通信車両表示装置
【課題】送信元が車両の車窓から見える他車である際、通信相手車両を明示的にドライバに提示することができる通信車両表示装置および当該通信車両表示装置を搭載した車両を提供する。
【解決手段】通信車両表示装置の受信部5は、送信元の車両Cbを示す車両情報を含むデータを受信する。センシング部1は、搭載される車両の周囲に存在する他の車両に関する情報を取得する。処理部2は、センシング部1が取得した他の車両に関する情報から車両情報に相当する情報を抽出し、車両情報を含むデータを送信した送信元の車両Cbを特定する。表示部4は、搭載される車両の車窓FGおよび車窓FG周辺の少なくとも一部に表示画面を有する。処理部2は、搭載される車両の車窓FGを介したドライバの視界に対して送信元の車両Cbの位置を示す表示Mを表示部4の表示画面に表示する。
【解決手段】通信車両表示装置の受信部5は、送信元の車両Cbを示す車両情報を含むデータを受信する。センシング部1は、搭載される車両の周囲に存在する他の車両に関する情報を取得する。処理部2は、センシング部1が取得した他の車両に関する情報から車両情報に相当する情報を抽出し、車両情報を含むデータを送信した送信元の車両Cbを特定する。表示部4は、搭載される車両の車窓FGおよび車窓FG周辺の少なくとも一部に表示画面を有する。処理部2は、搭載される車両の車窓FGを介したドライバの視界に対して送信元の車両Cbの位置を示す表示Mを表示部4の表示画面に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車車間通信を行う車両用通信システムで用いられる通信車両表示装置および当該通信車両表示装置を搭載した車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車車間通信または車両と基地局とが通信を行う車両用通信システムが開発されている。
【0003】
例えば、車両用通信システムでは、複数の車両からそれぞれ送信された位置情報を受信して、各位置情報の送信元となる車両を判別するために、位置情報と共に当該車両の車体番号、車種、車体色、およびプレートナンバ等の車両情報を含んだ情報を送信している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
そして、それらの情報を受信した車両は、自車に搭載された表示装置に表示された地図に対して、位置情報に基づいて位置を特定し、車両情報に基づいて車種および車体色に対応した表示をしたりプレートナンバを一緒に表示したりすることが可能になり、相手の車両情報も同時に認識することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−321695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1で開示された構成では、表示装置の地図上に送信元となる車両の位置や情報が表示される。一方、ドライバは、フロントガラス等の車窓から周囲の状況を見ながら運転している。つまり、車両の車窓から見える他車から位置情報や車両情報を受信したとしても、地図上に表示されても実風景で見えるどの車両から送信された情報であるのかを特定するのが難しいため、ドライバにとって通信している相手の車両を明示的に認識できない。
【0007】
それ故に、本発明の目的は、送信元が車両の車窓から見える他車である際、通信相手車両を明示的にドライバに提示することができる通信車両表示装置および当該通信車両表示装置を搭載した車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、以下に述べるような特徴を有している。
第1の発明は、複数の車両に搭載され、車車間通信を行う通信車両表示装置であって、送信元の車両を示す車両情報を含むデータを送信する送信部と、他の車両の前記送信部から送信され、送信元の車両を示す車両情報を含むデータを受信する受信部と、搭載される車両の周囲に存在する他の車両に関する情報を取得するセンシング部と、前記センシング部が取得した他の車両に関する情報から前記受信部が受信した車両情報に相当する情報を抽出し、前記センシング部が当該抽出された情報を得た他の車両が当該車両情報を含むデータを送信した送信元の車両であると特定する処理部と、搭載される車両の車窓および車窓周辺の少なくとも一部に表示画面を有し、当該表示画面に前記処理部の制御に基づいた表示を行う表示部とを備え、前記処理部は、搭載される車両の車窓を介したドライバの視界に対して前記送信元の車両の位置を示す表示を前記表示部の表示画面に表示し、前記センシング部は、搭載される車両の周囲に存在する他の車両を撮像して画像データを生成する当該車両に設けられたカメラで構成され、前記処理部は、搭載される車両における前記カメラの位置および撮像方向と当該車両のドライバの視点との相対的な位置関係に基づいて、前記画像データにおける前記送信元の車両の位置と前記表示部の表示画面に表示する前記送信元の車両の位置との関係を導出する。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、前記送信部は、少なくとも自車両のプレートナンバを前記車両情報として含むデータを送信し、前記センシング部は、前記カメラで撮像した他の車両に装着されたプレートナンバの画像データを当該他の車両に関する情報として取得し、前記処理部は、前記画像データから前記受信部が受信したプレートナンバの車両情報と一致するプレートナンバの画像を抽出し、当該抽出されたプレートナンバを装着した車両が前記送信元の車両であると特定する。
【0010】
第3の発明は、上記第1の発明において、搭載される車両外部に設けられ、所定の点灯パターンで点灯するランプを備え、前記送信部は、少なくとも搭載される車両に設けられた前記ランプの点灯パターンを前記車両情報として含むデータを送信する。
【0011】
第4の発明は、上記第3の発明において、前記カメラで撮像した他の車両に設けられた前記ランプの画像データを当該他の車両に関する情報として取得し、前記処理部は、前記画像データから前記受信部が受信した点灯パターンの車両情報と同じパターンで点灯するランプの画像を抽出し、当該抽出されたランプが設けられた車両が前記送信元の車両であると特定する。
【発明の効果】
【0012】
上記第1の発明によれば、カメラの位置および撮像方向とドライバの視点との相対的な位置関係に基づいて、画像データに含まれる物体の位置をドライバが車窓を介して見える風景における位置に換算することができ、実風景で見える発信元の車両の位置を容易に導出することができる。
【0013】
上記第2の発明によれば、車両に装着されているプレートナンバを車両情報として利用することによって、車両を容易に特定することができる。また、プレートナンバは、カメラによって撮像することが可能であるため、当該画像を分析することによって撮像範囲に存在する車両それぞれのプレートナンバを周囲の他の車両に関する情報として取り扱うことができる。
【0014】
上記第3および第4の発明によれば、車両外部に所定の点灯パターンで点灯するランプを備えることによって、他の車両との外観上の区別が容易となり、点灯パターンを車両情報として利用することによって、車両を容易に特定することができる。また、ランプは、カメラによって撮像することが可能であるため、当該画像を分析することによって撮像範囲に存在する車両それぞれのランプの点灯パターンを周囲の他の車両に関する情報として取り扱うことができ、他の車両との区別も確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る通信車両表示装置について説明する。なお、図1は、当該通信車両表示装置の構成を示すブロック図
【図2】図1の通信車両表示装置を搭載する車両Caに対して、その前方に位置する周辺の車両Cb〜Cdを示す図
【図3】ランプ15を備えた車両Cの一例を示す図
【図4】図1の受信部5が受信情報Ibに含まれる車両情報Icbと車両情報ISとを比較する方法を説明するための図
【図5】図1の処理部2が車両情報IS1〜IS3を取得したときの撮影画像Imを示す図
【図6】ドライバがフロントガラスFG越しに見える車両情報Icbを送信した通信相手車両の位置(X1、Y1)を説明するための図
【図7】図1のセンシング部1として、可動式のカメラの視線角度θ1およびθ2を説明するための図
【図8】ドライバDの視線方向に対して、図7のカメラの視線角度θ1およびθ2を説明するための図
【図9】図1の表示部4の一例を示す図
【図10】図1の表示部4によってフロントガラスFGに表示される画像例を示す図
【図11】図1の表示部4の他の例およびその画像例を示す図
【図12】図1の通信車両表示装置が通信相手車両を特定する表示を行う動作を示すフローチャート
【図13】図12のステップS2における前方車両情報取得処理の詳細な動作を示すサブルーチン
【図14】図12のステップS3における発信元車両情報取得処理の詳細な動作を示すサブルーチン
【図15】図12のステップS5における表示位置算出処理の詳細な動作を示すサブルーチン
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照して、本発明の一実施形態に係る通信車両表示装置について説明する。なお、図1は、当該通信車両表示装置の構成を示すブロック図である。
【0017】
図1において、通信車両表示装置は、センシング部1、処理部2、記憶部3、表示部4、受信部5、および送信部6を備えている。典型的には、通信車両表示装置は車両に搭載され、車車間通信または車両と基地局とが通信を行う車両用通信システムを用いて、他の車両と通信を行う。受信部5および送信部6は、通信車両表示装置における通信部を構成し、他車に搭載された別の通信装置とのデータ送受信を行う。センシング部1は、例えば車両周辺を撮像するカメラで構成され、当該車両周辺の車両情報を取得して処理部2へ出力する。処理部2は、受信部5を介して得た通信相手の車両情報とセンシング部1によって得た車両周辺の車両情報とを比較し、周辺車両から通信相手となる車両を特定する。表示部4は、上記車両周辺の車両に対して、車窓を介して処理部2が特定した車両をドライバに示すように車両情報を表示する。
【0018】
記憶部3は、処理部2の処理の際に用いられる記憶領域として用いられる。また、記憶部3は、自車両の車両情報を記憶している。ここで、車両情報は、車体番号、車種、車体色、およびプレートナンバ等を含んでいる。また、他の車両との区別が容易となるランプ(後述)を車両が備えている場合、当該ランプの点灯/点滅パターンも車両情報として含まれる。処理部2は、データを送信する場合、記憶部3から自車両の車両情報を取得し、送信部6を介して送信すべき情報に車両情報を付加して送信する。なお、送信する車両情報は、他車と通信を確立するときに送ってもいいし、通信を確立した後、他車からの車両情報送信要求に従って送信してもよい。また、一定の時間間隔で定期的に送信するとしてもよい。また、受信部5を介して他車から情報を受信する場合、送信元の車両を示す車両情報が受信した情報に含まれている。処理部2は、受信部5が受信した情報から送信元車両を示す車両情報を取り出す。なお、受信部5および送信部6は、車両情報をやりとりするために専用のものを用いてもいい。好ましくは、例えば、音声、映像、および制御信号等をやりとりする車両用通信装置の付加的機能として実現してもよい。
【0019】
図2は、本発明の通信車両表示装置を搭載する車両Caに対して、その前方に位置する周辺の車両Cb〜Cdを示している。車両Caに搭載された通信車両表示装置のセンシング部1aは、上述したように固定式のカメラで構成され、例えば車両Caの前方空間を撮像対象空間(図2に示す破線で囲まれた領域)としている。図2の例では、センシング部1aが撮像対象空間を撮像して、処理部2aが当該撮像対象空間に含まれる車両Cb〜CdのプレートナンバNb〜Ndや車両Cb〜Cdの車体色等を撮像データから画像認識して、それぞれの車両Cb〜Cdの車両情報として取得する。
【0020】
また、図3は、他の車両との区別が容易となるランプ15を備えた車両Cの一例を示す図である。図3に示すように、通信車両表示装置を搭載する車両Cに他の車両との区別が容易となるランプ15を装備してもかまわない。ランプ15は、車両Cの後部車内または車外、例えば、リアガラス上部に設置される。好ましくは、ランプ15は、複数色のランプ群によって構成されており、それぞれが固有のパターンで点灯あるいは点滅する。例えば、ランプ15が青、緑、白のランプ群で構成されているとき、青が点灯、緑が1秒毎の点灯、および白が2秒ごとの点灯が点灯/点滅パターンの一例であり、当該点灯/点滅パターンが予め処理部2によって決定されている。そして、ランプ15は、処理部2によって決定されている点灯/点滅パターンに応じて点灯あるいは点滅を繰り返す。なお、ランプ15の設置場所を車両Cのリアガラス上部としたが、車両Cの外部から視認できる場所であれば他の設置場所でもかまわない。
【0021】
ランプ15を搭載した他の車両Cが上記センシング部1の撮像対象空間に含まれ、センシング部1がランプ15を撮像可能である場合、センシング部1は、ランプ15を撮像してその点灯/点滅パターンを認識してもかまわない。一般的に、プレートナンバNを文字認識するよりも、ランプ15の点灯/点滅パターンの方が正確に認識することができるため、センシング部1の認識率が上がることが期待される。なお、ランプ15を装備した車両Cからは、上述したように予め決定されたランプ15の点灯/点滅パターンも車両情報に含めて送信される。このようにして、通信車両表示装置は、センシング部1から取得された周辺車両毎のプレートナンバ、ランプの点灯/点滅パターン、動画および静止画等の画像を周辺の車両情報として取得する。
【0022】
図4は、受信部5が車両Cb(図2参照)から受信した受信情報Ibに含まれる車両情報Icbとセンシング部1から得られた車両情報ISとを比較する方法を説明するための図である。図4に示すように、処理部2は、受信部5を介して、車両Cbから受信情報Ibを受信しており、当該受信情報Ibに含まれる車両Cbを示す車両情報Icbを得ている。例えば、車両情報Icbは、「車種:α、色:赤、形状:ステーションワゴン、プレートナンバ:2222、ランプ:タイプ2」が記述されている。一方、処理部2は、周辺の車両Cb〜Cdを撮像することによって得られた車両情報IS1〜IS3を含む車両情報ISをセンシング部1から得る。例えば、車両情報IS1は「プレートナンバ:2222、ランプ:タイプ2」が記述され、車両情報IS2は「プレートナンバ:3333、ランプ:タイプ3」が記述され、車両情報IS3は「プレートナンバ:4444、ランプ:タイプ4」が記述されている。
【0023】
処理部2は、受信部5から得られた車両情報Icbとセンシング部1から得られた車両情報IS1〜IS3とを比較する。そして、処理部2は、受信部5から得られた車両情報Icbの少なくとも一部を含む情報が車両情報IS1〜IS3の中になければ、通信相手の車両(つまり、受信情報Ibを送信した車両)がセンシング部1によってセンシングされる範囲外に存在すると判断する。一方、処理部2は、受信部5から得られた車両情報Icbの少なくとも一部を含む情報が車両情報IS1〜IS3の中にある場合、通信相手の車両がセンシング部1によってセンシングされる範囲内に存在すると判断して、当該車両情報を特定する。そして、処理部2は、車両情報IS1〜IS3を取得したときの撮影画像から、車両情報Icbを含む特定した車両情報を得た位置を取得する。
【0024】
図4に示した例の場合、車両情報Icbと車両情報IS1とが同じプレートナンバおよびランプの情報であるため、処理部2は、車両情報Icbを含む車両情報IS1を特定する。そして、処理部2は、車両情報IS1〜IS3を取得したときの撮影画像から、車両情報IS1を得た画像上の位置を取得する。例えば、処理部2は、車両情報IS1〜IS3を取得したときの撮影画像が図5に示した画像Imであったとすると、車両情報IS1に含まれる「プレートナンバ:2222」の画像Im内における位置を検出する。具体的には、画像Imにはその内部の位置を特定するためのxy座標が定義されており、処理部2は、画像Imにおける「プレートナンバ:2222」の中心の位置(x1、y1)を検出する。
【0025】
次に、処理部2は、特定した車両情報を示す画像Imにおける位置をドライバの視点からフロントガラスを介して見える車両周辺の位置に換算する。例えば、センシング部1として車両C設置されている固定式のカメラの視点と車両Cのドライバの視点との相違によって、換算される。図6に示すように、車両CのドライバからフロントガラスFGを介して見える車両周辺の風景に、その位置を特定するためのXY座標を定義する。このとき、センシング部1として車両C設置されている固定式のカメラの視点と車両Cのドライバの視点との相違によって、当該カメラによって撮影された画像Imにおける位置(x、y)と、車両CのドライバからフロントガラスFGを介して見える車両周辺の位置(X、Y)とは異なることが多い。この位置(x、y)と位置(X、Y)との差は、センシング部1のカメラ視点とドライバの視点とを近づけることによって小さくなる。しかしながら、上記カメラの視点をドライバの視点から離れた位置に設置する場合は、ドライバ視点の位置情報を手入力、もしくは、画像認識等で自動的に視点の位置情報を取得して、ドライバの視点の位置情報を取得して、予め設定されたカメラの設置位置との関係から、位置(x、y)を位置(X、Y)に換算する。このようにして、処理部2は、位置(x、y)を位置(X、Y)に換算して、車両CのドライバがフロントガラスFG越しに見える車両情報Icbを送信した通信相手車両の位置(X1、Y1)を取得する。
【0026】
ドライバ視点の位置情報を手入力する方法の一例として、フロントガラスFGに写し出される表示ユニット(後述)の所定画像を用いる方法がある。車両CのドライバからフロントガラスFGを介して見える車両周辺の所定位置に位置する物体と、フロントガラスFGに写し出される表示ユニットの所定画像とが一致するように、当該ドライバが通信車両表示装置を操作して当該所定画像を移動させる。そして、ドライバにとって上記物体と上記所定画像とが重なって見える位置を初期設定することによって、フロントガラスFGに対するドライバの視点が演算できる。
【0027】
また、画像認識等で自動的にドライバ視点の位置情報を取得する一例を説明する。車両Cが走行中の間および停車中の間に、車両Cの内外に設置された撮像装置により車両Cのドライバを撮影した画像を用いて、当該ドライバの瞳を抽出する。例えば、車両Cの左右のドアミラーおよびルームミラーのそれぞれに3台の撮像装置を設置する。そして、これらの撮像装置から車両Cのドライバをそれぞれ撮影した画像から、テンプレートマッチングのような画像処理によりドライバの瞳を抽出する。次に、抽出された瞳の3次元位置を、上記3台の撮像装置により実質的同時に撮影された3つの画像のうち、少なくとも2つの画像を用いてステレオ視により導出する。このような方法を用いて、車両Cにおけるドライバ視点の位置情報を取得する。
【0028】
なお、センシング部1の一例として固定式のカメラを用いたが、可動式のカメラやズーム機能を有するカメラでもかまわない。例えば、図7に示すように、カメラの視線方向が変化したり、ズーム機能によって撮影される画像の倍率が変化したりする。このとき、カメラの角度や倍率を補正して、車両CのドライバがフロントガラスFG越しに見える車両情報Icbを送信した通信相手車両の位置(X1、Y1)を取得する。例えば。図7(a)に示すように車両前方方向に対して左右方向のカメラの角度がθ1であり、図7(b)に示すように水平方向に対して上下方向のカメラの角度がθ2であるとする。このとき、車両前方方向、かつ水平となった車両Cのドライバ視線を基準として、図8(a)に示すようにドライバDの視線方向(車両前方方向)に対して左右方向のカメラの角度がθ1となり、図8(b)に示すようにドライバDの視線方向(水平方向)に対して上下方向のカメラの角度がθ2となる。つまり、ドライバ視点の位置情報を取得した後にカメラの視線方向や倍率が変化しても、その変化量を取得すれば適切な補正をすることができる。
【0029】
次に、図9〜図11を参照して表示部4について説明する。なお、図9は、表示部4の一例を示す図である。図10は、図1の表示部4によってフロントガラスFGに表示される画像例を示す図である。図11は、表示部4の他の例およびその画像例を示す図である。
【0030】
上述したように、表示部4は、車両周辺の車両に対して、車窓を介して処理部2が特定した車両をドライバに示すように車両情報を表示する。例えば、図9に示すように、表示部4は、一例として、ヘッドアップディスプレイを用いて表示する方法、つまり、フロントガラスFGの下部に当該フロントガラスFGを表示面とする表示ユニットを設けて、フロントガラスFGに画像を車窓風景に重畳して表示する。
【0031】
図10において、ドライバは、フロントガラスFGを介した車窓風景として、車両CbおよびCcを見ている。そして、上述した動作によって、処理部2がフロントガラスFG越しに見える車両Cbを通信相手車両として特定したとする。このとき、処理部2は、表示部4を制御して、実際にドライバが運転席からフロントガラスFGを介して見る風景に重畳させて、マークM1〜M3を表示する。
【0032】
マークM1は、ドライバが通信相手車両である車両CbをフロントガラスFG越しに見える風景から特定できるように表示される。例えば、図10に示すように、フロントガラスFG越しに実際にドライバから見える車両Cbを囲むことによって、他の風景と区別されるようにマークM1が表示される。マークM2は、通信相手の現在の感情を示すマークであり、通信相手車両の上部に重畳するように笑っている表情や怒っている表情を表示する。このマークM2によって、通信相手とドライバが、簡易的なコミュニケーションをとることができる。なお、マークM2を表示するための情報は、送受信する情報の中に含ませればよい。マークM3は、送信元である通信相手車両の送信装置における通信速度、通信方式、および距離等を表示する。例えば、図10に示すように、通信速度:500kbps、通信方式:802.11a、および距離:10mがマークM3として表示される。
【0033】
図11に示すように、表示部4は、他の例として、フロントガラスFGの下部にその左右全域に渡って横設されたディスプレイを設けて、当該ディスプレイにフロントガラスFGを介して見える風景から通信相手車両を特定する表示を行う。例えば、ドライバは、フロントガラスFGを介した車窓風景として、車両CbおよびCcを見ている。そして、上述した動作によって、処理部2がフロントガラスFG越しに見える車両Cbを通信相手車両として特定したとする。このとき、処理部2は、表示部4を制御して、上記ディスプレイにマークM4〜M6を表示する。
【0034】
マークM4は、実際にフロントガラスFGを介してドライバが見る風景において、通信相手車両が位置する方向を、例えば矢印等で表示する。マークM4は、通信相手車両との距離を反映して、距離が近ければ太く短い矢印を表示し、距離が遠ければ細く長い矢印を表示してもかまわない。マークM5は、通信相手車両のモデルが表示される。マークM5として表示するモデル車両は、受信した車両情報に通信相手車両の車種や色等の情報が含まれていれば、それらの情報を模したモデルで表示する。そして、マークM5は、マークM4の下、つまり、実際にフロントガラスFGを介してドライバが見る風景において、通信相手車両が位置する方向の下部に配置してモデル車両を表示する。マークM6は、送信元である通信相手車両の送信装置における通信速度、通信方式、距離、プレートナンバ、車種、色、および形状等を表示する。例えば、図11に示すように、通信方式:BPSK、通信速度:500kbps、距離:10m、プレート番号:2222、車種:α、色:赤、および形状:ステーションワゴンが、マークM6として表示される。このようにマークM1〜M6を表示することによって、ドライバは、フロントガラスFGを介して見える風景から通信相手車両を特定することができ、明示的に現在の通信相手を知ることができる。
【0035】
なお、図11に示した表示方法で通信相手車両を特定する場合、自車に対する通信相手車両が存在する相対的な方向のみが必要であり、この場合、センシング部1を他の形態でも構成できる。例えば、各車両C(例えば、図2に示す車両Ca〜Cd)がそれぞれGPS(Global Positioning System)等の位置検出手段(図示せず)としてセンシング部1を構成し、互いの受信部5および送信部6を介して自車の位置情報を送受信することによって、通信相手車両と自車との相対的な位置関係から通信相手車両が位置する方向を導出してもかまわない。または、通信車両表示装置間の通信手段として指向性のある通信方式(例えば、赤外線通信)等を用いた場合、情報を送受信する際に通信相手の方向が取得できる。この通信相手の方向の検出をセンシング部1の機能として、その情報を利用してもかまわない。これらによって、より低コストな通信車両表示装置を実現することができる。
【0036】
次に、図12〜図15を参照して、通信車両表示装置の動作について説明する。なお、図12は、通信車両表示装置が通信相手車両を特定する表示を行う動作を示すフローチャートである。
【0037】
図13は、図12のステップS2における前方車両情報取得処理の詳細な動作を示すサブルーチンである。図14は、図12のステップS3における発信元車両情報取得処理の詳細な動作を示すサブルーチンである。図15は、図12のステップS5における表示位置算出処理の詳細な動作を示すサブルーチンである。
【0038】
図12において、通信車両表示装置の処理部2は、当該通信車両表示装置が搭載された車両のドライバの視点位置情報を取得し(ステップS1)、処理を次のステップに進める。例えば、処理部2は、上述したようなドライバ視点の位置情報を手入力、もしくは、画像認識等で自動的に視点の位置情報を取得して、ドライバの視点の位置情報を取得する。
【0039】
次に、処理部2は、センシング部1の一例である車両前方を撮像領域としたカメラから、当該撮像領域に含まれる前方車両の車両情報を取得し(ステップS2)、処理を次のステップに進める。以下、図13を用いて、前方車両情報取得処理について説明する。
【0040】
図13において、処理部2は、センシング部1のカメラで車両前方を撮像して(図2参照)画像を得る(ステップS21;例えば、図5の画像Im)。次に、処理部2は、撮像された画像から車両情報(例えば、図4の車両情報IS1〜IS3)を抽出する(ステップS22)。具体的には、上述したように、処理部2が撮像領域に含まれる車両のプレートナンバや車体色等を撮像画像から画像認識して、それぞれの車両の車両情報として取得する。そして、処理部2は、撮影画像において車両情報をそれぞれ得た画像上の位置(x、y)をそれぞれ取得し(ステップS23;図5参照)、当該サブルーチンによる処理を終了する。
【0041】
図12に戻り、処理部2は、受信部5が受信した発信元の車両情報を取得し(ステップS3)、処理を次のステップに進める。以下、図14を用いて、発信元車両情報取得処理について説明する。
【0042】
図14において、処理部2は、発信元から送信された送信データ(例えば、図4の受信情報Ib)を受信部5で受信する(ステップS31)。そして、処理部2は、受信部5が受信した情報から発信元の車両情報(例えば、図4の車両情報Icb)を取得し(ステップS32)、当該サブルーチンによる処理を終了する。
【0043】
図12に戻り、処理部2は、上記ステップS3で取得した発信元の車両情報が上記ステップS2で取得した車両前方を撮像した車両情報の中に含まれているか否かを判断する。そして、車両前方を撮像した車両情報の中に含まれている場合、処理部2は、処理を次のステップS5に進める。一方、車両前方を撮像した車両情報の中に含まれていない場合、処理部2は、上記ステップS2に戻って、処理を繰り返す。
【0044】
ステップS5において、処理部2は、車両前方を撮像した車両情報の中に含まれている発信元の車両情報を表示部4で表示する位置を算出する。そして、処理部2は、算出された位置に通信相手車両が位置することを示す通信相手車両を特定するマーク(例えば、マークM1〜M6)を表示部4に表示させて(ステップS6)、上記ステップS2に戻って、処理を繰り返す。以下、図15を用いて、表示位置算出処理について説明する。
【0045】
図15において、処理部2は、上記ステップS23で取得した画像上の位置から発信元の車両情報に対応する位置(x、y)を取得する(ステップS51)。そして、処理部2は、撮像画像上の位置(x、y)をドライバからフロントガラスを介して見える風景における表示位置座標(X、Y)(図6参照)に換算して(ステップS52)、当該サブルーチンによる処理を終了する。
【0046】
このように、本実施形態に係る通信車両表示装置によれば、運転中等にフロントガラスを介して見ている風景内に通信相手車両が存在する場合、ドライバは、明示的にその通信相手の位置を知ることができる。具体的には、当該通信車両表示装置は、ドライバの視界から外れた車内に設置されている表示装置の地図上に送信元となる車両の位置や情報を表示するのではなく、ドライバが運転等の際に見ているフロントガラス等の車窓において表示されるため、実風景で見える発信元の車両を明示的に認識することができる。
【0047】
なお、上述した説明では、車両の前方をセンシング部1が車両情報を得るためのセンシング範囲とし、当該車両のフロントガラスに通信相手車両を特定する表示を行う例を用いたが、本発明は車両前方のみに限定されない。例えば、車両の左右側方をセンシング部1が車両情報を得るためのセンシング範囲とし、当該車両のドアガラスやサイドガラス等に通信相手車両を特定する表示を行ってもかまわない。また、車両の後方をセンシング部1が車両情報を得るためのセンシング範囲とし、当該車両のリアガラス、ルームミラー、あるいはサイドミラー等に通信相手車両を特定する表示を行ってもかまわない。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明に係る通信車両表示装置は、ドライバに対して明示的にその通信相手の位置を知らせることができ、当該通信車両表示装置を搭載した車両等や車両同士で通信を行う車両用通信システム等として有用である。
【符号の説明】
【0049】
1…センシング部
2…処理部
3…記憶部
4…表示部
5…受信部
6…送信部
15…ランプ
【技術分野】
【0001】
本発明は、車車間通信を行う車両用通信システムで用いられる通信車両表示装置および当該通信車両表示装置を搭載した車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車車間通信または車両と基地局とが通信を行う車両用通信システムが開発されている。
【0003】
例えば、車両用通信システムでは、複数の車両からそれぞれ送信された位置情報を受信して、各位置情報の送信元となる車両を判別するために、位置情報と共に当該車両の車体番号、車種、車体色、およびプレートナンバ等の車両情報を含んだ情報を送信している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
そして、それらの情報を受信した車両は、自車に搭載された表示装置に表示された地図に対して、位置情報に基づいて位置を特定し、車両情報に基づいて車種および車体色に対応した表示をしたりプレートナンバを一緒に表示したりすることが可能になり、相手の車両情報も同時に認識することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−321695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1で開示された構成では、表示装置の地図上に送信元となる車両の位置や情報が表示される。一方、ドライバは、フロントガラス等の車窓から周囲の状況を見ながら運転している。つまり、車両の車窓から見える他車から位置情報や車両情報を受信したとしても、地図上に表示されても実風景で見えるどの車両から送信された情報であるのかを特定するのが難しいため、ドライバにとって通信している相手の車両を明示的に認識できない。
【0007】
それ故に、本発明の目的は、送信元が車両の車窓から見える他車である際、通信相手車両を明示的にドライバに提示することができる通信車両表示装置および当該通信車両表示装置を搭載した車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、以下に述べるような特徴を有している。
第1の発明は、複数の車両に搭載され、車車間通信を行う通信車両表示装置であって、送信元の車両を示す車両情報を含むデータを送信する送信部と、他の車両の前記送信部から送信され、送信元の車両を示す車両情報を含むデータを受信する受信部と、搭載される車両の周囲に存在する他の車両に関する情報を取得するセンシング部と、前記センシング部が取得した他の車両に関する情報から前記受信部が受信した車両情報に相当する情報を抽出し、前記センシング部が当該抽出された情報を得た他の車両が当該車両情報を含むデータを送信した送信元の車両であると特定する処理部と、搭載される車両の車窓および車窓周辺の少なくとも一部に表示画面を有し、当該表示画面に前記処理部の制御に基づいた表示を行う表示部とを備え、前記処理部は、搭載される車両の車窓を介したドライバの視界に対して前記送信元の車両の位置を示す表示を前記表示部の表示画面に表示し、前記センシング部は、搭載される車両の周囲に存在する他の車両を撮像して画像データを生成する当該車両に設けられたカメラで構成され、前記処理部は、搭載される車両における前記カメラの位置および撮像方向と当該車両のドライバの視点との相対的な位置関係に基づいて、前記画像データにおける前記送信元の車両の位置と前記表示部の表示画面に表示する前記送信元の車両の位置との関係を導出する。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、前記送信部は、少なくとも自車両のプレートナンバを前記車両情報として含むデータを送信し、前記センシング部は、前記カメラで撮像した他の車両に装着されたプレートナンバの画像データを当該他の車両に関する情報として取得し、前記処理部は、前記画像データから前記受信部が受信したプレートナンバの車両情報と一致するプレートナンバの画像を抽出し、当該抽出されたプレートナンバを装着した車両が前記送信元の車両であると特定する。
【0010】
第3の発明は、上記第1の発明において、搭載される車両外部に設けられ、所定の点灯パターンで点灯するランプを備え、前記送信部は、少なくとも搭載される車両に設けられた前記ランプの点灯パターンを前記車両情報として含むデータを送信する。
【0011】
第4の発明は、上記第3の発明において、前記カメラで撮像した他の車両に設けられた前記ランプの画像データを当該他の車両に関する情報として取得し、前記処理部は、前記画像データから前記受信部が受信した点灯パターンの車両情報と同じパターンで点灯するランプの画像を抽出し、当該抽出されたランプが設けられた車両が前記送信元の車両であると特定する。
【発明の効果】
【0012】
上記第1の発明によれば、カメラの位置および撮像方向とドライバの視点との相対的な位置関係に基づいて、画像データに含まれる物体の位置をドライバが車窓を介して見える風景における位置に換算することができ、実風景で見える発信元の車両の位置を容易に導出することができる。
【0013】
上記第2の発明によれば、車両に装着されているプレートナンバを車両情報として利用することによって、車両を容易に特定することができる。また、プレートナンバは、カメラによって撮像することが可能であるため、当該画像を分析することによって撮像範囲に存在する車両それぞれのプレートナンバを周囲の他の車両に関する情報として取り扱うことができる。
【0014】
上記第3および第4の発明によれば、車両外部に所定の点灯パターンで点灯するランプを備えることによって、他の車両との外観上の区別が容易となり、点灯パターンを車両情報として利用することによって、車両を容易に特定することができる。また、ランプは、カメラによって撮像することが可能であるため、当該画像を分析することによって撮像範囲に存在する車両それぞれのランプの点灯パターンを周囲の他の車両に関する情報として取り扱うことができ、他の車両との区別も確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る通信車両表示装置について説明する。なお、図1は、当該通信車両表示装置の構成を示すブロック図
【図2】図1の通信車両表示装置を搭載する車両Caに対して、その前方に位置する周辺の車両Cb〜Cdを示す図
【図3】ランプ15を備えた車両Cの一例を示す図
【図4】図1の受信部5が受信情報Ibに含まれる車両情報Icbと車両情報ISとを比較する方法を説明するための図
【図5】図1の処理部2が車両情報IS1〜IS3を取得したときの撮影画像Imを示す図
【図6】ドライバがフロントガラスFG越しに見える車両情報Icbを送信した通信相手車両の位置(X1、Y1)を説明するための図
【図7】図1のセンシング部1として、可動式のカメラの視線角度θ1およびθ2を説明するための図
【図8】ドライバDの視線方向に対して、図7のカメラの視線角度θ1およびθ2を説明するための図
【図9】図1の表示部4の一例を示す図
【図10】図1の表示部4によってフロントガラスFGに表示される画像例を示す図
【図11】図1の表示部4の他の例およびその画像例を示す図
【図12】図1の通信車両表示装置が通信相手車両を特定する表示を行う動作を示すフローチャート
【図13】図12のステップS2における前方車両情報取得処理の詳細な動作を示すサブルーチン
【図14】図12のステップS3における発信元車両情報取得処理の詳細な動作を示すサブルーチン
【図15】図12のステップS5における表示位置算出処理の詳細な動作を示すサブルーチン
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照して、本発明の一実施形態に係る通信車両表示装置について説明する。なお、図1は、当該通信車両表示装置の構成を示すブロック図である。
【0017】
図1において、通信車両表示装置は、センシング部1、処理部2、記憶部3、表示部4、受信部5、および送信部6を備えている。典型的には、通信車両表示装置は車両に搭載され、車車間通信または車両と基地局とが通信を行う車両用通信システムを用いて、他の車両と通信を行う。受信部5および送信部6は、通信車両表示装置における通信部を構成し、他車に搭載された別の通信装置とのデータ送受信を行う。センシング部1は、例えば車両周辺を撮像するカメラで構成され、当該車両周辺の車両情報を取得して処理部2へ出力する。処理部2は、受信部5を介して得た通信相手の車両情報とセンシング部1によって得た車両周辺の車両情報とを比較し、周辺車両から通信相手となる車両を特定する。表示部4は、上記車両周辺の車両に対して、車窓を介して処理部2が特定した車両をドライバに示すように車両情報を表示する。
【0018】
記憶部3は、処理部2の処理の際に用いられる記憶領域として用いられる。また、記憶部3は、自車両の車両情報を記憶している。ここで、車両情報は、車体番号、車種、車体色、およびプレートナンバ等を含んでいる。また、他の車両との区別が容易となるランプ(後述)を車両が備えている場合、当該ランプの点灯/点滅パターンも車両情報として含まれる。処理部2は、データを送信する場合、記憶部3から自車両の車両情報を取得し、送信部6を介して送信すべき情報に車両情報を付加して送信する。なお、送信する車両情報は、他車と通信を確立するときに送ってもいいし、通信を確立した後、他車からの車両情報送信要求に従って送信してもよい。また、一定の時間間隔で定期的に送信するとしてもよい。また、受信部5を介して他車から情報を受信する場合、送信元の車両を示す車両情報が受信した情報に含まれている。処理部2は、受信部5が受信した情報から送信元車両を示す車両情報を取り出す。なお、受信部5および送信部6は、車両情報をやりとりするために専用のものを用いてもいい。好ましくは、例えば、音声、映像、および制御信号等をやりとりする車両用通信装置の付加的機能として実現してもよい。
【0019】
図2は、本発明の通信車両表示装置を搭載する車両Caに対して、その前方に位置する周辺の車両Cb〜Cdを示している。車両Caに搭載された通信車両表示装置のセンシング部1aは、上述したように固定式のカメラで構成され、例えば車両Caの前方空間を撮像対象空間(図2に示す破線で囲まれた領域)としている。図2の例では、センシング部1aが撮像対象空間を撮像して、処理部2aが当該撮像対象空間に含まれる車両Cb〜CdのプレートナンバNb〜Ndや車両Cb〜Cdの車体色等を撮像データから画像認識して、それぞれの車両Cb〜Cdの車両情報として取得する。
【0020】
また、図3は、他の車両との区別が容易となるランプ15を備えた車両Cの一例を示す図である。図3に示すように、通信車両表示装置を搭載する車両Cに他の車両との区別が容易となるランプ15を装備してもかまわない。ランプ15は、車両Cの後部車内または車外、例えば、リアガラス上部に設置される。好ましくは、ランプ15は、複数色のランプ群によって構成されており、それぞれが固有のパターンで点灯あるいは点滅する。例えば、ランプ15が青、緑、白のランプ群で構成されているとき、青が点灯、緑が1秒毎の点灯、および白が2秒ごとの点灯が点灯/点滅パターンの一例であり、当該点灯/点滅パターンが予め処理部2によって決定されている。そして、ランプ15は、処理部2によって決定されている点灯/点滅パターンに応じて点灯あるいは点滅を繰り返す。なお、ランプ15の設置場所を車両Cのリアガラス上部としたが、車両Cの外部から視認できる場所であれば他の設置場所でもかまわない。
【0021】
ランプ15を搭載した他の車両Cが上記センシング部1の撮像対象空間に含まれ、センシング部1がランプ15を撮像可能である場合、センシング部1は、ランプ15を撮像してその点灯/点滅パターンを認識してもかまわない。一般的に、プレートナンバNを文字認識するよりも、ランプ15の点灯/点滅パターンの方が正確に認識することができるため、センシング部1の認識率が上がることが期待される。なお、ランプ15を装備した車両Cからは、上述したように予め決定されたランプ15の点灯/点滅パターンも車両情報に含めて送信される。このようにして、通信車両表示装置は、センシング部1から取得された周辺車両毎のプレートナンバ、ランプの点灯/点滅パターン、動画および静止画等の画像を周辺の車両情報として取得する。
【0022】
図4は、受信部5が車両Cb(図2参照)から受信した受信情報Ibに含まれる車両情報Icbとセンシング部1から得られた車両情報ISとを比較する方法を説明するための図である。図4に示すように、処理部2は、受信部5を介して、車両Cbから受信情報Ibを受信しており、当該受信情報Ibに含まれる車両Cbを示す車両情報Icbを得ている。例えば、車両情報Icbは、「車種:α、色:赤、形状:ステーションワゴン、プレートナンバ:2222、ランプ:タイプ2」が記述されている。一方、処理部2は、周辺の車両Cb〜Cdを撮像することによって得られた車両情報IS1〜IS3を含む車両情報ISをセンシング部1から得る。例えば、車両情報IS1は「プレートナンバ:2222、ランプ:タイプ2」が記述され、車両情報IS2は「プレートナンバ:3333、ランプ:タイプ3」が記述され、車両情報IS3は「プレートナンバ:4444、ランプ:タイプ4」が記述されている。
【0023】
処理部2は、受信部5から得られた車両情報Icbとセンシング部1から得られた車両情報IS1〜IS3とを比較する。そして、処理部2は、受信部5から得られた車両情報Icbの少なくとも一部を含む情報が車両情報IS1〜IS3の中になければ、通信相手の車両(つまり、受信情報Ibを送信した車両)がセンシング部1によってセンシングされる範囲外に存在すると判断する。一方、処理部2は、受信部5から得られた車両情報Icbの少なくとも一部を含む情報が車両情報IS1〜IS3の中にある場合、通信相手の車両がセンシング部1によってセンシングされる範囲内に存在すると判断して、当該車両情報を特定する。そして、処理部2は、車両情報IS1〜IS3を取得したときの撮影画像から、車両情報Icbを含む特定した車両情報を得た位置を取得する。
【0024】
図4に示した例の場合、車両情報Icbと車両情報IS1とが同じプレートナンバおよびランプの情報であるため、処理部2は、車両情報Icbを含む車両情報IS1を特定する。そして、処理部2は、車両情報IS1〜IS3を取得したときの撮影画像から、車両情報IS1を得た画像上の位置を取得する。例えば、処理部2は、車両情報IS1〜IS3を取得したときの撮影画像が図5に示した画像Imであったとすると、車両情報IS1に含まれる「プレートナンバ:2222」の画像Im内における位置を検出する。具体的には、画像Imにはその内部の位置を特定するためのxy座標が定義されており、処理部2は、画像Imにおける「プレートナンバ:2222」の中心の位置(x1、y1)を検出する。
【0025】
次に、処理部2は、特定した車両情報を示す画像Imにおける位置をドライバの視点からフロントガラスを介して見える車両周辺の位置に換算する。例えば、センシング部1として車両C設置されている固定式のカメラの視点と車両Cのドライバの視点との相違によって、換算される。図6に示すように、車両CのドライバからフロントガラスFGを介して見える車両周辺の風景に、その位置を特定するためのXY座標を定義する。このとき、センシング部1として車両C設置されている固定式のカメラの視点と車両Cのドライバの視点との相違によって、当該カメラによって撮影された画像Imにおける位置(x、y)と、車両CのドライバからフロントガラスFGを介して見える車両周辺の位置(X、Y)とは異なることが多い。この位置(x、y)と位置(X、Y)との差は、センシング部1のカメラ視点とドライバの視点とを近づけることによって小さくなる。しかしながら、上記カメラの視点をドライバの視点から離れた位置に設置する場合は、ドライバ視点の位置情報を手入力、もしくは、画像認識等で自動的に視点の位置情報を取得して、ドライバの視点の位置情報を取得して、予め設定されたカメラの設置位置との関係から、位置(x、y)を位置(X、Y)に換算する。このようにして、処理部2は、位置(x、y)を位置(X、Y)に換算して、車両CのドライバがフロントガラスFG越しに見える車両情報Icbを送信した通信相手車両の位置(X1、Y1)を取得する。
【0026】
ドライバ視点の位置情報を手入力する方法の一例として、フロントガラスFGに写し出される表示ユニット(後述)の所定画像を用いる方法がある。車両CのドライバからフロントガラスFGを介して見える車両周辺の所定位置に位置する物体と、フロントガラスFGに写し出される表示ユニットの所定画像とが一致するように、当該ドライバが通信車両表示装置を操作して当該所定画像を移動させる。そして、ドライバにとって上記物体と上記所定画像とが重なって見える位置を初期設定することによって、フロントガラスFGに対するドライバの視点が演算できる。
【0027】
また、画像認識等で自動的にドライバ視点の位置情報を取得する一例を説明する。車両Cが走行中の間および停車中の間に、車両Cの内外に設置された撮像装置により車両Cのドライバを撮影した画像を用いて、当該ドライバの瞳を抽出する。例えば、車両Cの左右のドアミラーおよびルームミラーのそれぞれに3台の撮像装置を設置する。そして、これらの撮像装置から車両Cのドライバをそれぞれ撮影した画像から、テンプレートマッチングのような画像処理によりドライバの瞳を抽出する。次に、抽出された瞳の3次元位置を、上記3台の撮像装置により実質的同時に撮影された3つの画像のうち、少なくとも2つの画像を用いてステレオ視により導出する。このような方法を用いて、車両Cにおけるドライバ視点の位置情報を取得する。
【0028】
なお、センシング部1の一例として固定式のカメラを用いたが、可動式のカメラやズーム機能を有するカメラでもかまわない。例えば、図7に示すように、カメラの視線方向が変化したり、ズーム機能によって撮影される画像の倍率が変化したりする。このとき、カメラの角度や倍率を補正して、車両CのドライバがフロントガラスFG越しに見える車両情報Icbを送信した通信相手車両の位置(X1、Y1)を取得する。例えば。図7(a)に示すように車両前方方向に対して左右方向のカメラの角度がθ1であり、図7(b)に示すように水平方向に対して上下方向のカメラの角度がθ2であるとする。このとき、車両前方方向、かつ水平となった車両Cのドライバ視線を基準として、図8(a)に示すようにドライバDの視線方向(車両前方方向)に対して左右方向のカメラの角度がθ1となり、図8(b)に示すようにドライバDの視線方向(水平方向)に対して上下方向のカメラの角度がθ2となる。つまり、ドライバ視点の位置情報を取得した後にカメラの視線方向や倍率が変化しても、その変化量を取得すれば適切な補正をすることができる。
【0029】
次に、図9〜図11を参照して表示部4について説明する。なお、図9は、表示部4の一例を示す図である。図10は、図1の表示部4によってフロントガラスFGに表示される画像例を示す図である。図11は、表示部4の他の例およびその画像例を示す図である。
【0030】
上述したように、表示部4は、車両周辺の車両に対して、車窓を介して処理部2が特定した車両をドライバに示すように車両情報を表示する。例えば、図9に示すように、表示部4は、一例として、ヘッドアップディスプレイを用いて表示する方法、つまり、フロントガラスFGの下部に当該フロントガラスFGを表示面とする表示ユニットを設けて、フロントガラスFGに画像を車窓風景に重畳して表示する。
【0031】
図10において、ドライバは、フロントガラスFGを介した車窓風景として、車両CbおよびCcを見ている。そして、上述した動作によって、処理部2がフロントガラスFG越しに見える車両Cbを通信相手車両として特定したとする。このとき、処理部2は、表示部4を制御して、実際にドライバが運転席からフロントガラスFGを介して見る風景に重畳させて、マークM1〜M3を表示する。
【0032】
マークM1は、ドライバが通信相手車両である車両CbをフロントガラスFG越しに見える風景から特定できるように表示される。例えば、図10に示すように、フロントガラスFG越しに実際にドライバから見える車両Cbを囲むことによって、他の風景と区別されるようにマークM1が表示される。マークM2は、通信相手の現在の感情を示すマークであり、通信相手車両の上部に重畳するように笑っている表情や怒っている表情を表示する。このマークM2によって、通信相手とドライバが、簡易的なコミュニケーションをとることができる。なお、マークM2を表示するための情報は、送受信する情報の中に含ませればよい。マークM3は、送信元である通信相手車両の送信装置における通信速度、通信方式、および距離等を表示する。例えば、図10に示すように、通信速度:500kbps、通信方式:802.11a、および距離:10mがマークM3として表示される。
【0033】
図11に示すように、表示部4は、他の例として、フロントガラスFGの下部にその左右全域に渡って横設されたディスプレイを設けて、当該ディスプレイにフロントガラスFGを介して見える風景から通信相手車両を特定する表示を行う。例えば、ドライバは、フロントガラスFGを介した車窓風景として、車両CbおよびCcを見ている。そして、上述した動作によって、処理部2がフロントガラスFG越しに見える車両Cbを通信相手車両として特定したとする。このとき、処理部2は、表示部4を制御して、上記ディスプレイにマークM4〜M6を表示する。
【0034】
マークM4は、実際にフロントガラスFGを介してドライバが見る風景において、通信相手車両が位置する方向を、例えば矢印等で表示する。マークM4は、通信相手車両との距離を反映して、距離が近ければ太く短い矢印を表示し、距離が遠ければ細く長い矢印を表示してもかまわない。マークM5は、通信相手車両のモデルが表示される。マークM5として表示するモデル車両は、受信した車両情報に通信相手車両の車種や色等の情報が含まれていれば、それらの情報を模したモデルで表示する。そして、マークM5は、マークM4の下、つまり、実際にフロントガラスFGを介してドライバが見る風景において、通信相手車両が位置する方向の下部に配置してモデル車両を表示する。マークM6は、送信元である通信相手車両の送信装置における通信速度、通信方式、距離、プレートナンバ、車種、色、および形状等を表示する。例えば、図11に示すように、通信方式:BPSK、通信速度:500kbps、距離:10m、プレート番号:2222、車種:α、色:赤、および形状:ステーションワゴンが、マークM6として表示される。このようにマークM1〜M6を表示することによって、ドライバは、フロントガラスFGを介して見える風景から通信相手車両を特定することができ、明示的に現在の通信相手を知ることができる。
【0035】
なお、図11に示した表示方法で通信相手車両を特定する場合、自車に対する通信相手車両が存在する相対的な方向のみが必要であり、この場合、センシング部1を他の形態でも構成できる。例えば、各車両C(例えば、図2に示す車両Ca〜Cd)がそれぞれGPS(Global Positioning System)等の位置検出手段(図示せず)としてセンシング部1を構成し、互いの受信部5および送信部6を介して自車の位置情報を送受信することによって、通信相手車両と自車との相対的な位置関係から通信相手車両が位置する方向を導出してもかまわない。または、通信車両表示装置間の通信手段として指向性のある通信方式(例えば、赤外線通信)等を用いた場合、情報を送受信する際に通信相手の方向が取得できる。この通信相手の方向の検出をセンシング部1の機能として、その情報を利用してもかまわない。これらによって、より低コストな通信車両表示装置を実現することができる。
【0036】
次に、図12〜図15を参照して、通信車両表示装置の動作について説明する。なお、図12は、通信車両表示装置が通信相手車両を特定する表示を行う動作を示すフローチャートである。
【0037】
図13は、図12のステップS2における前方車両情報取得処理の詳細な動作を示すサブルーチンである。図14は、図12のステップS3における発信元車両情報取得処理の詳細な動作を示すサブルーチンである。図15は、図12のステップS5における表示位置算出処理の詳細な動作を示すサブルーチンである。
【0038】
図12において、通信車両表示装置の処理部2は、当該通信車両表示装置が搭載された車両のドライバの視点位置情報を取得し(ステップS1)、処理を次のステップに進める。例えば、処理部2は、上述したようなドライバ視点の位置情報を手入力、もしくは、画像認識等で自動的に視点の位置情報を取得して、ドライバの視点の位置情報を取得する。
【0039】
次に、処理部2は、センシング部1の一例である車両前方を撮像領域としたカメラから、当該撮像領域に含まれる前方車両の車両情報を取得し(ステップS2)、処理を次のステップに進める。以下、図13を用いて、前方車両情報取得処理について説明する。
【0040】
図13において、処理部2は、センシング部1のカメラで車両前方を撮像して(図2参照)画像を得る(ステップS21;例えば、図5の画像Im)。次に、処理部2は、撮像された画像から車両情報(例えば、図4の車両情報IS1〜IS3)を抽出する(ステップS22)。具体的には、上述したように、処理部2が撮像領域に含まれる車両のプレートナンバや車体色等を撮像画像から画像認識して、それぞれの車両の車両情報として取得する。そして、処理部2は、撮影画像において車両情報をそれぞれ得た画像上の位置(x、y)をそれぞれ取得し(ステップS23;図5参照)、当該サブルーチンによる処理を終了する。
【0041】
図12に戻り、処理部2は、受信部5が受信した発信元の車両情報を取得し(ステップS3)、処理を次のステップに進める。以下、図14を用いて、発信元車両情報取得処理について説明する。
【0042】
図14において、処理部2は、発信元から送信された送信データ(例えば、図4の受信情報Ib)を受信部5で受信する(ステップS31)。そして、処理部2は、受信部5が受信した情報から発信元の車両情報(例えば、図4の車両情報Icb)を取得し(ステップS32)、当該サブルーチンによる処理を終了する。
【0043】
図12に戻り、処理部2は、上記ステップS3で取得した発信元の車両情報が上記ステップS2で取得した車両前方を撮像した車両情報の中に含まれているか否かを判断する。そして、車両前方を撮像した車両情報の中に含まれている場合、処理部2は、処理を次のステップS5に進める。一方、車両前方を撮像した車両情報の中に含まれていない場合、処理部2は、上記ステップS2に戻って、処理を繰り返す。
【0044】
ステップS5において、処理部2は、車両前方を撮像した車両情報の中に含まれている発信元の車両情報を表示部4で表示する位置を算出する。そして、処理部2は、算出された位置に通信相手車両が位置することを示す通信相手車両を特定するマーク(例えば、マークM1〜M6)を表示部4に表示させて(ステップS6)、上記ステップS2に戻って、処理を繰り返す。以下、図15を用いて、表示位置算出処理について説明する。
【0045】
図15において、処理部2は、上記ステップS23で取得した画像上の位置から発信元の車両情報に対応する位置(x、y)を取得する(ステップS51)。そして、処理部2は、撮像画像上の位置(x、y)をドライバからフロントガラスを介して見える風景における表示位置座標(X、Y)(図6参照)に換算して(ステップS52)、当該サブルーチンによる処理を終了する。
【0046】
このように、本実施形態に係る通信車両表示装置によれば、運転中等にフロントガラスを介して見ている風景内に通信相手車両が存在する場合、ドライバは、明示的にその通信相手の位置を知ることができる。具体的には、当該通信車両表示装置は、ドライバの視界から外れた車内に設置されている表示装置の地図上に送信元となる車両の位置や情報を表示するのではなく、ドライバが運転等の際に見ているフロントガラス等の車窓において表示されるため、実風景で見える発信元の車両を明示的に認識することができる。
【0047】
なお、上述した説明では、車両の前方をセンシング部1が車両情報を得るためのセンシング範囲とし、当該車両のフロントガラスに通信相手車両を特定する表示を行う例を用いたが、本発明は車両前方のみに限定されない。例えば、車両の左右側方をセンシング部1が車両情報を得るためのセンシング範囲とし、当該車両のドアガラスやサイドガラス等に通信相手車両を特定する表示を行ってもかまわない。また、車両の後方をセンシング部1が車両情報を得るためのセンシング範囲とし、当該車両のリアガラス、ルームミラー、あるいはサイドミラー等に通信相手車両を特定する表示を行ってもかまわない。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明に係る通信車両表示装置は、ドライバに対して明示的にその通信相手の位置を知らせることができ、当該通信車両表示装置を搭載した車両等や車両同士で通信を行う車両用通信システム等として有用である。
【符号の説明】
【0049】
1…センシング部
2…処理部
3…記憶部
4…表示部
5…受信部
6…送信部
15…ランプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両に搭載され、車車間通信を行う通信車両表示装置であって、
送信元の車両を示す車両情報を含むデータを送信する送信部と、
他の車両の前記送信部から送信され、送信元の車両を示す車両情報を含むデータを受信する受信部と、
搭載される車両の周囲に存在する他の車両に関する情報を取得するセンシング部と、
前記センシング部が取得した他の車両に関する情報から前記受信部が受信した車両情報に相当する情報を抽出し、前記センシング部が当該抽出された情報を得た他の車両が当該車両情報を含むデータを送信した送信元の車両であると特定する処理部と、
搭載される車両の車窓および車窓周辺の少なくとも一部に表示画面を有し、当該表示画面に前記処理部の制御に基づいた表示を行う表示部とを備え、
前記処理部は、搭載される車両の車窓を介したドライバの視界に対して前記送信元の車両の位置を示す表示を前記表示部の表示画面に表示し、
前記センシング部は、搭載される車両の周囲に存在する他の車両を撮像して画像データを生成する当該車両に設けられたカメラで構成され、
前記処理部は、搭載される車両における前記カメラの位置および撮像方向と当該車両のドライバの視点との相対的な位置関係に基づいて、前記画像データにおける前記送信元の車両の位置と前記表示部の表示画面に表示する前記送信元の車両の位置との関係を導出することを特徴とする、通信車両表示装置。
【請求項2】
前記送信部は、少なくとも自車両のプレートナンバを前記車両情報として含むデータを送信し、
前記センシング部は、前記カメラで撮像した他の車両に装着されたプレートナンバの画像データを当該他の車両に関する情報として取得し、
前記処理部は、前記画像データから前記受信部が受信したプレートナンバの車両情報と一致するプレートナンバの画像を抽出し、当該抽出されたプレートナンバを装着した車両が前記送信元の車両であると特定することを特徴とする、請求項1記載の通信車両表示装置。
【請求項3】
搭載される車両外部に設けられ、所定の点灯パターンで点灯するランプを備え、
前記送信部は、少なくとも搭載される車両に設けられた前記ランプの点灯パターンを前記車両情報として含むデータを送信することを特徴とする、請求項1記載の通信車両表示装置。
【請求項4】
前記センシング部は、前記カメラで撮像した他の車両に設けられた前記ランプの画像データを当該他の車両に関する情報として取得し、
前記処理部は、前記画像データから前記受信部が受信した点灯パターンの車両情報と同じパターンで点灯するランプの画像を抽出し、当該抽出されたランプが設けられた車両が前記送信元の車両であると特定することを特徴とする、請求項3に記載の通信車両表示装置。
【請求項1】
複数の車両に搭載され、車車間通信を行う通信車両表示装置であって、
送信元の車両を示す車両情報を含むデータを送信する送信部と、
他の車両の前記送信部から送信され、送信元の車両を示す車両情報を含むデータを受信する受信部と、
搭載される車両の周囲に存在する他の車両に関する情報を取得するセンシング部と、
前記センシング部が取得した他の車両に関する情報から前記受信部が受信した車両情報に相当する情報を抽出し、前記センシング部が当該抽出された情報を得た他の車両が当該車両情報を含むデータを送信した送信元の車両であると特定する処理部と、
搭載される車両の車窓および車窓周辺の少なくとも一部に表示画面を有し、当該表示画面に前記処理部の制御に基づいた表示を行う表示部とを備え、
前記処理部は、搭載される車両の車窓を介したドライバの視界に対して前記送信元の車両の位置を示す表示を前記表示部の表示画面に表示し、
前記センシング部は、搭載される車両の周囲に存在する他の車両を撮像して画像データを生成する当該車両に設けられたカメラで構成され、
前記処理部は、搭載される車両における前記カメラの位置および撮像方向と当該車両のドライバの視点との相対的な位置関係に基づいて、前記画像データにおける前記送信元の車両の位置と前記表示部の表示画面に表示する前記送信元の車両の位置との関係を導出することを特徴とする、通信車両表示装置。
【請求項2】
前記送信部は、少なくとも自車両のプレートナンバを前記車両情報として含むデータを送信し、
前記センシング部は、前記カメラで撮像した他の車両に装着されたプレートナンバの画像データを当該他の車両に関する情報として取得し、
前記処理部は、前記画像データから前記受信部が受信したプレートナンバの車両情報と一致するプレートナンバの画像を抽出し、当該抽出されたプレートナンバを装着した車両が前記送信元の車両であると特定することを特徴とする、請求項1記載の通信車両表示装置。
【請求項3】
搭載される車両外部に設けられ、所定の点灯パターンで点灯するランプを備え、
前記送信部は、少なくとも搭載される車両に設けられた前記ランプの点灯パターンを前記車両情報として含むデータを送信することを特徴とする、請求項1記載の通信車両表示装置。
【請求項4】
前記センシング部は、前記カメラで撮像した他の車両に設けられた前記ランプの画像データを当該他の車両に関する情報として取得し、
前記処理部は、前記画像データから前記受信部が受信した点灯パターンの車両情報と同じパターンで点灯するランプの画像を抽出し、当該抽出されたランプが設けられた車両が前記送信元の車両であると特定することを特徴とする、請求項3に記載の通信車両表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−218568(P2010−218568A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−101425(P2010−101425)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【分割の表示】特願2005−36257(P2005−36257)の分割
【原出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【分割の表示】特願2005−36257(P2005−36257)の分割
【原出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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