説明

通話システム

【課題】音声通話中に通話相手先側の要因となる切断が発生した場合、同通話切断に対する救済対策として同通話相手先への再通話を自動的に可能にしたものである。
【解決手段】担当オペレータ側の電話機4と、相手先電話機2から電話機への着信呼を自動分配するACD管理装置8と、電話機への着信呼に自動応答可能な音声応答装置5と、電話機及び音声応答装置間を通話接続するPBX6とを有するコールセンタシステム1であって、ACD管理装置8は、電話機及び相手先電話機間の音声通話中での切断発生直後に、電話機側の再通話要求操作又は所定の切断理由コードを検出すると、この電話機との再通話を要求すべく、音声応答装置を通じて、切断相手の相手先電話機に対して自動発呼させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数台の担当オペレータ側の電話機と、客先の相手先電話機から各電話機への着信呼に自動応答可能な音声応答装置と、電話機、相手先電話機及び音声応答装置間を通話接続する構内交換装置(以下、単にPBXと称する)と、各電話機に相手先電話機からの着信呼を自動分配する自動着信呼分配管理装置(以下、単にACD管理装置と称する)とを有する、例えばコールセンタシステム等の通話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このようなコールセンタシステム等の通話システムでは、担当オペレータ側の電話機及び客先の相手先電話機間の音声通話中に、担当オペレータ側の電話機の誤操作(オンフック操作)で通話切断が発生した場合、担当オペレータ側の誤操作による通話切断を回避する各種技術が広く知られている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−336150号公報(要約書及び図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような従来の特許文献1の通話システムにおいては、担当オペレータ側の電話機及び客先の相手先電話機間の音声通話中に、担当オペレータ側の誤操作で通話切断が発生した場合、担当オペレータ側の誤操作による通話切断を回避する救済対策が図られているものの、通話相手先である客先側の誤操作や相手先電話機側の通信状態が不安定等による通話切断、すなわち担当オペレータ側の要因ではなく、通話相手先である客先側の要因による通話切断が発生した場合に、担当オペレータ側で同通話切断に対する救済対策が講じられていないのが実情である。
【0004】
本発明は上記点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、音声通話中に通話相手先側の要因で通話切断が発生したとしても、同通話切断に対する救済対策として同通話相手先(切断相手)への再通話を自動的に要求する通話システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本願請求項1記載の通話システムは、電話機と、この電話機への着信呼に自動応答可能な発着信制御装置とを有する通話システムであって、前記発着信制御装置は、前記電話機及び相手先電話機間の音声通話中での切断発生直後に、前記電話機側の再通話要求操作又は所定の切断理由通知を検出すると、この電話機との再通話を要求すべく、前記切断相手の前記相手先電話機に対して自動発呼する発呼手段を有するようにした。
【0006】
従って、本願請求項1記載の通話システムによれば、電話機及び相手先電話機間の音声通話中での切断発生直後、電話機側のユーザの意思による再通話要求操作又は、相手先電話機側の通信状態が不安定による通話切断を示す所定の切断理由通知を検出すると、電話機との再通話を要求すべく、前記発着信制御装置が前記切断相手の相手先電話機に対して自動発呼するようにしたので、音声通話中に、通話相手先側の要因で通話切断が発生したとしても、同通話切断に対する救済対策として同通話相手先(切断相手)への再通話を自動的に要求することができ、しかも、再通話に関わる切断相手への自動発呼から再通話直前までの処理を前記発着信制御装置側で実行することになるため、その間、電話機側のユーザは別作業を行うことができ、その結果、業務効率の大幅向上を図ることができる。
【0007】
また、本願請求項2記載の通話システムは、本願請求項1記載の構成において、前記発着信制御装置は、前記電話機側の再通話要求操作又は所定の切断理由通知を検出すると、前記切断に関わる前記電話機及び相手先電話機の電話番号を切断情報として登録する切断情報登録手段とを有し、前記発呼手段は、前記切断情報登録手段に登録中の前記切断情報に含まれる前記相手先電話機の電話番号に基づき、前記切断相手の相手先電話機に対して自動発呼するようにした。
【0008】
従って、本願請求項2記載の通話システムによれば、本願請求項1記載の効果に加えて、前記電話機側の再通話要求操作又は所定の切断理由通知を検出すると、前記切断に関わる前記電話機及び相手先電話機の電話番号を切断情報として登録し、この登録中の前記切断情報に含まれる前記相手先電話機の電話番号に基づき、前記切断相手の相手先電話機に対して自動発呼するようにしたので、前記発着信制御装置は、前記切断情報登録手段に登録中の切断情報に基づき、前記切断相手の相手先電話機への自動発呼を実現することができる。
【0009】
また、本願請求項3記載の通話システムは、本願請求項1又は2記載の構成において、前記発着信制御装置は、前記通話システムへの現在着呼中の発信者番号を管理する現在着呼管理手段と、前記発呼手段を通じて前記切断相手の相手先電話機に対して自動発呼する際、この切断相手の相手先電話機の電話番号が前記現在着呼管理手段に管理中の現在着呼中の発信者番号内にあるか否かを判定する現在着呼中判定手段と、この現在着呼中判定手段にて前記相手先電話機の電話番号が現在着呼中の発信者番号内にある場合、前記切断相手の相手先電話機への自動発呼を禁止すべく、前記発呼手段を制御すると共に、前記現在着呼中判定手段にて前記相手先電話機の電話番号が現在着呼中の発信者番号内にない場合、前記切断相手の相手先電話機への自動発呼を許可すべく、前記発呼手段を制御する発呼制御手段とを有するようにした。
【0010】
従って、本願請求項3記載の通話システムによれば、本願請求項1又は2記載の効果に加えて、前記発着信制御装置が前記切断相手の相手先電話機に対して自動発呼する際、この切断相手の相手先電話機の電話番号が現在着呼中の発信者番号内にある場合、前記切断相手の相手先電話機への自動発呼を禁止すると共に、前記相手先電話機の電話番号が現在着呼中の発信者番号内にない場合、前記切断相手の相手先電話機への自動発呼を許可するようにしたので、前記発着信制御装置は、切断相手の相手先電話機に対して自動発呼する際、切断相手の相手先電話機からの掛け直しによる着信呼を監視することで、発着信制御装置及び相手先電話機双方で同時に発呼し合うような無駄な発呼動作を確実に防止することができる。
【0011】
また、本願請求項4記載の通話システムは、本願請求項1、2又は3記載の構成において、前記発着信制御装置は、前記発呼手段による前記切断相手の相手先電話機への発呼に対する、同相手先電話機からの応答を検出すると、前記電話機への再通話を要求する音声ガイダンスを同相手先電話機に通知する音声ガイダンス通知手段を有するようにした。
【0012】
従って、本願請求項4記載の通話システムによれば、本願請求項1,2又は3記載の効果に加えて、前記発着信制御装置が、前記切断相手の相手先電話機への発呼に対する、同相手先電話機からの応答を検出すると、前記電話機への再通話を要求する音声ガイダンスを同相手先電話機に通知するようにしたので、切断相手は、相手先電話機を通じて音声ガイダンスを受聴することで、通話切断した電話機への再通話要求を認識することができる。
【0013】
また、本願請求項5記載の通話システムは、本願請求項4記載の構成において、前記発着信制御装置は、前記音声ガイダンス通知手段を通じて前記相手先電話機への音声ガイダンス通知後、この相手先電話機から前記電話機への接続要求を検出すると、前記発呼手段を通じて前記電話機へ自動発呼すると共に、前記電話機への自動発呼に対する応答を検出すると、前記電話機及び前記相手先電話機間の再通話を確立させるようにした。
【0014】
従って、本願請求項5記載の通話システムによれば、本願請求項4記載の効果に加えて、前記相手先電話機への音声ガイダンス通知後、この相手先電話機から前記電話機への接続要求を検出すると、前記電話機へ自動発呼すると共に、前記電話機の自動発呼に対する応答を検出すると、前記電話機及び相手先電話機間の再通話を確立させるようにしたので、再通話に関わる切断相手への自動発呼から再通話直前までの処理を前記発着信制御装置側で実行することになるため、その間、電話機側のユーザは別作業を行うことができ、その結果、業務効率の大幅向上を図ることができる。
【0015】
また、本願請求項6記載の通話システムは、本願請求項2記載の構成において、前記電話機と連動する電話連動機能を備えたパソコン端末を有し、前記発着信制御装置は、前記切断情報登録手段にて前記切断情報を登録すると、同切断情報に関わる電話機と連動するパソコン端末の表示画面上に、同切断情報を画面表示させるようにした。
【0016】
従って、本願請求項6記載の通話システムによれば、本願請求項2記載の効果に加えて、前記発着信制御装置が、前記切断情報登録手段にて前記切断情報を登録すると、同切断情報に関わる電話機と連動するパソコン端末の表示画面上に、同切断情報を画面表示させるようにしたので、電話機側のユーザは、同電話機に連動するパソコン端末の表示画面を見て、切断情報の内容を認識することができる。
【0017】
また、本願請求項7記載の通話システムは、本願請求項6記載の構成において、前記発着信制御装置は、前記発呼手段を通じて前記切断相手の相手先電話機に対する自動発呼を開始すると、同電話機と連動するパソコン端末の表示画面上に、同切断相手への発呼中を画面表示させるようにした。
【0018】
従って、本願請求項7記載の通話システムによれば、本願請求項6記載の効果に加えて、前記発着制御装置が、前記切断相手の相手先電話機に対して自動発呼を開始すると、同切断に関わる電話機と連動するパソコン端末の表示画面上に、前記切断相手への発呼中を画面表示させるようにしたので、電話機側のユーザは、同電話機に連動するパソコン端末の表示画面を見て、切断相手への発呼中を認識することができる。
【0019】
また、本願請求項8記載の通話システムは、本願請求項6又は7記載の構成において、前記発着信制御装置は、前記発呼手段を通じて前記切断相手の相手先電話機への発呼に対する、同相手先電話機からの応答を検出すると、前記電話機への再通話を要求する音声ガイダンスを同相手先電話機に通知する音声ガイダンス通知手段を有し、前記音声ガイダンス通知手段を通じて前記相手先電話機への音声ガイダンス通知後、この相手先電話機から前記電話機への接続要求を検出すると、前記発呼手段を通じて前記電話機へ自動発呼すると共に、前記電話機への自動発呼開始に応じて同電話機に連動するパソコン端末の表示画面上に、前記切断相手の応答待ち中を画面表示させるようにした。
【0020】
従って、本願請求項8記載の通話システムによれば、本願請求項6又は7記載の効果に加えて、前記発着信制御装置が前記相手先電話機への音声ガイダンス通知後、この相手先電話機から前記電話機への接続要求を検出すると、前記発呼手段を通じて前記電話機へ自動発呼すると共に、前記電話機への自動発呼開始に応じて同電話機に連動するパソコン端末の表示画面上に、前記切断相手の応答待ち中を画面表示させるようにしたので、電話機側のユーザは、同電話機の発呼に伴う呼出音の鳴動出力は勿論のこと、同電話機に連動するパソコン端末の表示画面を見て、切断相手からの呼出を認識することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の通話システムによれば、電話機及び相手先電話機間の音声通話中での切断発生直後、電話機側のユーザの意思による再通話要求操作又は、相手先電話機側の通信状態が不安定による通話切断を示す所定の切断理由通知を検出すると、電話機との再通話を要求すべく、前記発着信制御装置が前記切断相手の相手先電話機に対して自動発呼するようにしたので、音声通話中に、通話相手先側の要因で通話切断が発生したとしても、同通話切断に対する救済対策として同通話相手先(切断相手)への再通話を自動的に要求することができ、しかも、再通話に関わる切断相手への自動発呼から再通話直前までの処理を前記発着信制御装置側で実行することになるため、その間、電話機側のユーザは別作業を行うことができ、その結果、業務効率の大幅向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面に基づいて本発明の通話システムに関わる実施の形態を示すコールセンタシステムについて説明する。図1は本実施の形態を示すコールセンタシステム全体の概略構成を示すブロック図である。
【0023】
図1に示すコールセンタシステム1は、客先の相手先電話機2を収容接続する公衆網3と、受付業務の担当オペレータ毎に配置された複数台の電話機4と、電話機4への着信呼に自動応答可能な音声応答装置5と、これら公衆網3、電話機4及び音声応答装置5を収容接続するPBX6と、電話機4毎に電話連動機能を備えたPC端末7と、電話機4への着信呼を自動分配する自動着信分配機能を管理するACD管理装置8とを有している。
【0024】
PBX6は、公衆網3との通信インタフェースを司る外線トランク11と、電話機4及び音声応答装置5との通信インタフェースを司る内線トランク12と、これら外線トランク11及び内線トランク12間、又は内線トランク12同士で通話路を形成する通話路スイッチ13と、ACD管理装置8との通信インタフェースを司るLANインタフェース14と、局データやプログラム等の各種情報を記憶した記憶装置15と、このPBX6全体を制御する制御装置16と、これら通話路スイッチ13、LANインタフェース14、記憶装置15及び制御装置16間のデータ経路を構成する内部バス17とを有している。
【0025】
PBX6内の制御装置16は、外線トランク11を通じて客先の相手先電話機2からの外線着信呼を検出すると、通話路スイッチ13を切替制御することで、内線トランク12を通じて音声応答装置5に接続するものである。
【0026】
PBX6内の記憶装置16は、電話機4毎に内線番号を管理しているものである。
【0027】
また、PC端末7、音声応答装置5及びACD管理装置8は、LAN9で接続し、PC端末7は、電話機4毎に配置されているものである。また、各電話機4は、内線番号単位では勿論のこと、ACDグループ単位でも管理されているものである。
【0028】
図2は音声応答装置5内部の概略構成を示すブロック図である。
【0029】
図2に示す音声応答装置5は、例えばパーソナルコンピュータで構成し、PBX6内の内線トランク12との通信インタフェースを司る応答側内線インタフェース21と、LAN9との通信インタフェースを司る応答側LANインタフェース22と、応答側内線インタフェース21及び応答側LANインタフェース22を通じて通信制御を司る応答側通信制御部23と、通話相手先に対して音声ガイダンスを出力するガイダンス出力制御部24と、通話相手先のPB信号を受信解析するPB信号受信解析部25と、様々な情報を管理する応答側記憶部26と、この音声応答装置5全体を制御する応答側制御部27と、応答側内線インタフェース21、応答側LANインタフェース22、応答側通信制御部23、ガイダンス出力制御部24、PB信号受信解析部25、応答側記憶部26及び応答側制御部27間のデータ経路を構成する応答側内部バス28とを有している。
【0030】
ガイダンス出力制御部24は、例えば客先の相手先電話機2の外線着信呼に自動応答すると、PBX6経由で相手先電話機2と通話確立して、例えば「お電話ありがとうございます。接続先のグループがご存知であれば、お手元のプッシュボタンでグループ番号を指定して下さい。」等といった接続先ガイダンス等の自動音声ガイダンスを相手先電話機2に出力するものである。
【0031】
PB信号受信解析部25は、音声ガイダンス内容に応じた相手先電話機2側の操作によるPB信号を受信解析するものである。
【0032】
応答側記憶部26は、図3に示すようにACDグループ29A毎に、同ACDグループに所属する全担当オペレータの電話機4、すなわち接続先の電話機4の呼出番号に相当するACDグループ呼出特番29Bと、相手先電話機2側からPB信号で接続先を指定する接続先指定番号29Cとを管理する接続先管理テーブル29を記憶している。
【0033】
応答側制御部27は、応答側内線インタフェース21を通じて、PBX6内の内線トランク12経由で客先の相手先電話機2の外線着信呼に自動応答すると、相手先電話機2との通話路を確立し、ガイダンス出力制御部24を通じて、接続先ガイダンスを相手先電話機2に出力するものである。
【0034】
また、PB信号受信解析部25は、応答側内線インタフェース21を通じて、接続先ガイダンス内容(「お電話ありがとうございます。接続先のグループがご存知であれば、お手元のプッシュボタンでグループ番号を指定して下さい。」)に応じた相手先電話機2側の顧客操作によるPB信号を受信し、例えば“1”のPB信号を受信した場合、このPB信号“1”を接続先指定番号とし、この“1”の接続先指定番号29Cに対応するグループ番号“1”のグループ呼出特番29Bを接続先管理テーブル29から取得するものである。
【0035】
応答側制御部27は、PB信号受信解析部25にて接続先管理テーブル29から接続先のグループ呼出特番29Bを取得すると、このグループ呼出特番29Bを接続先情報としてPBX6内の制御装置16に通知するものである。その結果、PBX6内の制御装置16は、この接続先情報に基づき、同グループ番号“1”の全オペレータの電話機4に対して、同相手先電話機2からの外線着信呼を接続するものである。
【0036】
図4はACD管理装置8内部の概略構成を示すブロック図である。
【0037】
図4に示すACD管理装置8は、例えばパーソナルコンピュータ等で構成し、PBX6内のLANインタフェース14及びLAN9との通信インタフェースを司るACD側LANインタフェース31と、ACD機能に関わる各種情報を記憶管理するACD記憶部32と、ACD側LANインタフェース31を通じてPBX6内の制御装置16から各相手先電話機2の外線着信呼を管理する着信呼管理部33と、このACD管理装置8全体を制御するACD制御部34と、ACD側LANインタフェース31、ACD記憶部32、着信呼管理部33及びACD制御部34間のデータ経路を構成するACD内部バス35とを有している。尚、担当オペレータは、電話機4又はPC端末7を通じてACD管理装置8のログオン許可を受けてから受付業務を開始することができるものである。
【0038】
ACD側LANインタフェース31は、PBX6内のLANインタフェース14とのプロトコル整合性及びLAN9とのプロトコル整合性を司る通信インタフェースに相当するものである。
【0039】
ACD制御部34は、例えばログオフ中のPC端末7から、同PC端末7を使用する担当オペレータのACDログオンID番号及び、同担当オペレータが使用する電話機4の内線番号を含むログオン登録要求を受信すると、同ログオン登録要求に含まれるACDログオンID番号及び内線番号が予め設定したACDログオンID番号及び内線番号に合致するか否かを判定し、これらACDログオンID番号及び内線番号が合致した場合にのみ、同担当オペレータのログオンを許可するものである。この結果、担当オペレータは、PC端末7及び電話機4を使用して受付業務を開始できるものである。
【0040】
図5乃至図10はACD記憶部32に管理中のテーブル内容を端的に示す説明図である。
【0041】
ACD記憶部32は、コールセンタシステム1全体のACDグループを管理するACDグループ管理テーブル41(図5参照)と、コールセンタシステム1全体の電話機4の内線番号を管理する内線番号管理テーブル(図6参照)42と、コールセンタシステム1全体の担当オペレータの状態を管理するオペレータ管理テーブル43(図7参照)と、コールセンタシステム1全体の電話機4の通話毎の履歴情報を管理する通話履歴管理テーブル44(図8参照)と、後述する切断情報を管理する切断情報管理テーブル45(図9参照)と、コールセンタシステム1に対して現在着呼中の相手先電話機2の電話番号(発信者番号)を管理する現在着呼中管理テーブル46(図10参照)とを有している。
【0042】
図7に示すオペレータ管理テーブル43は、担当オペレータ毎に、同担当オペレータを識別するACDログオンID番号43Aと、同担当オペレータが現在使用中の電話機4の内線番号43Bと、同担当オペレータの現在状態43Cとを管理している。尚、ACD制御部34は、担当オペレータ側の電話機4のログオン登録要求に対してログオンを許可すると、同オペレータ管理テーブル43に同担当オペレータのACDログオンID番号43A、同電話機4の内線番号43B、同担当オペレータの現在状態43Cを登録するものである。
【0043】
ACD制御部34は、図7に示すオペレータ管理テーブル43を参照して、例えばACDログオンID番号“00015”の担当オペレータを検索した場合、ACDログオンID番号“00015”の担当オペレータが内線番号“3010”の電話機4を使用して外線着信呼が受付可能な状態であると認識できるものである。
【0044】
また、図8に示す通話履歴管理テーブル44は、コールセンタシステム1内の電話機4及び相手先電話機2間の通話毎に、同通話を識別する通話番号44Aと、同通話の開始から終了までの通話時間44Bと、同通話の電話機4の内線番号44Cと、同通話の相手先電話機2の電話番号(通話相手)44Dと、同通話を担当したオペレータを識別するACDログオンID番号44Eとを管理している。
【0045】
ACD制御部34は、図8に示す通話履歴管理テーブル44を参照して、例えば通話番号“3”を検索した場合、通話番号“3”が通話時間“2007/03/05 13:44:34〜14:14:14”、電話機4の内線番号“3010”、相手先電話機2の電話番号(通話相手)は“033333333333”、担当オペレータのACDログオンID番号は“ID00015”であると認識できるものである。
【0046】
また、図9に示す切断情報管理テーブル45は、コールセンタシステム1内の電話機4及び相手先電話機2間の音声通話の切断毎に、同通話を識別する通話番号45Aと、同通話を担当したオペレータを識別するACDログオンID番号45Bと、同通話に使用した電話機4の内線番号45Cと、同通話に使用した相手先電話機2の電話番号(通話相手)45Dと、同通話を切断した時刻に相当する切断時刻45Eと、同通話切断による再通話要求に応じて発信した発信回数45Fと、次回の発信タイミング時刻を示す次回発信タイミング時刻45Gとを管理している。
【0047】
また、図10に示す現在着呼中管理テーブル46は、コールセンタシステム1に対して現在着呼中の相手先電話機2の電話番号を管理している。
【0048】
着信呼管理部33は、ACD側LANインタフェース31を通じてPBX6側の制御装置16を通じて相手先電話機2からコールセンタシステム1への外線着信呼を管理するものである。
【0049】
ACD制御部34は、音声応答装置5からの接続先情報をPBX6側の制御装置16経由で受信すると、接続先情報及びオペレータ管理テーブル43のテーブル内容に基づき、同外線着信呼をACDグループ内の電話機4に均等分配すべく、PBX6側の制御装置16に指示するものである。
【0050】
また、ACD制御部34は、ACD側LANインタフェース31を通じて担当オペレータ側の電話機4及び客先の相手先電話機2間の音声通話中での切断発生直後に、担当オペレータ側の再通話要求操作又は所定の切断理由コードを検出すると、同電話機4及び切断相手の相手先電話機2間の通話を再接続すべく、この切断発生の通話に関わる切断情報を作成し、この切断情報を切断情報管理テーブル45に登録するものである。
【0051】
尚、担当オペレータ側の再通話要求操作とは、相手先電話機2との音声通話中に突然切断された場合に、担当オペレータが使用した電話機4に連動するPC端末7の切断メッセージ画面(図11(b)参照)の再通話要求ボタン52Dに対するクリック操作に相当するものである。また、所定の切断理由コードとは、電話機4及び相手先電話機2間の音声通話中に同相手先電話機2が、例えば無線圏外に移動してしまった場合に公衆網3から通知されるような切断理由コード等に相当するものである。
【0052】
さらに、ACD制御部34は、切断情報を切断情報管理テーブル45に登録すると、この切断情報に含む切断相手である相手先電話機2の電話番号が現在着呼中管理テーブル46内の現在着呼中の電話番号内にあるか否かを判定する現在着呼中判定部34Aを備えている。
【0053】
ACD制御部34は、現在着呼中判定部34Aにて切断情報に含む切断相手の相手先電話機2の電話番号が現在着呼中管理テーブル46内の現在着呼中の電話番号内にない場合、同切断相手の相手先電話機2に対して再通話を要求すべく、切断情報を含む再通話発呼要求を音声応答装置5に通知するものである。
【0054】
また、ACD制御部34は、現在着呼中判定部34Aにて切断情報に含む切断相手の相手先電話機2の電話番号が現在着呼中管理テーブル46内の現在着呼中の電話番号内にある場合、現在着呼中の同相手先電話機2の外線着信呼を、同切断に関わる担当オペレータ側の電話機4に接続すべく、PBX6内の制御装置16に指示するものである。
【0055】
また、音声応答装置5内の応答側制御部27は、ACD管理装置8から再通話発呼要求を検出すると、この再通話発呼要求に含まれる切断相手の相手先電話機2の電話番号に基づき、同切断相手の相手先電話機2への発呼準備がOKであるか否かを判定するものである。
【0056】
応答側制御部27は、相手先電話機2への発呼準備がOKの場合、PBX6経由で相手先電話機2に対して発呼を通知するものである。
【0057】
また、応答側制御部27は、例えば話中等で相手先電話機2への発呼準備がOKでない、すなわちNGの場合、発呼待ち回数を+1インクリメントして発呼待ちタイマの計時動作を開始し、この発呼待ちタイマがタイムアップした時点で相手先電話機2への発呼準備がOKであるか否かを再度判定し、発呼待ち回数が所定回数を超えた時点で、相手先電話機2への発呼ができなかったことを示す未発呼通知をACD管理装置8に通知するものである。この結果、ACD管理装置8は、未発呼通知に応じて同再通話に関わる切断情報の次回送信タイミング時刻45G(図9参照)を登録更新し、所定時間経過後の次回送信タイミング時刻に再度、切断相手の相手先電話機2への再通話発呼要求を音声応答装置5に通知することになる。
【0058】
また、応答側制御部27は、相手先電話機2への発呼準備がOKの場合、相手先電話機2への発呼を開始し、発呼中通知をACD管理装置8に通知すると、応答検出タイマの計時動作を開始し、応答検出タイマがタイムアップするまでに相手先電話機2からの発呼に対する応答を検出したか否かを判定するものである。
【0059】
応答側制御部27は、相手先電話機2からの発呼に対する応答を検出した場合、PBX6を通じて相手先電話機2との通話を確立し、ガイダンス出力制御部24を通じて応答ガイダンスを相手先電話機2に通知するものである。
【0060】
また、応答側制御部27は、応答検出タイマの計時動作を開始し、応答検出タイマがタイムアップするまでに相手先電話機2からの発呼に対する応答を検出しなかった場合、この相手先電話機2への応答がなかったことを示す未応答通知をACD管理装置8に通知するものである。この結果、ACD管理装置8は、未応答通知に応じて同再通話に関わる切断情報の次回送信タイミング時刻45G(図9参照)を登録更新し、所定時間経過後の次回送信タイミング時刻に再度、切断相手の相手先電話機2への再通話発呼要求を音声応答装置5に通知することになる。
【0061】
また、応答側制御部27は、相手先電話機2からの発呼に対する応答を検出した場合、PBX6を通じて相手先電話機2との通話を確立し、例えば「こちらはOOです。先程の通話が途中で切れてしまいました。先程の担当者と今すぐ通話の再開を希望される場合は「1」を、後での通話を希望される場合は「2」と、通話を希望されない場合は「3」を押してください。」といった応答ガイダンスを相手先電話機2に通知した後、この応答ガイダンス内容に応じて相手先電話機2側の顧客操作によるPB信号の接続要求を受信監視するものである。
【0062】
応答側制御部27は、PB信号受信解析部25を通じて応答ガイダンス内容に応じた相手先電話機2からのPB信号の接続要求を受信すると、このPB信号に対応した各種制御内容を実行するものである。
【0063】
応答側制御部27は、PB信号受信解析部25を通じてPB信号の接続要求が「1」の場合、相手先電話機2側の切断相手が担当オペレータとの通話再開を直ぐに希望しているものと判断し、同担当オペレータの電話機2への発呼を、PBX6側の制御装置16に指示するものである。
【0064】
また、応答側制御部27は、PB信号受信解析部25を通じてPB信号の接続要求が「2」の場合、相手先電話機2側の切断相手が担当オペレータと通話再開を後で希望しているものと判断し、ガイダンス出力制御部24を通じて希望日時入力ガイダンスを相手先電話機2に通知し、相手先電話機2からの希望日時入力を待つものである。
【0065】
また、応答側制御部27は、PB信号受信解析部25を通じてPB信号の接続要求が「3」の場合、相手先電話機2側の切断相手が担当オペレータとの通話再開を希望していないものと判断し、ACD管理装置8内の切断情報管理テーブル45から同切断情報の消去をACD管理装置8に指示すると共に、ガイダンス出力制御部24を通じて、相手先電話機2に対して終了ガイダンスを通知するものである。
【0066】
次に担当オペレータ側のPC端末7の画面上に表示する表示画面について説明する。図11はPC端末7の表示画面を示す説明図である。
【0067】
図11に示す表示画面50には、電話機4と連動する電話機連動画面51と、電話状態画面52とで構成し、電話機連動画面51は、電話機4の着信呼に応答するための応答ボタン51Aと、電話機4の通話を保留するための保留ボタン51Bと、電話機4の通話を三者通話するための三者ボタン51Cと、ACD管理装置8に対して離席を通知するための離席ボタン51Dと、代理応答するための代理応答ボタン51Eと、ACD管理装置8に対して警報を通知するためのアラートボタン51Fと、ACD管理装置8に対して受付業務開始を通知するためのワークボタン51Gと、電話機4の通話を切断するための切断ボタン51Hとを有している。
【0068】
また、電話状態画面52は、現在状態を表示する現在状態表示欄52Aと、通話相手の相手先電話機2の電話番号を表示する相手先電話番号表示欄52Bと、自己の電話機4の電話番号を表示する自番号表示欄52Cとを有している。
【0069】
まず、図11(a)に示す表示画面は、例えば担当オペレータ側の電話機4及び相手先電話機2間の音声通話中に表示する通話中画面に相当し、電話状態画面52上の現在状態表示欄52Aには「通話中」を表示するものである。
【0070】
さらに、図11(b)に示す表示画面は、担当オペレータ側の電話機4及び相手先電話機2間の音声通話切断発生時に表示する切断メッセージ画面又は切断情報画面に相当し、電話状態画面52上の現在状態表示欄52Aには「切断」を表示すると共に、電話状態画面52上には再通話要求ボタン52Dを表示するものである。
【0071】
さらに、図11(c)に示す表示画面は、音声応答装置5による切断相手への発呼時に表示する再通話発呼中メッセージ画面に相当し、電話状態画面52上の現在状態表示欄52Aには「再通話発呼中」を表示するものである。
【0072】
さらに、図11(d)に示す表示画面は、音声応答装置5による切断相手が応答して同担当オペレータ側の電話機4への発呼時に表示する切断相手着呼中メッセージ画面に相当し、電話状態画面52上の現在状態表示欄52Aには「切断相手着呼中」を表示するものである。
【0073】
さらに、図11(e)に示す表示画面は、音声応答装置5による切断相手への再通話要求に関わる発呼準備がNGの場合に表示する切断相手未発呼画面に相当し、電話状態画面52上の現在状態表示欄52Aには「切断相手未発呼」を表示するものである。
【0074】
さらに、図11(f)に示す表示画面は、音声応答装置5による切断相手への再通話要求に関わる発呼に対して未応答時に表示する切断相手未応答画面に相当し、電話状態画面52上の現在状態表示欄52Aには「切断相手未応答」を表示するものである。
【0075】
尚、請求項記載の電話機は担当オペレータ側の電話機4、発着信制御装置は音声応答装置5、ACD管理装置8及びPBX6、相手先電話機は相手先電話機2、発呼手段は音声応答装置5、ACD管理装置8及びPBX6、切断情報登録手段は切断情報管理テーブル45及びACD制御部34、現在着呼管理手段は現在着呼中管理テーブル46、現在着呼中判定手段は現在着呼中判定部34A、発呼制御手段はACD制御部34、音声ガイダンス通知手段はガイダンス出力制御部24、パソコン端末はオペレータ側のPC端末7に相当するものである。
【0076】
次に本実施の形態を示すコールセンタシステム1の動作について説明する。図12乃至図14は電話機4及び相手先電話機2間の音声通話切断発生から再通話までのコールセンタシステム1全体の処理動作を示す動作シーケンス図である。
【0077】
図12においてPBX6は、オペレータ側の電話機4及び客先の相手先電話機2間の音声通話中に(ステップS11)、例えば客先側の要因で切断が発生すると(ステップS12)、同音声通話の切断をオペレータ側の電話機4に通知すると共に(ステップS13)、切断理由を含む切断理由コードをACD管理装置8に通知する(ステップS14)。
【0078】
ACD管理装置8は、PBX6から切断理由コードを検出すると、図7に示すオペレータ管理テーブル43及び図8に示す通話履歴管理テーブル44のテーブル内容を更新すると共に、同電話機4及び相手先電話機2間の音声通話が切断されたことを示す切断メッセージを同オペレータ側の電話機4に連動したPC端末7に通知する(ステップS15)。
【0079】
PC端末7は、切断メッセージを受信すると、通話中画面(図11(a)参照)から切断メッセージ画面(図11(b)参照)を表示すると共に(ステップS16)、この切断メッセージ画面上の再通話要求ボタン52Dのクリック操作、すなわち同切断相手の相手先電話機2への再通話要求操作を検出すると(ステップS17)、同切断相手である相手先電話機2への再通話要求をACD管理装置8に通知する(ステップS18)。
【0080】
尚、PC端末7側の担当オペレータは、図11(b)の切断メッセージ画面を見ることで相手先電話機2との通話が切断されたことを認識できるものである。
【0081】
ACD管理装置8は、PC端末7から再通話要求を検出すると、同再通話に関わる、ステップS12で通話切断した電話機4及び相手先電話機2の電話番号を含む切断情報を作成し(ステップS19)、この切断情報を、図9に示す切断情報管理テーブル45に登録する(ステップS20)。尚、切断情報は、切断通話を識別する通話番号45A、同通話の担当オペレータを識別するACDログオンID番号45B、同担当オペレータの電話機4を識別する内線番号45C、切断相手の相手先電話機2の電話番号(通話相手)45D及び切断時刻45Eで構成するものである。
【0082】
ACD管理装置8は、切断情報を切断情報管理テーブル45に登録すると、同切断情報をPC端末7に通知する(ステップS21)。PC端末7は、切断情報を受信すると、同切断情報を画面表示するものである(ステップS22)。尚、PC端末7側の担当オペレータは、図11(b)の切断情報画面で切断情報を認識することができる。
【0083】
また、ACD管理装置8は、切断情報を切断情報管理テーブル45に登録すると、現在着呼中判定部34Aを通じて、この切断情報に含まれる切断相手の相手先電話機2の電話番号が図10に示す現在着呼中管理テーブル46内にあるか否かを判定し、切断相手の相手先電話機2の電話番号が現在着呼中の電話番号内にないと判断されると(ステップS23)、同切断相手への再通話発呼を要求すべく、切断相手の電話番号を含む再通話発呼要求を音声応答装置5に通知する(ステップS24)。
【0084】
図13に示す音声応答装置5は、ステップS24にてACD管理装置8から再通話発呼要求を検出すると、同切断相手の相手先電話機2に対する発呼準備がOKか否かを判定し、相手先電話機2への発呼準備がOKであると判定されると(ステップS25)、PBX6経由で同発呼を相手先電話機2に通知する(ステップS26)と共に、切断相手の相手先電話機2への発呼中を示す発呼中通知をACD管理装置8に通知する(ステップS27)。
【0085】
ACD管理装置8は、音声応答装置5から発呼中通知を検出すると、再通話発呼中メッセージをPC端末7に通知する(ステップS28)。その結果、PC端末7は、再通話発呼中メッセージを受信すると、同切断相手への再通話要求に関わる発呼中を示す再通話発呼中メッセージ画面(図11(c)参照)を表示する(ステップS29)。尚、PC端末7の担当オペレータは、再通話発呼中メッセージ画面を見て、切断相手への再通話発呼中であることを認識することができる。
【0086】
また、相手先電話機2は、PBX6経由で音声応答装置5からの発呼を検出すると、呼出音を鳴動出力し、同発呼に対する応答操作を検出すると(ステップS30)、PBX6経由で応答を音声応答装置5に通知する(ステップS31)。
【0087】
音声応答装置5は、PBX6経由で応答を検出すると、応答OKと判断し(ステップS32)、PBX6経由で相手先電話機2との通話を確立し(ステップS33)、ガイダンス出力制御部24を通じて応答ガイダンスの出力を開始し(ステップS34)、PBX6経由で同応答ガイダンスを相手先電話機2に通知する(ステップS35)。尚、応答ガイダンスは、例えば「こちらはOOです。先程の通話が途中で切れてしまいました。先程の担当者と今すぐ通話の再開を希望される場合は「1」を、後での通話を希望される場合は「2」と、通話を希望されない場合は「3」を押してください。」といった音声ガイダンスに相当するものである。
【0088】
相手先電話機2は、応答ガイダンス内容に応じて接続要求操作を検出すると(ステップS36)、PBX6経由で接続要求を音声応答装置5に通知する(ステップS37)。尚、接続要求操作は、応答ガイダンス内容に対応した、「1」、「2」又は「3」の相手先電話機2側の顧客PB信号入力操作に相当するものである。
【0089】
図14に示す音声応答装置5は、ステップS37にてPBX6経由で接続要求を検出すると、この接続要求が“1”の場合(ステップS38)、切断相手の担当オペレータ側の電話機4を呼び出すべく、発呼要求をPBX6に通知する(ステップS39)。
【0090】
PBX6は、相手先電話機2との接続を保持しながら、発呼要求を検出すると、担当オペレータ側の電話機4への発呼を開始し(ステップS40)、担当オペレータ側の電話機4へ発呼すると共に(ステップS41)、担当オペレータ側の電話機4への発呼通知をACD管理装置8に通知する(ステップS42)。
【0091】
ACD管理装置8は、PBX6から発呼通知を検出すると、切断相手着呼メッセージを同着呼中の電話機4と連動する担当オペレータ側のPC端末7に通知する(ステップS43)。担当オペレータ側のPC端末7は、切断相手着呼中メッセージを受信すると、切断相手が待受け中であることを示す切断相手着呼中メッセージ画面(図11(d)参照)を表示する(ステップS44)。尚、担当オペレータは、同PC端末7の切断相手着呼中メッセージ画面を見て、切断相手からの呼出を認識することができる。
【0092】
担当オペレータ側の電話機4は、ステップS41にてPBX6からの発呼に応じて呼出音を鳴動出力し、この発呼に対する応答操作を検出すると(ステップS45)、PBX6に対して応答を通知する(ステップS46)。尚、応答操作は、PC端末7の電話機連動画面51上の応答ボタン51Aのクリック操作でも良いことは言うまでもない。
【0093】
PBX6は、担当オペレータ側の電話機4の応答を検出すると、同電話機4及び切断相手の相手先電話機2間の音声通話を再び確立し(ステップS47)、同電話機4及び切断相手の相手先電話機2の切断情報を切断情報管理テーブル45から消去し(ステップS47)、この処理動作を終了する。
【0094】
図12乃至図14に示す動作シーケンスによれば、担当オペレータ側の電話機4及び切断相手の相手先電話機2間の音声通話中に突然通話切断が発生した場合でも、例えば担当オペレータ側の再通話要求操作を検出すると、音声応答装置5を通じて切断相手の相手先電話機2に再通話発呼を実行し、切断相手の相手先電話機2が同再通話発呼に対して応答した場合、担当オペレータ側の電話機4に再発呼し、担当オペレータ側の電話機4の再発呼に対して応答した場合、切断相手の相手先電話機2及び担当オペレータ側の電話機4間の音声通話を確立するようにしたので、音声通話中に、通話相手先側の要因で通話切断が発生したとしても、同通話切断に対する救済対策として同通話相手先(切断相手)への再通話を自動的に要求することができ、しかも、再通話に関わる切断相手への自動発呼から再通話直前までの処理を音声応答装置5及びPBX6側で実行することになるため、その間、電話機4側の担当オペレータは別作業を行うことができ、その結果、業務効率の大幅向上を図ることができる。
【0095】
次に担当オペレータ側の電話機4及び相手先電話機2間の音声通話中に突然通話切断が発生した場合におけるACD管理装置8側の再通話要求受付処理について説明する。図15は再通話要求受付処理に関わるACD管理装置8内部の処理動作を示すフローチャートである。
【0096】
図15に示す再通話要求受付処理は、担当オペレータ側の電話機4及び相手先電話機2間の音声通話中に切断が発生した直後、同切断が所定の切断理由コード又は電話機4側の再通話要求操作を検出すると、切断相手である相手先電話機2への再通話要求を自動的に実行する処理である。
【0097】
図15においてACD管理装置8は、担当オペレータ側の電話機4及び客先の相手先電話機2間の音声通話中に切断による切断理由コードを検出したか否かを判定する(ステップS51)。
【0098】
ACD管理装置8は、切断理由コードを検出した場合、同切断理由コードが、例えば無線圏外による切断等の所定理由コードであるか否かを判定する(ステップS52)。
【0099】
ACD管理装置8は、切断理由コードが所定理由コードの場合、同切断に関わる担当オペレータ側の電話機4及び相手先電話機2の切断情報を作成し(ステップS53)、この作成した切断情報を切断情報管理テーブル45に登録する(ステップS54)。尚、切断情報は、切断通話を識別する通話番号45A、同通話の担当オペレータを識別するACDログオンID番号45B、同担当オペレータの電話機4を識別する内線番号45C、切断相手の相手先電話機2の電話番号(通話相手)45D及び切断時刻45Eで構成するものである。
【0100】
ACD管理装置8は、この切断情報を切断情報管理テーブル45に登録すると、この切断情報を、同切断情報に関わる担当オペレータ側の電話機4と連動するPC端末7に通知する(ステップS55)。尚、PC端末7は、切断情報を受信すると、この切断情報画面(図11(b)参照)を画面表示し、担当オペレータは、同切断情報画面を見ることで同切断を認識することができるものである。
【0101】
ACD管理装置8は、現在着呼中判定部34Aを通じて、現在着呼中管理テーブル46内の現在着呼中の電話番号内に同切断相手の相手先電話機2の電話番号があるか否かを判定する(ステップS56)。
【0102】
ACD管理装置8は、現在着呼中の電話番号内に切断相手の相手先電話機2の電話番号がない場合、同切断相手の相手先電話機2への再通話を要求すべく、再通話発呼要求を音声応答装置5に通知することで(ステップS57)、この処理動作を終了する。
【0103】
また、ACD管理装置8は、ステップS56にて現在着呼中の電話番号内に切断相手の相手先電話機2の電話番号がある場合、同切断相手の相手先電話機2からの着信呼を担当オペレータ側に通知すべく、切断相手着呼中メッセージを同担当オペレータの電話機4と連動するPC端末7に通知することで(ステップS58)、この処理動作を終了する。
【0104】
尚、担当オペレータ側のPC端末7は、切断相手着呼中メッセージを受信すると、切断相手着呼中メッセージ画面(図11(d)参照)を表示するものである。その結果、担当オペレータは、切断相手着呼中メッセージ画面を見ることで切断相手からの現在着呼中であることを認識することができ、同電話機4の応答操作に応じて切断相手の相手先電話機2からの着信呼に応答して同切断相手の相手先電話機2と再通話することが可能になる。この際、ACD管理装置8は、担当オペレータ側の電話機4及び相手先電話機2間の通話確立を検出すると、切断情報管理テーブル45に登録済みの同通話に関わる切断情報を消去するものである。
【0105】
また、ACD管理装置8は、ステップS51にて切断理由コードを検出できない場合、担当オペレータ側の電話機4及び相手先電話機2間の音声通話が継続しているものと判断し、この処理動作を終了する。
【0106】
また、ACD管理装置8は、ステップS52にて切断理由コードが所定理由コードでない場合、要求検出確認タイマの計時動作を開始し(ステップS59)、同電話機4と連動するPC端末7を通じて切断メッセージ画面(図11(b)参照)上の再通話要求ボタン52Dのクリック操作に応じた再通話要求を検出したか否かを判定する(ステップS60)。
【0107】
ACD管理装置8は、ステップS60にて再通話要求を検出した場合、同担当オペレータ側の電話機4及び相手先電話機2の切断情報を作成すべく、ステップS53に移行する。
【0108】
また、ACD管理装置8は、ステップS60にて再通話要求を検出しない場合、ステップS59にて計時動作を開始した要求検出確認タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップS61)。
【0109】
ACD管理装置8は、要求検出確認タイマがタイムアップした場合、切断相手の相手先電話機2への再通話の要求はないものと判断し、この処理動作を終了する。
【0110】
また、ACD管理装置8は、ステップS61にて要求検出確認タイマがタイムアップしてない場合、同電話機4に連動するPC端末7を通じて再通話要求の検出を監視すべく、ステップS60に移行する。
【0111】
図15に示す再通話要求受付処理によれば、担当オペレータ側の電話機4及び相手先電話機2間の音声通話中に突然切断が発生した直後に、所定理由コード又は担当オペレータ側の再通話要求操作を検出した場合、同担当オペレータ側の電話機4及び相手先電話機2に関わる切断情報を作成し、この切断情報を切断情報管理テーブル45に登録すると共に、この切断相手の相手先電話機2への再通話を音声応答装置5に要求するようにしたので、音声通話中に突然切断が発生したとしても、切断相手の相手先電話機2への再通話が可能となる。
【0112】
尚、ACD管理装置8は、図15に示す再通話要求受付処理のステップS57にて切断相手の相手先電話機2への再通話を要求すべく、再通話発呼要求を音声応答装置5に通知したが、次に再通話発呼要求を受信した音声応答装置5が実行する再通話発呼処理について説明する。図16は再通話発呼処理に関わる音声応答装置5内部の処理動作を示すフローチャートである。
【0113】
図16に示す再通話発呼処理は、ACD管理装置8から再通話発呼要求を検出すると、PBX6を通じて、同切断相手の相手先電話機2への再通話を要求すべく、音声応答装置5が実行する各種処理である。
【0114】
図16において音声応答装置5は、ACD管理装置8から再通話発呼要求を検出したか否かを判定する(ステップS71)。
【0115】
音声応答装置5は、再通話発呼要求を検出した場合、同再通話発呼要求に含まれる切断相手の相手先電話機2の電話番号に基づき、同相手先電話機2への発呼準備がOKか否かを判定する(ステップS72)。
【0116】
音声応答装置5は、同相手先電話機2への発呼準備がOKである場合、PBX6経由で相手先電話機2へ発呼を通知すると共に(ステップS73)、相手先電話機2への発呼を通知すると、発呼中通知をACD管理装置8に通知する(ステップS74)。尚、ACD管理装置8は、発呼中通知を受信すると、同担当オペレータ側のPC端末7に再通話発呼中メッセージを通知して同再通話発呼中メッセージ画面(図11(c)参照)を画面表示することで、担当オペレータでは切断相手への再通話発呼中を認識することができる。
【0117】
また、音声応答装置5は、発呼中通知をACD管理装置8に通知すると、応答検出タイマの計時動作を開始し(ステップS75)、応答検出タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップS76)。
【0118】
音声応答装置5は、応答検出タイマがタイムアップしたのでなければ、PBX6経由で切断相手の相手先電話機2から発呼に対する応答を検出したか否かを判定する(ステップS77)。
【0119】
音声応答装置5は、切断相手の相手先電話機2から発呼に対する応答を検出した場合、相手先電話機2との通話を確立して、ガイダンス出力制御部24を通じて応答ガイダンスをPBX6経由で相手先電話機2に通知することで(ステップS78)、この処理動作を終了する。
【0120】
また、音声応答装置5は、ステップS76にて応答検出タイマがタイムアップした場合、ステップS73にて通知した相手先電話機2への発呼に対する応答がなかったものと判断し、PBX6との接続を切断し(ステップS79)、未応答通知をACD管理装置8に通知することで(ステップS80)、この処理動作を終了する。
【0121】
尚、ACD管理装置8は、未応答通知を同担当オペレータ側のPC端末7に通知し、PC端末7側で切断相手未応答画面(図11(f)参照)を画面表示することで、担当オペレータ側では、同切断相手未応答画面を見て、切断相手に対して発呼したにもかかわらず、切断相手側の応答がなかったことを認識することができる。
【0122】
また、ACD管理装置8は、同担当オペレータ側の電話機4及び相手先電話機2の切断情報の内、発信回数45Fを+1インクリメント、次回発信タイミング時刻45Gを更新し、この切断情報を切断情報管理テーブル45に登録更新するものである。
【0123】
また、音声応答装置5は、ステップS71にて再通話発呼要求を検出しない場合、この処理動作を終了する。
【0124】
さらに、音声応答装置5は、ステップS72にて切断相手の相手先電話機2への発呼準備がOKではない場合、発呼待ち回数を+1インクリメントし(ステップS81)、発呼待ち回数が所定回数を超えたか否かを判定する(ステップS82)。
【0125】
音声応答装置5は、発呼待ち回数が所定回数を超えてない場合、発呼待ちタイマの計時動作を開始し(ステップS83)、この発呼待ちタイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップS84)。
【0126】
音声応答装置5は、発呼待ちタイマがタイムアップした場合、相手先電話機2への発呼準備がOKか否かを監視すべく、ステップS72に移行する。
【0127】
また、音声応答装置5は、ステップS82にて発呼待ち回数が所定回数を超えた場合、PBX6との接続を切断し(ステップS85)、未発呼通知をACD管理装置8に通知することで(ステップS86)、この処理動作を終了する。
【0128】
尚、ACD管理装置8は、未発呼通知を同担当オペレータ側のPC端末7に通知し、このPC端末7にて切断相手未発呼画面(図11(e)参照)を画面表示することで、担当オペレータ側では切断相手への発呼準備が整わず、切断相手への発呼ができなかったことを認識することができる。
【0129】
また、ACD管理装置7は、同担当オペレータ側の電話機4及び相手先電話機2の切断情報の内、次回発信タイミング時刻45Gを更新して、この切断情報を切断情報管理テーブル45に登録更新するものである。
【0130】
図16に示す再通話発呼処理によれば、ACD管理装置8から再通話発呼要求を検出すると、同切断相手の相手先電話機2への発呼準備がOKの場合、PBX6経由で同相手先電話機2へ発呼し、同発呼に対して応答検出タイマ時間内に相手先電話機2からの応答を検出した場合、応答ガイダンスを相手先電話機2に通知するようにしたので、音声応答装置が切断相手の相手先電話機2に自動的に応答ガイダンスを通知することができる。
【0131】
また、再通話発呼処理によれば、ACD管理装置8から再通話発呼要求を検出すると、同切断相手の相手先電話機2への発呼準備がOKでない場合、発呼待ち回数を+1インクリメントし、同発呼待ち回数が所定回数を超えるまで発呼準備がOKになったか否かを監視し、同発呼待ち回数が所定回数を超えた場合、PBX6との接続を切断するようにしたので、音声応答装置5側の無駄な発呼動作を回避することができる。
【0132】
さらに、再通話発呼処理によれば、同発呼待ち回数が所定回数を超えた場合、PBX6との接続を切断し、ACD管理装置8に対して未発呼通知を通知し、その結果、ACD管理装置8側では未発呼通知に応じて同担当オペレータ側の電話機4に連動するPC端末7に切断相手未発呼画面(図11(e)参照)を画面表示させるようにしたので、担当オペレータは、切断相手未発呼画面に見ることで切断相手である相手先電話機2への発呼準備が整っていないことを認識することができる。
【0133】
また、再通話発呼処理によれば、PBX6経由で同相手先電話機2へ発呼し、同発呼に対して応答検出タイマ時間内に相手先電話機2からの応答を検出できなかった場合、PBX6との接続を切断するようにしたので、音声応答装置5側の発呼動作に対する長時間の応答待ち処理負担を大幅に軽減することができる。
【0134】
さらに、再通話発呼処理によれば、同発呼に対して応答検出タイマ時間内に相手先電話機2からの応答を検出できなかった場合、PBX6との接続を切断して未応答通知をACD管理装置8に通知し、その結果、ACD管理装置8側では未発呼通知に応じて同担当オペレータ側の電話機4に連動するPC端末7に切断相手未応答画面(図11(f)参照)を画面表示させるようにしたので、担当オペレータは、切断相手未応答画面を見ることで切断相手である相手先電話機2へ発呼しているにもかかわらず、切断相手からの応答がないことを認識することができる。
【0135】
尚、音声応答装置5は、図16に示す再通話発呼処理のステップS78にて切断相手の相手先電話機2側の応答に応じて応答ガイダンスを出力し、この応答ガイダンス内容に応じて相手先電話機2側のPB信号操作の接続要求を受信することになるが、次に接続要求を受信した音声応答装置5が実行する接続要求受付処理について説明する。図17は接続要求受付処理に関わる音声応答装置5内部の処理動作を示すフローチャートである。
【0136】
図17に示す接続要求受付処理は、相手先電話機2に対して応答ガイダンス出力後、応答ガイダンス内容に対応する相手先電話機2側のPB信号操作の接続要求に応じて、音声応答装置5が実行する各種処理である。
【0137】
図17において音声応答装置5は、PBX6経由で相手先電話機2への応答ガイダンス出力後、PBX6経由で応答ガイダンス内容に応じた相手先電話機2からの接続要求を検出したか否かを判定する(ステップS91)。
【0138】
音声応答装置5は、応答ガイダンス内容に応じた接続要求を検出した場合、PB信号“1”の接続要求を検出したか否かを判定する(ステップS92)。
【0139】
音声応答装置5は、PB信号“1”の接続要求を検出した場合、切断相手側が担当オペレータ側との再通話を要求しているものと判断し、担当オペレータ側の電話機4に対して発呼をPBX6経由で通知することで(ステップS93)、この処理動作を終了する。
【0140】
また、音声応答装置5は、ステップS92にてPB信号“1”の接続要求でない場合、PB信号“2”の接続要求を検出したか否かを判定する(ステップS94)。
【0141】
音声応答装置5は、ステップS94にてPB信号“2”の接続要求を検出した場合、切断相手が後での担当オペレータとの再通話を望んでいるものと判断し、ガイダンス出力制御部24を通じて、PBX6経由で希望日時ガイダンスを切断相手の相手先電話機2に通知する(ステップS95)。尚、相手先電話機2側のユーザは、希望日時をPB信号で入力し、このPB信号をPBX6経由で音声応答装置5に通知するものである。
【0142】
音声応答装置5は、PB信号受信解析部25を通じて相手先電話機2からのPB信号を受信解析して希望日時を検出すると(ステップS96)、この希望日時をACD管理装置8に通知する(ステップS97)。尚、ACD管理装置8は、希望日時を受信すると、同切断情報内の発信回数45Fを+1インクリメント、次回発信タイミング時刻45Gを同希望日時を更新して、この切断情報を切断情報管理テーブル45に更新登録すると共に、切断情報管理テーブル45内の更新登録が完了すると、希望日時登録完了を音声応答装置5に通知するものである。
【0143】
音声応答装置5は、ACD管理装置8から希望日時登録完了を検出すると(ステップS98)、ガイダンス出力制御部24を通じて、例えば「XX時に再度電話致します。ありがとうございました。」の登録完了ガイダンスを切断相手の相手先電話機2にPBX6経由で通知し(ステップS99)、PBX6との接続を切断して(ステップS100)、この処理動作を終了する。
【0144】
尚、ACD管理装置8は、切断情報管理テーブル45に登録済みの切断情報内の次回発信タイミング時刻45Gを常時監視し、現在時刻が次回送信タイミング時刻に到達すると、この次回送信タイミング時刻に到達した切断相手の相手先電話機2への再通話を要求すべく、再通話発呼要求を音声応答装置5に通知するものである。その結果、図16及び図17の処理を経て、担当オペレータは、切断相手側の相手先電話機2への再通話を実現することが可能になる。
【0145】
また、音声応答装置5は、ステップS94にてPB信号“2”の接続要求でない場合、PB信号“3”の接続要求を検出したものと判断し、切断相手が担当オペレータとの再通話を望んでいないものと判断し、切断情報消去通知をACD管理装置8に通知する(ステップS101)。尚、ACD管理装置8は、音声応答装置5から切断情報消去通知を検出すると、同切断情報管理テーブル45に登録済みの同切断相手の切断情報を消去すると共に、切断情報の消去が完了すると、消去完了通知を音声応答装置5に通知するものである。
【0146】
音声応答装置5は、消去完了通知を検出すると(ステップS102)、ガイダンス出力制御部24を通じて、例えば「ありがとうございました。」等の終了ガイダンスを切断相手の相手先電話機2にPBX6経由で通知し(ステップS103)、PBX6との接続を切断すべく、ステップS100に移行して、この処理動作を終了する。
【0147】
図17に示す接続要求受付処理によれば、相手先電話機2への応答ガイダンス出力後、応答ガイダンス内容に応じて相手先電話機2側のPB信号操作による「1」の接続要求を検出した場合、切断相手が担当オペレータ側との再通話を要求しているものと判断し、担当オペレータ側の電話機4に対して発呼を通知するようにしたので、担当オペレータは、同発呼に応答することで、切断相手との再通話を実現することができる。
【0148】
また、接続要求受付処理によれば、応答ガイダンス内容に応じて相手先電話機2側のPB信号操作による「2」の接続要求を検出した場合、切断相手が担当オペレータとの再通話を後で要求しているものと判断し、切断相手に対して希望日時入力ガイダンスを出力し、この希望日時入力ガイダンスに応じて切断相手側のPB信号による希望日時を検出すると、この希望日時をACD管理装置8に通知することで、ACD管理装置8側は同希望日時を切断情報管理テーブル45に登録するようにしたので、担当オペレータは、希望日時に切断相手との再通話を実現することができる。
【0149】
本実施の形態によれば、担当オペレータ側の電話機4及び相手先電話機2間の音声通話中での切断発生直後、担当オペレータの意思による再通話要求操作又は、相手先電話機2側の通信状態が不安定による通話切断を示す所定の切断理由コードを検出すると、電話機2との再通話を要求すべく、音声応答装置5が切断相手の相手先電話機2に対して自動発呼するようにしたので、音声通話中に、切断相手側の要因で通話切断が発生したとしても、同通話切断に対する救済対策として同切断相手への再通話を自動的に要求することができ、しかも、再通話に関わる切断相手への自動発呼から再通話直前までの処理を音声応答装置5及びPBX6側で実行することになるため、その間、電話機4側の担当オペレータは別作業を行うことができ、その結果、業務効率の大幅向上を図ることができる。
【0150】
本実施の形態によれば、担当オペレータの電話機4側の再通話要求操作又は所定の切断理由コードを検出すると、切断に関わる電話機4及び相手先電話機2の電話番号を切断情報として切断情報管理テーブル45に登録し、この登録中の切断情報に含まれる相手先電話機2の電話番号に基づき、切断相手の相手先電話機2に対して自動発呼するようにしたので、音声応答装置5は、切断情報管理テーブル45に登録中の切断情報に基づき、切断相手の相手先電話機2への自動発呼を実現することができる。
【0151】
また、本実施の形態によれば、音声応答装置5が切断相手の相手先電話機2に対して自動発呼する際、この切断相手の相手先電話機2の電話番号が現在着呼中の電話番号内にある場合、切断相手の相手先電話機2への自動発呼を禁止すると共に、相手先電話機2の電話番号が現在着呼中の電話番号内にない場合、切断相手の相手先電話機2への自動発呼を許可するようにしたので、音声応答装置5は、切断相手の相手先電話機2に対して自動発呼する際、切断相手の相手先電話機2からの掛け直しによる着信呼を監視することで、音声応答装置5及び相手先電話機2双方で同時に発呼し合うような無駄な発呼動作を確実に防止することができる。
【0152】
また、本実施の形態によれば、音声応答装置5を通じて、切断相手の相手先電話機2への発呼に対する、同相手先電話機2からの応答を検出すると、担当オペレータ側の電話機4への再通話を要求する応答ガイダンスを同相手先電話機2に通知するようにしたので、切断相手は、相手先電話機2を通じて応答ガイダンスを受聴することで、通話切断した電話機4への再通話要求を認識することができる。
【0153】
また、本実施の形態によれば、相手先電話機2への応答ガイダンス通知後、この相手先電話機2から担当オペレータ側の電話機4への「1」の接続要求を検出すると、同担当オペレータ側の電話機4へ自動発呼すると共に、電話機4の自動発呼に対する応答を検出すると、電話機4及び相手先電話機2間の再通話を確立させるようにしたので、再通話に関わる切断相手への自動発呼から再通話直前までの処理を音声応答装置5及びPBX6側で実行することになるため、その間、電話機4側の担当オペレータは別作業を行うことができ、その結果、業務効率の大幅向上を図ることができる。
【0154】
また、本実施の形態によれば、ACD管理装置8が、切断情報管理テーブル45にて切断情報を登録すると、同切断情報に関わる電話機4と連動するPC端末7の表示画面上に、同切断情報を画面表示させるようにしたので、電話機4側の担当オペレータは、同電話機4に連動するPC端末7の表示画面(切断情報画面(図11(b)参照)を見て、切断情報の内容を認識することができる。
【0155】
また、本実施の形態によれば、音声応答装置5が、切断相手の相手先電話機2に対して自動発呼を開始すると、同切断に関わる電話機4と連動するPC端末7の表示画面上に、切断相手への発呼中を画面表示させるようにしたので、電話機4側の担当オペレータは、同電話機4に連動するPC端末7の表示画面(再通話発呼中メッセージ画面(図11(c)参照)を見て、切断相手への発呼中を認識することができる。
【0156】
また、本実施の形態によれば、音声応答装置5が相手先電話機2への音声ガイダンス通知後、この相手先電話機2から電話機4への「1」の接続要求を検出すると、電話機4へ自動発呼すると共に、電話機4への自動発呼開始に応じて同電話機4に連動するPC端末7の表示画面上に、切断相手の応答待ち中を画面表示させるようにしたので、電話機4側の担当オペレータは、同電話機4の発呼に伴う呼出音の鳴動出力は勿論のこと、同電話機4に連動するPC端末7の表示画面(切断相手着呼中メッセージ画面(図11(d)参照)を見て、切断相手からの呼出を認識することができる。
【0157】
尚、上記実施の形態においては、図15に示す再通話要求受付処理のステップS53にて相手先電話機2の電話番号を含めて切断情報を作成し、この切断情報を切断情報管理テーブル45に登録し、この切断情報管理テーブル45に登録済みの切断情報に基づき切断相手の相手先電話機2との再通話を要求するようにしたが、例えば切断相手の相手先電話機2が発信者番号非通知の場合や公衆電話の場合は、切断情報を作成せず、同切断相手の相手先電話機2との再通話要求を禁止するものである。
【0158】
また、図16に示す再通話発呼処理のステップS76にて切断相手の相手先電話機2からの応答を監視する応答検出タイマがタイムアップした時点で、ステップS79にてPBX6との接続を切断し、ステップS80の処理を経て切断情報管理テーブル45の切断情報を更新登録するようにしたが、応答検出タイマの計時中に、相手先電話機2からの着信拒否コードを検出した場合、PBX6との接続を切断することは勿論のこと、同切断情報管理テーブル45に登録済みの同相手先電話機2に関わる切断情報を消去するように、ACD管理装置8に消去通知を指示するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0159】
本発明の通話システムによれば、電話機及び相手先電話機間の音声通話中での切断発生直後、電話機側のユーザの意思による再通話要求操作又は、相手先電話機側の通信状態が不安定による通話切断を示す所定の切断理由通知を検出すると、電話機との再通話を要求すべく、発着信制御装置が前記切断相手の相手先電話機に対して自動発呼するようにしたので、音声通話中に、通話相手先側の要因で通話切断が発生したとしても、同通話切断に対する救済対策として同通話相手先(切断相手)への再通話を自動的に要求することができ、しかも、再通話に関わる切断相手への自動発呼から再通話直前までの処理を前記発着信制御装置側で実行することになるため、その間、電話機側のユーザは別作業を行うことができ、その結果、業務効率の大幅向上を図ることができるため、例えばコールセンタシステムに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明の通話システムに関わる実施の形態を示すACDシステム内部の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態に関わる音声応答装置内部の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態に関わる音声応答装置内部の接続先管理テーブルのテーブル内容を端的に示す説明図である。
【図4】本実施の形態に関わるACD管理装置内部の概略構成を示すブロック図である。
【図5】本実施の形態に関わるACD管理装置内部のACDグループ管理テーブルのテーブル内容を端的に示す説明図である。
【図6】本実施の形態に関わるACD管理装置内部の内線番号管理テーブルのテーブル内容を端的に示す説明図である。
【図7】本実施の形態に関わるACD管理装置内部のオペレータ管理テーブルのテーブル内容を端的に示す説明図である。
【図8】本実施の形態に関わるACD管理装置内部の通話履歴管理テーブルのテーブル内容を端的に示す説明図である。
【図9】本実施の形態に関わるACD管理装置内部の切断情報管理テーブルのテーブル内容を端的に示す説明図である。
【図10】本実施の形態に関わるACD管理装置内部の現在着呼中管理テーブルのテーブル内容を端的に示す説明図である。
【図11】本実施の形態に関わるPC端末側の各種表示画面を端的に示す説明図である。
【図12】本実施の形態に関わる電話機及び相手先電話機間の音声通話切断から再通話までのコールセンタシステム全体の処理動作を示す動作シーケンスである。
【図13】本実施の形態に関わる電話機及び相手先電話機間の音声通話切断から再通話までのコールセンタシステム全体の処理動作を示す動作シーケンスである。
【図14】本実施の形態に関わる電話機及び相手先電話機間の音声通話切断から再通話までのコールセンタシステム全体の処理動作を示す動作シーケンスである。
【図15】本実施の形態に関わるACD管理装置内部の再通話要求受付処理に関わる処理動作を示すフローチャートである。
【図16】本実施の形態に関わる音声応答装置内部の再通話発呼処理に関わる処理動作を示すフローチャートである。
【図17】本実施の形態に関わる音声応答装置内部の接続要求処理に関わる処理動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0161】
1 コールセンタシステム(通話システム)
2 相手先電話機
4 電話機
5 音声応答装置(発着信制御装置、発呼手段)
6 PBX(発着信制御装置、発呼手段)
7 PC端末(パソコン端末)
8 ACD管理装置(発着信制御装置、発呼手段)
24 ガイダンス出力制御部(音声ガイダンス通知手段)
34A 現在着呼中判定部(現在着呼中判定手段)
43 ACD制御部(切断情報登録手段、発呼制御手段)
45 切断情報管理テーブル(切断情報登録手段)
46 現在着呼中管理テーブル(現在着呼管理手段)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話機と、この電話機への着信呼に自動応答可能な発着信制御装置とを有する通話システムであって、
前記発着信制御装置は、
前記電話機及び相手先電話機間の音声通話中での切断発生直後に、前記電話機側の再通話要求操作又は所定の切断理由通知を検出すると、この電話機との再通話を要求すべく、前記切断相手の前記相手先電話機に対して自動発呼する発呼手段を有することを特徴とする通話システム。
【請求項2】
前記発着信制御装置は、
前記電話機側の再通話要求操作又は所定の切断理由通知を検出すると、前記切断に関わる前記電話機及び相手先電話機の電話番号を切断情報として登録する切断情報登録手段とを有し、
前記発呼手段は、
前記切断情報登録手段に登録中の前記切断情報に含まれる前記相手先電話機の電話番号に基づき、前記切断相手の相手先電話機に対して自動発呼することを特徴とする請求項1記載の通話システム。
【請求項3】
前記発着信制御装置は、
前記通話システムへの現在着呼中の発信者番号を管理する現在着呼管理手段と、
前記発呼手段を通じて前記切断相手の相手先電話機に対して自動発呼する際、この切断相手の相手先電話機の電話番号が前記現在着呼管理手段に管理中の現在着呼中の発信者番号内にあるか否かを判定する現在着呼中判定手段と、
この現在着呼中判定手段にて前記相手先電話機の電話番号が現在着呼中の発信者番号内にある場合、前記切断相手の相手先電話機への自動発呼を禁止すべく、前記発呼手段を制御すると共に、前記現在着呼中判定手段にて前記相手先電話機の電話番号が現在着呼中の発信者番号内にない場合、前記切断相手の相手先電話機への自動発呼を許可すべく、前記発呼手段を制御する発呼制御手段とを有することを特徴とする請求項1又は2記載の通話システム。
【請求項4】
前記発着信制御装置は、
前記発呼手段による前記切断相手の相手先電話機への発呼に対する、同相手先電話機からの応答を検出すると、前記電話機への再通話を要求する音声ガイダンスを同相手先電話機に通知する音声ガイダンス通知手段を有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の通話システム。
【請求項5】
前記発着信制御装置は、
前記音声ガイダンス通知手段を通じて前記相手先電話機への音声ガイダンス通知後、この相手先電話機から前記電話機への接続要求を検出すると、前記発呼手段を通じて前記電話機へ自動発呼すると共に、前記電話機への自動発呼に対する応答を検出すると、前記電話機及び前記相手先電話機間の再通話を確立させることを特徴する請求項4記載の通話システム。
【請求項6】
前記電話機と連動する電話連動機能を備えたパソコン端末を有し、
前記発着信制御装置は、
前記切断情報登録手段にて前記切断情報を登録すると、同切断情報に関わる電話機と連動するパソコン端末の表示画面上に、同切断情報を画面表示させることを特徴とする請求項2記載の通話システム。
【請求項7】
前記発着信制御装置は、
前記発呼手段を通じて前記切断相手の相手先電話機に対する自動発呼を開始すると、同電話機と連動するパソコン端末の表示画面上に、同切断相手への発呼中を画面表示させることを特徴とする請求項6記載の通話システム。
【請求項8】
前記発着信制御装置は、
前記発呼手段を通じて前記切断相手の相手先電話機への発呼に対する、同相手先電話機からの応答を検出すると、前記電話機への再通話を要求する音声ガイダンスを同相手先電話機に通知する音声ガイダンス通知手段を有し、
前記音声ガイダンス通知手段を通じて前記相手先電話機への音声ガイダンス通知後、この相手先電話機から前記電話機への接続要求を検出すると、前記発呼手段を通じて前記電話機へ自動発呼すると共に、前記電話機への自動発呼開始に応じて同電話機に連動するパソコン端末の表示画面上に、前記切断相手の応答待ち中を画面表示させることを特徴とする請求項6又は7記載の通話システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−10503(P2009−10503A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−167808(P2007−167808)
【出願日】平成19年6月26日(2007.6.26)
【出願人】(000153465)株式会社日立コミュニケーションテクノロジー (770)
【Fターム(参考)】