する保留メッセージのメディア属性として、「sendonly」および「inactive」がある。「sendonly」は、保留元を保留音源とする場合、すなわち保留元から保留先に対して保留音を流す場合に利用される。一方、「inactive」は、保留先を保留音源とする場合、すなわち保留元から保留先に保留音を流さず、保留先がローカルで保留音を生成する場合に利用される。また、保留解除の場合に使用する保留メッセージのメディア属性として、「sendrecv」がある。
【0027】
キャリア情報記憶部26には、IP電話サービスを提供するキャリア毎に、このキャリアがサポートする保留メッセージの情報が記憶されている。
【0028】
図3(B)は、キャリア情報記憶部26の登録内容を模式的に表した図である。図示するように、キャリア情報記憶部26には、キャリア毎にレコード260が登録されている。レコード260は、キャリアの識別情報(キャリアID)を登録するフィールド261と、使用可能な保留メッセージのメソッドを登録するフィールド262と、保留指示の場合に使用可能な保留メッセージのメディア属性を登録するフィールド263と、保留解除の場合に使用可能な保留メッセージのメディア属性を登録するフィールド264と、を有する。
【0029】
なお、キャリアが何れの保留メッセージもサポートしていない場合、このキャリアのレコード260のフィールド262〜264には「N/A」が登録される。
【0030】
保留制御部27は、保留メッセージ変換部271と、保留音代理生成部272と、保留音終端部273と、を有する。
【0031】
保留メッセージ変換部271は、収容端末3、4から受信した保留メッセージのメソッドおよびメディア属性を、IP電話網7のキャリアに対応付けられてキャリア情報記憶部26に記憶されている保留メッセージのメソッドおよびメディア属性に変換し、この保留メッセージをIP電話網7に送信する。また、保留メッセージ変換部271は、IP電話網7から受信した保留メッセージのメソッドおよびメディア属性を、この保留メッセージの送信先に対応付けられて端末情報記憶部25に記憶されている保留メッセージのメソッドおよびメディア属性に変換して、この保留メッセージを、この保留メッセージの送信先に送信する。
【0032】
保留音代理生成部272は、保留メッセージ変換部271により、収容端末3、4から受信した保留メッセージが、それのメディア属性が「inactive」から「sendonly」に変換されてからIP電話網7に送信された場合に、保留音を生成し、この保留音を、IP電話網7を介して、この保留メッセージの送信先に送信する。また、保留音代理生成部272は、保留メッセージ変換部271により、IP電話網7から受信した保留メッセージが、それのメディア属性が「inactive」から「sendonly」に変換されてから、この保留メッセージの送信先である収容端末3、4に送信された場合に、保留音を生成し、この保留音を、この収容端末3、4に送信する。
【0033】
保留音終端部273は、保留メッセージ変換部271により、収容端末3、4から受信した保留メッセージが、それのメディア属性が「sendonly」から「inactive」に変換されてからIP電話網7に送信された場合に、この収容端末3、4から送られてくる保留音を、この保留メッセージの送信先に送信することなく破棄する。また、保留音終端部273は、保留メッセージ変換部271により、IP電話網7から受信した保留メッセージが、それのメディア属性が「sendonly」から「inactive」に変換されてから、この保留メッセージの送信先である収容端末3、4に送信された場合に、IP電話網7から送られてくる保留音を、この収容端末3、4に送信することなく破棄する。
【0034】
図4は、本発明の第一実施の形態に係る呼制御サーバ2の保留制御処理を説明するためのフロー図である。このフローは、何れかの収容端末3、4がIP電話網7を介して通話相手と通話中(セッション確立中)において、この収容端末3、4あるいは通話相手からの保留メッセージを呼制御サーバ2が受信することにより開始される。
【0035】
先ず、呼制御部23は、受信した保留メッセージを保留制御部27に渡す。これを受けて、保留メッセージ変換部271は、保留元が収容端末3、4(LAN6側)であるか、それとも通話相手(IP電話網7側)であるかを判断する(S100)。保留元が収容端末3、4である場合(S100で「LAN側」)はS101に進み、保留元が通話相手である場合(S100で「IP電話網側」)はS111に進む。
【0036】
S101において、保留メッセージ変換部271は、キャリア情報記憶部26から、IP電話網7のキャリアに対応するレコード260を検索し、この検索したレコード260の登録内容に基づいて、収容端末3、4から受信した保留メッセージのメソッドおよびメディア属性を、IP電話網7のキャリアがサポートするメソッドおよびメディア属性に変換する。
【0037】
具体的には、収容端末3、4から受信した保留メッセージのメソッドが、検索したレコード260のフィールド262に記述されているメソッドと異なる場合に、この保留メッセージのメソッドを、検索したレコード260のフィールド262に記述されているメソッドに変更する。また、収容端末3、4から受信した保留メッセージのメディア属性が保留指示であり、このメディア属性が、検索したレコード260のフィールド263に記述されているメディア属性と異なる場合に、この保留メッセージのメディア属性を、検索したレコード260のフィールド263に記述されているメディア属性に変更する。また、収容端末3、4から受信した保留メッセージのメディア属性が保留解除であり、このメディア属性が、検索したレコード260のフィールド264に記述されているメディア属性と異なる場合に、この保留メッセージのメディア属性を、検索したレコード260のフィールド264に記述されているメディア属性に変更する。
【0038】
それから、保留メッセージ変換部271は、以上のようにして、必要に応じてメソッドおよびメディア属性が変換された保留メッセージを呼制御部23に渡す。これを受けて、呼制御部23は、この保留メッセージを、IP電話網インターフェース部22からIP電話網7に送信する。
【0039】
ただし、IP電話網7のキャリアに対応するレコード260のフィールド262〜264に「N/A」が登録されている場合、すなわち、IP電話網7のキャリアが保留メッセージをサポートしていない場合、保留メッセージ変換部271は、保留メッセージを、呼制御部23に渡すことなく破棄する。したがって、保留メッセージはIP電話網7に送信されない。
【0040】
次に、呼制御部23は、IP電話網インターフェース部22を介してIP電話網7側から、保留メッセージに対する応答メッセージを受信すると、LANインターフェース部21を介して保留元の収容端末3、4に、この応答メッセージを送信する(S102)。
【0041】
ただし、IP電話網7のキャリアが保留メッセージをサポートしておらず、このため、S101において保留メッセージがIP電話網7に送信されなかった場合、IP電話網7側の保留先から、保留メッセージに対する応答メッセージを受信しない。この場合、呼制御部23は、保留元の収容端末3、4に対して、保留メッセージに対する応答メッセージを、保留先の代わりに送信する。
【0042】
次に、保留音代理生成部272は、収容端末3、4から受信した保留メッセージのメディア属性が保留指示であるか、それとも保留解除であるかを調べる(S103)。保留メッセージのメディア属性が保留指示である場合(S103で「保留」)はS104に進み、保留メッセージのメディア属性が保留解除である場合(S103で「保留解除」)はS120に進む。
【0043】
S104において、保留音代理生成部272は、S101において保留メッセージのメディア属性が、保留元を保留音源とする保留指示(メディア属性:sendonly)から、保留先を保留音源とする保留指示(メディア属性:inactive)に変更されたか否かを判断する。そのように変更されていない場合(S104でNO)はS106に進む。一方、そのように変更された場合(S104でYES)、保留音代理生成部272は、保留音終端部273に保留音の終端を指示する。これを受けて、保留音終端部273は、LANインターフェース部21を介して保留元の収容端末3、4から受信する音声パケット(保留音格納)を、IP電話網7に転送することなく破棄する(S105)。その後、このフローを終了する。
【0044】
S106において、保留音代理生成部272は、S101において保留メッセージのメディア属性が、保留先を保留音源とする保留指示(メディア属性:inactive)から、保留元を保留音源とする保留指示(メディア属性:sendonly)に変更されたか否か、あるいは保留先を保留音源とする保留指示(メディア属性:inactive)の保留メッセージが破棄されたか否かを判断する。そのように変更されていない場合(S106でNO)はこのフローを終了する。一方、そのように変更された場合(S106でYES)、保留音代理生成部272は、保留音を生成する。そして、IP電話網インターフェース部22を介してIP電話網7側の保留先に、この保留音を格納した音声パケットを送信する(S107)。その後、このフローを終了する。
【0045】
また、S111において、保留メッセージ変換部271は、端末情報記憶部25から、保留先の収容端末3、4に対応するレコード250を検索し、この検索したレコード250に基づいて、IP電話網7から受信した保留メッセージのメソッドおよびメディア属性を、この収容端末3、4が処理可能なメソッドおよびメディア属性に変換する。
【0046】
具体的には、IP電話網7側から受信した保留メッセージのメソッドが、検索したレコード250のフィールド253に記述されているメソッドと異なる場合に、この保留メッセージのメソッドを、検索したレコード250のフィールド253に記述されているメソッドに変更する。また、IP電話網7側から受信した保留メッセージのメディア属性が保留指示であり、このメディア属性が、検索したレコード250のフィールド254に記述されているメディア属性と異なる場合に、この保留メッセージのメディア属性を、検索したレコード250のフィールド254に記述されているメディア属性に変更する。また、IP電話網7側から受信した保留メッセージのメディア属性が保留解除であり、このメディア属性が検索したレコード250のフィールド255に記述されているメディア属性と異なる場合に、この保留メッセージのメディア属性を、検索したレコード250のフィールド255に記述されているメディア属性に変更する。
【0047】
それから、保留メッセージ変換部271は、以上のようにして、必要に応じてメソッドおよびメディア属性が変換された保留メッセージを呼制御部23に渡す。これを受けて、呼制御部23は、この保留メッセージを、LANインターフェース部21からLAN6に送信する。
【0048】
次に、呼制御部23は、LANインターフェース部21を介してLAN6側から、保留メッセージに対する応答メッセージを受信すると、IP電話網インターフェース部22を介してIP電話網7側の保留元に、この応答メッセージを送信する(S112)。
【0049】
次に、保留音代理生成部272は、IP電話網7側から受信した保留メッセージのメディア属性が保留指示であるか、それとも保留解除であるかを調べる(S113)。保留メッセージのメディア属性が保留指示である場合(S113で「保留」)はS114に進み、保留メッセージのメディア属性が保留解除である場合(S113で「保留解除」)はS120に進む。
【0050】
S114において、保留音代理生成部272は、S111において保留メッセージのメディア属性が、保留元を保留音源とする保留指示(メディア属性:sendonly)から、保留先を保留音源とする保留指示(メディア属性:inactive)に変更されたか否かを判断する。そのように変更されていない場合(S114でNO)はS116に進む。一方、そのように変更された場合(S114でYES)、保留音代理生成部272は、保留音終端部273に保留音の終端を指示する。これを受けて、保留音終端部273は、IP電話網インターフェース部22を介してIP電話網7側の保留元から受信する音声パケットを、LAN6側の保留先の収容端末3、4に転送することなく破棄する(S115)。その後、このフローを終了する。
【0051】
S116において、保留音代理生成部272は、S111において保留メッセージのメディア属性が、保留先を保留音源とする保留指示(メディア属性:inactive)から、保留元を保留音源とする保留指示(メディア属性:sendonly)に変更されたか否かを判断する。そのように変更されていない場合(S116でNO)はこのフローを終了する。一方、そのように変更された場合(S116でYES)、保留音代理生成部272は、保留音を生成する。そして、LANインターフェース部21を介してLAN6側の保留先の収容端末3、4に、この保留音を格納した音声パケットを送信する(S117)。その後、このフローを終了する。
【0052】
また、S120において、保留音代理生成部272は、保留音を格納した音声パケットを送信中であるならば、この保留音の生成および音声パケットの送信を停止する。そして、このフローを終了する。
【0053】
次に、図1に示すIP電話システム1の動作例を説明する。
【0054】
図5(A)は、いずれかの収容端末3、4からIP電話網7側の通話相手8へ保留メッセージ(保留指示)を送信する場合の動作例を示すシーケンス図である。ここでは、収容端末を電話番号[001]のIP−TEL3とし、IP電話網7のキャリアをキャリアEとしている(図3(A)、(B)参照)。
【0055】
電話番号[001]のIP−TEL3(保留元)とIP電話網7側の通話相手8(保留先)との間にセッションが確立されているものとする(S200)。
【0056】
この状態において、電話番号[001]のIP−TEL3は、ユーザから保留指示を受け付けると(S201)、呼制御サーバ2に保留メッセージ(メソッド:UPDATE、メディア属性:sendonly)を送信する(S202)。
【0057】
呼制御サーバ2は、電話番号[001]のIP−TEL3から、この保留メッセージ(メソッド:UPDATE、メディア属性:sendonly)を受信すると、IP電話網7のキャリアEに対応付けられてキャリア情報記憶部26に記憶されているレコード260の登録内容に基づいて、この保留メッセージを、IP電話網7がサポートする保留メッセージ(メソッド:re−INVITE、メディア属性:inactive)に変換する(S203)。そして、この保留メッセージを、IP電話網7を介して通話相手8に送信する(S204)。
【0058】
通話相手8は、保留メッセージ(メソッド:re−INVITE、メディア属性:inactive)を受信すると、応答メッセージを返信する(S205)。また、この保留メッセージのメディア属性に従い、保留音を生成して出力する(S207)。
【0059】
一方、呼制御サーバ2は、IP電話網7を介して通話相手8から応答メッセージを受信すると、この応答メッセージを電話番号[001]のIP−TEL3に転送する(S206)。これを受けて、電話番号[001]のIP−TEL3は、保留音を生成し、この保留音を格納した音声パケットを通話相手8宛に送信する(S208)。呼制御サーバ2は、この音声パケットを、IP電話網7に送出することなく破棄する(S209)。
【0060】
図5(B)は、IP電話網7側の通話相手8からいずれかの収容端末3、4へ保留メッセージ(保留指示)を送信する場合の動作例を示すシーケンス図である。ここでは、収容端末を電話番号[001]のIP−TEL3とし、IP電話網7のキャリアをキャリアEとしている(図3(A)、(B)参照)。
【0061】
電話番号[001]のIP−TEL3(保留先)とIP電話網7側の通話相手8(保留元)との間にセッションが確立されているものとする(S210)。
【0062】
この状態において、通話相手8は、ユーザから保留指示を受け付けると(S211)、IP電話網7に保留メッセージ(メソッド:re−INVITE、メディア属性:inactive)を送信する。この保留メッセージは、IP電話網7を介して呼制御サーバ2に到達する(S212)。
【0063】
呼制御サーバ2は、IP電話網7から、この保留メッセージ(メソッド:re−INVITE、メディア属性:inactive)を受信すると、この保留メッセージの送信先である電話番号[001]のIP−TEL3に対応付けられて端末情報記憶部25に記憶されているレコード250の登録内容に基づいて、この保留メッセージを、電話番号[001]のIP−TEL3が処理可能な保留メッセージ(メソッド:UPDATE、メディア属性:sendonly)に変換する(S213)。そして、この保留メッセージを電話番号[001]のIP−TEL3に送信する(S214)。
【0064】
電話番号[001]のIP−TEL3は、保留メッセージ(メソッド:UPDATE、メディア属性:sendonly)を受信すると、応答メッセージを返信する(S215)。
【0065】
呼制御サーバ2は、電話番号[001]のIP−TEL3から応答メッセージを受信すると、IP電話網7を介して通話相手8に、この応答メッセージ転送する(S216)。また、呼制御サーバ2は、保留音を生成し、この保留音を格納した音声パケットを電話番号[001]のIP−TEL3に送信する(S217)。
【0066】
図6(A)は、いずれかの収容端末3、4からIP電話網7側の通話相手8へ保留メッセージ(保留指示)を送信する場合の動作例を示すシーケンス図である。ここでは、収容端末を電話番号[004]の無線IP−TEL4とし、IP電話網7のキャリアをキャリアAとしている(図3(A)、(B)参照)。
【0067】
電話番号[004]の無線IP−TEL4(保留元)とIP電話網7側の通話相手8(保留先)との間にセッションが確立されているものとする(S220)。
【0068】
この状態において、電話番号[004]の無線IP−TEL4は、ユーザから保留指示を受け付けると(S221)、呼制御サーバ2に保留メッセージ(メソッド:re−INVITE、メディア属性:inactive)を送信する(S222)。
【0069】
呼制御サーバ2は、電話番号[004]の無線IP−TEL4から、この保留メッセージ(メソッド:re−INVITE、メディア属性:inactive)を受信すると、IP電話網7のキャリアAに対応付けられてキャリア情報記憶部26に記憶されているレコード260の登録内容に基づいて、この保留メッセージを、IP電話網7がサポートする保留メッセージ(メソッド:UPDATE、メディア属性:sendonly)に変換する(S223)。そして、この保留メッセージを、IP電話網7を介して通話相手8に送信する(S224)。
【0070】
通話相手8は、保留メッセージ(メソッド:UPDATE、メディア属性:sendonly)を受信すると、応答メッセージを返信する(S225)。
【0071】
呼制御サーバ2は、IP電話網7を介して、通話相手8から応答メッセージを受信すると、この応答メッセージを電話番号[004]の無線IP−TEL4に転送する(S226)。また、呼制御サーバ2は、保留音を生成し、この保留音を格納した音声パケットを、IP電話網7を介して通話相手8に送信する(S227)。
【0072】
図6(B)は、IP電話網7側の通話相手8からいずれかの収容端末3、4へ保留メッセージ(保留指示)を送信する場合の動作例を示すシーケンス図である。ここでは、収容端末を電話番号[004]の無線IP−TEL4とし、IP電話網7のキャリアをキャリアAとしている(図3(A)、(B)参照)。
【0073】
電話番号[004]の無線IP−TEL4(保留先)とIP電話網7側の通話相手8(保留元)との間にセッションが確立されているものとする(S230)。
【0074】
この状態において、通話相手8は、ユーザから保留指示を受け付けると(S231)、IP電話網7に保留メッセージ(メソッド:UPDATE、メディア属性:sendonly)を送信する。この保留メッセージは、IP電話網7を介して呼制御サーバ2に到達する(S232)。
【0075】
呼制御サーバ2は、IP電話網7から、この保留メッセージ(メソッド:UPDATE、メディア属性:sendonly)を受信すると、この保留メッセージの送信先である電話番号[004]の無線IP−TEL4に対応付けられて端末情報記憶部25に記憶されているレコード250の登録内容に基づいて、この保留メッセージを、電話番号[004]の無線IP−TEL4が処理可能な保留メッセージ(メソッド:re−INVITE、メディア属性:inactive)に変換する(S233)。そして、この保留メッセージを電話番号[004]の無線IP−TEL4に送信する(S234)。
【0076】
電話番号[004]の無線IP−TEL4は、保留メッセージ(メソッド:re−INVITE、メディア属性:inactive)を受信すると、応答メッセージを返信する(S235)。また、この保留メッセージのメディア属性に従い、保留音を生成して出力する(S237)。
【0077】
一方、呼制御サーバ2は、電話番号[004]の無線IP−TEL4から応答メッセージを受信すると、IP電話網7を介して通話相手8に、この応答メッセージ転送する(S236)。これを受けて、通話相手8は、保留音を生成し、この保留音を格納した音声パケットを電話番号[004]の無線IP−TEL4宛に送信する(S238)。呼制御サーバ2は、この音声パケットを、LAN6に送出することなく破棄する(S239)。
【0078】
図7(A)は、いずれかの収容端末3、4からIP電話網7側の通話相手8へ保留メッセージ(保留指示)を送信する場合の動作例を示すシーケンス図である。ここでは、収容端末を電話番号[002]のIP−TEL3とし、IP電話網7のキャリアをキャリアGとしている(図3(A)、(B)参照)。
【0079】
電話番号[002]のIP−TEL3(保留元)とIP電話網7側の通話相手8(保留先)との間にセッションが確立されているものとする(S240)。
【0080】
この状態において、電話番号[002]のIP−TEL3は、ユーザから保留指示を受け付けると(S241)、呼制御サーバ2に保留メッセージ(メソッド:re−INVITE、メディア属性:sendonly)を送信する(S242)。
【0081】
呼制御サーバ2は、電話番号[002]のIP−TEL3から、この保留メッセージ(メソッド:re−INVITE、メディア属性:sendonly)を受信すると、IP電話網7のキャリアGに対応付けられてキャリア情報記憶部26に記憶されているレコード260を検索する。そして、このレコード260のフィールド262〜264に「N/A」が登録されていることを確認し、この保留メッセージを、IP電話網7に送信することなく破棄する(S243)。また、この保留メッセージに対する応答メッセージを電話番号[002]のIP−TEL3に返信する(S244)。
【0082】
これを受けて、電話番号[002]のIP−TEL3は、保留音を生成し、この保留音を格納した音声パケットを送信する。この音声パケットは、呼制御サーバ2およびIP電話網7を介して通話相手8に到達する(S245)。
【0083】
図7(B)は、いずれかの収容端末3、4からIP電話網7側の通話相手8へ保留メッセージ(保留指示)を送信する場合の動作例を示すシーケンス図である。ここでは、収容端末を電話番号[003]の無線IP−TEL4とし、IP電話網7のキャリアをキャリアGとしている(図3(A)、(B)参照)。
【0084】
電話番号[003]の無線IP−TEL4(保留元)とIP電話網7側の通話相手8(保留先)との間にセッションが確立されているものとする(S250)。
【0085】
この状態において、電話番号[003]の無線IP−TEL4は、ユーザから保留指示を受け付けると(S251)、呼制御サーバ2に保留メッセージ(メソッド:UPDATE、メディア属性:inactive)を送信する(S252)。
【0086】
呼制御サーバ2は、電話番号[003]の無線IP−TEL4から、この保留メッセージ(メソッド:UPDATE、メディア属性:inactive)を受信すると、IP電話網7のキャリアGに対応付けられてキャリア情報記憶部26に記憶されているレコード260を検索する。そして、このレコード260のフィールド262〜264に「N/A」が登録されていることを確認し、この保留メッセージを、IP電話網7に送信することなく破棄する(S253)。また、この保留メッセージに対する応答メッセージを電話番号[003]の無線IP−TEL4に返信する(S254)。
【0087】
それから、呼制御サーバ2は、保留音を生成し、この保留音を音声パケットに格納する。そして、IP電話網7を介して通話相手8に、この音声パケットを送信する(S255)。
【0088】
図8(A)は、保留中に保留元の収容端末3、4からIP電話網7側の通話相手8(保留先)へ保留メッセージ(保留解除指示)を送信する場合の動作例を示すシーケンス図である。ここでは、収容端末を電話番号[004]の無線IP−TEL4とし、IP電話網7のキャリアをキャリアAとしている(図3(A)、(B)参照)。
【0089】
図6(A)に示すシーケンスが実施され、これにより、電話番号[004]の無線IP−TEL4およびIP電話網7側の通話相手8間の通話が保留され、呼制御サーバ2からIP電話網7側の通話相手8に保留音が送信されているものとする(S260)。
【0090】
この状態において、電話番号[004]の無線IP−TEL4は、ユーザから保留解除指示を受け付けると(S261)、呼制御サーバ2に保留メッセージ(メソッド:re−INVITE、メディア属性:sendrecv)を送信する(S262)。
【0091】
呼制御サーバ2は、電話番号[004]の無線IP−TEL4から、この保留メッセージ(メソッド:re−INVITE、メディア属性:sendrecv)を受信すると、IP電話網7のキャリアAに対応付けられてキャリア情報記憶部26に記憶されているレコード260の登録内容に基づいて、この保留メッセージを、IP電話網7がサポートする保留メッセージ(メソッド:UPDATE、メディア属性:sendrecv)に変換する(S263)。そして、この保留メッセージを、IP電話網7を介して通話相手8に送信する(S264)。
【0092】
通話相手8は、この保留メッセージ(メソッド:UPDATE、メディア属性:sendrecv)を受信すると、応答メッセージを返信する(S265)。
【0093】
呼制御サーバ2は、IP電話網7を介して通話相手8から応答メッセージを受信すると、この応答メッセージを電話番号[004]の無線IP−TEL4に転送する(S266)。また、呼制御サーバ2は、保留音を格納した音声パケットの通話相手8への送信を停止する(S267)。
【0094】
図8(B)は、保留中にIP電話網7側の通話相手8(保留元)から保留先の収容端末3、4へ保留メッセージ(保留解除指示)を送信する場合の動作例を示すシーケンス図である。ここでは、収容端末を電話番号[001]のIP−TEL3とし、IP電話網7のキャリアをキャリアEとしている(図3(A)、(B)参照)。
【0095】
図5(B)に示すシーケンスが実施され、これにより、電話番号[001]のIP−TEL3およびIP電話網7側の通話相手8間の通話が保留され、呼制御サーバ2から電話番号[001]のIP−TEL3に保留音が送信されているものとする(S270)。
【0096】
この状態において、通話相手8は、ユーザから保留解除指示を受け付けると(S271)、IP電話網7に保留メッセージ(メソッド:re−INVITE、メディア属性:sendrecv)を送信する。この保留メッセージは、IP電話網7を介して呼制御サーバ2に到達する(S272)。
【0097】
呼制御サーバ2は、IP電話網7から、この保留メッセージ(メソッド:re−INVITE、メディア属性:sendrecv)を受信すると、この保留メッセージの送信先である電話番号[001]のIP−TEL3に対応付けられて端末情報記憶部25に記憶されているレコード250の登録内容に基づいて、この保留メッセージを電話番号[001]のIP−TEL3が処理可能な保留メッセージ(メソッド:UPDATE、メディア属性:sendrecv)に変換する(S273)。そして、この保留メッセージを電話番号[001]のIP−TEL3に送信する(S274)。
【0098】
電話番号[001]のIP−TEL3は、保留メッセージ(メソッド:UPDATE、メディア属性:sendrecv)を受信すると、応答メッセージを返信する(S275)。
【0099】
呼制御サーバ2は、電話番号[001]のIP−TEL3から応答メッセージを受信すると、IP電話網7を介して通話相手8に、この応答メッセージ転送する(S276)。また、呼制御サーバ2は、保留音を格納した音声パケットの、電話番号[001]のIP−TEL3への送信を停止する(S277)。
【0100】
以上、本発明の第一実施の形態について説明した。
【0101】
本実施の形態の呼制御サーバ2は、収容端末3、4から受信した保留メッセージのメソッドおよびメディア属性を、IP電話網7のキャリアに対応付けられてキャリア情報記憶部26に記憶されている保留メッセージのメソッドおよびメディア属性に変換し、この保留メッセージをIP電話網7に送信する。また、呼制御サーバ2は、収容端末3、4から受信した保留メッセージを、それのメディア属性を、保留先を保留音源に指定するメディア属性から、保留元を保留音源に指定するメディア属性に変換してからIP電話網7に送信した場合に、保留音を生成してこの保留メッセージの送信先に送信する。また、呼制御サーバ2は、収容端末3、4から受信した保留メッセージを、それのメディア属性を、保留元を保留音源に指定するメディア属性から、保留先を保留音源に指定するメディア属性に変換してIP電話網7に送信した場合に、この収容端末3、4から送られてくる保留音を、この保留メッセージの送信先に送信することなく破棄する。
【0102】
したがって、本実施の形態によれば、IP電話網7のキャリアに関わらず、保留先となるIP電話網7側の通話相手に保留音を聞かせることが可能となる。
【0103】
また、本実施の形態の呼制御サーバ2は、IP電話網7側の通話相手から受信した保留メッセージのメソッドおよびメディア属性を、この保留メッセージの送信先である収容端末3、4に対応付けられて端末情報記憶部25に記憶されている保留メッセージのメソッドおよびメディア属性に変換し、この保留メッセージを、この収容端末3、4に送信する。また、呼制御サーバ2は、IP電話網7側の通話相手から受信した保留メッセージを、それのメディア属性を、保留先を保留音源に指定するメディア属性から、保留元を保留音源に指定するメディア属性に変換してから、この収容端末3、4に送信した場合に、保留音を生成してこの収容端末に送信する。また、呼制御サーバ2は、IP電話網7側の通話相手から受信した保留メッセージを、それのメディア属性を、保留元を保留音源に指定するメディア属性から、保留先を保留音源に指定するメディア属性に変換してから、この収容端末に送信した場合に、IP電話網7の通話相手から送られてくる保留音を、この収容端末に送信することなく破棄する。
【0104】
したがって、本実施の形態によれば、IP電話網7のキャリアに関わらず、保留先となる収容端末3、4に保留音を聞かせることが可能となる。
【0105】
なお、本実施の形態において、呼制御サーバ2が自ら生成し音声パケットに格納して、保留先となるIP電話網7側の通話相手に送信する保留音を、保留元である収容端末3、4のユーザが任意に選択できるようにしてもよい。
【0106】
この場合、収容端末3、4は、保留指示とともに保留音の指定をユーザから受付け、この保留音の指定を含む保留指示の保留メッセージを呼制御サーバ2に送信する。呼制御サーバ2は、保留音データ(オーディオデータ)を記憶する保留音データ記憶部を備え、図4のS107において、保留音代理生成部272が、この保留音データ記憶部に記憶されている保留音データの中から、収容端末3、4より受信した保留メッセージで指定されている保留音データを選択する。そして、この選択した保留音データに基づいて保留音を生成し、その保留音を格納した音声パケットを、保留先であるIP電話網7側の通話相手に送信する。
【0107】
また、呼制御サーバ2が保留音を生成しているときに、保留先となるIP電話網7側の通話相手に送信している保留音の音色を、保留元である収容端末3、4のユーザが任意に選択及び変更できるようにしてもよい。
【0108】
この場合、収容端末3、4は、保留音の変更の指定をユーザから受付け、この保留音の指定を含む保留指示の保留メッセージを呼制御サーバ2に送信する。呼制御サーバ2の保留音代理生成部272は、保留音データ(オーディオデータ)を記憶する保留音データ記憶部の中から、指定された保留音データを選択し、この選択した保留音データに基づいて保留音を生成し、その保留音を格納した音声パケットを、保留先であるIP電話網7側の通話相手に送信する。
【0109】
このようにすることにより、呼制御サーバ2が、保留音を生成して、この保留音をIP電話網7側の通話相手に送信する場合に、保留元の収容端末3、4のユーザが所望する保留音を保留先の通話相手に聞かせるとともに、送出中の保留の変更が可能となる。
【0110】
なお、本実施の形態では、呼制御サーバ2を例に取り説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば本発明は、IP電話システム1を、IP電話網7に接続するゲートウェイ、ルータ等の通信装置に適用することも可能である。この場合、通信装置は、IP−TEL3、無線IP−TEL4から受信した保留メッセージのメソッドおよびメディア属性を、IP電話網7のキャリアがサポートする保留メッセージのメソッドおよびメディア属性に変換し、この保留メッセージをIP電話網7に送信する。また、必要に応じて、保留元(IP−TEL3、無線IP−TEL4、またはIP電話網7側の通話相手)の代わりに保留音を生成し、この保留音を保留先(IP電話網7側の通話相手、または、IP−TEL3、無線IP−TEL4)に送信する。
【0111】
更に、本発明のIP電話網は、IPを用いた網に限定されるものではなく、アナログ電話網(PSTN)でもよい。この場合、呼制御サーバ2の機能を、構内交換機やボタン電話装置が実施し、収容する電話機、多機能電話機等からの要求で保留機能、送出中のオーディオの変更機能、通話音声とオーディオを合成したBGM機能等を行えばよい。
[第二実施の形態]
次に、本発明の第二実施の形態に係るIP電話端末を説明する。
【0112】
本実施の形態のIP電話端末は、図1に示すIP−TEL3、無線IP−TEL4のうち、保留元を保留音源とする保留指示の保留メッセージ(メディア属性:sendonly)を送信可能な端末(例えば図3(A)において、電話番号「001」、「002」を持つ端末)に該当する。また、本実施の形態のIP電話端末は、保留機能(保留音生成、送出)に加え、保留音生成中における出力中の保留音の変更機能と、通話中に相手にオーディオデータを送出する機能と、通話音声とともに、バックグランドミュージック(BGM)、環境音等といったバックグラウンドサウンドを通話相手に聞かせるBGM機能と、を有する。
【0113】
図9は、本発明の第二実施の形態に係るIP電話端末9の概略図である。
【0114】
図示するように、IP電話端末9は、LAN(無線LAN)インターフェース部91と、マイク、スピーカを備えたハンドセット92と、各種ボタン、表示部等を備えた操作パネル93と、オーディオ情報記憶部94と、オーディオ再生部95と、通信処理部96と、送信音声合成部97と、受信音声合成部98と、呼制御部99と、を有する。
【0115】
LAN(無線LAN)インターフェース部91は、LAN6(あるいはAP5を介してLAN6)に接続するためのインターフェースである。
【0116】
オーディオ情報記憶部94には、オーディオデータが複数記憶されている。これらのオーディオデータは、保留音および通話相手に聞かせるBGMに利用される。
【0117】
オーディオ再生部95は、呼制御部99よりの指示に従い、オーディオ情報記憶部94からオーディオデータを読み出して再生し、その再生データを通信処理部96(保留音の場合)、あるいは、送信音声合成部97および受信音声合成部98(BGMの場合)に出力する。
【0118】
通信処理部96は、LAN(無線LAN)インターフェース部91を介して通話相手より受信した音声パケットから通話データを取り出し、この通話データを受信音声合成部98に渡す。また、送信音声合成部97より受け取った通話データ、あるいはオーディオ再生部95より受け取った保留音データを音声パケットに格納し、この音声パケットを、LAN(無線LAN)インターフェース部91を介して通話相手に送信する。
【0119】
送信音声合成部97は、ハンドセット92のマイクに入力されたユーザの音声データと、オーディオ再生部95より出力されたオーディオの再生データとを合成して送信用の通話データを生成し、この送信用の通話データを通信処理部96に渡す。ここで、送信音声合成部97は、オーディオの再生データの音量レベル(dB値)がユーザの音声データの音量レベルより低くなるように(例えば、音声データの音量レベルの半分程度となるように)合成する。なお、オーディオの再生データの音量レベルは、操作パネル93を介してユーザが指定できるようにしてもよい。
【0120】
受信音声合成部98は、通信処理部96から受け取った通話相手の通話データと、オーディオ再生部95より出力されたオーディオの再生データとを合成して出力用の音声データを生成し、この出力用の音声データをハンドセット92のスピーカから出力する。ここで、受信音声合成部98は、オーディオの再生データの音量レベル(dB値)が通話相手の通話データの音量レベルより低くなるように(例えば、通話データの音量レベルの半分程度となるように)合成する。なお、オーディオの再生データの音量レベルは、操作パネル93を介してユーザが指定できるようにしてもよい。
【0121】
呼制御部99は、SIPに従い呼制御処理を行って、通話相手との間にセッションを確立する。また、呼制御部99は、IP電話端末9の各部を制御して、保留処理および通話相手にBGMを聞かせるためのBGM処理を行う。
【0122】
図10は、IP電話端末9の保留処理を説明するためのフロー図である。このフローは、通話中(セッション確立中)において、IP電話端末9が、操作パネル93を介してユーザから保留指示を受け付けることにより開始される。
【0123】
先ず、呼制御部99は、LAN(無線LAN)インターフェース部91を介して通話相手に、メディア属性「sendonly」の保留メッセージ(保留元を保留音源に指定する保留指示のための保留メッセージ)を送信して、通話相手に保留を要求する(S300)。そして、通話相手からこの保留メッセージに対する応答メッセージ(200OK)が届くのを待つ(S301)。
【0124】
次に、呼制御部99は、操作パネル93を介してユーザからオーディオデータの指定を受け付けているならば(S302でYES)、このオーディオデータの指定を伴う保留音再生指示をオーディオ再生部95に出力する。これを受けて、オーディオ再生部95は、指定されたオーディオデータをオーディオ情報記憶部94から読み出して再生する。そして、得られた再生データを通信処理部96に渡す。通信処理部96は、この再生データ(保留音データ)を音声パケットに格納し、この音声パケットを、LAN(無線LAN)インターフェース部91を介して通話相手に送信する(S303)。
【0125】
一方、呼制御部99は、操作パネル93を介してユーザからオーディオデータの指定を受け付けていないならば(S302でNO)、デフォルト設定されているオーディオデータの指定を伴う保留音再生指示をオーディオ再生部95に出力する。これを受けて、オーディオ再生部95は、指定されたデフォルト設定のオーディオデータをオーディオ情報記憶部94から読み出して再生する。そして、得られた再生データを通信処理部96に渡す。通信処理部96は、この再生データ(保留音データ)を音声パケットに格納し、この音声パケットを、LAN(無線LAN)インターフェース部91を介して通話相手に送信する(S304)。
【0126】
次に、呼制御部99は、操作パネル93を介してユーザから保留解除指示が入力されるのを待つ(S305)。その後、呼制御部99は、ユーザからの保留解除指示を受け付けると、オーディオ再生部95に保留音再生の停止を指示する。これを受けて、オーディオ再生部95は、オーディオデータの再生および通信処理部96への出力を停止する(S306)。
【0127】
保留解除指示が入力されるのを待っている(S305)ときに、操作パネル93を介してユーザからオーディオデータの変更指定を受け付けているならば(S309でYES)、このオーディオデータの指定を伴う保留音再生指示をオーディオ再生部95に出力する。これを受けて、オーディオ再生部95は、指定されたオーディオデータをオーディオ情報記憶部94から読み出して再生する。そして、得られた再生データを通信処理部96に渡す。通信処理部96は、この再生データ(保留音データ)を音声パケットに格納し、この音声パケットを、LAN(無線LAN)インターフェース部91を介して通話相手に送信する(S310)。また、操作パネル93を介してユーザからオーディオデータの指定を受け付けていないならば(S309でNO)、送出中のオーディオデータの指定を継続し、保留解除指示の入力を待つ(S305)。
【0128】
それから、呼制御部99は、LAN(無線LAN)インターフェース部91を介して通話相手に、メディア属性「sendrecv」の保留メッセージ(保留解除のための保留メッセージ)を送信して、通話相手に保留解除を要求する(S307)。そして、通話相手からこの保留メッセージに対する応答メッセージ(200OK)が届くのを待って(S308)、このフローを終了する。
【0129】
図11は、IP電話端末9のBGM処理を説明するためのフロー図である。このフローは、通話中(セッション確立中)において、IP電話端末9が、操作パネル93を介してユーザからBGM指示を受け付けることにより開始される。
【0130】
先ず、呼制御部99は、BGM指示とともにユーザから受け付けたオーディオデータの指定を伴うBGM再生指示をオーディオ再生部95に出力する。これを受けて、オーディオ再生部95は、指定されたオーディオデータを、オーディオ情報記憶部94から読み出して再生する。そして、再生データを送信音声合成部97および受信音声合成部98に渡す(S310)。
【0131】
これを受けて、送信音声合成部97は、ハンドセット92のマイクに入力されたユーザの音声データと、オーディオ再生部95より出力されたオーディオの再生データとを合成して送信用の通話データを生成し、この送信用の通話データを通信処理部96に渡す。通信処理部96は、この再生データを音声パケットに格納し、この音声パケットを、LAN(無線LAN)インターフェース部91を介して通話相手に送信する(S311)。
【0132】
一方、受信音声合成部98は、LAN(無線LAN)インターフェース部91を介して通話相手より受信した音声パケットから通信処理部96が取り出した通話データと、オーディオ再生部95より出力されたオーディオの再生データとを合成して出力用の音声データを生成する。そして、この出力用の音声データをハンドセット92のスピーカから出力する(S312)。
【0133】
次に、呼制御部99は、操作パネル93を介してユーザからBGM解除指示が入力されたならば(S313でYES)、オーディオ再生部95にBGM再生の停止を指示する。これを受けて、オーディオ再生部95は、オーディオデータの再生および送信音声合成部97、受信音声合成部98への出力を停止して(S314)、このフローを終了する。
【0134】
保留解除指示が入力されるのを待っている(S313でNO)ときに、操作パネル93を介してユーザからBGM変更指定を受け付けているならば(S315でYES)、受け付けたオーディオデータの指定を伴うBGM再生指示をオーディオ再生部95に出力する。これを受けて、オーディオ再生部95は、指定されたオーディオデータを、オーディオ情報記憶部94から読み出して再生する。そして、再生データを送信音声合成部97および受信音声合成部98に渡す。
【0135】
これを受けて、送信音声合成部97は、ハンドセット92のマイクに入力されたユーザの音声データと、オーディオ再生部95より出力されたオーディオの再生データとを合成して送信用の通話データを生成し、この送信用の通話データを通信処理部96に渡す。通信処理部96は、この再生データを音声パケットに格納し、この音声パケットを、LAN(無線LAN)インターフェース部91を介して通話相手に送信する。また、受信音声合成部98は、LAN(無線LAN)インターフェース部91を介して通話相手より受信した音声パケットから通信処理部96が取り出した通話データと、オーディオ再生部95より出力されたオーディオの再生データとを合成して出力用の音声データを生成する。そして、この出力用の音声データをハンドセット92のスピーカから出力する(S316)。
【0136】
また、操作パネル93を介してユーザからBGM変更指定を受け付けていないならば(S315でNO)、現状のBGM処理を継続し、BGM解除指示の入力を待つ(S313)。
【0137】
以上、本発明の第二実施の形態について説明した。
【0138】
本実施の形態のIP電話端末9は、通話相手を保留する場合に、ユーザより指定されているオーディオを再生し、これを保留音として通話相手に送信する。したがって、本実施の形態によれば、所望のオーディオを保留音として保留中の通話相手に聞かせることができる。
【0139】
また、本実施の形態のIP電話端末9は、ユーザより指定されているオーディオを再生し、これをユーザの音声データと合成して通話相手に送信する。したがって、本実施の形態によれば、所望のオーディオをBGMとして通話相手に聞かせることができる。また、BGMをユーザの音声データと合成することにより、ハンドセット92のマイクに集音された環境ノイズ等をBGMで打ち消すことができる。これにより、ユーザの音声を通話相手に聞き易くすることが可能となる。
【0140】
また、本実施の形態のIP電話端末9は、ユーザより指定されているオーディオを再生し、これを通話相手の通話データと合成してハンドセット92のスピーカから出力する。したがって、本実施の形態によれば、通話相手に聞かせているBGMをユーザが自ら確認することが可能となる。
【0141】
また、本実施の形態のIP電話端末9は、ユーザおよび通話相手の双方にBGMを聞かせているが、ユーザおよび通話相手のいずれか一方にのみBGMを聞かせるようにしてもよい。
【0142】
なお、上記の各実施の形態では、通話中に相手先にオーディオを聞かせる機能、また、聞かせているオーディオを変更可能とする機能として、保留機能を用いて説明したが、本発明は上記の各実施の形態に限定されるものではない。通話中に通話相手先、または通話相手先および自装置ユーザにオーディオを聞かせたり、変更したりすることが可能という本発明の要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0143】
また、例えば、上記の各実施の形態において、呼制御サーバ2およびIP電話端末9の構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実行されるものでもよい。あるいは、DSP(Digital Signal Processor)によりソフト的に実行されるものでもよい。もしくは、CPU、メモリ、HDD、DVD−ROM等の補助記憶装置、およびNIC(Network Interface Card)を備えたPC(Personal Computer)等の汎用コンピュータにおいて、CPUが、所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することにより実現されるものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】図1は、本発明の第一実施の形態に係る呼制御サーバ2を含むIP電話システム1の概略図である。
【図2】図2は、本発明の第一実施の形態に係る呼制御サーバ2の概略構成図である。
【図3】図3(A)は、端末情報記憶部25の登録内容を模式的に表した図であり、図3(B)は、キャリア情報記憶部26の登録内容を模式的に表した図である。
【図4】図4は、本発明の第一実施の形態に係る呼制御サーバ2の保留制御処理を説明するためのフロー図である。
【図5】図5(A)は、収容端末3からIP電話網7側の通話相手8へ保留メッセージ(保留指示)を送信する場合の動作例を示すシーケンス図であり、図5(B)は、IP電話網7側の通話相手8から収容端末3へ保留メッセージ(保留指示)を送信する場合の動作例を示すシーケンス図である。
【図6】図6(A)は、収容端末4からIP電話網7側の通話相手8へ保留メッセージ(保留指示)を送信する場合の動作例を示すシーケンス図であり、図6(B)は、IP電話網7側の通話相手8から収容端末4へ保留メッセージ(保留指示)を送信する場合の動作例を示すシーケンス図である。
【図7】図7(A)は、収容端末3からIP電話網7側の通話相手8へ保留メッセージ(保留指示)を送信する場合の動作例を示すシーケンス図であり、図7(B)は、収容端末4からIP電話網7側の通話相手8へ保留メッセージ(保留指示)を送信する場合の動作例を示すシーケンス図である。
【図8】図8(A)は、保留元の収容端末4からIP電話網7側の保留先の通話相手8へ保留メッセージ(保留解除指示)を送信する場合の動作例を示すシーケンス図であり、図8(B)は、IP電話網7側の保留元の通話相手8から保留先の収容端末3へ保留メッセージ(保留解除指示)を送信する場合の動作例を示すシーケンス図である。
【図9】図9は、本発明の第二実施の形態に係るIP電話端末9の概略図である。
【図10】図10は、IP電話端末9の保留処理を説明するためのフロー図である。
【図11】図11は、IP電話端末9のBGM処理を説明するためのフロー図である。
【符号の説明】
【0145】
1:IP電話システム、2:呼制御サーバ、3:IP−TEL、4:無線IP−TEL、5:AP、6:LAN、7:IP電話網、8:通話相手、9:IP電話端末、21:LANインターフェース部、22:IP電話網インターフェース部、23:呼制御部、24:局データ記憶部、25:端末情報記憶部、26:キャリア情報記憶部、27:保留制御部、91:LAN(無線LAN)インターフェース部、92:ハンドセット、93:操作パネル、94:オーディオ情報記憶部、95:オーディオ再生部、96:通信処理部、97:送信音声合成部、98:受信音声合成部、271:保留メッセージ変換部、272:保留音代理生成部、273:保留音終端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一台のIP電話端末をIP電話網に接続する通信装置であって、
キャリア毎に、当該キャリアがサポートする保留メッセージのメソッドおよびメディア属性を記憶するキャリア情報記憶手段と、
前記IP電話端末から受信した保留メッセージのメソッドおよびメディア属性を、自通信装置が加入しているキャリアに対応付けられて前記キャリア情報記憶手段に記憶されている保留メッセージのメソッドおよびメディア属性に変換して、当該保留メッセージを前記IP電話網に送信する保留メッセージ変換手段と、
前記保留メッセージ変換手段により、前記IP電話端末から受信した保留メッセージのメディア属性が、保留先を保留音源に指定するメディア属性から、保留元を保留音源に指定するメディア属性に変換され、当該保留メッセージが前記IP電話網に送信された場合に、保留音を生成して、当該保留音を当該保留メッセージの送信先に送信する保留音代理生成手段と、
前記保留メッセージ変換手段により、前記IP電話端末から受信した保留メッセージのメディア属性が、保留元を保留音源に指定するメディア属性から、保留先を保留音源に指定するメディア属性に変換され、当該保留メッセージが前記IP電話網に送信された場合に、当該IP電話端末から送られてくる保留音を、当該保留メッセージの送信先に送信することなく破棄する保留音終端手段と、を有する
ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信装置であって、
自通信装置が収容するIP電話端末毎に、当該IP電話端末がサポートする保留メッセージのメソッドおよびメディア属性を記憶する端末情報記憶手段をさらに有し、
前記保留メッセージ変換手段は、
前記IP電話網から受信した保留メッセージのメソッドおよびメディア属性を、当該保留メッセージの送信先に対応付けられて前記端末情報記憶手段に記憶されている保留メッセージのメソッドおよびメディア属性に変換して、当該保留メッセージを、当該保留メッセージの送信先に送信し、
前記保留音代理生成手段は、
前記保留メッセージ変換手段により、前記IP電話網から受信した保留メッセージのメディア属性が、保留先を保留音源に指定するメディア属性から、保留元を保留音源に指定するメディア属性に変換され、当該保留メッセージが、当該保留メッセージの送信先のIP電話端末に送信された場合に、保留音を生成して、当該保留音を当該保留メッセージの送信先に送信し、
前記保留音終端手段は、
前記保留メッセージ変換手段により、前記IP電話網から受信した保留メッセージのメディア属性が、保留元を保留音源に指定するメディア属性から、保留先を保留音源に指定するメディア属性に変換されて、当該保留メッセージが当該保留メッセージの送信先に送信された場合に、前記IP電話網から送られてくる保留音を、当該保留メッセージの送信先に送信することなく破棄する
ことを特徴とする通信装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の通信装置であって、
音源情報を記憶する音源情報記憶手段をさらに有し、
前記保留音代理生成手段は、
受信した保留メッセージで指定されている音源情報を前記音源情報記憶手段から読み出して、当該音源情報に基づき前記保留音を生成する
ことを特徴とする通信装置。
【請求項4】
請求項3に記載の通信装置であって、
前記保留音代理生成手段は、
保留メッセージの送信元である前記IP電話端末から音源情報の変更要求を受け付けた場合に、当該変更要求で指定されている音源情報を前記音源情報記憶手段から読み出して、当該音源情報に基づいて前記保留音を変更する
ことを特徴とする通信装置。
【請求項5】
少なくとも一台の電話端末を収容し、通信網に接続する通信装置であって、
複数の音源情報を記憶する記憶手段と、
通信中の前記電話端末からの音源情報送出要求により、前記記憶手段に記憶された音源情報の一つを前記通信網に送出する音源情報送出手段と、
前記音源情報送出手段が前記通信網に音源情報を送出している場合に、前記電話端末からの音源情報変更要求を受けると、送出している音源情報を変更し、当該音源情報変更要求の音源情報を送出する音源情報変更手段と、を備えた
ことを特徴とする通信装置。
【請求項6】
通信網に接続される電話端末であって、
複数の音源情報を記憶する記憶手段と、
前記音源情報の指定を受け付ける受付手段と、
通話中に前記受付手段の指定により、前記記憶手段に記憶された音源情報の一つを前記通信網に送出する音源情報送出手段と、
前記音源情報送出手段が前記通信網に音源情報を送出している場合に、前記受付手段より、別の音源情報の指定を受け付けると、送出している音源情報を変更し、当該指定された音源情報を送出する音源情報変更手段と、を備えた
ことを特徴とする電話端末。
【請求項7】
保留機能を備えたIP電話端末であって、
音源情報を記憶する音源情報記憶手段と、
音源情報の指定を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により指定されている音源情報を前記音源情報記憶手段から読み出して、当該音源情報に基づき保留音を生成し、生成した保留音を保留先の通話相手に送信する保留音生成手段と、を有する
ことを特徴とするIP電話端末。
【請求項8】
BGM機能を備えたIP電話端末であって、
音源情報を記憶する音源情報記憶手段と、
音源情報の指定を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により指定されている音源情報を前記音源情報記憶手段から読み出して再生する音源再生手段と、
マイクに入力された音声データと前記音源再生手段から出力された再生データとを合成して、通話相手に送信する通話データを生成する送信音声合成手段と、を有する
ことを特徴とするIP電話端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−4406(P2010−4406A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−162490(P2008−162490)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】