通信装置、通信方法、プログラムおよび通信システム
【課題】通信装置との通信のために用いる基地局の組合せを適切に決定するための通信装置、通信方法、プログラムおよび通信システムを提供する。
【解決手段】同一のセルIDを有する複数の基地局のうちの一部の基地局のみから特定の信号を送信するタイミングを示す情報を受信する受信部と、前記タイミングにおける受信電力を測定する測定部と、前記測定部による測定結果を送信する送信部と、を備える、通信装置。
【解決手段】同一のセルIDを有する複数の基地局のうちの一部の基地局のみから特定の信号を送信するタイミングを示す情報を受信する受信部と、前記タイミングにおける受信電力を測定する測定部と、前記測定部による測定結果を送信する送信部と、を備える、通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、通信方法、プログラムおよび通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近日、無線通信のさらなるパフォーマンスの向上を達成するために、第4世代のセルラーシステム(4G)が検討されている。この4Gにおいては、リレー技術、キャリアアグリゲーション、およびCoMP(Coordinated Multiple Point transmission and reception)などの技術が注目されている。
【0003】
リレー技術は、基地局(例えば、マクロセル基地局)と通信端末間の通信をリレーノードが中継する技術であり、基地局のセルエッジにおけるスループットを向上するために重要である。また、キャリアアグリゲーションは、20MHzのバンド幅を有する複数の周波数帯をまとめて扱うことにより、利用バンド幅の広域化(例えば、20MHz×5=100MHz)および最大スループットの向上を実現する技術である。また、CoMPは、CoMPセットと呼ばれる複数の基地局が連携して通信端末とデータ通信するための技術であり、高いデータレートで通信可能なカバレッジを拡張することが可能である。なお、CoMPについては、例えば特許文献1に記載されている。
【0004】
また、4Gでは、Home eNodeB(フェムトセル基地局、携帯電話用小型基地局)、RRH(リモートラジオヘッド)およびピコeNodeBなど、マクロeNodeB以外の基地局の導入によりカバレッジを向上させることも検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−091785
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、RRHやマクロeNodeBなどの多様な基地局が散在するHeterogeneousな環境においては、CoMPセットもダイナミックに変化することが予想される。しかし、Heterogeneousな環境下におけるCoMPセットの決定方法については十分な検討がなされていない。
【0007】
そこで、本開示では、通信端末との通信のために用いる基地局の組合せを適切に決定するための、新規かつ改良された通信装置、通信方法、プログラムおよび通信システムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示によれば、同一のセルIDを有する複数の基地局のうちの一部の基地局のみから特定の信号を送信するタイミングを示す情報を受信する受信部と、前記タイミングにおける受信電力を測定する測定部と、前記測定部による測定結果を送信する送信部と、を備える通信装置が提供される。
【0009】
また、本開示によれば、同一のセルIDを有する複数の基地局のうちの一部の基地局のみから特定の信号を送信するタイミングを示す情報を受信することと、前記タイミングにおける受信電力を測定することと、前記受信電力の測定結果を送信することと、を含む通信方法が提供される。また、本開示によれば、コンピュータを、同一のセルIDを有する複数の基地局のうちの一部の基地局のみから特定の信号を送信するタイミングを示す情報を受信する受信部と、前記タイミングにおける受信電力を測定する測定部と、前記測定部による測定結果を送信する送信部と、として機能させるためのプログラムが提供される。
【0010】
また、本開示によれば、同一のセルIDを有する複数の基地局のうちの一部の基地局のみから特定の信号を送信するタイミングを設定する設定部を有する通信制御装置と、前記タイミングを示す情報を受信する受信部、前記タイミングにおける受信電力を測定する測定部、および、前記測定部による測定結果を送信する送信部、を有する通信装置と、を備え、前記通信制御装置は、さらに、前記通信装置からの測定結果に基づき、前記通信装置へ信号を送信するために用いる基地局の組合せを前記複数の基地局から決定する決定部を有する、通信システムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本開示によれば、通信端末との通信のために用いる基地局の組合せを適切に決定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本開示の実施形態による通信システムの構成を示した説明図である。
【図2】4Gのフレームフォーマットを示した説明図である。
【図3】CoMPの実施形態の一例を示した説明図である。
【図4】CoMPの実施形態の一例を示した説明図である。
【図5】第1の実施形態によるeNodeBおよびRRHの構成を示した機能ブロック図である。
【図6】ABSに設定されたサブフレームを示す説明図である。
【図7】ABSおよびMBSFN(Multimedia Broadcast multicast Single Frequency Network)に設定されたサブフレームを示す説明図である。
【図8】ABSの設定例を示した説明図である。
【図9】ABSの設定例を示した説明図である。
【図10】基地局をグループ化した場合のABSの設定例を示した説明図である。
【図11】RSRP保持部が保持する情報の一例を示した説明図である。
【図12】第1の実施形態によるUEの構成を示した機能ブロック図である。
【図13】通信システムの動作を示したフローチャートである。
【図14】ABSの設定方法の変形例を示した説明図である。
【図15】本開示の第2の実施形態によるeNodeBおよびRRHの構成を示した機能ブロック図である。
【図16】CSI−RSの挿入周期の具体例を示した説明図である。
【図17】RRHをグループ化した場合のCSI−RSの挿入周期の設定例を示した説明図である。
【図18】第2の実施形態によるUEの構成を示した機能ブロック図である。
【図19】通信システムの動作を示したフローチャートである。
【図20】CSI−RSの挿入周期の変形例を示した説明図である。
【図21】第2の変形例によるCSI−RS+Enhanced_Mutingを示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じてRRH30A、30Bおよび30Cのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、RRH30A、30Bおよび30Cを特に区別する必要が無い場合には、単にRRH30と称する。
【0015】
また、以下に示す項目順序に従って本開示を説明する。
1.通信システムの全体構成
2.第1の実施形態
2−1.基地局の構成
2−2.UEの構成
2−3.通信システムの動作
2−4.変形例
3.第2の実施形態
3−1.CSI−RSについて
3−2.基地局の構成
3−3.UEの構成
3−4.通信システムの動作
3−5.第1の変形例
3−6.第2の変形例
4.むすび
【0016】
<1.通信システムの全体構成>
本開示による技術は、一例として「2.第1の実施形態」〜「3.第2の実施形態」において詳細に説明するように、多様な形態で実施され得る。また、各実施形態による通信装置(UE20)は、
A.同一のセルIDを有する複数の基地局のうちの一部の基地局のみから特定の信号を送信するタイミングを示す情報を受信する受信部(アンテナ群204など)と、
B.上記前記タイミングにおける受信電力を測定する測定部(DL信号検出部230)と、
C.上記測定部による測定結果を送信する送信部(アンテナ群204など)と、
を備える。
【0017】
以下では、まず、このような各実施形態において共通する基本構成について図1および図2を参照して説明する。
【0018】
(通信システムの全体構成)
図1は、本開示の実施形態による通信システム1の構成を示した説明図である。図1に示したように、本開示の実施形態による通信システム1は、eNodeB10と、コアネットワーク12と、UE(User Equipment)20と、複数のRRH30A〜30Fと、を備える。
【0019】
UE20は、eNodeB10などの基地局により割り当てられたダウンリンク用のリソースブロックにおいて受信処理を行い、アップリンク用のリソースブロックにおいて送信処理を行う通信装置である。
【0020】
このUE20は、例えば、図1に示したようなスマートフォンであってもよいし、PC(Personal Computer)、家庭用映像処理装置(DVDレコーダ、ビデオデッキなど)、PDA(Personal Digital Assistants)、家庭用ゲーム機器、家電機器などの情報処理装置であってもよい。さらに、UE20は、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、携帯用音楽再生装置、携帯用映像処理装置、携帯用ゲーム機器などの移動通信装置であってもよい。
【0021】
eNodeB10は、カバレッジに含まれるUE20と通信する無線基地局である(本明細書においては、特段の記載が無い場合、eNodeB10はMacro_eNodeBを指す。)。また、eNodeB10は、例えば光ファイバーのような通信路を介して複数のRRH30A〜30Fと接続されている。したがって、eNodeB10は、ダウンリンク信号をRRH30にこの通信路を介して送信し、RRH30からUE20にダウンリンク信号を送信させることや、RRH30によりUE20から受信されたアップリンク信号をRRH30から受信することができる。さらに、eNodeB10は、これら複数のRRH30A〜30Fと連携してCoMP通信を行うことも可能である。CoMP通信の詳細については後述する。なお、図1においては記載を省略しているが、実際には多数のeNodeB10がコアネットワーク12に接続される。
【0022】
コアネットワークは、MME(Mobility Management Entity)やサービングGW(Gateway)などの管理ノードを含む事業者側のネットワークである。MMEは、データ通信用のセッションの設定、開放やハンドオーバーの制御を行う装置である。このMMEは、eNodeB10とX2と呼ばれるインタフェースを介して接続される。S−GWは、ユーザデータのルーティング、転送などを行う装置である。
【0023】
RRH30は、eNodeB10と比較して小さい電力でUE20と通信を行う無線基地局である。具体的には、RRH30は、eNodeB10と光ファイバーのような通信路を介して接続されており、この通信路を介してeNodeB10から受信したダウンリンク信号をUE20に送信する。また、RRH30は、UE20から受信したアップリンク信号を、上記通信路を介してeNodeB10に送信する。本開示による通信システム1は、このようなRRH30を有することにより、カバレッジやセルエッジ付近での品質向上を実現することが可能である。
【0024】
(フレーム構成)
続いて、上述したeNodeB10などの基地局と、UE20との間で共有される無線フレームについて説明する。
【0025】
図2は、4Gのフレームフォーマットを示した説明図である。図2に示したように、10msの無線フレームは、10個の1msのサブフレーム#0〜#9から構成されている。各サブフレームは、12サブキャリア×14OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルからなる1つのリソースブロックであり、スケジューリングの割り当てはこのリソースブロック単位で行われる。なお、1OFDMシンボルは、OFDM変調方式の通信方式で用いられる単位であり、1回のFFT(Fast Fourier Transform)で処理されたデータを出力する単位である。
【0026】
また、図2に示したように、各サブフレームは制御領域およびデータ領域からなる。制御領域は、先頭の1〜3OFDMシンボルからなり(図2においては、制御領域が3OFDMシンボルである例を示している。)、PDCCH(Phy DownLink Control Channel)と呼ばれる制御信号の送信のために用いられる。また、制御領域に続くデータ領域は、PDSCH(Phy DownLink Shared Channel)と呼ばれるユーザデータなどの送信のために用いられる。
【0027】
さらに、制御領域およびデータ領域には、Cell−specificなリファレンス信号であるCRS(Cell−specific Common reference signal)が配置される。UE20は、このCRSを受信することによりチャネル推定を行い、チャネル推定結果に基づいてPDSCHなどの復号処理を行うことが可能である。
【0028】
(CoMPについて)
次に、本開示に関連するCoMPについて説明する。CoMPは、CoMPセットと呼ばれる複数の基地局が連携してUE20とデータ通信するための技術であり、高いデータレートで通信可能なカバレッジを拡張することが可能である。このCoMPは、Joint Processingと、Coordinated Scheduling and/or Beamformingに大別される。
【0029】
前者のJoint Processingは、複数の基地局が同時に1のUE20とデータ通信する技術である。例えば、図3に示したように、eNodeB10、RRH30A〜30Fが同時にUE20にデータ送信する例がJoint Processingに該当する。このJoint Processingによれば、データ通信に複数の基地局のブランチ(アンテナおよびアナログ回路(無線処理部))を利用できるので、アンテナ利得およびSINRを向上することができる。
【0030】
なお、ダウンリンクのJoint Processingを行う場合、UE20への送信データを、基地局間の例えばバックホールと呼ばれる有線の通信路を利用して、RRH30A〜30Fへ事前に分配しておく必要がある。また、アップリンクのJoint Processingは、UE20から複数の基地局により受信されたデータを統合することにより行われる。
【0031】
データ統合の方法としては、例えば、各基地局による復号後のビットレベルでデータを統合する方法、各基地局によるデコード前のソフトビットの段階でデータを統合する方法、各基地局によるデマッピング前のデータを統合する方法などが挙げられる。各基地局でより後段の復調処理をしてからデータを統合するほど、バックホールを介して交換されるデータ量は増加するが、性能は向上する傾向がある。
【0032】
後者のCoordinated Scheduling and/or Beamformingは、データ送信は1の基地局のみが行い、スケジューリング(各UE20に割り当てるリソースブロックを決定する制御)を複数の基地局で協調して行う技術である。このCoordinated Scheduling and/or Beamformingによれば、複数の基地局間の干渉をスケジューリング調整により容易に回避することができる。
【0033】
本開示による技術は、上記の2種類のCoMPのうち、特に前者のJoint Processingに焦点を当ててなされたものである。このJoint Processingは、Non−coferentlyなJoint Processingと、coferentlyなJoint Processingとに大別される。
【0034】
coferentlyなJoint Processingは、各基地局から通信端末20に到達するデータの位相が揃うように、各基地局からのデータの送信タイミングを調整する方法である。一方、Non−coferentlyなJoint Processingは、各基地局からのデータの送信タイミングを調整しないで各基地局がデータを送信する方法である。したがって、coferentlyなJoint Processingの方がNon−coferentlyなJoint Processingにより性能が高い。しかし、coferentlyなJoint Processingを行うためには、通信端末20ごとに各基地局10の送信タイミングの調整量を算出する必要があるので、処理が煩雑になる点で不利である。
【0035】
(CoMPセットについて)
CoMPセットは、3GPPで用いられている用語であり、CoMPを行うために協力して送信を行う基地局の組合せを意味する。通常は、3台程度のeNodeB10がCoMPセットを構成することが想定される。一方、Pico_eNodeB、Home_eNodeB、およびRRH_eNodeB(本明細書においては、単にRRHと称する。)などのセルがオーバレイするHeterogeneousな環境下では、5台または10台のように3台以上の基地局がCoMPセットを構成し、かつ、CoMPセットがダイナミックに変化することが予想される。
【0036】
ところで、UE20によって各基地局との距離が異なるので、UE20ごとに最適なCoMPセットは異なる。したがって、UE20ごとに最適なCoMPセットを決定することが重要である。例えば、基地局は、UE20が各基地局にフレーム同期して取得したCRSのRSRP(Reference Signal Received Power)の報告を受け、UE20から報告された複数の基地局からRSRPの大きい基地局を選択することによりCoMPセットを決定することが可能である。
【0037】
(セルIDとCoMPの関係)
上述したMacro_eNodeB10は、通常、Macro_eNodeB10ごとに異なるセルIDを有する。同様に、RRH30も、RRH30ごとに異なるセルIDを有することが想定されていた。しかし、近日、あるMacro_eNodeB10に属する複数のRRH30が、Macro_eNodeB10と同一のセルIDを共有するシナリオも検討されている。この場合、Macro_eNodeB10および複数のRRH30が同じ信号を送信するので、セルゲインが向上しないというデメリットの一方で、RRH30のセル間干渉が生じず、また、CoMPを実施し易いというメリットがある。
【0038】
(本実施形態の着眼点)
上述したように、eNodeB10および全てのRRH30が同一のセルIDを有する場合、セルIDとCRSのようなリファレンス信号は1対1で対応するので、eNodeB10および各RRH30が送信するCRSも同一になると考えられる。このため、UE20は、各RRH30からのCRSのRSSPを測定して報告しようとしても、CRSの送信元を区別することが困難である。したがって、eNodeB10がUE20に最適なCoMPセットを選択することも困難である。その結果、図3に示すように、eNodeB10および全てのRRH30がUE20に対してCoMPを行うことが考えられる。
【0039】
図3は、CoMPの実施形態の一例を示した説明図である。図3に示したように、eNodeB10および全てのRRH30がUE20に対してCoMPを行う場合、UE20は、eNodeB10および全てのRRH30から同一の信号を受信することにより受信品質を向上する。
【0040】
しかし、詳細に検討すると、UE20の遠方に存在するRRH30Dおよび30Eからの受信電力は低いので、RRH30Dおよび30Eからの信号送信はUE20の受信品質の向上にさほど寄与しない。むしろ、RRH30Dおよび30Eからの信号送信は、近隣への干渉波となるので、システム全体のスループット低下の原因になると考えられる。
【0041】
したがって、理想的には、図4に示すように、UE20の受信品質の向上に寄与する一部のRRH30(例えば、RRH30Aおよび30B)のみを用いてCoMPを行うことが望まれる。しかし、上述したようにUE20にとって最適なCoMPセットを選択する手段が存在しなかった。この点に関し、Rel8、9、10の従来のUEは各RRHから同じ信号が送信されることを期待しているので、仮に、各RRH30が、同一のセルIDを有するにもかかわらず各RRHを区別できるような信号を送信してしまうと、互換性を保てなくなってしまう。
【0042】
そこで、上記事情を一着眼点にして本開示の各実施形態を創作するに至った。本開示の各実施形態によれば、UE20における各RRH30のRSRPを得ることにより、UE20にとって最適なCoMPセットを決定することが可能である。以下、このような本開示の各実施形態について詳細に説明する。
【0043】
<2.第1の実施形態>
(2−1.基地局の構成)
図5は、第1の実施形態によるeNodeB10−1およびRRH30の構成を示した機能ブロック図である。図5に示したように、各RRH30は、アンテナ群304および無線処理部310を備え、eNodeB10−1から光ファイバーを介して供給されるダウンリンク信号を第1の実施形態によるUE20−1に送信する。また、各RRH30は、UE20−1から受信されたアップリンク信号をeNodeB10−1に光ファイバーを介して供給する。なお、各RRH30は、eNodeB10−1と同一のセルIDを有し、同一のCell−specificなリファレンス信号(例えば、CRS)を送信する。
【0044】
また、eNodeB10−1は、図5に示したように、アンテナ群104と、無線処理部110と、DA/AD変換部120と、UL(アップリンク)信号検出部130と、スケジューラ140と、DL(ダウンリンク)信号生成部150と、ABS設定保持部160と、RSRP保持部170と、CoMPセット決定部180と、を備える。なお、ABS(Almost Blank Subframe)は、3GPPのRel10での採用が決まっている技術であり、ABSとは、ほとんどの送信が停止されるサブフレーム。例えば、ABSに設定されたサブフレームでは、PDCCHとCRSのみが送信される。第1の実施形態は、このABSに着目してなされたものである。
【0045】
アンテナ群104は、UE20−1から無線信号を受信して電気的な高周波信号を取得し、高周波信号を無線処理部110へ供給する。また、アンテナ群104は、無線処理部110から供給される高周波信号に基づいて無線信号をUE20−1に送信する。eNodeB10−1は、このように複数のアンテナからなるアンテナ群104を備えるため、MIMO通信やダイバーシティ通信を行うことが可能である。
【0046】
無線処理部110は、増幅、フィルタリング、およびダウンコンバージョンなどのアナログ処理を行うことにより、アンテナ群104から供給される高周波信号をベースバンド信号(アップリンク信号)に変換する。また、無線処理部110は、DA/AD変換部120から供給されるベースバンド信号(ダウンリンク信号)を高周波信号に変換する。
【0047】
DA/AD変換部120は、無線処理部110から供給されるアナログ形式のアップリンク信号をデジタル形式に変換し、UL信号検出部130に供給する。また、DA/AD変換部120は、DL信号生成部150から供給されるデジタル形式のダウンリンク信号をアナログ形式に変換し、無線処理部110に供給する。
【0048】
また、DA/AD変換部120には、DL信号生成部150から各RRH30のためのダウンリンク信号が供給される。このため、DA/AD変換部120は、これら各RRH30のためのダウンリンク信号をアナログ形式に変換し、該当するRRH30に光ファイバーを介して供給する。同様に、DA/AD変換部120は、各RRH30から光ファイバーを介してアップリンク信号が供給され、このアップリンク信号をデジタル形式に変換してUL信号検出部130に供給する。
【0049】
UL信号検出部130は、DA/AD変換部120から供給されるアップリンク信号から、PUCCHのような制御信号や、PUSCHのようなユーザデータを検出する。特に、本実施形態によるUL信号検出部130は、DA/AD変換部120から供給されるアップリンク信号から、UE20−1におけるCRS測定により得られたRSRPの測定結果を検出する。なお、RSRPの測定結果は、PUSCHに含まれていてもよい。
【0050】
スケジューラ140は、eNodeB10−1、各RRH30およびUE20−1が通信するためのリソースをスケジューリングする。特に、本実施形態によるスケジューラ140は、ABS設定保持部160によりABSが設定されている基地局(eNodeB10−1、または各RRH30)およびサブフレーム位置に基づいてスケジューリングを行う。また、スケジューラ140は、CoMPセット決定部180によって決定されたUE20−1に対するCoMPセットを用いてUE20−1との通信をスケジューリングする。
【0051】
DL信号生成部150は、eNodeB10−1および各RRH30から送信するためのダウンリンク信号を生成する。具体的には、DL信号生成部150は、スケジューラ140によるスケジューリングに従い、PDCCHおよびPDSCHなどを生成する。さらに、本実施形態によるDL信号生成部150は、eNodeB10−1および各RRH30について、ABS設定保持部160によりABSに指定されたサブフレーム位置をABSに設定する。なお、PDCCHまたはPDSCHは、ABS設定保持部160により設定されたABSに関する情報を含んでもよい。ここで、図6および図7を参照し、ABSに設定されたサブフレームについて詳細に説明する。
【0052】
図6は、ABSに設定されたサブフレームを示す説明図である。図6に示したように、ABSに設定されたサブフレームでは、データ領域においてPDSCHが送信されない。一方、PDCCH、およびデータ領域内のCRS(リファレンス信号)の送信は停止しない。
【0053】
図7は、ABSおよびMBSFN(Multimedia Broadcast multicast Single Frequency Network)に設定されたサブフレームを示す説明図である。図7に示したように、サブフレームに対してABSおよびMBSFNの双方を設定すると、制御領域内のCRS以外の全ての送信を停止することができる。本実施形態では、詳細については後述するように、ABSおよびMBSFNをeNodeB10−1および各RRH30に設定することにより、UE20−1における各RRH30のRSRPを得ることが可能となる。
【0054】
ここで、図5を参照してeNodeB10−1の構成の説明に戻ると、ABS設定保持部160は、eNodeB10−1およびRRH30A〜30Fの少なくともいずれかのサブフレームに対してABS(MBSFNを含んでもよい。以下同様。)を設定する。そして、ABS設定保持部160は、ABSを設定したサブフレームを示す情報と、ABSが設定される基地局を示す情報を対応付けて保持する。
【0055】
より詳細には、ABS設定保持部160は、eNodeB10−1およびRRH30A〜30Fのうちの1または2以上の基地局を除いて、同一のサブフレームにABSを設定する。これにより、ABSが設定されたサブフレームにおいては、1または2以上の基地局のみがデータ領域内でCRSを送信することになる。以下、図8〜図10を参照し、このようなABSの設定についてより具体的に説明する。
【0056】
図8は、ABSの設定例を示した説明図である。図8の1段目に示したように、RRH30Aを除くeNodeB10−1およびRRH30B〜30Fに対し、無線フレーム#M〜#Nのサブフレーム#3でABSを設定すると、図9の上段に示したように、無線フレーム#M〜#Nのサブフレーム#3のデータ領域ではRRH30AのみがCRSを送信する。
【0057】
同様に、図8の2段目に示したように、RRH30Bを除くeNodeB10−1、RRH30AおよびRRH30C〜30Fに対し、無線フレーム#N+1〜#Oのサブフレーム#3でABSを設定すると、図9の下段に示したように、無線フレーム#N+1〜#Oのサブフレーム#3のデータ領域ではRRH30BのみがCRSを送信する。このような設定を繰り返すことにより、RRH30A〜30Fの各々のみがデータ領域でCRSを送信するサブフレームを発生させることができる。
【0058】
なお、上記では1のRRH30のみを除いてABSを設定する例を説明したが、本実施形態はかかる例に限定されない。例えば、ABS設定保持部160は、eNodeB10−1およびRRH30A〜30Fを2以上の基地局グループにグループ化し、いずれかの基地局グループを除いてABSを設定してもよい。以下、図10を参照してより具体的に説明する。
【0059】
図10は、基地局をグループ化した場合のABSの設定例を示した説明図である。図10に示したように、ABS設定保持部160は、RRH30A〜30Fを、RRH30A〜30Cからなる基地局グループと、RRH30D〜30Fからなる基地局グループにグループ分けしてもよい。この場合、ABS設定保持部160は、eNodeB10−1およびRRH30D〜30Fからなる基地局グループに対して無線フレーム#M〜#Nのサブフレーム#3でABSを設定することにより、当該サブフレーム#3のデータ領域でRRH30A〜30Cからなる基地局グループのみにCRSを送信させることができる。
【0060】
同様に、図10の下段に示したように、ABS設定保持部160は、eNodeB10−1およびRRH30A〜30Cからなる基地局グループに対して無線フレーム#N+1〜#Oのサブフレーム#3でABSを設定することにより、当該サブフレーム#3のデータ領域でRRH30D〜30Fからなる基地局グループのみにCRSを送信させることができる。これにより、詳細については後述するが、UE20−1におけるRSRPの測定結果が良好だった方の基地局グループをCoMPセットとして決定することが可能となる。
【0061】
さらに、ABS設定保持部160は、UE20−1におけるRSRPの測定結果が良好だった方の基地局グループが判別した後、当該基地局グループを構成する各RRH30のRSRPを取得できるようにABSを設定してもよい。かかる構成によれば、UE20−1におけるRSRPが良好なRRH30を段階的に特定していくことができるので、所要時間や効率の観点から効果的である。
【0062】
ここで、図5を参照してeNodeB10−1の構成の説明に戻ると、RSRP保持部170は、UL信号検出部130によって検出されたUE20−1におけるRSRPの測定結果を、UE20−1による測定タイミング(例えば、無線フレーム番号および/またはサブフレーム番号)を対応付けて保持する。
【0063】
図11は、RSRP保持部170が保持する情報の一例を示した説明図である。ABS設定保持部160が例えば図8に示すようにABSを設定した場合、RSRP保持部170は、UE20−1からのフィードバックに基づき、図11に示すような情報を保持する。具体的には、RSRP保持部170は、RRH30AのみからCRSが送信されるようにABSが設定された無線フレーム#M〜#Nと、当該無線フレームでUE20−1により測定されたRSRPを対応付けて保持する。同様に、RSRP保持部170は、いずれかのRRH30のみからCRSが送信されるようにABSが設定された無線フレーム番号と、当該無線フレームでUE20−1により測定されたRSRPを対応付けて保持する。
【0064】
CoMPセット決定部180は、各UE20−1とCoMPを行うためのCoMPセットを決定する。具体的には、CoMPセット決定部180は、RSRP保持部170に保持された各無線フレームにおけるRSRPがどのRRH30のRSRPであるかを、ABS設定保持部160に保持されているABSの設定情報と照合することにより判断する。そして、CoMPセット決定部180は、各RRH30のRSRPに基づいてUE20−1に適するCoMPセットを決定する。
【0065】
例えば、CoMPセット決定部180は、RSRPが良好な方から所定数のRRH30をCoMPセットとして決定してもよい。または、CoMPセット決定部180は、RSRPが所定値を上回っているRRH30をCoMPセットとして決定してもよい。さらに、CoMPセット決定部180は、RSRPの合計値が所定値に達するようにRSRPが良好な方から選択されるRRH30をCoMPセットとして決定してもよい。なお、CoMPセットはeNodeB10−1を含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0066】
(2−2.UEの構成)
以上、第1の実施形態によるeNodeB10−1およびRRH30の構成を説明した。続いて、第1の実施形態によるUE20−1の構成を説明する。
【0067】
図12は、第1の実施形態によるUE20−1の構成を示した機能ブロック図である。図12に示したように、UE20−1は、アンテナ群204と、無線処理部210と、DA/AD変換部220と、DL信号検出部230と、UL信号検出部240と、ABS設定位置保持部250と、を備える。
【0068】
アンテナ群204は、eNodeB10−1およびRRH30から無線信号を受信して電気的な高周波信号を取得し、高周波信号を無線処理部210へ供給する。また、アンテナ群204は、無線処理部210から供給される高周波信号に基づいて無線信号をeNodeB10−1およびRRH30に送信する。UE20−1は、このように複数のアンテナからなるアンテナ群204を備えるため、MIMO通信やダイバーシティ通信を行うことが可能である。
【0069】
無線処理部210は、増幅、フィルタリング、およびダウンコンバージョンなどのアナログ処理を行うことにより、アンテナ群204から供給される高周波信号をベースバンド信号(ダウンリンク信号)に変換する。また、無線処理部210は、DA/AD変換部220から供給されるベースバンド信号(アップリンク信号)を高周波信号に変換する。このように、無線処理部210は、アンテナ群204と共に、送信部および受信部として機能する。
【0070】
DA/AD変換部220は、無線処理部210から供給されるアナログ形式のダウンリンク信号をデジタル形式に変換し、DL信号検出部230に供給する。また、DA/AD変換部220は、UL信号生成部240から供給されるデジタル形式のアップリンク信号をアナログ形式に変換し、無線処理部210に供給する。
【0071】
DL信号検出部230は、DA/AD変換部220から供給されるダウンリンク信号から、PDCCHのような制御信号や、PDSCHのようなユーザデータを検出する。特に、本実施形態によるDL信号検出部230は、PDCCHまたはPDSCHからABS設定位置を示す情報を抽出する。このABS設定位置を示す情報は、RSRPの測定位置に該当し、ABS設定位置保持部250に保持される。また、DL信号検出部230は、ABS設定位置保持部250に保持されているABS設定位置においてRSRPを測定する測定部としての機能を有する。本実施形態によれば、eNodeB10−1およびRRH30A〜30Fのうちの一部の基地局のみがABS設定位置においてCRSを送信するので、DL信号検出部230は、一部の基地局のRSRPを測定することが可能である。
【0072】
UL信号生成部240は、eNodeB10−1および各RRH30に送信するためのアップリンク信号を生成する。具体的には、UL信号生成部240は、PUCCHのような制御信号や、PUSCHのようなユーザデータ信号を生成する。特に、本実施形態によるUL信号生成部240は、DL信号検出部230によるRSRPの測定結果を含むPUCCHまたはPUSCHを生成する。
【0073】
(2−3.通信システムの動作)
以上、第1の実施形態によるeNodeB10−1、RRH30およびUE20−1の構成を説明した。続いて、図13を参照し、eNodeB10−1、RRH30およびUE20−1からなる通信システムの動作を説明する。
【0074】
図13は、通信システムの動作を示したフローチャートである。図13に示したように、まず、eNodeB10−1のABS設定保持部160がABSを設定すると(S404)、eNodeB10−1はUE20−1にABSの設定位置を示す情報をdedicatedシグナリングにより通知する(S408)。UE20−1は、ABSの設定位置を示す情報を受信すると、受信確認をeNodeB10−1に送信する(S412)。
【0075】
その後、eNodeB10−1およびRRH30は、ABSの設定位置が到来するまでは通常通り規定の動作を行う(S416、S420)。そして、ABSの設定位置が到来すると、ABSが設定されてないRRH30のみがデータ領域においてCRSを送信し、他のeNodeB10−1およびRRH30はデータ領域においてCRSを送信しない(S424)。
【0076】
一方、UE20−1は、S408において通知された情報に基づき、ABSの設定位置においてRSRPを測定する(S428)。そして、UE20−1は、RSRPの測定結果をeNodeB10−1に送信する(S432)。
【0077】
その後、eNodeB10−1は、各RRH30のRSRP、または各RRH30のグループのRSRPが揃うと、各RRH30のRSRP、または各RRH30のグループのRSRPに基づき、UE20−1に適するCoMPセットを決定する(S436)。そして、決定されたCoMPセットを構成するeNodeB10−1およびRRH30がUE20−1とCoMP通信を行う(S440)。具体的には、eNodeB10−1は、決定したCoMPセットを構成するRRH30にダウンリンク信号を供給し、CoMPセットを構成するRRH30が供給されたダウンリンク信号をeNodeB10−1と共にUE20−1に送信する。なお、上記のようにeNodeB10−1がCoMPセットを構成するRRH30にダウンリンク信号を供給すれば当該RRH30からダウンリンク信号が送信されてCoMP通信を実現できるので、決定したCoMPセットをRRH30へ通知することは必須ではない。
【0078】
以上説明したように、本開示の第1の実施形態によれば、各RRH30が同一のCRSを送信する状況においても、各RRH30のUE20−1におけるRSRPを測定することができる。このため、eNodeB10−1は、UE20−1における各RRH30のRSRPに基づき、UE20−1に適したCoMPセットを決定することが可能である。
【0079】
(2−4.変形例)
なお、上記では、ABS設定保持部160が異なる無線フレームにおいて異なるRRH30にABSを設定する例について図9などを参照して説明したが、本実施形態はかかる例に限定されない。例えば、ABS設定保持部160は、図14を参照して説明するように、同一無線フレーム内の複数のサブフレームにおいて異なるRRH30にABSを設定してもよい。
【0080】
図14は、ABSの設定方法の変形例を示した説明図である。ABS設定保持部160は、図14に示したように、同一無線フレームのサブフレーム#3ではRRH30A以外の基地局にABSを設定し、サブフレーム#4ではRRH30B以外の基地局にABSを設定してもよい。この場合、サブフレーム#3ではRRH30Aのみがデータ領域でCRSを送信するので、UE20−1はサブフレーム#3でRRH30AのRSRPを測定できる。同様に、UE20−1はサブフレーム#4でRRH30BのRSRPを測定できる。
【0081】
なお、この変形例においては、UE20−1から報告されるRSRPがどのRRH30に関するものであるかをeNodeB10−1が判別できるように、UE20−1は、RSRPの測定結果と、RSRPを測定したサブフレーム番号を対応付けてeNodeB10−1に報告してもよい。
【0082】
この変形例のように、同一無線フレーム内の複数のサブフレームにおいて異なるRRH30にABSを設定することにより、各RRH30のRSRPを取得するための時間を短縮することが可能である。
【0083】
<3.第2の実施形態>
以上、本開示の第1の実施形態を説明した。続いて、本開示の第2の実施形態を説明する。第2の実施形態は、各RRH30のRSRPを、第1の実施形態で説明したCRSでなく、CSI−RSと呼ばれるリファレンス信号の測定により取得する。以下では、このCSI−RSについて説明した後に、第2の実施形態の詳細を説明する。
【0084】
(3−1.CSI−RSについて)
CSI−RS(Channel State Information Reference Signal)は、LTE−Advanced(Rel10)で定義されるリファレンス信号である。このCSI−RSは、データのデモジュレーションのためでなく、チャネル品質の測定のために用いられる。このため、CSI−RSは、周波数方向および時間方向に間引かれて比較的まばらに挿入される。例えば、CSI−RSの挿入周期は、10msのように、5ms〜80ms程度の範囲内で設定可能である。なお、CSI−RSの設定(例えば、挿入周期を5msにするか10msにするかなどの設定)はUEごとに行えるので、設定(コンフィグレーション)はUE_Specificと言える。
【0085】
また、CSI−RSには、Rel10の36.211 6.10.5.1章で規定されているように、pseudo−randomシーケンスが用いられるが、このランダムシーケンスの初期値がセル(セルID)ごとに異なる。このため、CSI−RSは、本来Cell_specificであるので、CSI−RSの送信元の基地局をUEにおいて判別することが可能である。
【0086】
しかし、各RRH30が同一のセルIDを有する場合、各RRH30が送信するCSI−RSも同一になってしまう。また、CSI−RSの挿入周期はセルごとに設定できるが、各RRH30が同一のセルIDを有する場合、各RRH30のCSI−RSの挿入周期(タイミング)も同一になってしまう。このため、UEにより測定されたCSI−RSの送信元のRRH30を判別すること、および、UEに適するCoMPセットを決定することが困難であった。
【0087】
本開示の第2の実施形態は、上記事情を一着眼点にしてなされた技術である。本開示の第2の実施形態によれば、UEにより受信されたCSI−RSの送信元のRRH30を判別することが可能となる。以下、このような本開示の第2の実施形態について詳細に説明する。
【0088】
(3−2.基地局の構成)
図15は、本開示の第2の実施形態によるeNodeB10−2およびRRH30の構成を示した機能ブロック図である。図15に示したように、各RRH30は、第1の実施形態と同様に、eNodeB10−2から光ファイバーを介して供給されるダウンリンク信号を第2の実施形態によるUE20−2に送信する。また、各RRH30は、UE20−2から受信されたアップリンク信号をeNodeB10−2に光ファイバーを介して供給する。なお、各RRH30は、eNodeB10−2と同一のセルIDを有し、同一のCell−specificなリファレンス信号(例えば、CSI−RS)を送信する。
【0089】
また、第2の実施形態によるeNodeB10−2は、図15に示したように、アンテナ群104と、無線処理部110と、DA/AD変換部120と、UL(アップリンク)信号検出部130と、スケジューラ140と、DL(ダウンリンク)信号生成部150と、CSI−RS周期設定保持部162と、RSRP保持部172と、CoMPセット決定部182と、を備える。アンテナ群104、無線処理部110、およびDA/AD変換部120については第1の実施形態で説明したので、ここでの詳細な説明を省略する。
【0090】
UL信号検出部130は、DA/AD変換部120から供給されるアップリンク信号から、PUCCHのような制御信号や、PUSCHのようなユーザデータを検出する。特に、本実施形態によるUL信号検出部130は、DA/AD変換部120から供給されるアップリンク信号から、UE20−2におけるCSI−RS測定により得られたRSRPの測定結果を検出する。なお、RSRPの測定結果は、PUSCHに含まれていてもよい。
【0091】
スケジューラ140は、eNodeB10−2、各RRH30およびUE20−2が通信するためのリソースをスケジューリングする。特に、本実施形態によるスケジューラ140は、CSI−RS周期設定保持部162により設定されているCSI−RSの挿入周期に従ってスケジューリングを行う。また、スケジューラ140は、CoMPセット決定部180によって決定されたUE20−2に対するCoMPセットを用いてUE20−2との通信をスケジューリングする。
【0092】
DL信号生成部150は、eNodeB10−2および各RRH30から送信するためのダウンリンク信号を生成する。具体的には、DL信号生成部150は、スケジューラ140によるスケジューリングに従い、PDCCHおよびPDSCHなどを生成する。さらに、本実施形態によるDL信号生成部150は、eNodeB10−2および各RRH30について、CSI−RS周期設定保持部162により設定された周期に従ってCSI−RSを挿入する。なお、PDCCHまたはPDSCHは、CSI−RS周期設定保持部162により設定されたCSI−RSの挿入周期に関する情報を含んでもよい。
【0093】
CSI−RS周期設定保持部162は、eNodeB10−2および各RRH30について、CSI−RSの挿入周期を設定する。例えば、CSI−RS周期設定保持部162は、eNodeB10−2および各RRH30に異なる挿入周期(挿入タイミング)を設定する。これにより、あるタイミングにおいてUE20−2がCSI−RSを受信した場合、このCSI−RSの送信元を特定することが可能となる。以下、図16を参照し、CSI−RSの挿入周期についてより具体的に説明する。
【0094】
図16は、CSI−RSの挿入周期の具体例を示した説明図である。図16に示したように、CSI−RS周期設定保持部162は、eNodeB10−2および各RRH30のうちの一部の基地局のみがCSI−RSを送信するタイミングが生じるようにCSI−RSの挿入周期を設定する。
【0095】
例えば、CSI−RS周期設定保持部162は、図16に示したように、t1、t3、t5、t7、というCSI−RSの挿入周期をeNodeB10−2に設定し、t2、t4、というCSI−RSの挿入周期をRRH30Aに設定する。このため、t2およびt4においてはRRH30AのみがCSI−RSを送信する。同様に、CSI−RS周期設定保持部162は、t6、t8、というCSI−RSの挿入周期をRRH30Bに設定する。このため、t6およびt8においてはRRH30BのみがCSI−RSを送信する。同様に、各RRH30にeNodeB10−2と異なるCSI−RSの挿入周期を設定することにより、各RRH30のみがCSI−RSを送信するタイミングを生じさせることができる。
【0096】
なお、図16においては、t1、t3、t5、t7、というCSI−RSの挿入周期をeNodeB10−2のみに設定する例を示しているが、各RRH30にもこのCSI−RSの挿入周期を設定してもよい。この場合、Rel10までのUEは、複数のRRH30からCSI−RSをt1、t3、t5、t7、という同一周期で受信し、各CSI−RSの送信元を区別することなくチャネルを取得する。一方、Rel11以降のUE20−2は、複数の周期をCSI−RSの受信周期として設定することにより、各RRH30のみが送信するタイミングでCSI−RSを受信することが可能である。すなわち、第2の実施形態によるCSI−RSの設定方法は、既存のUEとの互換性を確保することも可能である。
【0097】
また、上記では、RRH30ごとに異なるCSI−RSの挿入周期を設定する例を説明したが、本実施形態はかかる例に限定されない。例えば、CSI−RS周期設定保持部162は、RRH30A〜30Fを2以上のグループにグループ化し、同一グループを構成するRRH30には同一のCSI−RSの挿入周期を設定してもよい。以下、図17を参照してより具体的に説明する。
【0098】
図17は、RRH30をグループ化した場合のCSI−RSの挿入周期の設定例を示した説明図である。図17に示したように、CSI−RS周期設定保持部162は、RRH30A〜30Fを、RRH30A〜30Cからなるグループと、RRH30D〜30Fからなるグループにグループ分けしてもよい。この場合、CSI−RS周期設定保持部162は、t2、t4、というCSI−RSの挿入周期をRRH30A〜30Cからなるグループに設定することにより、t2およびt4においてはRRH30A〜30CからのみCSI−RSを送信させることができる。
【0099】
同様に、CSI−RS周期設定保持部162は、t6、t8、というCSI−RSの挿入周期をRRH30D〜30Fからなるグループに設定することにより、t6およびt8においてはRRH30D〜30FからのみCSI−RSを送信させることができる。これにより、例えば、UE20−2におけるRSRPの測定結果が良好だった方のグループをCoMPセットとして決定することが可能となる。
【0100】
さらに、CSI−RS周期設定保持部162は、UE20−2におけるRSRPの測定結果が良好だった方のグループが判別した後、当該グループを構成する各RRH30のRSRPを取得できるようにCSI−RSの挿入周期を設定してもよい。かかる構成によれば、UE20−2におけるRSRPが良好なRRH30を段階的に特定していくことができるので、所要時間や効率の観点から効果的である。
【0101】
ここで、図15を参照してeNodeB10−2の構成の説明に戻ると、RSRP保持部172は、UL信号検出部130によって検出されたUE20−2におけるRSRPの測定結果を、UE20−2による測定タイミング(例えば、無線フレーム番号および/またはサブフレーム番号)を対応付けて保持する。
【0102】
CoMPセット決定部182は、各UE20−2とCoMPを行うためのCoMPセットを決定する。具体的には、CoMPセット決定部182は、RSRP保持部172に保持された各無線フレームにおけるRSRPがどのRRH30のRSRPであるかを、CSI−RS周期設定保持部162に保持されている基地局ごとの設定情報と照合することにより判断する。そして、CoMPセット決定部182は、各RRH30のRSRPに基づいてUE20−2に適するCoMPセットを決定する。
【0103】
例えば、CoMPセット決定部182は、RSRPが良好な方から所定数のRRH30をCoMPセットとして決定してもよい。または、CoMPセット決定部182は、RSRPが所定値を上回っているRRH30をCoMPセットとして決定してもよい。さらに、CoMPセット決定部182は、RSRPの合計値が所定値に達するようにRSRPが良好な方から選択されるRRH30をCoMPセットとして決定してもよい。なお、CoMPセットはeNodeB10−2を含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0104】
(3−3.UEの構成)
以上、第2の実施形態によるeNodeB10−2およびRRH30の構成を説明した。続いて、第2の実施形態によるUE20−2の構成を説明する。
【0105】
図18は、第2の実施形態によるUE20−2の構成を示した機能ブロック図である。図18に示したように、UE20−2は、アンテナ群204と、無線処理部210と、DA/AD変換部220と、DL信号検出部230と、UL信号検出部240と、CSI−RS周期保持部252と、を備える。アンテナ群204、無線処理部210、およびDA/AD変換部220については第1の実施形態で説明したので、ここでの詳細な説明を省略する。
【0106】
DL信号検出部230は、DA/AD変換部220から供給されるダウンリンク信号から、PDCCHのような制御信号や、PDSCHのようなユーザデータを検出する。特に、本実施形態によるDL信号検出部230は、PDCCHまたはPDSCHからCSI−RSの挿入周期を示す情報を抽出する。このCSI−RSの挿入周期を示す情報は、RSRPの測定位置に該当し、CSI−RS周期保持部252に保持される。また、DL信号検出部230は、CSI−RS周期保持部252に保持されているCSI−RSの挿入周期においてRSRPを測定する。本実施形態によれば、eNodeB10−2およびRRH30A〜30Fのうちの一部の基地局のみがCSI−RSの挿入周期においてCSI−RSを送信するので、DL信号検出部230は、一部の基地局のRSRPを測定することが可能である。
【0107】
UL信号生成部240は、eNodeB10−2および各RRH30に送信するためのアップリンク信号を生成する。具体的には、UL信号生成部240は、PUCCHのような制御信号や、PUSCHのようなユーザデータ信号を生成する。特に、本実施形態によるUL信号生成部240は、DL信号検出部230によるRSRPの測定結果を含むPUCCHまたはPUSCHを生成する。
【0108】
(3−4.通信システムの動作)
以上、第2の実施形態によるeNodeB10−2、RRH30およびUE20−2の構成を説明した。続いて、図19を参照し、eNodeB10−2、RRH30およびUE20−2からなる通信システムの動作を説明する。
【0109】
図19は、通信システムの動作を示したフローチャートである。図19に示したように、まず、eNodeB10−2のCSI−RS周期設定保持部162が各RRH30についてCSI−RSの挿入周期を設定すると(S504)、eNodeB10−2はUE20−2にCSI−RSの挿入周期を示す情報をdedicatedシグナリングにより通知する(S508)。UE20−2は、CSI−RSの挿入周期を示す情報を受信すると、受信確認をeNodeB10−2に送信する(S512)。
【0110】
その後、eNodeB10−2およびRRH30は、CSI−RSの挿入周期が到来するまでは通常通り規定の動作を行う(S516、5420)。そして、CSI−RSの挿入周期が到来すると、到来した挿入周期が設定されているRRH30のみからCSI−RSを送信する(S524)。
【0111】
一方、UE20−2は、S508において通知された情報に基づき、CSI−RSの挿入周期においてRSRPを測定する(S528)。そして、UE20−2は、RSRPの測定結果をeNodeB10−2に送信する(S532)。
【0112】
その後、eNodeB10−2は、各RRH30のRSRP、または各RRH30のグループのRSRPが揃うと、各RRH30のRSRP、または各RRH30のグループのRSRPに基づき、UE20−2に適するCoMPセットを決定する(S536)。そして、決定されたCoMPセットを構成するeNodeB10−2およびRRH30がUE20−2とCoMP通信を行う(S540)。具体的には、eNodeB10−2は、決定したCoMPセットを構成するRRH30にダウンリンク信号を供給し、CoMPセットを構成するRRH30が供給されたダウンリンク信号をeNodeB10−2と共にUE20−2に送信する。なお、上記のようにeNodeB10−2がCoMPセットを構成するRRH30にダウンリンク信号を供給すれば当該RRH30からダウンリンク信号が送信されてCoMP通信を実現できるので、決定したCoMPセットをRRH30へ通知することは必須ではない。
【0113】
以上説明したように、本開示の第2の実施形態によれば、各RRH30が同一のCSI−RSを送信する状況においても、各RRH30のUE20−2におけるRSRPを測定することができる。このため、eNodeB10−2は、UE20−2における各RRH30のRSRPに基づき、UE20−2に適したCoMPセットを決定することが可能である。
【0114】
(3−5.第1の変形例)
なお、上記では、CSI−RS周期設定保持部162が異なる時間範囲において異なるRRH30にCSI−RSの挿入周期を設定する例について図16などを参照して説明したが、本実施形態はかかる例に限定されない。例えば、CSI−RS周期設定保持部162は、図20に示したように、重複する時間範囲内において異なるRRH30に異なるCSI−RSの挿入周期を設定してもよい。
【0115】
この場合、UE20−2から報告されるRSRPがどのRRH30に関するものであるかをeNodeB10−2が判別できるように、UE20−2は、RSRPの測定結果と、RSRPの測定周期を対応付けてeNodeB10−2に報告してもよい。
【0116】
この第1の変形例のように、重複する時間範囲内において異なるRRH30に異なるCSI−RSの挿入周期を設定することにより、各RRH30のRSRPを取得するための時間を短縮することが可能である。
【0117】
(3−6.第2の変形例)
ところで、Rel10では、隣接セルのCSI−RSの受信がサービング基地局からの高電力のPDSCHなどによって妨げられてしまう実情に鑑みて、CSI−RSのMutingという技術も規格化されている。このMutingは、隣接セルのCSI−RSの送信位置に対応するリソースブロックでサービング基地局からの送信を停止させるという技術である。実際には、隣接説のCSI−RSの送信位置だけでなく、この送信位置の周囲のPDSCHの送信も停止されると考えられる。要すると、CSI−RSのMutingは、隣接セルのCSI−RSをサービング基地局のPDSCHによる干渉から保護するための技術である。
【0118】
そこで、第2の変形例では、このCSI−RSのMutingを改良したCSI−RS+Enhanced_Mutingという方法で、上述の第2の実施形態と同様に、UE20−2により受信されたCSI−RSの送信元のRRH30を判別することを可能とする。
【0119】
具体的には、eNodeB10−2および各RRH30のCSI−RSの挿入周期が同一である状況において、eNodeB10−2が、一部のRRH30以外のRRH30からのCSI−RSをMutingする。これにより、複数のRRHのうちの一部のRRH30のみがCSI−RSを送信するので、UE20−2により受信されたCSI−RSの送信元のRRH30を判別することが可能となる。以下、図21を参照してより詳細に説明する。
【0120】
図21は、第2の変形例によるCSI−RS+Enhanced_Mutingを示した説明図である。図21に示したように、期間P1においてはRRH30A以外のRRH30からのCSI−RSがMutingされる。したがって、UE20−2によって期間P1に受信されたCSI−RSの送信元をRRH30Aに特定することができる。
【0121】
また、期間P2においてはRRH30B以外のRRH30からのCSI−RSがMutingされるので、この期間P2にUE20−2によって受信されたCSI−RSの送信元をRRH30Bに特定することができる。また、期間P3においてはRRH30C以外のRRH30からのCSI−RSがMutingされるので、この期間P3にUE20−2によって受信されたCSI−RSの送信元をRRH30Cに特定することができる。
【0122】
なお、この変形例2においては、eNodeB10−2は事前に単一のCSI−RS周期をUE20−2に通知し、UE20−2はこのCSI−RS周期においてRSRPを測定し、測定結果をeNodeB10−2に報告すればよい。これにより、eNodeB10−2は、UE20−2から報告されるRSRPの測定結果に基づいてUE20−2に適切なCoMPセットを決定することが可能となる。
【0123】
<4.むすび>
以上説明したように、本開示の実施形態によれば、各RRH30が同一のセルIDに基づいて動作する状況においても、各RRH30のUE20におけるRSRPを測定することができる。したがって、eNodeB10は、UE20における各RRH30のRSRPに基づき、UE20に適したCoMPセットを決定することができる。その結果、UE20の受信品質の向上にさほど寄与しないRRH30からの送信を回避できるので、システムスループットの向上や、消費電力の削減を実現することが可能となる。
【0124】
なお、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0125】
例えば、上記では、UE20によるリファレンス信号のRSRPの測定結果に基づいてCoMPセットを決定する例を説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。変形例として、UE20は、各RRH30から送信される信号のエラー発生率のような受信品質を示す指標をeNodeB10にフィードバックし、eNodeB10は、当該指標に基づいてCoMPセットを決定してもよい。
【0126】
また、本明細書のeNodeB10およびUE20の処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、eNodeB10およびUE20の処理における各ステップは、シーケンス図として記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0127】
また、eNodeB10およびUE20に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上述したeNodeB10およびUE20の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
【0128】
また、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
同一のセルIDを有する複数の基地局のうちの一部の基地局のみから特定の信号を送信するタイミングを示す情報を受信する受信部と、
前記タイミングにおける受信電力を測定する測定部と、
前記測定部による測定結果を送信する送信部と、
を備える、通信装置。
(2)
前記送信部は、前記測定部による前記測定結果を、前記測定部が測定を行ったタイミングを示す情報と共に送信する、前記(1)に記載の通信装置。
(3)
前記特定の信号は、PDSCH(Physical Down Link shared CHannel)が送信されるデータ領域内のリファレンス信号である、前記(1)または(2)に記載の通信装置。
(4)
前記特定の信号は、CSI−RS(Channel State Information Reference Signal)である、前記(1)または(2)に記載の通信装置。
(5)
前記複数の基地局は、RRH(Remote Radio Hed)基地局を含む、前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の通信装置。
(6)
同一のセルIDを有する複数の基地局のうちの一部の基地局のみから特定の信号を送信するタイミングを示す情報を受信することと、
前記タイミングにおける受信電力を測定することと、
前記受信電力の測定結果を送信することと、
を含む、通信方法。
(7)
コンピュータを、
同一のセルIDを有する複数の基地局のうちの一部の基地局のみから特定の信号を送信するタイミングを示す情報を受信する受信部と、
前記タイミングにおける受信電力を測定する測定部と、
前記測定部による測定結果を送信する送信部と、
として機能させるための、プログラム。
(8)
同一のセルIDを有する複数の基地局のうちの一部の基地局のみから特定の信号を送信するタイミングを設定する設定部を有する通信制御装置と、
前記タイミングを示す情報を受信する受信部、
前記タイミングにおける受信電力を測定する測定部、および、
前記測定部による測定結果を送信する送信部、
を有する通信装置と、
を備え、
前記通信制御装置は、さらに、前記通信装置からの測定結果に基づき、前記通信装置へ信号を送信するために用いる基地局の組合せを前記複数の基地局から決定する決定部を有する、通信システム。
【符号の説明】
【0129】
10、10−1、10−2 eNodeB
12 コアネットワーク
20、20−1、20−2 UE
30 RRH
104、204、304 アンテナ群
110、210、310 無線処理部
120、220 DA/AD変換部
130 UL信号検出部
140 スケジューラ
150 DL信号生成部
160 ABS設定保持部
162 CSI−RS周期設定保持部
170、172 RSRP保持部
180、182 CoMPセット決定部
230 DL信号検出部
240 UL信号生成部
250 ABS設定位置保持部
252 CSI―RS周期保持部
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、通信方法、プログラムおよび通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近日、無線通信のさらなるパフォーマンスの向上を達成するために、第4世代のセルラーシステム(4G)が検討されている。この4Gにおいては、リレー技術、キャリアアグリゲーション、およびCoMP(Coordinated Multiple Point transmission and reception)などの技術が注目されている。
【0003】
リレー技術は、基地局(例えば、マクロセル基地局)と通信端末間の通信をリレーノードが中継する技術であり、基地局のセルエッジにおけるスループットを向上するために重要である。また、キャリアアグリゲーションは、20MHzのバンド幅を有する複数の周波数帯をまとめて扱うことにより、利用バンド幅の広域化(例えば、20MHz×5=100MHz)および最大スループットの向上を実現する技術である。また、CoMPは、CoMPセットと呼ばれる複数の基地局が連携して通信端末とデータ通信するための技術であり、高いデータレートで通信可能なカバレッジを拡張することが可能である。なお、CoMPについては、例えば特許文献1に記載されている。
【0004】
また、4Gでは、Home eNodeB(フェムトセル基地局、携帯電話用小型基地局)、RRH(リモートラジオヘッド)およびピコeNodeBなど、マクロeNodeB以外の基地局の導入によりカバレッジを向上させることも検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−091785
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、RRHやマクロeNodeBなどの多様な基地局が散在するHeterogeneousな環境においては、CoMPセットもダイナミックに変化することが予想される。しかし、Heterogeneousな環境下におけるCoMPセットの決定方法については十分な検討がなされていない。
【0007】
そこで、本開示では、通信端末との通信のために用いる基地局の組合せを適切に決定するための、新規かつ改良された通信装置、通信方法、プログラムおよび通信システムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示によれば、同一のセルIDを有する複数の基地局のうちの一部の基地局のみから特定の信号を送信するタイミングを示す情報を受信する受信部と、前記タイミングにおける受信電力を測定する測定部と、前記測定部による測定結果を送信する送信部と、を備える通信装置が提供される。
【0009】
また、本開示によれば、同一のセルIDを有する複数の基地局のうちの一部の基地局のみから特定の信号を送信するタイミングを示す情報を受信することと、前記タイミングにおける受信電力を測定することと、前記受信電力の測定結果を送信することと、を含む通信方法が提供される。また、本開示によれば、コンピュータを、同一のセルIDを有する複数の基地局のうちの一部の基地局のみから特定の信号を送信するタイミングを示す情報を受信する受信部と、前記タイミングにおける受信電力を測定する測定部と、前記測定部による測定結果を送信する送信部と、として機能させるためのプログラムが提供される。
【0010】
また、本開示によれば、同一のセルIDを有する複数の基地局のうちの一部の基地局のみから特定の信号を送信するタイミングを設定する設定部を有する通信制御装置と、前記タイミングを示す情報を受信する受信部、前記タイミングにおける受信電力を測定する測定部、および、前記測定部による測定結果を送信する送信部、を有する通信装置と、を備え、前記通信制御装置は、さらに、前記通信装置からの測定結果に基づき、前記通信装置へ信号を送信するために用いる基地局の組合せを前記複数の基地局から決定する決定部を有する、通信システムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本開示によれば、通信端末との通信のために用いる基地局の組合せを適切に決定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本開示の実施形態による通信システムの構成を示した説明図である。
【図2】4Gのフレームフォーマットを示した説明図である。
【図3】CoMPの実施形態の一例を示した説明図である。
【図4】CoMPの実施形態の一例を示した説明図である。
【図5】第1の実施形態によるeNodeBおよびRRHの構成を示した機能ブロック図である。
【図6】ABSに設定されたサブフレームを示す説明図である。
【図7】ABSおよびMBSFN(Multimedia Broadcast multicast Single Frequency Network)に設定されたサブフレームを示す説明図である。
【図8】ABSの設定例を示した説明図である。
【図9】ABSの設定例を示した説明図である。
【図10】基地局をグループ化した場合のABSの設定例を示した説明図である。
【図11】RSRP保持部が保持する情報の一例を示した説明図である。
【図12】第1の実施形態によるUEの構成を示した機能ブロック図である。
【図13】通信システムの動作を示したフローチャートである。
【図14】ABSの設定方法の変形例を示した説明図である。
【図15】本開示の第2の実施形態によるeNodeBおよびRRHの構成を示した機能ブロック図である。
【図16】CSI−RSの挿入周期の具体例を示した説明図である。
【図17】RRHをグループ化した場合のCSI−RSの挿入周期の設定例を示した説明図である。
【図18】第2の実施形態によるUEの構成を示した機能ブロック図である。
【図19】通信システムの動作を示したフローチャートである。
【図20】CSI−RSの挿入周期の変形例を示した説明図である。
【図21】第2の変形例によるCSI−RS+Enhanced_Mutingを示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じてRRH30A、30Bおよび30Cのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、RRH30A、30Bおよび30Cを特に区別する必要が無い場合には、単にRRH30と称する。
【0015】
また、以下に示す項目順序に従って本開示を説明する。
1.通信システムの全体構成
2.第1の実施形態
2−1.基地局の構成
2−2.UEの構成
2−3.通信システムの動作
2−4.変形例
3.第2の実施形態
3−1.CSI−RSについて
3−2.基地局の構成
3−3.UEの構成
3−4.通信システムの動作
3−5.第1の変形例
3−6.第2の変形例
4.むすび
【0016】
<1.通信システムの全体構成>
本開示による技術は、一例として「2.第1の実施形態」〜「3.第2の実施形態」において詳細に説明するように、多様な形態で実施され得る。また、各実施形態による通信装置(UE20)は、
A.同一のセルIDを有する複数の基地局のうちの一部の基地局のみから特定の信号を送信するタイミングを示す情報を受信する受信部(アンテナ群204など)と、
B.上記前記タイミングにおける受信電力を測定する測定部(DL信号検出部230)と、
C.上記測定部による測定結果を送信する送信部(アンテナ群204など)と、
を備える。
【0017】
以下では、まず、このような各実施形態において共通する基本構成について図1および図2を参照して説明する。
【0018】
(通信システムの全体構成)
図1は、本開示の実施形態による通信システム1の構成を示した説明図である。図1に示したように、本開示の実施形態による通信システム1は、eNodeB10と、コアネットワーク12と、UE(User Equipment)20と、複数のRRH30A〜30Fと、を備える。
【0019】
UE20は、eNodeB10などの基地局により割り当てられたダウンリンク用のリソースブロックにおいて受信処理を行い、アップリンク用のリソースブロックにおいて送信処理を行う通信装置である。
【0020】
このUE20は、例えば、図1に示したようなスマートフォンであってもよいし、PC(Personal Computer)、家庭用映像処理装置(DVDレコーダ、ビデオデッキなど)、PDA(Personal Digital Assistants)、家庭用ゲーム機器、家電機器などの情報処理装置であってもよい。さらに、UE20は、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、携帯用音楽再生装置、携帯用映像処理装置、携帯用ゲーム機器などの移動通信装置であってもよい。
【0021】
eNodeB10は、カバレッジに含まれるUE20と通信する無線基地局である(本明細書においては、特段の記載が無い場合、eNodeB10はMacro_eNodeBを指す。)。また、eNodeB10は、例えば光ファイバーのような通信路を介して複数のRRH30A〜30Fと接続されている。したがって、eNodeB10は、ダウンリンク信号をRRH30にこの通信路を介して送信し、RRH30からUE20にダウンリンク信号を送信させることや、RRH30によりUE20から受信されたアップリンク信号をRRH30から受信することができる。さらに、eNodeB10は、これら複数のRRH30A〜30Fと連携してCoMP通信を行うことも可能である。CoMP通信の詳細については後述する。なお、図1においては記載を省略しているが、実際には多数のeNodeB10がコアネットワーク12に接続される。
【0022】
コアネットワークは、MME(Mobility Management Entity)やサービングGW(Gateway)などの管理ノードを含む事業者側のネットワークである。MMEは、データ通信用のセッションの設定、開放やハンドオーバーの制御を行う装置である。このMMEは、eNodeB10とX2と呼ばれるインタフェースを介して接続される。S−GWは、ユーザデータのルーティング、転送などを行う装置である。
【0023】
RRH30は、eNodeB10と比較して小さい電力でUE20と通信を行う無線基地局である。具体的には、RRH30は、eNodeB10と光ファイバーのような通信路を介して接続されており、この通信路を介してeNodeB10から受信したダウンリンク信号をUE20に送信する。また、RRH30は、UE20から受信したアップリンク信号を、上記通信路を介してeNodeB10に送信する。本開示による通信システム1は、このようなRRH30を有することにより、カバレッジやセルエッジ付近での品質向上を実現することが可能である。
【0024】
(フレーム構成)
続いて、上述したeNodeB10などの基地局と、UE20との間で共有される無線フレームについて説明する。
【0025】
図2は、4Gのフレームフォーマットを示した説明図である。図2に示したように、10msの無線フレームは、10個の1msのサブフレーム#0〜#9から構成されている。各サブフレームは、12サブキャリア×14OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルからなる1つのリソースブロックであり、スケジューリングの割り当てはこのリソースブロック単位で行われる。なお、1OFDMシンボルは、OFDM変調方式の通信方式で用いられる単位であり、1回のFFT(Fast Fourier Transform)で処理されたデータを出力する単位である。
【0026】
また、図2に示したように、各サブフレームは制御領域およびデータ領域からなる。制御領域は、先頭の1〜3OFDMシンボルからなり(図2においては、制御領域が3OFDMシンボルである例を示している。)、PDCCH(Phy DownLink Control Channel)と呼ばれる制御信号の送信のために用いられる。また、制御領域に続くデータ領域は、PDSCH(Phy DownLink Shared Channel)と呼ばれるユーザデータなどの送信のために用いられる。
【0027】
さらに、制御領域およびデータ領域には、Cell−specificなリファレンス信号であるCRS(Cell−specific Common reference signal)が配置される。UE20は、このCRSを受信することによりチャネル推定を行い、チャネル推定結果に基づいてPDSCHなどの復号処理を行うことが可能である。
【0028】
(CoMPについて)
次に、本開示に関連するCoMPについて説明する。CoMPは、CoMPセットと呼ばれる複数の基地局が連携してUE20とデータ通信するための技術であり、高いデータレートで通信可能なカバレッジを拡張することが可能である。このCoMPは、Joint Processingと、Coordinated Scheduling and/or Beamformingに大別される。
【0029】
前者のJoint Processingは、複数の基地局が同時に1のUE20とデータ通信する技術である。例えば、図3に示したように、eNodeB10、RRH30A〜30Fが同時にUE20にデータ送信する例がJoint Processingに該当する。このJoint Processingによれば、データ通信に複数の基地局のブランチ(アンテナおよびアナログ回路(無線処理部))を利用できるので、アンテナ利得およびSINRを向上することができる。
【0030】
なお、ダウンリンクのJoint Processingを行う場合、UE20への送信データを、基地局間の例えばバックホールと呼ばれる有線の通信路を利用して、RRH30A〜30Fへ事前に分配しておく必要がある。また、アップリンクのJoint Processingは、UE20から複数の基地局により受信されたデータを統合することにより行われる。
【0031】
データ統合の方法としては、例えば、各基地局による復号後のビットレベルでデータを統合する方法、各基地局によるデコード前のソフトビットの段階でデータを統合する方法、各基地局によるデマッピング前のデータを統合する方法などが挙げられる。各基地局でより後段の復調処理をしてからデータを統合するほど、バックホールを介して交換されるデータ量は増加するが、性能は向上する傾向がある。
【0032】
後者のCoordinated Scheduling and/or Beamformingは、データ送信は1の基地局のみが行い、スケジューリング(各UE20に割り当てるリソースブロックを決定する制御)を複数の基地局で協調して行う技術である。このCoordinated Scheduling and/or Beamformingによれば、複数の基地局間の干渉をスケジューリング調整により容易に回避することができる。
【0033】
本開示による技術は、上記の2種類のCoMPのうち、特に前者のJoint Processingに焦点を当ててなされたものである。このJoint Processingは、Non−coferentlyなJoint Processingと、coferentlyなJoint Processingとに大別される。
【0034】
coferentlyなJoint Processingは、各基地局から通信端末20に到達するデータの位相が揃うように、各基地局からのデータの送信タイミングを調整する方法である。一方、Non−coferentlyなJoint Processingは、各基地局からのデータの送信タイミングを調整しないで各基地局がデータを送信する方法である。したがって、coferentlyなJoint Processingの方がNon−coferentlyなJoint Processingにより性能が高い。しかし、coferentlyなJoint Processingを行うためには、通信端末20ごとに各基地局10の送信タイミングの調整量を算出する必要があるので、処理が煩雑になる点で不利である。
【0035】
(CoMPセットについて)
CoMPセットは、3GPPで用いられている用語であり、CoMPを行うために協力して送信を行う基地局の組合せを意味する。通常は、3台程度のeNodeB10がCoMPセットを構成することが想定される。一方、Pico_eNodeB、Home_eNodeB、およびRRH_eNodeB(本明細書においては、単にRRHと称する。)などのセルがオーバレイするHeterogeneousな環境下では、5台または10台のように3台以上の基地局がCoMPセットを構成し、かつ、CoMPセットがダイナミックに変化することが予想される。
【0036】
ところで、UE20によって各基地局との距離が異なるので、UE20ごとに最適なCoMPセットは異なる。したがって、UE20ごとに最適なCoMPセットを決定することが重要である。例えば、基地局は、UE20が各基地局にフレーム同期して取得したCRSのRSRP(Reference Signal Received Power)の報告を受け、UE20から報告された複数の基地局からRSRPの大きい基地局を選択することによりCoMPセットを決定することが可能である。
【0037】
(セルIDとCoMPの関係)
上述したMacro_eNodeB10は、通常、Macro_eNodeB10ごとに異なるセルIDを有する。同様に、RRH30も、RRH30ごとに異なるセルIDを有することが想定されていた。しかし、近日、あるMacro_eNodeB10に属する複数のRRH30が、Macro_eNodeB10と同一のセルIDを共有するシナリオも検討されている。この場合、Macro_eNodeB10および複数のRRH30が同じ信号を送信するので、セルゲインが向上しないというデメリットの一方で、RRH30のセル間干渉が生じず、また、CoMPを実施し易いというメリットがある。
【0038】
(本実施形態の着眼点)
上述したように、eNodeB10および全てのRRH30が同一のセルIDを有する場合、セルIDとCRSのようなリファレンス信号は1対1で対応するので、eNodeB10および各RRH30が送信するCRSも同一になると考えられる。このため、UE20は、各RRH30からのCRSのRSSPを測定して報告しようとしても、CRSの送信元を区別することが困難である。したがって、eNodeB10がUE20に最適なCoMPセットを選択することも困難である。その結果、図3に示すように、eNodeB10および全てのRRH30がUE20に対してCoMPを行うことが考えられる。
【0039】
図3は、CoMPの実施形態の一例を示した説明図である。図3に示したように、eNodeB10および全てのRRH30がUE20に対してCoMPを行う場合、UE20は、eNodeB10および全てのRRH30から同一の信号を受信することにより受信品質を向上する。
【0040】
しかし、詳細に検討すると、UE20の遠方に存在するRRH30Dおよび30Eからの受信電力は低いので、RRH30Dおよび30Eからの信号送信はUE20の受信品質の向上にさほど寄与しない。むしろ、RRH30Dおよび30Eからの信号送信は、近隣への干渉波となるので、システム全体のスループット低下の原因になると考えられる。
【0041】
したがって、理想的には、図4に示すように、UE20の受信品質の向上に寄与する一部のRRH30(例えば、RRH30Aおよび30B)のみを用いてCoMPを行うことが望まれる。しかし、上述したようにUE20にとって最適なCoMPセットを選択する手段が存在しなかった。この点に関し、Rel8、9、10の従来のUEは各RRHから同じ信号が送信されることを期待しているので、仮に、各RRH30が、同一のセルIDを有するにもかかわらず各RRHを区別できるような信号を送信してしまうと、互換性を保てなくなってしまう。
【0042】
そこで、上記事情を一着眼点にして本開示の各実施形態を創作するに至った。本開示の各実施形態によれば、UE20における各RRH30のRSRPを得ることにより、UE20にとって最適なCoMPセットを決定することが可能である。以下、このような本開示の各実施形態について詳細に説明する。
【0043】
<2.第1の実施形態>
(2−1.基地局の構成)
図5は、第1の実施形態によるeNodeB10−1およびRRH30の構成を示した機能ブロック図である。図5に示したように、各RRH30は、アンテナ群304および無線処理部310を備え、eNodeB10−1から光ファイバーを介して供給されるダウンリンク信号を第1の実施形態によるUE20−1に送信する。また、各RRH30は、UE20−1から受信されたアップリンク信号をeNodeB10−1に光ファイバーを介して供給する。なお、各RRH30は、eNodeB10−1と同一のセルIDを有し、同一のCell−specificなリファレンス信号(例えば、CRS)を送信する。
【0044】
また、eNodeB10−1は、図5に示したように、アンテナ群104と、無線処理部110と、DA/AD変換部120と、UL(アップリンク)信号検出部130と、スケジューラ140と、DL(ダウンリンク)信号生成部150と、ABS設定保持部160と、RSRP保持部170と、CoMPセット決定部180と、を備える。なお、ABS(Almost Blank Subframe)は、3GPPのRel10での採用が決まっている技術であり、ABSとは、ほとんどの送信が停止されるサブフレーム。例えば、ABSに設定されたサブフレームでは、PDCCHとCRSのみが送信される。第1の実施形態は、このABSに着目してなされたものである。
【0045】
アンテナ群104は、UE20−1から無線信号を受信して電気的な高周波信号を取得し、高周波信号を無線処理部110へ供給する。また、アンテナ群104は、無線処理部110から供給される高周波信号に基づいて無線信号をUE20−1に送信する。eNodeB10−1は、このように複数のアンテナからなるアンテナ群104を備えるため、MIMO通信やダイバーシティ通信を行うことが可能である。
【0046】
無線処理部110は、増幅、フィルタリング、およびダウンコンバージョンなどのアナログ処理を行うことにより、アンテナ群104から供給される高周波信号をベースバンド信号(アップリンク信号)に変換する。また、無線処理部110は、DA/AD変換部120から供給されるベースバンド信号(ダウンリンク信号)を高周波信号に変換する。
【0047】
DA/AD変換部120は、無線処理部110から供給されるアナログ形式のアップリンク信号をデジタル形式に変換し、UL信号検出部130に供給する。また、DA/AD変換部120は、DL信号生成部150から供給されるデジタル形式のダウンリンク信号をアナログ形式に変換し、無線処理部110に供給する。
【0048】
また、DA/AD変換部120には、DL信号生成部150から各RRH30のためのダウンリンク信号が供給される。このため、DA/AD変換部120は、これら各RRH30のためのダウンリンク信号をアナログ形式に変換し、該当するRRH30に光ファイバーを介して供給する。同様に、DA/AD変換部120は、各RRH30から光ファイバーを介してアップリンク信号が供給され、このアップリンク信号をデジタル形式に変換してUL信号検出部130に供給する。
【0049】
UL信号検出部130は、DA/AD変換部120から供給されるアップリンク信号から、PUCCHのような制御信号や、PUSCHのようなユーザデータを検出する。特に、本実施形態によるUL信号検出部130は、DA/AD変換部120から供給されるアップリンク信号から、UE20−1におけるCRS測定により得られたRSRPの測定結果を検出する。なお、RSRPの測定結果は、PUSCHに含まれていてもよい。
【0050】
スケジューラ140は、eNodeB10−1、各RRH30およびUE20−1が通信するためのリソースをスケジューリングする。特に、本実施形態によるスケジューラ140は、ABS設定保持部160によりABSが設定されている基地局(eNodeB10−1、または各RRH30)およびサブフレーム位置に基づいてスケジューリングを行う。また、スケジューラ140は、CoMPセット決定部180によって決定されたUE20−1に対するCoMPセットを用いてUE20−1との通信をスケジューリングする。
【0051】
DL信号生成部150は、eNodeB10−1および各RRH30から送信するためのダウンリンク信号を生成する。具体的には、DL信号生成部150は、スケジューラ140によるスケジューリングに従い、PDCCHおよびPDSCHなどを生成する。さらに、本実施形態によるDL信号生成部150は、eNodeB10−1および各RRH30について、ABS設定保持部160によりABSに指定されたサブフレーム位置をABSに設定する。なお、PDCCHまたはPDSCHは、ABS設定保持部160により設定されたABSに関する情報を含んでもよい。ここで、図6および図7を参照し、ABSに設定されたサブフレームについて詳細に説明する。
【0052】
図6は、ABSに設定されたサブフレームを示す説明図である。図6に示したように、ABSに設定されたサブフレームでは、データ領域においてPDSCHが送信されない。一方、PDCCH、およびデータ領域内のCRS(リファレンス信号)の送信は停止しない。
【0053】
図7は、ABSおよびMBSFN(Multimedia Broadcast multicast Single Frequency Network)に設定されたサブフレームを示す説明図である。図7に示したように、サブフレームに対してABSおよびMBSFNの双方を設定すると、制御領域内のCRS以外の全ての送信を停止することができる。本実施形態では、詳細については後述するように、ABSおよびMBSFNをeNodeB10−1および各RRH30に設定することにより、UE20−1における各RRH30のRSRPを得ることが可能となる。
【0054】
ここで、図5を参照してeNodeB10−1の構成の説明に戻ると、ABS設定保持部160は、eNodeB10−1およびRRH30A〜30Fの少なくともいずれかのサブフレームに対してABS(MBSFNを含んでもよい。以下同様。)を設定する。そして、ABS設定保持部160は、ABSを設定したサブフレームを示す情報と、ABSが設定される基地局を示す情報を対応付けて保持する。
【0055】
より詳細には、ABS設定保持部160は、eNodeB10−1およびRRH30A〜30Fのうちの1または2以上の基地局を除いて、同一のサブフレームにABSを設定する。これにより、ABSが設定されたサブフレームにおいては、1または2以上の基地局のみがデータ領域内でCRSを送信することになる。以下、図8〜図10を参照し、このようなABSの設定についてより具体的に説明する。
【0056】
図8は、ABSの設定例を示した説明図である。図8の1段目に示したように、RRH30Aを除くeNodeB10−1およびRRH30B〜30Fに対し、無線フレーム#M〜#Nのサブフレーム#3でABSを設定すると、図9の上段に示したように、無線フレーム#M〜#Nのサブフレーム#3のデータ領域ではRRH30AのみがCRSを送信する。
【0057】
同様に、図8の2段目に示したように、RRH30Bを除くeNodeB10−1、RRH30AおよびRRH30C〜30Fに対し、無線フレーム#N+1〜#Oのサブフレーム#3でABSを設定すると、図9の下段に示したように、無線フレーム#N+1〜#Oのサブフレーム#3のデータ領域ではRRH30BのみがCRSを送信する。このような設定を繰り返すことにより、RRH30A〜30Fの各々のみがデータ領域でCRSを送信するサブフレームを発生させることができる。
【0058】
なお、上記では1のRRH30のみを除いてABSを設定する例を説明したが、本実施形態はかかる例に限定されない。例えば、ABS設定保持部160は、eNodeB10−1およびRRH30A〜30Fを2以上の基地局グループにグループ化し、いずれかの基地局グループを除いてABSを設定してもよい。以下、図10を参照してより具体的に説明する。
【0059】
図10は、基地局をグループ化した場合のABSの設定例を示した説明図である。図10に示したように、ABS設定保持部160は、RRH30A〜30Fを、RRH30A〜30Cからなる基地局グループと、RRH30D〜30Fからなる基地局グループにグループ分けしてもよい。この場合、ABS設定保持部160は、eNodeB10−1およびRRH30D〜30Fからなる基地局グループに対して無線フレーム#M〜#Nのサブフレーム#3でABSを設定することにより、当該サブフレーム#3のデータ領域でRRH30A〜30Cからなる基地局グループのみにCRSを送信させることができる。
【0060】
同様に、図10の下段に示したように、ABS設定保持部160は、eNodeB10−1およびRRH30A〜30Cからなる基地局グループに対して無線フレーム#N+1〜#Oのサブフレーム#3でABSを設定することにより、当該サブフレーム#3のデータ領域でRRH30D〜30Fからなる基地局グループのみにCRSを送信させることができる。これにより、詳細については後述するが、UE20−1におけるRSRPの測定結果が良好だった方の基地局グループをCoMPセットとして決定することが可能となる。
【0061】
さらに、ABS設定保持部160は、UE20−1におけるRSRPの測定結果が良好だった方の基地局グループが判別した後、当該基地局グループを構成する各RRH30のRSRPを取得できるようにABSを設定してもよい。かかる構成によれば、UE20−1におけるRSRPが良好なRRH30を段階的に特定していくことができるので、所要時間や効率の観点から効果的である。
【0062】
ここで、図5を参照してeNodeB10−1の構成の説明に戻ると、RSRP保持部170は、UL信号検出部130によって検出されたUE20−1におけるRSRPの測定結果を、UE20−1による測定タイミング(例えば、無線フレーム番号および/またはサブフレーム番号)を対応付けて保持する。
【0063】
図11は、RSRP保持部170が保持する情報の一例を示した説明図である。ABS設定保持部160が例えば図8に示すようにABSを設定した場合、RSRP保持部170は、UE20−1からのフィードバックに基づき、図11に示すような情報を保持する。具体的には、RSRP保持部170は、RRH30AのみからCRSが送信されるようにABSが設定された無線フレーム#M〜#Nと、当該無線フレームでUE20−1により測定されたRSRPを対応付けて保持する。同様に、RSRP保持部170は、いずれかのRRH30のみからCRSが送信されるようにABSが設定された無線フレーム番号と、当該無線フレームでUE20−1により測定されたRSRPを対応付けて保持する。
【0064】
CoMPセット決定部180は、各UE20−1とCoMPを行うためのCoMPセットを決定する。具体的には、CoMPセット決定部180は、RSRP保持部170に保持された各無線フレームにおけるRSRPがどのRRH30のRSRPであるかを、ABS設定保持部160に保持されているABSの設定情報と照合することにより判断する。そして、CoMPセット決定部180は、各RRH30のRSRPに基づいてUE20−1に適するCoMPセットを決定する。
【0065】
例えば、CoMPセット決定部180は、RSRPが良好な方から所定数のRRH30をCoMPセットとして決定してもよい。または、CoMPセット決定部180は、RSRPが所定値を上回っているRRH30をCoMPセットとして決定してもよい。さらに、CoMPセット決定部180は、RSRPの合計値が所定値に達するようにRSRPが良好な方から選択されるRRH30をCoMPセットとして決定してもよい。なお、CoMPセットはeNodeB10−1を含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0066】
(2−2.UEの構成)
以上、第1の実施形態によるeNodeB10−1およびRRH30の構成を説明した。続いて、第1の実施形態によるUE20−1の構成を説明する。
【0067】
図12は、第1の実施形態によるUE20−1の構成を示した機能ブロック図である。図12に示したように、UE20−1は、アンテナ群204と、無線処理部210と、DA/AD変換部220と、DL信号検出部230と、UL信号検出部240と、ABS設定位置保持部250と、を備える。
【0068】
アンテナ群204は、eNodeB10−1およびRRH30から無線信号を受信して電気的な高周波信号を取得し、高周波信号を無線処理部210へ供給する。また、アンテナ群204は、無線処理部210から供給される高周波信号に基づいて無線信号をeNodeB10−1およびRRH30に送信する。UE20−1は、このように複数のアンテナからなるアンテナ群204を備えるため、MIMO通信やダイバーシティ通信を行うことが可能である。
【0069】
無線処理部210は、増幅、フィルタリング、およびダウンコンバージョンなどのアナログ処理を行うことにより、アンテナ群204から供給される高周波信号をベースバンド信号(ダウンリンク信号)に変換する。また、無線処理部210は、DA/AD変換部220から供給されるベースバンド信号(アップリンク信号)を高周波信号に変換する。このように、無線処理部210は、アンテナ群204と共に、送信部および受信部として機能する。
【0070】
DA/AD変換部220は、無線処理部210から供給されるアナログ形式のダウンリンク信号をデジタル形式に変換し、DL信号検出部230に供給する。また、DA/AD変換部220は、UL信号生成部240から供給されるデジタル形式のアップリンク信号をアナログ形式に変換し、無線処理部210に供給する。
【0071】
DL信号検出部230は、DA/AD変換部220から供給されるダウンリンク信号から、PDCCHのような制御信号や、PDSCHのようなユーザデータを検出する。特に、本実施形態によるDL信号検出部230は、PDCCHまたはPDSCHからABS設定位置を示す情報を抽出する。このABS設定位置を示す情報は、RSRPの測定位置に該当し、ABS設定位置保持部250に保持される。また、DL信号検出部230は、ABS設定位置保持部250に保持されているABS設定位置においてRSRPを測定する測定部としての機能を有する。本実施形態によれば、eNodeB10−1およびRRH30A〜30Fのうちの一部の基地局のみがABS設定位置においてCRSを送信するので、DL信号検出部230は、一部の基地局のRSRPを測定することが可能である。
【0072】
UL信号生成部240は、eNodeB10−1および各RRH30に送信するためのアップリンク信号を生成する。具体的には、UL信号生成部240は、PUCCHのような制御信号や、PUSCHのようなユーザデータ信号を生成する。特に、本実施形態によるUL信号生成部240は、DL信号検出部230によるRSRPの測定結果を含むPUCCHまたはPUSCHを生成する。
【0073】
(2−3.通信システムの動作)
以上、第1の実施形態によるeNodeB10−1、RRH30およびUE20−1の構成を説明した。続いて、図13を参照し、eNodeB10−1、RRH30およびUE20−1からなる通信システムの動作を説明する。
【0074】
図13は、通信システムの動作を示したフローチャートである。図13に示したように、まず、eNodeB10−1のABS設定保持部160がABSを設定すると(S404)、eNodeB10−1はUE20−1にABSの設定位置を示す情報をdedicatedシグナリングにより通知する(S408)。UE20−1は、ABSの設定位置を示す情報を受信すると、受信確認をeNodeB10−1に送信する(S412)。
【0075】
その後、eNodeB10−1およびRRH30は、ABSの設定位置が到来するまでは通常通り規定の動作を行う(S416、S420)。そして、ABSの設定位置が到来すると、ABSが設定されてないRRH30のみがデータ領域においてCRSを送信し、他のeNodeB10−1およびRRH30はデータ領域においてCRSを送信しない(S424)。
【0076】
一方、UE20−1は、S408において通知された情報に基づき、ABSの設定位置においてRSRPを測定する(S428)。そして、UE20−1は、RSRPの測定結果をeNodeB10−1に送信する(S432)。
【0077】
その後、eNodeB10−1は、各RRH30のRSRP、または各RRH30のグループのRSRPが揃うと、各RRH30のRSRP、または各RRH30のグループのRSRPに基づき、UE20−1に適するCoMPセットを決定する(S436)。そして、決定されたCoMPセットを構成するeNodeB10−1およびRRH30がUE20−1とCoMP通信を行う(S440)。具体的には、eNodeB10−1は、決定したCoMPセットを構成するRRH30にダウンリンク信号を供給し、CoMPセットを構成するRRH30が供給されたダウンリンク信号をeNodeB10−1と共にUE20−1に送信する。なお、上記のようにeNodeB10−1がCoMPセットを構成するRRH30にダウンリンク信号を供給すれば当該RRH30からダウンリンク信号が送信されてCoMP通信を実現できるので、決定したCoMPセットをRRH30へ通知することは必須ではない。
【0078】
以上説明したように、本開示の第1の実施形態によれば、各RRH30が同一のCRSを送信する状況においても、各RRH30のUE20−1におけるRSRPを測定することができる。このため、eNodeB10−1は、UE20−1における各RRH30のRSRPに基づき、UE20−1に適したCoMPセットを決定することが可能である。
【0079】
(2−4.変形例)
なお、上記では、ABS設定保持部160が異なる無線フレームにおいて異なるRRH30にABSを設定する例について図9などを参照して説明したが、本実施形態はかかる例に限定されない。例えば、ABS設定保持部160は、図14を参照して説明するように、同一無線フレーム内の複数のサブフレームにおいて異なるRRH30にABSを設定してもよい。
【0080】
図14は、ABSの設定方法の変形例を示した説明図である。ABS設定保持部160は、図14に示したように、同一無線フレームのサブフレーム#3ではRRH30A以外の基地局にABSを設定し、サブフレーム#4ではRRH30B以外の基地局にABSを設定してもよい。この場合、サブフレーム#3ではRRH30Aのみがデータ領域でCRSを送信するので、UE20−1はサブフレーム#3でRRH30AのRSRPを測定できる。同様に、UE20−1はサブフレーム#4でRRH30BのRSRPを測定できる。
【0081】
なお、この変形例においては、UE20−1から報告されるRSRPがどのRRH30に関するものであるかをeNodeB10−1が判別できるように、UE20−1は、RSRPの測定結果と、RSRPを測定したサブフレーム番号を対応付けてeNodeB10−1に報告してもよい。
【0082】
この変形例のように、同一無線フレーム内の複数のサブフレームにおいて異なるRRH30にABSを設定することにより、各RRH30のRSRPを取得するための時間を短縮することが可能である。
【0083】
<3.第2の実施形態>
以上、本開示の第1の実施形態を説明した。続いて、本開示の第2の実施形態を説明する。第2の実施形態は、各RRH30のRSRPを、第1の実施形態で説明したCRSでなく、CSI−RSと呼ばれるリファレンス信号の測定により取得する。以下では、このCSI−RSについて説明した後に、第2の実施形態の詳細を説明する。
【0084】
(3−1.CSI−RSについて)
CSI−RS(Channel State Information Reference Signal)は、LTE−Advanced(Rel10)で定義されるリファレンス信号である。このCSI−RSは、データのデモジュレーションのためでなく、チャネル品質の測定のために用いられる。このため、CSI−RSは、周波数方向および時間方向に間引かれて比較的まばらに挿入される。例えば、CSI−RSの挿入周期は、10msのように、5ms〜80ms程度の範囲内で設定可能である。なお、CSI−RSの設定(例えば、挿入周期を5msにするか10msにするかなどの設定)はUEごとに行えるので、設定(コンフィグレーション)はUE_Specificと言える。
【0085】
また、CSI−RSには、Rel10の36.211 6.10.5.1章で規定されているように、pseudo−randomシーケンスが用いられるが、このランダムシーケンスの初期値がセル(セルID)ごとに異なる。このため、CSI−RSは、本来Cell_specificであるので、CSI−RSの送信元の基地局をUEにおいて判別することが可能である。
【0086】
しかし、各RRH30が同一のセルIDを有する場合、各RRH30が送信するCSI−RSも同一になってしまう。また、CSI−RSの挿入周期はセルごとに設定できるが、各RRH30が同一のセルIDを有する場合、各RRH30のCSI−RSの挿入周期(タイミング)も同一になってしまう。このため、UEにより測定されたCSI−RSの送信元のRRH30を判別すること、および、UEに適するCoMPセットを決定することが困難であった。
【0087】
本開示の第2の実施形態は、上記事情を一着眼点にしてなされた技術である。本開示の第2の実施形態によれば、UEにより受信されたCSI−RSの送信元のRRH30を判別することが可能となる。以下、このような本開示の第2の実施形態について詳細に説明する。
【0088】
(3−2.基地局の構成)
図15は、本開示の第2の実施形態によるeNodeB10−2およびRRH30の構成を示した機能ブロック図である。図15に示したように、各RRH30は、第1の実施形態と同様に、eNodeB10−2から光ファイバーを介して供給されるダウンリンク信号を第2の実施形態によるUE20−2に送信する。また、各RRH30は、UE20−2から受信されたアップリンク信号をeNodeB10−2に光ファイバーを介して供給する。なお、各RRH30は、eNodeB10−2と同一のセルIDを有し、同一のCell−specificなリファレンス信号(例えば、CSI−RS)を送信する。
【0089】
また、第2の実施形態によるeNodeB10−2は、図15に示したように、アンテナ群104と、無線処理部110と、DA/AD変換部120と、UL(アップリンク)信号検出部130と、スケジューラ140と、DL(ダウンリンク)信号生成部150と、CSI−RS周期設定保持部162と、RSRP保持部172と、CoMPセット決定部182と、を備える。アンテナ群104、無線処理部110、およびDA/AD変換部120については第1の実施形態で説明したので、ここでの詳細な説明を省略する。
【0090】
UL信号検出部130は、DA/AD変換部120から供給されるアップリンク信号から、PUCCHのような制御信号や、PUSCHのようなユーザデータを検出する。特に、本実施形態によるUL信号検出部130は、DA/AD変換部120から供給されるアップリンク信号から、UE20−2におけるCSI−RS測定により得られたRSRPの測定結果を検出する。なお、RSRPの測定結果は、PUSCHに含まれていてもよい。
【0091】
スケジューラ140は、eNodeB10−2、各RRH30およびUE20−2が通信するためのリソースをスケジューリングする。特に、本実施形態によるスケジューラ140は、CSI−RS周期設定保持部162により設定されているCSI−RSの挿入周期に従ってスケジューリングを行う。また、スケジューラ140は、CoMPセット決定部180によって決定されたUE20−2に対するCoMPセットを用いてUE20−2との通信をスケジューリングする。
【0092】
DL信号生成部150は、eNodeB10−2および各RRH30から送信するためのダウンリンク信号を生成する。具体的には、DL信号生成部150は、スケジューラ140によるスケジューリングに従い、PDCCHおよびPDSCHなどを生成する。さらに、本実施形態によるDL信号生成部150は、eNodeB10−2および各RRH30について、CSI−RS周期設定保持部162により設定された周期に従ってCSI−RSを挿入する。なお、PDCCHまたはPDSCHは、CSI−RS周期設定保持部162により設定されたCSI−RSの挿入周期に関する情報を含んでもよい。
【0093】
CSI−RS周期設定保持部162は、eNodeB10−2および各RRH30について、CSI−RSの挿入周期を設定する。例えば、CSI−RS周期設定保持部162は、eNodeB10−2および各RRH30に異なる挿入周期(挿入タイミング)を設定する。これにより、あるタイミングにおいてUE20−2がCSI−RSを受信した場合、このCSI−RSの送信元を特定することが可能となる。以下、図16を参照し、CSI−RSの挿入周期についてより具体的に説明する。
【0094】
図16は、CSI−RSの挿入周期の具体例を示した説明図である。図16に示したように、CSI−RS周期設定保持部162は、eNodeB10−2および各RRH30のうちの一部の基地局のみがCSI−RSを送信するタイミングが生じるようにCSI−RSの挿入周期を設定する。
【0095】
例えば、CSI−RS周期設定保持部162は、図16に示したように、t1、t3、t5、t7、というCSI−RSの挿入周期をeNodeB10−2に設定し、t2、t4、というCSI−RSの挿入周期をRRH30Aに設定する。このため、t2およびt4においてはRRH30AのみがCSI−RSを送信する。同様に、CSI−RS周期設定保持部162は、t6、t8、というCSI−RSの挿入周期をRRH30Bに設定する。このため、t6およびt8においてはRRH30BのみがCSI−RSを送信する。同様に、各RRH30にeNodeB10−2と異なるCSI−RSの挿入周期を設定することにより、各RRH30のみがCSI−RSを送信するタイミングを生じさせることができる。
【0096】
なお、図16においては、t1、t3、t5、t7、というCSI−RSの挿入周期をeNodeB10−2のみに設定する例を示しているが、各RRH30にもこのCSI−RSの挿入周期を設定してもよい。この場合、Rel10までのUEは、複数のRRH30からCSI−RSをt1、t3、t5、t7、という同一周期で受信し、各CSI−RSの送信元を区別することなくチャネルを取得する。一方、Rel11以降のUE20−2は、複数の周期をCSI−RSの受信周期として設定することにより、各RRH30のみが送信するタイミングでCSI−RSを受信することが可能である。すなわち、第2の実施形態によるCSI−RSの設定方法は、既存のUEとの互換性を確保することも可能である。
【0097】
また、上記では、RRH30ごとに異なるCSI−RSの挿入周期を設定する例を説明したが、本実施形態はかかる例に限定されない。例えば、CSI−RS周期設定保持部162は、RRH30A〜30Fを2以上のグループにグループ化し、同一グループを構成するRRH30には同一のCSI−RSの挿入周期を設定してもよい。以下、図17を参照してより具体的に説明する。
【0098】
図17は、RRH30をグループ化した場合のCSI−RSの挿入周期の設定例を示した説明図である。図17に示したように、CSI−RS周期設定保持部162は、RRH30A〜30Fを、RRH30A〜30Cからなるグループと、RRH30D〜30Fからなるグループにグループ分けしてもよい。この場合、CSI−RS周期設定保持部162は、t2、t4、というCSI−RSの挿入周期をRRH30A〜30Cからなるグループに設定することにより、t2およびt4においてはRRH30A〜30CからのみCSI−RSを送信させることができる。
【0099】
同様に、CSI−RS周期設定保持部162は、t6、t8、というCSI−RSの挿入周期をRRH30D〜30Fからなるグループに設定することにより、t6およびt8においてはRRH30D〜30FからのみCSI−RSを送信させることができる。これにより、例えば、UE20−2におけるRSRPの測定結果が良好だった方のグループをCoMPセットとして決定することが可能となる。
【0100】
さらに、CSI−RS周期設定保持部162は、UE20−2におけるRSRPの測定結果が良好だった方のグループが判別した後、当該グループを構成する各RRH30のRSRPを取得できるようにCSI−RSの挿入周期を設定してもよい。かかる構成によれば、UE20−2におけるRSRPが良好なRRH30を段階的に特定していくことができるので、所要時間や効率の観点から効果的である。
【0101】
ここで、図15を参照してeNodeB10−2の構成の説明に戻ると、RSRP保持部172は、UL信号検出部130によって検出されたUE20−2におけるRSRPの測定結果を、UE20−2による測定タイミング(例えば、無線フレーム番号および/またはサブフレーム番号)を対応付けて保持する。
【0102】
CoMPセット決定部182は、各UE20−2とCoMPを行うためのCoMPセットを決定する。具体的には、CoMPセット決定部182は、RSRP保持部172に保持された各無線フレームにおけるRSRPがどのRRH30のRSRPであるかを、CSI−RS周期設定保持部162に保持されている基地局ごとの設定情報と照合することにより判断する。そして、CoMPセット決定部182は、各RRH30のRSRPに基づいてUE20−2に適するCoMPセットを決定する。
【0103】
例えば、CoMPセット決定部182は、RSRPが良好な方から所定数のRRH30をCoMPセットとして決定してもよい。または、CoMPセット決定部182は、RSRPが所定値を上回っているRRH30をCoMPセットとして決定してもよい。さらに、CoMPセット決定部182は、RSRPの合計値が所定値に達するようにRSRPが良好な方から選択されるRRH30をCoMPセットとして決定してもよい。なお、CoMPセットはeNodeB10−2を含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0104】
(3−3.UEの構成)
以上、第2の実施形態によるeNodeB10−2およびRRH30の構成を説明した。続いて、第2の実施形態によるUE20−2の構成を説明する。
【0105】
図18は、第2の実施形態によるUE20−2の構成を示した機能ブロック図である。図18に示したように、UE20−2は、アンテナ群204と、無線処理部210と、DA/AD変換部220と、DL信号検出部230と、UL信号検出部240と、CSI−RS周期保持部252と、を備える。アンテナ群204、無線処理部210、およびDA/AD変換部220については第1の実施形態で説明したので、ここでの詳細な説明を省略する。
【0106】
DL信号検出部230は、DA/AD変換部220から供給されるダウンリンク信号から、PDCCHのような制御信号や、PDSCHのようなユーザデータを検出する。特に、本実施形態によるDL信号検出部230は、PDCCHまたはPDSCHからCSI−RSの挿入周期を示す情報を抽出する。このCSI−RSの挿入周期を示す情報は、RSRPの測定位置に該当し、CSI−RS周期保持部252に保持される。また、DL信号検出部230は、CSI−RS周期保持部252に保持されているCSI−RSの挿入周期においてRSRPを測定する。本実施形態によれば、eNodeB10−2およびRRH30A〜30Fのうちの一部の基地局のみがCSI−RSの挿入周期においてCSI−RSを送信するので、DL信号検出部230は、一部の基地局のRSRPを測定することが可能である。
【0107】
UL信号生成部240は、eNodeB10−2および各RRH30に送信するためのアップリンク信号を生成する。具体的には、UL信号生成部240は、PUCCHのような制御信号や、PUSCHのようなユーザデータ信号を生成する。特に、本実施形態によるUL信号生成部240は、DL信号検出部230によるRSRPの測定結果を含むPUCCHまたはPUSCHを生成する。
【0108】
(3−4.通信システムの動作)
以上、第2の実施形態によるeNodeB10−2、RRH30およびUE20−2の構成を説明した。続いて、図19を参照し、eNodeB10−2、RRH30およびUE20−2からなる通信システムの動作を説明する。
【0109】
図19は、通信システムの動作を示したフローチャートである。図19に示したように、まず、eNodeB10−2のCSI−RS周期設定保持部162が各RRH30についてCSI−RSの挿入周期を設定すると(S504)、eNodeB10−2はUE20−2にCSI−RSの挿入周期を示す情報をdedicatedシグナリングにより通知する(S508)。UE20−2は、CSI−RSの挿入周期を示す情報を受信すると、受信確認をeNodeB10−2に送信する(S512)。
【0110】
その後、eNodeB10−2およびRRH30は、CSI−RSの挿入周期が到来するまでは通常通り規定の動作を行う(S516、5420)。そして、CSI−RSの挿入周期が到来すると、到来した挿入周期が設定されているRRH30のみからCSI−RSを送信する(S524)。
【0111】
一方、UE20−2は、S508において通知された情報に基づき、CSI−RSの挿入周期においてRSRPを測定する(S528)。そして、UE20−2は、RSRPの測定結果をeNodeB10−2に送信する(S532)。
【0112】
その後、eNodeB10−2は、各RRH30のRSRP、または各RRH30のグループのRSRPが揃うと、各RRH30のRSRP、または各RRH30のグループのRSRPに基づき、UE20−2に適するCoMPセットを決定する(S536)。そして、決定されたCoMPセットを構成するeNodeB10−2およびRRH30がUE20−2とCoMP通信を行う(S540)。具体的には、eNodeB10−2は、決定したCoMPセットを構成するRRH30にダウンリンク信号を供給し、CoMPセットを構成するRRH30が供給されたダウンリンク信号をeNodeB10−2と共にUE20−2に送信する。なお、上記のようにeNodeB10−2がCoMPセットを構成するRRH30にダウンリンク信号を供給すれば当該RRH30からダウンリンク信号が送信されてCoMP通信を実現できるので、決定したCoMPセットをRRH30へ通知することは必須ではない。
【0113】
以上説明したように、本開示の第2の実施形態によれば、各RRH30が同一のCSI−RSを送信する状況においても、各RRH30のUE20−2におけるRSRPを測定することができる。このため、eNodeB10−2は、UE20−2における各RRH30のRSRPに基づき、UE20−2に適したCoMPセットを決定することが可能である。
【0114】
(3−5.第1の変形例)
なお、上記では、CSI−RS周期設定保持部162が異なる時間範囲において異なるRRH30にCSI−RSの挿入周期を設定する例について図16などを参照して説明したが、本実施形態はかかる例に限定されない。例えば、CSI−RS周期設定保持部162は、図20に示したように、重複する時間範囲内において異なるRRH30に異なるCSI−RSの挿入周期を設定してもよい。
【0115】
この場合、UE20−2から報告されるRSRPがどのRRH30に関するものであるかをeNodeB10−2が判別できるように、UE20−2は、RSRPの測定結果と、RSRPの測定周期を対応付けてeNodeB10−2に報告してもよい。
【0116】
この第1の変形例のように、重複する時間範囲内において異なるRRH30に異なるCSI−RSの挿入周期を設定することにより、各RRH30のRSRPを取得するための時間を短縮することが可能である。
【0117】
(3−6.第2の変形例)
ところで、Rel10では、隣接セルのCSI−RSの受信がサービング基地局からの高電力のPDSCHなどによって妨げられてしまう実情に鑑みて、CSI−RSのMutingという技術も規格化されている。このMutingは、隣接セルのCSI−RSの送信位置に対応するリソースブロックでサービング基地局からの送信を停止させるという技術である。実際には、隣接説のCSI−RSの送信位置だけでなく、この送信位置の周囲のPDSCHの送信も停止されると考えられる。要すると、CSI−RSのMutingは、隣接セルのCSI−RSをサービング基地局のPDSCHによる干渉から保護するための技術である。
【0118】
そこで、第2の変形例では、このCSI−RSのMutingを改良したCSI−RS+Enhanced_Mutingという方法で、上述の第2の実施形態と同様に、UE20−2により受信されたCSI−RSの送信元のRRH30を判別することを可能とする。
【0119】
具体的には、eNodeB10−2および各RRH30のCSI−RSの挿入周期が同一である状況において、eNodeB10−2が、一部のRRH30以外のRRH30からのCSI−RSをMutingする。これにより、複数のRRHのうちの一部のRRH30のみがCSI−RSを送信するので、UE20−2により受信されたCSI−RSの送信元のRRH30を判別することが可能となる。以下、図21を参照してより詳細に説明する。
【0120】
図21は、第2の変形例によるCSI−RS+Enhanced_Mutingを示した説明図である。図21に示したように、期間P1においてはRRH30A以外のRRH30からのCSI−RSがMutingされる。したがって、UE20−2によって期間P1に受信されたCSI−RSの送信元をRRH30Aに特定することができる。
【0121】
また、期間P2においてはRRH30B以外のRRH30からのCSI−RSがMutingされるので、この期間P2にUE20−2によって受信されたCSI−RSの送信元をRRH30Bに特定することができる。また、期間P3においてはRRH30C以外のRRH30からのCSI−RSがMutingされるので、この期間P3にUE20−2によって受信されたCSI−RSの送信元をRRH30Cに特定することができる。
【0122】
なお、この変形例2においては、eNodeB10−2は事前に単一のCSI−RS周期をUE20−2に通知し、UE20−2はこのCSI−RS周期においてRSRPを測定し、測定結果をeNodeB10−2に報告すればよい。これにより、eNodeB10−2は、UE20−2から報告されるRSRPの測定結果に基づいてUE20−2に適切なCoMPセットを決定することが可能となる。
【0123】
<4.むすび>
以上説明したように、本開示の実施形態によれば、各RRH30が同一のセルIDに基づいて動作する状況においても、各RRH30のUE20におけるRSRPを測定することができる。したがって、eNodeB10は、UE20における各RRH30のRSRPに基づき、UE20に適したCoMPセットを決定することができる。その結果、UE20の受信品質の向上にさほど寄与しないRRH30からの送信を回避できるので、システムスループットの向上や、消費電力の削減を実現することが可能となる。
【0124】
なお、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0125】
例えば、上記では、UE20によるリファレンス信号のRSRPの測定結果に基づいてCoMPセットを決定する例を説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。変形例として、UE20は、各RRH30から送信される信号のエラー発生率のような受信品質を示す指標をeNodeB10にフィードバックし、eNodeB10は、当該指標に基づいてCoMPセットを決定してもよい。
【0126】
また、本明細書のeNodeB10およびUE20の処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、eNodeB10およびUE20の処理における各ステップは、シーケンス図として記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0127】
また、eNodeB10およびUE20に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上述したeNodeB10およびUE20の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
【0128】
また、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
同一のセルIDを有する複数の基地局のうちの一部の基地局のみから特定の信号を送信するタイミングを示す情報を受信する受信部と、
前記タイミングにおける受信電力を測定する測定部と、
前記測定部による測定結果を送信する送信部と、
を備える、通信装置。
(2)
前記送信部は、前記測定部による前記測定結果を、前記測定部が測定を行ったタイミングを示す情報と共に送信する、前記(1)に記載の通信装置。
(3)
前記特定の信号は、PDSCH(Physical Down Link shared CHannel)が送信されるデータ領域内のリファレンス信号である、前記(1)または(2)に記載の通信装置。
(4)
前記特定の信号は、CSI−RS(Channel State Information Reference Signal)である、前記(1)または(2)に記載の通信装置。
(5)
前記複数の基地局は、RRH(Remote Radio Hed)基地局を含む、前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の通信装置。
(6)
同一のセルIDを有する複数の基地局のうちの一部の基地局のみから特定の信号を送信するタイミングを示す情報を受信することと、
前記タイミングにおける受信電力を測定することと、
前記受信電力の測定結果を送信することと、
を含む、通信方法。
(7)
コンピュータを、
同一のセルIDを有する複数の基地局のうちの一部の基地局のみから特定の信号を送信するタイミングを示す情報を受信する受信部と、
前記タイミングにおける受信電力を測定する測定部と、
前記測定部による測定結果を送信する送信部と、
として機能させるための、プログラム。
(8)
同一のセルIDを有する複数の基地局のうちの一部の基地局のみから特定の信号を送信するタイミングを設定する設定部を有する通信制御装置と、
前記タイミングを示す情報を受信する受信部、
前記タイミングにおける受信電力を測定する測定部、および、
前記測定部による測定結果を送信する送信部、
を有する通信装置と、
を備え、
前記通信制御装置は、さらに、前記通信装置からの測定結果に基づき、前記通信装置へ信号を送信するために用いる基地局の組合せを前記複数の基地局から決定する決定部を有する、通信システム。
【符号の説明】
【0129】
10、10−1、10−2 eNodeB
12 コアネットワーク
20、20−1、20−2 UE
30 RRH
104、204、304 アンテナ群
110、210、310 無線処理部
120、220 DA/AD変換部
130 UL信号検出部
140 スケジューラ
150 DL信号生成部
160 ABS設定保持部
162 CSI−RS周期設定保持部
170、172 RSRP保持部
180、182 CoMPセット決定部
230 DL信号検出部
240 UL信号生成部
250 ABS設定位置保持部
252 CSI―RS周期保持部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一のセルIDを有する複数の基地局のうちの一部の基地局のみから特定の信号を送信するタイミングを示す情報を受信する受信部と、
前記タイミングにおける受信電力を測定する測定部と、
前記測定部による測定結果を送信する送信部と、
を備える、通信装置。
【請求項2】
前記送信部は、前記測定部による前記測定結果を、前記測定部が測定を行ったタイミングを示す情報と共に送信する、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記特定の信号は、PDSCH(Physical Down Link shared CHannel)が送信されるデータ領域内のリファレンス信号である、請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記特定の信号は、CSI−RS(Channel State Information Reference Signal)である、請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記複数の基地局は、RRH(Remote Radio Hed)基地局を含む、請求項1に記載の通信装置。
【請求項6】
同一のセルIDを有する複数の基地局のうちの一部の基地局のみから特定の信号を送信するタイミングを示す情報を受信することと、
前記タイミングにおける受信電力を測定することと、
前記受信電力の測定結果を送信することと、
を含む、通信方法。
【請求項7】
コンピュータを、
同一のセルIDを有する複数の基地局のうちの一部の基地局のみから特定の信号を送信するタイミングを示す情報を受信する受信部と、
前記タイミングにおける受信電力を測定する測定部と、
前記測定部による測定結果を送信する送信部と、
として機能させるための、プログラム。
【請求項8】
同一のセルIDを有する複数の基地局のうちの一部の基地局のみから特定の信号を送信するタイミングを設定する設定部を有する通信制御装置と、
前記タイミングを示す情報を受信する受信部、
前記タイミングにおける受信電力を測定する測定部、および、
前記測定部による測定結果を送信する送信部、
を有する通信装置と、
を備え、
前記通信制御装置は、さらに、前記通信装置からの測定結果に基づき、前記通信装置へ信号を送信するために用いる基地局の組合せを前記複数の基地局から決定する決定部を有する、通信システム。
【請求項1】
同一のセルIDを有する複数の基地局のうちの一部の基地局のみから特定の信号を送信するタイミングを示す情報を受信する受信部と、
前記タイミングにおける受信電力を測定する測定部と、
前記測定部による測定結果を送信する送信部と、
を備える、通信装置。
【請求項2】
前記送信部は、前記測定部による前記測定結果を、前記測定部が測定を行ったタイミングを示す情報と共に送信する、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記特定の信号は、PDSCH(Physical Down Link shared CHannel)が送信されるデータ領域内のリファレンス信号である、請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記特定の信号は、CSI−RS(Channel State Information Reference Signal)である、請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記複数の基地局は、RRH(Remote Radio Hed)基地局を含む、請求項1に記載の通信装置。
【請求項6】
同一のセルIDを有する複数の基地局のうちの一部の基地局のみから特定の信号を送信するタイミングを示す情報を受信することと、
前記タイミングにおける受信電力を測定することと、
前記受信電力の測定結果を送信することと、
を含む、通信方法。
【請求項7】
コンピュータを、
同一のセルIDを有する複数の基地局のうちの一部の基地局のみから特定の信号を送信するタイミングを示す情報を受信する受信部と、
前記タイミングにおける受信電力を測定する測定部と、
前記測定部による測定結果を送信する送信部と、
として機能させるための、プログラム。
【請求項8】
同一のセルIDを有する複数の基地局のうちの一部の基地局のみから特定の信号を送信するタイミングを設定する設定部を有する通信制御装置と、
前記タイミングを示す情報を受信する受信部、
前記タイミングにおける受信電力を測定する測定部、および、
前記測定部による測定結果を送信する送信部、
を有する通信装置と、
を備え、
前記通信制御装置は、さらに、前記通信装置からの測定結果に基づき、前記通信装置へ信号を送信するために用いる基地局の組合せを前記複数の基地局から決定する決定部を有する、通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2013−21380(P2013−21380A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150550(P2011−150550)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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